横島たち霊能部組の6人と峯たち六女組の3人は日常的な付き合いは無いし面識のない者もいるので、いったん別の所に集まって会場で顔合わせすることになっていた。
横島たちが魔鈴の店に到着したのは約束の時刻の10分前だったが、峯たちはまだ着いていないようだ。
「あら、いらっしゃい! 峯さんたちはまだ来てませんけど、先に部屋に入りますか?」
部屋というのは魔鈴がセッティングしたパーティールームのことである。横島たちはこの場にいても仕方ないので、言われた通り部屋で待つことにした。
そこは小綺麗な感じのする洋風の部屋で、すみにはクリスマスツリーが飾られていた。真ん中に10人くらい座れる大型の円形テーブルが置かれており、暖房もほどよく入っている。
横島はまず窓の外を見てみたが、普通に夜の街が見えた。どうやらここはケーキの世界ではないようだ。
ほっと安堵の息をつきつつ、ジャンパーを脱いでハンガーにかける横島。キヌやピートも同様に防寒着を脱いでいたが、何とはなしにそれを見ていたカリンはキヌがコートの下に着ていた服を見てぴしりと硬直した。
(あ、あれは確か、横島がいつかのクリスマスの時におキヌ殿にプレゼントした服……!)
横島がキヌと知り合ったのは今年に入ってからのはずだが、キヌが着ているのは間違いなく横島が織姫の所にお使いに行った報酬として手に入れた品である。キヌが今日これを着てきたという事は、横島に告白……とまでは行かずとも、好意を抱いてることの表明だと思って良かろう。
また邪魔に入らないといけないか……と内心で小さく呟きかけて、ふとカリンは料簡を変えた。考えてみれば横島が竜神になった時点でキヌと結ばれる目は消えたのだから、彼女をいつまでも片想いのままにしておくのはかえって残酷というものだ。すっぱり諦めてもらう方がお互いのためだろう。
別に竜神になった事まで教える必要はない。小竜姫と恋人同士になったと告げるだけで済むはずだ。
横島と小竜姫が婚約してからまだ日も浅いし、彼の竜神化とか期末テストとか百合子の来訪とかいろんな事件があったからこんなことを考える暇もなかったが、もう落ち着いたしケリをつけてもいい頃だと思う。
本当は横島自身がやるべき事なのだろうが、キヌが告白する前から「俺は小竜姫さまと付き合ってるから諦めてくれ」なんて言うのも変な話である。
(……やはり私が言うしかないか。気が重いが、仕方ないな。今日は9人も集まるから機会はないかも知れないが)
カリンがそんな物思いにふけっていると、突然「メリークリスマース!」という複数の声とクラッカーが鳴る音が聞こえた。どうやら峯たちが到着したようだ。
六女組の3人は期待感に満ちた表情をしていた。峯はもちろんだが、神野と遠藤も事前にピートが来ると聞いていたので、ぜひお近づきになろうと思っているのである。除霊実習での活躍度では横島(というかカリン)に引けを取ったが、美形度と紳士度は比較にもならない。それに狐妖怪と机妖怪はともかく、「あの」美神事務所の従業員でネクロマンサーだという少女にも興味があった。
「こんばんは。また押しかけちゃいましたけど、よろしくお願いしますね」
「いえ、気にしないで下さい。それより自己紹介でも」
六女組を代表して峯が挨拶すると、ピートがいかにも紳士っぽい態度で非の打ち所のない答えを返す。
横島的にはまことに面白くない展開で、思わず「抜け駆けすんなピート!」と言いかけたが、隣にタマモがぴったり張りついていたので中止した。それに彼は先日神野たちに会っているから、自己紹介の必要はないので割り込めないのだった。
自己紹介が終わったら席に着くことになるが、神野と遠藤は来る前からの予定通り、「免許持ちGSと除霊の話をする」という名目でなし崩しにピートの左右に陣取った。
(く、やっぱり男は顔なのか!? 美形様には何やっても勝てんとゆーのか!?)
その憎むべき光景に内心で地団太を踏む横島。もっとも彼は林間学校の時に彼女たちの前でいろいろおバカな真似をかましていた事はきれいさっぱり忘れてしまっているわけだが、この内心を口には出さなかった辺り少しは成長したと言えるかも知れない。
ただ横島はポーカーフェイスを保つことまではできなかったようで、その顔つきでおおむね彼の心理をさとったタマモが横島の上着の裾を引っ張った。
「じゃ、私たちはこっちに行きましょ」
「え? あ、ああ」
今さらのように狐娘の存在を思い出した横島が、裾を引かれるままにタマモについてピートたちの正面辺りの席に座る。キヌもさりげなくそれについて行ったが、カリンはそれを邪魔しようとはしなかった。
それはさすがに意地悪が露骨すぎる―――なんて弱気なことを思ったのではなく、峯がこれまた忍者の技を駆使した絶妙な足運びで影法師娘の進路に立ちふさがったからである。恋愛模様は早くも混戦の様相を呈してきたようだ。
峯は百合の性癖を級友たちには秘密にしているのだが、この行動に問題はない。ピートを神野と遠藤に譲った今、「免許持ちGSと除霊の話をする」ために、除霊実習で最も目立つ活躍をしたカリンの隣に行くのは別におかしなことじゃないのだ。あからさまな口説き文句を言ったりしなければ、神野と遠藤も変に思ったりはしないだろう。
結局席は横島から見て右回りにキヌ・カリン・峯・神野・ピート・遠藤・愛子・タマモという順になった。もちろんタマモは横島の左隣ということになる。
(うーん、まあ仕方ねえか)
と横島はこの席順に妥協した。自分の左右には2人しか座れない以上、カリンとタマモがいる場所で六女の娘をあまりしつこく追いかけるのは得策ではないし、峯もまさかこの場でカリンを口説いたりはしないだろう。
そこへ計ったようなタイミングの良さで、魔鈴がトレイを押して部屋に入って来た。スープにサラダ、パンから七面鳥の丸焼きまで、美味しそうな料理がたくさん載っている。
愛子はメニューをどう構成すればいいかよく分からなかったので予算は1人当たり2千円也でお任せコースにしたのだが、今トレイに載ってる分だけでも原価割れしてそうなほど豪勢だ。
「今回はうちが開店してから初めてのクリスマスパーティなのでサービスです。たくさん食べて行って下さいね」
魔鈴がそう言ったのは嘘ではないが、これは真実のごく一部に過ぎない。本当のことを言うと横島がかえって居心地の悪い思いをしそうなので、あえて当たりさわりのない理由を述べたのだ。
「うーん、すごいわ! やっぱりここにして良かった」
愛子はもう眼をキラキラさせて喜んでいる。基本的に無収入、かつ物質的な食事を必要としない彼女は、こんな立派な料理の山を見るのは初めてなのだ。
「ありがとうございます。それじゃ、楽しんでって下さいね」
と魔鈴が手を振りながらドアの外に去っていく。ぱたんと軽い音を立ててそれが閉まると、愛子はこほんと咳払いして皆の注目を集めた。
「さて、本日は私のためにこんなに大勢のみなさんにお集まりいただいて……」
「いや、愛子のためとかそーゆーんじゃないと思うが」
「いーじゃない別に!」
せっかくの幹事としての挨拶にヤボな突っ込みを入れられて、愛子は不本意そうに眉をつり上げた。確かにちょっと表現に適切でない所があったかも知れないが、このくらいの茶目っ気は軽く流してくれてもいいではないか。
横島のせいで(?)流れが止まってしまった。愛子は仕方なくこのまま乾杯に移ることにして、手元に置かれたグラスを高々と掲げ上げた。
「……それでは、メリークリスマスということで。乾杯!」
ちなみにグラスの中身はノンアルコールシャンパンである。良き魔女たる者、未成年に酒精を飲ませたりはしないのだ。
「「かんぱーい!!」」
カチカチカチーン!とグラスを打ち鳴らす音がテーブルの上に響き渡った。
「今度除霊するところ見学させてくれませんか?」
「本職の方の仕事ぶりを見る機会ってなかなか無くて……」
神野と遠藤はさっそくピートにコナをかけていた。タダスケの世界でかって弓がやったのとまったく同じ手法である。
ただここではピートが置かれた状況の方が少し違っていて、
「あ……うん。でも先生のところに来る依頼は単純なものばかりだから勉強になるかどうか……」
となぜか少しびくつきながら答える。今は「横島や雪之丞の方が」とは言えないので、こういう逃げ方しかできないのだった。
しかしどうもこの少年(?)、異常にモテるくせに女性に迫られるのは苦手のようである。
「いえ、あまり難しいお仕事だと足手まといになって迷惑でしょうから、むしろ単純な方がいいです。私たちもその方が分かりやすいですし」
とさらに1歩踏み込まれてたじたじになるピート。この分では陥落は近いかも知れない。
「カリンさん、本当に食べなくていいんですか? せっかく美味しいのに……」
この台詞はみごとカリンの隣の席をゲットした峯のものだが、初めから承知していた事とはいえ、やはり自分だけ食べるのは気が引けるようだ。しかしカリンはいたって鷹揚に、
「ああ、私は影法師だからな。物を食べることはできないし、その必要もないんだ。
しかし代わりに虫歯や便秘とも無縁だからな、別に不満に思ったことはない。だから私のことは気にしなくていいぞ」
といつか横島に言ったのと同じようなことを答える。本物の竜神になったのだからもしかしたら食事も可能になったかも知れないが、別に必要のないことだし、体内に食べ物が残っている状態で横島の中に戻ったらどうなるか分からないので試す気にはなれないのだった。
「そうですか、じゃあ遠慮なく」
峯は健康だが、子どものころからずっと無病息災でいたわけではない。なるほどそんなメリットがあるのなら、余計な気遣いは無用であろう。
ということで峯は食事を再開したが、カリンとはいろいろと話したいこともある。
「そういえばカリンさんはGSにはならないんですよね。GSの修行はもう止めちゃってるんですか?」
もしそうなら大変さびしい事なのだが、幸いにしてその心配は杞憂だった。
「いや、修行はちゃんとしてるぞ。でなければ横島も『伊達殿の手伝いをするかも知れない』なんて言えないからな。
それとも弱くなったように見えたか?」
とカリンがいっそ挑発的とも見えるような笑みを浮かべると、峯はあわてて両手をぶんぶん振って否定した。
「い、いえ、そんなことは! むしろ強くなったような感じです」
カリンの霊圧=横島の霊圧は現在約90マイト、林間学校の時の1.5倍である。2人は霊力を抑えているから峯は正確な数値までは読み取れないが、カリンのパワーが大幅に上昇したことは理解できていた。ちなみに峯自身は65マイトだから、今度術のかけ合い勝負をやったら一方的に打ち負けてしまうだろう。
「……そうだ。今までお流れになってましたけど、また試合してくれませんか? いえ勝負とかじゃなくて、胸を貸してもらうっていう感じで」
もちろん峯は今さら横島とカリンに勝って自分と九能市の恥をすすごうなんて考えは持っていない。この申し出は、単にトレーニングと親睦をかねて会いたいというだけのものである。
カリンは少しだけ考えた後、
「ふむ。そうだな、胸は貸せないが試合はやってもいいぞ。
ただし話は横島を通してくれ。仲間外れにするとうるさいからな」
「い、いえ、そーゆー意味じゃなくてですね」
わざわざ「胸は貸さない」と念押しされて、峯はちょっとたじろいだ様子で手を振った。確かに「そういう意味」で胸を貸してもらえたら非常にうれしいが、今はそれを考えてたわけじゃないのだ。
「そうか、それは失礼したかな。ではおわびに1杯注ごうか」
とカリンが飲み物が入った瓶を取り上げる。カリンは峯が百合な行動さえとらなければ、普通に仲良くするつもりのようだ。
「あ、は、はい、ありがとうございます」
むろん峯に断る理由などある筈もなく、あわあわしながら両手でグラスをささげ持った。実は初々しいところもあったのか、かなり緊張している様子だ。
カリンはクスッと微笑みながら、せっかくなので満杯ぎりぎりまで注いでやるのだった。
「あれっ? おキヌちゃん、その服は確かいつかのクリスマスの……」
「もう……! やっと気がついてくれたんですか?」
横島は女性のおしゃれについての感性は鈍い部類に入るから、キヌが着てきた服のことに気づくのはカリンよりかなり遅かった。キヌはそのにぶちん振りをじれったく思っていたのだが、ようやく気づいてもらえたことに相好を崩す。
横島は基本的にキヌには煩悩やらスケベ心やらは向けないのだが、こうして好意を示されればうれしいし、親睦を深めようという気にもなる―――のだが、すでに人間を辞めてしまった自分が、ましてカリンとタマモの前で彼女とあまり親しくするのはどうかという気持ちもあって、態度は微妙に中途半端になっていた。
「ところでその服、ふだんも着てたりするの?」
「いえ、いつもはタンスの奥に大事にしまってありますよ。洗濯機で洗うと痛んじゃうそうですから、着るのはこういう行事のときだけです」
「へーえ……」
横島はこの服を手に入れるために文字通り死ぬほどの苦労をしたから、大切にしてくれるのは素直にうれしい。心のガードも緩んで来ようというものだが、タマモはその光景を横目で見ながら内心でこめかみに井桁を浮かべていた。まったく、キヌもいくら知らない事とはいえ、人の彼氏に目の前でこんなあからさまなアプローチをかけるとは。
しかし今回はその感情を顔には出さなかった。それで愛子に横島との関係をバラすハメになった恥辱はまだ記憶に新しいのだ。
(……横島は一応自制してるみたいだけど、おキヌちゃんは横島と小竜姫さんとのことまだ信じてないのかしらね)
かといって強引に2人の間に割り込んだり、「横島はもう小竜姫とくっついてるんだから諦めろ」なんて最終通告を出したりしたら、せっかくのなごやかなパーティが台無しになってしまう。タマモもやはり自制して、隣で幸せそうにローストビーフやらラザニアやらをほおばっている愛子の方に顔を向けた。
(……そーいえば愛子さんって机の方が本体で、この女の子はおキヌちゃんが幽体離脱してるのと同じようなものなのよね。今食べてるご飯ってどこに行くのかしら……?)
カリンも幽体離脱したキヌも食事はしない(できない)のに、なぜこの机娘にそれが可能なのか。体内に異空間を持っている事が関係しているのだろうが、排泄がからむ事だからとても聞けなかった。
(そーね、そんなことはどーでもいいわ。おキヌちゃんだってまさかここで告白なんてしないだろーし。
よし、こーなったら今夜は会費の10倍くらい食べるわよ!)
とタマモはいきなり割り切って、自分もお高そうなマリネやらチキングリルやらに手を伸ばすのだった。
テーブルの上の料理がなくなりかけてきた頃、突然窓が開いてその向こうから魔鈴の声が聞こえてきた。
「お楽しみ中のところすいません。デザートの前にちょっとしたイベントを用意しましたので、こちらに来ていただけますか?」
「……え?」
横島たちがそちらを見てみると、いつの間にか窓の外は土が露出した平原になっていた。真っ暗な空には数え切れないほどの星々がきらめいている。
そして魔鈴は窓のすぐそばで大きなサンタのソリに乗って、みずから御者をつとめていた。これに乗せてくれるというのだろうか。
(異世界……!?)
横島は反射的にそう思ったが、それよりも彼の目を激しく引きつけたのは。
「おおっ、魔鈴さんのミニスカサンタルック!? むっちりした太腿が新鮮だっ!」
「もっと他に見るべきところがあるだろう!」
「へぐっ!?」
カリンの怒声と鉄拳を同時にくらって、横島は床に倒れた。
影法師娘は窓際に歩み寄って外を見渡してみたが、真っ暗なのでこの空間がどれほどの広がりを持つのかは分からなかった。ただ雪は降っても積もってもいないので、少なくともケーキの中の世界ではなさそうだが……。
魔鈴がにっこり微笑んで、
「私の魔法で部屋を異世界につなげたんです。クリスマスですので、サンタの旅を擬似体験してもらおうかなと思いまして。
あ、もちろん人の家の中に入ったりはしませんから安心して下さい」
「……つまり、そのソリで空中遊覧をしようということか」
カリンたちは自前で飛べるが、こういう趣向は目新しい。むろん愛子や六女組にとってはもう2度と体験できないだろう激レアイベントだから諸手を挙げて歓迎した。
「よかった、それじゃ窓から出てソリに乗って下さい」
客たちの好意的な反応に安心した魔鈴がほっとした顔で手招きする。ソリは御者席の後ろに3人席が3列並んだつくりになっていて、ちょうど9人全員で満席になるようだ。
席順は今までの配置が反映されたのか、1列目にタマモ・横島・キヌ、2列目に愛子・峯・カリン、3列目が神野・ピート・遠藤となっていた。
9人全員が座ったのを確認すると、魔鈴がゆっくり手綱を引っ張る。トナカイが静かに歩き出し、ソリはランナー(滑走部)から星屑のようにまたたく光を散らせながら空中に浮揚した。
「すごい、本当に空飛んでる!?」
これが魔法というものなのか。峯たち六女組は横島たちほどには超現象慣れしていないので、目をまん丸にして驚いていた。また9人の中でカリンとタマモだけはこの空間とソリにどこかまやかしめいたものを感じていたが、初めから「魔法」とか「異世界」と明言されていた事なので特に意見は言わなかった。
「でもこの景色ってどこなんですか? 東京じゃないと思うんですけど……」
とキヌが御者席の魔鈴に不思議そうに声をかける。東京ならこんなに星は見えないし、地上の灯りもまばらにしか見えないなんて事はないはずだ。
すると魔鈴はにっこりと会心の笑みを浮かべて、
「ええ、今はサンタの起源の、4世紀頃の小アジアの景色になってるんです。しばらく飛んだら現代日本にも行きますから、そしたら都会的な夜景も見られますよ」
「すごい……!」
愛子が眼を潤ませ、感動を満面に表してつぶやく。ちょっと人助けをしただけなのが、こんな素敵なトラベルに変わるなんて。
眼下に広がる夜の街は、所々に灯火がついて中世的ながらも人の営みを思わせる。その景色はどんどん流れていくものの、しかし前方からの向かい風は感じない。自分たちが前の方に飛んでいるのではなく、まるで夢の中で飛んでいる時のように、周りの景色の方が動いているのではないかとさえ思えた。
そう、この異世界そのものが夢の中であるかのように。
(……突貫作業で大変でしたけど、やって良かったですね)
後ろで少女たちが感嘆の声をあげているのを聞きながら、魔鈴は満足げに口元をほころばせた。魔法で助けてあげた人たちの笑顔や感謝の言葉こそ、良き魔女にとって何よりの報酬だから。
ところがその感慨は長くは続かなかった。なぜかソリの動きが急に不安定になり、ぐらぐら揺れ始めたからだ。
「え、何、魔法が干渉されてる……!? うそ、十分耐えられるはずなのに!?」
どうやら空を飛ぶ魔法が後ろにいる9人の霊波に干渉されて、おかしくなってしまったようだ。GSや妖怪が何人も参加することを考慮した上で組み立てた魔法なのだが、空間制御と一緒にやっているせいで脆くなっているのだろうか。
正確な理由は、魔鈴が横島たちの霊力を低く見積もりすぎていたからである。横島とカリンは「人間の霊気1人分」ではなく「竜神の竜気2人分」を持っていたし、タマモは猿神の試練で妖力が大幅にアップしていた。それを知らない魔鈴は、突貫作業だった事もあって魔法を「GS8人の霊波+余裕分」に耐えられるレベルで組み立ててしまったのである。
もっとも今はそんな考察をしている場合ではない。だってもうじきこのソリは地面に落っこちてしまうのだから。
後ろで慌て始めているお客たちの方に顔を向けて、
「すいません、みなさんの中で空を飛べるのは誰と誰ですか……?」
その質問は、つまり横島たちにこのソリはもうすぐ墜落することを宣告するものであった。飛行能力を持たない愛子と六女組の顔がさーっと青ざめる。
「「そ、そんな……きゃーーーーっ!?」」
ソリがぐらりと傾き、少女たちの悲鳴が暗い夜空に響き渡った。
―――つづく。
というわけで、やっぱり平穏無事には終わりませんのですよー。
ではレス返しを。
○黒さん
はい、当然のようにアクシデントが起こりました(ぉ
横島君たちが令子さんの所に戻るのはかなり厳しいですねー。必勝の策としては、令子さんが自分を差し出すことなのですが<超マテ
○Tシローさん
はい、ピートはしっかり狙われてます。
原作と違って異世界にもついて行ってますからますますピンチにw
>令子さん
苦悩してる間に横からさらわれちゃいそうですのう。
>おキヌちゃん
まずは例の服で自己アピールをしておりますが、どうなることやら。
>横カリタマ
いあいあ、仲良きことは美しいのですよー。
○whiteangelさん
>まともな人
人格の面でいうなら、横島君と峯さん以外はまともかと思われますが、一般人という意味だったら確かに誰もいないですね(ぉ
>カリンが言ったひと言
彼女のことですから単にからかってるだけという可能性も高いですが(w
○電子の妖精さん
横島君もあの状況で胸とかさわってたら本当にただのバカですからねぇ。理性を振り絞って耐えたのでありましょう。
奥さんズにとっては好ましい変化ですが、それで横島君のモテ度が増したら気苦労が増えるのでプラマイゼロという所でしょうかw
>時給300円
原作では文珠会得して戦友になって、やっと「300円くらいでいいか」ですからねぇ。ここの横島君は戦力では上を行ってても好感度は負けてますから、やはりその程度ということにorz
○ばーばろさん
今回はちゃんとパーティ始めましたのでー。もちろんアクシデント起こるところまで進めました(ぉ
>実家が寺とか神社とか
日本人の宗教観なんてこんなものですよねぇ。
>弓さんは尻に敷く
がんばれユッキー、男のメンツにかけて!
>苦しむのはクロトさまだけで、私は読んで笑うだけですが
ひどい(;>ω<)/
筆者としては書けるところまで書く所存でありますがー。
>令子の苦悩
真実を知ったらますます横島君たちが欲しくなるでしょうけど、正当な給料を出す気になるかどうかは微妙ですよねぇ。
>魔鈴さん
いあ、お揚げだけじゃタマモンは落ちませんよー。あと2つの要素、「横島」と「安全」も刺激しないと(ぉ
>ピンク指定のフリ
キスのお返しがピンクというのはちょっと返しすぎ……いや、クリスマスだからそんなの関係なしでピンクになるのかなあ横島家の幸せ者たちは(^^;
○紅さん
横島君たちは秘密を守ってますからねぇ。令子さんの知ってる範囲の情報ではやむを得ない反応かと。
おキヌちゃんは自力での攻勢に乗り出しましたが、勝てるかどうかはまだ分かりませぬ。
○チョーやんさん
ども、ご快癒おめでとうございます。
魔鈴さんの店でクリスマスパーティするのは定番なので予想通りになるのもやむを得ませんが、この先は読ませませんともー!
>峯さん。
クノイチさんで触手でスタイル良しですから!
触手責めとか書きたいんですけどねー<マテ
>令子さん
あれはもうサガですからねぇ。死んでも治りません(ぉ
>やっぱりタマモンはツンデレでなくてはw
令子さんのツンデレよりは可愛らしい感じが似合ってますよねぇ。
○HALさん
>峯さん
彼女は知能犯なので、そんな愚行はしませんですよー。どじっ娘でもあるのでこの先どうなるかは分かりませんけど(ぉ
>魔鈴さん
とりあえず舞台はできました<マテ
>おキヌちゃん
彼女は令子さんの所に預けられてる形なので、美神事務所を出るわけにはいかないんですよねぇ。横島君を復帰させることにこだわってたのもそれが一因なのですが、何とか幸せになってほしいものであります。
>「神聖な修行場で云々」
100話も前に書いたことを覚えてていただけるとは物書きとして大変嬉しいのでありますが、言った当人はとっくに忘れてるような気がします(酷)。
○夜雲さん
令子さんは横島君竜神化のこともGMの凄さも知りませんからねぇ。知ったらさすがに作戦変更するかと思うんですが(^^;
当然横島君も仰るとおり最低賃金以下で雇われるなんて論外ですし、美神事務所復帰は難しそうであります。
おキヌちゃんはとりあえず原作と同じ方法を使ったみたいですが、効き目のほどはまだ分かりませぬ。
○遊鬼さん
峯さんは横島君たちとは日常的な接点がないので、何らかのイベントがないと出て来られないのですなorz
この話を読んで、ちょっとでもパーティー気分を味わっていただければ幸いであります。
令子さんは……諦めてないというか何というかw
○Februaryさん
ご祝辞ありがとうございますー。千鶴嬢を気に入っていただけてまことに嬉しいですw
黒キヌちゃんは前作で大活躍したので、今作では出ないような気がします(ぉ
>ヒャクメ
ひどいw
○山瀬竜さん
>峯さん
忍者の仕事は頭脳も冴えていないと務まらないのですよー。近いうちに化けの皮がはがれそうな気もしますが(酷)。
>クラスメイトがどうなるやら
「横島のくせにー!」の大合唱が起こりそうですねぇ。くわばらくわばらw
>ピート
味方からの攻撃はなさそうですが、無事に帰れるかどうかはまだ分かりませんです(ぉ
>タイガー、魔理
峯さんも弓さんの友人は誘わないでしょうしねぇ。珍しい展開になっております。
>美神さん
なるほどー、そういう見方もありますねぇ。筆者も意識してませんでしたが(ぉ
高島と玉藻の前はさすがに知り合ってないでしょうけど、高島の来世辺りが出会ってたとか捏造することは可能であります<マテ
○cpyさん
>ゆっきーと弓
あまり大勢パーティに来られても描き切れな……もとい。2人とも気の合う恋人ができて幸せでありましょう。
>横島
彼は女で変わるタイプですからねぇ。
○読石さん
>峯さん
百合道は初めから成就する可能性の低い道ですから、覚悟は半端じゃないのですよー。
>美神さん
彼女はけっこう人を甘く見るところがありますからねぇ。ましてや重要な情報を知らずにいる状況ですし。
横島君を復帰させるのは難しそうであります。
>おキヌちゃん
彼女にとっては令子・横島・自分と3人そろってるのがデフォルトでしたでしょうから、発想の転換に踏み切るのはなかなか難しかったと思うのですよー。
>横島君
ずいぶん味な真似をしてくれるようになりました。こんな横島なんて(以下略)。
○KOS-MOSさん
タイガーはそもそもまだ来日してませんからねぇ。最終回まで来なさそうということで、不幸の反動は彼に行ってるのかも知れませぬ。
峯さんはここではあからさまな迫り方をする気はないようですが、いつまで猫をかぶっていられるか(ぉ
○ロイさん
このSSでは魔鈴さんは横島君に恩義があるので、原作より大掛かりな仕掛けを用意しておりました。
その分戻るのも厄介になるのですがー(ぉ
>おキヌちゃん
奥さんズも本気で勝負をつける気になりましたが、がむばって欲しいものです。
○名称詐称主義さん
うーむ、インパクトが足りなかったんでしょうか(ぉ
○風来人さん
>マンドラゴラ
うーん、まったくその通りでありますねぇ(汗)。
>横タマカリン
関係が秘密なので外ではあんまりやらないのがせめてもの救いなのかも知れませぬorz
>ユッキーの年齢
でも服装や行動は明らかに成人の社会人ぽいので、20歳ちょうどぐらいではないかと認識しておりますー。
弓さんとは4歳違いますが、六女には大学生の彼と付き合ってる娘もいますし、それほどおかしくはないかと。
>男比率
教師が来たらパーティどころじゃないような(^^;
○いしゅたるさん
どもお久しぶりですー。お褒めいただきありがとうございます。横島家の幸せぶりは、書いてる自分があやかりたいくらいです(ぉ
タマモとカリンのおキヌちゃんへの態度については確かにそういう面もあるんですが、しかしタマモとカリンは自分たちが横島君と付き合ってることを公言はできませんし、彼が他の娘とくっついたら家から追い出されたりする危険もありますので、ライバルに対してあまりお人よしにはしていられないのです。しかし今は小竜姫さまの名前を使えますので、本文で書いたような決意をするに至りました。
ただ原作のおキヌちゃんは横島君と恋人関係にあるわけでもないのに、小鳩編では横島君に圧力をかけ、サバイバルの館編では横島君をヘリから吊るし、アシュ編ではルシオラとパピリオを美神事務所の屋根裏部屋に住まわせようとしたりしておりますので、ここのカリンやタマモのやり方を特にひどいとかアンフェアだとは感じないかと思います。
ちなみに美神事務所への復帰に関する問題については、相手はおキヌちゃんではなく令子さんなので、フェアな勝負なんて言ってる余裕はありません(爆)。
>おキヌちゃんの心からの笑顔
あうorz
この辺は筆者の不徳の致すところで、弁解の余地もありませぬ。
しかしこれを描くには横キヌ純愛路線にするか、あるいは恋愛と無関係な話をつくるしかありませんので、なかなか難しいところです。
>おキヌちゃんの出番
霊能部か美神事務所の話になれば出ない方が不自然ですので、幸せになれるかどうかに関わりなく登場しますですorz
○通りすがりのヘタレさん
令子さんがメフィストだったらかなりいい勝負ができたんですけどねぇ。
タイガーは……祈ってあげて下さい(ぉ
>パーティ
男女比率2:8……我ながらすごい展開です(^^;
まあ男性陣2人はモテるので、さびしい思いをすることは無さそうですけど。
>峯さん
彼女の奮戦にご期待下さいー(ぇ
○鋼鉄の騎士さん
>おキヌちゃん
横島君は今仕事してないから、同僚という線すらなかったり(涙)。
>美神さん
美智恵さん辺りがちゃんとお金払うように言ってあげればいいのかも知れませんけど、彼女はそんな事するくらいならオカGで囲い込もうとするでしょうからねぃ(ぉ
>存在すらない虎
いあ、一応どこかの外国でセクハラの虎やってると思うですよー。どこの国かは知りませんけど(ぉ
○内海一弘さん
峯さんはドジといっても頭はいいですから、ちゃんと計画は立てておりますですよー。
うまく行く保証はないのですが(ぉ
○HEY2さん
ども、私のキャラを愛していただけて嬉しいですー。
令子さんはこういう人ですからねぇ。だからこそGS長者番付1位になれたんでしょうけど。
おキヌちゃんは……どうなることやら。
○tttさん
>おキヌちゃん
横島君は自分の意志で美神事務所にいたわけですから、復帰させるのが彼にとって迷惑だという発想にはなりにくいと思うのですよー。あまり穿った見方をするタイプじゃないですし、横島君も「戻るのは嫌だ」と断言してはいませんから。
>魔鈴さん
彼女はけっこう好きなので、本当はもっと出番をあげたいくらいなのですよー。たとえばこのパーティで横島君たちとの親密度を上げるとか(ぇ
○ぞらさん
>魔装術
カリンに任せておけば大丈夫でありましょう(ぉ
>竜神としての修行
師匠が小竜姫さまですから、やはり武術とか霊力アップがメインになるでしょうねぇ。
メドーサとの決着もついてませんし。
>美神令子
そういえば原作でもモデル系ならバイト代はずむようなこと言ってましたねぇ。カリンが主で横島君がおまけという発想ならまともな給料出すかも知れませんな。……って、それはさすがに横島君が納得できないかと(笑)。
>六道の娘さんたちの参戦
恋する乙女は強いのですよー。
おキヌちゃんには特に迷惑かからない、というかカリンを横島君から引き離してくれるのでむしろ役に立ってますw
>主人公の近くに居る恋人の位置は2名が限界
横島君の手は2本しかありませんから、1度に3人の乳をさわる事はできませんしねぇ<超マテ
○UEPONさん
>クトゥルー関連
ほほぅ、横島君もずいぶんメジャーになったものですな(違)。
>原作だと給料の上に六道女学院の授業料まで払ってるみたいですからねぇ
あれ、そんなことしてましたっけ?
まあ六女は授業料高いでしょうし、六女に通わせることを決めたのは令子でしょうから十分ありえる話ですけど。
>それでも横島君の時給は低いあたり美神さんですよねぇ
メフィストは素直だったのに、どこで間違ってしまったんでしょうねぇ。
>グロス
24回って、結構な数だと思うのですがw
○冬に咲く雪だるまさん
は、横島君はいい彼女に恵まれてますます甘ったるくなってます。
おキヌちゃんにしわ寄せしてる気はないのですが……orz
>パーティ
男女比の割にまとまりが良いようですw
○アレクサエルさん
ども、過分なお褒めをいただき恐縮であります。
峯さんは忍者なので、多少ずるいのは当然なのですよー。
>おキヌ
確かにそうですねぇ。まあそういう頭の回し方をしない素直な所が彼女の美点なのですが。
ただ上記の通りトラバーユは難しいのですけれど。
>美神
確かにシロもタマモも美神事務所に来る理由はないですからねぇ。まあ令子さんならおキヌと2人でもどうにかなるでしょうけど。
>「依頼を受ける代償に全財産」
横島君はそんな無謀な台詞吐くくらいなら、自分が全財産まとめて遠くに逃げるかと(笑)。
ではまた。