想い託す可能性へ ~ さんじゅういち ~
令子達はシロを伴って、小竜姫が回復に専念している最初の場所まで戻ってきていた。
小竜姫は、未だに小周天法を解いてはいなかった。想定外の方法による超加速とは、それほどまでに消耗が激しかったのだろう。
けれど、小竜姫がこの方法の可能性に気づくことができれば、彼女は新たな戦術を編み出せるのかもしれないのだけど……気付くかな?
パピリオは、忠夫に付けていた眷族が送ってくる情報を重点的に拾っていた。他にも、最初に小竜姫が張っ倒した敵神族に眷属を群がらせて、眠らせたりしていた。
パピリオが念話で流している忠夫の様子に、彼女の眷属を通して受け取っていたシロは一喜一憂していた。
(シロの様子がどことなくおかしい気がするんだけど……。何かしらね?)
その様子を横目で見ていた令子は、シロに何か違和感を覚える。ただそれが何に起因するものなのか、判らない。
放置しておくと後々ヤバい感じはするのだが、同時にもうすぐ解決する予感もあって、令子はどうしようかと迷っていた。
そこへ、朗報が飛び込んできた。
「美神。ヨコシマがタマモちゃんを見つけて、保護しましたっ!」
「ホントっ!? でかした忠夫っ! で、タマモは無事なの?」
シロの方に意識を向けていた令子は、パピリオから送られてくる映像を伴った念話に意識を戻して確認する。
その映像の中では、忠夫がタマモをお姫様抱っこをしていたので、少しムッとする令子。
もし、その前のタマモが忠夫にキスをしていた場面を見ていたらと思うと、どうなっていたのか恐ろしいものがある。忠夫の扱いが、ということだけど。
その後に、タマモにも注意をするだろう。あいつに、また同じ思いを味わわせるのかと。
見ていないからそんな事はありえないけれど。
「両腕に軽くない裂傷を負っているようです。ヨコシマが応急処置してますけど、すぐに治療が必要です」
「そう。シロ、タマモの傷の治療、お願いできる?(タマモも文珠を持ってるはずなんだけど? なぜ治療しなかったのかしら?)」
パピリオの報告にシロへ治療をする事を指示しながら、令子はタマモが文珠を使わなかった事を疑問に思った。
浅間大社で文珠の数を確認した時、数量は明かさなかったがタマモはちゃんと持っている事を言っていたのだから。
「任せるでござる! さすがは先生でござるな。こんな直ぐにタマモを見つけるとは!」
パピリオの眷属を通して脳裏に見える忠夫に多少の違和感はあるが、それでも自分の期待を裏切る事無くタマモを救った忠夫に、シロは彼の中に自分の知る横島忠夫を、理屈ではなく本能で感じ取っていた。
「ぁあー!! 美神っ 美神! 敵が結界から逃げるです!」
急に大声を出して、令子にもどかしそうに報告するパピリオ。
足踏みしたり、悔しそうな表情で宙の一点を見つめたりと、忙しない。
「え? なぜ逃げられるのよ!? どいつが逃げてるのっ!?」
「レオルアとかいう奴ですっ。眠らせたフィルレオとアルウェイドって奴を縛って、逃げて行ったです! うぅー、眷属達じゃ逃亡を防げないっ! 悔しいでちゅ!!(絶対にこの能力、物にしてやるっ!)」
消耗していて、眷族を使って逃げていく敵を足止めすることが出来ないパピリオは、ブンブンと両腕を振り回して悔しがる。無意識に、言葉も幼児言葉になっていた。
パピリオの眷属である妖蝶は鱗粉以外の攻撃能力を持っておらず、敵からの攻撃にしても霊波砲などのエネルギー波なら鱗粉がある程度防いでくれるが、斬撃などの霊力が篭められた物理攻撃には滅法弱いという弱点があった。
その為、不意打ち以外で敵の行動を阻むことは難しいのだ。他にも、情報統括で消耗していて、操ることの出来る眷属が少ないという理由もあった。
パピリオは、情報処理能力の向上と情報伝達のキャパシティを上げるという、ある意味相反する課題に本気で取り組む事を心に決めた。
「は? 縛って逃げた?」
令子はパピリオの報告で自分の耳を疑った。仲間と一緒に逃げるなら、縛る必要は無いからだ。
けれど、パピリオが頷いて肯定した事で彼女は考え込む。
(なぜ味方を縛らなければならないのよ? 移動中に意識が戻れば、一緒に空を飛べば良いだけじゃない?
意識が戻っても、あいつらを自由にさせない必要がある状況ってどんなのがある?
あいつらの中で確執があった? フィルレオと意思統一がされてなかった? いえ、そんなんじゃないわね……。
それだと捕縛する必要は……捕縛?
そう。コイツのやったのって、状況からして捕縛だわ。
ならアイツって、フィルレオ達とは敵対していた、若しくは査察関係って事?
……いや、敵対しているなら殺せば済む事だわ。て、ことは…アイツは潜入捜査官ってことなの!?)
「…み……かみっ 美神!」
「ぇあ!? な なに、パピリオ?」
「ヨコシマから、敵が一人死亡したって報告があったです。あと、なんか知らないけどシンガンが復活したって」
「へ? 心眼?」
「それってなんですか?」
思いもかけない名前を聞いて、令子は呆けたようにパピリオを見つめる。その彼女に対して、パピリオは小首を傾げてシンガンがなんなのかを訊いた。
「えぇっと…忠夫が言う復活した心眼ってなら、わたしが思いつくのは一つだけよ。
あいつがGS試験を受けた時に、小竜姫から授かって試合中に消滅したアイテムよ」
「心眼がどうしました?」
「わぁ!? ちょっと小竜姫っ。いきなり後ろから話しかけないでよ!」
パピリオにシンガンがなんなのかを説明している所で、いきなり後ろから話しかけられた令子は、思わず飛び上がった。
「はぁ、すみません。それよりも心眼がどうしたのです?」
令子の飛び上がったさまに小竜姫は軽く謝るも、自分が授けた存在であるだけでなく、もっと重要な意味もあって訊き直した。
まだ少し顔色は悪いが、令子たちに近寄る足取りはしっかりしているので、多少は回復したらしい。
「あんた、どこから話を聞いていたの?」
「GS試験って所からです。それで?」
令子の質問にさらっと答えて、小竜姫は知りたい事を早く話せと促す。
「ああ、私もパピリオから聞かされただけだから、まだ詳しくは知らないわ。パピリオに訊いて」
「パピリオ?」
令子が指差すパピリオに、小竜姫は名前を呼びながら彼女の方をブンっと音がしそうなほどに向く。
かなり気になっているようだ。なぜだろう?
「ヨ ヨコシマがすっごい嬉しそうに、シンガンが復活したって言ってきたんです。そのおかげで助かったとも。
あと、敵の一人と交戦して死なせてしまったって言ってたです。
今は二人とも、こっちに戻ってる最中です(いいなぁー、タマモちゃん。役得です)」
小竜姫の切羽詰ったような顔に多少引きながら答えるも、眷属から送られてくる映像を見ていたパピリオは、お姫様抱っこをされたタマモを見ながら羨ましがった。
パピリオからの念話で、忠夫の右手に現れていた存在の霊波動の確認が取れた小竜姫は嬉しさがこみ上げてくるも、難しい顔をして考え込む。
(心眼が復活……。あの試験で消滅しなければ、その後の悲劇は回避できたかもしれなかった天龍殿下の龍珠の化身。
成人されたばかりの殿下の龍珠の脆弱性を考慮せず、私が霊能の歩行器と意味付けをしたばかりに横島さんを守り消滅してしまった。
その事を聞いた殿下の落胆ぶりは、それはもう激しかった。パピリオと友達になるまで、殿下に笑顔は戻ってこなかったのだから。それに龍族が最初に作った龍珠を授けるというのは、自分が心から信頼を寄せる友という意味でもあるから。
その龍珠の化身が復活したと聞いたなら、殿下はとてもお喜びになるでしょう。
けれどあれが復活したとなると、横島さんは望む、望まざることに関係なく竜族の眷属という事になる。
しかも、竜族の中では天龍殿下の龍珠を下賜されたという事で、この私よりも身分が高い事になる。
それは嬉しい。両親を説得するにしても好材料だから。けれど、この事はしばらく伏せていた方が良いかも)
小竜姫は喜んでいいのか、気の毒に思えばいいのか複雑な心境で、脳裏に映る忠夫を見る。抱きかかえられているタマモは、無意識に認識をしないようにしているらしい。
彼女が気の毒と思ったのは、この事が露見すれば竜族の穏健派が彼を獲得に走る事は必定に思えたからだ。
小竜姫がぶつぶつと考え込んでしまったので、彼女が何を気にしているのか分からない令子は、とりあえずパピリオに敵の誰が死んだのかを訊いた。
「あのナマイキな奴が復活ねぇ(あいつって気に食わないのよね。何でもかんでも口を挟んでくるし)。ま、それはアイツから直接訊くわ。
あと、敵が一人死んだって言ってたわね? それは誰?」
「オウラって言う、フクロウの頭をした奴です(あれは、あの時の……ルシオラちゃんを喪った時のヨコシマみたいだったです)。浅間大社で、美神の盾に向かって射出したE・ダーツと同じくらいに霊力を篭めた攻撃でした」
忠夫がオウラを倒した時の光景を思い浮かべ、念話で令子に見せながらパピリオは答える。
その時の忠夫はエクスプローション・ダーツの制御を、篭められた霊力も膨大なのにやり慣れた様に危なげなくこなしていて、浅間大社での忠夫とは別人のようだった。
「そう(それだけ頭に来ていたって事? でも、まさか…この世界での記憶が甦ってきてる?)。
まぁ、仕方無いわ。彼我の力量差から、こっちは手加減なんて出来ないんだから。
で、忠夫達は今どのあたり?」
パピリオの説明に令子は忠夫の怒りの大きさを推測したが、彼に対してのもう一つの懸念。もう一人の横島の記憶が、今度は本当に甦りだしたのではないかという疑念が過ぎった。
なぜなら、究極の魔体を屠った時のように、パピリオが見せる忠夫は敵に向かって吼えていたからだ。
女の為に大化けする横島を何度も見てきた令子は、タマモを救った時の忠夫がこの世界に取り込まれかけている兆しを無意識の内に感じ取っていた。
「もう直ぐこっちに着きます。あと、最初に小竜姫が神剣で張っ倒した敵も、眷属で回収してます」
「分かったわ。忠夫達が戻り次第、軽く現状を整理したらサクヤヒメ達の所に戻るわよ」
「分かりました」 「了解です」
令子の撤収宣言に、俯いて何事かを考えていた小竜姫が顔を上げ、パピリオと一緒に頷いた。
ほどなくして、タマモをお姫様抱っこで抱えた忠夫が戻ってきた。
「ふー、やれやれ。何とか生き延びた~」
彼は心底疲れたといった風に零す。それでいて、タマモは危なげなく抱えているのだから大したものだ。
「先生―! タマモは!?」
「ん? とりあえず血止めと軽くヒーリングはしたけど、ちゃんとした治療が必要だな」
ヨッという掛け声を掛けながら前屈んでタマモを降ろし、駆け寄ってきたシロに答える忠夫。けれど、タマモが彼を離さない。
自分の首に両手を回してぶら下がるような感じのタマモに、なぜ離さないという意味を篭めて不思議そうに忠夫は尋ねる。
「タマモ?」
「ありがと」 チュッ
そう言って、令子達に見せ付けるように忠夫の頬にキスをしたタマモは、素早く彼から離れた。
さっき恥かしい思いをさせられたタマモの、照れ隠し交じりの仕返しだった。彼の唇にしなかったのは、今の彼がタマモ達の忠夫ではないからだろう。さっきはさっきだし。
「えぁ!? あーっと……」
忠夫はといえば、左手で頬を押さえてただタマモを見送るだけで、次第に身体を強張らせて震えだした。
なぜならタマモが退いたその後ろに、亜麻色の髪を逆立てた令子が立っていたからだ。彼女の形相に、彼のコメカミや背筋に冷や汗がタラリタラリと流れ落ちる。
そして、背後からはこれまた夥しい竜気の奔流。
(なんか小竜姫さまって、アグレッシブになってないか? 令子のは当然なんだがなー)
涙をちょちょ切らせ、ぶるぶると頭を激しく振りながらも、忠夫は頭の片隅で疑問に思う。
令子と結婚して、多少は女心の機微というものも感じる事ができるようになった忠夫。
最も解り難い令子の心の機微を感じることが出来るようになって、他の女性の心の機微が容易に解るようになったのは皮肉としか言いようが無い。
忠夫は、あの大戦で戦死したと思っていた小竜姫と妙神山で再会した時に、成り行きとはいえ彼女の胸を揉んだりしたのに嫌がられずに積極的になられた事や、浅間大社に向かう途中で令子をからかうなどをしたりという行動で、彼女が自分に好意を抱いている事は感じていた。
けれど。
(俺には、小竜姫さまが俺のどこに惹かれているのか解らないんだよな)
そんな訳で背後の小竜姫から迸る怒りの竜気を感じながら、忠夫は彼女が自分になぜ好意を向けるようになったのか、その理由が解らなくて内心で首を傾げていた。
こうも彼に余裕があるのは、秘策があるからだ。
それでも、この前後からビシバシ感じる怒りを鎮める方法は二つしか無いけれど。
一つは、これまでもやられてきた彼女達が気の済むまで自分をたこ殴りにして、怒気を晴らして貰う事。もう一つは令子と結婚してから身に付いたやり方。ただし令子限定の方法だが。
すなわち。
「ちょっ、令子。今は…「問答む…っんむぅー!!」」
令子から後退るのではなく、素早く彼女の懐に入ってバチバチ放電する神通棍を彼女の手の上から右手で押さえ。
次に左腕で彼女の身体を強く抱きしめて、そのまま左手で彼女の頭を固定して深くキスをすることだ!
身動きの大半を防がれて、それでも忠夫の腕の中でジタバタ暴れる令子。
そのせいで密着した胸の頂はブラとの摩擦で刺激され、忠夫の舌が令子の口腔内を蹂躙する事で、酸欠とあいまって彼女の意識に霞がかかり、じょじょに抵抗する力が抜けていくのを止められなくなる。
(いつもいつもこの方法でー!! けど けどっ んぅ 力が抜ける……んぁっ) コクコクコク
忠夫に、絡められた舌をキュッと引っ張られ、口内に溜まっていた唾液を飲まされる。
そのままクタリと忠夫に凭れ掛る自分がなんとも悔しく、だけどどこかで望んでいる事も否めない令子だった。
それでも彼女は美神令子だ。やられっ放しで終わるはずが無い。
令子は、力が抜け切った身体の余力を精一杯かき集める。何とか一回ひざ蹴りするくらいは集まって、そこで気付いた。
(しょ しょぉ りゅう き の こと。 まか せるぅ~つもり……ねっ!)
「(頃合か?)……落ちつ…んぐぉっ!」
令子がおとなしくなった所で、ディープキスを止めた忠夫が彼女に話しかけ、怒りが篭りまくったひざ蹴りをされた。
股間を押さえて蹲る忠夫。
「ゆ 油断した ぜ……(うぐぁ…あと、任せた……がくっ)」
そのまま彼は意識を手放した。そのせいで、顔から地面に突っ込む。
『(やれやれ、主も甘いことだ)』
心眼は呆れたような調子で内心で呟き、それでも忠夫の意思を汲んで自ら主の中に引っ込んだ。
それに伴って忠夫の栄光の手が消えた。
(たくっ。気を逸らすにしても、他の方法を選びなさいよ! 後始末は結局わたしがするんじゃない!)
令子は何とか膝蹴りをするくらいの余力を集められた事で、忠夫が小竜姫の怒気を逸らす為にやった事だと悟っていた。彼が本気なら、いくら彼女でも意識を保つだけで精一杯だからだ。
自分を一番にしてくれるのは嬉しい。けれど、その後のフォローまで任されるのは何かが違うと思うのだ。それでもフォローしてしまう自分は、やはり彼を愛しているのだろう。
令子が忠夫の後ろにいる小竜姫を見ると、案の定彼女は耳まで真っ赤にして顔を朱に染め、視線を彷徨わせていた。
令子は溜息を一つ吐いて、忠夫の頭に一発強めに神通棍を見舞ってから小竜姫に歩み寄る。
(わたしも丸くなったものだわ……)
今の自分達のディープキスで、ショックを受けているだろう彼女を救い上げる為に。
神通棍で殴られた忠夫はビクンと身体を震わせるも、完全に意識が飛んでいるのだろう。うめき声さえ出ず、尻を高く突き出した状態でさらに地面に顔を埋められて哀れさを漂わせていた。
心眼が居る事だし、窒息の心配はいらないだろう。
そんな令子と忠夫のやり取りを、冷静に見ている二対の瞳があった。
(あんなの、拙者らの先生じゃないでござるよ)
(そうね。でも、確かにあの横島の中には、私達の忠夫が居るわ)
獣族特有の話し方(表情や仕草、獣の鳴き声等)でシロが話しかけてきたのを、同じ方法で返すタマモ。
タマモはもう迷わなかった。確かに自分達の忠夫が、美神の忠夫の中に居ると確信したのだ。今は悔しいが我慢の時と、彼女は己の勘に従った。
(それは拙者も感じているでござる。けれど……)
タマモの言っている事は、理屈ではなく解るシロ。けれど、彼女の中ではどう表現していいか分らないモヤモヤがあって、落ち込んでしまう。
(まぁ、あんたの気持ちも解るわ。あいつはおんなじ顔のクセに美神ばっかり構って、私達には……でしょ?)
(!!)
忠夫を驚かせる事が出来て必要以上に喜んだ“そう状態”になったり、かと思えば今のように激しく落ち込む“うつ状態”になったりと、心のモヤモヤを持て余していたシロは、タマモの指摘でモヤモヤの原因を悟った。
そう、シロは寂しいのだ。
いくら彼に構ってと自分をアピールしても、一歩引いた対応を取られるのが悲しいのだと、タマモの言葉で気付いた。
(拙者は……美神殿が羨ましいでござる)
(そうね。それは私も認めるわ。でもね、シロ。私達の忠夫は、間違いなく戻ってくる。私の勘を信じなさい!)
シロからのヒーリングを止めて彼女を強く抱きしめたタマモは、力強く請け負った。
シロはタマモの柔らかな胸で、力無くコクリと頷く。
(寂しい…でござるな)
(その分、あいつが戻ってきたらお仕置きして、その後はいっぱい愛してもらうわっ!)
(そう…でござるな)
タマモの言葉と勢いに引きずられて、シロにも笑顔が戻ってきた。まだ少し、翳りはあるけれども。
(さて、どう声を掛けたものかしらね?)
自分の想いの芯は自覚しても、それをどう表現していいか判らずにオロオロする竜女神に、どことなく親近感を覚える令子。
彼女だって忠夫への想いに気付いても、それを表に出せるようになるには多大な時間が必要だった。
想いを表に出せるようになったらなったで、今度はあの母親との対決があったのだ。
そう思い至って、引きつった苦笑いが出た。またあの母親とやりあわなくてはならないと気付いたから。しかも今度は、正妻としてではなくだ。
相手の考え方が判っているだけに、厳しい戦いになる事は避けられないと少し憂鬱になる令子だった。
(んな事じゃなくてっ。……そういえば小竜姫って、宿六をいつから意識していたのかしら?
そこんとこも謎なのよね。二枝世界融合したとはいえ、今の小竜姫はあの戦いで戦死した彼女じゃないはずだし。
でも、何かを忘れている気がするのよねぇ)
小竜姫に近付きながらも、令子の疑問は進んでいく。
彼女はもう一つの枝世界で、南極戦の前日に小竜姫が忠夫に何を求めたのか、確りと気付いていた。
けれどその事に気付いたのは、忠夫と結婚した後にアシュタロス大戦を思い返した時でもあった。
まさかその枝世界の小竜姫の想いが、目の前にいる小竜姫に受け継がれているなんて、令子は思いもしていなかった。
令子は忘れていた。
もう一つの枝世界での記憶を受け継いでいると、斉天大聖老師の結界の中で小竜姫自らが言っていた事を。
(この世界のあの大戦で、わたし達に全てを任せてしまった事を悔いているのは知っている。それが転じてっていうのも、理由としてはあるとは思う。
けど、必ず決定的な何かがあったはず。それが解ればね……)
やりようはあるのにと零して、令子は小竜姫の肩に手を置いた。
天龍の龍珠の事を知らない令子が、その事で小竜姫が忠夫を意識しだしたという事は、神ならぬ彼女は知る由も無かった。
「あ、美神さん」
「小竜姫、とりあえずあいつを起こしてやって。その後で、引っ叩くなりなんなりすればいいわ」
肩に手を置かれるまで、自分の接近に気付けないほどオロオロしていた小竜姫に、令子は忠夫を指して言った。
「えっ、でも……」
そう令子に言われても、小竜姫は煮え切らない。
それを見た令子は、心内で嘆息して別アプローチに切替えた。
「(はぁ、仕方ないわね) んじゃ、パピリオ。忠夫の介抱を任せるわ」
「へぁ? 私!?」
いきなり令子に忠夫の介抱を任されたパピリオは、そんな事は考えてもいなかったのか、かなりビックリしていた。
「そ。タマモにキスされたのを見てあんなに怒っていたのに、行動すら起こせないんだからその程度の想いなのよ。
その点、パピリオは天龍と同じくらいには忠夫を気にしているみたいだしね」
「なっ!? なぜ美神がそれを知ってるですか!! 天龍との事は私達の……あぅ」
にんまり笑う令子の表情に気付いたパピリオは、自分が誘導されて引っ掛かった事を悟って俯いた。
パピリオの顔は耳まで真っ赤になっていた。
令子は、妙神山で忠夫がパピリオに口調の事を訊いた時に、パピリオが天龍の事を引き合いに出して説明していたことでピンと来ていたのだ。
パピリオ自身が、それまで常識としていた事を変えてまで天龍の気を引こうと、意識してか無意識かは判らないが、実行する彼女の想いを。
パピリオは、おキヌちゃんと結婚するまでの横島を義兄と慕って接していたけれど、彼の結婚を機に疎遠となってしまって気落ちしていた時期があった。
その時にたまたま遊びに来た天龍と、ヨコシマの事で意気投合して遊ぶようになってから少しずつ明るさを取り戻していったという出来事があった。
それ以来、パピリオと天龍の微笑ましい付き合いは今でも続いている。彼女が言葉使いを直そうと考えたのも、本当は天龍と対等に在りたいが為だった。
それは今でも変わらない。
けど今は、姉のルシオラが復活できると聞いての喜び。そして忠夫がまた自分を構ってくれる事と、天龍との間で培っていた想いが相乗し混同している部分もあって、今の忠夫に好意を寄せているパピリオ。
彼女は素直に、己の心から湧き上がる想いに従う。それが魔族としての本質でもあるから。
天龍とヨコシマ。
どちらかを取るということではなく、二人とも自分にもっともっと構って欲しいと、パピリオは想っているのだ。
閑話休題(それでも今は、小竜姫のことだ)
小竜姫は肩を震わせた。
今の美神の言葉は、許せない。けれど、行動に移せていない事でそれを肯定している自分は、もっと許せなかった。
「横島さんは私が介抱しますっ。パピリオは、森に放した眷属の回収を進めなさい!
あ……ごめんなさい、パピリオ。 お…お願いね」
蹲って、頭のほとんどが地面に埋まった状態で気絶した忠夫の右横に、小竜姫は両膝をついて彼の上半身をボコッという音を出しながら起こし、忠夫の顔についた土を払った彼の頭を自分の膝に乗せながら、パピリオに指示を出す。
言ってしまってから、小竜姫はハッとなる。ビックリしたままのパピリオに気付いたからだ。
自己分析すると、語気が強くなったのは横島さんに膝枕をする照れ隠しと美神に向けた怒りが混ざったからと気付く。なので、オロオロしながらもすぐにパピリオには謝った。
けれど、令子の方には苛立ちも顕わにキッと睨む。
なのに。
「じゃ、小竜姫。宿六の事はとりあえず任せたわよ(やれば出来るじゃない。それでも、まだまだだけどね)」
睨んでくる小竜姫に余裕の笑みを浮かべる事で返し、令子はゆっくりと踵を返すと、パピリオを伴い離れた。
パピリオは自分に頼んだのに、前言をすぐに翻した令子の行動が良く分からないと混乱していて、彼女に手を引かれるままに連れていかれる。
令子に天龍との事を見抜かれて、パピリオはかなり動揺しているようだ。
(うぅー、なぜあんなに……今の私には出来ないな)
令子の様子で自分が乗せられた事に気付いた小竜姫は、自分の想いを知っても余裕を持てる彼女に無意識に苦手意識を持った。
(けど、私はもう失くしたくはない。この方の温もりを。もう一つの世界で、一度だけ私を受け入れてくれたこの方を。
横島さんは私のせいで覚えていないけど、南極の戦いに赴く前の晩に無理を言って求めた縁(よすが)。
こちらの私はルシオラさんの事もあり、おキヌさんと結婚された事で気付かされ、遅かったと諦めてしまったその想い。
でも、諦めるなんてやっぱり無理。美神さんやおキヌさん、ルシオラさんにシロさんやタマモさんが居たって構わない。私は私の想いを貫くだけ。
やり直しが出来るこの世界。私はもう失くしたくはない)
もう一つの枝世界で、文珠<忘>を使って自分との交合を忘れさせてしまったという負い目もあって、小竜姫からは言い出せない忠夫への想い。
もう一つの枝世界での南極戦で、自分がいかにアシュタロスと戦い散ったか、今の小竜姫は知らない。
けれど、斉天大聖老師によって、遥か先の未来で復活する為に御霊分けで分離してもらった時までの想いは、今の彼女に受け継がれている。
その想いが時間が経つにつれて、おキヌちゃんと結婚した横島が居たこの枝世界の小竜姫に馴染んでいくことで、彼女自身諦めていた想いが、再び湧き上がってあふれ出るのを止められなくなっていた。
想いを抑えていた分、開放された時の反動が大きいのだろう。
小竜姫は、自分のお腹に忠夫の頭を抱えるように支えなおして、小周天法によって少しだけ回復した竜気でゆっくりと彼にヒーリングを施す。
柔らかな笑みを浮かべながら。
(塩あげすぎたかなー? とりあえず、大社に戻ったら確かめてみるか)
パピリオの報告を聞きながら小竜姫の様子を盗み見た令子は、ちょっと後悔しながらも、彼女が忠夫を想う理由を問い質す事を決意していた。
(んぁ? なんか気持ちいいなぁー。こう暖かい波動が……って、小竜姫さま!?)
悶絶して気を失っていた忠夫が、後頭部と背中に感じる温かさと身体に染み透るような温かさで意識を回復して瞼を上げると、柔らかく微笑む小竜姫の目の辺りが逆さまに見えて驚いた。
もちろん、彼女の顔の下半分を隠しているのは、忠夫の頭上にある二つの柔らかそうな果実だ。
「気がつかれましたか、横島さん。そろそろ浅間大社に戻るそうです。起きられますか?」
忠夫が身動ぎした事で彼が起きた事を感じた小竜姫は、自分のお腹を覗くような感じに前屈んで話しかけた。
「あ、はい……」
気絶する前まで怒っていた小竜姫が、柔らかい笑みを浮かべながらヒーリングしている事で訳が解らない忠夫は、彼女に見惚れたまま呆けたように答えた。
「まだ、どこか痛みますか?」
見詰め続けてくる忠夫の視線に恥かしさを覚えつつ、生返事しか返さない彼を心配して、小竜姫は再び問い掛けた。
「あ、いえっ。もう治ったっス。ありがとうございます、小竜姫さまっ」
「(あ……。もう少し……) いえ、良いんですよ。それじゃ、戻りましょうか」
なんだか物凄く申し訳ない気持ちになった忠夫は、慌てて身を起こして小竜姫に礼を言った。
忠夫にしてはありえないことに、目の前の意外と大きい二つの果実には注意が向いていなかった。
小竜姫は心とは裏腹に忠夫に続いて立ち上がると、令子達の方へ歩きだす。押し殺した感情によって、その表情は能面のように張り付いて動きのないものになっていた。
(小竜姫さま、まさか……落ち込んでいる?)
小竜姫がすぐに踵を返した為にその表情は判らないが、忠夫は彼女が落ち込んでいるように思えてならなかった。
「(うしっ) さぁ、小竜姫さまっ。帰りましょう!」
「え? あっ、きゃあ!」
忠夫はタッと後ろから彼女の左手を取ると、強引に引っ張って明るく声を掛ける。美人に悲しい雰囲気は持って欲しくはないと、想うがゆえに。
(横島さん……)
手を引かれる小竜姫は、複雑な想いで忠夫に引っ張られる自分の手を見詰めていた。
「やっと起きたわねっ」
「令子が気絶させたんやろが!」
「やかまし! ほら、さっさと帰るわよ。誰か忠夫に文珠を渡してやって。それで帰るわよ」
腰に手を当てて怒る令子に忠夫は言い返してくるが、一言で黙らせて全員に指示を出す。
忠夫と繋ぐ小竜姫の手は、極力視界に入れないようにしていた。
「私が2個持ってるから、それを使うですよ」
そう言って、パピリオがポケットから文珠を2個取り出した。
「あ、パピリオ。私のも1つ出しますので、貴女は1個だけにしておきなさい」
「え? でも……」
「大丈夫。ね?」
「うん、分かったです」
小竜姫に言われて何故? と、疑問に思ったパピリオは、彼女が再度念を押してきたのでとりあえず従った。一つだけでも持っておきたいとは思っていたし。
パピリオに渡していた文珠の一つと小竜姫が持っていた最後の文珠を忠夫は受け取り、浅間大社の拝殿内をイメージして、その2個に<転><移>と篭める。
「これで良し。皆、手を繋いでくれ」
「その前に忠夫。あんた、そいつを担ぎなさい」
「あ、それは私が。横島さんは文珠の制御がありますし」
令子が眠らされた敵神族を指しながら言う。それを小竜姫が忠夫の手を名残惜しそうにしながらも外し、自分で担ごうとした。
「ああ、小竜姫さま。そんな羨ま……いえ、そんな奴を小竜姫さまが担ぐこと無いですよ(男を担ぐなんて嫌だが、眠っているとはいえこいつを小竜姫さまに触らせるのはもっと嫌じゃ!)」
「でも……」
申し訳なさそうに言う小竜姫。
それを忠夫は笑顔で遮って、小竜姫に有無を言わさずに敵神族を担いだ。
「……よっと。ほら、大丈夫ですって。これくらい何ともないですよ。こんな奴に小竜姫さまを触らせるもんか」
「え?」
「いえ、何でもありません。それよりも早く戻りましょう」
驚いたように聞き返してくる小竜姫に、なんでもないと首を左右に振る忠夫。
「あ、はい(嫉妬してくれたって事なんでしょうか? それだったら嬉しいな)」
小竜姫はボソッと小さく呟いた忠夫の言葉に、心の奥で嬉しさが湧いてくる。
その様子に令子は険しい顔をし、忠夫の右手を取った。
「ほら皆。帰るわよ。手を繋いで」
その言葉にすぐに動いたのはシロだった。彼女は忠夫の左手に飛びつく。
「ほら、タマモ。こっちに繋ぐでござる」
「はいはい(小竜姫の様子に触発されたかな?)」
シロの様子にタマモは、小竜姫が忠夫に見せた表情でシロの心の動きを推し量った。
「それじゃ小竜姉ちゃん、帰るですよ」
「ああ、はい(そういえば、いつの間にかパピリオが私をお姉ちゃんと言うようになりましたね。嬉しいことですね)」
パピリオがタマモの左手に右手を繋ぎ、左手を小竜姫と繋いだ。その時、パピリオが言った言葉に小竜姫は、それだけ親近感を持ってくれているのかと嬉しくなった。
「皆、手を繋いだな?」
2個の文珠を自分の前の空中に浮かべ、捕らえた神族を肩に担いだ忠夫は全員を見渡す。敵の固定は、左の栄光の手を伸ばしてグルグル巻きにしていた。
小竜姫に張り倒されたこの敵神族は、念の為にパピリオの眷属の鱗粉をまた受けて眠りを深くされていた。
「大丈夫です」
先ほどの忠夫の嫉妬が嬉しかった小竜姫は、軽く微笑んで彼の確認に頷いて答える。
「疲れたわ。ちゃっちゃとやっちゃって」
シロからヒーリングを受けたタマモは、まだ腕の違和感が取れないのか、しきりに両腕を気にしながら答える。
失血もかなりあったのだろう。タマモの顔色は青くなっていて辛そうだ。
「拙者も準備オーケーでござる」
シロは少し疲れた様子だったけれど、彼と手を繋ぐことによって表面的には元気に見えた。
けれど彼女の内心を表すかのように、いつもは元気にフリフリ振っている尻尾が力無く垂れている。
「疲れました。早く休みたいです、一応、ヒャクメにも、今から戻る事を伝えたです」
「ありがとな、パピリオ」
パピリオは、忠夫の労いに笑顔でコクリと頷くだけで答えた。元気な彼女にしては珍しい事だった。彼女の触角も、ペタリと髪の中に埋もれている。
初めて自分の能力を全開で使ったパピリオは、タマモと小竜姫の間でちょっとうな垂れていた。
今回の戦いで得る物は多かったけれど、それらを自分の中で彼女はまだ消化できていないのだろう。
「制御ミスんじゃないわよ」
『我が居るからそれは大丈夫だ、美神よ』
皆が居る手前、素直になれない令子に心眼が請け負う。
彼は忠夫の文珠制御を助ける為に、右手の栄光の手の宝玉部分に再び現れていた。その手は、令子の左手と繋いでいる手でもある。
「そうね。でも、心眼。なんでわたしだけ呼び捨てなのよ? 様まで付けろとは言わないけど、それなりな敬称は付けなさいよ」
『それは美神しだいだ。我は、二枝世界のおぬしを知っている。それで答えとしよう』
「なっ! (忠夫の扱いについてって事!?) むーむむむむ……」
心眼の言葉に怒りが噴出しかける令子。しかしある事に気付いて、歯軋りするだけに留まった。
「おいおい、心眼。それくらいにしとけよ(後で俺にとばっちりが来るだろうがっ)。じゃ、サクヤ達の所に戻るぞ」
忠夫の言葉に心眼はそれ以上何も言わず、女性陣が頷いて答えたのを確認した彼は、文珠を発動させた。
眩い光が忠夫らを包み込み、次の瞬間には消えた。
敵の3柱を逃がしてしまったが、とりあえず切羽詰った事態は乗り切った令子達。けれど忠夫を取り巻く情勢は、未だに緊迫したままだった。
今度は令子達の中で、忠夫を想う女同士の戦いの幕が上がろうとしていた。
続く
こんばんわ、月夜です。思い託す可能性へ ~ さんじゅういち ~ をここにお届けです。
筆が進んで1週間強で書きあがりました。これが今後も続いて欲しいこの頃です。
どうにもシロが情緒不安定になってしまって、どうしたのかと思っていたら今話でその理由が出てきました。やっぱりタマモはシロを良く見ていると、書きながら思いました。
あと、小竜姫さまが忠夫を、いつから異性として意識しだしたのか判らないというご意見を頂きまして、今回のお話で導入部分を入れてみました。どの時点で小竜姫様が横島を異性として認識しだしたかは、令子さんの追及に任せようと思います。
心眼が天龍の龍珠というのは、私の作品だけの事です。原作には「殿下と私から」としか説明はされていません。
ディープキスって15禁になるか微妙でしたけど、今回は外しています。
誤字・脱字、表現がおかしいと思われた所が見つかりましたら、教えて頂ければ幸いです。可能な限り速やかに修正します。
では、レス返しです。
~星の影さま~
いつも感想をありがとうございます。今回のお話はどうでしたでしょうか?
>忠夫の心眼復活!
彼が復活する場面が印象深かったと言って頂けると、彼を復活させた甲斐があります。そのおかげでタマモの行動がかすんじゃったようですけど(^^ゞ
あと、今回のお話で心眼の正体を明かしました。原作での彼の正体は不明ですけど(^^ゞ
>心理描写がうまいですね
登場人物の心情を大切に表現したいと思って書いてきたので、凄く嬉しいです。これからも心理描写は大切に表現したいと思います。
>これから、さくさくと進んでいくのか……
さくさくとは行かないです。もったいないですもん。せっかく令子さん達だけの時間が取れるのです。今回の引きでも使ったように、彼女達には本音を出してもらいますよ♪
~読石さま~
いつも感想をありがとうございます。今回のお話。ちょっと詰め込み過ぎた気もしますが、楽しまれると幸いです。
>ついに心眼復活ですねぇ……
やっと彼を出す事が出来ました。便利アイテムでもありますが、それで終わらせるつもりはありませんので(ニヤリ)
"狂った除くモノ"については……悔しいと思っているでしょうが、他にも準備中ですし痛い目にもあっているので近寄らないでしょう。
>タマモん勘違いがとってもプリティですなぁ
心眼が居て結果的に勘違いに終わりましたけど、これって本当はやっちゃいけないかばい方です。彼女達の伴侶のトラウマを抉る行為ですし。令子さんの伴侶だからこそ選べた場面でした。
でもまぁ、顔を真っ赤にして恥ずかしがるタマモは可愛いですよね♪ 今回のお話で仕返しを仕掛けましたが、別な方向で切り返されましたけど。
>神族で暗殺術が得意って時点で……
今回のお話でお分かりのように、彼はお亡くなりになりました。名も無い敵神族を宛がおうかと思っていましたが、あまり敵の強さに説得力が無いので消去法で行って彼になりました。
暗殺術については、神族にも色々居ますから得意な神様も居るんじゃないでしょうか^^
>レオルアさん危険任務で頑張ってる……
いやー潜入任務についている神族が居るという風にお話を作っていて、どこで彼の正体を明かそうとか、令子達にも教えるのかとか色々迷いました。
結局、寝返るとその後の展開が難しいので、令子さん達には正体はバラしませんでしたけど^^ 女神アテナは獅子を従えるというのをどこかで読んだ記憶があるので、こういう役割をレオルアに持たせました。
彼自身の加護かどうかは……すぐに分かりますよ(笑)
~エフさま~
今回も感想を頂けたので、凄く嬉しいです。今話も、お気に召されれば幸いです。これからも感想が頂ける様、頑張ります。
>ついに心眼も復活!
待ちに待った心眼の復活です。一応彼は、忠夫を中心に行動を考えますので、女性陣の忠夫に対する理不尽な扱いのストッパー役を期待しています。まぁ、一緒になってやる事もあるでしょうけど(ニヤリ)
>タマモも今の忠夫の中に……
タマモとシロ、そしておキヌちゃんのデレってる所はもう少しお待ち下さい。今回のお話で、シロの情緒不安定な理由も明かしましたので、やっと横島お仕置きのお膳立てを立てれました♪
>完全体横島になったときどうなるのか……
今回のお話でも、チョコチョコと忠夫が変わる要素は入れています。予想はされているとは思いますが、ナイショという事にしておいて下さい(^^ゞ
~ソウシさま~
いつも感想を書いて頂き、ありがとうございます。今後も感想が頂ける物語が書けるよう、頑張ります。
>横島が久しぶりにバトったり
私の物語では老師と命懸けの模擬戦を令子さんと一緒にやっただけなので、忠夫だけの戦いを描写したくて無茶をやらせてしまいました。忠夫についてはまだまだ謎がありますが、おいおい明かしていきます。
>タマモ達救出したり
シロに関してはすぐに助ける事が出来ると踏んでいましたが、彼女が判り易い分だけタマモの危機的状況をクローズアップする狙いがありました。また、頼みの文珠も少ない中で、タマモを救うミッションの緊迫感が伝われば幸いです。
>心眼復活は読めませんでした……
心眼復活は、忠夫がこの世界に戻ってきた時を書いた時点で決めました。彼には女性陣の理不尽を抑えるストッパーになって欲しかったものですから。
>18禁的ことは今後厳しいかな? ……
いえいえ、厳しくはありません。ちゃんと対策はしますよ。まぁ、予想通りなんですけどね(^^ゞ
>盗った武器の使い道……
これは後々に影響が出てきます。誰が使うかはお楽しみに♪
拙作をお読みくださった方々、ありがとうございます。今後も一言でも感想が頂けたら嬉しいです。
それでは、次回投稿まで失礼致します。
次回投稿は、4月中旬以降を予定しています。
あとがきで誤解を与える部分があったので、修正致しました(08/5/3)
BACK< >NEXT