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「光と影のカプリス 第147話(GS)」

クロト (2008-04-17 19:13)
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 東京の新都庁の玄関の5メートルほど手前に、紫色の長い髪を持った女が1人佇んでいた。なぜか左手に体長30センチくらいの子犬をつかんでいる。
 普段は大勢の人通りが絶えない場所だが、今は年末休みに入ったせいか、それとも他に何か理由があるのか、人の姿はその女1人だけだった。
 それでも一応は周りを見て他に人影がない事を確かめてから、すっと右手を差し伸べて宙の一点を指さす。

「さて、ここだね。人間製にしちゃ大したもんだけど、私から見りゃ子どものお遊びみたいなもんさね」

 そしてその手をぱっと開くと、その掌の先から膨大な霊気が溢れ出た。それに応じて、いや無理やり押し広げられるような形で空間に穴が開き、その向こうに森のような風景が出現する。
 強力かつ精巧な隠蔽(いんぺい)結界により隠されていた空間が、彼女の力により出入り可能になったのである。その奥はまだ昼なのに霧がただよい、薄ら寒い風が冷たく吹いていた。

「後はエサをやるだけ……か」

 女は小さく呟くと、糸切り歯で右手の甲を軽く傷つけた。出てきた血を左手に持った犬の口の中に流し込む。
 これでこの犬が強くなるわけではないが、この空間に閉じ込められている魔物がこの犬を喰えば大幅にパワーアップできるはずなのだ。
 子犬をひょいっと森の中に投げ込み、着地して歩き出したのを確認すると霊力の放射を止めて空間を元に戻した。

「さて、これで準備は全部終わったね。あの甘ちゃんがご主人サマのガキと人間どもとどっちを守ろうとするか、判断が難しいところだけど」

 最後にくくっと唇の端をゆがめて笑うと、女はくるりと身を翻してどこやらへ去って行った。


 そのころ横島たちはそれに気づくはずもなく、暢気に街を歩いていた。
 昼食は8人一緒に摂ったが、その後雪之丞と弓はデートの続き、峯と神野と遠藤は峯の服が破れたままのため一緒に帰るという事になったので、今横島と一緒にいるのはカリンとタマモの2人だけである。
 空を飛んで帰るのは味気ないので、適当に街を散策しながら帰ろうという話になっていた。

「千鶴ちゃんに敢闘賞で神通強化グローブねぇ……。ま、おまえがあげたいっていうんなら別に止めねーけど」
「すまないな。おまえには別に何かやるから」

 カリンとしては横島に無断で他人に物をあげるのはやはり憚りがある、というかその代金を持っていないので、どちらにしても彼の承諾を得る必要があったのだ。むろん細工は自分でやるのだが。
 ところがそこにタマモが異議を唱えた。

「でもあの峯って娘、あんたのコト女として好きなんでしょ? あまり親切にしすぎない方がいいと思うけど」

 すっぱり振って諦めさせるべきだ、とまでは言わないが、余計な期待を持たせるのはかえって残酷なのではないだろうか。食べ物とかにしておけば後に残らないし、峯を喜ばせ過ぎることもないと思うが。

「ああ、私もそう思うのだが……せっかく慕ってくれてるのに冷たくするのはどうもな。
 それに峯殿は本当に百合の関係になれるとは思ってないみたいだし、このくらいはしてやってもいいかと思うんだ」

 クリスマスの時は男と女の事だからあっさり決断できたが、女同士なら普通の友情も成り立つからあまり冷たくする気になれないのだった。
 それに峯がさっき下着姿をさらすハメになったのは、元はといえば自分が弓との組み手を提案したからだったし。

「ふうん……ま、あんたのことだから心配はしてないけど、横島に変な誤解されないよーに気をつけてね」
「ああ、ありがとう」

 カリンは素直に礼を言ったが、そこで視線を前方に戻した時に見覚えのある人外の姿が眼に映った。いや見た目は前と同じ、20歳代後半の若い女性に完璧に化けているのだが。

「あれは確か、何度かこの街に来てる猫又(ねこまた)だな。年越しの支度でもしに来た……にしてはちょっと変だな」
「何か困ってるってゆーか、落ち込んでるみたいに見えるな。どーする?」

 横島も気づいて足を止めた。同じく足を止めた影法師娘に顔を向けて対応策を訊ねてみる。
 今までは普通に歩いているだけだったから何もしなかったが、今回は様子がかなり違うから。

「そうだな……ずいぶん思い詰めてるように見えるから、今回は接触してみた方がいいかも知れないな」

 あの猫又は決して邪悪な妖怪には見えないが、せっぱ詰まれば思い切った事をする可能性もある。それを止める義務があるわけではないが、何度も姿を見ているのに放置するのもどうかと思うのだ。
 するとタマモがやけに協力的な提案をしてきた。

「じゃ、私が話しかけてみよっか? あんたらだと警戒されるかも知れないし」

 化猫族の感覚は人間の何千倍も優れているから、近づけば自分たちの正体も分かるだろう。パワーは人間並みとはいえ、一応は竜神である横島とカリンが接触したらどう反応するか分からない。
 その点同じ人に化ける妖怪である自分なら、さほど警戒はされないだろうと考えたのだ。まさか街中でいきなり攻撃してくる事もなかろうし。

「そっか? じゃあ頼む。でも気をつけるんだぞ」
「うん、ありがと」

 タマモがこくんと頷いて、1人ですたすたと化猫女に近づいていく。なるべく穏やかに声をかけると、女はかなりびっくりした様子でタマモの方に顔を向けた。
 考え事に夢中で少女の接近に気づかなかったらしい。

「こんにちは。道の真ん中で何たそがれてるの?」
「……! あ、あなたは……!?」

 女は目をぱちくりさせ、それでもすぐにタマモの正体に気づいてはっと顔色を改めた。しかしタマモが口に人差し指を当ててそれを言わないようジェスチャーすると、とりあえずこくこく頷いて理解の意を示した。
 女の方もこんな街中で自分の正体を暴露されたら困るのだ。

「何か困ってるなら、仲間のよしみで相談に乗るわよ」
「……」

 女は何か都合が良すぎるような気もしたが、困りごとの内容自体は明かしても問題のないことなので話すことにした。

「実は息子が病気にかかりまして……それで私たちにも効くような薬がどこかに売っていないかと思って探しに来たのですが、あいにくと高くてとても手が出なくて、それでどうしようかと思い悩んでいたのです」

 普通の薬局に化猫用の薬など売っているわけはない。しかし人間用の薬を買って変な副作用でも出たら大変だし、かといってオカルトショップで売っている霊符の類は高すぎてとても買えないのだった。

「なるほど、ね。それで今日はそんなに思い詰めてたんだ」

 そういうことなら話はわかる。タマモは両親の顔など知らないが、親子の情というのがどういう物であるか、想像くらいはできるのだ。
 さいわいタマモには今、妖怪にも効く治療グッズの持ち合わせがある。ホルダーから傷病平癒符を3枚出して女にさし出した。

「じゃあこれあげるわ。私の保護者が書いたやつだけど、あんたらにも効くと思うから」
「え……いいんですか!?」

 女の顔がぱあーっと輝く。鋭敏な感覚を持つだけに、このお札が本物である事がしっかり見抜けたようだ。
 だがそれだけに、初対面の相手にタダでくれるという気前の良さがすぐには信じられなかった。

「うん、あいつは美人には甘いから大丈夫よ。遠慮しないで持ってって。
 ところで名前……は聞かない方がいーかしらね」
「……! は、はい、ありがとうございます!」

 しかしそれが杞憂だったと分かると、女はぺこぺこと見苦しいほどに頭を下げた。
 この少女はどうやら人間の保護者がいるようだが、そんなものを持たない自分は正体がバレれば追われる身である。いくら恩人でも名前や棲み処を教えるのは好ましい事ではなく、そこまで気遣ってくれたことが嬉しかったのだ。
 ただここまでしてもらって「ではこれで」と帰ってしまうのは申し訳なかったので、せめてもの礼としてついさっき知った情報を提供することにした。
 タマモを道路の端に手招きして、何かをはばかるような小声で、

「もうご存知かも知れませんけど、ここに来る途中に蛇のような匂いがする『人外』を見ました。人間の女性の姿をしてましたが、とても強くて邪悪な感じがしたので近寄らずに避けましたけど。
 あなたも気をつけた方がいいと思います」
「へえ? この近くにそんなのがいるんだ」

 タマモがさも意外そうな声をあげた。強力なGSが何人もいるこの地区で、まさかそんなヤツが堂々と街を歩いているとは。いやおそらく、人間の感覚では気づけないレベルの変化か隠形を使っているのだろうけど。
 しかし蛇は肉食だから、狐や猫の自分たちは用心するに越した事はあるまい。普通に戦うならその辺の蛇妖ごときに負ける気はないが、不意打ちで毒液を飛ばして来るとかえげつない技を持っている可能性もあるからだ。まあ横島とカリンのそばにいる時は大丈夫だろうけど。

「ありがと、そうするわ」
「はい、それでは私はこれで」

 タマモが礼を言うと、女は別れを告げて小走りに去って行った。一刻も早く息子を治してやりたいのだろう。
 狐娘は手を振ってそれを見送ると、横島たちの所に戻って経過を報告した。

「へーえ、猫又でも親子の情ってあるんだな。
 でも蛇の人外って何のことだろ」

 タマモが思った通り、横島は猫又女に治癒札を渡したことなど全く気に留めなかった。そして一応は「猫又」とか「蛇の人外」というキーワードは小声にして、隣の影法師娘に意見を求める。

「そうだな……もしかしたらメドーサのことかも知れないな」
「「メドーサ!?」」

 横島とタマモがびくっと身をすくめる。何しろ横島家の3号さんの、そして彼ら自身にとっても最強最悪の仇敵なのだ。

「ああ、竜と蛇は種族的に近いからな。彼女は匂いで感じただけだし、竜神に会った事がないのならそう思っても不思議じゃない。ただの妖怪や魔物とは違うと思ったからこそ、『人外』という単語を使ったのだろうし。
 ……もちろん単なる推測だが」
「う、うーん……」

 カリンの推測には物証は何もないし「メドーサ」の目的はまったく分からないが、可能性は否定できない。根が臆病な横島は、さっそく助けてくれそうな存在に通報することを提案した。

「じゃ、小竜姫さまにも教えた方がいーな」
「そうだな、夜になったら私が1人で行ってこよう。私は顔を知られているが、竜の姿なら問題ないからな」

 もっともカリンもそれには異存はなかったから、すぐに自分が行く旨の返事をかえした。
 カリンの竜モードは黒い飛行機に白いライン模様が入っているといった感じの姿だから昼間は目立つが夜間は見えにくいし、仮に見えてもカリンだとは思われないだろう。
 横島が留守番をしていれば帰りはテレポートを使えるし、1人で行く方がスピードを出せるから余計な時間を取らずに済む。

「そだな。じゃ、今日はさっさと帰るか」
「……ホントにあんたって分かりやすいわね横島」

 タマモがあきれ顔で突っ込みを入れてきたが、横島はスルーして即時帰宅という方針を強行したのであった。


 そして予定通り暗くなってからカリンが妙神山に行って、小竜姫に「蛇の人外」の件を話すと、管理人の竜女神は眉をひそめて考え込むような表情を見せた。

「なるほど、そんな事が……ええ、それはおそらくメドーサで間違いないと思います。あなたたちが遭遇しなくて何よりでした」
「……む、何か根拠でもあるのか?」

 やけに断定的な口調で意見を述べた小竜姫にカリンがそう聞き返すと、小竜姫はさらに深く眉根をよせて露骨に不愉快そうな顔になった。

「ええ。実は今度、天龍童子殿下が人界にいらっしゃることになったんです。
 今朝ヒャクメが来て教えてくれたんですよ。この前彼女が来たのはそれを伝えるのが本来の目的だったそうなんですけど」

 ヒャクメはいかに瘴竜鬼と駄神鞭が恐ろしかったとはいえ、当初の用事を忘れて帰るとはさすがにダ女神の名を欲しいままにしているだけの事はある。
 しかしカリンを驚かせたのは、そんないつもの事より「天龍童子」という人名、いや神名だった。この世界では起きなかったのだと思って忘れていたが、まさか今ごろになって発生しようとは。

「天龍童子……殿下!? もしかしてタダスケ殿が言っていた、竜神族の太子か!?」
「ええ、その殿下です。陛下が人界にご光臨される用件もタダスケさんの時と同じ、人界にいる竜族との会議ですから……その猫又さんが見た『人外』は、殿下を暗殺するために来たメドーサと見るのが妥当でしょうね」
「ふむ……で、凛明殿はどうするんだ?」

 安全策をとって天龍童子の護衛に徹するか、それとも暗殺計画を逆手に取ってこの機会にメドーサを倒すか。今の小竜姫ならどちらの方針も十分実行可能だろう。

「……私には殿下の警護と見張り以外にできる事はないですよ。殿下が地上にいる間、お守りするのは私と鬼門の2人だけですから」
「へえっ!?」

 カリンは思わず間の抜けた声をあげてしまった。タダスケの話を聞いていながら、何故そんなハメに陥ってしまったのか。
 すると小竜姫はいよいよ憮然とした面持ちで、

「いえ、私は父上を通じて厳重な警護体制を取るように進言したんですが……ダメだったんです。だから逆手に取るのは無理ですね。殿下のお命を守るのが最優先ですから。
 何とか殿下を修行場から出さないよう、しっかり見張るのが精一杯です」
「……」

 カリンはもう言葉も出ない。小竜姫が話を続ける。

「いえ、『こちら』では暗殺計画は存在しないんですよ……少なくとも、私たちには知られていません。たぶん時期がずれたせいだと思うんですが、そういうわけであまり厳重な警護はしてもらえなかったんです」

 小竜姫もまさかタダスケのことを話すわけにはいかないし、暗殺計画がないのに、このデタントの状況下で腕利きを大勢よこせと―――言ってはみたが、人事や日程の都合もあってやはりダメだったのである。

「それでもヒャクメがいればまだ何とかなるんですが、彼女も別の仕事が入ってて来られないんです」

 天龍の逃走先もメドーサの居場所も東京近郊のはずだから、ヒャクメがいればすぐ発見することができる。しかし彼女は小竜姫の友人ではあるが竜神界の専属というわけではないから、他の仕事が入っていたらそれをサボって妙神山に来るというわけにはいかないのだ。
 はあーっとため息をついた小竜姫に、カリンは慰める代わりにお手伝いを申し出た。

「ならば私たちが来ようか? 4人で見張れば殿下も逃げ出すのは無理だろうからな」
「……いえ、それは結構です。下手に横島さんを殿下に会わせて『家来にする』なんて言われたら困りますし」

 何しろ「ここ」の横島はタダスケと違って完全無欠の竜神である。天龍直属の家来になったらいきなり竜神界勤めという事も十分有り得るので、小竜姫としては2人を会わせるのは避けたいのだった。
 横島と一緒にいられる時間が減ってしまうし、以前百合子に「百合子さんたちが会えなくなるということはありませんので安心して下さい」と言った台詞が反故になってしまうから。
 カリンもそう言われては、それでもと押して手伝いをしようという気にはなれなかった。小竜姫が護衛をつける事を要求したのは逆に言えば、「自分だけでは無理だ」とあらかじめ表明したということだから、何かあっても彼女の責任にはならないだろうし。

「そうか、なら強くは言わない。ところで横島の両親が31日に帰国することになっているんだが、そういう事ならここに来るのはまずいかな?」

 大樹はまだ小竜姫には会っていないから、この機会に息子の嫁の顔を見たいと思うのは当然だろう。まして小竜姫ほどの美人ならなおさらだ。

「え? あ、ああ、そうですね……陛下たちがご光臨されるのは来月の4日ですから、それより前ならかまいませんよ」
「そうか、それは良かった。しかし何故わざわざ仕事始めの日に?」
「いえ、そういう日をあえて選んだらしいです。詳しい事情は知りませんけど」

 神魔界も暦は太陽暦なので、正月の時期は同じである。もっとも仕事納めや仕事始めの日は違うのだが、小竜姫もそこまで細かくは言及しなかった。
 そしてヘアバンドと篭手を外してカリンに差し出す。

「あと万が一の用心に、これを持って行って下さい。確かカリンさんはメドーサに顔を知られているのでしょう?」

 香港でのメドーサとの直接対決では、横島とタマモは隠れていたがカリンは正面から顔を見せて戦った。だからもしカリンがメドーサと出会ったら戦いになる可能性が極めて高いが、今の160マイトそこそこのカリンでは到底勝ち目はない。しかし小竜姫の装具があれば追い返す事くらいはできるはずだ。

「ああ、ありがとう。実はそれをお願いしようと思って、わざわざ夜中にお邪魔したんだ」

 本来ならそう簡単に貸し出すことなどできないはずの大事なものを、こちらから頼む前に提供してくれるとは。カリンはこの頼りになる女性が家族でいてくれていることに心から感謝した。

「どう致しまして。それから今度来る時に、いつか差し上げた真銀手甲を持って来て下さい。今のあなたたちには不要のものでしょうから、何か別のものと取り替えてあげますから」
「……ありがとう、本当に凛明殿と出会えてよかった」

 本当に至れり尽くせりの親切ぶりに、カリンはもう頭を下げるしかなかった。小竜姫としてはこの前のお歳暮のお返しも兼ねているのだが、カリンはそういう解釈はしなかったから。

「ではそろそろおいとましようかな。夜中に長居しては迷惑だろうし」
「いえ、そんなことは全然ありませんけど……でもあのひとを放っておくのは心配ですものね。
 ……愛してる、って伝えておいてくれますか?」
「……ああ、間違いなく伝えておこう」

 カリンやタマモと比べて横島といっしょにいる時間が短いせいか、えらくストレートな愛の言葉を託する小竜姫。むろんカリンはにっこり破顔して請け負った。
 そして予定通りテレポートしてアパートに帰ったのだが、しかしそれから2日間は何事も起きずに過ぎ去ったのである。


 そして31日、大晦日の午後2時ごろ。横島宅で電話のベルが鳴った。

「はい、横島ですが」
「おお、忠夫か。俺だ」

 大方の予想通り、電話の主は横島の父大樹であった。体調が悪いとか、精神的な傷を負っているという様子は見当たらない。やはり田舎の小国の武装ゲリラ程度では、彼を葬るのには役者不足だったようだ。
 横島がそう言うと、大樹は自慢げにはっはっはと軽い調子で笑った。

「俺もまだまだ衰えちゃおらんからな、あの程度の連中に遅れは取らんよ。後始末の方が面倒だったくらいだな」

 つまり大樹は警察の事情聴取とか、そういった事後処理も終わらせて来たというのだろうか。横島は驚いたが、あるいは百合子が何か手を回したのかも知れないし、深く考えるのは止めにした。
 将来は神社の宮司という清く正しい職業に就くのだから、そういうアングラでイリーガルなことに関わってはいけないのだ。

「で、今どこにいるんだ?」
「今成田に着いたところだ、これから直行する。
 聞きたいことは色々あるが、それは顔を合わせてからにしよう」

 大樹がいう「聞きたいこと」というのは、もちろん横島の奥さんズのことである。百合子から説明を受けてはいたが、当人からじかに聞きたいと思うのは親として当然のことだった。
 今この電話口で聞こうと言うほどせっかちでも無思慮でもなかったが。

「わかった、気をつけてな」

 その辺の微妙な配慮を感じたのか、横島が珍しく親を気遣うような台詞を吐く。そして電話を切ってからしばらくして、ドアチャイムを鳴らす音が聞こえた。
 扉の前に立っていた両親2人を、まずは部屋の中に招いてお茶を出す。

「今回は普通の親子っぽい会い方だな。うん、やっぱ世の中平穏無事が1番だ」

 大樹はスチュワーデスを2人もナンパしていたし、百合子は息子に会うより先に学校の教師にワイロを渡していた。今回はそういう非常識な事態がなかったのがまことに喜ばしい。

「何を言ってるのこの子は……?」

 夫が先日帰国した時に何をしたかまだ知らない百合子が訝しげに眉をしかめたが、大樹の方はちょっと不思議そうに首をかしげながら息子の顔をしげしげと眺め回していた。
 当然横島は不快そうに、

「何だよ親父、俺の顔がどーかしたか?」
「ん? あ、いや。確かに昔、いやこの前会った時と比べてもどこか変わってるな。神様になったとかいう戯言も100%デタラメってわけじゃないのか……?」

 その台詞の後半はごく小さな声だったので、横島の耳には聞こえなかった。もっとも大樹にとってこれはそれほど重要なことではない、いや他にもっと興味がある事があるためすぐに頭の中から追い出して、さっそくその本題に移行する。

「で、忠夫。そこのカリンさんとタマモさん、あと妙神山の小竜姫さまとかいう神様とネンゴロになったというのは本当なのか?」

 ずいっと身を乗り出し、鼻と鼻がくっつきそうな至近距離で問いただす大樹。別に威圧しているわけではなく、単に関心の深さが体の動きになって現れただけである。

「ん? ああ、マジだよ。母さんに話した通りだ」

 だから横島の反応にも驚きとか恐れとかはなかった。すでに百合子の承認を得ている以上、今さら大樹が反対するとも思えないし。

「そうか……」

 大樹は再び座布団に尻を落とすと、ふうーっとタバコの煙を吐き出すような吐息をついた。この部屋には灰皿がない上に未成年(?)の女の子が2人いるので、実際にタバコを出しはしなかったが。

「ようやくおまえも俺の息子として恥ずかしくない男になったようだな。もしかしたら俺の血を引いてないんじゃないかと思って心配してたが安心したぞうぐっ!?」

 本性を現してアホなことを言い出した大樹だが、それを言い終える前に横から百合子に殴り飛ばされて壁のオブジェになっていた。百合子は大樹も息子から直接詳しい話を聞きたいだろうと思って今まで静かにしていたのだが、もうその必要はないと判断したようだ。

「まったくこのヒトは本当に……。で、忠夫。あんたまた彼女が増えたとか、そーゆーバカな話はないだろうね?」
「……ねえって。だいたいあれから10日しか経ってねーだろ」
「それはつまり、もっと時間が経ったら増えるってことかい?」
「めっそうもございませんです母上様」

 憮然とした顔で母からの疑惑を否定した横島だったが、その返事の裏を突かれてちゃぶ台に額をすりつけた。横島家の男子は親子そろって有能ではあるが、それ以上に色んな意味で問題児である。
 百合子は横島がウソは言っていないとその態度で察したのか、深く追及はしなかった。すると大樹が早くも復活して、なぜかちゃぶ台の前でどどーんと仁王立ちする。

「……ところでカリンさんにタマモさん」
「む?」
「何?」

 怪しいほど真剣な顔つきをしている大樹に、カリンとタマモも座り直して顔を向けた。大樹はその視線を正面から受け止めると、まさに父としての顔で父としての想いを発露する。

「君たちが影法師として、被保護妖怪として忠夫によくしてくれているのは知っている。だが彼女となれば話は別だ。
 世の中にはロクでもない男もいるが、ロクでもない女もいる。特に色恋沙汰になると人間のドロドロな面が色々と出やすくなるんだ」
「……つまり、私たちをテストしたいという事か?」

 カリンがそう先回りして訊ねると、大樹はうむと重厚に頷いた。

「頭がいい人と話すのは楽しいものだな、まさにその通りだ。
 だが安心してくれ、不合格だったとしても別れろなんて無粋は言わんから。ナルニアに連れ帰ってこの俺みずから手取り足取り指導たわばっ!?」

 またアホなことを言い終える前に、大樹は今度は天井のオブジェになっていた。横島があきれ顔でため息をつきながら、

「あー、母さん。壁や天井の修理代もバカにならんから、できれば関節技とかにしてくれると助かるんだが」
「そうね、大晦日にうるさくしたら近所迷惑だし」

 母子とも大樹のことはまったく心配していないようだ。まあ当然といえば当然だが。
 そして大樹は自力で天井から降りてくると、また懲りもせず口を開いた。

「……それはともかく。俺も小竜姫さまという神様に会いたいんだが、妙神山という所は正月に行っても大丈夫なのか?」

 さすがに相手が神様ともなると、大樹にも多少は遠慮が出るようだ。横島は苦笑しつつも頷いて、

「ああ、3日の昼ごろまでなら大丈夫だそーだ。でも小竜姫さまに無礼を働いたら仏罰が下るからな、セクハラとか口説きとかはすんなよ。
 つーか俺が神罰下す。取って喰う」

 横島は一応竜神だし、芦ノ湖の九頭竜は人身御供を取っていた。自分の妻に手を出すような不埒者は神罰として食ってしまうのも行動原理としてはいたって自然である。
 大樹はぜんぜん本気にしなかったが。

「そうか、じゃあ今年の初詣の場所は決まりだな。紅○見て年越しそば食って除夜の鐘聞いたらすぐ行こう。
 山の頂上で初日の出を見たら本物の女神様にお参りだ」

 久しぶりの日本情緒に浮かれている様子の大樹だが、横島にはその心の奥の野望がありありと見えていた。

「それはいーけど、小竜姫さまは武神だからな。家内安全とか商売繁盛とか、まして浮気成就なんて願いごとはかなわんから注意しろよ」
「……」

 息子の突っ込みに、いや横からの妻の視線に大樹は内心でだらだらと冷や汗を流したが、さすがに百戦錬磨の辣腕サラリーマンだけあって顔には出さなかった。

「な、何を言ってるんだ忠夫。俺は息子の嫁の顔を見て挨拶したいと思っただけだぞ」
「そっか、ならいーけど」

 大樹の詭弁に横島は涼しい顔でそう答えた。父親の策謀とか機略とかそういうのは読めないが、考え方自体はもう手に取るように分かるのだ。
 するとタマモが「テスト」という単語を意識してか、大樹の意向に沿うような発言をした。

「年越しそばは私がつくる事になってるから期待しててね。特にお揚げは自信あるから」
「夕ご飯は私だ。タマモ殿のお揚げほど絶品ではないが、一応得意料理だから楽しみにしててくれ」
「おお? そうか、それは嬉しいな」

 息子の彼女に手料理をごちそうしてもらえるなど、男親にはめったにありつけない幸運である。大樹はくすぐったそうに首すじを掻きながら照れ笑いを浮かべた。

「そう? それじゃ私は今年は楽をさせてもらおうかしらね」

 百合子もそう言って相好を崩す。まったく、テストなんてする方がおこがましいほどのいい娘たちではないか。
 こうして横島たちはまるで普通の家庭のような、穏やかな家族団欒のひとときを過ごしたのだった。


 同時刻、とある高級マンションの一室で。令子とキヌがこたつに入ってTVの年末特番を眺めながら、温州みかんをせっせと口に運んでいた。
 令子は明日は両親の家に顔を出す予定だが、今日は1日ここでのんびりするつもりである。一方キヌは実家がN県にあるのだが、まだ霊体と肉体が重なり切っていないので、今年は大事をとって帰省せず令子のそばにいる事にしていた。
 令子がふと窓の外に視線を移して呟く。

「何か最近悪霊の数が増えてきたけど、さすがに今日はないみたいね。
 ま、私の手に負えない相手じゃないし、依頼が増えて商売繁盛万々歳なんだけど」

 ちょっとばかり不謹慎な発言だったが、いつもの事なのでキヌは苦笑するだけで突っ込みは入れなかった。
 代わりに思っていたことを話してみる。

「でも変なんですよね。あのひと(幽霊)たち、何か外からの影響を受けてるような気がするんです。もしかして誰かがどこかで何かしてるんじゃないでしょうか」

 さすがにネクロマンサー(死霊術士)だけあって、キヌは彼らがただ自然発生的に増えたのではないと看破していた。その具体的な内容までは分からなかったが。

「そう? ま、私にとってはかえってラッキーなんだけど……」

 令子はキヌの意見を頭から否定するような事はしなかったが、それを危惧して何らかの行動を起こす事もしなかった。
 と、その直後。2人の頭上に白っぽい閃光がきらめいた。

「何!?」
「ええっ!?」

 とっさにこたつから飛び出し膝立ちで光源を見上げる令子と、それに失敗して床に尻餅をつくキヌ。運動神経の差は如実のようだ。
 そして光が円形の青い水溜りのような何かに変わったかと思うと、その中心から長い棒らしき物が落ちてきた。
 先端がとがっていたため、床にドスッと突き刺さる。

「こ、これは……槍、ですか?」
「……そうね。それにこの槍の穂先、ぜんぶ精霊石よ」

 びっくり顔のキヌに令子がそう答えた通り、その槍は柄は長さ150センチくらいの樫の木の棒に漆を塗っただけのごく普通の物だったが、槍穂(やりほ、槍の先端の刃の部分)は長さ30センチほどの角錐形の精霊石でできていた。このサイズの精霊石なら、時価450億円ぐらいになるだろう。

「これだけあれば日本中の悪霊を吹き飛ばしてもお釣りが来るわ……もったいないから使わないけどね!」

 いかにも彼女らしい台詞とともに、しかし鋭い表情で令子はその槍の柄に手をかけた。確かにものすごいタナボタだが、どうせ厄介ごとも一緒について来るに決まっているのだから。
 美神事務所の今年最後の、いや新年最初の大仕事が幕を開けようとしていた。


 ―――つづく。

 両親帰国と天龍編と劇場版を同時進行という、我ながら変なお話になりました。というか久しぶりに令子が目立ちそうな展開です(ぉ
 キヌが帰省せず東京にいますが、原作26巻では大晦日を令子と一緒に過ごしていたので、このSSでもそれに準じました。時間軸的にはこの辺りなんですよねぇ。
 ではレス返しを。

○トトロさん
 確かに峯さんは戦うたびにえっちな目に遭ってますねぇ。この際なのでお約束として確定させるのもいいかも<マテ

○Tシローさん
 峯さんはこういう娘ですから(ぉ
 今回は装備の面でちょっと公平さを欠く面がありましたから、仰る通りこれで決着つくよりはいい結果だったかも知れません。
 カリンについては本文の通りですー。

○KOS-MOSさん
 峯さんはもうドジっ娘のさだめと横島君化から逃れられそうにありませんです(酷)。
 カリンのご褒美は本文の通りですー。

○山瀬竜さん
 激励のお言葉ありがとうございますー。大変励みになりますです。
>女王決定戦
 好勝負と感じていただけて良かったですー。結果は確かに両者とも不本意だったでしょうけど、得る物も大きかった事でしょう。主にご褒美とかw
>峯さんの攻撃
 確かにそうですねぇ。これでドジっ娘でなかったらどんな恐ろしい霊能者になっていた事やら。
>関節技
 まったくですなw
 スライムに投げ技かけて無駄に終わって動転する所とか、色情霊に関節技かけて逆にえっちな目に遭ったりする所とかを想像すると楽しいです<マテ
>パンツ見せ魔に続いて〜〜〜
 そこまで噂が広まったら六女に居られなくなりそうですねぇ(^^;
 いや、それを理由にカリンの高校に転校してきたりするんだろうか。
>峯さんの一番の見せどころ
 確かに一世一代の晴れ舞台ですね。何を見せるかが問題ですがーww

○紅さん
 は、今後とも精進しますのでよろしくですー。
 峯さんは(以下略)。

○チョーやんさん
 間が抜けてるのはドジっ娘だから仕方ないという事で、今後とも生温かい目で見つめてやって下さいませ(ぉ
 そう、結果良ければすべて良しということでw
 合宿話は1度やってますので難しいところですねぇ。早苗級のストッパーがいないとどう考えてもヤバいですしw

○@okiさん
 ご意見ありがとうございます。
 しかし終わる時期については自分の判断で決めたいと思います。

○読石さん
 弓さんは1度峯さんに負けてますからね。もう1度勝たないと彼女を超えたとは言えないでしょうし、間違いなく自分より強い横島君や雪之丞の前でいばる気にはなれなかったのでしょう。
 峯さんは(以下略)。
 カリンについては本文の通りですー。

○星の影さん
 ご意見ありがとうございます。
 戦闘描写が苦手という意識は特に持ってないんですが、このSSでは日常話の方が得意というか書きやすいので、そういう風に見えてしまったのかも知れません。修行が足りないですなorz
 今回に限っていえば、回りの話やオチの方が面白いと言っていただけるのは狙い通りなのですが<マテ
>雪之丞
 あの状況で素直に「見た」なんて言える勇気がある男はそうはいないかとw
>横島
 あれは実は負けた峯さんの気をまぎらわせてあげようという、彼なりの気づかいだったんですよ!
 な、何だってー(ぉぃ

○遊鬼さん
 弓嬢と峯嬢は名門学校で授業受けてるわけですから、おバカな横島君やジャンキーな雪之丞みたいな戦法は有り得ないかと。たぶん(ぉ
>峯嬢
 バトルにギャグにお色気にオチにと、まさに横島君のような万能なキャラに育ってきました。
>遠藤嬢と神野嬢
 あくまで能力だけですがーw

○ばーばろさん
 ようやく両親来日しました。除夜の鐘は次回辺りに聞けるといいなぁ(ぉ
 現実時間とのリンクはもう諦めてますけどorz
>峯さん
 対抗戦では水晶観音のことまで調べてた娘ですから、相手に合わせた戦い方をしただけですよーw
>遠藤・神野の両名
 スカートめくりとかされてますので、まだ警戒心が強いのですw

○whiteangelさん
 ボケ&突っ込みをしない横島君なんて(中略)ですからねぇ。神界入りしたらそっち方面からもスカウトがあるかも知れませんなw
>峯さん妹化
 カリンとずっと一緒にいられる上に、GSの仕事でも有利ですからねぇ。問題は当の横島君なわけですがー。

○Februaryさん
 ドジっ娘っていいものですよねー。特に脱いでくれるタイプは<マテ
>ワイヤーか何かだと
 峯さん道具持ってませんでしたし、河原では張りようがないですからねぇ。でもその「張れないだろう」という心理的な隙を突くのがトリックなんですよー。
>シメサバ丸とか?
 あれは残念ながら令子さんに渡してしまったので、さらに好感度アップ度が高そうなお手製アイテムになりましたw
>憧れるのか? あんなんにww
 だってもう皆の注目の的ですからw

○食欲魔人さん
 峯さんの活躍(w)を楽しんでいただけると筆者も嬉しいです(ぉ
 確かにカリンをかけて元祖と勝負になったら白熱のバトルになりそうですねぇ。煩悩パワーの相乗効果ですごいことにw
 手榴弾は出ますですよー。本文の通り次はアンデッド系が相手ですから。

○XINNさん
 峯さんの活躍を楽しんでいただけて嬉しいです。
 彼女と弓さんは横島君と雪之丞よりは常識的な性格ですからねぇ。戦い方もいくらかはマトモなものになるのではないかと。
 峯さんの服がどうにかなってしまうのはお約束なんですがーw
>成長したものですねぇ
 これも奥さんズの努力の賜物であります。
>恐るべき撲殺兵器ですなぁ
 それでも峯さんは負けてしまったわけですから、ドジっ娘効果とは恐ろしいものですな<マテ
>六女のドジ史
 峯さんについての記述が大部分を占めてるという噂もあるそうですw

○ふぁるさん
 今回は峯さんは出てませんが、いずれまた登場しますので期してお待ち下さいませー。

○滑稽さん
 励ましのお言葉ありがとうございます。大変嬉しいです。
 第1話が06年5月27日ですから、本当にいつの間にか2年も経ってしまいました。月日が過ぎるのは早いものですねorz
>千鶴嬢の影法師
 ああ、その観点はありませんでしたねぇ。
 霊能者としてはもう十分な実力を持ってますので、何かきっかけさえあれば目覚められそうですな。横島君かカリンが妙神山の修行を勧めるとか。
 そして今度は横島君がその影法師に手を出そうとする、と(爆)。

○風来人さん
 応援ありがとうございますー。楽しんでいただけてると思うと意欲がわいてきますです。
>ドジっ娘
 そこはそれ、今回は負けても実害はありませんでしたから。
 これが実戦だったら、もっと恥ずかしい目に遭ってた代わりに勝利は掴めていたかと思います<超マテ
>体育座りって
 ユッキーは体育会系ですから!
>バトル
 むう、やはりそうですか……。
 作戦とか根性とかいろいろ書いたつもりだったんですが、なかなか難しいですねぇ。もっと勉強せねば。

○ぞらさん
 ご意見ありがとうございます。
 前回のバトルは展開上必須というわけではないんですが、六女組は主人公との絡みが少ないので、こうした機会にいろいろ書いてキャラに深みを持たせるとか、バトルの合間に彼女たちの現在の思惑を表現するとか、そういう事を考えていたわけです。
 フラグや伏線についてはネタバレ禁止ということで言及できませんけれど。
 目的や目標については仰る通りだと思いました。原作沿いの話なら最終的にアシュ編があるのでいいんですが、このSSでは確かに他に何か必要かも知れません。ただ作中時間では第118話で竜神化や婚約の説明が終わってから10日しか経っていないので、また大きな問題が降って来るのもどうかなという感じもあるのですが……。

○内海一弘さん
>兄妹説
 物的証拠はまだ無いのですが、第83話での大樹の動揺ぶりを見る限りではかなり怪しいですw
>試合
 ドジらないドジっ娘はただの娘ですからねー(何
>GM登場
 ようやく両親来日になりました。↑が明るみになったら面白いことになりそうです。

   ではまた。

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