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「がんばれ、横島君!! うらめんの6」

灯月 (2008-02-20 22:53/2008-02-21 23:14)
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漂う芳香。忙しない足音。

「う〜ん、上手くいかないでちゅねー」

「で、ござるぅ」

「大丈夫よ! まだまだ時間はあるわ。諦めないで頑張りましょ。青春のために!!」

「ふふ、それじゃあ今度はもうちょっと大きくしてやってみようか?」

「ええっと、もう少し小さく切った方がいいと思う?」

「大きい方が食べ応えあるじゃん?」

「こっちは焼けるのを待つだけか。さて、今のうちに……」

「えーとえーと、次は……?」

「ふっ。し・ろ・う・と」

二月のその日。キッチンは戦場と化した。


がんばれ、横島君!! うらめん〜乙女たちの甘き死闘〜


二月十四日。
一部どころか日本全国の乙女や野郎どもがときめく日。
むやみやたらとそわそわしたり、とある単語に敏感に反応したり。
野郎どものうち関係ないってツラする奴や余裕なツラする奴は反感買ったり、吊るし上げ食らったり。
女の子が胸を高鳴らせたり、友人同士仲良くはしゃいだりする日。
ソレはバレンタイン。
本来の意味としては違うのだが、日本ではお菓子会社の陰謀により女の子が意中の相手、もしくは家族にチョコレートを手渡す日。
気の弱いシャイな子にしてみれば勇気を出せる数少ないイベントであり、またカップルにとっては無意味にイチャつける数あるイベントの一つである。
そして、そんな決戦日ともいえる十四日を目の前にして、悩みに悩む少女が一人。
自室、イスに座って悶絶している。
机の上、ベッドの上。カラフルな料理――主にお菓子作り――の本が所狭しと散乱している。
この世に溢れるその他の女の子たちと同じ様に、彼女もまた『その日』に向けて苦悩しているのだった。
机の上、デコレートされたチョコケーキがおいしそうに写されたページ。
開かれているその本に、やや恨みがましい目を向けるのは魔神アシュタロスの自慢の三姉妹のうち長女、蛍の化身ルシオラ。
彼女は姉妹のうちでもっとも知的なその顔を歪め、唸っていた。
むしろ唸るしか出来なかった。
いつもは適度な角度で上を向いている触覚さえ、ぺしゃりと下向きにへたっている。
手には一冊の薄い冊子。簡単・手作りスウィーツ☆と可愛らしいタイトル。
ページをぱらぱらめくって、また頭を抱えた。
確かに簡単だ。簡単なのだが。こんな、誰でも作れるようなものは避けたい。
ちょっとしたアイデアとちょっとした工夫。市販の材料で出来る程度のもの。
お手軽なのは確かだが、自分の作りたいものはこういったものではないのだ。
かといって、少〜し難しいレシピを見てみると――正直何がなんだかわからない。
分量って大切かもしれないが、そんなに細かく量らなければならないのだろうか?とか家にこんな道具あったっけ?とか、色々思ってしまうのだ。
簡単と銘打たれている割には、妙に手順が複雑だったりするものもあるし。
そもそも自分は料理は得意じゃないのだ。
これが機械の修理とか作成およびアレンジだったら、嬉々として取り組むし。まったく苦にならないのに。
同じ『つくる』という行為で、どうしてこうも違うのか。

「……どうしろって言うのよ?」

盛大に、それはもう盛大にため息を吐きだした。
自分がこんなに悩んでいる原因を思い浮かべ、またため息。
気合を入れて渡したい相手はただ一人。
兄だ。兄といっても単にそう呼んでいるだけで、別に兄弟でもなんでもない。
自分たち姉妹が幼かった頃、面倒を見るために雇われたベビーシッター。
いつの頃からそうだったのかは覚えていない。けれど自覚する前からすでにそうだったのだろ。
ルシオラは兄と慕う横島忠夫が好きなのだ。
アプローチはしているのだが、、いかんせん当の本人がこれでもかって程鈍すぎる。
確かに自分も恥ずかしさやら照れやらで積極的とは言い難い行動だったとは思うが、もうちょっとこう…察してくれてもいいんじゃなかろうか?
それともあれか、世の男性というものは皆こうなのか?
自分の世界は、交友関係はお世辞にも広いとは言わないが、それでもそんなわけ無いと思いたい。
夜景のきれいなホテルの最上階で食事をしながら告白、などとどこぞの少女漫画みたいなベタな展開はいらない。
いらないのだが、こっちの身にもなって欲しい。頼むから。切実に!

「ちょこれーと、どーしよーか?」

力の無い呟き。
別に必ずしもチョコレートなお菓子である必要は無いのだが、それでも期待されているのはチョコレートなわけで。
バレンタインにチョコ以外。
うん、なんか違和感。
いくら考えても答えは出ない。いい加減頭も煮詰まってきた。
いっそでっかいハート型チョコを作って真ん中にデカデカと書いてやろうか?
『好きです』って。
自分でもわかる。やけくそだ。
それで気付かれなかったら、それこそ滑稽だ。

うふ……うふふふふふふふふふふふふふふふ………

誰が聞いてもうわぁ病んでるなぁと判断される、アレな笑い声。
自然と喉から漏れてくるのを、ルシオラは止められなかった。
そして部屋の外。
一人笑い続けるその背をこっそり開いた扉の隙間から伺いつつ、涙ぐみながら見守る次女がいた事に、気付く事は無かった。


とうとうその日はやってきた。バレンタイン当日。
昼を少し過ぎた頃。
兄も父も陰念も雪乃丞も勘九郎もポチも家から追い出して、女の園を築く。
勘九郎は限界まで中身の入った大き目の紙袋を手にして、家に残りたそうだったが強制的に家から出した。
袋の中から甘い匂いがしたとか、中身が何かとか、そんなものは全力でスルー。
家から出された男ども、夕方まで帰ってくるなと言えば。
一部は不思議そうな、一部は期待するような顔で頷いた。
ぞろぞろ歩いてゆくのを見届けて、家に残った女の子たち。目指すはキッチン。

「今日は何を作るの? パピリオちゃん」

「クッキーでちゅよ! チョコーレートを入れるんでちゅ!!」

問いかけたのは机妖怪愛子。パピリオに誘われ、バレンタインという青春を満喫するために芦原家を訪れていた。
パピリオは元気に返すと、傍らに連れていたシロの首輪に小さな、淡い光を放つキーホルダーらしき物を取り付ける。
瞬間、名の通りに白い毛並みに覆われていたシロが人に姿に変化した。
取り付けたのは精霊石の欠片。
こーゆー時のために父に用意させたもの。
例え欠片でもシロを一時的に人に変化させるくらい出来る。元々が凄い力を秘めた石なのだ。

「シロちゃんも一緒に作るんでちゅよ」

「そっかー、よろしくねシロちゃん。私は愛子って言うのよ」

「拙者、犬塚シロでござる。愛子殿、今日はよろしく頼むでござる!」

二月に入ってからバレンタインという行事についてパピリオから、少々偏ってはいるもののレクチャーを受けていたシロ。
実はこの日を楽しみにしていたのだ。
その証拠に尻尾がはちきれんばかりに振れている。

「ハーピー、頼んだもの買って来てくれた?」

「当然じゃん。先にテーブルに置いてあるじゃん」

べスパの言葉、ハーピーは胸を張って得意気に返す。
バレンタインという行事は知ってはいたが、当たり前だが参加した事など無かったハーピー。
一緒に何か作ってみる?というべスパのお誘いにあっさり乗った。
バレンタイン用にと頼まれた買い物は前日に済ましてある。何度も確認したから、不足などあるわけも無い。
ありがとうと、べスパに言われ、なんだかちょっとくすぐったい。
その脇をテレサが何やらぶつぶつ呟きながら追い越し、ほぼ無理やり参加させられているメドーサも不機嫌顔でそれに続く。

「うううううぅぅ……」

「え、と……大丈夫? ルシオラさん」

今にも頭を抱えそうなルシオラに気遣わしげに声をかけるのは、福の神(前貧乏神)のおかげで高校に通えるようになった小鳩。
なんでもない、大丈夫。
そう答えられても信用など出来るはずも無い。
皆がキッチンに向かう中、一人リビングに立ち尽くしうなだれるルシオラの背後おろおろとしていたけれど、小鳩ちゃんも一緒に作るでちゅ!とパピリオに腕を引かれて渋々その場を後にする。
うなり続けるルシオラを一瞥し、鼻で哂うはメドーサ。
バレンタインなんぞまったく気乗りしなかったが、ソレを見て悪くないとか思い直す。
不機嫌顔が急にニヤニヤと意地の悪い笑みになったので、偶然目撃したテレサが首を傾げたけれど。
パピリオ、シロ、愛子、小鳩のお子様とフォロー組は早速クッキー生地作りを始め、きゃいきゃいと楽しそう。
パピリオは自分より小さいシロに色々教えて、お姉さんぶり。愛子と小鳩は優しく見守る。
べスパとハーピーが作るはチョコレートフォンデュ。
以前CMで見かけ、やってみたいと思っていたのだ。
大量に買ってきた業務用のチョコレートを刻んで刻んで湯煎で溶かして、たちまち濃厚な匂いが立ち込める。

「あ、先に果物とか切っておいた方が良かったかな? チョコが冷えるんじゃないか、このままだと」

「ん? 大丈夫じゃん、チョコなんてまた温めれば良いじゃん!」

ぽつりとこぼしたべスパに、ハーピーが軽く言う。
それもそうかと頷いて、ボウルにたっぷり入ったチョコレートをへらで優しくかき混ぜた。
メドーサとテレサは揃ってスポンジ作り。それぞれ手際よく生地を型に流し込みオーブンへ。
そこまでは同じ。けれど、これからが違う。二人、違う得物を手に、それぞれの作業へ没頭した。
リビング、遠くを見ていた長女。
心配して足元を駆け回るハニワ兵をよそに自分の頬に平手一発! 気合を入れる。

「意識を飛ばしてる場合じゃないわ。頑張るのよ、ルシオラ!!」

その背に闘志を燃やし――

「待ってなさい、兄さん! いえ、横島忠夫!!」

どこかに向けて高々と吼える姉を、次女は、形容しがたいほどの暖かさを含んだ目で見つめるしか出来なかったという。


家を出たは良いけれど、夕方まで戻るなは横暴だと思う。
横島忠夫はそう思った。
一緒にいた者たちに正直にそれを告げれば、陰念は微妙な目で見、雇い主は幸せいっぱいという表情で首を振った。

「そうねぇ、私も今日はやる事があるのに…」

そう勘九郎が呟いたけれど、激烈に嫌な予感がしため突っ込むものはいなかった。
この面子でどう時間を潰せば良いのか。
全員の顔を見回して、ふとある事を思いついた。

「よし、行くぞ!」

言って、振り返りもせず歩き出す。

「どこ行くんだよ、横島?」

雪乃丞が問うてくるが、応えは無い。

[……案外外道だな、兄弟。いや、ある意味正しい判断だけどよー]

呆れた声が脳内に響く。
精神に住まう魔眼にはやはりわかってしまったのだろう。苦笑で返す。
反対はされていないので、まぁいいのだろう。魔眼的にも。
戸惑いながらも素直に着いてくる雇い主たちの姿を確認し、目的地に。
辿り着いたはぼろっちぃ教会。修繕した痕がいくつも窺える。

「ここだ!」

振り返り、言う。

「ここって……もしかして!?」

ここがどこなのか、気付き喜色の声を上げたのはやはり勘九郎。
ポチも狼姿のままなのでわかり辛いが、顔をしかめる。

「こんにちわー、お久しぶりっす!」

声を上げ、扉を開けたれば驚いたような嬉しそうな顔四つ。
この教会の神父、唐巣と二人の弟子ピート・鬼道。そして鬼道の式神夜叉丸。
高く鳴きながら抱きついてくる夜叉丸を撫でて、唐巣に向かって頭を下げる。

「どうしたんだい、横島君。久しぶりだね。何かあったのかい?」

メガネの位置を直しながら、唐巣。
速攻で横島に跳びつこうとしたピートを二十センチほどの十字架の置物で殴り倒しつつ、笑う。
なぜか申し訳なさそうに微笑む横島に不思議そうなな顔をしつつ、歩み寄ろうとして固まった。
見付けてしまったから。
横島の後ろ、それはもうすっごい笑顔なその存在を!!
封印した記憶が生々しい感触を持って蘇る。
全身から噴き出すじっとりとした汗。がくがく震える足。
唐巣の喉から情けない悲鳴がほとばしる直前!

「いっけぇぇぇぇぇぇ!!」

渾身の力でもって横島が勘九郎を蹴り飛ばした! ピート目掛けて。
一瞬の事でついていけない周囲を省みず、呆然としている雪之丞をも突き飛ばし、唐巣と鬼道の手を引いて外へ。
そのまま二度と開くなとばかりに扉を閉めて、逃げる。

「え? え、え、ええ? なんや…?!」

訳がわからず目を白黒させている鬼道へは後で説明すると、怒鳴り、駆け出す。
横島の後ろに続くのは顔を青褪めさせたアシュタロスと陰念、唐巣。ポチと困惑気味の鬼道。
二百メートルほど進んだところで、教会の方から妖しげな声と悲鳴が届いたけれど。
鬼道を除く全員が何も聞かなかったフリをした。
雪之丞、ピート。君たちの事は忘れない!!
誓って、精神的な疲労に気付く。
特に記憶の底に沈めていた悪夢を浮上させてしまった唐巣。
顔色が素晴らしく白い。これは栄養が足りてないからとかの問題じゃないだろう。

「あー、鬼道。お前の家に行っていいか?」

「え、それはかまへんけど……」

横島の問い、答えながら鬼道はちらりと横島の連れに視線を走らせる。
それに気付き、雇い主と仲間だと説明。
納得したのかしていないのか、とりあえず鬼道は頷いた。
そして横島は先に鬼道の家に行ってくれと促す。
唐巣の体調を気遣い、何か食べ物を買ってくるからと。
ソレを聞き喜んだのは夜叉丸。横島の上着の裾を引き、自分も一緒に行くと主張する。
苦笑しつつ頭を撫でて、主である鬼道に視線で問うた。
鬼道も己の式神を微笑ましい顔で眺めて、諾を返す。

「よし、それじゃ芦原さんたちは鬼道と一緒に行って下さい。俺も買い物終わったらすぐ行きますんで」

笑って、夜叉丸と手を繋ぎ背を向ける。
横島を見送り、アシュタロスたちもその場を後にした。
式神である夜叉丸が、自分から離れて平然と行動している事実に対し鬼道が疑問を持ったのは、二人仲良く買い物袋を下げて帰ってきた姿を見たときだった。


六道家。日本でも最大クラスの財閥であり、代々式神十二神将を受け継ぐ霊能者の家系。
その屋敷は広大で、方向感覚の無いものがうろつけば元の場所にすら帰れなくなってしまう。
それだけの広さを誇る屋敷、当然キッチンなど複数あった。
そして今日はその数あるキッチンの一つから、朝から轟音と爆音が響き渡っている。
はらはらと、入り口で見守るメイドと使用人数名。
キッチンの中では、跡継ぎである冥子が可愛らしいエプロン姿で格闘中。
いや、料理中。
辺り一面に飛び散った茶色い液体から焦げ臭さと同時に甘い香り。
チョコレートである。
いつもの調子でう〜う〜唸りながら、真剣な顔で固形のチョコレートに向き合っている。
湯煎で溶かし、型に入れ、冷蔵庫で冷やし固める。たったそれだけの作業が、素晴らしいほどの被害をもたらす。
冷蔵庫は異常な音を立て、テーブルは傾き、器具のいくつかはひしゃげていた。
チョコレートを刻むための包丁を持つ手が震えている。
チョコではなく自分の指を浅〜く切って、式神たちを暴走させたりもした。
湯煎の意味がわからず、お湯の中に直接チョコレートをぶち込んでしまうというハプニングもあった。
それでも何とか、式神たちの手を借りつつ、初めてのチョコレート作りを続行している。
渡す相手はもちろん横島忠夫。
いつもは他の誰かが選んだ高級感溢れるブランド物のチョコレートを、父や知人に送るだけなのだが。
何故か、今年はどうしても自分で作ったものを渡したかったのだ。
そして、そのとき思い浮かんだのは横島の顔。父でも親友の令子でもなく横島だった。
思い浮かべて、なんだかよく分からないがやる気が出てきて。
ソレを伝えれば式神たちも喜んでくれた。
だからこそ、失敗にもめげず一生懸命チョコレートを作っているのだ。
前の自分なら一度の失敗でたやすく諦めていただろう。泣き喚いて座り込んでいただろう。
確かにそうすれば楽なのだろうけれど……そんな真似しようとは思わない。

「横島く〜ん、冥子〜頑張るからね〜〜」

ちゃんと作れたら、きっと横島はあの笑顔で褒めてくれるだろう。
それを思うと後で確実に受けるだろう母のお叱りだって怖くない。
冥子は幸せそうに微笑みながら、数回目――もしかしたら十数回目――の湯煎に挑戦した。


街を颯爽と歩く黒いロングコート姿の女性。テレサ。
自分を振り向く男の視線など歯牙にもかけず、前だけ見据える。
その右手に下がった箱には、作りたてのケーキ――リング状のデザインをしたチョコレートクグロフ。
左手のバスケットにはスープの入った魔法瓶とパンとチキン。インスタントだが紅茶も。
向かっているのは一応製作者と認めている、自称天才錬金術師ドクターカオスのアパート。
アシュタロスに聞いた話、ゴーストスイーパーになっても、研究費やらマリアの維持費やらであまり金がたまってないらしい。
同情と言うわけではないが姉であるマリアに、この世で唯一の姉妹に何かあった場合直せるのはカオスだけだ。
なので、死なれては困るし。だから少しは栄養のあるものを取らせてやろうと思ったのだ。
住所は完璧に記憶されているが、来たのは初めて。
目の前のアパートは想像以上にぼろい。
こんな所に姉が居るのかと思うと哀しくなる。
扉の前、部屋の中に気配は無くセンサーに反応もない。留守だと判断。
カオスからアシュタロス経由で渡された鍵で中に入れば、ろくに足の踏み場も無いほどのごちゃごちゃぶり。
家事全般は姉がやっていると聞いたけれど、これは……。
確かに家事なんて姉にも自分にも元々ついていない機能だ。
ただ自分はアシュタロスの家に居る間になんとなく覚えたし、姉も自分よりはるかに長く稼動しているのだから出来ないわけではないのだろうけれど。

それを上回る無精者ってことかい、カオスが。

そんな奴に造られた自分が情けない。
とりあえず、持ってきたものは本に埋もれたちゃぶ台の上に。
嗚呼、ちゃぶ台付近には沢山のインスタントに容器が。

「いくら不死だからってこれじゃ体壊すだろうに……!」

ぶつくさ呟きながら、自然と掃除にかかる。
窓を開けて換気してハンガーに吊っていたマリアの普段着を外に干して、ほうきや雑巾を探し出して。
テレサ本人は気付いていないけれど、気付いても全力で否定するだろうけれど。
芦原家で世話になっているうちに、横島の影響か家事スキルが普通に高くなっていた。
ついでにインスタント類は常食にはお勧めしない、という知識なんかも身についていた。
カオスとマリアが仕事を終えて帰ってくるまでの間、テレサは実にいい汗を流していたという。いや、汗流れないけど。


オーブンを開けば、あふれ出す甘い香り。

「出来たでちゅよ〜!!」

「出来たでござる〜!!」

中身を見て、お子様二人が歓声を上げる。
愛子が取り出したのはクッキー。通常のサイズよりずっと大きめで愛子や小鳩の手の平に乗せればすっぽり隠れるほどだ。
テーブルに置かれた皿の上、失敗作のクッキーが山積みにされている。
焦げていたり形が崩れていたり。それでもおいしそうな匂い。

「さーて、やりまちゅよシロちゃん!」

「わかったでござるよ、パピリオ殿!」

片手に溶かしチョコレートの入ったボウル。片手にへら。
後ろで自分たちのクッキーを作りながら見守る机妖怪と清貧美少女。
お子様二人、クッキーにチョコレートを塗りつけ、固まってきたところで市販されている色とりどりのチョコペンでイラストを描いていく。
時々クッキーからはみ出したりもするが、ご愛嬌。

「パピリオちゃんはー、パパとお兄ちゃんと陰念ちゃんと雪ちゃんとポチとついでに勘九郎にあげるでちゅよ。
シロちゃんは誰にあげるんでちゅか?」

「拙者も横島殿とアシュタロス殿と陰念殿、雪之丞殿、勘九郎殿でござる!」

「ポチにはあげないんでちゅか?」

「……………パピリオ殿が言うならあげてやらないこともないでござる」

不思議そうにパピリオに言われ、ふくれっ面で頷いた。
べスパ・ハーピーコンビも仕上げにかかってた。
大量のチョコレートをチョコレートフォンデュ用の容器に移し、きれいにカットした果物やパンを皿に盛る。脇に串を置いて完成!

「出来たじゃん出来たじゃん!」

はしゃぐハーピーに小さく笑うべスパ。

「うん、思ったよりもいい出来だね。これだけあれば皆で食べても大丈夫だね」

「おいしそーじゃん。……なぁなぁ味見してみていいじゃん!?」

「味見…う〜ん、ちょっとだけなら」

「やったじゃん! それじゃイチゴを――」

うきうきとしたハーピー。べスパのお許しをもらい早速一口。ぱくり。

「ん! おいしいじゃん!!」

満面の笑み。それを見て、べスパも楽しそうに笑った。
キッチン、あまりに苦悩に満ちた顔した少女が一人。言わずと知れた長女ルシオラ。
周囲の和気藹々とした空気さえ呑みこみかねないほどの鬱っぽいオーラを放っている。
お菓子の本を見つつ、しかめっ面で作っているのはこの季節ではポピュラーなケーキ。チョコレートブラウニー。
割合簡単に出来るので、初心者でも安心だ!
とは言っても、ルシオラはもう三回ほど異臭を放つ物体を完成させているが。
本と睨めっこしながらチョコを刻み材料と混ぜ合わせる。
市販の、必要なもの全てが揃ったセットの奴ではなく。材料は全て自分で調達した。
あれだ。それほど手の込んだものではないが、だからと言って誰が作っても同じものが出来上がる大量生産な代物は嫌だったのだ。
それに失敗する事を視野に入れて、材料は多めに揃えておいた方がいいし。
予想的中で失敗しているわけだし。実際?

「……は、情けない」

隣を完成した自身のチョコレートケーキ――店で売っていてもなんら違和感の無いザッハトルテを持って通り過ぎていくメドーサに鼻で哂われ、大暴れしたくなった。
何で魔族の癖に――偏見――あんなにお菓子作りが上手いのか。激しく納得いかない。

「見てなさいよ、絶対凄いのを完成させるんだから!!」

作っているのは見た目が地味なチョコレートブラウニーで。

凄いのって何? 姉さん……。

うっかりソレを耳にしてしまった次女が、心で突っ込みを入れたのは誰も知らない事実である。
そんな女の子たちの様子を、ミニな死津喪比女こと姫ちゃんがハニワ兵と一緒に羨ましそうに見詰めていたりした。

「わらわもやってみたいぞえ〜」「ポー」「ポッポーポ」「ポポー」


夕刻。どこかでカラスが鳴いている。
すっかり日も暮れ横島たちももういいだろうと、鬼道邸を後にすることにした。
鬼道と唐巣の夕食にと、夜叉丸と一緒にカレーを作り。騒動の元になるメンバーがいなくて静かで、横島はご機嫌で。
夜叉丸も久しぶりに横島に構ってもらえてご機嫌で。
アシュタロスは唐巣や人工幽霊一号と有意義な語らいを楽しみ、陰念は真っ当な鬼道と真っ当な会話で癒され。ポチも暖炉の前でまどろんでいた。
それぞれが実にゆっくりとした時間を過ごしていた。
帰ることを告げれば夜叉丸が寂しそうに鳴いたけれど、無理に引き止める事はしなかった。

「またな、夜叉丸」

「ピガァ〜」

手を振って、見送られて。
アシュタロスさんが妙にうきうきしている帰り道。

「横島くぅ〜ん!!」

向こう側、元気に駆け寄ってくる人影一つ。
遠目でも分かる。あれだけの式神を引き連れているのは一人しかいない。

「冥子ちゃん、久しぶりだね。元気だった?」

勢いよく駆け寄って、横島に抱きついてくる体を軽々抱き止めて笑う。
周囲では式神たちもぎゃいぎゃいしゃげしゃげ元気に騒いでいる。

「うん〜。冥子は〜元気よ〜。えへへへ〜〜」

上機嫌な冥子に何かいい事があったのかと問えば、差し出される紙に包まれた何か。
冥子手製のラッピングが施された箱は、何度も失敗したのだろうぐしゃぐしゃでお世辞にも見目が良いとはいえないけれど。

「冥子〜〜一生懸命〜作ったの〜。横島君〜、食べて〜くれる〜〜〜?」

「もちろんだよ、ありがとう冥子ちゃん。頑張ったんだね」

そう言ってくしゃりと頭を撫でれば、冥子は頬を赤らめて。

「えへ、えへへへへへ〜〜〜〜〜。冥子〜、嬉しい〜〜〜!!」

照れたのか、そのままインダラの背にまたがり物凄いスピードで駆け去ってしまった。
その後、陰念に良かったなーと背中を叩かれちょっと恥ずかしかった。
家に帰る途中、一瞬いやほんの刹那だが勘九郎とかどうしようかなーと脳裏を掠めたけれど。
気にしない事にした。己の精神的なもののためにも。

「ふっふっふっ。さぁ、さっさと! 即座に! 家に帰るよ、横島君!!」

うざいくらいに張り切っているアシュタロスに引きずられ、あっと言う間に家の前。
ばばん!とアシュタロスがそれはもう素敵な笑顔でドアを開ける。

「ただいま、マイスウィートエンジェルたち!! パパが帰ってきたよ」

雇い主のテンションについていけない若者の事などお構い無しで、いそいそとリビングを目指す。
家中を包む甘い匂い。横島と陰念は諦めた顔。
アシュタロスが一体何を期待しているのか、なんて。聞かなくても分かる。
ポチのみ訳が分からず首を捻っているけれど、わざわざ説明しようとは思わない。
リビング、迎えてくれた子供たち。

「お帰りなさいでちゅー、パパー!!」

早速タックルかます末っ子。

「お帰り兄さん。ご飯できてるわよ」

「今日は皆で作ったのさ」

長女と次女に言われ、感動でその目を潤ませる雇い主。
確かに甘い匂いに混じって漂うこれは…シチューだろうか。

「ルシオラちゃんたちが作ってくれたの?! うわぁ凄いね、ありがとう!」

「べ、別にこれくらい。私だってもう子供じゃないんだし」

満面の笑みを浮かべる兄に、照れくさそうなルシオラ。
その様子を見つめながら、席に着くように促すべスパ。
テレサは帰ってきていないが、今日はメドーサもハーピーも愛子も一緒だ。
あいにく小鳩は出来上がったクッキーを持って帰ってしまったけれど。母と貧ちゃんにあげるとのこと。
そしてちゃんと横島の分をパピリオに預けていっている。
シチューを皿に取り分け皆で仲良く、

「いただきます」

一人ぶすっとしていたメドーサのことはそっとして置いてあげよう。帰るタイミングを逃したのだ。
皆で少し早めの夕食。アシュタロスが異常なテンションで美味い美味いと連呼し皿の中身を平らげ、微妙に周囲から引かれていたが。
それさえのぞけば、至極穏やかな夕食時の風景。
TVが流すのは当日という事もあってやはりバレンタインの話題。
今年はこういう系統のチョコが売れたとか、チョコ以外ではバレンタイン関係でこういった商品が売れたとか。
とにかくバレンタインづくしというか。流石に強調しすぎではないか?と見ている横島と陰念は冷静に思ったものだ。
けれど、自分たちのすぐ傍に。それらの番組を見てあからさまにそわそわする人物がいた。
ええ、当然アシュタロスだ。
先ほどからちらちら娘たちに視線を送っている。
自分から言い出さないだけまだマシだろうか?
その空気の中でまず動いたのは、愛子。

「はい、横島君。手作りクッキーよ! バレンタインに手作りお菓子!! 嗚呼、青春よね……!!」

瞳をきらきらさせつつ、マーブル模様のクッキーを手渡す。
他の皆にも渡したけれど、アシュタロスだけがそれと分かるほどがっくりしていた。
理由は分かっているので愛子も何も言わずに、苦笑するだけ。
見かねたのかべスパが、ハーピーとアイコンタクト。
用意しておいたチョコレートフォンデュ。沢山のフルーツとともにテーブルに並べれば上がる歓声。

「パパ、バレンタインのチョコレート。今年はハーピーと一緒にチョコレートフォンデュを作ってみたんだ。
どうかな?」

首を傾げるべスパを、アシュタロスは感動のあまり抱きしめた。

「う、う、嬉しいぞべスパぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! パパは、パパは…三国一の幸せ者だ〜〜〜!!」

「ちょ、落ち着いてパパ!」

ごす!! 脳天に一撃入れてようやく鎮まる魔神様。

「凄いでちゅ〜、おいしいでちゅ〜!」

「本当でござる〜。あ、拙者次はおれんぢが食べたいでござる!」

「シロ、危ないから。俺が取ってあげるから無理に手を伸ばさない」

「ああ、娘の愛のこもったチョコはなんと美味しい事か!!」

「……いや、まぁ。美味いけど、うん」

「我ながらいい出来じゃん」

「チョコを溶かして果物切っただけなんだけどね」

「……ぐ。そうかチョコレートフォンデュもあったんだ」

皆でわいわい食べ進める中、その見た目の華やかさに一人打ちひしがれる少女がいたけれど。
メドーサがこれ見よがしに立派な出来栄えの、当然味も上等なザッハトルテを持ってきたりして、約一名のテンションがどんどん下がっていったりもしたけれど。
全体的にはいい空気。
パピリオとシロの手作りクッキーをもらったアシュタロスが暴走しかけて、横島の鉄拳制裁により沈められるのも日常茶飯事。

「へぇ、これパピリオちゃんが作ったんだー。上手だね。ありがとうパピリオちゃん」

「ふふ〜ん、パピリオちゃんにかかればこれくらい! 簡単でちゅ!」

「手作りクッキー。食べるのがもったいない。……そうだ、魔力で永久保存を!」

「今すぐに食べるでちゅ!!」

そんなほんわか仲良し親子トークを交わしているその横で、

「犬飼! 今日はバレンタインデーでござる。拙者としては不本意でござるがパピリオ殿に言われたから……。
仕方ないからやるでござる! 食え!!」

ちっさい手に突きつけられたのは、可愛い袋に入った大きいクッキー。
戸惑ったのはポチの方。人型に変じ、シロとクッキーを見比べる。
帰ってきた時から何か様子がおかしいとは感じていたけれど。

「何してるでござる? 早く受け取るでござる!!」

不機嫌そのものの声で言われて、一応受け取りはするが。どうすればいいのか?
シロの様子を窺えば、その目が訴えていた。
さっさと食べろ! 感想を言え!
甘いものは好きではないけれど、渋々一枚取り出し口に運ぶ。

「………………あー、美味い」

出たのはその一言だけ。

「本当でござろうな?」

「ああ」

応えても、疑わしそうに見てくるから。だから、聞いてみた。

「……食うか?」

テンション上がりすぎて沈めても沈めても立ち直るアシュタロスの相手に疲れて、ふと室内を見回した横島。
部屋の隅っこ。シロを膝に乗せてクッキーを食べさせているポチの姿が目に付いた。

(嗚呼、仲良くなったんだなぁ。良かった良かった)

一人うんうん頷いて。そうして、再び雇い主の米神目掛けて鋭い蹴りを放った。
そんな横島を見て一人悶々と悩んでいるのは言わずと知れた長女ルシオラ。

「姉さん、悩んでないでさ。その、早くチョコ渡したら? せっかく作ったのにもったいないよ」

そう、べスパが控えめに助言すればそうねーと虚ろな声が返ってきた。

(重症ね、姉さん。……仕方ないね、あんまりやりたくなかったんだけど!)

胸の中、一人呟き。

「別に渡さないなら渡さないでいいよ? でもさー兄さんて結構もてるよね。本人気付いてないけど。
愛子さんも小鳩さんも、あの冥子さんも兄さんの事嫌ってないよ。むしろ好きだよね。
――このままだったら誰かに持ってかれるかもね?」

メドーサあたり大穴だよね。可能性無いわけじゃないし?
意地悪くそう付け加えてやれば、ショックを受けたらしく姉の体が硬直した。
そして待つ事数秒。

「駄目よ、そんなの!!」

叫んで、がばりと立ち上がる。べスパの方を見もせずにそのままキッチンへと駆け出した。

「頑張って、姉さん!」

妹の応援は、周囲の喧騒にまぎれて消える。

「パパ! はい、チョコレート!! これ食べて大人しくしてて!!
兄さんはちょっとこっちきて……っ!」

チョコレートブラウニーの入った箱をぞんざいにアシュタロスへと投げてよこし、兄には妙に鋭い視線を向ける。

「こ、これは…手作りかい!? ルシオラの手作りケーキ! ひゃっほう、ありがとう神様!!」

臨界点突破したテンションで、とりあえず魔神が口走っちゃ駄目だろうセリフで歓喜を表す雇い主を気の毒そうに見つめる横島。
大事な妹の強い視線にただ頷いた。
そして連れてこられたのは、庭。
窓からこぼれる明かりでそう暗くは無い。

「ええと、その、ね……兄さん」

「ん? どうしたの、ルシオラちゃん?」

もじもじとうつむくルシオラに、まったく持って分かっていない横島が首を傾げる。
気持ちを察して欲しいところだが、今までの経験から言って絶対無理!(太字) だからルシオラは行動に出る事にした。

「あの、その…これあげる!!」

勢いよく。後ろ手に持っていたやや小さめの箱を突き出す。
リボンで可愛らしくそして気合を入れてラッピングされたそれに、横島はええと…などと煮え切らない声。

「俺に? 貰っていいの?」

問いに、ルシオラはうつむいたまま頷いた。
そしてもう一度、問い。開けていいか?と。
それにもルシオラは小さく頷くのみ。
受け取った箱。恐る恐る開く。
中に納まっていたのは、可愛らしいハート型に焼き上がったチョコレートブラウニー。
上にのったクルミもハート型に並んでいた。

「ええと、料理は、得意じゃないけど一生懸命作ったの。味見もしたし、そんな悪くないと思う。
それに一番出来のいいのを兄さんに食べてほしくて……」

だんだんと小さく消えてゆく語尾。うつむいているけれど、耳まで真っ赤になっているのがはっきりわかる。
ルシオラの態度と言葉に、ようやく意味を察したか。横島もまた赤くなった。
あーだのうーだのしか、言葉が出てこない。

[あー、こんな時に出るなんて無粋だと思うがよ。兄弟に任せてたら話しが進まねーからはっきり言うぜ?
蛍のお嬢にちゃんと応えてやれよ?]

魔眼に釘を刺され、内心爆発しそうな頭を抱える横島。
自慢じゃないが生まれてこの方もてる、どころか女の子に好意をもたれた事など一度も無い!
事実は違うのだが横島自身に一切自覚が無いからそう言う事だ。
でもって今目の前にいるは妹のような女の子。ホントにちっちゃい頃から面倒を見ていたわけで。
好きか嫌いかで言ったらもちろん好きで。そんな事を考えている間に、何故かどんどん体温が上がっていって。

「その、えっと。……お、俺もルシオラちゃんのこと、好きだよ」

「ホントに、兄さん?」

そのセリフに、ようやく顔を挙げ横島を見つめるルシオラ。

「……うん!」

自分と同じ様に顔を赤らめたままそれでも力強く頷く横島に、ルシオラは瞳を潤ませて――

「兄さん!!」

抱きついた。
横島もぎこちなく、けれどそっとその細い体を抱き返す。
どこかか遠い所から、

「アシュ様ぁ〜〜〜! 待ってて下さいねぇん、今すぐ私の手作り感たっぷりのチョコ的なものを渡しに行きますわ〜〜!!」

「ぎゃー、離せぇ! てめー一人で行けぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「なぜだ、なぜ霧になれないんだっぁぁぁぁぁぁぁぁあ?! お助け下さい、主よぉぉぉ!!」

「ひぃ、奴だ! 奴が来るぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

絶叫っぽいものが響いてはきたけれど、しっかりと抱き合う二人の耳には入らなかった。


次の日。朝帰りしたテレサがいくつもの屍と桃色っぽいオーラを放つ横島とルシオラを見て首を傾げたが、答えてくれるものはいなかった。


続く


後書きと言う名の言い訳

ルシオラ、君は間違いなくアシュ様の子だ!! はい、と言うわけでーくっつきました。くっちゃいちゃいました。
あれー? おかしいな当初の予定には無かったよ。なんでくっついてんだろう??(首傾げ)
今回は女の子陣、とくにルシオラパート書くのが楽しくて! そのせいで暴走したのかもしれません。ですがくっついてもエロとかないです。
このシリーズでそんなのは無理だ。アシュ様がシリアスやるのと同じくらい無理だ!!
さて、次回はどうしよう何書こう?(笑)
では、ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました!!

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