「それでは今年度、葉塊高校の入学式を始めます」
体育館にところ狭しと座るは見るからに初々しい新入生。
後ろに並ぶは父兄の方々。
そしてその中に少し場違いな神父の姿があった。
家無き子の新たな道・第一話
「君、どうかしたのかい?」
そこに立っていたのは少なくとも今の横島よりは不幸具合がましそうな神父がいた。
横島はゆっくりと顔を上げて神父を見た。
「ん? ああ、失礼。
私はそこの教会で神父をやっている唐巣という者だよ。
何か困っているようだけどウチにこないかい?」
とにかく横島は必死に頭を今まで生きててるうちの最大限で回転させた。
―目の前の人 ・・・男(女じゃないのが残念)
―職業 ・・・神父(人に尽くす人)
―性格 ・・・見た目お人よしそう
プロファイリング完了。
結果・・・最悪今夜の寝床は確保できる!
誰に似たのか血を引いてるのか、いきなりプロファイリングという頭のいい人しか出来ない技を繰り広げた横島。
そして・・・。
「お邪魔しま〜す」
神父に連れられてボロ古い造りの教会に入った。
そして温かいお茶を出されて横島は自分の置かれている状況を話した。
両親が会社の都合で海外転勤になった事。
そのため春から一人暮らしする事になるはずだったアパートが壊されてしまった事。
最終的に悪いのはそのアパートの大家であるものの原因になったというゴーストスイーパーの話など。
最後にゴーストスイーパーの話をして何故か神父が顔色が悪くなったのはまた別の話である。
「そ、そうだのか。
た、大変だったね。
で、で・・・。 き、君はこれからどうするつもり何だい?」
神父の持ってるカップが地震でもないのにカタカタと震えている。
「・・・これが両親にばれたらナルニアに引っ張られそうなんでどこか住める所を探したいんですが。
予算がこれだけなんで・・・」
そう言ってどからか出した紙にぺンを走らせて神父に手渡した。
それを見て神父は。
「・・・・・・・・・・・・、今夜はココに泊まるといい。
今部屋を用意しよう。」
そして横島は毛布をかぶって教会で一夜を過ごした。
そして次の日。
「ふぁ〜〜〜。
おはようございます唐巣神父」
「やあ、おはよう横島君。
よく眠れたかい?」
「ええ、本当に公園のベンチで眠らずにすんだんで良かったッス」
そして神父の用意してくれた朝食を食べながらとりあえず住む所をどうしようかと考える横島に唐巣神父が口を開けた。
「そうそう横島君、君ここに下宿しないかい?」
「え・・・?
ええぇぇぇーーーーーーー!!」
「お、お落ち着たまえ横島君」
「でも、そんな迷惑じゃ!」
「いやいや、気にする事は無いよ。
昨日一晩考えたんだが何故か私には君が私とあそこで出会ったのは原因も含めて主の導きだと思うんだ。
で? 君はどうしたいかね?」
横島は素直に感激し、両手を机について頭を深々と下げた。
「う、嬉しいっス神父。
ありがとうございます!!」
「いやいや気にしなくていいよ、だから顔を上げたまえ」
こうして横島は唐巣神父の教会で居候となり。
その日の内に与えられた6畳間の部屋を掃除して冒頭の入学式へと日は流れた。
「あ〜、あ〜〜。
うん、今日からこの1−5の担任になる美術を教えとる中尾じゃ。
皆よろしくな」
担任は髪も髭も真っ白なその割に背筋のしゃんとした年配の人だ。
横島は女教師で無い事に少しがっかりしたがそんな事がどうでも良くなる様な事があった。
「あの〜、先生質問いいでしょうか?」
「なんじゃ? え〜と横島?」
出席簿を見ながらの先生に横島は質問を続ける。
「何で俺の机はこんなに古いんっスか?
横島の席の机と椅子だけが何故か完全木製の品だった。
あとがき
・・・プロファイリングってこんなのだっけ?
という疑問はさて置き横島は教会の居候になっての学園生活がはじまります。
そして次回はまずはあの女の子の登場です。
レス返し
>poto様 こんな小説に期待いただきありがとうございます。
期待にそえられるようがんばります。
>カタカナ様 文法の指摘ありがとうございます。
また何か変な事がありましたらおっしゃって下さい。
>月夜様 誤字の指摘ありがとうございます。
さっそく直しておきました。
ちなみにお気になってた点は前倒しです。
それにおキヌちゃんも横島と神父が出会う少し前に美神と出会って美神の元で日給30円で働いています。
彼女もいずれ出てきます。
>ZEROS様 感想ありがとうございます。
もう少し長く書けるようにがんばります。
>xinn0様 横島の不幸具合はまだまだ始まったばかりです。
むしろこれからが本番です。
>casa様 横っちの学園生活は当然のようにオカルトに巻き込まれていきます。
ちなみに学園生活外のエピソードは学校仲間を増やすためにやります。