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「想い託す可能性へ 〜 にじゅう 〜」

月夜 (2007-10-14 01:22/2008-07-04 09:17)
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   想い託す可能性へ 〜 にじゅう 〜


 老師の結界が解ける三十分前になった。

 令子は顔を青くして気持ち悪そうにしている。小竜姫から渡された仙薬は、かなり効いたらしい。その横では、忠夫がしきりに首の辺りを気にしていた。ムチウチにでもなったか?

 「美神さん。結界の外では一時的に戦闘状態になる事が予想されます。空中を飛べる者がほとんどでしょうから、貴女と横島さんに私の装具をお貸ししますね」

 「良いの? 小竜姫だって防御に必要なんでしょう?」

 「打ち合わずに逃げるだけなら、神剣だけで充分です。篭手を美神さんに、額当てを横島さんにお貸ししますね」

 「ありがとうございます、小竜姫さま。忠夫、感激―!」

 そう言って、小竜姫の手を両手で握って礼を言う忠夫。

 「いえ、必要な事ですから」

 言葉は事務的だが、頬を染めて満更でもなさそうな表情が彼女の心情を表している。

 小竜姫の様子に令子は目を細め、パピリオは忠夫の腰にしがみついて自らの身体を摺り寄せて自分を彼にアピールしている。

 だが悲しいかな、パピリオは忠夫に苦笑されて頭をかいぐりかいぐりと撫でられるだけだった。小さい子が甘えているだけと、彼に思われているようだ。

 今の忠夫にパピリオと過した記憶は無い。その為、どうしても義妹としてではなく、一歩引いた感覚で接しているようである。

 ただ、今の忠夫にはハッキリとは解らない、心の奥底から湧き上がるパピリオを大事にしたいという想いがあり、彼女はそれを敏感に感じ取っているようだ。

 「ヨコシマは私が護ってあげるです。安心していて良いですよ。神兵なんてケチョンケチョンです」

 握りこぶしを振り上げて、力説するパピリオ。

 「なぁ、パピリオ? そのですます調は止めないか? なんか他人行儀に聞こえて仕方ないんだよ。無理か?」

 「ヨコシマはこの喋り方は嫌いでちゅか? 身長が伸びて口調がチグハグだって、以前遊びに来た天龍に言われたでちゅが……」

 ヨコシマに言われて、泣きそうな表情でパピリオは忠夫を見上げる。

 「いや、嫌いってわけじゃ無い。ただこう〜、なんちゅうーか な? 無理に矯正しているように思えてならないんだ。違うんか?」

 「最近はそうでもないですよ。それに、この喋り方は、サルじいちゃんのゲームでもあったです。そのゲームの中では、私と同じくらいの女の子が男の子をゲットしてたです!」

 パピリオの口からとんでもない内容が飛び出した。

 令子と小竜姫は老師を冷め切った目で睨み、忠夫はなんとも生暖かい目で彼を見やる。

 パピリオ以外の視線を集めるサルジジイは、気付かない振りをして時の迷宮に閉じ込めた神族達を解放する為の準備をしていた。

 だけど、良く見れば彼のコメカミからは汗が流れ落ちているのが解る。多少の罪悪感はあるようだ。

 「ジジイの趣味はこの際置いておこう。とりあえず、ジジイを残して、俺らは全力で本宮の浅間大社へ向かうでOK?」

 老師をジジイ呼ばわりして、結界を解いた後の行動の再確認をする忠夫。

 「そうね。特にわたしと宿六とパピリオは、極力交戦しないようにしないとね。特にパピリオ、攻撃されても受け流すだけにしなさいよ?」

 「分かってるです。子ども扱いしないで。この二年で私は落ちついたです!」

 令子に念押しされたパピリオは、カチンときて彼女に反発する。

 「期待してるわ」

 令子は、パピリオの睨みをフフンっと笑って馬鹿にしたように受け流して釘を刺し直す。

 こうしておけばこちらは憎まれるだろうが、その反発でパピリオの暴走はかなりの確率で抑えられるだろう。小竜姫では、こういう誘導の仕方はまだ無理だろう。

 「見てろです!」

 令子の思惑に乗せられたとも知らず、パピリオはもう一度だけ令子を睨み宣言すると、後はぶつぶつと自分に言い聞かせていた。

 「わたしの霊力も回復したし、文珠も行き渡ってる。小竜姫の装具でわたしと宿六は飛行に支障は無いし、小竜姫とパピリオは宿六の護衛で攻撃は極力控える。これで準備は整ったと思うけど、他に付け加える事はある?」

 令子は全員を見渡し、一つ一つ確認を行った後に付け加える事はあるかと訊いた。

 「私からはありません」

 「私もないです」

 「ま、良かろう」

 「俺に決定権はないもんなー」

 「あん? 何かいい案でもあるの?」

 「老師の如意棒と俺の霊波刀を、出会い頭に思い切り伸ばして薙ぎ倒してから逃げるってのはどうだ?」

 「あんた馬鹿? 神族の撥ねっ返りから、あんたを逃がす為にこういう苦労をするんでしょうが! そんなあんたが、敵作る真似してどうする!」

 忠夫の案を聞いた令子は、神通棍で彼を叩いて忠夫の案を却下した。

 「イテッ イテ! わ 分かった 俺が悪かった!」

 「ま、良いわ。じゃ、今の内にサイキックソーサーを出しておきなさい」

 「ん、分かった」

 令子の命令に忠夫は素直にサイキックソーサーを三つ出した。それぞれの大きさが一.五メートルくらいあって、半透明だった。

 出現させたソーサーを、自分の周りでヒュンヒュンそれぞれ独立した軌道を取らせて動かす忠夫。暫く動かした後、百二十度の等間隔で自分の周りにピタッと止めた。

 遠距離からの狙撃や至近距離の斬撃も、この大きくしたソーサーでいなすのが忠夫の除霊スタイルである。今までは神・魔族相手ではすぐに壊されていたが、これからは耐久度が上がった分信頼が置けた。

 「もう良いか? 行くぞ」

 「いつでも」

 「大丈夫です」

 「へいへい」

 「いいわ」

 「どりゃぁあああ!!」

 全員の用意が整った返事を聞いた老師は、如意棒を水平に構えて裂帛の気合を込めて、前方に突き出した!

 如意棒が一瞬で二百メートルほど伸びた所で、ガラスに映っていた光景のように風景がひび割れて、粉々になった。

 風景が粉々になった向こうには、ポカンとした間抜け面をした神族達がバラバラに立ち尽くしていた。

 どうやら、自分達が今どこに立っているのかすら認識できないでいるようだ。

 「行けい!」

 老師の号令に、令子達は一斉に妙神山の門へと文字通り飛んでいった。

 老師の号令に我に返った神族達は、老師の姿を視認すると一斉に引き攣った顔をする。しかし、そのうち何柱かの神族が老師の後ろを遠ざかる忠夫達に気付いた。

 「な! ヨコシマが逃げるぞっ。追え!」

 「「「「ハッ!」」」」

 隊長らしき神族が命令すると、老師から一番離れていた者たち四柱が受諾して追おうとしたところで、突如伸びてきた朱塗りの棒に薙ぎ倒された。

 老師は正確にその四柱のみを如意棒で薙ぎ倒した後、瞬時に如意棒を縮めて傍らに突き立て、それに凭れるとニィッと口角を笑みの形に歪ませた。

 老師から最も遠くに居た味方の四柱がいきなり昏倒させられた事に、更に表情を引き攣らせた神族達は浮き足立って、ヨコシマを追うという行動に移せないでいた。

 「まぁ、そう急ぐではないわい。おヌシらは平和な世にあって暴れ足りんのじゃろう? ワシが揉んでやるから掛かって来い!!」

 「げはぁっ!」

 「なっとらんのぅ……。頭をいきなり倒されてどうする!」

 隊長格の神族を如意棒で突き倒しながら老師は、如意棒を脇に挟んで重心を落として構え、クイクイと手のひらを上にし二回手招いて神族達を挑発する。

 どうやら実戦形式の組み手として、事態を収拾する事にしたようだ。

 「お おい聞いてないぞ! なんで岩猿がここに!」

 「知るか! くそー。人間をいたぶれるって聞いたから俺は来たのに!」

 「なぜだ! 上級神ともあろう者が! なぜ人間などをかばう!!」

 「お 音に聞こえし斉天大聖か。自分を試すには些(いささ)か高い壁であるな」

 いきなり隊長を倒され、更に狼狽した彼ら。

 ある者は斉天大聖が居る事に怯えて周りに当り散らし、またある者はその者にとって理不尽だとの思いから、老師に抗議した。

 その中にあって、ある者は一瞬の驚愕から自らを取り戻すと己の力量と相手の力量を冷静に照らし合わせ、冷や汗を垂らす。

 (ほぅ? ワシの攻撃を見て、すぐに冷静になるか。これは楽しめるのぅ)

 老師は、自分の攻撃から時間をおかずに立ち直った何柱かを確認すると、手応えのある者達が居る事に喜んだ。

 「答えろっ、斉天大聖! なぜに人間をかばう! いや、魔族に加担するヨコシマをなぜ庇うのだ!!」

 彼我の力量を身をもって実感できないのだろうか? 老師を取り囲む神族達の中で比較的神格の高い者が進み出て声高に老師に問い掛ける。

 しかしその光景は、こちらに問い掛けるというよりは、周りの怯えている者達に対して自分を優位に立たせようとしているように、老師には見えた。

 「道も誤ってはおらぬ弟子を罰する手など、ワシは持っておらぬでな。それにワシらには、あ奴に返せぬほどの恩もある。それが建前じゃ。理解したか?」

 居丈高な相手に対して、老師は小馬鹿にした様に見やり本音を建前として伝えた。こういう時でもないと、言の葉にしてなど出せるものではない。

 「道を誤っておらぬだと? 現に今先ほど、あの魔王の娘と逃げ出したではないか! 放置しては置けぬ事態ぞ!!」

 「おヌシは聞いておらんのか? パピリオは魔界に返される事を。それに、神魔両陣営の最高指導者達からの通達も、手出し無用と出ておるぞ? それは覆しようが無かろう?」

 「ふん! それは最高指導者様へ届けられた情報が誤っておるからだ! 我々が持つ情報が加味されれば、その様な通達なぞ出されるはずも無い!!」

 「そうか。であるなら、その情報とやらを一刻も早く奏上する事じゃな。今はヨコシマに手出しする事ならぬとの通達しか来ておらぬ。
 また、神・魔族の両統合軍上層部からヨコシマをおぬし等のようなはね返り者から護衛する命令が、ここ妙神山前管理人 小竜姫に届いておる。
 他にも、魔界からも派遣されるはずであったが、その前におぬし等が来たからな。魔界から派遣される者の代わりにパピリオを付けたのよ。他に何か言い分はあるか!」

 「ぐぬぬぬ。こん岩猿めがぁ……。それでも神族の上に立つ者か!? 下等な人間などに与(くみ)してどうする!!」

 「そう言われてものぅ? ワシは人間あっての神であるしの? もしかして、おヌシには自らを信奉してくれる人間はおらぬのか? それは悪い事を訊いたのぅ」

 激昂し怒鳴ってくる神族の一柱に、とぼけた調子で自らを人間あってのモノダネと軽くいなし、更に挑発する為に解っている事を改めて指摘する老師。

 人間の想いという物は、物凄いエネルギーを擁している。確かに、一人一人の想いは微々たる物だ。だが、これが百を超え、千を超え、万を超えてくると神族を魔へ堕天させ、魔族を神族へと昇天させるのだ。

 老師を始めとする上級神族は、この理を無視する事は出来ない。それは己の存在理由を否定する事に繋がるのだから。

 ただし、この理に括られない神族や魔族は、天界や魔界に数え切れないほどいる。これらの神族・魔族は自然発生した精霊が、やはり人間の正の感情や負の感情によって変質させられた者達が祖先となり、その祖先から生まれた者達だった。

 この中には上級神族の子孫達も含まれる為、その系譜は人間界に伝わる事は稀である。それでも数少ない例外はあり、その昔、人間界と天界・魔界が重なり合っていた時期に伝わったものが、現在まで残っているくらいである。

 「下等な人間などに信仰されずとも構うものか! 非力な奴らは、我ら神族の命令に従うのが当然! 我らに逆らう事こそが罪! しかも滅ぼすべき魔族にさえ、件のヨコシマは討とうとする素振りさえ無い! 文珠使いがだぞ!! これは由々しき事態だ!!!」

 (こやつ、神族の癖にどこかで洗脳でも受けたのか? これでは堕天も近いぞ? しかもその事に自身気付いておらぬ……。やはり……アレのせいか?)

 口角泡を飛ばしてくる相手に呆れながら、老師は相手をここまで変えてしまう存在を推測する。

 「おヌシ、現在の天界軍上層部からの通知は聞いておらぬのか?」

 かわいそうな者を見る目で老師は問い掛ける。

 老師は代表者らしき者に問い掛けながらも、その周りにいる者達にも何気ない仕草で牽制し、動きを封じていた。

 だけど、老師が気付いていない事があった。この妙神山に来ていた神族は、彼らだけではなかったのである。時の楼閣に囚われていた者達とは別に、時間差で遅れて来ていた者達が居たのだ。


 さて、老師に気付かれずにいた神族達はどうしていたかというと……。

 老師の結界に気付いた後、ヨコシマは先に逃がされたと判断して妙神山の外に既に出ていた。

 ただ、ヨコシマが人間界のどこに逃げたのか、隠れ場所の特定調査などはほとんどなされていなかった為に、人間の都市を表立って探す事も出来ず仕方なく妙神山に戻ってきた所で、当の目標と鉢合わせしていた。

 「待て! そこの人間はヨコシマであるな! おとなしく我々について来て貰おうか!」

 八柱の神族のうち、一番偉そうなのが忠夫を名指しで問答無用に言ってきた。

 残りの七柱は、忠夫の傍に小竜姫が居る事で多少表情を引き攣らせたが、それでも忠夫達を取り囲むべく行く手を遮るように広がった。

 「小竜姫さま、どうします? なんかこっちの言い分なんて聞く気は無い! て、感じですが?」

 周りに広がって牽制してくる神族に油断無く視線を向けながら、忠夫は小竜姫にこの後の行動をどうするか訊いた。

 向こうは八柱。こちらは二人と二柱。戦力差など、考えに上らせる事が滑稽なほどに有り過ぎた。勿論、忠夫達が劣勢である。

 「とりあえず、軍上層部の通達を彼らが知っているかを確かめます。横島さん達は不意の術攻撃に気をつけて下さい。パピリオ、眷属を使っても良いので横島さん達を頼みましたよ」

 鞘から神剣を抜き、こちらを囲むように広がる神族達を睥睨しながらやや斜に構えて、小竜姫は忠夫達に指示を出す。

 「分かったです。ヨコシマには指一本触れさせませんから、思い切りシバクです!」

 「とりあえず、致命傷でも即死でない限り、三十秒以内であればこの盾で治せるからね。無理はしないでよ、小竜姫」

 「分かったっす。ソーサーで援護はしますんで、気をつけて下さい」

 小竜姫の指示にパピリオは少し気負った調子で頷き、令子は盾を胸元に引き付けて水鏡状になった表面で小竜姫を映しながら注意を促し、忠夫はサイキックソーサーを二枚追加して五枚にすると周りに浮かべて、心配そうに答えた。

 「ありがとうございます。では」

 忠夫の心配そうな顔に心配無いとばかりに微笑むと、小竜姫は相手の隊長格の神族に向き合って一歩だけ空中を進み出た。

 「私は元妙神山修行場管理人 小竜姫です! 今は天界統合軍軍令部より拝命した人間 横島忠夫の護衛に付いています。貴方方は、なにゆえを以って彼の身柄を望むのか!」

 神剣を両手で正眼に構えなおすと、小竜姫は大音声で相対する隊長格の神族へと問い掛けた。

 小竜姫の声に応える様に、こちらを取り囲む神族の中で一柱が進み出てきた。

 「音に聞こえし神剣使いの……。私は天界軍西方方面隊所属のフィルレオと申す。
 しかし異な事を申されるな? なぜ天界軍軍令部が、文珠使いヨコシマの護衛をそなたに配されるのか?
 そこの文珠使いは、天界に弓引く者として手配されておるはず。我々は我が方面隊司令部の命により、文珠使いの身柄の確保をしに参った。抵抗あらば力ずくでもと許可は出ている。そこを退いてもらおうか?」

 小竜姫の構えに隙を見出せないのか、やや引き攣った表情ではあったが、フィルレオと名乗った隊長格の神族は命令書を懐から出して見せつけてきた。

 その命令書の署名から感じられる神気は、小竜姫が知っている上級神の物であり、命令書が正当の物だと主張していた。

 神族・魔族が使う正式な命令書には、上級神族の署名が必ず刻まれている。これは署名自身にその上級神・魔の神名・魔名が刻まれ力を持っているので、偽造は限りなく不可能に近い。

 小竜姫と相対している神族が持っている命令書には、ギリシア神話に登場するアレースの神名が刻まれていた。

 (変ですね? 西方方面隊の司令はアレース殿からアテナ殿に替わっているはず。それから元に戻った話は聞いていませんし……何かありますね)

 いくら田舎の修行場とはいえ、神族アジア極東方面統括拠点として機能する妙神山である。

 別の拠点の司令が替われば通達は来るし、あの大戦の後に再建された世界各国に散らばる百八の拠点の司令は替わらぬままだったのである。

 「その命令書に刻まれている上級神の署名はアレース殿となっていますが、現在の西方方面隊の司令はアテナ殿のはず。その命令は、人間 横島忠夫殿が生まれる前に出された物ということですか?」

 不審を以って、更に注意深く周りにも気を配りながら小竜姫は再び問う。いつでも超加速を使える様にしてもいた。

 小竜姫と自分達の隊長のやり取りを聞いていた他の七柱は、少しずつ忠夫達を包囲する輪を狭めて、いつでも仕掛けられる様にと虎視眈々と機を狙っていた。

 「それは……(くっ、田舎の拠点の管理人風情と侮っていた。我が主の再興には、文珠使いは必須。ここは押し通るしかあるまい)」

 「やる気ですか? 一応、私が持つ辞令書を見てから判断して下さいまし。浅慮は不利となりますよ?」

 僅かに滲み出た相手の闘気を敏感に察知した小竜姫は、相手の機先を制する為に自らが持つ辞令書を相手に見せた。

 「な なんだと! ささ 最高指導者殿の署名だと! ば バカな!! そんな事、あるわけが無かろう! 一介の人間に最高指導者殿が護衛を付けるなど!!」

 小竜姫が持つ辞令書に刻まれた署名を見て、凍りつくフィルレオ。

 だが、彼が何度見直しても、小竜姫が持つ辞令書の文面と署名は変わることは無かった。

 (あのうろたえ様。こちらの確認にも口篭るなど、横島さんを拉致する為に来たと考えて良いでしょうね。美神さん!)

 冷静に相手の動きから心情を分析した小竜姫は、一瞬だけ令子を見た後に行動を起こした!

 「ぐぅ……」 「がはっ」 「げひょっ」 「がっ!」 キン! キュヤン!  ギィン!「う うわっ な なんだ! 蝶が!!」 「かはっ」

 小竜姫が超加速を発動し、まず目の前のフィルレオと名乗った神族の頭を剣の腹で殴り飛ばし、続いて扇形に広がって包囲していた残りの神族達にも殴りかかり、昏倒させた。

 うち三柱ほどが超加速の影響が無かったのか受けきられた。その残った三柱のうち一柱は、いつの間にか現れたパピリオの眷属のチョウ達に大量に纏わり付かれて、昏睡状態にされて落ちていった。

 忠夫と令子はというと、いくら小竜姫の装備品を貸してもらっているといっても、空中戦にそれほど慣れているというわけでもないので、不意打ちを食らわない程度に防御に徹していた。

 一瞬で六柱を昏倒させた小竜姫達は、一斉に富士山方面へと飛び去る。

 小竜姫の攻撃を防ぐ事が出来た神族二柱は、こちらを倒しに来るはずと身構えていたのに当てを外されて呆然とするだけだった。

 空中で昏倒させられた六柱は、そのまま地上に落下していったのだが、まぁ生きているだろう。下の方でポキ グシャとか、バキバキとか音がしているが生きてはいるはずだ。

 呆けていた残り二柱のうち、翼のある方が我に返ると、もう一柱に慌てて指示を出した。

 「お、おい! 隊長達の安否を確認してくれ! 俺は奴らがどこに行ったか追う! いいな!」

 「わ 分かった」

 二柱はそれぞれ令子達を追う方と、下に向かい仲間達の安否を確かめる方と、二手に分かれていった。


 場面変わって老師はどうしていたかというと……。

 「多少は手応えがある者がいたか。しかし、粋がっておった割には情けない者が多いのぅ」

 己の如意棒を剣で受け止めた相手を軽い調子で誉めると、周りで倒れている彼が打ち倒した者達をちらりと眺めやり軽く失望した。

 老師が攻撃に出てから三分も経たぬ内に、二十柱もいた神族達は三柱まで減らされていた。

 今、老師と剣を合わせて鎬を削っている者と、他に二柱が息も切れ切れに己の武器を持って構えているが、老師は呼吸さえ乱していなかった。

 「つ 強い……。まるで勝てる気がせぬっ」

 抑えられた己の武器を何とか自由にしようと色々とやっているが、老師の如意棒は引かば押し、押されれば引きと瞬時に対応されてどうしても外れてはくれなかった。

 ならばと蹴りを入れようとしても、合わされた如意棒で重心をずらされてしまって足を地面から上げる事すら叶わない。

 立っているだけでやっとの仲間にも、この強制的に拮抗させられている状況を動かすことは期待できなかった。

 「どうした? おぬしは、そこらに転がっている弱い者虐めしか出来ぬ者とは違うじゃろ? 己の限界を知りたいのじゃろ? ならばワシにその意地を見せてみい」

 犬歯を剥き出しにした獰猛な笑みを面に出して、老師は如意棒を合わせている神族へと話しかける。

 「ぐぅぅ……(どうしたら外せる? 左右前後どこにも外せぬ)」

 諦めかけていたその神族は、老師の言葉に再び老師の如意棒をいなそうと揺さぶってみるが果たせずに、焦りから頬を汗が伝っていく。

 剣を如意棒に対して直角にし己の右側へといなそうとすれば、斉天大聖はすかさずいなされる方向へ足運びだけで移動し、剣に掛かる圧力は変わらず。
ならば後ろへと退こうとすれば、退いた分だけ前進してきて外させてくれない。

 (こうなれば、いなしと攻撃を同時に行うしかないか? やった事は無いがこれしかあるまい)

 数分間、剣と如意棒を合わせた状態で試行錯誤した彼は、やった事は無いが膠着した状況を動かす為にと決意した。

 老師は、目の前の神族が仕掛けて来る事を相手が纏う闘気が膨れ上がった事で察知し、ニヤリと笑みを浮かべた。

 老師は楽しくて仕方がなかった。

 修行場を吹き飛ばさない程度の力を解放して、それに対抗でき得る相手が居た事で退屈が紛れるからだ。

 美神と横島の両名を相手にして昂ぶっていた戦闘を渇望する心が、幾分か満たされていくのを彼は喜んでいた。

 老師の後ろでダメージを負いながらも機を窺っていた二柱が、老師と相対している神族の闘気が膨れ上がるのに合わせて霊波砲を撃ってきた。

 (好機!)

 斉天大聖の棍と合わせていた己の武器に神気を篭めて、必殺の攻撃を放つ為に機会を窺っていたその者は、老師の背後から高速で飛んでくる二条の霊波砲に攻撃の機会を見出し、動いた。

 金属同士が激しく擦り合わされる様な耳障りな音が辺りに鳴り響き、二つの爆発音が立て続けに起きた半拍の後にドンッと、重い打撃音が一つだけ鳴った。

 倒れ伏していたのは、老師と相対していた神族であった。

 老師が何をしたかというと、彼は如意棒を真横にした状態で相手の剣を受けたまま九十度横に素早く動き。

 動いた事で、右真横から飛んでくる二つの霊波砲を、如意棒の先端を瞬時に二回伸縮させて撃墜。

 その老師の動きで、老師から離れるチャンスと思った敵神族は彼から離れようとする。

 その動きに合わせて老師は、相手の懐へ大胆にも如意棒を上に放って剣を跳ね上げながら潜りこんで、仙気発勁を相手の腹に決めたのである。

 「カフッ つ 強い……。まさか、あんな…武器を手放すなんて、俺には出来ない……」

 うつ伏せで喀血しながら腹を押さえ、老師が行った攻撃に戦慄を覚える神族。

 周りで立っていた二柱の神族も、先ほどの霊波砲が精一杯だったのか膝を屈していた。

 「おヌシは武器への執着を断てば、まだ強うなる。武器は道具で相棒じゃ。信じてやれば応えよう」

 スッと横に右腕を上げた老師は、地に倒れ伏した神族に向かって助言めいた事を言う。

 直後、空中に放り上げられていた如意棒が、空中から落ちてきて老師の右手の中にストッと納まった。

 「このようにの」

 いたずら小僧のように口角を上げてニッと笑いながら、老師は如意棒を掲げて見せた。

 「お…俺達の負けだ」

 「うむ。ワシが暇な時は、いつでも再戦を受けよう。精進せよ。 鬼門共!」

 「「ハハッ」」

 老師に呼ばれた鬼門達は、今までどこに行っていたのか突然現れると、老師の目の前に跪(ひざまづ)いた。

 「倒れている者達を治療した後、縛って転がしておけ!」

 「「ハッ」」

 老師に命令された鬼門達は、地面に転がっている神族達をそれぞれ負傷している者には左の鬼門が治療を、それ以外の者は右の鬼門がふん縛っていった。


 一方、忠夫達の方はというと……。

 「一人だけ追ってくるな。どっかで撒くか?」

 忠夫は左手を小竜姫と、右手を令子と繋ぎながら、後ろから付かず離れずに追ってくる神族の一柱をどうするか、皆に意見を訊いた。

 「そうね……。このまま目的地を教えるってのも面白くないわね」

 令子は右手をパピリオと繋いで引っ張ってもらいながら、思案顔でどうするか思考を巡らす。

 忠夫と令子は、それぞれ小竜姫の予備の装備を借り受けて飛んでいたが、飛行速度は大して出ない為にパピリオと小竜姫に引っ張ってもらっていた。

 それでも、後ろから尾行してくる神族より速く飛ぶ事が出来ない為に、彼らは追いつかれてしまっていた。

 最初の接触で叩き落した者達が合流する前に、どうにかして追っ手を振り切っておきたかった。

 「文珠で幻惑させて、撒くか?」

 「ダメよ。手持ちが少ないんだから、こんな所で使うわけにはいかないわ。パピリオ、眷属の蝶を使って幻惑結界を張る事って出来る?」

 「出来ますよ。幸い下は森です。眷属の能力を最大限に発揮できるです」

 「じゃ、まずはわたし達を包むように眷属を展開させて、下の木々に紛れるわよ。小竜姫は極限まで竜気を落として小さくなっていて。ただし、角状態にはならないでね。咄嗟の反応に支障が出るわ」

 「解りました」

 「じゃ、パピリオお願い」

 「了解です」

 令子の要請にパピリオは即座に答えて、眷属の蝶を召喚する。

 瞬く間に数百羽の蝶が令子達の周りを覆っていき、追っての神族から彼女達を隠して下の森へと紛れていった。


 「くそっ! 見失った! まぁいい。そう遠くには行けないだろうからな。通信鬼!」

 「キィー!」

 「隊長達とは連絡を取れるか?」 コクコク頷く通信鬼。

 「よしっ。こちらイーグル・フォー。 イーグル・リーダー応答願います」

 通信鬼に命じて、鷲の羽根を持った神族は部隊長への通信を求めた。

 『どうした? くっ……文珠使いヨコシマの捕獲に成功したのか?』

 通信鬼の口に当る所から部隊長の声が聞こえてきた。しかし、その声は少々弱々しく、呻き声が漏れ聞こえていた。

 「いえ、捕獲には至っておりません。追尾していたのですが森に逃げ込まれ、見失いました。しかし、上空から警戒しておりますので、奴らが飛び立てば直ぐに見つけられます。私一人では、捕獲にまで持っていけません。急ぎ、合流願います(ちっ、合流には時間が掛かるか?)」

 通信鬼から漏れてくる隊長の傍に居るであろう隊員達の呻き声に、多少の舌打ちを心内でしながら鷲羽(わしばね)の神族は森の警戒を怠らずに話す。

 『分かった。そちらの座標は確認した。しばし警戒を厳にして待てっ』

 「はっ!」  ゾクッ(なに!)

 部隊長の命令に思わず敬礼をして答えた鷲羽の神族は、通信鬼をしまうと眼下に広がる森に注意を向けたとたんに悪寒が走り、生存本能の命ずるままに身を捩った。

 ヒュゴッ チュイン! ズドンッ!!

 「ぐぁ! な 何が……?」

 己の鷲羽の先端を掠めて、いきなり目の前で爆発したモノに驚愕の眼差しを向けながら、衝撃波に吹っ飛ばされて墜落する鷲羽の神族。

 彼は己の身に何が起こったのか、理解できなかった。彼が理解できた事は、背後からいきなり狙撃された事のみだった。


 「ちっ、惜しい。追っ手になるだけあって、伊達じゃないってわけか」

 忠夫は上空の神族が墜落する様を眺めながら、舌打ちした。

 必中を期した攻撃がかわされた為にすぐに爆発させたが、落ちていく敵の様子を見て、あれではあまり時間稼ぎは出来そうにないと彼は判断した。

 「老師の攻撃を未来へ飛ばすよりは楽だったけど、もうちょっと盾の制御に慣れないと神族や魔族への不意打ちは無理そうね」

 ギリっと歯軋りしながら令子も頷く。

 「しかし、サイキックソーサーをブリット状に成形して放つか……。こっちの俺は、結構創意工夫していたんだな。俺は主に防御にしか使わなかったってのに」

 己の右手の平に浮かべたサイキックソーサーを弾丸状に成形しながら、忠夫は感心した。

 「自分を卑下するのは、あんたもここの横島クンも変わらないわね。
 あんたは文珠の可能性に目を付けて、そっちに特化しただけなのよ。でも、ここの横島クンは、ちょっとした事でも文珠を使い込んでいた為に肝心の戦闘じゃ足りなくなって、仕方なくサイキックソーサーを進化させたのよ。霊波刀での斬った張ったはシロに任せてね」

 人差し指を忠夫の鼻先に当てて突(つつ)きながら、令子は彼の考え違いを正した。

 「そうですよ。どちらの横島さんも、創意工夫する所は変わりません。その対象が文珠か霊気の盾かの違いだけです。現に今だって可能性に気付けば、試すのに躊躇いは無かったじゃないですか」

 忠夫の左肩に座った状態で、小さくなった小竜姫も令子に続いて彼の横顔に小さな手を副えながら諭した。

 「あいつを眠らせたです。今の内に目的地に向かうですよ」

 墜落していった鷲羽の神族に眷属の蝶を集(たか)らせて眠らせたパピリオは、忠夫の肩に座って頬を朱に染めている小竜姫を睨みながら先を急ぐように促した。

 「そうね。あいつ、応援を呼んでいたみたいだから急ぐわよ」

 己の盾に映った過去の映像を見て、令子もパピリオに同意した。パピリオ同様、忠夫の肩に座った小竜姫を睨みながら。

 「結構便利だよな、その盾。過去視もできんのかよ」

 「未来視も可能よ。過去を視るより大量の霊力を使うし、五分先までしか見れないけどね(今の私じゃ、三回視ただけでぶっ倒れるけど)」

 忠夫の呆れ口調に小竜姫を睨むのをとりあえず止めて、フフンっと余裕を見せながら令子は付け足した。内心で欠点を思い浮かべても、おくびにも出さない。

 「とりあえず、浅間大社まで急ぐわよ。おキヌちゃん達と合流しないと、話が進まないんだから」

 「わ 分かった」

 「それじゃ、私に掴まるです。一気に飛ぶですよ」

 「任せた!」

 令子は無言でパピリオの左手を握り、忠夫は彼女の右手を握って声を掛ける。

 小竜姫は、小さくなったまま忠夫のジャケットの内ポケットに潜り込んだ。

 「ちょっ! 小竜姫! ドサマギに何してるのよ!」

 目敏く見つけた令子が眦(まなじり)をつり上げて、くってかかる。

 「パピリオの本気だと、今の私じゃ振り落とされちゃいますから」

 般若の形相で迫る令子から身を隠すように、忠夫のジャケットの影から顔だけを出して言い訳をすると、すぐに内側に潜りこんでペロっと舌を小さく出す小竜姫。

 ――確信犯だ。

 「ちょ、こそばゆいっ。小竜姫さま、あんまり動かんといてー!」

 ジャケットの内側でモゾモゾ動かれた忠夫は、気色悪く身体を捩らせた。

 「うぐぐぐぐ……。覚えてないさいよ!」

 「ずるいでちゅ……」

 一人と一柱がブーたれて、それでも彼女達は忠夫に擦り寄って抱きついた。

 「え!?」

 「行くでちゅ!」

 忠夫の照れたような驚いたような疑問を無視して、ドンっとばかりに急加速すると、パピリオは一路浅間大社へと物凄いスピードで飛び立った。

 「ぐぅぅぇぇぇえええええええ。ぐ ぐびっ! ヂョーグ! ヂョー…………」

 忠夫の霊衣であるジャケットと肌着の襟首をパピリオに一緒に掴まれて引っ張られてしまい、強靭な霊衣が災いして首が絞まったまま。

 彼が窒息する前に到着する事を祈ろう。


    続く


 こんばんわ、月夜です。想い託す可能性へ 〜 にじゅう 〜 を、お届けします。
 なんとか、月2回の投稿ペースが維持できました。これから冬になるにつれ忙しくなる職種に就いていますが、頑張って維持したいですね。
 次で、忠夫達はおキヌちゃん達と合流です。ルシオラ復活まで行けるかな?
 では、レス返しです。

 〜ソウシさま〜
 レスありがとうございます。続けてレスが頂けると、かなり嬉しいです。
>横島パワーアップしまくって……
 別枝世界の同一人物の魂と融合してますから、その分だけパワーアップしてます。斬艦刀イベントというのは判りませんが、薙ぎ払うのは老師に任せてしまいました。忠夫にやらせたら、制御甘くて修行場ぶった斬ってしまいますし
(汗
>パピリオはやはり成長イベントがいるのかな?
 今回の忠夫の対応でも分かるとおり、パピリオは子供として見られてますから必要になりますね。ただ、融合した横島の記憶を思い出せば、また対応が変わります。成長した彼女が二人の姉のどちらのサイズに似るのか、サクヤヒメとして覚醒したおキヌちゃんから生まれるルシオラ共々、楽しみにしていて下さい。

 〜読石さま〜
 毎回のレスありがとうございます。読石さまのレスがあると、ホッとしている自分が居ます。
>美神さん、横島君を……
 抜き取られた魂の結晶分をコスモプロセッサーで補って復活してますから、十分人外ですよね。あまりに大き過ぎて封印していたけど、老師に解かれちゃったし。文珠制御に特化した忠夫共々、原作時点での未来横島・令子夫妻は、かなり凄かったんだと思います。
>何下に「彼」復活フラグっぽいもの……
 ルシオラが復活するならこっちもだよなー等と思いながら書いてました。出てくるのはかなり先になりそうですけど……。
>この夫婦のいちゃつきは……
 原作の美神さんが、手紙を読んだだけで赤面する程ののろけっぷりを書くくらいですからね。ツン期間が長かった分、反動も凄いのではないでしょうか(笑
>そして如意棒さん……
 宮殿の柱に使われていたとしても、使う者の意思によって伸縮自在になり重さも変わっちゃうんですから、意思を持っているんじゃないかと考えました。そっちの方が楽しいですし、数千年も老師と一緒ですし^^ まぁ、重さが変わるという描写は、原作西遊記には無いんですけど……。
>悪い所の指摘云々……
 そう言っていただけると嬉しいです。流れを崩さずに行動描写を的確に書くのは難しくて、いつも不安になっているものですから。

 〜ステファンさま〜
 初めてのレスをありがとうございます。ご意見参考になります。
>一度に読み通すなら……
 投稿間隔が空いてしまうのは、申し訳なく思います。また、私の表現の拙さで複雑に感じられているようで、不徳の致すところです。レスが頂けないのは自業自得として、レスがいただけるよう精進致します。
>話の緩急も必要……
 戦闘パートと忠夫と令子達のやり取りのバランス難しいですね。じゅうなな(後編)はともかく、じゅうく(前編)は小竜姫さまとパピリオのうろたえぶりと、令子さんの忠夫への慣れを表現したかっただけですけど不要でしたか。

 〜ETGさま〜
 続けてのレスありがとうございます。今回の令子さんはどうでした? ごっつ鋭くも可愛い令子さんを書けるよう、頑張ります。 
>令子の新能力が……
 時空を渡る時渡りを封印されてもったいないなーと感じて、反則的な盾を持たせてみました。おキヌちゃんの水術と組み合わせれば、面白い事が出来そうです^^


 レスを頂いた皆さんに深く感謝を。時間的に厳しくもなってきていますが、今月末にまた投稿できるよう頑張ります。
 それまで失礼致します。


 老師と敵神族との戦闘描写を直しました。(08/07/04)

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