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「ヨコシマはヨコシマらしく 第三話(GS)」

なす (2008-03-29 05:37/2008-03-29 05:49)
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「横島忠夫、ただいま戻りました〜 ぐぼぉ

「いきなりなにするんすか〜〜!」

 挨拶するなり問答無用で美神に殴られ血まみれになった横島が叫んだ


「何、心当たりが無いとでも言うの?!」

「心当たりも何も妙神山からたった今帰ってきたばかりっすよ?」

「まぁ良いわ、丁度今から大口の仕事があるからあんたも来なさい。」

 美神はそう言うとガレージに向かって行ってしまった。


「横島さん、今日の依頼書です。」
 何か言いたげにおキヌが横島へ依頼書を渡した。

「・・・これ、除霊対象も書いて無いし違約時の罰則事項だらけじゃないか」

 書類に目を通し驚きの声を上げた横島に対して、おキヌも同じ事を思っていたらしく

「そうなんですよ。美神さん最初は罰則事項が多いから受けるのを渋ってたんですけど、報酬を聞いたら「大損したばかりなんだから取り返さないと!」って目の色変えて受けちゃって」

「除霊対象が書かれてないってのがなぁ・・・」
「国が依頼主なのにオカGじゃ無くて民間に依頼が来たのも変ですよね?」


 横島もそうだが、おキヌもこの仕事に対して思うところがあるようであった。しかし、所長の美神が受けてしまった以上、従業員としては付いていく以外ない為仕方なく車に乗るものの何とも言えない空気が車中を満たしていた。


 現場に着くとそこは除霊現場というよりさながら戦場のようであった。というのも、銃を持った自衛隊員が彼方此方におり、空にはヘリまで飛び回っていたのである。
不安げに辺りを見回す横島とおキヌのところへ乗馬服にいつの間にか着替えた美神がやって来た。

「私達が追跡して追い込むから、あんたはおキヌちゃんと2人でその先の広場に設置してある結界の所で待ち構えてターゲットが来たら吸引しなさい!」

「でも、そのターゲットって何なんですか?まだ聞いてないですよ?」

「あんたは結界にかかったのを片っ端から片付けてればいいのよ!」

「そんな無茶な、関係ないのが掛かったらどうするんですか?美神さんいったいどうしたんです?」

「あ〜〜うるさい!とにかく任せたからしくじるんじゃないわよ!」

 こう言い放つと美神は森の奥へ自衛隊員とともに行ってしまった。


 しばらくすると遠くのほうから何かを追い立てるような音が近づいてきてその方向から何か小さな影が結界の中に飛び込んできた。


「「え・・・」」


 飛び込んできた影は傷だらけの子狐だったのだ。それをみた横島は急いで近寄り黙って文珠を2つ取り出しに”写”と”眠”の文字を込め、眠を子狐と一緒に荷物の入ったリュック中へ、写を結界に向かって投げるとそれは煙と共に傷ついた子狐の写し身に姿を変えた。

「おキヌちゃん、お願いだから黙っていてくれるかな。何があっても全部俺が責任持つから」

 と真剣な顔でリュックをおキヌへ渡したのだが、にっこり笑いながらおキヌが返した答えは期待以上のものであった。

「判りました。でも全部なんて言わないでください、何か在ったら一緒に私も責任を取ります。」


 そういうやり取りが終わるや否や勢子の自衛隊員と美神が近づいてきたので吸引札を取り出し吸引すると直ぐにそれに火を点けて燃やしてしまった。


「良くやったわね、横島君、おキヌちゃん」


横島が事務所へ戻ったときの不機嫌さとは全く違う調子で美神が声を掛けたのだが

「あんな子狐を退治するってどういうことですか?!」と今まで聞いたことのないような強い調子で横島が美神に問い詰めたところ。


「あんたのせいで私は大損したんだし、トドメさしたのも私じゃないからから私は悪くないもん」と悪びれた風も無く答えたのであった。


 その答えを聞いた横島とおキヌが何か言おうとした所に大きなスキール音を響かせて1台の車がやってきた。ドアを蹴り開けるようにして出てきたのはオカルトGメンの美神美智恵と西条であった。

「令子、九尾の狐は?!」

「もう退治しちゃったわよ。吸引した札も横島君が燃やしちゃったし。」

「あなただって白面金毛九尾の狐が濡れ衣を着せられただけって事は知ってるでしょ!何をやってるのよ!!」

「だって、最近損してばっかりで折角の高額依頼だったから・・・」


「「どうゆうことっすか(ですか)?! 退治しなくて良かったってことですか?」」

「横島君、おキヌちゃん、僕が説明するよ」と西条が2人に経緯を説明し始めた。


 西条の説明によると今回の依頼は傾国の美女と言われた白面金毛九尾の狐、その転生体の退治が目的だった。それは大妖と呼ばれる程の大妖怪であり、インドや中国で幾つも国を滅ぼして来たと言われていた。
しかし、近年の研究で国が滅びる要因は九尾の狐が出現する前からのものであり、九尾は不安定な世で安全な場所を求め、権力者の庇護を得るために取り入っただけであり、妖怪であることを理由に無実の罪を着せられたと言うのが真相であると改められている。


 最初に打診されたオカGではその事を説明し保護するように訴えたが、オカルトに疎い上層部は自分の古いの知識の中にある”傾国”という単語に不安になり自己の保身の為、高報酬を対価に五月蝿い事を言わない民間へ任せることにしたのだ。


 説明を聞き終わると「じゃぁ、金に目がくらんで無実の妖怪をあんな目にあわせたって事なんですね。」といって美神の返事も待たずに横島は駅に向かって歩き出してしまった。


 帰宅途中の商店街で稲荷寿司5個パックとパンの耳1袋を買い全財産となった硬貨を握り締めながら明日からの生活をどうしようかと思い悩んでいた。

 (バイトをせんで修行をしていた唯でさえ金が無いのに交通費が痛かったなぁ・・・西条の車にでも無理やり乗って来ればよかった・・・非常用に取っておいた命綱の500円玉も使ったから残り270円でどうやって金が入るまでどうやって食いつなごう・・・カオスの爺さんに日雇いの土木作業でも紹介してもらうしかないんか?さすがに事務所にメシ食いに行くわけにはいかんよなぁ・・・)


「まぁ悩んでも金が増えるわけでもないから取り合えず帰ってこいつの治療してやらんとな」

 空元気を出してアパートへ向かった所、なぜか窓から明かりが漏れていた。もしかして、おキヌちゃんが先について心配してきてくれたのかな?何も言わんと帰ったしな。それとも雪乃丞の野郎か?保存食も無いし、こいつの事もあるしあいつなら何とか追い返さんといかんな。と思いつつドアを開けると、そのまま静かに閉めるのであった。


 (なんで、おかんが来とるんじゃー!留年はせんかったし、進路相談もまだ先だぞ、もしかしてまたオヤジのやつ浮気でもしやがったんか?次から次えとうらやましいぞー!


「あんた、そんなとこで訳判らんこと言ってないでさっさと中に入りな!(ギン)」


 冷や汗ダラダラたらしながら、ギギギッっとでも聞こえてきそうな感じで後ろを向くと笑みを浮かべられたお母様が立ってらした。


 観念して部屋の中に入ると荷物を降ろし「頼むから、ちょっと待ってくれ」と顔を青くし、腰が引けながらではあるが母親に真剣な顔で告げると部屋の4隅に結界札を張り、子狐をバスタオルの上に乗せ文珠で治療した後、硬く絞ったタオルで綺麗に体を拭いてやった。


 最初は何か言いたげではあったが、百合子はその様子を見守っていた。一通り子狐の世話が終わった横島が百合子の前に座った所で百合子が初めて話しかけた。


「その狐の子はどないしたんや?」

「あぁ、こっち(オカルト)がらみでちょっとな・・・それはそうと、お袋いきなり来るなんて何かあったのか?」

「あんたな、あれだけ世間を騒がせておいて、何も連絡してこんとはどうゆうつもりや!(ギン)」


「あ、あああれは、守秘義務があって潜入捜査ってことは誰にもいえんかったんや〜、かんにんや〜」

「終わってからも何の連絡も無かったのはどう言い訳するんや?」

「いや、潜入捜査以外にも色々あって連絡する切欠が無かった言うかなんというか・・・」

「この前、オカルトGメンの美神さんって人が会いに来たで?」

「・・・・・・そっか、ルシオラのことも聞いたのか?」

「ああ、狐の子の世話してる顔見て良くわかった、あんな顔の出来る一人前の男にしてくれた人なんやな・・・」

「俺なんかにはもったいないくらいのいい女だったよ」そういうと、横島は黙って涙を流すのであった。


 その後パピリオ以外に初めてとなるルシオラの思い出話を百合子に聞かせていると 「きゅ〜ん」 と子狐が意識を取り戻した。


ー折角生き返ったのに

ー森で人間どもに追いかけられて

ー私が何をしたっていうんだ

ー結界に捉えられて


 九尾の狐は混濁した記憶と共に目を覚まし辺りを伺うと、どこかで見たことのあるような男が近づいて自分に向かって手を伸ばそうとしているのに気が付いた。飛び下がろうとするも妖力を使い果たしてしまっていた為、その手に向かって爪を走らせ威嚇のうなり声を上げることしか出来なかった。


「いてっ、驚いただろうけどお前に危害を加えるつもりは無いから、怪我も一通り治療したけど大丈夫か?」


 横島の呼びかけに九尾は自分の体を確認し、あれだけ傷だらけであった自分の体に傷どころか泥さえ付いていないことに気がついた。


「警戒するなって言っても無理だろうけど、これでも食べて元気になってくれ」となけなしのお金をはたいて買った稲荷寿司を狐の前にそっと置いた。警戒して匂いを嗅いで食べようとしない狐ではあったが
「何かするつもりなら気を失っている間にするだろ?何も変なものは入れてないから」との横島の言葉を切欠にすごい勢いであっという間に食べきってしまった。


 食べ終わるや否や子狐は部屋の隅に向かうと ボン という音と共に煙に包まれてしまった。煙が晴れるとそこには中学生くらいで綺麗な金髪を独特の髪形にした文句なしの美少女がこちらを睨んでいた。


「結界を張った部屋に閉じ込めて一体どうするつもりよ!」

「あ〜、この結界はお前の妖気が外に漏れないように張ったんだ、なんせもう退治したことになってるからばれるとやばいんだよ。俺は横島忠夫、こっちがたまたま来ていた俺のお袋の横島百合子、まずはお前の名前を教えてくれないか?」


「どうせ結界から出れないんだからしょうがないわね、タマモよ」


 横島はタマモに保護した経緯と自分はタマモを傷つけるつもりはない事を説明した。

「まぁ、殺したり封印するつもりは無さそうね。あんたの霊力ならあっという間だろうからね。で私をどうしたいっていうのよ?」

「そこなんだよな〜俺が正規のライセンス持ってれば保護妖怪ってことで別の妖狐として登録すれば追われることもなくなるんだけど見習いだしな〜、あと隊長や美神さん辺りには直ぐばれそうだしな・・」

「忠夫、あんたもう見習いじゃないわよ」

「へ??」

「美神美智恵って人が来てあんたのライセンスと今まで払ってなかった給料を置いていったわよ」

 とGSライセンスと預金通帳を取り出した。

「なんでお袋の所に??イキナリB級ライセンスなんだ???しかもこの金額??!!!???」

 状況が飲み込めずパニックに陥る横島であったが


ぶへら!


クリティカルヒット! GMの鉄拳が横島の頬を打ち抜いた!


「ちょっとはマシな男になったと見直してやったのに 落ち着け!

 横島が落ち着くと百合子は潜入以前に見習いが終わっていたこと、その後の功績でライセンスのランクが上がったのでB級になったこと、給料は本来支払われるべき税務署に申告した金額であることを説明した。


「でもなんでお袋がそんなこと知ってるんだ?」

「あんたの事をほったらかしていた私が言うのも何なんだけど、娘になるかも知れなかった子の事を聞いてね、世の中を舐めてる奴らに思い知らせてやろうかとちょっと動いたらそれを持って泣きを入れてきただけだよ。」

 百合子の後ろにメラメラと炎のようなものが立ち上がり横島は顔を真っ青にしタマモはガクガクと震えながら部屋の隅で震えていた。


「で、ばれないように出来たとしたら忠夫、あんたはどうしたいんだい?」

 横島は百合子とタマモに人と人に在らざるものとの共存を目指す自分の夢を語り、その為に修行したこと、資金の目処さえ立てばその為の場所を用意したいこと、タマモさえ良ければその第一歩としたいと告げた。


「私は別にいいわよ、既に目を付けられてるみたいだし暫く大人しくしておくわ(こいつ程強い霊力を持った陰陽師は前の時も早々居なかったしね)」


「ばれそうな2人については任しとき。」そういうと携帯電話で何処かへ連絡を取ると「明日あんたのバイト先に私も行くから」と横島に告げたのであった。

「何でお袋が??」

「ええからその件は明日行ったらわかるから」と華麗にスルーされてしまった。

「で、資金の目処がついたらってどういうことや?」

 横島は妖怪にも人間の生活圏に住むものと自然の中に住むものが居るのでその両方を用意したいこと、都市部の妖怪に関してはGSの保護妖怪とすれば無闇に追われることは無いが、保護妖怪はGSと同じ住居でなければ認められないことを説明した。


 その後、横島が次から次へと繰り出される百合子の質問に必死で答える形で続き部屋の明かりが消えることは無かった。

ちなみにタマモは狐形態に戻ってちゃっかり寝ていた。


 次の朝、横島は戦々恐々としながら百合子と共に事務所の扉を開いた。

「おはようございます。横島です。」

「あんた私とママを呼び出すなんてどういうつもり、随分えらくなったものね!」


 額に#と血管を浮き上がらせながらも百合子が居る為、いつもの様に殴りかかることが出来ずにイライラとした令子の罵声が返ってきた。


「今日はこいつのことでお話しがありまして」と胸に抱いた子狐をみせた。

「あんた一体どういうつもりよ!昨日退治したんじゃなかったの?!違約金どうするつもりよ!あんたが払いなさいよ」

「やっぱり、横島君には退治できなかったのね」

「やっぱりってママ、気がついてたの?」

「昨日の態度でなんとなくね、で相談って何かしら?」

「これを差し上げる代わりに忠夫の保護妖怪にする手続きをそちらにお願いしようかと思ってね」と

百合子がレポートを差し出した。

何で私達がそんなことしなきゃいけないのよ。契約違反をしたのは{待ちなさい令子」そっちでしょ!悪ければ免許停止ね

 レポートに一瞥もくれないで令子が条件反射のように答えるがあわてて美智恵がさえぎった。

「こ、これは・・・?」


「そんなものばれれば最悪の場合、破防法ものですよね〜?」


 百合子の渡したレポートには次のような物がリストにあげられていた

FIM-92A * 3(ロケットランチャー)
 ・
M82 * 2  (対物ライフル)
 ・
 ・
SIG P228 * 2 (拳銃)
M92FS * 2  (拳銃)


 そう、それは令子が密かに備蓄している非合法な銃火器のリストであった。

「武装ゲリラがウロウロしている国ではこの手の情報は大事ですからね。特にレアメタルを取り扱ってる商社は世界中の情報に注意するのは常識ですよ (ニヤリ)」

「あ、あなたって子は・・・・」

「手続きはお願いしていいかしら?」

「はい、責任を持ってさせていただきます。」その返事を聞くと満足そうに頷き最後に「あとは任せた、こっちは先に進めておくから」と横島にいうと百合子は真っ青になって黙っている令子と苦虫を噛み潰したような美智恵を置いて事務所を立ち去っていった。

 そこへお茶を出そうとしたおキヌが入ってきた。

「あれ?横島さんのお母さんもう帰られたんですか?・・あっ!(昨日の狐さん)」


 残された横島は自分がこれからどうしたいかという事をこの空気の中でどうやって説明すればいいんじゃーと心の中で叫んでいた。


ーあとがき

 皆さんからご指摘いただきましたの文章の稚拙さを少しでも解消すべく頑張ってみましたが中々思うように進みません。

 読みにくい文章で申し訳ありませんが、今後ともよろしくお願いします。

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