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「想い託す可能性へ 〜 さんじゅうに 〜前編(GS)」

月夜 (2008-04-20 19:33/2008-04-20 19:51)
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  想い託す可能性へ 〜 さんじゅうに 〜 前編


 令子や忠夫達が、富士の樹海にある迷いの森結界から転移で浅間大社に戻る少し前。

 サクヤヒメとイワナガヒメである女華姫が拝殿の中で、ヒャクメのトランクが空中に映し出すいくつかの映像を正座をして見ていた。

 「良かった。とりあえずの危機は去りましたね」

 「そうですねー」

 タマモを救出した忠夫達を映す映像を見て、サクヤヒメはホッとして胸を撫で下ろす。

 同じく安堵の表情を浮かべていたヒャクメも頷いていた。

 けれど次の瞬間、安堵の表情から一変して眼をスゥーっと細めたサクヤヒメは、忠夫達を映す映像とは別のある映像を見つめる。

 そこに映っていたのは、レオルアが味方をロープで縛って担ぎ、逃げていく映像だった。

 (今回は見逃しましょう。けれど、次は…ありませんよ

 映像を見ながらレオルアが自分のお守りを持っている事に気付いたサクヤヒメは、逃げてゆく彼に対して忠告をする。

 その念波に含まれる声は、凍てつく氷の如き冷たさを纏っていた。

 お守りを介して、サクヤヒメの声が彼には伝わったのだろう。映像の中で、レオルアが一度だけビクリと震えるのが見えた。

 サクヤヒメは、敵が持っていったお守りの効力を彼らが迷いの森結界を抜けた所で消した。これで後々悪用される事も無い。

 「うーむ……。なぜ横島殿を狙ってきたのか、それを知っている者達には逃げられてしまったな。
 先ほど捕獲した敵達は、尋問してみたが何も知らされておらぬようだし」

 サクヤヒメが見る映像に注意を向けた女華姫は、逃げて行く敵に露骨に顔をしかめて呟いた。

 「そうですね。けれど、レオルアという神族のさっきの行動からして、彼は潜入捜査を行っていたと思われます。
 そちらの線で横島さんを狙った理由が判るかもしれません」

 女華姫と一緒に捕獲した敵を尋問したヒャクメが、レオルアの不審な行動で彼がどんな任務に就いていたのかを推測して、原因究明の糸口を見つけていた。

 「そう願いたいものだ。
 さて、そろそろ横島殿達が戻ってくるんじゃないか?」

 「さっきパピリオが、念話で今から戻るって言ってましたねー」

 女華姫が指差したモニターでは、ちょうど横島達が転移するところだった。

 次の瞬間、拝殿に眩い光が満ち溢れる。

 光が収まったそこには、何かを担いでいる1人と5人の人影が輪になって姿を現していた。

 サクヤヒメは全員を労う為に立ち上がると、忠夫達の前に進み出た。

 「お帰りなさいませ、横島殿。令子殿と小竜姫殿も、ご無事で何よりです。
 パピリオちゃん、シロちゃんも無事で良かった。お疲れ様です
 タマモさんは、傷の手当をしなければなりませんね」

 一番最初に忠夫に呼びかけたのは、たぶん女心からだろう。

 令子や小竜姫にお辞儀をした後、パピリオ・シロ・タマモと順に抱きしめて労を労った。

 パピリオ達はサクヤヒメに抱きしめられたことで、目を白黒させて照れていた。

 「ただいま、サクヤ。何とか皆揃って帰れたよ。
 あ、女華姫。すまんがこいつを、捕らえている奴らと一緒の所に放り込んでくれないか?」

 「ふむ。良かろう(なぜだろうな。労いの言葉が素直に出ん。こやつの顔がまともに見れぬ)」

 サクヤヒメの労いに、戦いが終わったことで気が緩んだ笑顔で答えた忠夫は、担いでいた敵神族を女華姫に引き渡した。

 口元をへの字にして顔を強張らせた女華姫は、忠夫から敵神族を受け取って担ぎ、ぶっきらぼうに承諾すると踵を返してどこかに行ってしまった。

 女華姫は、忠夫に抱く自分の感情がどういうモノなのかが解らず、戸惑っているらしい。

 どこか女華姫の様子がおかしいように感じた忠夫だったが、それを訊く前に彼女が行ってしまった為に訊きそびれて頭を掻いていた。

 「あーあ。あんなに苦労したのに、敵には結局逃げられたわ。
 けど、あのレオルアってのは、やりようによっては味方に出来るかもしれないけどね」

 あいつは何も知らないだろうなーと呟きながら、敵の一人を担いだ女華姫の行った先を見ていた令子は、口惜しさを滲ませながらも自分の分析結果を吐露する。

 「そうみたいですね。ヒャクメ殿もその様に申されていました。
 けれど、まずはタマモさんの傷を癒しましょう。そのままにしていては、痕(きずあと)が残ってしまいます」

 令子の言葉に答えたサクヤヒメは、タマモの方に向いて彼女の両腕の負傷に目尻を下げて憂う。

 的確な血止めがされているけれど、傷口辺りからはまだ血が滲んでいて痛々しい。

 タマモ自身も自分でヒーリングを行いはしたが、消耗が激しくて上位の癒術が使えない上に獣族特有の舐めて行うヒーリングも自身が弱っている為に効果が薄かった。

 それでも彼女は、傷を癒す為に自身が持つ文珠を使う気は全く無いらしい。

 「ちょっと待ってサクヤヒメ。今、あんたに霊力を使わせるわけにはいかないわ。あんたにとっては微力だろうとは思うけど、その分もルシオラ復活に回して欲しいのよ」

 「それはそうですが……。では、どうされるのです?」

 「小竜姫、お願いして良い?」

 「はぁ、それは構いませんけど……。ヒャクメ、手伝ってもらえませんか? 今の私は竜気の回復が追いついていないのです」

 令子に頼まれた小竜姫は、ヒャクメの方に向いて助力を頼んだ。

 今の小竜姫には、他者に振り向けるほどの竜気は残念ながら残っていなかった。

 「え? 小周天法で回復したんじゃなかったの!?」

 小竜姫の言葉に驚く令子。

 宿六を癒していたから、小竜姫は多少なりとも回復していると令子は踏んでいたのだ。しかし、改めて小竜姫の様子を霊視してみると、彼女が言った通りに感じられる竜気が少なかった。

 「さすがにあんな短時間では、いくら小周天法といえどもこうして歩けるくらいまでしか回復できませんでした(余力は横島さんを癒すのに使いましたし)」

 「そうなの? うーん、困ったわね(忠夫にはヒーリングしていたくせに? いや、それで使い切ったと見るべきね。なら、またシロに頼むしかないか)」

 小竜姫の答えに、腕を組んで宙を睨む令子。

 内心で、拝殿へと戻る前に忠夫を癒していた小竜姫を思い浮かべて疑問に思ったが、小竜姫の性格からして嘘は言っていないと判断した。

 他に残された方法は、シロに再びやってもらうしかなかった。自分の盾の能力では、今のところまだ無理だし。

 考え込む令子に、忠夫が話しかける。

 「令子の盾って、ヒーリング出来るんだろう? それでタマモや小竜姫さまにヒーリングをしたらいいんじゃないか?」

 <伝>文珠で令子から教えてもらっていた能力に、ヒーリング能力があったはずと思い出しながら。

 「出来るけど、体力を元に戻すような癒しは無理よ。私の盾のヒーリングは、傷を負った人物の過去の姿を元にして傷を修復するだけだから。
 それもわたしがまだこの盾の制御になれていないから、今のところ1分前の姿が限度よ」

 1分前の姿では、傷の修復なんて出来るはずも無い。タマモが傷を負ったのは40分近くも前なのだから。

 「そうか。じゃ、シロ。疲れていると思うが頼んだ。もう戦闘になる事も無いだろうし」

 「了解したでござる。それじゃ、タマモ。こっちでござるよ」

 「はいはい、分かったわよ」

 令子の説明に、忠夫はシロにタマモの治療を頼んだ。

 頼まれたシロは、タマモの背中を押して寝床が置かれている場所まで連れていく。疲れていたタマモは諦めた感じで皮肉も言わず、シロの為すがままにさせていた。

 「それで、横島さん。その右手の栄光の手は、どうして顕現させたままなのね?」

 忠夫達が戻ってきてからずっと疑問に思っていたヒャクメは、話が一段落したところを見計らって訊く。

 彼女が視るところ、なぜか栄光の手から竜気が感じられたからだ。けれど彼が纏う霊気は人間の霊力なので、その原因を知りたくて知りたくてうずうずしていた。

 「ああ、それがな」

 『ここからは我から説明しよう』

 「栄光の手が喋った!?

 ヒャクメの質問に答えようとした忠夫を遮って言葉を発した心眼に、ヒャクメはかなりビックリして小竜姫の後ろに隠れた。

 「貴女ねー」

 「だってだって、普通の人間の霊能力が意思を持って話すなんて、滅多にないのね! しかも、なんか爬虫類っぽい目で怖いし」

 『失敬な!』 「おいおい……」

 呆れる小竜姫の肩越しに忠夫の右手を見ながら、ビクビク震えるヒャクメ。

 本気で怖がっているようで、普通なら正体を見極めようと好奇心満々で質問攻めする彼女が、それをせずに目まで瞑っていた。

 ヒャクメの言葉に、心眼は憤慨しきりだ。それを宥めるように忠夫は左手で右手を押さえる。

 怒り心頭に達して、手の甲から霊波ビームを出されてはかなわない。

 「あの心眼は、天龍殿下より授かった竜気と私の竜気を合わせて、メドーサが絡んでいたゴーストスイーパー試験の時に私が横島さんに霊能の歩行器兼霊力行使の師として授けたものですよ」

 一部の事実を隠しながら、小竜姫が呆れたように自分の後ろに隠れるヒャクメに説明する。

 その際、忠夫の額にバンダナ越しで口付けをした事を思い出したのか、ちょっと頬を朱に染めていた。

 「そんなの私は知らないのね。その時はまだ…むぐぐ」

 「それ以上言ってはダメですよ、ヒャクメ?」

 小竜姫に口を塞がれたヒャクメは、コクコクと頷いた。

 原作で登場してはいなかったと言おうとしたヒャクメを止める、小竜姫のファインプレーだ。

 「小竜姫さま、一つ尋ねます

 「な なんですか、横島さん?」

 小竜姫とヒャクメが何やらボソボソとやっているあいだに、忠夫は小竜姫の説明の中にあったある事に思い至って、俯きながら彼女に近付いてその肩に手を置き、真っ直ぐ彼女の瞳を真剣に見つめる。

 その真摯な眼に見つめられて小竜姫はドギマギして尋ね返したが、忠夫は顔を彼女に近づけて問い質した。

 「天龍から竜気を授かったって……あのお子様が小竜姫さまにキスしたと言うんですかー!!

 「ち、違いますっ! 殿下は、ご自分の竜気を珠に固めて私に預けたのです!! 私は横島さん以外の殿方に唇を捧げては……!!

 いません! と、言いかけてハッとなった小竜姫は、顔を真っ赤にして俯いた。

 「えっ!」

 「やめんかっ!」 ベキッ! 「ぶげらっ ぽりっ ぶふぇふぇっ ほげっ」

 小竜姫にキスせんばかりに近付いた忠夫は彼女の答えに一瞬硬直し、その隙を逃さずに令子は、神通棍で忠夫の横っ面を横薙ぎに引っ叩いた。

 そのまま忠夫は空中を飛んで床板に打ち付けられ、そのまま顔を床板で削りながら壁板に激突して止まった。

 頭を下にして、逆さまに前屈した状態という妙な格好で気絶している忠夫。頭を殴られたというのに、鼻血すら出ていなかった。

 (竜気を珠に固めた? それって…まさかっ!)

 神通棍を振りぬいた姿勢で壁板に激突した忠夫を睨みながら、令子は小竜姫が言ったことに引っ掛りを覚え、ある可能性に思い至る。

 けれどその事を小竜姫に問い質すことは出来なかった。

 『やれやれ。主は本当に性格が変わらんな。いや、少しずつこの枝世界に取り込まれつつあるのだろうな』

 なぜなら、忠夫の右手から呆れ返った心眼の声で、聞き捨てならない事が聞こえてきたからだ。

 「(小竜姫には後で訊こう。今は……) 思わず張っ倒したけど、やっぱりそうなのね。心眼?」

 『うむ。美神の危惧する通りだ。今のは可能性の世界樹が用意した記憶では無い。主の中に眠っているもう一人の主が、無意識の内に表に出てきておる。
 しかも何の影響か判らんが、少々落ち着きが足らんようだ。
 今ので引っ込んでしまったが、このまま進むと二重人格のようになってしまうだろうな』

 心眼の言葉に令子達から離れていたシロとタマモが、ブンッと音がするほどに顔を忠夫の右手に向けた。

 「そう(このままだと、私にとってもおキヌちゃん達にとっても拙いわね)。心眼はその進行をどうにか抑えられないの?」

 『多少はやってみるが、期待はせんでくれ。我にとっては、どちらも主であるからな』

 令子は少し期待を持って心眼に訊いたが、彼の答えは芳しいモノではなかった。

 「けど、さっきのような感じだとあんたも不本意でしょ。協力しなさい」

 『むぅ……確かに先ほどの主は、少々情けなくあるな(我は主と共に在り、成長する事が本義だったな)。分かった、協力しよう』

 「助かるわ(こいつ。なんか稚拙な感じがするけど、どうして?)。それじゃ、さっきの続きよ。
 まず、あんたがどうして忠夫の栄光の手を顕現したままにしているのか、説明してちょうだい」

 心眼の答えに令子は頷くが、その内心では以前のGS試験の時より心眼の応対が幼くなっているような感じを受けていた。

 『む……そうであったな。先ほどほとんど小竜姫様に説明されてしまったが、我はサクヤヒメ様の神気と小竜姫様の竜気によって、二枝世界の主の中にあった我の残滓が統合された事で復活できたのだ。
 しかし、今はGS試験の時の様な依り代が無い為、こうして主以外と話すには栄光の手を出したままにするしかない』

 「それだと、宿六にも負担は大きいんじゃないの?」

 『確かに負担は大きい。しかし、普段の我は表に出ずに主と念話をする事ができるし、これで良いと思っている』

 「良い訳ないでしょうが! 忠夫が消耗しきっていて身動き出来ない時なんか、今の状態だと助けも呼べないわよっ!(こいつ、絶対あの時より幼くなってるっ。なんで!?)」

 心眼の説明に、令子はあのGS試験の時の心眼なら言わない事を言ってきた事で、彼の状態に疑問を持った。

 『そんな事態、我がいれば滅多に起こるとは思えぬのだが?』

 「甘いっ。今回は何とか撃退できたけど、今後は神族や魔族の過激派と事を構えることは多くなる筈よ。そんな悠長なことは言ってられないわ」

 『では、どうしろと言うのだ? 今の我ではどうする事も出来ぬ(思考が纏まらぬ。美神の言っている事は、いちいち尤もだ。我はどうしたというのだ?)』

 令子の言葉に思う所があったのか、心眼は渋々といった調子で尋ねてきた。その際、自分の思考能力が以前よりも落ちている事にも気付く。けれど、彼にはその原因が掴めないでいた。

 「そうね……」 「痛ててて……何で俺は壁にぶち当たってんだ?」

 令子が答えようとした所で、忠夫が起き上がってきた。どうやら、彼女に神通棍で張っ倒された事は覚えていないようだ。

 そこへ、令子と心眼のやり取りを見ていたサクヤヒメが話し掛けてきた。

 「その心眼さんは、何か依代になる物に移した方がよろしいですね。今のままですと、プライベートがありませんよ?」

 「ほへ? 俺はそんなんは気にせんぞ?」

 心眼の方を見ながら、忠夫は答えた。

 壁板にぶち当たっていたのを疑問に思っても、彼的にはたいした問題でも無いのだろう。あっさりとその事を流していた。

 悲しくなるほどの、折檻に対する適応振りだ。

 「(この辺は、あの頃と変わらぬのですね) では、令子殿はどうなのです?」

 忠夫の言葉を聞いて、自分を隠す事をしない彼をサクヤヒメは懐かしくも思うが、それでは彼を慕う女性は自分と同じく拒否するだろうと思い、令子に訊いてみた。

 心眼という者が同性ならば、そのように考えはしないのだけれど。

 「私は嫌よ。その……夜とかね

 横を向いて小声で、耳まで真っ赤にしながらそれでもはっきり言う令子。

 サクヤヒメの予想通りに、令子は拒否してきた。

 「そうね、私も嫌だわ」

 その令子を見てその事に気付いたタマモも、シロを伴って全員が話し合う輪に加わりながら令子に同調した。

 いくらなんでも、褥(しとね)に訳のわからない者を入れたいとは思わない。そう考える令子とタマモ。

 「拙者も、横島先生のお師様といえど……

 シロは令子やタマモとは違ってモゴモゴと口ごもりながら、それでも拒否してきた。

 「あー、そうか。なら、どうする心眼? 今のお前って、俺の栄光の手の宝玉部分に出てるようだが、結局は俺の魂にくっ付いてるんだろ?」

 忠夫は令子達の反応を見て、彼女達のことを考慮していなかったと頭を掻きながら反省し、ならどんな方法があるかと心眼に訊いてみた。

 この辺、忠夫の心眼に対する信頼は篤い。けれどその信頼は、今の心眼の実情を知らないからとも言えた。

 『そうだ。我は主の魂に寄り添うように存在している。
 であるから、主と我の切り離しは容易ではある。ヒャクメ様が居られるなら、より安全であろう』

 「心眼は、俺から切り離されるのに抵抗は無いんか?」

 一度消滅して復活した彼がすぐに自分から切り離される事に、忠夫は一抹の不安がよぎる。

 『なに、我が離れる事が可能になれば、それだけ戦術が広がる。主が寂しく感じるのは嬉しいが、そう簡単に我は消えはせぬよ。
 あの時の我とは、在りようからして違うからな。(ヌシは覚えておらぬが、もう一人のヌシの事もある。消えてなるものか)』

 平然と忠夫に離れる事の意義を説く心眼。

 令子とやりあっていた時は、離れる事など考えられないようなことを言っていたのに、彼女にやり込められたのを返すかのようだ。

 「むーっ。むむぅー! むぅー!!(何言ってんのよっ。あんた、さっき否定してたじゃない! それはわたしが言った事でしょー!!)

 そのことで令子は心眼を殴ろうとしたが、小竜姫に羽交い絞めにされて止められていた。

 それだけではもちろん令子を止められないが、ヒャクメによって口までも抑えられては文句も言えず唸るだけだった。

 (あの心眼って奴、イイ性格しているわね)

 一方、令子達の騒ぎをよそに、タマモは心眼の言葉に感心していた。

 「そうか。心眼が良いって言うなら、俺に反対意見は無い」

 少し寂しい感じもする忠夫だが、本人が納得しているならと了解した。


  後編へ続く


 こんにちは、月夜です。想い託す可能性へ〜 さんじゅうに 〜前編を、ここにお届けいたします。
 すみません、お届けが遅くなりました。今回は妙にお話が長くなってしまって、前編・後編に分けました。後編は一週間後に投稿予定です。
 心眼って、書いているとなんだか行動が幼くなる。なんでだろ?

 では、レス返しです。

 〜星の影さま〜
 いつも感想を書いて頂いて、ありがとうございます。今回のお話がお気に召せば幸いです。
>天龍の龍球という言葉
 小竜姫様の忠夫への想いを探っていたら、パピリオのエピソードが浮かんできて、天龍が落ち込むその理由はなんだろうと考えたら龍珠が出てきました♪ にくい設定と思っていただけると嬉しいですね。
>敵も一枚岩ではないようで…
 世の中デタントが主流ですけど、混乱の時代だからこそ復権を望む者もいるんですよ。そしてそれを利用する者も……(フフフ)
>超簡易なレスですが……
 レスが頂けるだけでも嬉しいです。私は自動車免許は金ですけど、紙運転者なので、最近運転が怖く感じています(^^ゞ
 連載は続けていくのが難しい事が多々ありますけど、書かなければキャラが死んでしまいます。そうならない様に願うばかりです。
>矛盾した性格……
 長い人生で、一貫した性格の人って少ないと思いますよ? 人間自体が矛盾した種族ですし、私は矛盾している事が自然と思えます。
 次回のお話も、読んで頂ければ幸いです。


 〜読石さま〜
 いつも感想を書いて頂いて、ありがとうございます。今回のお話もお気に召されれば幸いです。
>一番の感想は……
 小竜姫様は、原作の状態からもう一つの世界の記憶が馴染むにつれて、そちらの感情も取り込んでいます。なので、彼女の高感度の高さに納得頂けて嬉しい限りです。あと、もう一つの世界での彼女は、原作のルシオラの役目を担っていたと設定しています。
>二番目の驚きは……
 天龍の龍珠消滅に関しては、小竜姫様が人間を侮っていた事も関係しています。「まさか人間が」という思いがまだ彼女の中にあったのでしょう。他にも、王族に仕えるのだからという考えもあっての処置でした。
 でも、天龍は本気で横島を自分の友として傍に置きたいと思っていたので、その信頼の証としての物でした。周りは太っ腹と思うかもしれませんが、天龍としては当然という思いですね。
>両方に構ってほしいと思うのは……
 パピリオの心情が受け入れられたのは嬉しいですね。パピリオと天龍のエピソードも、そのうちに書きたいと思います。
>御馳走様です(満腹)
 忠夫が居るのですから、令子さんをそっちの方面で弄り倒さないと(笑)それに、二人だけのスキンシップは今のうちですしね……
 次回のお話も読んで頂ければ幸いです。


 〜ソウシさま〜
 楽しみに待って頂いてありがとうございます。今回のお話がお気に召されれば幸いです。
>小竜姫といたしてるとは……
 ある方にご指摘頂いて、独りよがりな物語になっていると気付かされたのが、小竜姫様のエピソードを入れる発端でした。ご納得頂けた様で嬉しいです。やっぱり、感想を書いて頂ける事は、自分では気付いていない事に気付けるので凄く助かります。
>なにげに美神化してる気が……
 性格は違くても、原作美神さんの仕事の時と同様に修行以外では小竜姫様は「男性に免疫が無い」という感じで書いていますので、似てしまうようです^^
>パピリオも意外でした……
 パピリオが妙神山に居るのは常識でも、天龍が妙神山と関係があるのは忘れられがちですから意外と思われたのであれば、書いた甲斐があります。
 遠恋は誘惑が多く、また辛い恋になりがちですけど、成就した時は絆は強固になるようです。私は遠恋になった事はないので、友達の話を聞いただけですけど(^^ゞ
>天竜とパピリオは他の小説でも……
 私はその物語を一度も読んだ事が無いので、一度読んでみたいです。私の書く物語で、二人がどうなるかは未だ霧の中ですね(^^ゞ
 次話もよろしくお願い致します。


 〜エフさま〜
 いつも感想を書いて頂いて、ありがとうございます。今回のお話も楽しんで頂ければ幸いです。
>各キャラのバックボーン
 原作の未来のある時点から書いていく為、バックボーンを書くのが必須なのに、キャラ達の現在を追うのにかまけておざなりになりがちでした。もっと精進しないとと思っています。
>今回の小竜姫様を……
 ある意味、未来を垣間見たのと同じですし、過去を変えるという訳でもないので、彼女達神・魔に現在を変える忌避感はありません。
 それに、真面目な小竜姫様さえ選んでいるのだからという意味も持たせました。
>まだら模様な世界が……
 凄く的確な表現ですね。この一文を読んだ時、目から鱗が落ちる感じでした。今後もご期待に副えられれば、イイのですけど(^^ゞ
>みんなのびのびと(?)無茶をやる……
 それには、突っ込み役の心眼を早く確立させないといけませんね。ただ、心眼も一緒に無茶をやる事もあるかも(笑)
 次話の後編もよろしくお願い致します。


 鹿児島出張中に、黄砂に喉をやられて気管支炎になって観光とかできず凹みました。ホントなら三十三話に取り掛かっているはずなのに(ToT)

 では、一週間後の後編まで失礼します。

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