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「『神々の迷惑な戦い』第五話(GS+聖闘士星矢)」

あらすじキミヒコ (2008-03-15 11:25)
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 『魂の牢獄』からアシュタロスが抜け出したために、神魔のバランス補正を必要とする時代。
 ギリシアの神々が恒例の勢力争いを始めるらしい。今回は黙認せねばならない神族上層部だが、ギリシア神の配下である人間の犠牲は、なんとか減らしたい。
 依頼を受けた美神たちは、初戦を同期合体で軽く片付け、さらに、手っ取り早く問題を解決するためにギリシアへ。しかし、アテナと間違われた美神が、黄金の矢に射抜かれてしまう。美神を助けるために、横島は、十二時間以内に『十二宮』を突破しなければならない!
 ここまで走破する間に、文珠で作ったクロスをムウが本物に改修してくれたり、おキヌが途中合流したり、そんな嬉しいハプニングもあった。また、横島本人は気付いていないが、おキヌが横島への恋心を自覚するというイベントも生じている。
 そして、横島とおキヌは、今、十二番目の宮へ突入しようとしていた……。


    第五話 十二宮編(その四)


 十二宮のラストを飾る『双魚宮』。そこに飛び込んだ二人が目にしたのは、バラを口にした、まつ毛も髪も長いセイントだった。

「うおっ!? きれいなネーチャン!?」
「よ……横島さん!?」

 あぶなく飛びかかろうとした横島だが、おキヌの言葉ではなく、思い出した知識が彼を引き留めた。
 全ての女セイントは仮面をつけている……。
 横島は、そう教わっていた。しかし、目の前のゴールドセイントは、素顔をさらしている。ということは!

「なんだ……オカマかよ……」
「オカマではない!」

 魚星座(ピスケス)のアフロディーテ。
 『その美しさは88の星闘士の中でも随一』『 天と地のはざまに輝きをほこる美の戦士』などと言われているが、それは、あくまでも他称である。バラだって、戦いのためにくわえているだけだ。それなのにオカマやナルシストと勘違いされてしまう、ある意味かわいそうな男だった。

「君たちのような反逆者がここまで上ってくるとは……」
「……待ってくれ!
 俺たちは反逆者なんかじゃねーぞ!?
 悪いのは教皇のほうなんだ……」

 美形嫌いの横島だ。アフロディーテに対して呪いのワラ人形を用意したくなるが、その気持ちを抑えて、説得を試みる。しかし、聞き入れるアフロディーテではなかった。

「『悪いのは教皇』……?
 フッ……何が正義で何が悪なのか、
 それすらわからんヒヨッコどもめ……」

 力こそ正義。それがアフロディーテの信念だ。
 この考え方は、若干デスマスクと似ている部分もあるが、少し違っていた。デスマスクは、正邪の認識が歴史によって変わり得るからこそ『力』を重視する。だが、アフロディーテは、現在を睨んでいた。
 子供や老人などの無力な者では何も出来ないから、力ある者が大地の平和を守らなければならないのだ。教皇は、強大な『力』を持つから、サンクチュアリを治めるべきなのだ。
 そんな実際的な見地から、アフロディーテは、強者に従うのであった。

「そのクロス……ムウが手助けしたな?」

 ふと彼は、横島のボンノウクロスを見て、顔をしかめる。

「まずは、それを壊してやろう!
 ピラニアンローズ!!」

 アフロディーテの言葉と同時に、黒いバラが横島を取り囲む。そして……。

「えっ!? そんな……!!」
「……横島さん!?」

 横島とともに十二宮の戦いをくぐり抜けてきたクロスが、粉々に砕けちってしまった。

「……おまえ……今、何したんだ?」

 横島が焦る。
 ゴールドセイントの強さは、これまでも十分、体感してきた。しかし、彼らの攻撃にも、このボンノウクロスは耐えてきたのだ。
 それが一瞬で粉々になるなんて!
 オカマのような外見にも関わらず、アフロディーテは、かつてない強敵だ。最後の宮を守護する実力は、ダテじゃない!!
 横島は、今、ようやく、それを悟っていた。
 そんな彼に、さらなる攻撃が襲いかかる。

「もはや丸裸の君たちに、
 ピラニアンローズは必要なかろう。
 ロイヤルデモンローズ!!」
「うわっ!?」
「きゃあっ!!」

 今度は、無数の赤いバラだ。
 しかも、横島だけなく、おキヌにも投げつけられていた。

「よ……横島さん……」
「ふざけるな……!!
 お……おキヌちゃんは……普通の……」

 おキヌがその場に倒れ込み、後を追うようにして、横島も膝をついてしまう。

(なんだ……!?
 力が抜けていく……!?
 こりゃあマズイ……!!)

 消えゆく意識の中、横島は、必死に文珠を出した。


___________


「なんのマネだ……?」

 驚きながらも、アフロディーテは、悠然と問いかける。
 目の前では、横島が何とか立ち上がっていた。それも、首から下をアフロディーテと全く同じ姿にして。

「……あんた自身の力を借りる。
 それしか手がないようだからな……」

 横島の切り札、文珠による模倣である。
 『切り札』とはいえ、肉弾戦では今イチ使い勝手が悪い。だが、特殊能力ならば話は別だ。

「そういうことか……」

 横島は、落ちている赤バラを二つ拾いあげ、霊力をこめる。そして、ひとつをおキヌの口にくわえさせ、もう一つは、自らの口に突っ込んだ。
 バラのエキスをチューチュー吸い出しながら、横島は、おキヌを両腕で抱き上げる。そして、アフロディーテに向かって不敵に笑う。

「もう俺にロイヤルデモンローズは通用しないぜ!」

 横島にとっては、セイントも一種の霊能力者だ。だから、この特殊なバラも、何か霊能に関係するのだと感じていた。そして、アフロディーテの頭の中を理解したことで、それが正しかったと知ったのだ。
 アフロディーテの霊能力の一つは、バラの花のエキスを変化させることだった。その化学組成を調節することが出来るのだ。赤いバラに含まれていた毒は、霊能力で調合されたものだったのだ。
 同時に、彼は、解毒剤を作り出すことも出来る。最初にバラをくわえていたのも、その中で作った解毒剤をあらかじめ口にするためだった。
 だから、横島は、急いで『毒』成分を『解毒剤』に変化させたのである。アフロディーテの能力を用いて。

「だけど……」

 横島は、腕の中のおキヌに対して、心配そうな視線を向けた。
 彼女は、完全に意識を失っているせいで、せっかくの解毒バラのエキスも、自力では吸い出せないらしい。

「ごめん、おキヌちゃん……」

 横島は、その場に散らかったバラを少しだけ手でどけて、人ひとり分のスペースを作る。そして、そこにおキヌを横たえた。
 彼女が自分で解毒剤を吸えないのであれば、彼に出来ることは一つしかない。

「寝ている女のコにするべきことじゃないんだけど……
 今は、こうするしかないんだ。
 後で怒ってくれていいからな!!」

 横島は、おキヌの唇に口づけする。

(おキヌちゃんの唇……やわらかいな〜〜!!
 ……って、イカンぞ!
 これはキスじゃない、キスじゃない……)

 自分に言い聞かせながら、横島は、舌をおキヌの唇の間へ送りこんだ。
 そして、強引に彼女の口を開く。

(これもディープキスじゃないぞ。
 おキヌちゃんの口を開くために、
 仕方なかったんや……!!
 俺の舌がおキヌちゃんの舌に触れたのも、
 あくまでもアクシデント!!)

 と思いながら、自分の口内の解毒剤を、おキヌへと流し込んだ。
 そして……。
 おキヌが目を覚ます。バラに取り囲まれ、横島とキスをしたままの状態で。

「え……!?
 横島さん!?」
「……ごめん!!
 これは……その……」

 顔を真っ赤にして、慌てて離れる横島。
 おキヌは、自分の唇に残った感触をかみしめながら、ニッコリ微笑む。

「大丈夫です。
 横島さんが……そんな
 悪さするひとじゃないってわかってますから!!
 でも……今のが私のファーストキスでしたから、
 そのことだけは……忘れないで下さいね?」

 おキヌは、幸せだった。

(私、なんだか、お姫様みたい!
 王子様のキスで目を覚ますなんて……!!)


___________


「美しい……」

 アフロディーテは、思わず、そうつぶやいてしまった。
 彼の言葉を聞いて、横島が、おキヌのもとから立ち上がる。そして、ゆっくりと、アフロディーテへ向き直った。

「あんたの頭の中は分かってる……。
 ……意外と男らしく、芯の通った正義感もってるんだな。
 あんたをオカマとかナルシストとか言う奴が出てきたら、
 ちゃんと俺が否定してやろう」

 横島は、アフロディーテの思考を読む。
 力こそ正義という価値観も、賛同こそ出来ないものの、理解は出来た。

(なんとか言いくるめないとな……)

 今の横島から見ても、アフロディーテは強敵だ。
 最初にくらったピラニアンローズの正体も、すでに把握していた。
 あの黒バラは、アフロディーテ自身が霊力を注いで育てた怪物バラなのだ。
 彼の魔の花壇には、他に白いバラも生えており、そちらは、ブラッディローズと言うらしい。それは、敵の心臓目がけて一瞬で飛来し、血を吸い出すそうだ。防御不能のシロモノである。

(こんなヤツと真っ向勝負できんぞ……!?)

 アフロディーテの凄いところは、そうした特殊なバラを、彼自身の意向に添うように育成していることだった。
 霊能力者が霊力を植物に注ぎこみ、特殊な成長を促すケースは珍しくない。例えば、横島は、唐巣の家庭菜園を見たことがある。
 早く食べられるように、美神が促成栽培を試みたのだが……。結果は散々だった。むしろ、食べるのを遠慮したくなるような怪物野菜になってしまった。
 その一例と比べてしまうから、横島は、アフロディーテを高く評価してしまうのだ。

(美神さんでもできない事を平然とやってのける霊能力者……。
 だが、しかし!
 俺は別にシビれもせんし、あこがれもせん!!)

 アフロディーテを倒すため、その思考のさらに奥を探るうちに……。
 横島は気が付いた。

(……これだ!)


___________


「俺の知りあいに、ピートってヤツがいる……」
「……何を言い出すんだ、君は?」

 横島の言葉に戸惑うアフロディーテだったが、とりあえず耳を傾けることにした。
 そもそも、不思議な能力を使う相手である。こちらの技をコピーしてきたのだ。迂闊に攻撃するのは危険だ。
 さらに、たった今見せつけられた光景に感激する気持ちもあった。おキヌ同様、『王子様のキスでお姫様が目を覚ました』と思ってしまったのだ。それほど絵になる光景だった。なにしろ、二人のバックには、自分がばらまいたバラが散乱していたのだから。

「ピートは誰が見ても美形なんだ。
 でも、あいつ自身は、それを鼻にかけない。
 いいヤツなんだ。
 ……と思っていたら!!」

 横島は、かつてのエピソードを説明し始めた。
 それは、キザな学校妖怪メゾピアノと対したときのこと。

『僕より美しくない奴の命令なんか絶ーっ対きかない!!』

 と言われたピートは、

「僕のどこがおまえに劣ってるとゆーんだああっ!!」

 と口にしてしまったのだ。
 今それをアフロディーテに聞かせた横島は、話を続ける。

「……あんたも同じさ」
「何!?」
「あんた……
 美形とかなんとか言われるのイヤなくせに、
 少しは意識してるだろ……!?
 仕方ないよな、そのツラで、バラ使いで、
 名前が『アフロディーテ』だもんな……」

 痛いところを突かれた。
 確かに、アフロディーテにとって、自分の名前は一種のコンプレックスだった。これは、美の女神アフロディーテに由来するものだからだ。

「……くっ!」
「教えてやるぜ。
 俺たちが助けようとしているのは、アテナじゃない。
 アテナと間違われてしまった女性……俺たちの大切な女性だ」
「……横島さん!?」

 おキヌが小さく叫んだが、男たちの耳には届かない。
 アフロディーテは、話題が変わったと感じ、そちらに意識を向けていた。
 しかし、横島としては、話を逸らしたつもりはない。

「彼女は……誰もが認める美人だ。
 そして、アテナと誤解されるだけの……神々しさもある」

 最後の一言を口するには少し抵抗もあったが、しかし、嘘も方便。
 そう思いながら、横島は、話を続ける。

「彼女の名前は『美神』。
 日本語で『美しい神』という意味だ。
 ……もう、わかっただろ、
 俺たちが誰を信奉しているのか!?」

 ここで横島がニヤリと笑い、アフロディーテがハッとした。

「神々しい女性……!?
 美しい神……!?
 まさか……!!」

 アフロディーテが、ガクリとひざまずいた。

「美の女神アフロディーテ!?
 おまえたちは……
 本物のアフロディーテさまの配下だったのか!!」

 彼は、手も地面につけて、頭も下げる。

「お許し下さい……アフロディーテさま……。
 私は……決して……
 名前を騙っていたわけではありません……」

 横島が歩み寄り、その肩をポンと叩いた。

「……安心しろ。
 美神さんは、そんなこと気にしないさ。
 あのひとは……とても心が広い御方だ」

 あらためて。
 嘘も方便である。
 この状況では、身勝手とかわがままとか、口が裂けても言えなかった。

「それより……。
 通してくれるよな?
 『美の女神』さまを助けるためなんだから」
「……もちろんです」


___________


(えーっ!? 何このバトル……!?)

 驚いたおキヌだったが、そこに、横島が近づいてくる。
 彼が顔を接近させるので、

(えっ、何!?
 ファーストキスのやり直しですか!?)

 と期待してしまったが、そんなわけはない。
 彼は、ただ耳元でささやくだけだった。

「……うまくいったろ?
 美神さんゆずりのハッタリ、
 今回はカンタンだったよ。
 相手の考えを読みながらだからな!」


___________


 そして、二人は『双魚宮』をあとにした。
 教皇の間へと続く道には、本来、デモンローズという猛毒バラが敷き詰められている。しかし、これもアフロディーテがどけてくれた。二人はロイヤルデモンローズの解毒剤を口にしているが、それでも、念のためである。

「まだ……つらそうだね」
「はい、少し……」

 走りながら、横島は、腕の中のおキヌに問いかける。
 ここは、これまでの階段よりも遥かに短い。それでも、横島はおキヌを抱きかかえていた。
 おキヌの具合が悪そうなのだ。
 ロイヤルデモンローズのダメージから完全回復していないのかもしれない。解毒剤が口移しだったから、横島の唾液が混じっていて効果が薄いのかもしれない。

「ごめんなさい……」
「いいさ、これくらい……」

 否。
 おキヌは、横島に甘えていたのだ。
 これくらいならば一人で走れるかもしれないが、ここまで、横島に抱き運ばれることに慣れてしまっていた。しかも、日本に帰ってしまえば、同様のシチュエーションは、もうないだろう。
 これが最後の機会。
 そう思うから、つい……。

「このほうがラクだから……。
 こうしていて、いいですか……?」
「うん……」

 おキヌは、横島の肩に顔をうずめた。頬を少し、彼の体にこすりつけるような感じで。


___________


 ゴクリ。

 横島の喉が鳴る。

(うう……そんな状況じゃないんだが……)

 今の横島は、もうクロスを着ていない。洋服越しに、おキヌの柔らかな体の感触が伝わってくるのだ。

(おキヌちゃんの頬が……
 それに胸も……あたってる……!!)

 横島は、かつて美神をお姫様だっこしたことがある。
 今の事務所の建物を手に入れる際の試練だ。あの時は、美神を抱きかかえるのが気持ち良くて、自分の若さを犠牲にしてしまうくらいだった。

(おキヌちゃん……けっこうボリュームあるんだな)

 当時の美神の胸の感触は、シッカリ覚えている。そして、それと比べても、決しておキヌの胸は負けていないのだ。
 もちろん、二人の大きさそのものは違うはず。だが、自分の体にあたる気持ち良さは、同じなのだった。

(でも……
 おキヌちゃんにセクハラしたら
 俺、完全に悪者だからなあ……。 
 今は偶然こうなってるからいいけど……) 

 日本に帰ってしまえば、同様のシチュエーションは、二度とないだろう。さきほどのキスだって、偶然の賜物なのだ。
 これが最後の機会。
 おキヌが同じことを考えているなんて知らない横島である。最後だと思うから、つい……。

「おキヌちゃんは、そのままでいい。
 だけど、俺、少しだけ持ちかた変えるよ?
 やっぱり、さっきまでのほうが運びやすいから」

 さっきまでの持ちかた。
 それは、おキヌの胸にコッソリ手を伸ばした抱えかただ。服越しに軽く手を添えるだけなら、まだセクハラとは言えないだろう。横島は、そう判断したのだ。
 立ち止まった横島は、おキヌの許可が下りる前に、早くも持ち変えたのだが……。
 少し遅れて、おキヌが返事する。

「……はい。
 どうぞ、横島さんの好きにしてください」


___________


 横島の喉の音は、おキヌにも聞こえていた。彼の反応は、彼女にとっても喜びである。

(ふふふ……横島さんも嬉しいんだ……)

 なにしろ、今のおキヌは、『宝瓶宮』までのおキヌとは違う。
 彼女は『宝瓶宮』で体を冷やされてしまい、その後、血の巡りの悪くなった頭で、横島を誘惑するような冗談を言ってしまった。体で体を暖めて欲しいと口にしてしまったのだ。自分の気持ちをハッキリするためにも、どこまでならば受け入れられるか、確かめたかったからである。
 横島が対応する前に色々と空想してしまったが、その空想の中では、最後の最後まで許していた。それも、自分から積極的に望む形で!
 もちろん、現実ともなれば、そこまでは無理だろう。しかし、そんな空想をしたということで、おキヌは、自分が横島に惚れていると認識したのだった。
 しかも、そうやっておキヌが恋心を自覚した直後、現実の横島は、ジェントルマンとして振る舞った。

「ごめん……。
 純粋に暖めてあげるだけじゃなくて、
 スケベなことしちゃいそうだから。
 でも……そういうわけにはいかないだろ?
 おキヌちゃんは……
 俺にとって……大切な女のコだからさ!」 

 おキヌは、そう言われたのだ。
 今この瞬間も、その言葉を思い返してしまう。

(私……美神さんとは違うんですね。
 美神さんより、私のほうが……!!)

 アフロディーテの前で、横島が美神を『俺たちの大切な女性』と言ったこと。それと比べてしまうのだ。

(美神さんは『俺たちの大切な女性』。
 私は『俺にとって大切な女のコ』!!
 うふふ……)

 横島が、そんなに細かく意識して言葉を使い分ける男かどうか。
 それを指摘する者は、この場に、誰もいない。

(しかも、さっき、横島さんのほうから
 私にキスしてくれたんだから……!!)

 横島がおキヌの唇を楽しんだのは事実だが、もともと、彼は人命救助のつもりだったのだ。しかし、それを指摘する者も、この場には、いない。
 もう、おキヌの頭の中は、バラ色だった。
 だから、横島の手がどこを触ろうが、気にならない。むしろ嬉しかったから、

「……はい。
 どうぞ、横島さんの好きにしてください」

 と言えるのだった。


___________


横島さんの好きにしてください……!?
 好きにしてください……好きにして……好きに……)

 おキヌの言葉が、横島の頭の中にリフレインする。

(うおーっ!! もうダメだーッ!!)

 その場に立ちすくむ横島は、おキヌを両腕で抱きかかえたまま、手だけを器用に動かし始めた。
 片手で彼女のチチを揉みしだき、もう片方でフトモモを撫で回す。
 さらに、彼女のシリが自分の体の一部にあたるよう、抱きかたを調節する。

(これはセクハラじゃないぞッ!!
 おキヌちゃんが、好きにしてって頼むから……
 頼まれたとおり、好きにしてるだけなんやーッ!!
 それに……これでも……まだ遠慮してるんやーッ!!)


___________


(あっ!! 横島さん……!?
 やっぱりキスの次は……Aの次はBなんですね!?)

 と思ってしまうおキヌ。彼女が読んだ女性週刊誌には、かなり古いものも混じっていたのかもしれない。

(きゃーっ!!
 さっきは、あんな空想しちゃったけど……
 でもイザとなると、まだ……
 まだCは早いですぅ……!!)

 横島は、ただ衣越しに楽しんでいるだけだ。しかし、この程度でも、おキヌには初めての経験である。ついつい思考は先走ってしまう。
 そして、イヤンイヤンと首を振るのだ。横島の肩に顔をこすりつけたままで。


___________


(おキヌちゃん……!?
 何……この反応!?)

 彼女の動きは、横島を刺激し、そして、誤解させた。

(……感じてるの?)

 ゴクリ。

 再び、男の喉が鳴る。

(ええい、今だけだ!
 きっと……おキヌちゃんも
 『鬼の居ぬ間の洗濯』って言ってくれるよな?
 今だけは、俺……何してもいいんだよな?)

 横島の手の動きが、少し激しくなった。

(何をしてもいいなら……
 もしかして服の中に手を突っ込んで……
 直接触るのも……アリ!?
 触るだけなら……OK!?)

 とまで思ったのだが……。


___________


 二人は忘れていた。
 横島の言う『鬼』の霊感が鋭いことを。
 無意識のはずの『鬼』は、何かを察知して……。
 その手が動く。
 胸にささった黄金の矢を……抜けないはずの黄金の矢を自ら引き抜き!
 ゆっくりと立ち上がり、そして、走り出す。
 まだ、意識も取り戻していないのに。


___________


 その瞬間、二人の背中を、悪寒が走り抜けた。

(これって……)
(まさか……!?)

 横島の手が、ピタッと止まる。危ないタイミングだった。ちょうど、おキヌの服を、はだけようとしていたのだ。
 おキヌも、埋めていた顔を上げた。

「よ……横島さん!?
 早く……先へ進まないと……!!」
「そっ、そうだよな……
 美神さんに怒られちゃうもんな!!」
「私……そろそろ自分の足で歩けますから……」
「そう……? じゃあ、せめて……」

 横島と同じスピードで走るのは、おキヌには辛い。
 それが分かっている二人だから……。
 横島がおキヌを、少し引っ張っていくような形で。
 二人は、手をつないで走り出す。

(あぶなかった……。
 あれ以上暴走したら、俺、ホンマに悪者や……。
 ごめん、おキヌちゃん!!
 もう二度としないから、許してくれ……!!)
(ああ、ドキドキした……。
 『胸を揉まれる』って、あんな感触なんだ……。
 想像してたのと全然違うじゃないですか!!
 ……やっぱり私には早すぎます。
 今は……この程度が、ちょうどいいです)

 おキヌは、つないでいる手を、強く意識するのだった。


___________


 そして、何事もなかったかのような顔をして、二人は、教皇の間に突入した。

「おまえが教皇か……!?」

 彼らの前に立つのは、やわらかい表情の青年だった。
 横島は、ムウの言葉を思い出す。
 今の教皇はニセモノ。別人が本物を殺して、教皇を演じているにすぎない。しかし、その偽教皇の心の中には、善と悪の二つの人格が存在している。
 それが、ムウの推理だった。

「あんたは……どう見ても『善』の教皇だよな!?」

 横島の問いかけに、教皇が首を縦に振る。

「ヨコシマ……さすがだな……。
 十二宮を突破してきた真のセイントだけあって、
 全てを知っているのか……」
「俺はセイントじゃないんだが……。
 そんなこと、どうでもいいから!!
 早く下まで降りていって、美神さんを助けてくれ!!
 あんたなら、黄金の矢を抜けるんだろ!?」

 教皇は、今度は首を横に振った。

「残念ながら、それは私でも無理だ……。
 しかし、方法はある!!」

 彼は、説明し始める。
 この『教皇の間』の奥にあるアテナ神殿。そこに飾られたアテナ神像は、左手に楯を持っている。それは、すべての邪悪を消し去ると噂される、特殊な盾だ。
 胸に黄金の矢を受けた女性がいるというなら、その盾を彼女の方向に向ければ、盾から放射される光が黄金の矢を消滅させるだろう。

「そ、そうか……。
 それじゃ、さっそく……。
 ……何!?」
「横島さん!? この霊波は!?」

 横島もおキヌも、突然、邪悪な霊波を感じた。
 それは、目の前の柔和な青年から発せられている。

『クックック……。
 せっかく問題のボウズがここまで来たから、
 自ら始末してやろうと思ったんだが……。
 また体のコントロールが甘くなったな……』

 教皇の髪の色が黒く変わっていく。
 その目の色まで邪悪に染まり……。

『冥土の土産に教えてやるぜ!
 俺は、本当は「教皇」なんかじゃねえ!!
 それどころか、人間でもない……!!』

 その正体は、双子座(ジェミニ)のサガが子供の頃に植えつけられた、悪魔の種。そして、サガの体の中で、彼のコスモ……霊力を養分として一気に成長した魔物。
 チューブラー・ベルである。
 成長したチューブラー・ベルは、サガの体を突き破って独り立ちすることもできた。しかし、サガというのは、特殊な能力をもつ霊能力者だ。チューブラー・ベルは、居心地がよいからサガの中に留まり、サガのコスモも残してやった上で、『サガ』として振る舞ってきた。そして、『サガ』のまま教皇を暗殺、『教皇を演じるサガ』となった。

『便利だったぜ、こいつは……!!』

 サガは、遠くから幻惑を見せることができるほど、強い精神感応能力をもつ。チューブラー・ベルは、それを上手く応用していた。『本来のサガ』は、体の支配を一時的に取り戻すこともあったのだが、その際も、『チューブラー・ベルに憑依されていることを他人に伝えることはできない』というカセを精神に課せられていた。
 だから、そうした『本来のサガ』が表に現れることは、チューブラー・ベルにとっても時々はプラスとなった。シャカを騙せたのも、『本来のサガ』のおかげである。二重人格ではなく、『人間』としては『本来のサガ』だけなのだから、シャカも騙されてしまったのだ。まさかサガの中に、別人格ではなく悪魔そのものが存在しているとは、さすがのシャカでも見抜けなかったらしい。

『このまま「教皇」として……
 人間界を支配してやるぜ!!』

 本物のアテナを殺し、全セイントを掌握する。セイントは、人間とはいえ、神族直属の配下なのだ。それだけの戦力があれば、かなう者などいないはず!
 チューブラー・ベルは、そうしたウラ事情を全て説明するのだった。 

『ケッケッケ……!!』

 朗々と悪役語りをするチューブラー・ベル。
 しかし、こうした『悪役語り』には御約束がある。

『バカもの!!
 おまえの声は……
 このサンクチュアリ一帯に響き渡っているぞ!!』

 その御約束を指摘しながら現れたのは、二人の魔族。
 ワルキューレとジークフリードだった。


___________


「おまえら……!?」
「ええっ!? どうして……!?」

 魔族姉弟と面識のある横島とおキヌが、驚いている。

『あれ……?
 お知り合い……ですか?』

 チューブラー・ベルの言葉遣いも、丁寧になった。
 一方、ワルキューレとジークフリードも怪訝な顔をしている。

『何やってるんだ、こんなところで!?』
『お二人仲良く手をつないで……
 教会か何かと間違えて、ここまで来たんですか?』

 ジークフリードに指摘され、二人が手を放す。横島は慌てて、おキヌは名残惜しそうに。

「バ……バカッ!!
 そんなんじゃねえッ!!
 美神さんの胸の……
 矢を抜くために来たんだ!!」
「……そうです!!
 美神さんが大変なんです!
 早く何とかしないと……!!」

 二人が事情を説明し始めるが、ワルキューレが首を傾げる。彼女は、二人の後ろを指さした。

『美神令子なら……そこで元気にしてるじゃないか?』

 そう言われて、横島とおキヌが、ゆっくり振り向くと……。
 鬼女オーラ全開の美神が、そこに立っていた。


___________


 美神は、口元に笑顔を浮かべているが、いまだ無意識である。
 だから、目も口も閉ざされていた。
 その状態で、拳に霊力をこめたまま、横島に向かってくるのだ!

『あの霊力をこめたパンチは……!!
 ベルゼブルをも一撃で倒した、あの……!?』
『姉上は、その現場は目撃していないはずでは……?』

 という姉弟の会話も、横島の耳には届かない。

「ひえーッ!?
 助けてーッ!!」
「きゃーッ!?
 なんで私まで……!?」

 泣きわめきながら逃げ惑う彼は、いつのまにか、おキヌの手を再び握っていた。

(横島さん……
 やっぱり私と一緒がいいんですね!?
 こんな状況でも……)

 ポッと顔を赤らめるおキヌ。
 だが、もし彼女が、横島の

(うわーっ、どうしよう?
 『溺れる者はワラをもつかむ』だな、こりゃ……。
 手近にあったから、つい、つかんじゃったよ……。
 しかもおキヌちゃん、放してくれないし……)

 という真意を知ったら……。もしかしたら、彼女も鬼女側に回っていたかもしれない。
 一方、ポツンと放置された偽教皇は、

『おーい……。
 俺、自分ではラスボスだと思ってたんだけど……』

 ちょっと寂しそうだ。
 しかし、黙って見ているわけにもいかなかった。
 横島が器用におキヌごと体をかわすたびに、美神の拳は、壁に床に誤爆するのだ。
 このままでは、教皇の間がボロボロになってしまう!

『ええーいっ!!
 俺が何とかするしかない!!
 ここへ来て俺の体を覆え! わがクロスよ!!』

 法衣を脱ぎ捨てた彼のもとに、ジェミニのゴールドクロスが飛んでくる。
 そして、それが体を包む!

『お……俺の見せ場のはずなのに……
 誰も見ちゃいねえ……』

 肩を落とす偽教皇。
 外見はサガでも、中身は、しょせんチューブラー・ベルなのであった。


___________


「横島さん!! ……あれを!!」
「そうか……!!」

 美神から逃げまわるうちに、おキヌと横島は、アテナ神殿の領域に入り込んでいた。
 二人の目の前には、アテナ神像がある。

「すべての邪悪を消し去るんだよな……」

 横島は、おキヌの手を放し、そこに飾られた巨大な盾を取り外す。
 どうやら、これも神族の武器の一種らしい。横島の霊力に反応して、彼が扱える大きさに変化した。

「横島さん……!! 来ましたっ!」

 おキヌが言うとおり、美神が迫ってきていた。
 横島は、アテナの盾を、彼女へと向ける。

「美神さん!!
 これで正気を……意識を取り戻してくれーッ!!」

 その瞬間、盾から発せられた光が、美神を包み込んだ。
 聖なる光が、彼女の鬼女オーラを吹き飛ばしていく!
 そして……美神が目を開いた。

「あれ……!?
 ここは……どこ!?」
「美神さん……!!
 復活したんですね……!!」

 おキヌが、美神の胸に飛び込んでいく。
 一方、横島は、盾を手にしたままだったが、これが幸いした。

「横島さんが……
 あの正義の盾で、黄金の矢を消滅させてくれたんです!」

 おキヌも美神除霊事務所の一員である。少しはハッタリが使えても、おかしくはなかった。しかし、

「でも……なんで、ここにいるの?
 私……どっか広いところで倒れたんじゃない……!?」

 おキヌだけでは、まだ不十分。慌てて、横島がフォローする。

「あの『黄金の矢』が、
 美神さんの体をコントロールしてたんスよ!
 あれは……そのためのアイテムだったんです!!
 もう少しで……
 敵のボスの慰み者にされるところだったんスから!!」

 調子に乗って言い過ぎた横島だったが、ちょうどタイミング良く、そこに偽教皇が入ってきた。

「あんたが……私を慰み者になんて……
 そんな大それたこと考えたボスなのね!?」

 さきほどまでとは違う、しかし同様に恐いオーラを出している美神。
 その迫力にビビる偽教皇に、横島が、アテナの盾を向ける。

(チューブラー・ベル……!!
 うかつなこと言う前に、これでサッサと成仏してくれ!!)

 彼の狙いは口封じだった。
 一方、チューブラー・ベルとしても、この光にさらされるのは苦しい。
 とっさに、サガの体の中から飛び出してしまった。すでに実体化するだけの霊力は奪っているのだ。

『正体がバレた以上、ここにいても意味がねえ……!!
 もうオサラバだ……!! あばよッ!!』

 逃げ出そうとする彼だったが、その足をサガがつかんだ。
 チューブラー・ベルが抜け出す際、普通ならば宿主は死んでしまう。しかし、チューブラー・ベルの脱出が急だったせいか、あるいは、サガが尋常ではないせいか、ともかくサガは生き延びたのだ。

「今まで……よくも……」

 そして、サガだけではなかった。
 さきほどのチューブラー・ベルの『悪役語り』を耳にしたゴールドセイントたちも、今、アテナ神殿に駆けつけてきた!

『え……!? おい……!? まさか……!?』

 どうやら、任務で出かけていた二人も、サンクチュアリへ帰投したところだったらしい。
 その場に、十名のゴールドセイントがズラリと並んだ。
 彼らの中に、力ある邪悪な教皇に従う者はいても、チンピラ魔族に従う者など、誰もいない。
 そして、こんな魔物相手では、一対一の戦いにこだわる必要もなかった。

「スターダストレボリューション!!」
「グレートホーン!!」
「ギャラクシアンエクスプロージョン!!」
「積尸気冥界波!!」
「ライトニングプラズマ!!」
「天魔降伏!!」
「スカーレットニードル!!」
「エクスカリバー!!」
「オーロラエクスキューション!!」
「ピラニアンローズ!!」

 これだけの攻撃を一斉にくらい、チューブラー・ベルは、断末魔の悲鳴すら残さず消え去ったのだった。


___________


(これで……終わりだ……)

 チューブラー・ベルの消滅を見届けたサガは、これまでの所行を振り返る。
 いかに操られていたとはいえ、許されることではなかった。
 自決のため、拳で胸を貫こうとした瞬間!

「ダメだ……」

 横島が、その腕をガシッとつかんで制止した。

「説教する横島は横島じゃないって言われそうだが……。
 これだけは言わせてくれ。
 ……あんた、大切な誰かを失ったことがあるか?」

 彼は、悲しい目をサガに向ける。

「もし、あれば……想像できるはずだ。
 誰かが死んだら……残された者がどんな気持ちになるのか」

 サガには、死別した恋人も妻もいない。
 しかし、サガ自身の行動がキッカケとなって、そのまま行方不明になった弟がいた。
 彼は、その弟のことを思う。そして……。

「ヨコシマ……。おまえの言うとおりだ……」

 サガは、力が抜けたように、座り込んだ。


___________


「はーい、愁嘆場はそこまでッ!!」

 横島が誰のことを想定していたか、美神にはハッキリ分かっている。
 だから、雰囲気を変えるためにも、敢えて明るい口調で、話をまとめ始めた。

「もうバカなことするんじゃないわよ!?
 とりあえず、アテナが来るまでは現状維持!!
 ……いいわね!?」

 ゴールドセイントたちに異存はない。

「アテナとは私が話をつけます。
 おって沙汰があるでしょうから、
 それまで、各自の宮で待機!!」

 と指示を出す美神は、心の中で金勘定をする。

(こいつら、クロスは金ぴかだけど、
 カネ持ってなさそうね……。
 まあ、いいわ!!
 アテナから……グラード財団から、
 ゴッソリ慰謝料もらいましょう……!!)


___________


『姉上……任務失敗ですね』
『仕方なかろう。あいつらには借りもあるからな』

 サンクチュアリ上空を飛ぶ、魔族の姉弟。
 姉のほうは、横島のことを考えていた。

(誤解されたかもしれんな……)

 二人が偽教皇警護の任務に就いたのは、ごく最近である。魔族上層部とて、今回の陰謀やこの後の神々の争いを、昔々から推測していたわけではない。
 アシュタロスの事件による神魔のバランス崩壊も、あらかじめ分かっていたわけではないのだ。
 しかし、もし横島が、『魔族上層部はアシュタロス事件を予期していた』と誤解したら、怒り狂うかもしれない。彼は、あの戦いの中で、大切な人を失っているのだ。
 それも……。彼女の復活の可能性を、みずから握りつぶすという形で。

『今回の任務の目的は……』
『わかっている』

 再び弟が話しかけてきたので、彼女は、思考を切り替える。
 今回の任務の裏側にあったもの。それは、セイント同士の内乱を加速させることだった。
 魔の衝動にしたがって動乱を好んだという部分も無いとは言えない。しかし、メインは、争いを通じてセイントを鍛え上げることだった。たとえ死者が出たとしても、これで、アテナの戦力は精鋭ぞろいになるはずだったのだ。
 そうでもなければ、アテナは、来るべきポセイドンやハーデスとの戦いに勝ち抜けない。それが、魔族上層部がシミュレーションした結果だった。そして、魔族上層部としては、ポセイドンやハーデスが勝つのは望ましくないのである。
 彼らは、それなりの大物神族のくせに、人間界を支配しようなどと考える輩だ。神族上層部にとっても魔族上層部にとっても、つきあいにくい相手だった。それぞれの居城に引っ込んでいてもらえるなら、それが一番良いのだ。

『ですが……これではアテナの戦力は……』

 弟は今後が気になるようだが、姉は、特に何も心配していなかった。
 彼女は、美神や横島がいるであろう辺りに目を向けて、軽くつぶやいた。

『そのぶん、あいつらに戦ってもらおう。
 あいつらならうまくやるさ……!』


(第六話に続く)


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 こんにちは。
 この第五話だけ読むと、『聖闘士星矢』の世界の中で横島が戦っているように見えるかもしれませんが、これは『GS美神』の世界です(詳しくは、第一話を御参照ください)。
 さて、おキヌちゃん……。ポセインドン編から本格参加させるつもりだったのに、いつのまにかヒロインになってしまったような感じです(笑)。しかし、これでも、構想しているポセイドン編とは矛盾しない程度に留めました。
 解毒剤の口移しも、お姫様だっこも、最初は「サ○デー程度」のつもりだったのですが、「こーなったらもーおキヌちゃんヒロインでいこう」と思って書いているうちに、『お姫様だっこ』パートが加速。もう「チャ○ピオン程度」ということで、一応、『15禁』マークをつけることに決定。そして、そう決めたら、さらに暴走してしまいました(笑)。
 すいません。美神ファンの皆様には御不満な展開かもしれません。美神本人がいない間に少しヨゴレ扱いもありましたし、その上、(無意識状態とはいえ)壊れキャラにしてしまいました。しかし、むしろオイシイと思っていただけることを願っています。
 黄金の矢の抜きかたなど、当初の構想とは大きく違うものになりましたが、それでも、ラストだけは前々から考えていたように終わらせました。やはり原作にあるセリフでしめくくりたかったので。
 これで十二宮編は終了、次回からポセイドン編です。次回もよろしくお願いします。
 

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