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「『最強の』後継者その25(GS)」

ラッフィン (2008-04-24 22:14)
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メイド服を着込んだ女性二人とネコミミの艶女が一人。サングラスに黒服の集団と対峙している。背中に子供を庇いながら。

「忠夫様に対する所業・・・許すわけには行きません!」
「あなた達は大人として失格です〜!」
「ケイを護るため。私は今一度、修羅となりましょう!」

自分の愛しい人、大切な人を傷つけられた(心の方)ことに三人は怒っている。フミの目は鋭くなり、冥子は霊力を高め、ミイは爪を伸ばす。それぞれが戦闘準備万端な状態で黒服達を睨みつけている。

「ど、どうしましょう?冥子お嬢様が・・・」
「ここまできて引き下がれるか!突撃だ!」
「しかし・・・」
「戸惑うな!行け!!」
「は、はい!?」

冥子とフミが登場してしまったため、ミッションの失敗が確定。さらにそこから忠夫に対して危害を加えることができなくなってしまった。このままではエリート街道を走ってきた自分は終わりだと、いよいよ追い詰められた黒服リーダーはヤケになって突撃命令を出す。戸惑いながらも、上官の命令に逆らえない部下達は突撃を開始。一人を除いては・・・。

「(やれやれ・・・ここまでひどいとはな。私もゆっくりと休んでいられないか)」

さきほど、黒服のリーダーの作戦に難色を示していた者であった。
実は、彼の正体は前・六道SSのリーダーの男である。辞表を出してからしばらくして、冥奈から極秘にSSについて調査していたのだ。
彼が抜けてからというもの、自分の家名を鼻にかけエリートのぼっちゃんが上になる傾向が強く、以前のように実力主義ではなくなってしまった。そのため、冥奈は戻ってきてくれないかと頼みこんだものの、SSがそんな腑抜けてしまったことを信じることが出来なかった男はそれを断った。それでも、冥奈は諦めず交渉し続け、根負けした男は自ら実態を調査して判断すると言って現在に至ったのだ。
そして、さきほどの突撃命令がとどめとなり、この男は再び六道SSに戻る決意をしたのであった。

「(明日から、みっちりと鍛え上げなければな・・・。まずは精神面からだ)」

明日からの訓練メニューを考えながら、誰にも気付かれることなく男は姿を消す。その技術はさすが六道SSのリーダーを務めていただけのことはある。彼はこれから冥奈に復帰する旨を伝えるべく、六道本家に向かったのだ。

「「「「「うおおおおおおおおお」」」」」

メイド&猫耳女性に突っ込んでいく黒服達。そんな黒服達に三人も迎撃するため、制裁を加えるために動き出す。

「インダラちゃ〜ん!」

ヒヒィイイイイイン!

「行くわよ〜!人馬一体〜、マスタングスペシャル〜!(きつつき戦法)」

冥子はインダラにまたがると両手をインダラの首筋に沿え、走っている最中の頭の上下運動を手伝うように一緒になって行っている。さらにインダラの足は前足同士と後ろ足同士を一緒に出して走るという奇妙なスタンスであった。
冥子はそのまま黒服の群れの中に一直線に加速して突撃していった。

「うあああああああ!」
「ぐあ!?」
「ぐへぁああああ!」

その突撃で、インダラの首の上下運動と頭に生えている角によって黒服達が上空へと打ち上げられている。さらに、そこには彼女が待ち構えていた。

「出る杭は打たないといけません!」

フミが空高く飛び上がって冥子に打ち上げられた黒服達に追撃せんと待ち構えていたのだ。その手には棒の先にとげとげのついた鉄球が。それを思いっきり振りかぶって黒服達目掛けて振り下ろす。

ガコン!ガコン!ガコン!

再び地面へと戻ってくる黒服達に休む暇なく、さらなる追撃が襲い掛かる。

「ミイ!切り裂く攻撃!」
「ミャアアアアアアアアアア!」

ザシュ!ザシュ!

「って、何やらせるんですか!」
「ご、ごめんなさい。つい・・・」

忠夫の言葉に体が勝手に反応して、言葉通りにしてしまったミイは顔を真っ赤にしながら忠夫を叱る。忠夫もなんでかわからないが口から出てしまった言葉に、罪悪感を感じ謝った。
そんな問答をしている間も、ミイの手がとまることなく次々と黒服達を葬っていく。たった三人の女性に次々と葬られていく部下達を見ていたリーダーはその現実が信じられなかった。自分達は六道の誇るSSである。それが、たった三人の女性に圧倒されているのだから。男の磨り減っていた精神はそれに耐え切れる崩壊した。

「あああああああああああああああああああああああああ!!」

戦術も、戦法も何もなくただ我武者羅につっこんでくるリーダー。そんな闘い方が三人に通用するはずがない。

「シンダラちゃ〜ん」

ピィイイイイイイイイイ!

飛行能力を持つシンダラの高速体当たりがリーダーの顔面を直撃し体が仰け反る。

「ビカラちゃ〜ん!」

さらにその下に伸びていた冥子の影からビカラが飛び出しリーダーを高々と舞い上げる。そこにさきほどと同様にフミが。金色の大きなハンマーを持ってとび上がっていた。

「押し潰しましょう!」

プチッ♪

なんてカワイイ音が出たらいいのだろうが、あいにくそんなカワイイ音ではなかった。グシャアアアっというような音であるが、とても文字で表せそうにないので想像におまかせします。
フミがハンマーをどかすと地面にめり込んで身動きがとれなくなったリーダーが。そこにとどめとばかりにミイが高く跳び上がり、上空からのアタックを敢行する。

「ミャアアアアアアアア!!」

左手は右手に沿え、体を高速回転させている。まるで、某格闘ゲームのオーラを纏った軍人のような人みたいである。

ドグゥ!!

「ガハァ・・・」

ミイのクローがリーダーの鳩尾に突き刺さり意識を刈り取った。周りを見ればもう黒服で残っている者はゼロ。つまり、フミたちの完全勝利である。

「「いい感じ〜♪」」
「・・・///」

フミと冥子はノリノリでハイタッチを交わしているが、ただ一人ミイだけは恥ずかしさで顔がトマトのように真っ赤になって俯いている。そんなミイの元に走りよる影。

「かあちゃ〜〜〜ん!!」
「もう、大丈夫よ。ケイ」

戦いが終わったことを理解したケイは真っ先に母親の元に駆け寄りわんわんと泣き出した。やはり、銃を向けられていたことが怖かったのだろう。安心してしまい我慢していたものが溢れてきたのだ。そんなケイをミイは真っ赤に染まっていたのが瞬時に母親の顔に変わり優しく抱きしめる。その顔はわが子を護ることが出来たことに対する安堵の色も混じっているのに冥子達は気付いていた。

「忠夫く〜ん」
「大丈夫・・・。俺は自分の力が足りないことを自覚してる。焦ってないよ。でも・・・強くならなきゃって想いは止められない」
「うん〜。がんばらないとね〜」
「そうだね」

忠夫も昨晩のことで焦らずに地道に努力することが出来そうである。冥子は励ますようにそっと忠夫の手を握った。冥子の行動に驚きの表情を浮かべるものの、自分を励ましてくれていることがわかると、一つ頷き手を握り返す。冥子に対する返事のように。と、その反対からフミが忠夫の手を握る。フミの行動にも忠夫は苦笑を浮かべて握り返してあげた。自分は冥子だけじゃない。フミも、他にもたくさんの仲間がいるんだと再確認して。焦らずに少しづつ強くなっていこうと改めて決意する忠夫だった。


「くぅ〜!!羨まし過ぎですよ!お嬢様〜〜〜!!!」

血涙を流しながら車を運転しているフミ。その後部座席では猫又親子が外の景色を眺めている。そして、フミの車の隣では、バイクを二人乗りしている忠夫と冥子の姿がった。
本来なら冥子は助手席に座るはずなのだが、気付いたら忠夫の後ろに座っていたのだ。極々自然にしていたために誰も疑問を持つことなく走りだし、そこでようやく冥子のことに気付いたのだが、もう走り出してしまったのでそのままなのである。
力づくでも忠夫と冥子を引き剥がしたいフミだが、『ミイさん達のこと、お願いね。フミさん』と忠夫じきじきに頼んで来たので、その頼みを断るわけにはいかず泣く泣く運転をしているのだ。そうでなかったら運転なんてしていない。
とにかく、忠夫達は六道家へと向かうのだった。

「というわけなのよ〜」
「わかったわ〜。いくつかピックアップしておくわね〜」

家に着くやいなや、冥子は母にミイのことについて話を聞いてもらった。すると、冥奈はその言葉に一つ頷くと候補地をいくつかピックアップしてくれるという。あまりにもあっさりと話しが進んでしまいミイはつっこむタイミングを逃してしまう。
なので、余計に話しはとんとん拍子に進んでしまい、ミイがやっとのことでつっこんだときにはすでに話は終わっていたのだった。

「じゃ〜、その方向で〜」
「わかりました〜」

「待ってください!そんなあっさりと了承してもいいのですか?私達は妖怪ですよ!!」

「何か問題あるかしら〜?」
「人間は妖怪ってだけで迫害します!積極的に排除しようとする輩もいますよ!」
「人が少ないとこなら大丈夫よ〜」
「でも、いないわけじゃないでしょう!見つかればいずれは徒党を組んでやってきます!」
「大丈夫よ〜。私に任せないな〜」
「あなた一人に何が出来るんですか!!」

「あら?一人じゃないわよ」

ミイが冥奈に怒鳴るが、その答えは忠夫達の後ろから聞こえて来た。振り返るとそこにはちょうど遊びにきたとこの百合子と仕事のことで話しがあった令子、エミの姿が。

「百合子ちゃ〜ん」
「話は勝手に聞いちゃったわ。ごめんなさいね」

百合子は勝手に話を聞いてしまったことをミイに謝罪する。それでも、さっきの言葉は撤回せずにミイに言い放つ。

「というわけで、冥奈一人じゃないわ。私も協力するからね」
「それでも、二人じゃないですか!!」

「「平気よ(〜)」」

二人はミイに自信満々に言い放つ。

「「あなた達には絶対に手をださせないわ(〜)。そういうことする輩には(〜)・・・・フフフフ」」

ゾクッ!!

二人は普通に笑っているはずなのに、部屋の温度が下がったように感じられる。それと同時に何故かこの二人に任せれば大丈夫だという妙な安心感も生まれていた。ミイは直感に近い考えなのに確信を持っているのだ。この二人なら大丈夫だと。

「よろしくお願いします」
「「任せなさい(〜)」」

内心で深い感謝の念を抱きながら、ミイは素直に頭を下げるのだった。
と真面目な話はここまでだ。扉が開き、フミと一緒に入ってきたのはケイである。今まで真面目な話であるため、ケイが飽きてしまうとの配慮でフミがケイにお菓子を振舞っていたのだが、かなり時間がたっていたので様子見にやってきたのだ。

「話終わったの?」
「ああ。今終わったと・・・・ど、どうしたんだ?その格好は?」
「えへへ〜♪似合うかな?」

忠夫はケイに振り返って驚く。何故なら、ケイの格好がフリフリのエプロンドレス姿だったからである。まだ幼いケイは男女の違いが見える範囲では少ないために妙に似合っている。どうやら、主題はこちらのほうであったらしい。その可愛らしい姿は忠夫と令子、エミ以外の女性人には高評価であった。

「わ〜。似合ってるわよ〜。ケイちゃん」
「良かったわね。ケイ。とっても素敵よ」
「カワイイ〜♪」

「えへへ〜♪ありがと〜♪」

みんなからベタ褒めされて照れているケイ。ケイ自信も下半身がスースーする以外は気に入ったようでくるりと回ってニコっと笑ってみせる余裕まである。そこで、またも女性人が盛り上がってしまうのだった。

「ミイさん。ケイは男の子ですよ?いいんですか?」
「本人も気に入ってますし。似合ってるので・・・」
「姉さん!?」
「ケイくんってとっても可愛くない〜?」
「冥奈さん?」
「フミさんグッジョブよ〜」
「フ・・・」
「似合ってるのは確かですが、忠夫様がこれを着てくれたら・・・(うっとり♪)

忠夫の抗議も虚しく流されるだけ。最後のフミさんは身の危険を感じたので全力で逃げた。元の位置に戻って来た忠夫は疲れた表情を浮かべて最後の砦である令子とエミになきつくのだった。

「姉さん・・・ケイは男の子なのに。こんなの間違ってるよ」

そんな忠夫の表情に同じ気持ちを抱いていた令子達は同意しているのだが、何も出来ずにただ泣きついて来た忠夫の頭を撫でて落ち着かせることしかできなかったのであった。
そんな三人を他所にケイのメイド服姿を堪能する冥子達であったとさ。


「お世話になりました」
「またね〜。兄ちゃんたち!!」

ミイとケイは晴れて別荘の管理人となり、自分達の管理する別荘へと引っ越していった。

「元気でな!」
「お気をつけて〜」
「今度こそ、平穏な生活を送れるといいわね」
「いつか遊びに行くわ。そのときはよろしくね」

これを笑顔で見送った忠夫達も日常生活へと戻っていく。数週間が経ち、忠夫は訓練を少し厳しく行うようになっていた。それは、先日の事件のことがあるからだ。今日も休みを利用して妙神山の小竜姫を訪れ、修行をつけてもらっている。

「ほら、だんだんと腕だけで剣を振るようになってますよ!」

パシン!

「うわ!!」

カランカラン

小竜姫に握っていた木刀を叩き落とされバランスを崩す忠夫。そこにすかさず第二撃目が飛んできて忠夫の背中にヒットし、前のめりに倒れこむ。

「まいりました・・・」
「また腕だけで剣を振ってますね。鋭さが鈍ってきてますよ」
「はい・・・」

忠夫はまず素振りを剣の基本の振り方をそれぞれ500回ずつやった後、今やっているように試合形式での修行を行っていた。
腕だけで振っていると言われても素振りをやった後での修行で、疲れが足に出てしまっていたのだ。しかし、甘えは許されない。ここは修行場なのだから。

「もう一本お願いします!」
「わかりました。かかってきなさい!」
「はあああああああああ!」

弱音を吐かず、自分から修行に取り組んでいく忠夫。胸に固く誓った決意を秘めながら。
中央で忠夫と小竜姫の剣がぶつかり合う。
それから、しばらく修行をしていた忠夫。終わった頃には立っていることも出来ないほど疲弊していた。

「これで、本日は終了です」
「お・・・お疲れ様でした・・・」

息も絶え絶えと言った感じで言葉を発する忠夫に苦笑しながら小竜姫は、忠夫に足りないものを指摘していく。

「横島さんは技術よりもまずは基礎体力からつけたほうがいいみだいですね」
「は、はぁ・・・」
「横島さんは飲み込みが早くて技術の進歩は素晴らしいんですけど、基礎体力がないせいでそれを充分に生かせていません。なので、これからは基礎体力を上げることを中心に修行に励んでくださいね」
「はい・・・ありがとうございました」

小竜姫に言われたことを念頭に忠夫は今後のトレーニング内容を考えながら、疲労回復につとめるのであった。

一方その頃、六道家では。

「共同除霊ってのが気に入らないけど。仕事だから仕方ないわけ。足引っ張んじゃないわよ?」
「それはこっちの台詞だわ。オタクの方こそ足引っ張んないでよね!」

お互いに文句を言いながら歩いている令子とエミ。それはさきほど受けた依頼についてのことである。かなりの大口の仕事で単独では無理なので唐巣と弟子である令子達が総出の仕事となったのだが、突然唐巣は別の依頼が入ってしまったために令子達だけで行うことになったのだった。
それについては問題ないのだが、どうせだったら単独での仕事が良かったと思う令子とエミ。いざというときになれば、息のあったコンビを見せる二人だが、普段はライバル心むき出しのぶつかり合いをしているので、あまり一緒にいたくないと思っているのだ。だが、彼女達はもはやいっぱしのGSである。一旦仕事が始まれば私情は挟まない。受けた依頼は全力でやり遂げるだろう。言い合いを続けている現状では、説得力皆無であるが。

「「こんなことしている場合じゃないわ!道具を揃えておかないと!」」

二人はそれぞれ仕事へ持っていく道具を揃えに向かう。彼女ら(特に令子)は道具を使って除霊するタイプのGSなので、その作業は必須であると言える。道具がないと除霊達成率が半減以下に下がってしまうのだから。

「で、なんで俺が荷物持ちをしているのかな?」
「細かいことを気にしないの。そんなんじゃ女の子にモテないわよ?」
「そうよ。それに基礎体力をつけたいんでしょ。そんくらい頑張んなさい」
「それとこれとは話は別だよ!!」

仕事当日。依頼人とヘリから降り立った令子とエミ。その後ろで大量の荷物を背負った忠夫がブツブツと文句を言ったのだ。前日に忠夫の予定を聞いて空いているとわかると、理由も何も説明しないまま同行させ、今に至っている。文句も言いたくなるものである。
そんな忠夫の言葉を軽く流すと二人は依頼人から話を聞くためにその場を離れた。これ以上言っても無駄だと諦めた忠夫は今の内にしっかりと休んでおくのだった。

「では、よろしくお願いします」
「はい。お任せ下さい」

そういうと依頼人である茂流田と須狩(そう名乗った)はヘリに戻っていった。残された三人は目の前に聳え立つ大きな建物を見上げ、やがて心を決めてゆっくりと扉を開けるのだった。
それが依頼ではなく、罠だとも気付かないで・・・。


冥奈の前に数人の黒服姿の男達がいた。六道SSのみなさんである。さらにそのリーダーには以前に辞表を提出していた男が復帰して、厳しい訓練を積んでいた。そのおかげもあってか、SSは再び実力主義になり腕のほうも比例して向上、SSは以前の力を取り戻しさらなる上昇を遂げようとしている。そんな彼らが呼び出されたのは。

「修練はどうなってるの〜?」
「はっ、ようやく全盛期の80%まで戻ったところですね」
「あと一週間で100%にして頂戴〜」
「やれといわれればやりますが・・・理由をお聞かせ願えますか?」
「いいわよ〜。あなた達を呼び出したのは他でもないわ〜。あなた達総員で南部グループってとこを探ってもらいたいの〜」
「南部グループと言いますと最近、バイオテクノロジーで注目されている大企業ですか」
「そうよ〜。でも〜、裏で生物兵器の製造とかもしているって噂だから〜」
「なるほど。それを我々が調査してくればよろしいのですね?だから、100%にしろと・・・」
「話が早くて助かるわ〜。南部はかなりの大きなところだからね〜。慎重にいって頂戴〜。お願いできるかしら〜?」
「はっ!お任せを・・・行くぞ」
「了解!」

一礼をするとSS達は仕事をするために部屋を後にする。久しぶりの大仕事にやる気を漲らせる六道SS達。今回は大企業が相手であるためセキュリティもしっかりしているだろうし、かなり厳しいものになるだろう。だが、SS達の表情には不安や気後れなどの感情は見られない。それよか自信たっぷりの表情をしている。それは復帰したリーダーの厳しい訓練によって培われた実力と自信によるものでもあるのだが、一番の理由は。

「(メイド長を相手にするよりかよっぽど簡単な仕事だ)」

というのが大きかった。フミはもはや化け物扱いか?

コンコン

「どうぞ〜」
「失礼します〜」

SSと入れ替わりの形で入ってきたのは冥子であった。冥子がここにくるとは話は聞いてなかった冥奈は彼女が何を言うのか心辺りがない。

「今日はどうしたの〜?」
「実は〜・・・」

冥子からもたらされた話を聞いた冥奈はポーカーフェイスをしようとして失敗した。ニヤニヤという笑みが消そうとして消えないのだ。

「いい〜、いいわ〜。その話はグッジョブよ〜。さすが私の娘ね〜」
「じゃ〜、許可してくれるの〜?」
「もちろんじゃな〜い。むしろ〜、全面的に協力するわよ〜」
「ありがと〜。お母様〜」

果たして彼女が冥奈に話した内容とは?

――場所は変わって――

「先日の情報がまとまったわ」
「ほう・・・それでは、早速見せてもらおうか」
「わかってるわ。スクリーンを」

ここは六道の屋敷のどこかにある秘密の部屋である。ここを使用する目的はただ一つ、六道秘密会議(またの名をMTM計画会議)を行うためである。今日も今日とてメンバーの四人は暗い部屋でスクリーンをバックに会議をしていた。

「ここまでして変化なしとは・・・いやはや、我々は彼を侮り過ぎていたみたいだな」
「そうですな・・・全く、ここまでヘタれだったとは、情けない」

以前までは喜んでいた内容のはずが、最近では辛口の評価だ。

「どうする?これはかなり手強いわよ?」
「心配ないわ〜。すでに手を打ってあるわ〜、というよりも〜本人からの提案だったんだけどね〜」
「へぇ・・・で、勝算はあるの?」
「それは〜男の子の夢を叶える作戦ってことしかね〜」
「は?何それ?」
「うふふ〜、結果は見てから判断しましょ〜」
「・・・なんか知らないけど、あなたがそういうならそうするわ」

納得は言っていないが冥奈が自信満々に言っているのでこれ以上の追求をやめておく。

「では〜、本日の会議は終了します〜。それから〜、あなたは残ってくださいね〜」

冥奈が会議の終了を宣言すると二人は部屋を出て行った。残った一人に冥奈は笑みを浮かべているが、その笑みは向けられた者にしかわからない、恐ろしいものであったらしい。

「さて、なんで残らされたか・・・わかってるわよね?」

口調がいつものぽややん口調でなく、重々しいものに変わっている。

「SSSランクの激レア写真を獲られたですって?それでよくおめおめと帰って来られたものね」
「申し訳ない・・・しかし!」
「言い訳はいいわ。あなたは写真を獲られた、これが事実よ」

相手の言い分を跳ね除け事実を突きつける冥奈。

「あなたにはお仕置きが必要ですね」
「お仕置きって・・・ま、まさか!?」

パチンッ!

「お呼びでしょうか?」
「彼を例の部屋へ連れて行きなさい」
「はっ!」
「や、やめてくれ!すまん!謝るから!?」

必死に抵抗するが、黒服がガッシリと拘束し動けない上に冥奈は、笑顔で切り捨てた。

「許すはずないじゃない・・・」

「い、い、いやあああああああああああああああああああああああああああ!!」

その絶叫は途切れることなく、三日三晩続いたのだが防音処理がされていたので外にもれることがなく、近所迷惑になるどころか屋敷内にいても全く音が届くことなくみんな普段通り安眠できたという。
何があったかは全くわからない。当人ですら口を噤むくらいなのだから。


あとがき

最近雨が多いですね〜。ラッフィンです。

次回から南部グループ編に突入!
今回は最近出番のなかった令子とエミ、そして忠夫です。
彼らがこれからどうなるのか?

そして、最後に冥子が話した内容とは?

さらに一部の人に期待されているフミの大暴走はあるのか?

それは見てからのお楽しみってことで・・・。


レス返しです。

Tシロー様

順風満帆な人は崩れると脆いところがあります。この自信満々なエリート君も脆い人間だったのです。なまじ優秀だったために挫折を味わうことなくきたのです。それが格下だと思った相手に圧倒されてしまったものですからw

忠夫分補充して妄想力UP、忠夫を罵倒されて戦闘力UP、恋のライバル発見で暴走力UPでございます。

>ニャースなミイ
冥子の髪がロケット団の男のほうに似ていたのと、ミイがまんまでついwww


星の影様

正義の鉄槌ですか?違いますよ、人の恋路を邪魔する輩に恋する乙女の恐ろしさを教えてあげただけですよw

>きっと一日中カー○ィの戦闘音楽
サントラですか?私はグルメレースのBGMが好きですよw

お父さん。お仕置きされますたw


俊様

ご指摘ありがとうございます。
また漢字変換ミスってしまいました・・・。

>ノリノリの二人とは対照的なミイさんが可愛かった
ケイだったらノリノリだったんでしょうけどね〜w


食欲魔人様

>ポケ○ン
私も見てました。あの一時期放送禁止になった原因の回も見ていてなんともなかった一人です。あのときは残念でしたよ。

>ロケット団懐かし!!!!!!!!!!
決めては冥子の髪型とミイでしたw


大海様

>貴方は………神だ。
いいえ、ケフィアです(爆)

私に18禁を期待しないでくださいw
とりあえず、書く気はありませんw


ちゃっき〜様

練習はしていません。これはいわゆる“お約束”ってやつですw
乙女のフィーリングが以心伝心に伝わった結果です!

そこ!ミイさんは乙女じゃない、なんて言わない!!


内海一弘様

照れるミイさん萌え照れるミイさん萌え照れるミイさん萌え・・・(耳元で囁き続ける)

一緒の布団は完全に予想外で、フミさんも固まっちゃいましたからw
冥子がマイペースなのは彼女が六道の娘だから!理由はそれだけですw

>なんか後ろからヒシヒシと何かが迫ってくる気がしますので
あ、あれ?
今、三人組が通りすぎていったような?


HEY2様

冥子とフミの方程式です
忠夫>>>>>>(越えられない壁)>>>>ケイ>>>>>>>>>黒服達

ミイの方程式です
ケイ>(越えられない壁)>忠夫>>>>黒服

さあ、フミが大暴走するためにはFFFの声援が必要だ!
フミさんに声援を送ろうではないかw


DOM様

>体に引っ付いている
化け物に拘束される夢で魘される忠夫と、忠夫とのデート、新婚シチュなど幸せな夢見てニヤけ顔の二人の姿が・・・。

堕ちたエリートは怖いですね・・・。彼らは冷静さを欠いてしまったのでしょう。

>このままシリーズ化
それは考えなかったです・・・このままR団のネタで突っ走ろうと思ってましたから。
でも、シリーズ化もありですねw
検討してみましょう。
問題があるとすれば、私のレパートリーがそれほどないことですが。


にょふ様

>ミイさんの成熟した魅了
ネタはまだありますが・・・どうしましょうかね〜?(見せる気満々)

ネタを考えるのは難しいです。私も結構それで悩みますよ。浮かんだ!と思ったら作品には関係ない新しい話のネタだったり。そんなことはしょっちゅうですからw
作家、話を書く人達の必然的な病気ですよねwこれってw

鹿苑寺様

>ミックミクに〜
すいません。ミク自体は知ってますが名前だけですから・・・。歌とかあまり知りません。

>綾崎ハーマイオニー
あれってヒロインですかwww
ケイのメイド姿に我を失わないでくださいね?


あいん。様

初めまして〜w

たぶん、メイドが二人ですから額には小判でなく、頭にヒラヒラのカチューシャが・・・。

ミクネタはわかりません。


紫藤霞様

おお!ここにMTM計画を後押しする人が現れたw
あなたは六道夫人からスカウトがくる・・・・かな?
ミイさんは準レギュラーにしてもいいかなwR団ネタでwwwと考えている私がいます。

今回は凌ぎきりましたが、もういっぱいいっぱいの限界です。
次回は・・・危ないかもwww


シシン様

ミイさん最高wじゃ、フミさんは?

冥奈の暗躍がうなる〜〜〜〜♪

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