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「光と影のカプリス 第104話(GS)」

クロト (2007-09-23 18:58)
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 横島たちはまず茂流田と須狩とガルーダを呪縛ロープで厳重に縛りあげた後、小竜姫が落ち着くのを待ってからヒャクメを呼んで2人の記憶を読んでもらうことにした。
 茂流田たちには小竜姫とヒャクメの存在がバレないよう、目隠しと耳栓も付けてある。警察や裁判所で妙なことを喋られたら困るからだ。
 この時横島が須狩に亀甲縛りを試そうとしてカリンに殴られたのと、小竜姫が「今のところは」横島に腹を立てている様子がなかったのはまあささいなことである。
 それでも一応横島たちが茂流田たちに意識がないのを確かめてから、小竜姫とヒャクメはようやく2人の前に直接姿を現した。

「お疲れさま、みんな無事でよかったのね。で、この2人の記憶を読めばいいの?」
「ええ。メドーサについてのことを洗いざらい読んでやって下さい」
「わかったのねー」

 とヒャクメが愛用のトランクから虫眼鏡を出し、茂流田と須狩の頭を覗き始める。目の前に南武グループが人造魔族をつくっていた証拠が寝ているのだから、もはやためらう必要はないのだ。
 それに合わせてヒャクメの脳裏にさまざまなイメージ映像が浮かび上がったが、その中にメドーサのアジトの場所や連絡先を示すものはなかった。メドーサは慎重にも、南武との接触は自分から定期的に連絡を入れるだけにとどめて、彼らに電話番号などを教えることはしなかったのだ。

「そうですか……それでは仕方ありませんね。まあ南武グループの企みは潰せましたし、良しとしましょう」

 小竜姫は残念ではあったが、茂流田たちが知らないのではどうしようもない。メドーサの追跡は諦めるしかなかった。

「ところで小竜姫、この塔にいるガルーダの雛とか、あとトロールとかカマイタチとかはどうするの?」

 千里眼で塔の内部を調べたヒャクメが小竜姫にそんなことを訊ねた。ゴーレムや自衛ジョーは生物ではないからオカルトGメンに任せてもいいだろうが、雛ガルーダたちをこのまま置き捨てていくのはいかがなものか。

「そうですねぇ……ガルーダと雛は魔界に送ってあげるのが最善でしょうね。引き取りに来るまでは妙神山で預かるしかないでしょうけど……」

 そこまで言って小竜姫は少し躊躇した。鬼門の2人だけでちゃんと面倒見られるだろうか?

「その辺は大丈夫よ。私が世話の仕方を調べて教えておくから」

 ヒャクメもダ女神とはいえ調査官、こういう事では頼りになった。まあ彼女が直接世話するわけではないから大丈夫だろう。

「そうですか、ではお願いします。
 あとはトロールとカマイタチですか……こちらは人界生まれですから神界や魔界に送るわけにはいきませんねぇ。どこか人の来ないような山奥にでも放してあげることにしますか」

 トロールたちに罪はないから殺すのは可哀そうだが、人里に近いところに放すのはお互いに危険である。ちと暮らしにくいかも知れないが、険しい山の中とかに住んでもらうしかないだろう。

「さて、あとは美神さんを回収して引き揚げるだけですが……たしか朝になったら迎えのヘリコプターが来るんでしたよね。どうしましょうか?」
「ヒャクメ殿は私たちを連れて瞬間移動できるんだろう? ヘリを待つ必要はないと思うが。
 外のテントに書き置きでも残していけばいいと思う」

 と答えたのはカリンである。ヘリのパイロットが全面的に信用できるとは限らないし、必要もないのに乗っていく事はなかろう。

「そうですね。では美神さんを呼んで来てくれますか?」
「わかった」

 こうしてカリンが令子を迎えに行っている間に、小竜姫はタダスケにある提案をしていた。

「ところでタダスケさん。以前メドーサと戦う手伝いをしてもらう報酬に霊気を提供する、というお話をしましたが、今回の件の報酬としてお渡ししようかと思ったんですが、どうでしょう」

 さっき聞いた経過によるとタダスケはずいぶん苦労したようだし、文珠もまた使い切ってしまった。この様子では彼が自力で文珠を溜められるのはいつになるか知れたものじゃないし(原因は自分が協力依頼したからだが)、かといってメドーサとの決戦は無期延期になっている。これではいつ向こうに帰れるか分からない、と小竜姫は哀れを催したのである。

「……へ? あ、そ、それは」

 タダスケにとってはまことにありがたい話のはずだが、即答はできなかった。せっかく若い令子と知り合いになれたんだから帰る前にデートの1つでも……という計画を立案したばかりなのだ。
 しかしまさか小竜姫にそんな回答はできないし、妻の喜ぶ顔を1日も早く見たいのも事実だった。

「……わかりました。ありがとうございます。
 でも変換のための文珠が足りないんで、それが溜まったら連絡します」

 とていねいに頭を下げる。
 こうしてタダスケはようやく元の世界に帰れることになった。あっち方面の野望は何1つ遂げられなかったが、不幸な目に遭うことも無くなったのだから彼にとっては幸いだというべきだろう。
 やがて令子とカリンも戻り、お互いの経過を報告しあったらもうここには用はない。

「じゃ、帰りましょう。みんな私につかまるのねー。
 あ、横島さんは直接私にさわらないでね。誰か他の人につかまってて」
「酷!」

 最後にそんな小さなギャグを繰り出しつつ、横島たちは幽霊屋敷を後にした。
 ちなみに茂流田と須狩は縛ったまま放置である。瞬間移動に同行させるのは問題があるが逃がすわけにもいかないのでこうしたのだが、令子は東京に帰ったらすぐ美智恵に連絡を取って強制捜査の手続きを取ってもらうつもりなので、大事になる前に警官が救出してくれるだろう。
 何はともあれ、これで横島や小竜姫たちにとっては南武グループの事件は完全に終結したのだった。


 ……と言いたいところであるが、実はまだ1つだけ残っていた。
 小山事務所に戻って令子・タダスケ・ヒャクメの3人が帰った後、なぜか横島だけはカリンと小竜姫に帰宅を引き止められたのだ。

「何か用っスか? あ、もしかして今日はこのまま3(ピー)したいとか……」

 などとアホなことを言いかけた横島だが、2人の雰囲気がさっきまでとは全く違っていることに気づいて、いや気づかされて駄弁を中止した。
 部屋の空気が鉛のように重くなってる感じだ。ぶっちゃけ怖い。

「え、えっと……な、何のご用でせうか!?」

 と腰と声を震わせながら訊ね直す。用件は何となく分かったが、自分から口にする度胸はなかった。
 するとカリンが表面的には落ち着いた声で、

「……さっきの煩悩全開のことを覚えているか? ガルーダとやった時じゃなくて、私が美神殿の所に行ってたときのアレだ」
「……」

 横島はもちろん覚えている。妄想の相手方にカリンを交えると快感がフィードバックしてきて自分も気持ちよくなる、という偉大な発見をしたのだが、少女が話題にしたいのは多分、いや絶対にそういう事ではあるまい。

「も、もしかしてすごく怒ってるか!?」

 さっきまでは令子やタダスケ・ヒャクメがいたので世間体を取り繕っていたが、ようやく身内だけになったので本音をぶつけて来る気になったのだろう。

「……そうだな。確かにパワーはすごく上がったが、でもアレで私がどうなったのか、おまえもわかっていたはずだ。
 あんな状態でまともに戦えると思うか?」

 カリンもあんなことを具体的に説明するのははっきり言って恥ずかしいのでぼかしてはいたが、むろん横島には理解できる。
 それはもうむちゃくちゃ気持ち良かったから、当然カリンもめいっぱい感じまくって……じゃなくて。あの状態で満足にできる事といったらHな妄想くらいのものだろう。それすら自分以外の人間には怪しいかも知れない。
 ましてまともな戦闘などできるわけがなかった。要するに自分は少女を助けるつもりで、実は反対に邪魔をしていたのだ。

「あー……えーと」

 と横島がものすごく居心地悪げに脂汗を流すと、カリンはふんっと鼻を鳴らした。
 そのままお説教を続行する。

「わかったみたいだな。太腿を切られる感触があったと思うが、あれは敵にやられたんじゃなくて、私が自分でやったんだ。そうでもしないと攻撃なんてとてもやれなかったからな」
「……」

 横島にとっては意外な事実だったが、むろん文句なんて言えなかった。
 悪いのは自分だし、それにカリンは怒っているのではなく、自分の身を案じて叱ってくれているのだということが分かったから。

「使いようによっては切り札になる技だと思うが、その前にちゃんと断りを入れろ。少なくとも状況を考えてからにしてくれ。
 今回は大して強い敵じゃなかったから何とか勝てたが、もし相手がメドーサやガルーダだったら死んでいたかも知れないんだからな。
 それに悶えてるところを自衛ジョーにずっと見られてて、すごく恥ずかしかったんだぞ」

 少女の説教は最後の辺りでは叱っているというより拗ねているような感じがして、横島は不覚にもちょっとだけ萌えてしまったのだが、さすがにそれを顔や口に出したりはしなかった。

「というわけで……教育的指導だっ!」


 ―――がつんっ!!


 横島の脳天に割れるような衝撃がひびき、目の前で星が回る。よろめいてそのまま倒れてしまったが、カリンはそれを放置して小竜姫に顔を向けた。

「小山殿、あと何か言うことはあるか?」
「いえ。私の言いたいことは全部カリンさんが言ってくれましたから、私の方はもういいです。横島さんもわかってくれたみたいですし」

 小竜姫はカリンほどの被害を受けていないせいか、微笑を浮かべてそう答えた。

「ところでもう遅いですし、2人とも疲れたでしょう。今夜は泊まって行きませんか?」
「ふむ? ……いや、今日はタマモ殿が待っているからな。気持ちはうれしいが、今回は遠慮する」

 横島にとっては小竜姫の私室を拝むチャンスだったのにあっさり潰された……と思いきや。ここで事態は横島有利に展開した。

「あら、聞いてなかったんですか? 今日はタマモさんはここでヒャクメと一緒に夕ご飯を食べて、そのまま私たちが帰るのを待つことになっていたんですけど」
「え? ああ、そう言えばそうだったな」

 いまカリンたちがいるのは事務所の執務室で、タマモが3人を待っているのは小竜姫の私室である。なのでまだ顔は合わせていなかったのだ。

「なら問題ないか。お世話になる」

 明日も学校だが、それはちょっと早起きして家に寄れば済むことだ。万が一お泊りが発覚したら横島が不純異性交遊とか言われるかも知れないが、仕事で遅くなったからという大義名分もあることだし、何とかなるだろう。

「お世話になりまっす!」

 一瞬で復活した横島がしゅたっと手を挙げる。家の主の先導も待たずに彼女の寝室に突撃しようとしたが、超加速を発動した小竜姫に撃墜された。

「うーん、この人はさっきのお話ちゃんと聞いてたんでしょうか?」
「まあ今は何の危険もない状況だから、いいと言えばいいんだが……」

 今のは単にデリカシーがないというだけで、小竜姫の身の危険を考えなかったとかそういう重大な問題ではない。むしろこの男が説教1つで24時間自制心を働かせるようになることの方がおかしい、というかそんな横島は横島じゃないと思う。

「ふふっ、それもそうですね。ほら起きて下さい横島さん」

 と小竜姫が横島を引っ張り起こして居間に行くと、タマモがTVを見ながら羊羹を食べていた。余計なものはあまりないシンプルな、それでいて女性的なやわらかい雰囲気が漂う部屋である。

「あ、おかえりみんな。……うまくいったみたいね」

 3人の表情を見れば、細かい説明などされなくともだいたいの想像はつくというものだ。

「ああ、連中が逮捕されるのも時間の問題だな。メドーサはいなかったけど、同時に戦わずにすんだと思えばむしろラッキーだったかも知れん。こっちはみんな無事だったし」

 彼女の保護者兼恋人である横島が代表してそう答えた。もしガルーダと戦っている時にメドーサまで出張って来てたらどうなっていたか分からないのだし、南武グループの兵器産業部門をつぶす事には成功したのだから最良の結果だと言えるだろう。

「そっか……ありがと横島、カリン、小山さん」

 横島たちはタマモのために南武と戦ったわけではないが、これで今具体的に彼女を狙っている者はいなくなったのだ。感謝の言葉くらいは言うべきだと思う。

「どういたしまして。でも外で正体を明かすようなことはしてはいけませんよ」
「うん、わかってる。明かしても意味ないし。
 ……お茶でも淹れるから座って待ってて」

 小竜姫の忠告にタマモはそう素直に頷いた。
 実際彼女の場合、保護者以外の者に正体を教える理由はないのだ。相手に余計な負担をかけるだけだし、何かの拍子で怒らせるとか、極端な話酒に酔ってだとかでバラされないとも限らない。
 別に九尾の狐であることに優越感を持っているわけでもなし、無用の波風を立てたいとは思わなかった。

「そうですか、それならいいです。
 ……あ、お茶はちょっと待って下さい。シャワー浴びて来ますから」

 と小竜姫が浴室に足を向けるのとほぼ同時に、座りかけていた横島がぴょこーんと微妙に重力と慣性を無視した動きで立ち上がった。

「じゃあ俺もご一緒に!」
「何考えてるんだ横島!」

 しかし当然のごとくカリンに殴られて転倒したが、今回は屈服しなかった。すぐに立ち上がって猛然と反論を加える。

「別にいーだろ。婚約者といっしょに風呂に入って何が悪い?」
「え゛!?」

 横島にそう言われてカリンは返事に詰まった。確かに今カリンが横島と小竜姫が一緒に入浴することを咎める「正当な」理由はないのだ。

「あー、えーと……そうだな、あえて言うなら私の気分か!?」
「そんなんで殴られてたまるかあ! 文句あるならおまえも一緒に来い!」
「え!? あ、いや……うーん、まあ別にいいのか?」
「ちょっと横島、まさか私だけのけ者にするつもりじゃないでしょうね?」
「んなワケねーだろ。よし、この際だからみんなで一緒に入ってハダカの付き合いで親睦を深めるぞ!」

 と横島のテンションは上がる一方だったが、肝心の家主はなぜかご機嫌斜めになっていた。

「あのー横島さん? 私はまだ何も言ってないんですけど」

 そんなことをしたらカリンとの胸囲の差を克明に観察され……じゃなくて。

「人の家であまり淫らな事ばかり考えないで下さい。シャワーは1人ずつです。
 カリンさん、横島さんが覗きに来ないよう見張ってて下さいね」
「あうう……酷いっス凛明さま」

 横島は無念さに唇をかんだが、その後はけっこう楽しかった。
 どうせもうすぐ寝るからということで、タマモがより安全になったお祝いにパジャマパーティをする事になったのだ。
 横島は上着を脱いだだけだが、小竜姫は無地の浴衣寝巻、タマモはシンプルなストライプ柄の長袖パジャマ、カリンは殴ったお詫びのつもりなのか白いワイシャツだけというイカサマチックな服装をしていた。
 いや浴衣というのは露出度が低いわりに涼やかな色気があるし、タマモのパジャマ姿も思わず抱きしめたくなるほど可愛らしい。要するに三者三様でそれぞれにグッドであった。

「はい横島さん、あーんして下さい。この羊羹、けっこう美味しいんですよ」
「それ食べ終わったらこっちもね。それともお茶にする?」
「んー……あ、ホントうまいっスね。おお、タマモもありがとさん」

 と大した手柄をたてたわけでもないのにちやほやされている横島。愛とは時に理不尽なもののようだ。

「じゃ、次は私かな。ほら」

 今度はカリンがテーブルをはさんだ前の席から、軽く上体を傾けて羊羹をつまんだ箸を伸ばしてくる。
 ただこういう場合に横島が食べ物より胸の辺り、具体的には谷間や揺れに注目してしまうのはもはや条件反射であった。

「をぅっ、これはひょっとしてブラジャーつけてないとか!?」
「寝巻きだからな。パンツははいてるから安心しろ」
「安心しろっつわれても、この位置からじゃ見えんのだが」

 つーか見せろ!と横島は思うのだが、カリンは恋人のくせに冷淡だった。

「そう言われてもな、この体勢じゃ見せようがない」

 確かにテーブルを挟んで向かい合った状態では見えるはずがないのだが、少女がくすくす笑っていてどこかイジメているような感じなのは今日も彼の隣を取られたのが面白くないからだろうか。

「でもこういうのって楽しいですね。まったく肩肘張らなくていいのってすごく新鮮です。
 ……これも横島さんのおかげですね。大好きですよ」

 そんな空気を読まない、あるいは塗り替えるかのように小竜姫が横島の腕に体をすり寄せる。このやわらかくて温かい感触からすると、彼女もブラジャーをつけていないようだ。
 するとタマモも尻馬に乗って、反対側から少年の首すじに顔をうずめる。

「そうね。横島の場合、バカなのが取り柄になってるから。
 変に気を回して来ないから、逆にこっちも力抜いてられるし」
「タマモ、それって褒めてるのか!?」

 横島の額に少しだけ縦線効果が入ったが、タマモ的には激賞したつもりらしくおとがいを上げてかわいく睨んできた。

「そーよ。そうでなかったらこんなにべたべたするわけないじゃない。
 とゆーか女の子がスキンシップ求めてきてるんだから、もうちょっとこう、肩を抱くくらいのことはしていいんじゃない?」
「おおっ!?」

 横島はまだ女性の方から迫られるのには慣れていないのだが、ここまで言われておとなしくしているほど気弱ではない。狐娘の望み通り、タマモの肩と小竜姫の腰をぐいっと抱き寄せた。
 2人は「きゃっ」と小さな声をあげたが、むろん嫌がったりはしない。そのまま横島の腕の中に身をゆだねている。
 お風呂あがりの美女美少女の体温とやわらかさと甘い匂いが思春期のパトスを刺激しまくりで、横島はもうこの空気だけで酔っ払ってしまいそうだった。
 しかしここにはもう1人、この輪の外にいる者がいるわけで。

「やれやれ、今日の横島はモテモテだな……仕方ない、私は空いてるところをもらうか」

 カリンは苦笑しつつもテーブルをすり抜けて横島のまん前に移動すると、両手を伸ばしてそっと少年の顔をはさんだ。
 横島が反応できずにいるうちに、顔を近づけてその唇を奪い取る!

「んんっ!?」

 横島だけでなくタマモと小竜姫もどびっくりして目をまん丸に見開いたが、カリンは構わずに目をとじたまま少年の唇の中を蹂躙する。
 たっぷり10秒ほどもむさぼってから、ようやく解放してやった。

「ふふっ、ごちそうさま。美味しかったぞ」
「……」

 横島はまだ事態についていけず呆然としていたが、カリンが満足して少年の頭の上を前転しその背中にもたれるようにして腰を下ろすと、出し抜かれた「1号さん」がくいっと顔を近づけてきた。

「ここで指くわえてるままじゃ傾国の美女の名折れよね。横島、目つぶって」
「じゃ、私はその次で……」
「へえっ!? お、おいタマモ、いや凛明さまも! 気持ちはめっちゃうれしいけど、されっ放しってのも男のメンツとか自主性とかそーゆーのが困るってゆーか。つかカリン何とかしてくれ」
「ふふっ。いつもセクハラばかりしてるんだから、たまにはこういうのもいいだろう。あきらめろ」
「何でじゃー!」

 …………。

 ……。

 何だかんだ言って、横島の三股生活はそれなりにうまく行っているようだった。


 ―――つづく。

 んー、何だか横島君が異様に幸せですねぇ。なぜなんでしょう(ぉ
 ではレス返しを。

○ぐだぐださん
 むしろ前作と対比的になるようにしてみました。
 親衛隊がいなかったりするところとか(ぉ

○読石さん
>タダスケ
 原作のタダスケの場合、令子が見てるところで文珠や栄光の手は使えませんでしたからねぇ。正体バレますから。
 それよりストレスたまってたのが大きいのですがw
>カリンの教育的指導
 これで少しは反省してくれるといいんですが、原作では何回令子に折檻されても直りませんでしたからねぇ。まだまだ不安です(^^;

○遊鬼さん
>タダスケ
 せめて帰る直前くらい、活躍させてあげませんと可哀そうですからねぃw
>小竜姫様
 まあたまにはこういう事もあるということで。
>ネタ
 楽しんでいただければ幸いでありますー。

○KOS-MOSさん
 お褒めいただきありがとうございますー。面白いと言っていただけるのが1番励みになります。
 タダスケさんはやっと未来に帰れることになりました。残念です<マテれ
>小竜姫さま
 逆に考えるのです、何もせずに事件を解決した策士だとw

○風来人さん
>タダスケ
 ストレスも解消して、すっきりした気分で未来に帰れることになりました。ちっ(ぉ
>小竜姫様
 いあいあ、彼女については上記の通りでありますーw

○ひでさん
 タダスケさんについては上記の通りであります。
 横島たちにとっては確かにいてくれた方がいいんですが、本人にとってはたまったものじゃないのでw

○紅さん
>タダスケ
 まさに不幸(酷)。
 強いからって幸せになれるわけじゃないという良い見本でありますな。
>教育的指導
 お仕置きの代わりのはずだったのに、なぜかご褒美みたいな流れになってしまいました(^^;

○シエンさん
>姫様
 は、無理に向かないことをしても碌なことはないという教訓でした(ぉ
>でも煩悩共鳴は修行の効果もあるんだからこれはこれで・・・?
 実はいつもやってることですしw
>そんかわし若い美神さんとの接点が出来たんだからヨシとしときなさい
 フイにされました(酷!)。
>先生! それ美神さんには鼻で笑われるとオモイマス!
 いあ、美神さんが相手だったらこんな甘いこと絶対言わないですよーw
>「兄貴ぃぃぃいぃいいっ!!」
 それ嫌すぎww

○鋼鉄の騎士さん
>タダスケ
 そんな、そこまで言わなくてもw
 こうロウソクの最後の(中略)ということで、素直に褒めてやって下さいな<超マテ
>拳○様
 前作で出しましたので、今回は変えてみました。

○whiteangelさん
 拳○様は漢ですよねぇ。
 カリンvsガルーダは短かったのに感心していただけて嬉しいです。

○チョーやんさん
 すいません、南武グループ編はあれで終わってしまいましたm(_ _)m
 あそこからメドさんが出て来るのも不自然ですし、茂流田たちを押さえれば他のモンスターは動きませんしorz
>タダスケ
 彼も横島ですから、たまにはかっこいい所も見せるのですよー。
 最後の活躍になりましたが!
>美神さん
 たいして苦労しなかったのに賠償金やら何やらをむしれるので、彼女的にはOKだったかと。
>へし折っても許されると思いますよ?
 ひどいww
>それが通用するのは対立する両陣営が同じ価値観を共有してる場合だけじゃないかと…
 そうですねぇ、元寇の時なんかそれで日本軍ひどい目に遭いましたし。
 もっともカリンは相手によって正々堂々度を変えてますので、メドーサみたいな敵には思い切り不意打ちしてたりするのですが(^^;

○山瀬竜さん
 南武編はこれにて終了してしまいました。メドさん再登場はまたしばらく先でありますー。
>タダスケ
 そうですねぇ。令子さんの丁稚は猿神の修業より数倍きついそうですから、10年も経てば決戦兵器になって当然でしょうなw
>強くなる為にはかなり恵まれているんですねぇ
 師匠やライバルに恵まれてますからねぇ。
 恵まれすぎてつらいのかも知れませんなw
>ガルーダ、トロールにインパクトで負けている気が…
 一応ラスボスだったんですが、やはり粘りが足りなかったかorz
 それともグーラーが出ないというのがそれほどに衝撃的であったのか……。

○Februaryさん
 タダスケさんは頑張りました。最後ですから(ぇー
 姫様は活躍せずに済んでむしろラッキーだったのです!
>うわっww ビミョ〜ww
 彼には関西人の血が流れておりますからw

○ばーばろさん
>SMGの弾の弾ぐらい弾けないで〜〜〜
 いあ、それは人間に対してはかなり厳しい要求なのではないかと。
 横島だと大したことないように見えますがー!w
>タダスケさん
 帰る前に見せ場をつくれて筆者も満足しております(ぉ
 生身で大気圏突入……いくらマリアと装具が守ってくれたからって、どう考えても地球上の生物じゃありませんなw
>でも、ヨコシマ(カリンたん)の援護が小竜姫さまを悶えさせる事だと知っていたら
 仲間割れは必至でしたww
>ヨコシマを親に紹介したら「お前には過ぎた婿だ」って言われるぞっ!
 ひ、ひどい(笑)。
 でも小竜姫さまの親御さんは彼女の最近の知略派っぷりを知りませんからねぇ。横島君の成長のすごさだけを聞いたらそう言っても不思議はなかったりするのですな。
 危うし小竜姫さま!
>「タマモの修業 朧寿司編」
 さすがに伝説の寿司王さまの具体的な修業シーンなんて書けませぬorz

○通りすがりのヘタレさん
 いあいあ、凛明さまは仏道に帰依してますから慈悲深いんですよ?(w
 タダスケは死亡フラグじゃなかったですが、出番お終いという点では似たようなものかも知れませんねぇ(酷)。彼が普通に強いことにみなさま納得してくれてよかったですー。
 小竜姫さまとメドさんは結局出番なしでした。でもいずれまた決着編があることでしょう。

○UEPONさん
 ここのタダスケさんは常時哀愁を背負っておりますが何か<超マテ
 結局横島家の実情は知らないまま未来に帰ることになりました。

○晃久さん
>タダスケさん
 10年経っても横島君は横島君ですから、ギャグ体質の宿命からは逃げられないのです!
>小竜姫さま
 もともと横島君が無断で煩悩全開を使ったのが悪いんですが、それでも役立たずと言われてしまうのはやはり前科のせいなのだろうかw
>「自分は戦闘では役に立たなかったから」
 は、実はそうだったのですよー。恋する乙女は策も練ります!
 本文にも書きましたけど、装具さえ出せればあとはカリンが何とかしてくれますから(ぇ

○冬に咲く雪だるまさん
>ガルーダ
 そうなんですよねぇ、もし神話準拠で出て来たらどうにもならないところでした。というかヴィシュヌの乗騎になる代わりに不死を与えられたっていいますから、メドさん自身より格上ですな(^^;
 とりあえず魔界の人に押しつけ、もとい任せることになりましたー。ワルQかジーク辺りが引き取りに来ることでしょう、たぶん描写はありませんが(ぉ
>戦術レベルのだましあいはともかく虐殺などの非人道的行為は戦後に大きな禍根を残しますね
 そうですねー。自分が生き残るためにすることはとにかく、無用の殺戮は自分たちにもはね返ってきますから。
>こう考えると実は霊能兵器抜きでも日本の犯罪史に残る大事件ですね
 南武グループが兵器産業として認められてれば兵器の製造・所持自体は合法でしょうけど、傭兵に持たせて人を脅迫、殺害するのに使うのは間違いなくアウトでしょうからねぇ。
 頭のいい令子さんたちのことですから、銃刀法違反の証拠もきっちり持ち帰ってることでありましょう。

○Tシローさん
>うぬらに逢いたくなったわっ!!
 うーん、男だと難しいかも知れませんなぁ(笑)。
 拳○様の方が人気あるんですかねぇ。前作で使ったので出せませんでしたけれど。
>タダスケ
 苦労したみたいですしねぇ。強くなければ生きていけなかったんでしょうな(ノω;)
>横島にお仕置きだっ!!
 差し引きするとご褒美の方が多くなってしまったような気がしますorz

○ロイさん
>タダスケ
 結果的には彼にとってほぼベストな展開だったと思われます。
 どっちみち野望なんてかなうはずありませんしー!(酷)
>文殊14個分の霊力〜〜〜
 えーと、本文にも書いてますが、これはもともとメドーサとの戦いでの報酬でした。しかし今回の仕事で彼女が現れる可能性は低かったので、霊力を渡す約束はしてなかったのです。
 つまりタダスケはボランティア参加だったのですが、それは横島君と小竜姫さまも同じなので彼も文句はなかったというわけであります。
>やっぱり原作のままのガルーダよりも魔展開キャラのトロールの方がインパクト大きいですね
 うーむ、それほどにインパクトがあったとは喜べばいいのか困ればいいのか(^^;

   ではまた。

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