タマモは別に自分が伝説の大妖で傾国の美女だからといって、「えらい」とか「威張りたい」などとは思っていないが、少なくとも19歳Verの容貌には絶対の自信を持っている。それがHなご奉仕をしてあげてる最中に本当に寝てしまうとは、何と不埒なご主人か!
「……って、私はどこぞのメイド○イじゃないんだから」
と謎の呟きをもらしつつ、タマモはとりあえず横島の耳たぶをつまんでねじり上げた。
「いっ、いててててぇ!? な、何だ!?」
当然のように横島がぱっと目を開け、痛みがやってくる方向に視線を向ける。するとなぜかタマモがむーっとふくれっ面をして、自分の耳をつねっているのが分かった。
「……タマモ? おまえ何怒って……ったたたぁ!」
横島はまだ半分寝ぼけていたから無理もない台詞だったが、タマモにとっては許しがたい妄言である。さらに強く耳たぶを引っ張られて、横島は情けない悲鳴をあげた。
「何ってあんた、こんな美人とHしてる最中に寝るよーな男にはとーぜんのお仕置きでしょ?」
「んんっ!? あ、そ、そーゆーことか。わかった、わかったから耳離してくれ」
ようやく狐娘が怒っている理由に合点がいった横島がそう泣きを入れると、タマモはふんっと鼻を鳴らしつつも耳をつねっていた手は離してやった。
タマモがまた怒らないうちにと、横島が右手で痛そうに耳たぶをさすりながらも左手でカリンの頭を軽くたたいて気つけをする。
「……ん? あ、横島……?」
影法師メイドは目は開けたが、まだ夢さめやらぬといった風情だ。さっきの絶頂がよほど気持ち良かったのだろう。
横島はそのしどけない姿に興奮してまた抱きたくなってしまったが、残念ながら今はその時ではない。
「……次はタマモの番だから、悪ぃけどちょっとどいてくれるか?」
「……え? あ、ああ、そうだったな」
カリンは横島の言葉で状況を思い出したらしく、のっそりと体を起こして恋人の胸板の上から降りた。はだけた服を直しながらタマモの方に顔を向けて、
「すまないな、あんまり気持ち良かったから」
と恥ずかしそうに頬をそめて謝った。横島が失神したのは自分が気を失うほど感じてしまったからなので、彼をあんまり咎めないでやってほしいという意味だ。
「あー……別に気にしなくていーわよ。お互いさまだし」
しかしタマモはそんなことを言われても返事に困るわけで、視線を外してややつっけんどんな口調でそう答えた。そしてカリンに続いて上体を起こしかけた横島の胸に手をそえると、ゆっくりと前に伸ばして文字通りに押し倒す。
「横島は寝てて。今日はご奉仕だって言ったでしょ?」
と耳元に息を吹きかけるようにしてささやき、ついでその唇を奪った。
「んっ!? ん、んむ……ん」
横島はいきなりキスされてびっくりしたが、タマモはかまわず唇を押し広げて舌をさし入れてきた。しかしそれ以上は強引なことはせず、むしろ甘えるような調子で舌をからめてくる。
もっとも最初の時と違い、狐娘は今度はすぐ唇を離してしまった。
「……?」
横島は当然物足りなく思ったが、タマモはやっぱりそれも気にせず、今度は少し顔をずらして横島の耳たぶを甘噛みし始めた。
「ひゃおっ!? い、いきなり何なんだタマモ」
「ご主人サマがいつもしてくれてることのお返しよ」
ゾクッとして思わず声が裏返ってしまった横島に、狐娘は「んふふっ」と楽しげに口元を緩めながらそんなことをささやいた。ここまで来てもやっぱりお遊び気分のようだ。
耳たぶから口を離すと、次はあごの線にそって唇でかすめるようなキスを繰り返す。
「ちゅっ……ふぅ……れろ……」
そしてだんだん顔を下げ、首すじに舌を這わせながら体をずらして、横島の腹の辺りにお尻を乗せて馬乗りの体勢になった。
そのままキスを続けながら上体も揺らして、その豊満な乳房を横島の胸板にむにむにとたわませる。
「おおっ、何か気持ちええ……」
横島がどこか間の抜けた声をあげたが、タマモはそれがかえって嬉しかったようで、いよいよサービスに熱がこもった。横島の頭と肩を抱くように手をそえつつ、お互いの乳首同士をこすり合わせる。
ただしタマモは単純なご奉仕だけをしているのではない。横島とカリンのHが終わってからずいぶん経つので秘所が乾いてしまっていたから、こうして自分に刺激を与えてもう1度濡らしているのである。
今はご奉仕している最中だから横島に愛撫してもらうわけにはいかないし、さりとて自分の手で慰めるのも恥ずかしいので、こういう形でこっそり彼を受け入れる準備をしているのだった。
「うーん、タマモ殿はやっぱり大胆だな……」
カリンは脇に下がっていたが、恥ずかしそうにもじもじしつつも2人の行為はしっかりと観察していた。さっきはタマモに「お手伝い」までされてしまったのだし、記憶の中には2人のHはすべて残っているのだから、今さら遠慮して目をそらす理由はなかった。
彼女の真似をするのはかなり恥ずかしいが、参考にはなることだし。
そんなカリンの視線の先で、突然タマモがぴくっと体を震わせた。
「よ、横島ってば……」
と狐娘ももじもじしだしたのは、さっきまでおとなしくしていた横島のドラゴンヘッドが大きくなり始めて、少女のお尻の割れ目から秘裂の下にもぐりこんで来たからである。ぎちぎちに固くなった肉棒の上にまたがる形になってしまい、タマモは困ったように頬を赤らめた。
しかもそれに加えて横島の右手がお尻を、左手が乳房を撫で始めたからたまらない。
「あ、ちょっと横島……! 今日はご奉仕だって言ったでしょ、ん、あんっ」
そう咎めるタマモだったが、Hの最中に手を振り払うわけにもいかない。横島はそれを知ってか知らずか、
「いや、おまえがあんまり美人でいーカラダしてるからつい手が勝手に」
ととぼけた事をほざいたが、言い方がまずかったとでも思ったのか急にまじめな顔になった。
「いや、いい女って言うべきだよな。中身もいいんだから」
タマモはぐーたらだしお揚げだし小生意気でもあるが、けっこう義理堅いし可愛かったりノリが良かったりする所もある。何よりこんな煩悩おバカな自分を心から好いてくれているのが嬉しい。
だから横島は決していいかげんな出任せを言ったわけではなく、それは相手にもちゃんと伝わった。
「も、もうホントにあんたってヤツは……」
思わず上体を起こし、真っ赤になって横島の顔をみつめるタマモ。まったくこの男は、いつもバカ丸出しなくせに何でこういう不意打ちばかり上手いのか。
もっとも今回は胸とお尻をまさぐりながらだから、威力はそこそこだったけれど……というか横島忠夫という男が、Hの最中にマジメっ面をそんなに長く続けていられるはずがない。
「つーわけで、もうしてもらうだけってのは耐えられんのじゃー!!」
横島がふんがーっと鼻息を吹き鳴らし、タマモの乳房とお尻を揉みたくる。ただし彼もそれなりに経験を積んでいるので、その手つきは飢えたチェリーボーイのように粗雑なものではなく、やさしくてそこそこ上手なものだった。
「きゃあっ!? やん、もう、ダメぇ……んっ、あぁ」
だからタマモも本気で嫌がったりはしない。横島の腰の上で身をくねらせ、つい甘い嬌声をあげてしまう。
「うはははは、んー、ここか? ここがえーのんか?」
「も、もうHの最中にふざけないでよ……きゃっ、あン」
カリンや小竜姫に言ったらしらけてしまうようなオヤジくさい台詞も、タマモにならわりと気兼ねなく言える。そしてさらに調子に乗った横島は、両手で狐っ娘の両乳を揉むと同時に指の股に乳首をはさんでこねくり回した。
「あっ、んんっ、もうっ、バカ……」
好き勝手を始めた横島を睨みつけるタマモだが、その眼光には迫力がない。タマモはツンデレ気質があるだけに、攻めているときは強いが受けに回ると弱いようだ。
「いや、これでもガマンしてるんだぞ? 本当は一気に押し倒してガンガン突っつきたいんだけど、せっかくおまえがご奉仕してくれてるんだから」
「―――! も、もう……!」
しかもこんなおまけまで付けられては、なおさら反撃の力が失せてしまう。こんなこと言うのならもう少し我慢して何もせずにいてくれればいいのにとも思うが、タマモがそれを口に出す前にスカートの中にもぐりこんできた右手にパンツの上からク○トリスを軽く撫でられ、びくんと背筋をそらせてしまった。
「ひゃんっ……あっ、やあ、くぅん」
「何つーか、おまえの喘ぎ声ってすげーなまめかしくて興奮するなあ」
これが傾国ってやつか?と感心しながらも、横島は少女を責める手は休めない。右手で股間の周囲を撫で回してパンツがヒモ結び型であることを発見すると、即座に結び目をほどいて脱がせてしまう。
タマモはそれに気づいた様子はなく、横島の手が直接秘所に触れてもますます嬌声を艶っぽくするばかりだった。
「んんっ……あっ、ふぁ、あぁんっ……」
横島の右手がクリト○スを責め、左手はお尻を撫で回している。さらに両方の乳首にぴりぴりと痺れるような刺激を受けて、タマモはもう頭の中が蕩けそうになってしまった。
「あンっ……はあ、んっ、やぁ……あっ、横島、好きっ、気持ちいい……って、あれ?」
横島は両手で秘所とお尻を愛撫しているのに、なぜ胸まで責めることができるのか。タマモは横島のお腹に手を置いて体をささえていたから、彼が起き上がって口で責めているという事は有り得ない。
とじていた目を開けて下を見てみたが、やっぱり胸の辺りには何もなかった。
「……?」
タマモがはてなと首をかしげると、少女が不思議がっているのを察したのか横島が得意げな顔で解説を加えてきた。
「房中術だよ。さっき揉んでる時に送っといた竜気を念で転がしてるんだ。
入れちまったらそんな事してられんから、やるなら今しかないと思ってな」
彼が言う房中術とは単なる性交テクニックのことではなく、男女の、つまり陽と陰の生体エネルギーの交流によって健康増進、ひいては不老長寿をめざす技法のことである。横島も霊気のコントロールがかなり上達してきたから、Hの最中でもこのくらいの芸はできるようになったのだ。
もっとも今は修行のつもりなどさらさらなく、純粋にタマモを責めているだけであったが。
「房中……って、何考えてるのよぉぉぉ!!」
タマモは吠えた。そういえば昔そんな話をしたことがあったような気もするし、横島が自分を悦ばせようとしているのだという事もわかるが、何も今やらなくてもいいではないか。ついさっき言った台詞はどこに行ったのだ!?
しかしもちろん、横島がそんな微妙な心情を察してくれるわけがない。
「ん? そりゃおまえ、より良いHライフのための研究と実践ってやつに決まってるだろ。で、どーだ? 気持ちいいか?」
「バカーーーっ!」
タマモはナインテールを9本の鞭に変えて、横島の顔と頭を思い切りひっぱたいた。
「んっ……あん……はぁっ……あっ、ふぅ……」
お間抜けなアクシデントもあったが、やっぱり仲の良い恋人同士だから2人はすぐにHを再開していた。
横島がタマモを後ろから抱っこして、右手で唇や首すじを撫でながら左手で秘所を愛撫する。もちろん胸を放置なんてするはずがなく、2つの突起をしっかり竜気で責めていた。
タマモにとってはいつもの定位置ですごく安心できる場所だから、すっかり力が抜けて恋人のなすがままに任せてしまっていた。ただ乙女のクレヴァスをさんざんいじくられてびしょ濡れになっている点は普段と違うが。
「はあ、はあ……よ、横島、私、もう……」
これ以上されたら前戯だけでイッてしまう。タマモはまだ今回はご奉仕Hだということは忘れてないから、そうなる前にちゃんと入れて横島にもイッてもらおうと思ったのだ。
「ん、そうか……で、どうする?」
「うん、私もやっぱり上に乗るのがいい……」
さすがに察して手を止めてくれた横島に、タマモはやはり騎乗位を希望した。ご奉仕するにはこれが1番やりやすい、というか他の体位では無理だから。
「そっか。じゃ、任せたぞ」
横島はさっきまでの愛撫で「一気に押し倒してガンガン突っつきたい」欲求が多少は満たされたらしく、おとなしくタマモの言う通り仰向けになってやった。
そして狐っ娘メイドがその腰の上にまたがっていよいよ合体というところで、その目の前、少年の腹の上に何かが落っこちてきた。
「タマモ殿、あなたにはまだそれが要るからな。ちゃんと付けないとダメだぞ」
カリンが投げて寄こしたコ○ドームだった。影法師ゆえに生殖機能を持たないカリンには無用のものだが、タマモはそうはいかないのだ。
「……うん、ありがと」
いつかは横島との愛の結晶が欲しいとは思うが、お互い高校生ではまだ早い、というか転生してまだ1年も経たないのに母親になどなりたくはない。タマモは素直に礼を言って、そのゴム袋を横島のドラゴンヘッドに自分の手で装着させた。
ついでにいろいろ愛撫してやっても良かったが、横島も早いところ入れたいだろうから今回は省略だ。
「おお、そこまでしてくれるんか。さすがメイドさんだな!」
「まーね、ご奉仕だから」
それでも何やら感動している様子の横島にタマモはにっこり微笑みかけつつ、改めてさっきカリンがしたのと同じように彼の肉棒を手で持って真上を向かせ、その上にゆっくりと腰を下ろしていく。
タマモのメイド服はミニスカートなので、穿いたままでも挿入できる。横島はその入れる所が見えないのが不満だったが、彼女のスカートは前ボタンで開けるタイプではないのでどうにもならない。
……むろん脱いでもらえば見えるのだが、それは無粋にも程があるというものだから没である。
「じゃ、いくわよ横島……」
タマモの腰がさらに下がり、横島の一物を濡れた秘唇の奥にずぶずぶと飲み込んでいく。固い剛棒に押し広げられた蜜壁は、しかしお返しとばかりにきゅきゅうっと強く締めつけた。
みずみずしい弾力にあふれた温かい肉壷のキッツいほどの心地よさに、横島が思わず間の抜けた奇声をあげる。
「くぉぉぉ、入れただけなのにもー腰が溶けそーだ……やっぱおまえはマジでいいな」
「ふふっ、ありがと……私ももう砕けちゃいそう……」
タマモもきつそうにふうっと息をつきながら、それでも笑顔をつくって答えた。19歳Verでも横島のドラゴンヘッドは少しばかり大き過ぎて、少女の可憐な秘洞に全部入れるともういっぱいいっぱいなのだ。ただその分恋人をより深く感じられるから、決して嫌ではないけれど。
横島は仰向けになったまま、両手はタマモの太腿の上に乗せていた。胸に伸ばそうとしないのは、今回はその揺れるさまをじっくり鑑賞したいという事のようだ。
「じゃ、動くわね……」
タマモがささやくようにそう声をかけるとともに、ゆっくりと腰を上下に揺らし始める。
腿に力を入れて軽く上げた腰を力を抜いて落とす度に、クレヴァスの最奥をずんっと突かれるような衝撃が走った。脳天まで届いて頭の中が真っ白になるくらい気持ちいい。
(ま、まるで杭を打たれてるみたい……んっ、あぁ)
それでも腰を動かすのはやめない。横島の手首をつかんでささえにしつつ、上下だけでなく前後にもグラインドさせる。その一往復ごとに秘唇の奥に新たな蜜が湧き出し、じゅぷじゅぶと淫らな水音をたてては外にこぼれ落ちていた。
「はあ、はあ……よ、横島、どう? 悦んで、んっ、くれて、る?」
「ん? あ、ああ……すっごく気持ちいいぞ、タマモ……」
横島は正直にそう答えてやった。確かに彼女の熱く濡れた蜜壷はそのまま溶かされてしまいそうなほど気持ちいいし、つながってる所が見えないのは残念だが、「傾国の美女」がメイド姿でご奉仕してくれて、しかもこんなに乱れて喘ぎまくっているという素敵すぎるシチュエーションがもたらす興奮の前では実にささいな事だったから。
「よかった……んんっ、それじゃっ、もっと、はぁっ、サービスっ、して、あげ、るっ、あんっ、わ、ねっ、はあっ」
タマモは喘ぎ喘ぎそう言うと、今度は尻肉と括約筋にキュッと力を入れてドラゴンヘッドを締めつけた。まったく予想していなかった刺激に横島は思わず腰を浮かせて、
「うおっ!? タ、タマモ、何したんだ!?」
「んー、さっきもっ、言ったけどっ、あぁんっ、前世のっ、無意識のっ、記憶って、やつ、よ。私にもっ、よくっ、分かんないっ、け、どっ、くぅっ、こうしたらっ、横島がっ、あああんっ、悦んでっ、くれるんじゃ、ないかな、って……」
「そ、そっか……うっ、くぉ」
絡みついた膣肉が一物の急所にヒットしたのか、横島が呻くような声をあげる。初めて味わう妖しい快感で、早くも絶頂が近づいてきていた。
それを敏感に察したタマモが薄目を開いて、
「いいわよ、横島……今日はご奉仕なんだから、横島が出したい時に好きに出して」
と腰を動かすのを止めてやさしく微笑む。いつもがんばってイかせてくれているから、こういう時くらい楽にやらせてあげようと思ったのだ。
しかし横島も一応は男だから、ここまで言われて「はいそうですか」とは頷けない。
「いや、おまえももうすぐイきそうだろ……せっかくだからいっしょにイこう」
タマモの太腿にそえていた手を上げ、少女のやわらかい手をきゅっと握ると同時に、気力を振り絞って竜気で胸を責め立てる。
「あっ、やんっ! そっ、それはっ、んっ、はぅん、あーん!!」
恋人のやさしい言葉とつないでくれた手と、そしてさっきよりさらに強く大きなオーラにタマモは痺れて、はしたなく大きな嬌声を上げてしまった。蜜壷がキュンッと締まり、熱い愛液がとめどなくしみ出てくる。
横島の手を握り返して、それをささえに夢中で腰を動かした。
「あンっ、あっ、はあっ、く、んぁっ! よ、横島、いいよ、いっしょにっ、んっ、はぁぁ」
そしてとぎれとぎれの湿った声でゴーサインを出すと、パートナーの少年は改めてぎゅっと手を握り締めてきた。
「そ、そっか……よし、イくぞ、いっしょだから、な……!」
「うん、来てっ……!」
その直後、横島は会陰(えいん)の辺りから背筋にそって駆け上るような痺れを感じたと同時に、絶頂のシルシを肉棒の先端から大量に放出していた。タマモもびくびくっと全身を痙攣させ、あごをそらして熱く濡れた息を吐き出す。
「ふぁっ……く、ああぁぁぁっ……! …………はあぁ、ぁぁ……はぁ」
そのまま脱力してくたっと突っ伏すと、ほてった体を恋人の胸板にゆだねるのだった。
「はあああ……もう最高だったな」
横島は寝っ転がったまま、右と左にカリンとタマモを腕枕していた。Hの後はこういう後戯とかピロートークとかいうやつが非っ常に大切なのだ。
「そうか。フフッ、喜んでもらえてよかった」
このプレイを提案したカリンも、ご主人さまが満足してくれたことに嬉しげな笑みを浮かべた。体を横向きにして、全身をぴったりとすり寄せる。
するとタマモも負けじと横島の肩に手を置いて、
「私も気持ちよかった。ご奉仕プレイなのにがんばってくれてありがと」
「ん? そりゃまー、俺も一応は男だからな」
自分の意図を理解してもらえていたことに横島は「がんばった甲斐があった」とうんうん頷き、肘を曲げて2人の髪をやさしく撫で始めた。カリンは幸せそうに目をとじ、タマモは心地良さげにのどを鳴らす。
しばらくそのまま余韻にひたっていたが、何分かたった頃横島が唐突に身を起こした。
「さて、そろそろ2回戦いくか。何しろ今日は性夜だからな、徹底的にヤらねーと」
字が間違ってるとか精力絶倫すぎだとか、そんなことはもう今さらなのでカリンもタマモも突っ込まない。いっしょに起き上がって、ご主人さまのご意向を訊ねる。
「そうか。で、どんな風にするんだ?」
「そだな。ご奉仕はいっぱいしてもらったから、今度はメイドさんをいただくプレイがいいな」
カリンはその欲張りぶりにクスッと小さく笑うと、横島を迎え入れるかのように両手を前にさし伸ばした。
「わかった、それじゃ好きなだけ美味しく召し上がってくれ」
「おう、米1粒残さず食ってやるからな!」
横島ががばーっとカリンを抱きすくめて押し倒す。タマモはその元気っぷりにやれやれと肩をすくめながらも、2人の邪魔にならないよう脇にどいてやった。どうせ次は自分だから、それに備えて休んでおかねばならないのだ。
「じゃ、がんばってねー」
そして安全圏に退避してから、いかにも無責任な声色でそんなエールを送るタマモ。2人の耳にはもう聞こえていなさそうだが。
……横島家の夜はまだまだこれからのようだった。
―――つづく。
メイドさんご奉仕H編はこれでひとまずおしまいです。
文中で房中術云々と言ってますが、第67話からの引きとなっておりますのでよろしければご参照下さいませー。
第143話のレス返しは第144話で致しますので。
ではまた。