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「DAWN OF THE SPECTER 25(GS+オリジナル)」

丸々&とーり (2008-03-23 01:04)
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灰色の建物から、二人の若者が午後の陽射しの下にその姿を現した。
そろそろ時間で言えば夕刻にあたるのだが、真夏の太陽は一向に沈む気配が無い。
複数の棟が集まって構成されるその灰色の建物は、一見すれば病院のようにも見える。
入院患者が収容されているという意味では、病院と呼んでも間違いないかもしれない。
だがその建物の本業は、様々な霊的な素材の鑑定を行う、日本でも有数のオカルト研究施設なのだ。
収容されている入院患者も、その珍しい霊障を研究する為に収容されているのに他ならない。

二人の若者のうち、一人は銀髪の凛々しい女性。
もう一人は整った容貌ながら、まだ幼さを感じさせる金髪の少年だった。
年若く見える二人だったが、彼らは通常の人間とは別の理に生きる存在。
その能力を活かして霊犯罪の捜査を行う、オカルトGメンの捜査員である。

「少々、妙な事になってきたでござるな。」

古風な喋り口調で、銀髪の女性が金髪の少年に声をかける。
立場的には少年の方が上にあたるのだろう、少しばかり女性が少年の後ろを歩いている。

「どうやら、思っていたよりも大きな何かが潜んでいるみたいだ。
とりあえずは今まで回収してきた魔獣の死骸も再鑑定、というか霊基構造の解析を依頼したからね。
それが済めば、捜査の方向性もハッキリしてくると思うよ。」

依頼しておいた、海竜の霊基構造の解析が済んだと連絡を受け、彼らはここを訪れた。
そして先程、研究者から解析内容についての報告を受けたのだが、その内容は驚くべきものだった。
だがその報告を受け、驚きに目を見開いた銀髪の女性とは違い、少年の方は心のどこかで「やはり」という思いを抱いていた。
薄々とだが、そうではないかと感じていたのだ。

これからの捜査の方向を確認するべく、拠点にしていたホテルに戻ろうと車に乗り込んだ時、少年の携帯電話が鳴り出した。
見知った相手からの電話に、少年は首を傾げる。こちらから連絡する事はあっても、向こうはあまり電話を使う性格ではないのだ。
何かの用事でかけてくる事があっても、もっぱらこの相手の相棒の大男が大半だった。

「もしもし?
珍しいな、雪之丞が電話してくるなんて――――」

「ピート! お前今何処にいる!?」

前置きの言葉を遮り、雪之丞が興奮した口調でまくしたてる。

「何処って……仙台で調査中だけど。」

「よし! 今すぐ東京に戻って来い!」

「えェ!? 今すぐ、って無理言うな! こっちも捜査で来てるんだぞ!?」

突然の無茶な要求に、少年は思わず声を上げる。
隣の助手席では、銀髪の女性が珍しく声を荒げている少年を何事かと見ている。

「ああ、クソッ! これだから、公務員は頭が堅いっつーんだよ!」

「とにかく、そういう訳だから。もう切るぞ。」

ため息混じりに電話を切ろうとするが、雪之丞が慌てて遮る。

「待て待て待てッ! お前には確か『貸し』が三つほどあったよな!?」

「……ああ。言われなくてもちゃんと返すよ。」

オカルトGメンの捜査官という仕事上、時には大規模な霊犯罪組織を相手にする事も珍しくない。
そういう時には、黒と灰色の中間――というか、限りなく黒に近い灰色――な事もしなければならない事もある。
黒では無いにしても、決して表には出来ないような裏仕事を任せられる、信頼できるGSというのは滅多にいない。
その滅多にいないGSの一人が、この雪之丞とその相棒のタイガーだった。

「それ、全部チャラにしてやるから今すぐ戻って来いッ!!」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。それは本気で言ってるのか?」

『貸し』とは書面こそ存在しない口約束ではあったが、それは彼らの信頼関係の上に成り立っていた。
裏仕事の『借り』を返す以上、少年も表沙汰には出来ない方法で返す事になる。
それをチャラにするというのは、雪之丞達にとって――潜在的ではあれど――かなりの損失になる筈なのだ。
現に電話の向こうからは「雪之丞!何を言っとるんジャー!?」「うっせぇ!黙ってろ!」などというやり取りが聞こえてくる。

「せめて、理由を言ってくれよ。そんな事、急に言われても――――」

「そんな野暮な事が出来るか! それじゃ、今晩八時にいつもの店なッ!
良いな!? 絶対だぞ!!」

「おい、ちょッ――――き、切られた。」

少年の返答も待たず、一方的に話を進め、一方的に切ってしまった。
雪之丞らしいと言えばらしいが、仕事中の少年にとってはたまらない。

「ピート殿、何か緊急事態でも?」

額をハンドルに押しつけ、頭を抱えている少年に助手席の女性が尋ねる。

「……雪之丞のヤツが、今すぐ東京に戻って来いって言ってるんだ。」

「い、今すぐでござるか? 解析結果は先刻聞き終えたとは言え、まだやらなければならない事が山積みの筈では……」

考えを纏めているのか、少年が何事か呟いている。
しばらくそうしていたが、一際大きなため息と共に身体を起こした。

「一応、直接話しを聞かなきゃいけないような案件はもう終ってるんだ。
地元の捜査員への指示も、メールと電話で充分対応できるし……帰れない事は無い、かな……」

かなりキツ過ぎるけど。
そんな言葉で締めくくりつつ、少年は車のギアをドライブに入れる。
肩を落とし、すっかりくたびれた様子の少年に、女性は同情交じりに苦笑するのだった。


「ピート殿、やはり職務を放棄するのは良くないと思うのでござるが……!」

「いや、そりゃあ僕もそう思うけど……雪之丞があれだけ言うんだし、きっと何か重要な用件だと思うんだ。
それに、シロ君も最初は乗り気で手伝ってくれてたじゃないか。急にどうかしたのかい?」

「え! あ、いや……別にそういう訳ではござらんが……」

慌てて否定する銀髪の女性――シロ――だったが、正直な話、どうもこうも無かった。
雪之丞と金髪の少年――ピート――の電話が終わってしばらくした後、自分の携帯に一通のメールが届いたのだ。

――――戻ってきたのが雪之丞にバレちまった。今夜飲みに強制連行されるみたいだ。

横島からのメールと、先刻の雪之丞からの電話。
それらを考え合わせれば、これからの展開が容易に想像できた。
横島と関係が深かった三人だ。戻ってきていたと知れば、集まって飲んで騒ごうというのは当然の話だろう。
だが、その結果、また横島が姿を消す事にならないか?

ピートはともかく、タイガーと雪之丞は些かデリカシーに欠ける部分がある。
自分とタマモが踏み込む事を避けた、横島が抱える禁忌に彼らは土足で踏み込むような真似をしてしまうのでは?
悪意で行動する人間ではない事は百も承知だが、動機はともかく、その結果横島がどういう行動を取るか。
そんな不安が拭えなかったため、シロは雪之丞・タイガーはおろか先輩であるピートにも口をつぐんでいた。
タマモと相談した結果、横島の帰国は当面の間伏せておく事にしていたのだ。

だが、どうやら横島自身が雪之丞に見つかってしまったらしい。
理由を考えた所ですぐに理解した。GS選抜試験だ。横島は一次試験を突破したと言っていた。
二次試験の会場で顔を合わせることは充分に考えられた。バレるのは時間の問題だったろう。

それならば、せめて被害を最小限に食い止める努力をするべき。
まだ話がわかってくれそうなピートに事情を説明し、自分達の側に抱き込めれば。
そんな思惑がシロの頭をよぎったが、実際にはそう簡単な話ではない。

――――今更、『実は先生が戻ってきたのでござるよ』なんて言える訳が無いッ!

このタイミングで、どの面下げてそんな言葉を吐けるのか。
『ピート殿を信頼できなかったので秘密にしていたのでござるが、この際仕方ないので手を貸してほしいでござる』
実際はここまで酷く無いのだが、こう受け取られても仕方が無いタイミングである。
言える訳が無い! 少なくとも、このタイミングで言える訳が無いッ!!

そんなこんなで、シロとしてはピートに今夜の予定をキャンセルしてくれる事を密かに願っていたのだ。
取り敢えず今夜の遭遇を避けられれば、上手く打ち明ける機会を見出す事も可能だろう。
先の電話の内容から判断するに、雪之丞も「横島が帰ってきた」という結果だけを教える気は無いようだ。

各方面への指示を手際良く済ませていくピートの姿にも、幾分か余裕のようなものが見え始めていた。
このままでは、問題なく約束の時間までに東京に戻れてしまいそうだ。
どうしたものかと頭を抱えるシロだったが、その時、彼女の携帯が馴染みの着信音を鳴らし始めた。
頼れる親友からの電話に、地獄の底に垂らされた蜘蛛の糸を掴むかの如く、電光石火の速さで電話を掴んだ。

「タマモッ……! マズイ事になったでござるよ……!」

「ええ、横島の件でしょ? 私もその場にいたから知ってるわ。」

ちらりとピートの方に目をやると、ノートPCを操作してメールでの指示を作成しているようだ。
モニターに集中しているらしく、こちらの様子を気にかける余裕は無いだろう。

「今晩の飲み会には私も参加するから、せめて話がおかしな方向に行かないように上手く誘導するしかないわね。」

「えぇ!? タマモが飲みに参加するとは珍しいでござるな……いつも誘っても断るのに……」

「そうも言ってられないでしょ、この状況じゃ。あんたもちゃんと顔出してよ。
いざとなったらアンタと横島の猥談でもでっちあげて、無理やりにでも話の方向捻じ曲げるつもりなんだから。」

「ちょ、拙者と先生はそんな仲では……!」

顔を赤らめるシロだったが、電話の向こうのタマモは悪戯っぽくクスクスと笑っている。

「冗談よ、冗談。でも、ヤバくなりそうなら一服盛るくらいはしなきゃいけないかもね。
ま、当事者が寝ちゃったら、質問のしようも無いしね。」

「う、先生に盛るつもりでござるか。」

愉快そうに不穏なセリフを口にするタマモに、シロが苦い表情を浮かべる。
タマモなら喜んで横島に一服盛るだろう。なんだかんだで、タマモと横島の相性はあまり良くないのだ。
お互い自由奔放な面があるため、タマモは同族嫌悪でもしているのかもしれない。

「……でも、実際問題、何時までも隠し通せるものじゃないし……ここらが潮時だったかもしれないわね。
こうなったら、横島がまた馬鹿な真似をしない事を祈るしかないわ。」

「拙者は……拙者は、先生を信じているでござる。」

まるで自分に言い聞かせるかのようなシロの言葉。
しばらく沈黙が続いた後、タマモが呟いた。

「……過信も妄信も、度が過ぎれば甘えにしか見えないわよ。」

その瞬間、頭に血が上った。
激昂したまま、歯を剥くように叫ぶ。

「タマモッ!!」

突然の怒声に、ピートが何事かと振り返っているが、シロは気付いていない。
怒りに肩を震わせているが、感情の波が大きすぎて次の言葉が出てこないようだ。

「……ごめん。言い過ぎた。」

素直な謝罪の言葉に、シロが呼吸を整え心を落ち着ける。
タマモに悪気が無いのはわかる。こうやって苦言を呈するのは、自分の事を考えてくれているからなのだ。

「……タマモには感謝してるでござる。心配ばかりかけて、すまぬ。」

それ以上言葉は必要なかった。
お互い充分に相手の事を理解しているのだ。
通話を終え、携帯電話を懐にしまってから、ピートが心配そうな目でこちらを見ている事に気がついた。
さっき声を荒げた事を思い出し、バツが悪そうな表情で、何でもないと手を振る。
ピートもそれ以上追及しようとせず、PCのモニターに向き直り作業を再開していた。

シロは髪をかき上げながら天井を見上げる。

「妄信、か……相変わらず痛いところを突いてくる。」

小さく呟き、自嘲するようにクッと喉を鳴らす。
タマモの言葉は、当分胸に刺さったまま消えそうになかった。


一方、東京都庁地下の選抜試験会場。
選抜参加者や職員のために設置された休憩室。
参加者は明日の昼からの試験に備えているのか、休憩室には女性が一人佇んでいるだけだった。
自販機にもたれかかり、艶のある金髪を九房に纏めた女性がため息をつく。

「ああ、もう……なんで、こう、一言多いのかな、私は……」

怒らせたくてあんな事を言った訳ではない。
盲目的に横島を信じるシロが、心配で仕方が無いのだ。
もしもまた、何かの理由で横島が姿を消してしまったら?
シロは今まで築いてきたもの全てを投げ打って、横島を探そうとするだろう。
死ぬ想いで、それこそ血を吐くような想いで築き上げてきたGメン捜査官というキャリアをかなぐり捨ててでも。
タマモはそんな事になって欲しくなかった。そんなシロを見たくなかった。

横島の禁忌に触れる事が出来ない以上、シロを守るには、シロ自身に強くあってもらうしかない。
そんな想いから、先の言葉を口にしてしまったのだが、やはりシロを激昂させてしまった。
せめてもっと上手く想いを伝えるべきだった。言葉を選ぶべきだった。

「はぁ――――キャッ!」

大きくため息をついた瞬間、首筋に冷たい物が押し付けられ、思わず声を上げてしまった。

「何ため息なんかついてるんだよ。そんなだと、幸せが逃げちまうぞ。」

冷えた缶コーヒーを手に、何時の間にか横島が立っていた。
どうやら休憩室に入ってきた事に気がつかないほど、自分の世界に没頭していたようだ。
差し出された缶コーヒーを受け取ると、不意打ちの仕返しとばかりに横島の頬に押し付ける。

「あ・り・が・と。お礼に冷やしてあげるわ。」

「イテェ!ちょ、やめ、マジで痛ェ!」

グリグリと缶コーヒーを押し付けられる横島の頬には大きなガーゼが貼られていた。
顔の左半分を覆うほどの大きさのガーゼのせいで、見る角度によっては横島だとわからないだろう。

「怪我してるならアルコールは控えた方が良いんじゃないの?」

「何を言う。酒は百薬の長って言葉を知らんのか。」

タマモの言葉など何処吹く風とばかりに胸を張る横島。
呆れたような目で見るタマモに、横島は肩をすくめる。

「ってのはもちろん冗談だけど。ヒーリングも受けたし、明日の朝には腫れも治まるってさ。
まあ、生身で殴ってくれたのがせめてもの救いだな。魔装術を使われてたら首から上が無くなってたかも知れん。」

充分有り得た『死』の可能性に、横島がぶるりと身体を震わせる。

「おッ、二人ともこんなとこにいたのか。
時間までまだ結構あるしよ、どっかの店で茶でも飲まねーか?」

二人を探していたのか、雪之丞が休憩室の入り口からひょいと顔を覗かせた。
右拳にテーピングが巻かれているが、それほど酷くないのだろう。
何事も無いかのように重そうな鞄を持っている。

「ああ、そうしようぜ。雪之丞、どっか良い店知ってんのか。」

「ハッ! 任せとけって。美味いコーヒーを出す店があるんだよ。」

笑いながら歩く二人を眺めながら、タマモはやれやれと首を振る。

「……馬鹿は単純で羨ましいわ、ホント。」

そう呟くと、二人を追って自分も休憩室を後にするのだった。


「おッ! ブラドーさんに犬塚さん、いらっしゃい!
伊達さん達ならいつもの座敷で始めちゃってますよ!」

どうにか仙台での捜査を一段落させ、半ばやつれた表情のピートだったが、なんとか約束の時間に間に合う事ができた。
馴染みの店のため、店主もすっかり二人の名前を覚えてしまっていた。
時間前から既に飲んでいるらしく、廊下の先の奥の部屋から雪之丞達の笑い声が響いていた。
その笑い声の中に、どこかで聞いたような声が混じっているのだが、誰だかわからない。
顔を見れば思い出すだろうと、ピートは首を傾げつつ奥の座席へと向かう。

「よう! ちゃんと約束の時間に間に合ったみてーだな!!」

ジョッキを片手に上機嫌の雪之丞がピートを迎える。

「あそこまで言われたら仕方無いだろ――――って、その人は?」

座敷に居たのは雪之丞、タイガー、タマモ、と見知らぬ若い男の四人だった。
ピートの位置からでは若い男の頬に貼られたガーゼしか見ることが出来ない。

「あー……そのまあ、なんだ。」

ピートから目を背けつつ口篭る若い男。
隣に座るタマモがジト目で男を見やると、観念したのか、ピートに真っ向から向き直った。

「久しぶり、だな。」

バツが悪そうな表情でピートと向き合う若い男。
一瞬後、ピートはこれまでの長い人生の記録を軽々と塗り替える程の驚嘆の声を上げていた。


「落ち着いたか?」

「すまない……取り乱してしまった。」

雪之丞から水が入ったコップを渡されながら、ピートが頭を下げている。
ピートのあまりの大声に、何事かと店に居た客が全員詰め寄せる騒ぎになったのだ。
常に礼儀正しい振る舞いを心掛けるピートにしては珍しい失態だったが、それも無理からぬ事。
行方不明だった横島と再会でき、感極まったのか、その碧眼にはうっすらと涙が浮かんでいる。

「ほ、ほら、シロ君!
横島さんだよ! 横島さんが戻ってきたんだよ!」

誰よりも彼を見つけようとしていた後輩に、万感の想いを込めて振り返る。
だがその反応はあまりに呆気ない。

「よッ、シロ。仙台土産は無いのか?」

「すまぬでござる、先生。
流石にそんな時間は無かったでござるよ。」

普段と同じ口調で話す後輩に、ピートは思わずどういう事かと二人に視線を送る。
ピートの困惑しきった視線に、シロが目を逸らせながら説明を始める。

「じ、実は、拙者、先生が戻ってきていたのを知っていたのでござる……
言い出す機会が無くて、その……申し訳なく……」

「それにしても、ひでぇ話だぜ。
二人して――いや、神父も含めりゃ三人か――俺達に隠してやがったんだからな。」

「まったくジャー。
一ヶ月間も秘密にするとは、人が悪すぎるノー。」

雪之丞とタイガーが不貞腐れたようにジョッキを呷る。
ピートはと言うと、座敷の隅で体育座りをしながらすっかり鬱モードになっている。
尊敬する師である唐巣神父までもが、自分を仲間外れにしていた事がトドメになったらしい。

「いや、まあ、悪かったと思ってるんだ。本当に。
ただ、こっちも色々とあってな。」

慰めるようにポンとピートの肩に手を置く横島。
涙目でピートが見上げ、すねたように尋ねた。

「そもそも、四年前になんで急にいなくなったんですか。
何も言わずに横島さんがいなくなっちゃって、僕らがどれだけ心配して探したか……」

――――マズイ!
さっそく禁忌に触れるような質問が飛び出し、タマモとシロは目を見合わせる。
だが、二人が何かを喋る前に、意外なところからフォローが入っていた。

「おいおい、ピート。
男がダチに黙って急にいなくなるなんて、よっぽどの事があったに決まってるじゃねえか。」

「それは、そうだけど……」

「そんな細かい事を気にしてどうするよ。
戻ってきたんなら黙って迎え入れるのが、ダチってモンだろうが。」

ピートはじっと横島の目を見て、尋ねた。

「言えないんですね?」

「……悪い。」

目を伏せる横島に、ピートはやれやれと苦笑を浮かべた。
涙目を袖で拭い、右手を差し出す。

「それじゃあ、今日は横島さんの奢りって事で。」

今度は横島が苦笑いを浮かべる番だった。

「ああ、遠慮なく食ってくれ。」

差し出された右手を掴み、堅く握手を交わす。
そんな二人のやり取りを見ながら、呆気に取られたようにシロがタマモに耳打ちする。

「タマモ……もしかして、これだけで水に流れたのでござるか……!?」

「ホント、男って単純で羨ましいわ……昼間もこんな感じでアッサリ和解しちゃったんだから。」


「――――横島、なのか。」

衆人環視の中、向かい合う横島と雪之丞。
側にいた西条が呆れたようにため息をつく。

「なんだ、知らなかったのかい?
かつての友人とさえ連絡を取っていなかったとは、随分と薄情な話だ。」

「西条……てめぇは黙ってろ……!」

噛みつかんばかりの表情で睨む横島の殺気を、西条は軽く受け流す。

「人の目もある事だし、僕からの話は終わりだよ。
後は旧交でも温めれば良いんじゃないかな。」

もっとも、そんなモノが存在すればの話だがね。
最後に捨てゼリフを残し、横島を一瞥すると、西条はその場を立ち去った。

残されたのは横島と雪之丞。
それと、興味津々といった様子で二人を見ている大勢の野次馬――選抜参加者――であった。

「なぁ、横島ってあの『横島』か……?」

「ああ、文珠使いだ……実物は初めて見たぜ……」

「魔装術の伊達雪之丞もいるわ……選抜大本命の二人ね……」

どちらも強力な稀少能力を保持しているが故に、同業者からの知名度は高い。
強力なライバルとなるであろう二人に、皆興味を隠せない。

「ちょっと、いったい何の騒ぎなの? 検査が終わった参加者は解散して。
今日の予定はこれで終了なんだから、早くホテルに帰って欲しいんだけど。」

GS協会の職員に解散するように言われ、野次馬達は渋々とその場を後にしていく。
こんな事で職員に逆らい、選抜が始まる前からマイナスイメージを抱かれては割に合わないと思ったのだろう。

「ほら、アンタ達もさっさと――――」

って、横島と雪之丞じゃない!
なんで!? まさか雪之丞まであの一次試験に受かってたっての!?

喉まで出かかった言葉を無理やり飲み込み、何事も無いかのように振る舞う。
まさか裏から東堂の手が回されていようとはタマモには知る由も無い。
タマモは一次試験のレベルの高さから、雪之丞は弾かれていると思っていたのだ。
今日は協会の仕事で忙殺され、参加者一人一人をチェックする余裕は無かった。
よりにもよって、まさかこのタイミングで二人が顔を合わせるとは想定外にも程がある。

「取り敢えず、これだけは聞かせろ。」

横島と雪之丞の周辺の空気が、明らかに緊迫していた。
近づいただけで、タマモは喉が渇いて張り付く様な息苦しさを覚える。

「なんで、黙って消えた。」

一言一言を食い縛るように吐き出す雪之丞。
殺気めいた怒気が周囲の空間を満たし、タマモは無意識の内に後ずさりをしていた。
その苛烈な怒気を真っ向から叩きつけられながらも、横島は平静な口調で呟いた。

「……すまん。それは言えないんだ。」

その言葉が終わるかどうかという刹那。雪之丞が吼えた。

「歯ァァ食い縛れェェェェッッ!!」

次の瞬間、凄まじい打撃音と共に、横島が壁に叩きつけられた。
拳を振り抜いた体勢で、雪之丞は獣の如く荒い息を吐く。
その凄まじい音に驚き、立ち去りかけていた他の選抜参加者が振り返っていたが、怒気に満ちた雪之丞と目が合うと、足早にその場を後にしていた。
先の衝撃で脳震盪を起こしたのか、横島は立ち上がる事も出来ずに膝をついている。
そこに雪之丞が靴音を響かせ、ゆっくりと近づいていく。

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! まだやる気なら職員として見過ごす事は――――」

「外野は黙ってろッ!!」

柄にも無く、協会の職員のような事を言ってみたが、雪之丞には通用しない。
タマモの言葉を一蹴し、横島を見下ろす。

「……効いたか?」

「ああ……立てそうにねぇ……」

雪之丞の言葉に、横島は力なく頷いた。
口の中を切ったのか、唇の端からは一筋の赤い雫が流れている。
しばらくそのまま互いに向かい合っていたが、不意に雪之丞の口元が緩んだ。

「それじゃ、今のでチャラにしてやるよ。ほら、立てるか?」

先ほどまでの怒気は嘘のように霧散していた。
雪之丞が差し出した手を取り、横島が肩を借りるようにして身体を起こす。

「うわ……膝が笑ってるじゃねーか。お前、本気で殴っただろ。」

「あー? んなもん挨拶みてぇなモンだろうが。シャキッとしろっての。」

何事も無かったかのように笑いあう横島と雪之丞。
そんな二人についていけず、タマモは困惑した顔で横島に駆け寄る。

「ちょ、ちょっと……平気なの、横島?」

「あのなぁ、平気な訳ないだろが……って事で、医務室まで頼、む……」

その言葉を最後に、バランスを崩した横島が倒れこむ。

「おっと、キレイに入ったからなぁ。当然っちゃあ当然か。」

「ちょっと、雪之丞! 呑気な事言ってる場合じゃ!」

「別に死にゃあしねぇよ。お、戻ってきたみたいだな……タイガー!」

タマモの慌てぶりを珍しそうに眺めつつ、廊下の向こうから走ってくる大男に呼びかける。
どうやら巨体が災いして、解散しようとする参加者の波に流されてしまっていたようだ。

「雪之丞、さっきの音は何事――って、何で横島さんが倒れとるんジャー!?」

「ケジメに一発殴っといたんだが、キレイに入りすぎちまった。とりあえず、医務室まで運んでくれや。」

事も無げに答える相棒の姿から全てを理解したのか、タイガーは呆れた顔で横島を担ぎ上げる。

「雪之丞はもう少し加減ってものを覚えるべきじゃノー。」

「アホか。ケジメに手ぇ抜いてどうすんだよ。」

「え、ちょ、ちょっとアンタ達それで良いの!?」

そのまま横島を担いで立ち去ろうとしていた二人に、思わずタマモは声を上げてしまう。
四年間、消息不明だった横島が戻ってきたというのに、あまりに受け入れるのが早すぎる。

「良いも悪いも無いだろうが。戻ってきたんならそれで良いじゃねえか。」

「いや、急にいなくなった理由とか気にならないの!?」

「んなもん、無理強いして吐かせるモンじゃねえだろ。言いたくなったらコイツの方から言うだろ。」

なんでそんなに単純な脳ミソなの?
口にこそしないものの、タマモは全身が脱力していくのを感じていた。


「そ、それだけでござるか?
雪之丞殿らしいと言えば、らしいでござるが……」

話を聞いたシロも、あまりに簡単すぎる和解に開いた口が塞がらないといった様子だ。

「良いように言えば『男の友情』ってヤツなんでしょ。理解できないけど。」

呆れたように呟くタマモだったが、隣で四人が自分達そっちのけで楽しそうに騒ぐ姿を横目に、「けど」と続ける。

「意外と、こうやって自然に接するのが一番だったのかもね。
なんだか知らないけど、子供みたいにはしゃいで楽しそうにしちゃってさぁ……」

頬杖をつきながら、タマモが珍しく柔らかい表情で微笑む。
四人はすっかり昔の調子で笑いあい、今は横島のアメリカ時代の話で盛り上がっているようだ。
なんだか置いてけぼりを食わされた気分で、シロとタマモは目を見合わせて苦笑していた。

「お、なんだ、もうジョッキ空いてるじゃねーか。追加は生で良いか?」

「ああ。それと、ついでになんか食い物も頼もうぜ。ほとんど食べきっちまったよ。」

追加の注文を取ろうと、雪之丞が声を上げようとしたが、ピートが不意に遮った。

「ちょっと待った!」

ピートも何か頼みたいのかと思いきや、まだジョッキは空になっていない。
雪之丞と横島が、急にどうしたのかと首を捻っている。

「どした? 何か変なモノでも入ってたのか?」

「もしかして金欠か? 心配しなくても今日の飲み代はコイツ持ちだぜ?」

すう、と息を吸いピートが目を閉じる。
静かに開かれたそれは、先程までの穏やかなものではなかった。
僅かな緊張感を帯びたそれは、プライベートの眼差しではない。
横島達も、何も言われずとも雰囲気が変わったことを察知し、それぞれ表情を引き締めていた。
まだ若くとも、それぞれプロとして活動している面々である。
この程度の頭の切り替えは造作も無かった。

「これ以上酔いが進む前に、ちょっと皆の意見を聞かせて欲しい事があるんだ。
最近、ニュースや新聞で、魔獣の死骸が大量に流れ着くという事件が報道されてるのは知ってるかな。」

「ピ、ピート殿。部外者に捜査内容を明かすのは職務規定に反するのでは――――」

これからの話の流れを察し、シロが慌てて声を上げる。
だが、雪之丞は何を今更と言わんばかりに、シロの制止を鼻で笑い飛ばす。

「ハッ! ピートが俺達にアドバイスを求めるのなんざ、珍しくもなんともねぇよ。
俺もタイガーも、裏の世界の事情には詳しいからな。正規の手段じゃ手に入らない情報も、俺達なら簡単に集められるんだぜ?」

目を丸くして「そうなのでござるか?」と問いたげなシロに、ピートはあっさりと頷いた。

「“その道の専門家”に話をうかがうなんて捜査の基本だよ。
この場合は、偶然それが自分の知り合いってだけの話だし。
もちろん、ここでの話はオフレコなので他言無用なのは言うまでもないけどね。」

「ま、いつも通りじゃノー。」

雪之丞とタイガーにとっては日常的な取り決め。
タマモも秘密を守れる性格だ。シロは同僚だから最初から何も問題ない。
残るは横島だが――――

「横島さんも、“裏”で仕事をしてたのなら秘密は守れますよね。」

「当然。でなきゃ、とっくの昔に命を落としてるよ。」

肩をすくめ、やれやれと首を振る横島。
裏社会において、秘密を守るという事は長生きをする上で何よりも大事な要因なのだ。
表での裏切り行為は、叱責や告訴という手段で自身にはね返ってくるが、裏社会はそんなに甘くない。
自身の命で償わされるのだ。しかも、“楽に死ねるのならば幸せ”というオマケつきで。

「じゃあ、いつものように……」

そう呟きながら、雪之丞が一旦席を立った。
店の調理場の方で、店長と何やら話をしているらしい。

「とりあえず、これで人払いは問題ねぇ。
次にこっちから声掛けるまで、誰も来させないように頼んどいたぜ。」

店の最奥という条件に加え、人払いも既に済ませた。
仮に誰かがこっそり近づいてきて立ち聞きしようにも、超感覚を持つシロとタマモを出し抜く事は不可能。
そもそも入り口近くに陣取る雪之丞が気付かぬ訳も無い。

準備が整った事を確認し、ピートが口を開いた。

「まだ判断材料もほとんど無い状況だし、皆の感じるままの意見を聞きたいんだ。
それが突破口にならないとしても、捜査の筋道を考える役には立つと思うから。」


よく効いた空調の下、会議用の円形テーブルに座るピートとシロに、縮れた白髪の女性が資料を片手に説明している。
どうやらかなりの高齢らしく、女性の腰は微妙に曲がり、その声も低くしわがれている。
しかしその老いた姿とは裏腹に、その動きには未だ活力がみなぎり、資料を要約した内容をホワイトボードにスラスラと書き込んでいく。
老女なりにピートとシロにもわかるよう気を配って記しているのだろうが、それを見るピートとシロは互いに目を見合わせ苦い表情を浮べていた。
二人の様子から、詳しく説明しても理解できないと悟ったのか、老女はホワイトボードから離れ二人に向き直る。

「ま、つまりだね。結論だけ言っちまえば、霊基構造は全て一致したのさ。
回収した海竜は、その全てが同じ霊基構造の持ち主だったって事だねぇ。」

そんな馬鹿な、と目を見開くシロとは対照的に、ピートは納得したように頷いている。

「僕も何らかの変異の可能性があると考え、霊基構造の解析を依頼したのですが……そんな事が自然に起こりうるものなのでしょうか。」

慎重に言葉を選ぶピート。

「霊基構造がどう形成されていくか。まだまだ未知の分野ではあるけどね、ある程度の仮説はあるんだよ。
人間のDNAと同じように、生まれた時にその個体ごとに設定されている、ってのが主流だね。
親の個体によってある程度は決定されるだろうけど、生殖行為によって繁殖する種族なら同じ霊基構造は二つと無いはずさ。
自然に起こるかって? 私の答えはこうさ、ピート捜査官。『ありえない』ね。」

「しかし、それが実際にこうして起こった訳です。どうすればこんな事が起こると思われますか。」

ピートの問いに、今まで流れるように説明していた老女が初めて口ごもった。

「……仮説や推測なら幾つかあるよ。けどね、アタシの仕事は裏づけの無い憶測を口にして良い立場じゃないんだよ。」

「あくまで参考意見にさせて頂くだけです。」

食い下がるピートに、しかし老女は眉間に皺を寄せて突き放す。

「甘えるんじゃないよ、ブラドー捜査官。アタシの推論を真実にするだけの証拠を集めてくるのがあんた達の仕事だろう。
こんな訳のわからないヤマじゃ、藁にもすがりたい気持ちもわかるけどね、そんなやり方じゃ真実には到底たどりつけやしないよ。」

半世紀近くもの間、一つの仕事を極めてきた者の的確な指摘。
ピートは返す言葉も無く、ただ唇を噛むしかなかった。
それから細々として確認と、これまでに回収した他の魔獣の死骸も同様に霊基構造の解析を行うよう依頼し、二人は席を立つ。

「それでは、また何かわかったら連絡します。
次に来る時は、貴女の言葉を引き出せるだけの証拠を提示してみせますよ。」

「ああ、楽しみにしてるよ、ピート捜査官。
それと、シロ捜査官もしっかり頑張るんだよ。」


「――――という話なんだけど。」

ピートの話に聞き入る皆の目は研ぎ澄まされ、とても酒の席とは思えないものになっていた。
しかしそれも当然だろう、霊基構造が同一の個体が存在するだけでも驚きなのに、それが10体も発見されるなど、とても信じられない話だ。
オカルトに携わる者として興味深くもある一方、それに対してどういう意見を返せば良いか悩みどころでもあった。

「ふと思ったんだけどよ、『実は全部同一の個体だった』って事はねえのか。」

「というと?」

雪之丞の呟きに、ピートが問い返す。

「つまりだな、ヨーロッパ方面に生息してる、ヒドラみたいなモノなんじゃねえのかって事だよ。」

「なるほどノー。首が10本みつかっただけで、その身体は一つだけって事ジャな。」

流石は相棒といったところか。
雪之丞の意見を、タイガーが的確に纏め上げる。

「たしかに、回収された死骸は輪切りにされてて原型を留めてなかったからな……その可能性も有るか。」

ふむふむと頷きながら、ピートが手帳にメモしている。

「単純にドッペルゲンガーやシェイプシフターの類じゃないのかノー。
……とはいえ、姿形はコピーできても霊基構造までは無理かもしらンが。」

「一体、二体ならそれも有り得ると思うけど、10体……しかも場所が深海だからなぁ。
それに他の種族が化けていたのなら、霊基構造を解析する過程で何らかの痕跡が見つかった筈だし……多分、無いな。」

ピートの意見に、タイガー自身それもそうかと頷いている。

「んー、ところでさ。その結果ってホントに正しいの?
まだ世界でも珍しい試験みたいだし、実は結果が間違えてました、なんてオチだったりして。
ああいうのって、試験の過程でサンプルが少し汚染されただけでもおかしな結果が出ちゃいそうでしょ。」

「……流石にそれは無いよ。
あ、いや、有り得るかもしれないけど、今はそれは置いとこう。」

話の根底を覆すような意見に、ピートが苦い表情を浮べる。
これはこれでタマモらしい斬新な発想だが、その可能性には積極的に目をつむるべきだろう。
でないと話が進まない。

「横島さんはどうです?」

思案顔で何やら考えている姿に気付き、ピートが意見を求める。

「なあ、霊基構造って、人間でいうDNAみたいなモノなんだよな。」

「イメージとしては、そう捉えて頂いて構わないですよ。
もちろん、正確には全く違うものですけど。」

珍しく前置きを入れる横島に、皆の視線が集まる。

「単なる直感なんだけど……クローンの可能性はどうだ?」

予想もしなかった言葉に、タマモがやれやれと首を振る。

「横島、ちゃんと話聞いてた? 問題の魔獣は海竜なのよ、犬や猫じゃないの。
それに今の技術じゃ、動物すら満足にクローン培養できないんだから、そんなの有り得ないわよ。」

「先生、流石にその発想には少々無理があるのではないかと……」

タマモの言葉に、シロも遠慮気味だが同意している。
ピートや雪之丞・タイガーも、タマモの意見に頷いている。
だが横島の表情は変わらず、そのまま言葉を続ける。

「たしかに、動物のクローンすら満足に成功してないのは知ってる。
けどさ、多分俺は見てるんだ。魔獣や魔族をクローン培養する技術を。」

真面目な顔で横島は答えている。
それに、実際に目にした、と聞いては話は別だ。
ピートがもっと詳しい話を聞きだそうと身を乗り出す。

「それは何処でですか!? アメリカにいた頃ですか!?」

しかし、横島から返ってきた言葉はあまりに予想外だった。

「いや、日本だ。まだシロやタマモがいなかった頃の、俺と美神さんとおキヌちゃんの三人で仕事をしてた頃の話なんだけど……
依頼で幽霊屋敷みたいな建物に呼び出されたのが始まりだったんだ――――」

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