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「『最強の』後継者その22(GS)」

ラッフィン (2008-03-24 00:57)
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目の前にある画面を凝視し、何かを打ち込んでいる女性。解析結果が出ると後ろに立っている上司に叫んだ。

「エネルギー反応を感知。解析してみます」
「・・・結果は?」
「解析結果が出ました。パターン赤!フミです!
「これより、フミを迎撃します。よろしいですね?」
「うむ、フミを倒さない限り、SDGS計画の成功はない」
「六道SS、発進!!」

っと、変な妄想が入ったが気にしないでもらいたい。
さて、六道SSにまたしても邪魔されているフミだが、そのSSからの数々の(忠夫に対しての)暴言にフミの怒りは爆発した。

「撃て!」

パン!パン!パン!
パン!パン!
パン!

・・・・

六道SS達の麻酔銃の発砲音とともにフミの姿が霞む。左は崖でその下は深い森林地帯、右は普通の人には登ることが不可能な急斜面の山。そんな山道では隠れる場所も逃げる場所もない。だが、フミの姿は霞んだと思った直後、視界から消えてしまったのだ。

「ど、どこにいった?」

自分達の目の前で姿を消したフミにSS達は動揺したようだが、そこはプロ。すぐさま落ち着きを取り戻し、辺りを警戒する。それでも、いまだに頭ではたった一人のメイドに何が出来る?と言う侮った考えがあったのだ。その考えもすぐに消えることになるだろう。

「ん?いきなり暗くなったな?」

さっきまで晴天だったはずの天候、それが日が雲に隠れたのか日差しが遮られ、サングラスをしているSS達の視界が悪くなる。大多数の人間はサングラスを外し、再び辺りの警戒に移るも、数人のSSはサングラスをしたまま太陽を確認するために上を向く。そのおかげでこの後の被害を少なく出来たのだから僥倖だったといえるだろう。

「総員!退避〜〜〜〜!!!!」

上を見たSSが叫ぶ。厳しい訓練を施されているSS達はその叫びを理解する前に体が反応し、咄嗟に後方に飛びすさる。直後、上空から何かが降ってきて地面を抉ったのだ。

ごがぁああああああああああああああああああ!

「な、なんだ!?」
「何が起こった?」

その目の前の光景にSS達は困惑した。突然の空からの空襲で地面が抉れたのだから当然だろう。みながその抉れた地面に向けて銃口を向けている。抉れた衝撃で起こった砂煙が晴れるとそこには大きな鎌を片手で持ち上げているメイドの姿――ぶっちゃけフミであるが――があった。
彼女は撃たれる前に高く飛び上がり、大鎌の一振りを振り下ろしたのだ。

「さあ、狩りの時間です♪」

大鎌を肩に担ぎ、不敵な笑みを浮かべてのたまう。
その姿は迫力と威圧感に溢れさきほどの一撃と相まってSS達にフミに対して怯えの感情が芽生えはじめさせる。

「ひ、ひぃいいい!!」
「死神だ!?殺される!!」

鎌を持っていることから、不敵な笑みと相まって死神と連想したSS達。恐怖を抱いたSS達は瞬く間にパニックに陥ってしまう。なお、死神といわれたフミは不満を抱いたようでブツブツと何事かを呟いていた。

「誰が死神ですか!!全く、この可憐でか弱い美女を目の前にして死神なんて。失礼しちゃいます。まぁ、あなた達のような下衆に私の美貌をわかってもらおうとは思っていませんし、いいですけどね。だって、私の身も心も技術も何もかも全て忠夫様の物ですから///キャッ♪なんか背徳的な響きです♪物ってことはやっぱり使うものですから、私は忠夫様に使われるんですね///忠夫様のことだからそれはもう優しく、優しく壊れないように丁寧に使ってくれるんです。遣った後もちゃんと綺麗に洗って・・・洗って?忠夫様のことですから隅から隅まで丁寧に優しく洗ってくれるに違いありません。そう隅から隅までってことは私の体を忠夫様に見られるってことで・・・キャ〜〜〜///忠夫様のエッチ〜♪でもでも、忠夫様だったら私はいいんですよ。むしろ、見てください///って私ってばエッチなんだから〜♪♪♪」

不満がいつの間にやら妄想に変わってしまうフミ。今日も絶好調である。
対して、六道SSのパニックはリーダーの一喝によって終息したのだった。

「落ち着け!!馬鹿ども!!たかが、メイド一人に我らが何人いると思っているのだ!うろたえるな!貴様達は日々訓練に励んでいるのだろうが!」
「「「「「はっ!!」」」」」
「構え!撃て!!」

リーダーの一喝で落ち着きを取り戻したSS達は再びフミに向かって発砲を開始。そして、フミもリーダーの一喝で妄想から帰還し、SS達に立ち向かう。

「そんな鉛弾で私を止められるわけないでしょう!!」

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュ!

ビシビシビシビシビシビシビシ・・・

「なんだと!?」
「そんな!全部防がれてるというのか!?」

フミは持っている大鎌を胸の高さを中心にして旋回させ、銃弾を弾き返した。そのあまりにでたらめな光景にSS達は驚愕を隠せない。いくら厳しい訓練を積んでいても、こんなでたらめな光景は見たことがないのだ。動揺しても仕方あるまい。
SS達はめげずに発砲し続けるも、このミッションを侮っていたことが災いした。

カチンカチン!
「弾切れです!!」
「換えは?」
「換えも使い果たしました」
「なんだと!ちっ・・・今日はそんなに持ってきてなかったことがこんな影響するとは・・・」

麻酔弾を全て使い果たしてしまったようである。元からこのミッションを侮っていたSS達は弾をそれほど持ってきてはいなかったのだ。
手持ちの弾もなくなり銃弾での攻撃が出来なくなってしまったため、仕方なしにSS達は銃を捨て、あるものは格闘の構えを、あるものは思い思いの場所から特殊警防などの武器を取り出す。遠距離からの攻撃が出来なくなった今、接近戦を挑むしかない。それでも、SS達はまだ自分の優位を疑ってはいないのである。

「まぁ、いい!あの武器はやっかいだが、この人数に対して一人では敵うまい。行くぞ!」
「「「「「おお!!」」」」」

フミ一人に対して全員でよってたかって向かってくるSS。その群れを前にしてフミは怯えるどころか不敵な笑みを崩さずにいる。

「忠夫様を侮辱した上、忠夫様と私の逢引を邪魔する輩は制裁します!ただで帰れると思わないでください!」

フミはSS達に向かって鎌を振り下ろす。
こうして、フミの戦いは一晩中続けられたのだった。


「ごめんなさい!」

朝、起きて冥子に向けて忠夫が言った最初の台詞である。これにはなんで忠夫が謝って来たのかわからない冥子は首をかしげる。起きてみたらいきなり謝罪されたのだ、わかるはずもない。そう気付いた後、慌てて説明し出す忠夫。その説明を聞いた冥子は笑ってこういった。

「いいわよ〜。私は怒ってないわ〜。むしろ〜、忠夫君が私のことを想ってくれて嬉しいの〜」

と忠夫に抱きついたのだ。これには抱きつかれて照れたらいいのか、怒ってないことにホッとしていいのかやらで忙しい忠夫であった。
しばらくして、離れた冥子は忠夫とともに依頼人の元に向かう。

「本日はよろしく御願いします」
「はい。お任せください」

話もそこそこに改めて本日の依頼の内容を確認すると、3人は神社の別館に向かって移動した。そこには、忠夫でさえはっきりと感じられるほど雑霊が集まっており、中には悪霊になる寸前のものまでいたのだ。

「バサラちゃ〜ん。御願いね〜」

放っておくこともできないため、浮遊霊はともかく悪霊になりかけている霊などは払ってしまうことにし、バサラで吸引していく。そのバサラの後を追うように三人は別館の前までたどり着いたのだが、そのときだ。一陣の風が吹いた。

「アンチラちゃ〜ん!」

キィイイイイイン!

冥子は咄嗟にアンチラを最前線にいた依頼人である神主の前に出現させる。直後、金属同士がぶつかりあったような甲高い音が響いた。

「ひゃわぁああ!」
「神主さん!」
「二人とも〜下がっててね〜」

目の前で何かがぶつかりあったことで神主は驚いてしまう。忠夫はすぐに神主の腕を引っ張り後方へと退避させると、冥子が最前線へと踊り出て正体不明のモノに二人を庇うように立ちふさがった。
アンチラによって防がれたため、一旦後方に下がり構え直し冥子に対峙する影。その影正体は周りの林によって暗くて判断しづらいが、人型で獣のような耳と尻尾を持っていることがわかる。そして、明らかに敵意を向けられているということも。
妖気を放っていることから、神主が言っていたここに住み着いた妖怪であることが推測できるも、聞いた話とは違いただいるだけの妖怪というわけではないようである。何せ、こちらに敵意を持ち攻撃までしてきたのだから。
妖怪を退治する方針に傾きかけた冥子の考えだが、そこで待ったがかかる。何故なら、その攻撃してきた妖怪が言葉を発したからである。

「ここから退きなさい。そうすれば、攻撃は致しません」

冥子達はその妖怪が人語を話したことに驚いた。というのも、驚いたのは話した言葉に『退けば見逃す』と言っていることにだ。冥子はこの妖怪には話し合いが通じるかもしれないと考えたが、判断を下すのは隣にいる神主であるため勝手に話を進めることが出来ない。冥子は渋々神主に交渉を任せることにするのだった。

「それは出来ん。この奥にはこの神社が祭っている霊具があるのでな。その回収をせねばならんのだよ。それにここは私が管理している土地なのだ。よそ者であるお前にとやかく言う資格はない」
「確かにあなたの言うとおりよ。でも、私達には行くあてがないの。だから・・・」
「それはこちらの知ったことではない。とっととお引取り願おうか」
「交渉決裂ね・・・ならば、容赦はしない・・・」

神主の言葉に妖怪から一瞬だけ悲しみの感情が感じ取れたが、すぐに殺気に変わる。消していた敵意を再び抱いてきたのだ。そのため、冥子は悲しみの感情を浮かべたことに疑問を持つことが出来ず、戦いに集中するしかなくなってしまったのであった。

「フゥウウ・・・ミャアアアアアアア!」
「アンチラちゃ〜ん!御願い〜!」

しなやかで強靭な筋肉で体全体のバネを使い鋭い一撃を放ってくる妖怪。それに対抗すべく冥子はアンチラを迎撃に向かわせる。激突した両者の間から再び金属音のような甲高い音が響き、火花さえ飛び散っている。

「ミャアアアアアアアアア!」
ギュウウウウウウウウウウ!

キィン!シャッ!シャッ!シュッ!

実力は拮抗しており、全くの互角の戦いをしている。そんな中、冥子は次なる手を投じる。

「サンチラちゃ〜ん!加勢して〜!」

バリバリバリバリ!

サンチラの電撃攻撃を加えたことにより、徐々に妖怪を劣勢に追い込んでいく。両者の実力が拮抗している中で、2対1という状況である。これで勝負が決まったかと神主と忠夫は思ったが冥子は妖怪の目がまだ死んでいないことを見て取り、油断せずに攻撃を加えるのだった。

「ミャアアアアアアア!」

自分が劣勢になったと悟った妖怪の動きが変わる。林の木々を用い、自分の姿を眩ましたのだ。冥子は気配を探ろうとするも、全く気配を感じ取ることが出来ない。妖怪は気配を隠す術を心得ているようだ。このままでは危ないと判断した冥子は透視能力に長けたクビラを召喚し、妖怪の姿を探すことにした。

「クビラちゃ〜ん」

クビラは冥子の頭の上にチョコンとのっかり周囲を索敵し出したのだが・・・。

「いた!って、あれ?」

クビラで一瞬だけ妖怪を捕捉できるのだが、相手は常に動いているようですぐに範囲外に出てしまい、再び見失ってしまうのだ。

「速過ぎて捉えられない〜!」
「な、なんとかしてくれ!!」
「落ち着いて!姉さんを信じてください!!」

冥子の言葉を聞いて神主は取り乱す。それを忠夫がなんとか宥めようとしているが取り乱した人間を落ち着かせるのは難しく、無謀な行動を起こさないように動きを封じることしかできないのであった。
このままでは自分の身は守れるが、忠夫と神主の身を護ることが出来ない。だから、冥子は咄嗟に考えた。

「忠夫く〜ん」
「何?」
「メキラちゃんで〜、別館に送るから神主さんと霊具だけもって返ってくれるかな〜?」

そう、メキラの瞬間移動能力を使って二人を送り出し、霊具だけを持ち帰ろうという作戦をしようというのだ。このままでいては危険だから、霊具を持ち出した後、態勢を整えて再びくればいいと考えたのだ。忠夫もすぐに冥子の考えたことを悟り、力強く頷く。
忠夫が了承したのを見ると冥子は笑顔を浮かべ、メキラを呼び出した。

「メキラちゃ〜ん。・・・忠夫君〜頼んだわね〜?」
「うん!任せて!!神主さん、しっかりつかまっててください」

忠夫は神主に説明すると、しっかりと神主を抱える。その直後、メキラの能力が発動し、二人の姿が消えたのだった。
二人の姿を見送った冥子は身を隠しこちらの様子を伺っていた妖怪に集中する。

「さあ〜、あなたはここで〜私と一緒にいましょうね〜」

冥子は式神の数をさらに増やして妖怪と闘うべく霊力を高めるのだった。


しかし、冥子も気付かなかった。メキラが能力を発動する前に神主の体に一匹の霊が入り込んだことに。そして、その瞬間、神主の目が凶悪になっていたことに。


「神主さん!霊具はどこですか?」
「ああ、ここの奥にある!」

メキラで瞬間移動をしてきた忠夫と神主は急いで霊具を持ち帰ろうと保管場所に向かう。別館の入り口を開けて、中へ入り霊具が保管されている箱が置いてある小さな社を探す。そして、小さな社のある部屋に着くとそこには社の前でカタカタと震えている一人の子供の姿がった。

「どうしたんだ?こんなところ・・・」

声をかけた忠夫だが、その言葉も途中でとまってしまった。その子供の頭には獣の耳がついており、おしりには尻尾まであったからだ。人目で外にいる妖怪の仲間だとわかる容貌である。

「お前は・・・あの妖怪の子供なのか?」
「ひっ!」

忠夫はその子供に聞くのだが、子供は怖がって小さな悲鳴を上げて震えるだけで質問には答えてくれない。というか答えられる状況ではない。どうしていいか困るのだが、神主が強引に割って入ってきた。

「化け物が!ワシが殺してくれるわ!」
「神主さん!?」

ここでようやく忠夫は神主の異変に気がついた。振り向いた先には憤怒の形相で子供睨みつけ、数珠を握り霊力を高めている神主の姿が。いきなり豹変した神主に困惑するも、危ない雰囲気であることだけは理解できた。

「はぁああああ!!」
「危ない!!」

神主には霊力を込めた数珠を子供に叩きつけようろ振りかぶる。そのとき、頭で考えるより先に忠夫の体は勝手に反応し、神主と子供の間に割って入り、その数珠を六角形の霊気の盾で受け止めたのだ。

「何をするのダ!?」
「それはこっちの台詞だ!こんな子供に何をしようとしてるんです!」

いくら妖怪といえど、見た目小学生である子供にひどいことは出来ない忠夫。中にはその同情心を利用する輩もいるが、ひどく体を震わしている様子や、邪気を全く感じないために忠夫は咄嗟に助けに入ってしまっていたのだった。

「邪魔をスルな!ガキが!」
「この子は何も悪いことをしていないんですよ!いきなり退治しようなんてひどいじゃないですか!」
「そいつは妖怪ダ!退治して何が悪イノダ!」
「この子は別に悪いことをしているわけじゃないし、害もないんでしょ?だったら、妖怪でも俺達と同じく生きる権利はあるはずだ!」

二人は言い合っているが手はとまっていない。次々と数珠による攻撃を繰り出す神主に、忠夫も霊気の盾で応戦する。妙神山での修行以来、忠夫は一日も休まずに修行を続けていた。令子やエミ、冥子に手伝ってもらって実戦形式での修行も行っている。その成果がここで現れる。

「オォオオオオオオオオオオ!」
「はぁあああああああ!」

バチン!バチィイイ!バチ!

「兄ちゃん・・・」

盾と数珠がぶつかりあい、互いに込められている霊気がぶつかり、弾きあって乾いた音が鳴り響く。忠夫は少し前から神主の口調がおかしくなっていることに気付く。体が霊にのっとられてきている兆候だ。このままでは完全にのっとられてしまうだろう。しかし、まだまだ未熟である忠夫には神主の体から霊を取り出すなどという高等な術が使えるはずもなく、神主が繰り出す攻撃をただ防ぐしかできないでいた。その間にも時間は刻々と過ぎてしまっているため、忠夫の顔に焦りの色が見え始める。
そんな忠夫を子供は心配気に見守っている。それと同時に『なんでこのひとは自分を庇ってくれているのだろう?』という疑問も持っていた。だが、そんなことより今やることは一つしかない。

「お兄ちゃん、頑張って!」

その子供は一生懸命忠夫のことを応援するのだった。


「アジラちゃ〜ん、サンチラちゃ〜ん。左右から挟撃よ〜。ビカラちゃんは中央からね〜」

フゴオ!
ギュウウウ!
ゴオオ!

「フミャアアアアアアアアア!」

忠夫達を見送った冥子は妖怪だけに集中できるようになったおかげで、妖怪の姿を捉え攻撃に転じる。式神三体の波状攻撃である。そんな攻撃も妖怪のしなやかな体裁きによってスルリと避けられてしまう。妖怪は攻撃を避けた勢いをそのままに冥子に突っ込んできて、腕を一閃!

「ミャア!」
「アンチラちゃ〜ん!」

ガキィイイ!

そんな攻撃でも冥子は慌てずに新たにアンチラを呼び出し攻撃を防ぐ。妖怪は攻撃が防がれるとまた林の中に姿をくらまし、こちらの様子を伺い始めるというヒットアンドアウェイを繰り返すのだった。

「ミャァアアア!」

ザシュッ!

「っく・・・アアアアアアアア!」

ザン!!

「イタッ!」

戦いから数分がたち、お互いに攻防を繰り返していると無傷ではいられない。妖怪も冥子もどこかに傷を負っている。式神の攻撃を避けきれずに負った傷だったり、その式神の攻撃を掻い潜って与えた傷だったり。それでも、妖怪のほうが傷は多いし、深い。やはり、数で押されているためだ。それでも、妖怪は善戦していると言えるだろう。冥子だって決して楽観できる傷ではないからだ。

ブヒィイイイ!

ビカラの突進を受けて飛ばされる妖怪。それでも両腕で庇っていたため、致命傷には至っていない。油断なく追い撃ちをさせる冥子だったが、妖怪は受身を取るとネックスプリングの要領で高く飛び上がり、ビカラの突進を避けると冥子に向かって一直線に突き進む。

「アンチラちゃ〜ん!」

それでも、冥子は慌てずにアンチラを出して迎撃しようとしたが、アンチラと妖怪が激突する直前。後一歩分の間合いで妖怪は急ブレーキをかけて停止した。そのため、タイミングがズレたアンチラの攻撃が空を切る。すかさず妖怪は動きを再開させるとアンチラに蹴りを入れる。その蹴りはまるで槍の突きのようにアンチラを突き刺し、後ろにいた冥子までも巻き込んで後ろに吹き飛ばした。

「きゃあああ!」

式神のダメージのフィードバックと自分に受けた衝撃のダブルショックで一時、式神の制御が不能になる。そのチャンスを見逃すほど、妖怪は優しくない。とどめを刺すべく倒れた冥子に向かって貫手突きを繰り出す。

「ミャアアアアアアアアア!」

その爪が冥子の喉に到達する寸前だ。妖怪の動きが止まった。

「!?・・・ケイ!!」

そう叫ぶと妖怪は冥子のことなど振り向きもせず、忠夫達が入っていった別館に向かって走り去っていった。突然のことで呆気にとられる冥子。しかし、そんなことをしている場合ではない。妖怪の向かった先には忠夫がいるのだ(依頼人も)。痛む体に鞭打って立ち上がるとインダラを呼び出し、妖怪の後を追った。忠夫の無事を祈って。

「忠夫君・・・無事でいて〜!」

その先で冥子が見た光景とは?


※おまけ〜〜決してメインではありません!


「チェストーーーー!!」

気合の入った声で自分の背丈より大きな鎌を振り回しているメイド服の美女。その美女の一振りに砂糖に群がる蟻のようにたかっていた黒服の集団が、まるで風に煽られた粉のように吹き飛んでいく。まるで某有名な映画のワンシーンである。

「な・・・なんだ?あの女は・・・化け物か!?」
「失礼な!誰ですか、私のことを化け物呼ばわりした人は!?」

ギン!!

「ひぃいい!!」

そのアニメのような、現実離れした光景にリーダーの男はポツリと呟いたのだが、フミはそれをしっかりと聞き取り、まるで目つきの悪い幼稚園児の女の子の如く、その男をにらみつけた。その眼光に貫かれた男は腰抜かしてその場にへたりこんでしまうほどである。その威力、想像するに難しくない。いや、難しいか?

「そいやぁあああああああああ!!」

そうして暴れまわったフミはついに最後の一人までSS達を追い詰めることに成功する。その最後の一人というのはもちろん、忠夫を侮辱したSS達のリーダーの男である。彼はフミに睨まれてからずっとへたりこんだままであった。

「さあ、あなたで最後ですよ」
「ひぃ!くるな!!」

怯えた様子で必死に後ずさる。しかし、その努力も虚しくあっさりとフミに追いつかれてしまった。

「そういえば、あなた・・・散々忠夫様を侮辱していましたね。その上、私を化け物扱いするわ、辱めようなどと下品な考えはするわ、あなたは本当に六道家の誇るSSなのですか?それが本当ならよほど人手不足なんでしょうね。こんな人がリーダーになるのですから」「なんだ・・「ドゴン!」ひぃいい!!」

「何か?」

フミの言葉に激昂し、言い返そうとしたが、フミがリーダーの足と足の間の地面を踏みしめると黙り込んだ。ちなみにその踏みしめた地面は5センチほど陥没していたそうな。

「さて、最後にもう一度だけ聞いておきますか・・・私ってどうですか?」
「ば、ばばばば化け物〜〜〜!!!」

一呼吸入れてフミは笑顔を浮かべて質問してあげたのだが、リーダーは泣き叫んで後ろに全力疾走。フミの笑顔が固まり、額には青筋が浮く。

「そうですか・・・そんなにストレッチがしたいんですね」

フミは一瞬でリーダーの前に移動するとまずはフックを入れて足をとめる。フックを入れられたリーダーは体が顎を突き出すように九の字に曲がる。フックを入れた勢いをそのままに体をぐるっと回して今度は逆の手でアッパーを繰り出す。その拳は見事に顎を撃ちぬき、リーダーの体を打ち上げる。そして、喉とフトモモを押さえると、すわり込むように立膝をつき、リーダーの体をその膝の上に落とす。

バキベキポキ・・・・ボキ!!

「があああああああああ!!」
バタッ

「ふう、これで体が柔らかくなりましたよ♪」

素敵な笑顔を浮かべて、泡を吹いて倒れているSSに向かって言い放った。

チュイン!

「何者ですか!?」

SSを一人残さず倒したフミは『さあ、待っててくださいね!忠夫様〜!!』と足を踏み出したとき、足元に銃弾が撃ち込まれたのだ。弾が飛んできた方向を見ると、そこには先ほどまではなかったはずの黒塗りの車が数台とまっていた。

「ふっ、もう少し我々と遊んでいってもらおうかな?」

その黒塗りの車から数人の黒服の男達が降りてきた。サングラスをかけて口にはうっすらと笑みが浮かんでいる。その笑みは嘲りなどではなく、余裕を持っている笑みであり、さきほどのSS達とは違うようである。

「何故私の邪魔をするんですか!」
「我らの計画に支障をきたしてしまうのでね。少しばかり足止めにね」
「またですか・・・でもですね。力づくでも通らせていただき・・・」
「おおっと、動かないでくれたまえ。この手にあるものを焼かれたくなければね」
「そ、それは!?」

フミが目にしたもの。それは・・・。

「ブハァ!?」
「そうだよ。冥子お嬢様が保管しているレアランクSSSの忠夫君写真さ。君にはこれの重要性はかなりのものだろう?」
「くっ・・・卑怯者!!
「卑怯者?大いに結構。これで我々の仕事が完遂できるのなら安いものさ」

男の余裕とはこれのことだったのだろう。フミは男の言葉通り、動くことができなくなってしまったのである。その男の持っている写真とは・・・『両手で髪をかき上げながらシャワーを浴びているセクシーショットの忠夫君☆』であった。フミにとっては喉から手が出るほど欲しい一品である。事実、フミはこれを見た瞬間に鼻血を盛大に吹き出したのだった。
一刻も早く忠夫の元に行きたいフミであるが、その写真は燃やされたくないため動くことが出来ない。黒服の男達も下手に動くとフミにのされるという思いがあるために動けないでいたため、両者はしばしの膠着状態に陥るのだった。
フミは新たなるバトルへと突入した。


あとがき

ちょっとはGSらしく書けたかな?ラッフィンです。

いよいよGSの仕事を開始した冥子達。そこに立ちはだかるは一匹の妖怪。そして、様子のおかしくなった神主!さあ、この状況を忠夫と冥子は乗り切ることができるのか?

ってことで、今回出てきた妖怪はもうお分かりですね?文中で表記がずっと妖怪なのは、まだ忠夫達が妖怪の名前を知らないからです。次回明らかになりますけど。

そして、フミ第二ステージへw
今度はちょっと手ごわいかもしれません!SSの次に新たな刺客が・・・果たしてフミはどうなるのか?

さあ!はったはった一口100円!今度はフミVS謎の黒服達だ〜〜〜!!(冗談ですw

そろそろ、フミさんと忠夫の甘い話書いたほうがいいかな?の最近、メインヒロインがフミなんじゃ・・・と思えなくなっているラッフィンでした。
では、最後にあの一言をwww

栄光を我らの手に!!


レス返しです。


俊様

今回のリーダーの男は家柄で考えるタイプで、しかも自分の主以上主義な方でしたのであんな高圧的な態度だったんですね。
今回のことでこりてくれればいいんですけど・・・さてさて、結果はいかに?


Tシロー様

そうです。フミさん今度も邪魔されます。しかも二段階で邪魔されます。今回の相手は手ごわいかもしれませんね。何せ、人質(笑)がいますからw
それでも、フミはかっちゃいそうですけどねw

>冥子と
お風呂どころかお布団まで一緒ですよ〜♪
もう、羨ましいな〜コンチクショーーー!ってな感じですよ!!


内海一弘様

おおと!FFFに対して宣戦布告だ〜〜〜www
夜道にお気をつけくださいw

今回はバトルだけでした。
さて、忠夫と冥子の関係はどうなる?
ライバル多そうだしw前途多難だと見たwww


にょふ様

>久しぶりに
えwwwそうだったのか!?こうなったらフミさんに更正してもらうように調きょ・・・げふんげふん。説教してもらわないとwww

ここでのフミは大人しくしているとかえって不評らしいのでwハイテンションを維持していきまっす!!


星の影様

フミさん大暴れ・・・だが、新たな刺客が現れた!!謎の黒服の男達、彼らは一体!?
フミさんの野望達成は果てしなく遠い・・・。

>この私がせいば
マジですか!?GMが黙ってというか、そのフミさん本人に制裁されちゃいますって!?

あなたは立派なFFFの会員ですねw


DOM様

>ゴール
忠夫の気持ちがはっきりしても遠そうですよwなにせ、ライバルがたくさんいますからね〜。我らが暴走メイドは当然として、同じく暴走魔女やツンデレお姉ちゃんと多いですからw

SSの粛清は完了!だが、しかし、新たなる敵が現れた。今回は知略を使っておられる。一筋縄ではいくまい・・・。


鹿苑寺様

バイク・・・怖いですよね。やっぱ免許は車に限る〜♪

バイクにはそんな詳しくないので乗っている〜って簡単な描写を入れて終わりにします。あんま詳しく書くと自分がわからなくなるので・・・。

>追伸
彼には小さなころからの経験があるので、多少耐性がついていたのですよw


大海様

フミさんの敵、さらにドーーンwってことで、忠夫の元にいけるのはまだまだ時間がかかりそうなフミさんです♪

やっぱ、忠夫を絡めたほうが暴走させやすいw


HEY2様

フミさんに対して出すのだから、ただのこ・・・いえ、なんでもありませんw

>前回は
あなたはとんでもないことを言おうとしてしまったようだ・・・。私にはとても恐ろしくてそんなことは・・・ガクガクブルブル。


食欲魔人様

エンピツに何を書いたか気になりますよw


カシス・ユウ・シンクレア様

冥子は冥奈の子供ですからね〜。すっごい策略を用意してそうだwww

あらwフミさんの足止めですかw頑張ってww
間違えて一緒に処罰されないようにwww


シシン様

>殺す気!?
殺しはしないと思いますよw生かさず、殺さずでwww

なんでかフミさんに勢いがなくなってきてしまって・・・どうしたものか。
そろそろ逆襲でもさせますかねw

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