――逆行後の横島忠夫は、時空消滅内服液を飲んでいない――
「……そんな単純な手に引っ掛かったんですか」
「どうせ馬鹿だよ……」
呆れ顔で言うおキヌの冷めた視線に、横島が憮然とした様子で返す。
二人は今、どこかで見た、しかし馴染みの無いアパートの前にいた。普段着の横島に対し、おキヌはヒヨコの絵柄の入ったエプロンを着ている。
おキヌは今まさに、横島が先日夏子にキスされたことを問い詰めている真っ最中であった。その中で夏子の使った手段を知るに至り、冒頭の台詞が出てきたところである。
「「…………」」
そして二人、気まずそうに見詰め合う。
――やがて――
「……目をつぶって」
「え……」
つぶやくように言ったおキヌの声は、だがしっかりと横島の耳に届いた。横島は少し戸惑った後、素直に目を閉じる。
そして、そんな横島におキヌは一歩距離を詰め、そっとその頬に手を添えて――
――むにゅ。
思いっきりその両の頬を真横に引っ張った。
不意を突かれた横島は、その間抜け面をおキヌに晒す。
「キスすると思ったんでしょ?」
「だ、だって……」
「後ろを向いて」
居心地悪そうに言う横島をおキヌは無視し、くるりと後ろを向いてそう要求した。
「は?」
「いいから、私と背中合わせに」
「は、はぁ……」
有無を言わさないその態度に、横島が戸惑いながらおキヌと背中合わせになる。
「そしたら……目をつぶって」
「…………」
その要求に、横島は素直に従った。
おキヌはそっと、歩くたびにカランコロンと音を立てるサンダルを脱ぎ、足音を立てないよう気を付けて横島の前に移動する。
そして少しだけ、目を閉じる横島の顔を観察し――
――そっと、その唇に自分の唇を重ねた。
その唇の感触に横島が驚いて目を開けた。おキヌはすぐに唇を離す。
唇が触れ合っていた時間は、一秒あるかどうかといった程度だ。
「……ほんと、すぐ騙されてしまうんですね」
くすりと微笑するおキヌを前に、横島はただただ硬直していた。
――チュン、チュン。
チュン、チチチ――
「……………………」
雀のさえずりが、窓の外から聞こえてくる。
おキヌはベッドから上体を起こし、寝起き特有のボサボサの髪のまま、真っ赤な顔で硬直していた。
――確認するまでもない。今までのは、完全に夢であった。
そもそもおキヌは、あんな柄のエプロンは所有してないし、あのアパートも知ってる場所には存在していない。ましてやその管理人だなどと、何を言わんや、だ。
「なんて……夢」
ぽつりとこぼし、布団に顔をうずめる。
夢の内容が恥ずかしく、夢とはいえ横島と唇を重ねられたことが嬉しく、夢で終わったことが残念で。
――顔が、火照る。
だが、いつまでもこうしてはいられないので、顔を上げてベッドから出ようとする。
が、ふと周囲を見てみれば、そこは先日まで華と共に寝泊りしていた白龍会の寄宿舎ではなく、洋装の広い部屋であった。
「……そっか。私、昨日からここに移ってたんだっけ」
手荷物の荷解きもしていないし、家具もベッド以外にない。
だがこの部屋は、逆行前に使っていたかつての自室――人工幽霊壱号の管理する美神除霊事務所の一室だった。
そして、先日の出来事を思い出す。短い時間で色々なことが起きた、激動の日を。
と――彼女は頬をほんのりと赤く染め、自身の唇を指で撫でる。
「私……キス、しちゃったんだ……横島さんと……」
試合中での事故だったが、あの時の感触は、しっかりとこの唇に残っている。
おキヌは嬉しそうに……そして少しだけ恥ずかしそうに、くすっとほほ笑んだ。
『二人三脚でやり直そう』
〜第六十一話 ザ・ライト・スタッフ!【その1】〜
――先日GS試験に、魔族メドーサとそれに従う人間が潜り込んでいた。
彼女らが暴れたことにより、試験会場は人的・物的共に、甚大な被害を受けた。現場に居合わせたGSたちの活躍によって死者を出す惨事には至らなかったものの、観客も含めて多数の負傷者を出したこの事件は、さすがに無視できることではなかった。
当然、試験を主催しているGS協会は、即座に協議を行った。
その結果――試験結果は無効にしないことが決定された。
また、メドーサの傘下にいた白龍会のメンバーで、最後までメドーサに付き従っていた鎌田勘九郎以外の三人――氷室キヌ、伊達雪之丞、陰念は、それぞれの事情が認められて資格剥奪処分を免れていた。
そして、彼らの研修は、本来ならば所属していた白龍GSがやることになるのだが……その責任者がメドーサによって石化させられ、それもままならない状態であった。そのため、三人はそれぞれ別のGSが引き取り、研修を任されることになった。
なお、華に至っては、現在は入院中である。後遺症の心配も特に無く、退院までそう長い時間はかからないとのことだ。
そして白龍会のうちの一人氷室キヌは、元々が美神令子除霊事務所の所属であったことから、当然のように美神が引き取ることが決まった。彼女は即日、白龍会から荷物をまとめ、美神令子除霊事務所への簡単な引越し作業を行った。
元々住んでいた六道女学院の学生寮に戻っても良かったはずなのだが、これはおキヌ自身の希望でもあった。
彼女にとって、人工幽霊壱号の管理する事務所は特別な思い入れのある建物なのだから、当然と言えば当然なのだが――事情を知らない美神たちは、しきりに首を傾げていたものである。
そしておキヌが戻ってきたことで、魔理と愛子は事務所のバイトを辞めることとなった。
そもそも『おキヌがいない間の繋ぎ』として契約していたものである。魔理は自身の霊能力が戻ってないことを気にしたのか、残留を希望しないで去ることとなった。愛子は美神が(おもに荷物持ちとして)引き止めていたが、本人の意思によって結局辞めることとなった。本人曰く、「学生のバイトは青春だけど、命懸けの仕事は青春じゃないわ!」とのことである。
そして――美神令子除霊事務所は、おキヌをメンバーに戻し、一応は元の姿を取り戻した。
「…………」
美神は事務所の床で座禅を組み、静かに目を閉じて瞑想していた。
無論のこと、霊能力を取り戻すためである。
理論上、人間が生命活動を行っていく以上は霊力はなくてはならないものである。心臓を動かし、その他各種内臓を動かし、脳で物事を考えて体を動かす。それを行うためのエネルギーこそが、魂の力――霊力だ。
そして美神は、霊能力を失ったとはいえ、生命活動までは失われていない。それは取りも直さず、霊力が体を巡っているということに他ならない。
その霊力の流れを自覚して掴むことができれば、霊能力復活への足がかりになる。それどころか、それが出来るのであれば、今まで無意識に垂れ流していた膨大な霊力を、もっと緻密にコントロールすることが可能になるだろう。
美神はそう考え、瞑想によって自分の体の内部へと意識を向けているのだ。
――が。
「ふーん……ほー……」
そんな声と共に、ぱらりぱらりとページをめくる音が、美神の耳に入る。
本人は邪魔にならぬよう声を抑えているつもりだろうが――他に音がないため、嫌に響いてくる。美神は瞑想で意識を集中させているのだから、尚更だった。自然、気が散ってしまう。
声の主は……言わずと知れた横島である。
そんな彼の存在を同じ部屋の中に感じている美神は、先日のことを脳裏に思い浮かべる。試合の中でおキヌと、そして全てが終わった後に夏子とした、それぞれのキス。
(……別に、横島クンが誰とくっつこうが、私に関係ないじゃない……)
そうは思うが、なぜか胸がモヤモヤする。
そもそも死津喪比女とかいう地霊に囚われていたおキヌを救い、生き返らせたのは、他ならない横島である。二人の間に余人の立ち入れない絆があるのは最初からわかっていたことだし、事実おキヌは横島への想いを募らせている。本人が口にしたわけではないが、あの態度を見れば誰だってわかるというものだ。
そして夏子も、横島の幼馴染であるという。美神の知らない時代の横島を知っている彼女が横島と親しくすることに、どこもおかしいところはない。
――要するに。
横島がそのどちらを恋人としても、なんらおかしいところはないということだ。美神が文句を言う筋合いもないし、そうする理由もない。
だが――
「……ほへー……」
断続的に聞こえてくる、ぱらりとページをめくる音。そして時折聞こえてくる横島の間抜けな声が、どうしようもなく美神を苛立たせる。
美神はその苛立ちを、瞑想の邪魔になっているからだと結論付けた。そしてぱちりと目を開き、座禅をやめて立ち上がる。横島はそれに気付き、読んでいた雑誌から美神の方に視線を向けた。
「あれ? 美神さん、もういいんスか?」
「……邪魔」
問いかける横島に、美神はぽつりとこぼした。
「へ?」
間抜け面を晒して耳を傾けてくる横島。
美神はそんな彼に向かい、ぱきぽきと指を鳴らし――
「邪魔だから出てけええーっ!」
「ぼげらっ!?」
横島を部屋から、文字通りに叩き出した。
そして扉を閉じ、パンパンと手をはたいて「これでよしっ」とつぶやくと、再び床に座禅を組んで瞑想を始める。
だが――数十分後。
(……埒が明かないのよね)
依然として何も掴めない状況が続き、美神は胸中でそうこぼした。
実のところ、美神はこの方法に疑問を持ち始めていた。
これはGS試験以前にもやっていたことであった。だが結果は現状が如実に語っている。それで簡単に霊能力を取り戻せるなら、そもそもGS試験に間に合ってるはずだった。
そんな美神は別アプローチとして、カタストロフ−Aにも手を出してみた。GS試験での自衛手段の確保という意味もあったが、あれを手にした本来の目的はそれである。
だが、人為的な超能力覚醒によって、霊能力復活への何かしらの感覚が掴めるかもしれないという美神の期待は、残念ながら外れることとなった。
そして、当初のやり方に戻ったわけだが――やはり、何の変化も感じられない。
(発想自体は間違ってないはずなんだけど……やっぱり、何かが違うのかしら……)
こうなったら、オカルト関係の書物を漁るなり、唐巣や六道夫人といった先達を頼るべきだろうかと考える。
しかし、そういった地道な作業は自分には似合わないし、そんな悠長にしていられる暇もない。自分の後進たち――横島やおキヌは、それぞれがそれぞれの形で着実に力をつけており、まごまごしているうちにいつ追い抜かれるとも知れないのだ。
そもそも、仕事第一の美神が、長い休業状態に耐えられるはずもない。
「……よし、決めた」
そう言って瞑想を中止し、立ち上がる。
そして扉の方に向かって行き、部屋から出て廊下に視線を巡らせる。すると、少し離れたところで横島とおキヌが談笑しているのが見えた。
ピキ、と額に井桁が浮かぶのが自分でもわかる。
だが、二人が会話するのは別段珍しいことでもないので、怒鳴りたくなる気持ちをぐっとこらえる。そもそも、美神にしてもおキヌは妹みたいに思っているのだ。その笑顔を邪魔するようなことはしたくない。
美神は極力足音を荒立てないよう歩き、二人の傍まで寄る。すると二人も、美神の存在に気付いて彼女の方に振り向いた。
「あ、美神さん。もういいんですか?」
「……ぜんぜんよ。このままじゃいつ霊能力取り戻せるかわかりゃしないわ……」
「そんな……」
美神の言葉に、おキヌは心配そうに瞳を揺らす。
そんな彼女の様子に、美神は「やっぱりこの子は優しい子ね」と思いながら――
「それで――決めたのよ。私、妙神山に行くわ」
「え?」
「ちまちまやってられないのよ。いいかげん、休業状態を続けておくわけにもいかないしね。たぶん、あそこならかなりの荒療治になるとは思うけど……ま、どうにかなるでしょ」
「それじゃ、俺たちも付いて行くんっスね?」
「いえ、あんたらは残ってちょうだい。私一人で行くわ」
横島の確認の言葉に、しかし美神は首を横に振った。
「あんたらももうGS見習いなんだから、いい機会だし私の留守中は自分で仕事取って、研修やっときなさい。横島クンだって、除霊に何度も参加してんだし、自分の手に負える依頼とそうでない依頼は区別できるでしょ? 研修には監督するGSが必要だけど、その辺は唐巣先生あたりにオブザーバー頼めばいいことだし」
「え? でもそれじゃ――」
「――ただし」
反論しかけた横島を遮り、美神はその眼前に人差し指を突き付け、ドスの効いた声を出した。
「赤字出したら命で償ってもらうからねっ!?」
「は……はひ。いってらっしゃいませ……」
とゆーわけで、なし崩し的に美神の単独妙神山行きが決まった。
「――はぁ」
荷物を整え、美神は息を吐く。そして荷物を担ぎ上げ、事務所のとある一室に向かう。
「……ブラドー、いる?」
その部屋の前で声をかけると、ガチャリとドアが開き、中からブラドーが顔を出した。
「美神か。何用だ?」
「これから数日間出かけるけど、その間に頼みたいことがあってね」
「ほう。美神が頼みごととは、珍しいな」
「なんなら命令にしてもいいんだけど?」
「断る気もないから、どちらでも良いぞ」
凄みを利かせる美神に、しかしブラドーは平然としている。霊能力がない自分が下に見られている気がしていい気分ではなかったが、美神はそれを表情に出さずに続ける。
「別に大したことじゃないわ。私がいない間、横島クンとおキヌちゃんが怪しい雰囲気になったら、それとなく邪魔して欲しいのよ」
その要請に、ブラドーは「ふむ」としばし考え込み――
「…………やきもちか?」
「ンなわけあるかああーっ!」
「げぶっ!」
そのツッコミに、美神は反射的にブラドーを力いっぱい殴り飛ばした。その顔が真っ赤なのは怒りのためか、はたまた別の理由か。
「ごふ……し、しかし、男女の仲を邪魔しろというのは……」
「違うわよ! 仕事仲間が必要以上に馴れ合うと現場の判断能力に私情が入って、正確な判断ができなくなるからよ! うちの事務所は社内恋愛禁止! 決して私が嫉妬してるとか、そんなこと有り得ないから! ええ、有り得ないのよ!」
「わかった、わかった……」
「……わかればいいのよ」
物凄い剣幕でまくし立てる美神に、ブラドーは何を言っても無駄と悟ったのか、なだめるように頷いた。その返答に美神は矛を収め、改めて荷物を担ぎなおす。
ブラドーでは正直頼りないが、これで一応の保険はかけられた。それでもやはり心配はあるのだが、霊能力の方も切実な問題なので、無視するわけにもいかない。
「じゃ、行って来るわ」
正直、後ろ髪を引かれる思いは断ち切れていない。だが美神は、そう言って事務所を後にした。
そして――美神が事務所から出て行ったのを見送った横島とおキヌは。
「……行っちまったな」
「そうですね」
そう言って顔を見合わせた。
「美神さんのいない事務所、か」
「あの時のこと思い出しますね」
『特に問題はあるまい。あの時も、黒字を叩き出していたのだからな』
二人の会話に心眼が加わる。三人の言っているのは、逆行前に初めて西条がやってきた時のことだった。
あの時も、西条に請われて美神が事務所を離れていた。その間の事務所の運営は横島が取り仕切っていたのだが、心眼が言った通り、これが見事に黒字を叩き出していたのだ。
「んじゃ、どーすっかな。またあん時みたいにやってみようか?」
横島がそう提案した、その時――
『横島さん、お客様です』
唐突に、人工幽霊が話しかけてきた。
「ん? 誰?」
『百合子様です』
「おふくろが? 何しに来たんだ?」
『お通ししますね』
「あいよ」
横島が頷くと、それから十数秒後、百合子が階段を上がって事務所の扉をくぐってきた。
「おふくろ……GS試験終わったのに、いつまで日本にいるつもりなんだ?」
「仕事の様子見に来た親に向かって、第一声がそれ? 親不孝者ね、あんたって」
横島のぶしつけな問いに、百合子は額に井桁を浮かべて返す。だがその表情もすぐに消し、横島の隣にいるおキヌに視線を向け、にっこりとほほ笑んだ。
「おキヌちゃんも久しぶり。大変だったわね」
「いいえ……でも、本当に久しぶりですね、百合子さん」
「あら。お義母さんって呼ぶぐらいの図々しさはあってもいいんじゃない?」
「はへ!? な、なにを……!」
「ふふ……冗談よ」
目を白黒させてわたわたと戸惑うおキヌに、百合子はそう言って悪戯っぽく笑った。
そして、事務所の中を見回し――
「ところで、美神さんはいないの?」
「美神さんに用だったのか? 今さっき、出てったところだよ。数日は帰ってこないってさ」
その問いに、横島がそう答えた。
「あらそう。じゃ、好都合ね」
「……? どういうことだ?」
「あ、こっちの話よ、こっちの」
訝しげに眉根を寄せる横島に、百合子はそう言って手をひらひらさせた。
――それから三日、慌しい日々が過ぎ去った。
横島とおキヌは美神に言われた通り、唐巣をオブザーバーとして雇い、除霊依頼を請けていた。
だが、『美神令子除霊事務所再開!』という触れ込みによって舞い込んだ依頼は、とても横島たち三人では捌き切れない数であった。そのため唐巣経由でピート、そして唐巣に引き取られた白龍会メンバーの一人である雪之丞も助っ人に呼ぶことが何度かあり、ほとんど休む暇もないほど働き詰めの日々を送っていた。
しかしその分、事務所の収入は相当のものになっていた。
ピートや雪之丞も含め、道具を必要としないメンバーばかりが集まっているのも手伝い、その利益はたった三日で億単位の黒字を叩き出すまでになっていた。その成果を見た百合子が、「血はしっかり受け継がれてるみたいね」と、満足げに頷いていたぐらいである。
当然、唐巣たちへの報酬もそれなりの額になる。受け取りを拒否しようとする彼を、ピートと雪之丞が二人ががりで説得したという一幕もあったが――ともあれ唐巣も、これでしばらくは飢える心配もあるまい。
一方で、おキヌの部屋の家具も一通り買い揃え、その部屋は逆行前の記憶にある通りの姿を再現するに至った。
懐かしい我が部屋の姿に、おキヌは知らず表情を綻ばせていたものである。
そんな中――おキヌは仕事がひと段落ついた頃合を見計らい、久々に馴染みの商店街に顔を出していた。
「よぉ。久しぶりじゃねーか。今まで何してたんだい?」
「おやおや、久しぶりだねぇ。この野菜、今が旬なんだ。今日はサービスだから、持ってっておくれよ!」
「おっ! しばらく見ないと思ったら、いい時に来たねぇ! 今日はちょうど牛肉サービスしてんだ。買ってってくんな!」
……とまあ、こんな感じで、おキヌは商店街の人々から大歓迎されていた。
彼女は白龍会に行く以前は、この商店街の常連であった。その素直で家庭的な性格は、商店街の人々に良く受け入れられていたものである。もはやほとんどマスコット扱いと言ってもよかった。
そして、すっかり大荷物となってしまった食材を手に、おキヌは商店街を後にした。
「け、結構重くなっちゃいましたね……」
そんなことをつぶやきながら、乾いた笑いを浮かべる。
気を取り直し、その足を事務所の方に向けようとしたところで――ふと、その足を止める。
「そうだ」
ピン、と何かを思いついた様子で、その視線を空に向けた。
そして――
「……んしょっ、と」
おもむろに、魔装術を展開した。
おキヌはそのまま、ふわりと空に舞う。相変わらず体が下に引っ張られる感覚はあるが、別に飛べないというほどのものでもない。
――ちなみにその際、おキヌの魔装術を目撃したスーパーマルヤスの店長が、「おおう。おキヌちゃん、変わった技使うなー」などと呑気に感心していたのだが……それはあまり関係のない話。
まあさすがは、逆行前の幽霊時代のおキヌに対し、「おキヌちゃんならそこらの生きてる奴より信用できらぁ」などという、ある意味トンデモな台詞を言ってた人物なだけはある。おキヌの魔装術も、彼にかかればこの程度の認識だった。
ともあれおキヌは、ある程度の高度を確保すると、ふよふよとゆっくりとした速度で事務所に向かって飛んで行く。
「ふふ……お買い物帰りに空を飛んで行くのって、久しぶりだなぁ」
幽霊時代のことを思い出し、笑みをこぼす。魔装術の制御と飛行に結構な集中力を割いてはいるが、これも訓練の一環と思えば苦とも思わない。
途中、電線に止まっている小鳥に「こんにちわ」と挨拶しながら、ゆっくりと飛んで行く。こうやって生身のまま空を飛ぶのは、夜中によくやっている例の『散歩』とは、また違った趣があった。
――やがて事務所が見えてきた頃、遠い空に暗雲が立ち込めているのが見えた。
「あら、お天気悪くなってる」
そうつぶやき、すーっと事務所へと向かって行き――
ごんっ。
「あいたっ!」
壁に額をぶつけ、軽く目を回した。
「あ、そっか……通り抜けできないのよね……」
幽霊時代を思い出していたら、感覚まで当時に戻ってしまっていたらしい。自分の間抜けさ加減に愚痴りつつ、地面に降りて魔装術を解き、中に入る。
「ただいまー」
『おかえりなさい、おキヌさん』
逆行前、帰宅の挨拶をする彼女を真っ先に出迎えていたのは、いつだって人工幽霊の仕事だった。そのことを思い出し、おキヌは改めてここが我が家であることを思い出し、柔らかな笑みを浮かべた。
(……なんなんだこの状況……)
事務所の執務机――普段は美神が腰掛けているそこに座っている横島は、困惑した表情で頬杖をついていた。同じ部屋の中にいるブラドーは、ソファに腰掛けて黙々と愛読書の最新巻を読みふけっている。
「ふむ……やはり主人公は名を変えたドラキュラ伯であったか。実際の彼は……というより吸血鬼の有り様そのものが現実とはまったく違うが、正直この漫画の方が厄介な化け物と思えてならん。まったく、人間の空想力とは面白くも恐ろしいものだな」
などと、誰ともなしに感想を口にしている。そういえばドラキュラ伯は、彼のいとこの奥さんの兄だとか聞いた覚えがあった。
だが、横島が困惑しているのは、彼のことではない。その意識は、開けっ放しになっている扉の向こう――台所から聞こえてくる、二つの声に向けられている。
「おキヌちゃんってお料理上手いのねぇ」
「いえ、それほどでも……」
「謙遜しなくてもいいのよ。事務所の家事全般も任されてるんでしょ? きっといいお嫁さんになれるわよ」
「そ、そんな、お嫁さんだなんて……」
「ふふっ。赤くなっちゃって、可愛いわねぇ。……あら? その味付け……」
「あ、わかります? 横島さんが好きな味付けなんですよ」
「既に忠夫の好みはリサーチ済みってことね……奥手そうに見えて、意外とやり手じゃないの」
「ふぇっ!?」
などと、きゃいきゃいとやっている様子が聞こえてくる。「なんだこの良好な母娘関係は」と横島は思うが、これはむしろ、母娘関係ではなく嫁姑関係と表現した方が近いだろう。
だがいずれにせよ、おキヌに対し「息子の彼女になってもらっても良い」と思っている節のある母親の態度は、当の息子からすればとにかく気恥ずかしいものがあった。
いっそのこと扉を閉めて音声を遮断してしまおうかとも思ったが、ほのかに漂ってくる食欲をそそる匂いが、それをためらわせていた。
――ふと、なにげなく唇に指を這わせる。
思い出すのは、GS試験でおキヌと唇を重ねてしまったこと。そして連鎖的に、夏子とのキスも思い出す。いくらか日にちを跨いでいるというのに、その唇の感触は、いまだ鮮明に思い出せてしまう。
一日に二人もの女の子とキスしてしまうなど、少し前の自分なら血涙を流してワラ人形に五寸釘を打ち付けていただろう羨ましい状況を、まさか自分自身が体験してしまう羽目になるとは……人生、何がどこでどうなるかわかったものではない。
しかもそのうち片方は、今まさに近くにいるのだ。これで意識するなと言う方が無茶がある。意識するほどに顔が火照ってしまうのが、自分でもわかる。
例えば、この相手が美神であったならば、「これはもー恋人になるしかーっ!」と飛び掛って撃墜されるパターンなのだが……さすがにおキヌ相手にそれはできない。
(いや、おキヌちゃんがダメってわけじゃないけど……つーかむしろ大歓迎なんだけど……でもなぁ……)
懊悩しつつも、仮に飛び掛ってしまった場合をシミュレート――
――おキヌちゃん!
がばーっ!
あっ、だめ……! でも横島さんなら……――
「だぁーっ! そらおいし……やない、アカンやろ色々と! でもおいしい……」
「…………?」
突然騒ぎ出し、頭をぶんぶんと振る横島。同じ部屋にいるブラドーは、それに視線を向けて訝しげに眉根を寄せた。
「あ」
横島は、その視線を感じて我に返り、ピタリと動きを止める。するとコホンと誤魔化すように咳払いし、手元の依頼書の束に意識を向け、ぱらぱらとめくり出す。
と――
「横島さーん」
台所の方から、今まさに気にしていた相手――つまりおキヌの声が聞こえてきた。
「うおっ……んー? 何ー?」
思わず素っ頓狂な声が出そうになるのを抑え、極力普通の声を意識して返す。
「今日って依頼ありますかー?」
「今見てるー! えっと……『公園に出るワニの幽霊』ってのがあるけど?」
「お夕飯終わったら唐巣神父呼んで行きますかー?」
「そーしとこーかー」
離れているので、やや大声のやり取り。
だがそこで――何かが引っ掛かった。窓の外を見れば土砂降りの雨が降っており、時折ゴロゴロと雷の音も聞こえてくる。
いよいよデジャ・ヴが強まってきたので、右腕の心眼に視線を向ける。
「……心眼?」
『わかってる。私とて、全てを覚えているわけではないが……何かが符合する気がしてならん。ワニの幽霊……いや違う。雨……うーむ』
心眼が逆行前の記憶を掘り起こそうと、思案してうなる。
『何か違うな。ならばカミナ――』
言いかけ、はたと止まる。横島も目を真ん丸く見開き、心眼と視線を合わせた。
「『雷!?』」
二人揃って声を合わせた――刹那。
カッ――ドガシャアアァァンッ!
「――――ッ!?」
突如として襲ってきた落雷の轟音が、横島たちの鼓膜を貫いた。
「落雷……!? これは――!」
『やはり来たか! 外だ! 急げ!』
横島はキーンと耳鳴りがする耳を押さえ、ブラドーと共に部屋を飛び出す。同じようにして台所から飛び出してきたおキヌと百合子の二人と合流し、そのまま四人で外に向かった。
そして、四人が建物から飛び出したその先にいたのは――
「こ、ここは……」
いかにも疲弊した様子で周囲を見回す、美神によく似た若い美女がいた。
――言わずもがな、美神の母、美神美智恵である。彼女はすぐに横島たちに気が付いた。
「令子がいない……? あなたたち、令子はどこ? あの子をイメージして飛んだはずなんだけど……!」
「み、美神さんなら今は留守で……」
「そう……」
問いかけてくる美智恵に、おキヌが困惑しながらも素直に答えた。その返答に、美智恵はあからさまに落胆する。
「でも、ここがこの時代の令子の居場所なら話は早いわ。お願い、この子を――」
言いながら、体を横に一歩ずらす。すると、彼女の背後から、小さな女の子が――
「「「『え゛!?』」」」
その女の子――幼い頃の美神を見て、横島、おキヌ、心眼、そして美智恵当人の四人の驚愕の声が重なった。
それもそのはず――
彼女の腕の中には、まだ乳幼児と思われる赤子が抱かれていたのだから。
「れ、令子、その子は――」
「あーっ!」
その赤子に対し、美智恵が狼狽しつつも娘に問い詰めようとしたその時、それを遮るような大音量が響いた。
全員、そちらに目を向ければ――震える指先を美智恵に向ける、百合子の姿。
「あなた、どこかで見たと思ったら……
あの時の人攫い!?」
「「「「『ええっ!?』」」」」
その言葉に、横島、おキヌ、心眼、ブラドー、そして指差された当の美智恵――要するに全員が、揃って驚愕の声を上げた。
「い、いえ、これはその――!」
わたわたと両手を振り、弁解しようとする美智恵。
しかしその意識は――
「――ッ! 嵐が行ってしまう……!」
不意に天へと向けられた。
「詳しいことを話している時間がありません……! この子を……いえ、この子たちをしばらくお願いします……!」
言って、幼い美神と赤子を、横島たちに託す。
「ママ!?」
「令子! しばらくこの人たちのところでいい子にしてるのよ!」
娘に向かってそう言うなり――
カッ――ドグワアァァッ!
二度目の落雷が、美智恵の頭上に落ちた。
「ちょっ……待ちなさい! 訳を――!」
百合子が事情説明を求め、手を伸ばす。
が――落雷の煙が収まったその場所に、美智恵の姿はどこにもなかった。
しばし、雨が全員を濡らす。
「……マ……」
やがて、幼い美神のつぶやきがこぼれ――
「マ゛マ゛ああぁぁぁあぁあああぁぁーっ!」
それはすぐに大音響に変わった。
「お、おふくろ……?」
「忠夫……落ち着いて聞いてくれる?」
わんわんと響くその泣き声に戸惑いつつも、遠慮がちに問いかける横島。その息子の問いに百合子はそう問い返し、母親から離されて泣き喚く幼い美神から、赤子をそっと取り上げた。
今にももらい泣きしそうなその子を、百合子はそっと胸元に抱き、優しくあやす。
――そして――
「信じがたいことだけど……私の推測が正しければ、この子はたぶん……
……あんたよ」
「「はい?」」
百合子の突然の告白に、横島とおキヌは都合三度目となる驚愕の声を上げた。
―― 一方、妙神山では――
「……一向に進歩が見られませんね……」
「……そーね……」
困った顔で現状を口にする小竜姫に、美神が疲れた顔で返す。
妙神山を訪れた美神に対し、小竜姫は影法師を使った瞑想を提案してみた。霊格を具現化した影法師なら、より霊力の自覚に近い位置にいるため、生身でやるよりは希望が持てるという予想である。
もっと凄まじい荒療治を期待していた美神は、それまで自分でやってきたことと大差ない提案に、拍子抜けしたものだった。そしてこれをやって既に三日――成果はまるで現れていない。
「影法師自体は以前と変わってないので、霊格が落ちてるわけではないのですが……」
「どんなに大きな力も、引き出せなければ無いと同じよねぇ……他に何か方法ないの?」
「うーん……」
美神の問いに、小竜姫は顎に手を当てて考え込む。
「この際、どんな荒療治でもいいわよ?」
「荒療治といいますか……一応、一つだけ方法は残ってるんですが……あれは荒療治の限度を越えていて、正直なところ言ってしまうと、修行とかそんな次元を越えてしまうんですよね。成功する確率は一割も……いえ、今の美神さんでは万に一つあれば良い方じゃないでしょうかってぐらいでして。言うなれば、あれはむしろ……死行?」
「そ、それはまた凄まじい表現ね……」
小竜姫のその説明に、さすがの美神も一歩引いてしまう。
「簡単に言ってしまえば、『潜在能力を引き出せなければ死、あるのみ』というモノです。比喩でも脅しでもなく、厳然たる事実として。短時間であなたの霊能力を復活させるとなると、もはやこれしか残ってないでしょうが……私としては、まったくお勧めできません。素直に時間をかけて気長に取り組むのが最善でしょう」
言いながら、小竜姫は懐から一枚の紙を取り出す。その紙には、「契約書」とタイトルが印字されていた。
「ウルトラスペシャルデンジャラス&ハード修行コースというのですが……どうしますか?」
小竜姫の問いかけに、美神は戦慄した表情でゴクリと喉を鳴らした。
――あとがき――
さて、この展開は誰が予想できたでしょうか? 美神親子と一緒に赤子忠夫が登場。一体何がどーなってこんな結果になったのか、それは次回の冒頭で明らかになります。
そして今回、ラブコメ分高いです。ここまで我慢に我慢を重ね、ラブコメをやるための下地をちまちまと築き、GS試験編という序盤の山場をクリアしたことで、テンションが一気に上がった模様。このハーピー編、ラブコメはまだまだ続く予定ですw
それにしても美神のツンデレって難しいですね。あんま暴力表現に頼りすぎたくないんですが、どうしても手が先に出てしまいます。……まあでも、横島は原作でいつも血まみれになってたから、これぐらいでもいいのかも?w
……というか、一話で美智恵登場まで書き切ろうと思ったら、予想以上に長くなってしまいました……もしかしたら過去最長なのかも(汗
ではレス返しー。
○1. giruさん
初レスありがとうございます♪ ネタの出展はお察しの通りですw 詳しくはアニメ88話と89話を参照してください♪
○2. チョーやんさん
ここにも元ネタわかってくださる人がw 宣戦布告された二人は、とりあえず積極行動は見送ってます。経験ないから対応の仕方もよくわからないのでしょうw ユッキーは神父が引き取りましたが、陰念は……はてどこでしょう?
1、冥子のところで毎日暴走に巻き込まれる
2、エミのところで毎日肉の壁にされる
……だめだ、死亡フラグしか思いつかない(ノ∀`)
○3. Tシローさん
N24爆撃機(Nは夏子のN)の爆弾は確かに大きかったですが、本土が大阪と遠いので、そうしょっちゅう爆撃に来れないのがネックですねー。まあ触発されて動き始めてる人がいるのは確かですけど、その動く方向が正しいかどうかは神のみぞ知るw それはそれでラブコメのスパイスになりますけど♪
○4. 山の影さん
魔装笛中に自分の魔装術をやるかは、確かにケースバイケースで使い分けた方が良さそうですね。夏子は距離が遠い分、出番が来たら少ないチャンスを目一杯活かそうと、押せ押せで来る感じです。本当、次はいつの登場になるのやらw ユッキーは神父のところですが、陰念はさてどこ行かせよう?
○5. ハイブリッドレインボウさん
ああ、そっか。おキヌちゃんが白龍会行ってから、全話数のほぼ半分近く事務所にいなかったことになるんですね……なんて長かったんだ(ノ∀`) まさしく「おかえり」でした。美神は妙神山行って、ハーピー編の大半は蚊帳の外で過ごしそうです。でも彼女のアレはヤンデレ……なのかなぁ? 横島の文珠は、まだ後になる予定です。
ちなみに「ぶ○霊」の視聴率とかは、ぜんぜん考えてません。そちらのご想像にお任せします♪
○6. 117さん
28人なんてキャラ動かすの、もー二度とやりませんw やってたまるものですかw 夏子の未来がどうなるかは、実はまだ未定なんですよね……さてどうしましょうか。ベルゼブルは、確かに使いどころに困らない敵キャラなので、どこかでまた使うかもしれません。
……そーいや、ルシオラも出てたから29人でした。
○7. 白川正さん
うーん……横島を活躍させろと言われましても、いかんともしがたいというのが作者としては正直なところですね。
というのも、自ら進んで前線に立って大活躍するような、いわゆる『ヒーロー然とした横島』は、私の横島像からかけ離れてしまうからです。あまりにも原作から乖離しすぎてしまいますから。その『私の横島像』がどういうものかは、それこそ私の作品を参照して頂ければわかるかと。
そもそも私は二次創作準拠ではなく、あくまでも原作準拠でキャラクターを大切にしたいと考えている人間です。横島が活躍したりしなかったりするのはそのためであり、それゆえに私は、原作のイメージを美化も劣化もさせないよう、今でも原作を繰り返し読んでいます。
そして私は、あなたを含めた読者の皆様方にも、機会があれば是非私と同じように原作を読み返し、原作におけるキャラクターの魅力を何度でも再確認してみて欲しいと常々思ってます。それで私の気持ちと共感していただけるのであれば、それは幸いなことと思いますから。
○8. 秋桜さん
「ハーピーなんかより」と言わず、このハーピー編も楽しんでくださいw 夏子がいなくなった代わりに、また気になる存在が登場しましたので。それこそハーピーなんかよりもw
…………アレ?( ・ω・)
○9. 内海一弘さん
あの両親のことですから、母親は息子の嫁候補を全員それぞれ違う形で応援し、父親は「忠夫のくせに忠夫のくせに忠夫のくせにーっ!」と呪詛を吐くのではないでしょうかw ちなみに銀ちゃん、実は前回のおまけで、某しっ○マスクを手に取るというネタを入れようと思ったのですが……ちょっとキャラ破壊が過ぎるかなと思ってやめました。嫉妬キャラ路線で行こうかと思ってるのは変わりないんですがねーw
あと……………………陰念忘れてますよ内海さん(ぉ
○10. ぶらりんさん
初レスありがとうございます♪ 今回、ご希望通りのシーンが入りましたw
といっても、前回のアレとセットでこういう形にしたのは、元々予定していたことなんですけどね。
○11. Februaryさん
確かにその通りw 覗きをしない横島は普段の横島じゃありません。ヘタレな伯爵は、ずっとそのままの君でいてもらいたいと作者は思ってます(ぉ
ちなみに陰念は…………出すの忘れてました(超マテ
○12. youkanさん
初レスありがとうございます♪ 華は今後もおキヌちゃんと絡ませていきたいところですねー。美神は確かに百合子の心象は良くないですが、それはまた別の理由があるんですよね。彼女が百合子にどういう扱いを受けるか……それはハーピー編の最後で明らかになりますw 大丈夫、明るい明日はきっといつかやってくるから!(意味深
○13. 輝さん
初レスありがとうございます♪ ハーピーの手口がわかっているのは確かにそうなのですが、過去の美智恵を例に出すまでもなく、知ってるのと対応できるのとは別問題ですから。どういう形で進んで行くか、今後の展開を見守ってください♪
○14. ウェルディさん
やはりキャラクターは物語の中でしっかり生きている人間ですので、感情表現は大切にしたいと思ってます。ちなみに精霊石に関してですが、美神が「あれ一ついくらすると思ってるのよ!」とお怒りになってますよー(ぉ
まあ確かに、銀の銃弾とか、霊能力なくても攻撃できる手段はあるのですが、それに頼りっきりで済ます美神じゃないと思いますので、今回このような形になりました。
レス返し終了ー。では次回六十二話、ハーピー編改め横キヌ子育て編、始まります♪(マテ
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