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「スランプ・オーバーズ!28 (GS+オリジナル)」

竜の庵 (2007-08-14 17:20)
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 ざーん、ざぶーんと情緒(?)溢れる波音が耳朶を打つ。


 「む、お…?」


 大きなリュックを枕に、やけに冷たい地面で眠りこけていた横島忠夫は、磯の匂いと波音、ついでに空腹感に襲われて目が覚めた。


 「んあ……おおう、寒っ!?」


 寝起きの気だるさのままに起き上がった横島だったが、吹き付けてきた潮風の冷たさに堪らず我が身を掻き抱いて辺りを見回した。


 「あれ・・・おーい、パピリオ! どこ行ったー?」


 自分はどうしてこんな一見港町、しかも防波堤の先端っぽいコンクリの上で眠っていたのか。
 事の真相を知っているどころか、犯人そのものだろう旅の相方の名を呼んで、横島は鼻を啜った。


 横島がシロを探すために事務所を飛び出し、そのまま遭難したのは先週のこと。小竜姫の許可を得て下山していたパピリオがその彼をサルベージし、旅の道連れとなったのは…横島には予定外のことだった。
 パピリオのお陰で機動力は増したし、眷属を用いた捜索も並行して進められるため、シロ捜索の強力な助っ人にはなった。でも、問題は多い。


 「ったく、どこ行ったんだあのちびっ子は…シロより好奇心強いぞ、あれは」


 まだ早朝時分なのだろう。
 薄くもやのかかった港町の風情は、なるほど演歌の舞台なんかにはもってこいだ。
 もやの向こうには、灯台らしき塔の影も見える。水平線に至る海原には、ぽつぽつと船影も確認出来た。


 「うはー…日本海にでも出ちまったのかよ…パピリオの奴、適当に飛びやがって…」


 身を切る風の冷たさに、横島は反射的に文珠『暖』でも使おうとして…手を止めた。


 「…いやいや。こんなことで使っとったらあかんやろ。うん」


 周囲に人が居ないことを幸いに、独り言のボリュームも大きい。

 ともあれ、自分をこんな寒々しい場所に連れてきた張本人を探さなければ。


 「パピリオの霊気は…っと。あ、魔力か? どっちでもいいや。…おおう、近づいてきとるな」


 ほどなく、ジト目の横島の前に、何故か大振りの赤茶けた壷を抱えた少女が空から降り立った。自分を睨んでくる横島へ、にぱっと無邪気な笑顔を向けてくる。


 「お早うでちゅ、ヨコシマ! よく眠れまちたか?」


 「地面は冷たいわ固いわ風は寒いわで散々だったわい! 一体どこに連れてきたんや!?」


 そもそもパピリオが、『パピがその人狼族の足取りを追うから、ヨコシマは寝てていいでちゅよ!』等と言ったものだから、遭難の疲れもあって、横島もその好意に甘えたのだ。

 まさか眠っている間に山ん中から海っぺりまで大移動してるとは思わなかったが。


 「襟首掴んで雲の上飛んでも、全く起きないヨコシマもどうかと思うでちゅよ」


 抱えていた壷を傍らに置いて、パピリオは腰を叩いた。
 中身は一体何なのか、壷は横島の想像以上に重たかったらしい。


 「ご飯、調達してきまちたよ! 一緒に食べよっ!」


 満面の笑みで壷を指差すパピリオは、それはもう楽しげで。
 横島との二人っきりの旅というか強行軍が、彼女には楽しくて仕方が無いのだろう。規律や戒律に厳しい姉、小竜姫から逃れて羽を伸ばせるのも浮かれる理由の一つか。

 横島としても、シロを探すという目的はあれど、可愛い妹分との旅になった以上は…パピリオの笑顔を曇らすような真似は出来ない。
 この少女は生まれてこの方、本当の自由を知らないでいる。それが幸福だったのか、不幸なのかも分からないままに。

 あの巨大なカブトムシ型兵鬼の中で、姉妹と(ついでに土偶みたいな上司と)過ごした日々が不憫だったとは言わない。でも霊的拠点を破壊しては異界に潜る生活が自由だったとは思えない。

 偉そうな物言いが出来るほど横島もフリーダムではないが。美神に飼われてるようなもんだし。


 …それに、パピリオは『彼女』の妹でもあるのだから。


 横島は後頭部を掻きながら、ため息を吐いて重そうな壷の前にしゃがみ込んだ。パピリオと目線の高さを合わせると、嬉しそうに隣へ擦り寄ってくる。


 「ご飯って…この壷か? ………どっから持ってきたんだ? それより、ここどこだよ?」


 「さあ? あっちの建物の壁に字が書いてあるんでちゅけど…難しくて読めまちぇん。ヨコシマ読んでー」


 「お前なあ…小竜姫様に字、教えてもらってただろうに。漢字くらい読めんでどーする」


 壷の中も気になるが、まずは現在位置の確認である。風は冷たいけれど気温自体はそれほど低くない。こうして防波堤から離れ、倉庫らしい建物群の方へ歩いていくとそれが分かる。
 港湾労働者っぽい風体の人々とも時折すれ違い、胡乱な目をこちらに向けてきていた。地上に降りる際に、パピリオは普通の子供服に着替えているが、場所が場所だし時間も時間だ。奇異に映っても文句は言えないだろう。


 「ほらあそこ。多分地名じゃないでちゅか?」


 「どこだって? おー、あれか…って…………へ?」


 パピリオの示す方角に顔を向けた横島は、そのまま硬直した。

 年代を感じさせる古いレンガ倉庫の壁に書いてあったのは、なるほど文字である。

 が。


 ・・・・・・・・・!(日本語、いわんや漢字では決して無い何かと日本をライバル視するお国の文字でようこそ! みたいな)


 それは、横島の予想を北西に超えたものであったりした。


 「!? まさかっ!?」


 はっとして何かに気付いた横島は、パピリオを置いてきぼりにしてダッシュで荷物と壷を置いた場所へと戻る。
 悪い予感と確信の両方に心中を混乱させつつ、横島は壷の蓋を引っぺがすようにして開いた。

 飛び込んでくるのは、鼻にツンとくる唐辛子の匂いと、国のシンボルカラーのような鮮烈な赤色。


 「キムチやあああああああああああああっ!?」


 壷の中身は、良く浸かった白菜キムチであった。流石は本場、といった趣に横島の中で無駄に旅情感が鎌首を擡げる。

 ビバ☆密入国。


 「不……不法入国うううううううううううっ!!」


 そうとも言う。


 「ほえ? パ、パピ、なんか間違えまちたか?」


 突然人外の速度で駆け戻って行った横島を追ってきたパピリオは、曇天に向かって咆哮する兄貴分に若干引きつつ、恐る恐る声を掛けた。


 「お前はシロの霊気を追ってたんじゃないんかいっ!? 何故にお隣の半島くんだりにまで来ている!?」


 「ありゃー…雲の上で方角を間違ったみたいでちゅね。パピも眠かったし…妙神山じゃ早寝早起きの健康的な生活でちたから」


 「退廃的な生活しとって悪かったなっ! それに夜通し飛べなんて無茶、誰が言った! 美神さんじゃあるまいし!」


 言い放った瞬間、国境を越えた殺気を首筋に感じたのは気のせいだと信じたい横島だったが。


 「と、とにかく日本に戻れ! パスポートも無いのにこんなとこおったら、ビビンバの具にされてしまうっ!」


 「びびんばって何でちゅか? 怪獣?」


 慌ててリュックを背負い直し、勢いで壷も抱えた物凄く不審者ぽい横島に、あっけらかんとパピリオ。
 韓流ブームの二枚目俳優達に敵意を覚えている横島にとって、この地はアウェイそのものである。まったくもって言い掛かりも甚だしい。そして身の程を知ってほしい。


 「後で教えちゃるから、とにかく飛べ! だかだか知らんが、ここは敵地じゃ! 離脱せんと鉄の箸でぶたれるっ!」


 「じゃあ、こっそり出てこっそり入ればいいんでちゅね? わあヨコシマ、前科が積み重なりまちゅねー」


 「誰のせいじゃあっ!?」


 密入国及び出国、領空侵犯…魔族であるパピリオは関係無いので他人事であった。(キムチは地元のおっちゃんの好意で分けてもらったものらしいので、窃盗罪はセーフ。)


 横島がシロと再会出来る日は、本当に来るのだろうか?


 「ちくしょおおおおおおっ! 待ってろよシロおおおおっ!」


 二人の旅は続く。


 …横島が逮捕されたりしない限り。


              スランプ・オーバーズ! 28

                    「黒白」


 双子三組による東京への旅もまた続いていた。


 末妹組に代わる代わる抱かれて眠るタマモの回想もまた、来るべき瞬間へと近づいて来ている。


 ひみつ基地に来訪した黒衣の老人、伝馬業天。


 彼の齎す旅の終わりを、当時のタマモが知る由も無かった。


 伝馬を交えてのその日の晩餐は、シロが張り切ったせいもあり武者修行史上で最も豪華な内容となった。
 山で採れる食材はもとより、以前から備蓄してあった米やうどんまで調理する大盤振る舞いである。
 食事中、伝馬は美味い美味いと連呼しては笑顔で箸を進め、猪肉中心の料理を絶賛していた。その度にシロも鼻を高くしたり胸を張ってみせたりと忙しない。
 タマモは伝馬とシロのご機嫌な様子を、少し離れた席からお揚げ食み食み見詰めていた。

 「いやあ、楽しい食事でござったな、タマモ! ずーっとお前との味気ない二人きりのご飯だったし!」

 食後、鼻歌混じりで後片付けをするシロは、タマモが手伝わないのを咎めるでもなく、手を動かし続けている。料理を盛っていた木皿は彼女お手製の代物で、器用にも霊波刀で削り出した一品である。他にもコップや箸も。霊波刀を制御する修行の一環らしい。
 どさどさと適当に食器を重ねて水場へと運んでいくシロの後姿は、尻尾がぶんぶんと振られているのを見なくても、楽しそうだと判別出来る。タマモは食卓に頬杖をついて、そんなシロをただ見送っていた。

 「………あーあ。結局とっといた分まで全部食べちゃって…」

 「いやあ、すいませんなあ。あたしもここまで豪勢な食事が頂けるとは…」

 「いーのよ。そろそろ塒も変えようと思ってたから、在庫処分だと思えば」

 食卓の上座では、伝馬が申し訳無さそうに苦笑を浮かべている。上座といっても、シロが勝手にこっちがお客様席! と決めたに過ぎない。おキヌ直伝、でもうろ覚えの接客技術を披露したかったのだろう。
 タマモはその辺の知識は皆無だし興味も無い。

 きぃぃ、と車椅子が音を立てて食卓から離れた。ここの床もシロが突貫作業で整地して、極力でこぼこを無くしてあった。ばりあふりーでござる、との事だ。

 「さて、食後の運動がてら…あたしはお仕事をしてきましょうかね。向こうのお屋敷には掘り出し物がたくさんありそうだ」

 電動の車椅子を器用に操作して、伝馬はタマモに一つ頭を下げてからシロの均した道を出口へと進んでいく。
 タマモはその背中も見送って、ふあ、と一つ欠伸を漏らした。

 「はふ。さてと、私はどーするかな」

 普段なら、夕飯の後は地下のゴーレムを用いた訓練を行うのが慣例なのだが、来客時はどうしたものやら。こちらの邪魔をしなければ何をしていても良い、とは言ったものの、伝馬の仕事にも興味がある。
 美神の事務所では高額な消耗品を湯水のように使って仕事していたため、リサイクルのリの字も見ることはなかった。おキヌが時々、ペットボトルや牛乳の紙パックを洗っているのを見たくらいだが、あれはオカルトとは無縁だと思う。
 道具使いである美神にとって、仕事道具を他人のお古で賄うなんて真似は…プライドが許さないのだろう。
 ただでさえ、オカルトグッズには持ち主の念が籠もり易い。となると、伝馬の言う霊的な洗浄という作業も見てみたい。

 「道具屋の裏側なんて、けっこう面白いかもね…うん」

 結局は好奇心に背中を押され、タマモはシロの手伝いを完全に放棄することにし、伝馬の後を追って外へ出た。

 シロの鼻歌が、楽しげに…本当に楽しげに聞こえてくるのを背に受けながら。


 満月が近い。
 少しだけ真円から欠けて見える月を見上げて、タマモは単純だがそう思った。
 犬神は感覚的に満月の時期を知ることが出来るという。妖狐は人狼ほど月の影響を受けない種族だが、無頓着でいられるほど鈍感でもない。
 こうして明るい月夜に歩いていると、体が軽くなったような錯覚を覚えるものだ。

 「んー…? おっかしいわね」

 塒から屋敷の廃墟への道は、一本しかない。一応周囲の森の中も通れるが、回り道になるし意味が無い。タマモやシロのような身体能力があれば別だが、伝馬は人間の老人で、しかも車椅子での移動だ。
 道中で追いつくと踏んでいたタマモは、屋敷が見えてきても一向に伝馬の姿が無いことに、首を傾げていた。

 「こっちに行く、って言ってたわよね…?」

 疑念を感じた途端、むくむくと当初の不信感が再び沸き上がってくる。不安が募ってくる。
 よく考えずとも、伝馬が現れた経緯は怪しさに満ちていた。というより、タマモは正確には彼が到着した瞬間を知らずにいた。

 「………あれ? 何か…」

 シロとタマモがゴーレムに描かれた黄色い蛙の是非を巡って言い争い、いつものじゃれ合いから追いかけっこに発展したのが…ついさっき、夕食前のこと。
 地下の格納庫でゴーレムを起動させ、シロを退散させるまでに数分。
 そして、愚痴めいた小言を石像相手に零し、地上へ出るとシロが伝馬と共にタマモを待ち受けていた。

 そう、シロの隣に佇んでいた。

 「………んー? あれ? 何だろな」

 頭の隅にちらつく疑念。自分の尻尾を捕まえようとくるくる回る犬のように、思考が堂々巡りを繰り返す。
 追っても捕まらないけれど、どうにも気になって仕方ない。
 タマモは足を止めて、近くの木の幹に体を預けると考え事に集中していった。


 「おや。タマモさん」

 「―――――?!」


 唐突に。
 余りに唐突過ぎて、一瞬何が起こったか…理解出来なかった。
 突然背後…凭れかかっていた樹の裏手から伝馬に話しかけられ、タマモは一挙動で距離を取ると同時に、紅い狐火の炎玉を声の方へ投げつける。

 「おっと」

 結果は、その一言だけだった。
 反射的な一撃だったとはいえ、手加減する暇も無かった規模の攻撃を、伝馬は驚きもせずに避けて見せた。そんなものはお見通しでした、と言わんばかりに車椅子を引いて。

 「危ない危ない…いやはや、迂闊な行動でしたな、あたしも。武者修行中のお人を相手に、背後から話しかけるなんざ」

 「あんた…」

 柔和な笑みを浮かべて木陰からゆっくりと出てきた伝馬に、タマモは鋭い目線に隠す気もない敵意を籠め、新たな狐火を点しながら自分の予想が最悪の形で正解したのかを確かめようとする。

 「どうしました、タマモさん。そんなに怖いお顔をされてはせっかくの可愛らしさが台無しですよ?」

 「あんた、何で?」

 伝馬の声や仕草に一切耳を貸さず、タマモは要点だけを問い質す。今の登場の仕方で、タマモには確信が生まれた。


 「何で、幻術なんて仕掛けてるわけ?」


 頭の隅に残っていた違和感の正体は、感覚の『誤差』である。
 夕食前の一幕だ。
 地上に出たタマモを待っていた、シロと伝馬。
 タマモは、伝馬を『視認する』まで、彼の霊圧や気配、音や匂いに至るまで全く感知出来ていなかった。
 この塒はタマモのテリトリーであり、人間の言う所のプライベートな空間だ。当然、外敵の侵入には気を配っているしそれなりの防御策も講じてある。
 尤もこんな僻地に悪意を持った侵入者など訪れるはずもなく、仕掛けた罠の殆どは間違ってシロが引っかかったり生き軍人人形の一団が引っかかってたりで、効果を無くしている。
 とはいえ、生きている仕掛けもそこそこは残っているし、何よりも犬神の五感や霊感が最高の警報装置となって働いている。

 にも関わらず、伝馬は。

 「幻術? そんな滅相もありません! 幻惑能力に長けた妖狐、それも九尾の大妖を騙せるほどの力なんざ、こんな老人にあるわけないでしょう?」

 「今だって、私はあんたの声を聞くまで…こんな近くにいるのにも関わらず、認識出来なかった。森には木の葉が落ちてる。その車輪で踏んだら音が鳴るわね? 動かしたら機械音もするはず。霊圧や気配だけなら、消せる。でも、そういうものは消せないのよ」

 所謂気配というのは、音や匂いも総合的に捉えるケースが殆どだが、それはあくまでも人間同士での場合だ。
 視覚以上に耳や鼻の利く犬神にとって、百聞は百見に等しく百嗅は万見にも値する情報の塊である。
 その感覚全てを騙す方法は、術しかない。それも高度な幻術しか。

 「答えなさいよ。事と次第によっちゃあ…」

 狐火の色が、紅から蒼へと変わる。青白い光に照らされるタマモの顔は、恐ろしいほどに無表情になっていた。
 対する伝馬は、ようやく笑顔を収めると顎髭を弄りながら天を仰いだ。

 「………天地神明に誓って、幻術なんぞじゃあございませんよ。あたしはオカルトグッズの商いこそしておりますが、霊力には恵まれませんでしてね…その辺も、あの厄珍さんと似たところですが」

 「…とぼけるんだ。なら」

 「とぼける? いやいや、これは単純なお話です。お互い話の通じぬ子供じゃなし、暴力に訴えるのはよしましょうよ、とね。そんなものをぶつけられたら熱いでしょう」

 「………シロが気付く前に、失せろ。あいつはあんたが来て喜んでたからね」

 伝馬のおかしな幻術に気付いていないシロには、あいつは山を降りたと伝えよう。
 タマモは狐火の密度を致命傷ギリギリにまで高めながらそう決めた。
 人間の中には、まだこんな奴もいる。やはりシロのようなお人好しには、自分がついてないと…

 「…良い顔をしてらっしゃる、タマモさん。非力な車椅子の老人を傷つけてでも仲間を守ろうという、決意の程が見て取れます。伝説にある九尾の狐の面影など、どこにもない。権力に取り入り、篭絡し、利用し、破滅させるという物語…あたしは、まんざら嫌いでもないんですがねえ」

 天を仰いだままだった伝馬が、再び目を細めた好々爺の表情でタマモを見据える。内心の読めない、上っ面だけの笑みを深めて。

 「シロさんを守ろう、テリトリーを守ろうと奮闘するあなたの姿には敬服しますな。どうでしょう、タマモさん。話し合いで決着を着けませんか。あたしの目的もきちんとお話しますから」

 伝馬に些かも動じた様子は無い。タマモの放つ妖気に晒されながらも、マイペースで言葉を連ねていく。タマモはもう、殆ど聞いていないが。

 「最後の忠告よ。失せろ。何をしにきたか知らないけど、何もするな。二度と…」

 車椅子の足元で狐火が爆ぜた。熱風が伝馬の白髭を撫で上げる。

 「目の前に、現れるな」

 地面で燃え続ける狐火の明かりが夜の森を照らす。これだけ霊圧がざわめけば、シロだって異常に気付くだろう。鈍感でもお人好しでも、かの少女はタマモが認めた…家族なのだから。

 「………悲しい話です。まったく」

 抗弁の余地も無く完全に拒絶された伝馬は、狐火の向こうで首を振った。

 「幻術など使っていないというあたしの話を信じてもらえないのが悲しい。敵意や害意のないのを理解してもらえないのが悲しい。仲良く出来ないのが悲しい。つれない仕草が悲しい。あの食事を頂けるのも最後なのが悲しい。でもなにより」

 狐火の揺らめきが、伝馬の表情の変化を彩る。被っていた仮面が剥がれるというより、じくじくと染み出した黒い感情が、仮面を塗り潰して別の顔に変化したような。

 黒笑が、生まれた。

 タマモの額から汗が滴った。冷たい、悪寒を伴った汗が。

 「あ、んた…!?」


 「あなたの、守ろうという想い全て…手遅れなのが悲しい」


 伝馬の声と、狐火の青とは別種の青白い輝きがタマモを襲ったのは、同時だった。

 「この霊圧!?」

 見慣れていたからこそ、避ける事が出来た。
 手の内を知り尽くしていたからこそ、その連撃から辛うじて逃れられた。

 「タマモさんの慧眼には、感服致しましたよ? ただ、あなたの感じ方ではまだ『足りなかった』。あたしに感じた違和感…本当に、あたし『だけ』に感じましたか?」

 タマモに閃いた幾重もの斬撃の余波が、伝馬の前の狐火を薙ぎ払い、青白い明かりは一気に暗闇に落ち着いた。
 斬撃の主は、切り開かれた伝馬の前の空間へ軽やかに降り立つ。


 数分前に見たのと同じ姿、同じ…家族の姿で。


 「シロっ!!」


 伝馬の横に並び、こちらを見るシロの瞳は、熱に浮かされているように揺らいでいた。頬も紅潮し、息も荒い。
 その様子はまるで、猫がまたたびを盛られたような…人間が薬に溺れたような。

 「何をした!? ジジイっ!!」

 「…ふむ。タマモさんには影響がほとんど出ていないのですなあ…なるほど。殺月の反対、産月の長石…面白いアイテムです」

 「答えろ!!」

 「お客様でも無いのに商品の説明を求めるとは…見込客ってやつですかねえ」

 「…! っざけるなあ!!」

 どこまでもペースを崩さずに語る伝馬へ、タマモは湧き上がる怒りのままに狐火を叩き付けた。一直線に伝馬の顔面へ向かうそれを、隣のシロが霊波刀の一振りで切り払う。

 「無駄ですな。今のシロさんはね、あたしの支配下にある。尤も、ずっとこのままでは壊れてしまいますから適当に解放しますが」

 「今すぐ放せ! さもないと焼き殺す!」

 「まあまあ、きちんと説明して差し上げますから落ち着いて。さて、どこから聞きたいですかな? あたしの本当の目的? シロさんに使ったアイテムの効能? あなたが幻術と言い張るこの仕掛けの正体?」

 「あ、うあ、あああああ…タマ………モ……!」

 「!? シロ、ちょっと馬鹿犬しっかりしなさいよ!!」

 「ん…? おや、まだ抵抗出来るのですか。隠れ里の人狼族もでしたが、この娘さんは更に抵抗力が強い……ああ、そうか」

 突然片膝をついてうめき声を上げ始めるシロを見て、伝馬は眉を顰めた。が、それも一瞬だった。得心がいったという具合に膝を叩いて顔を綻ばせる。

 「かの狼王の事件で、美神令子と共に月の女神の祝福を受けて戦ったんでしたっけ…なるほど、濃い月光に耐性があるわけだ」

 タマモもその話は良く知っていた。シロが自分と先生…横島忠夫の活躍を若干誇張しては、武勇伝としてえっへんとタマモに自慢してくるからだ。それはもう、何度も。
 シロは語彙に乏しく、話題もそう多くは無い。印象深いフェンリル事件の話が頻出しても仕方ないだろう。

 「くあああああ……タマ…モ……逃げるで、ござ、る…!」

 「シロ!」

 「ふむ。とりあえずは彼女の状態からお教えしましょうか。気が散るでしょうからな」

 「ジジイ…!」

 伝馬は苦しむシロを一瞥すると、懐から小さな石ころを取り出した。
 その瞬間、タマモの全身が総毛立った。恐怖や悪寒からではなく、その石から発せられた月光の魔力の神々しさと淫靡さに。

 「こいつはですね、永い年月をかけて月光から純粋な魔力を抽出し、凝縮させた魔石です。あたしが東南アジアで手に入れました。人間にはさして影響はありませんが、人狼族のような犬神には『月光酔い』を起こすほどの酩酊・麻薬効果があるんだそうです。シロさんを見れば一目瞭然とは思いますが」

 饒舌に、シロの苦悶など見えないかのように。
 黒衣の老人は、石を弄りながら得意げに語る。
 それがまた、癪に障る。タマモの敵意は殺意へと昇華しかけていた。

 「これの効果についての実験結果は、上々だと言えるでしょうな。ご協力に感謝しますよ」

 魔石の影響を吹き飛ばすほどに、その時伝馬が浮かべた笑みの不気味さは群を抜いていた。
 冷水ならぬ汚泥を浴びせられたような不愉快さに、タマモは歯を食いしばって耐える。ここで引いたら、シロを助けられない。

 「うるさい…シロを解放しな。本気で…殺すよ」

 「おお。いいですな、その殺意。やはり妖怪とはそうでなくては。下手に人間のような感情を見せられると正直萎えますよ」

 「いい加減に…!」

 「だが、まだまだ。その程度の衝動情動敵意殺意では、一人前の妖とはなり得ません。ただまあ、あなたは…幼すぎる。大人とやり合うには、もう少し時間が必要です」

 「どっちが妖怪よクソジジイ!!」

 くつくつと嗤う伝馬は正視に耐えない。タマモはシロが動けずにいる今がチャンスと、蒼の狐火を再び全力で伝馬へ投げつけた。シロの援護が無ければ、この狐火は避けられないはず!


 「…若い」


 が、今度も…伝馬は避けなかった。


 「!?」


 伝馬の背後の暗闇から、巨大な腕が『湧き出して』伝馬の前面をガードした。狐火が虚しくその表面で砕け散る。

 「な……まさかこいつまで…?」

 「ご明察…と呼ぶほどでもありませんか。お察しの通り」

 巨大な腕は、車椅子ごと伝馬を抱え上げるとその全身を暗闇から地響きと共に現した。今まで気付かなかったのが不思議なくらいの、圧倒的な存在感でもって。

 「何を驚いていらっしゃいます? だから言ったでしょう、あたしだけに違和感を感じていたのでは、足りない、と」


 最初に眼に飛び込んできたのは、奇しくもタマモの描いた…黄色い蛙のペイントだった。


 「ろなるど一号…!」


 タマモには特に名前まで付けて可愛がっているゴーレムはいない。
 タマモと違って操作系の術に疎いシロが、四苦八苦しながら起動作業していたのはタマモも見ている。さくっと相方が起動させたのを見て、ライバル心を燃え上がらせるシロを高みから見物するのは悪い気分ではなかった。

 シロにとって、このゴーレムは初めてのペットのようなものか。
 そして今も、かのペットはシロの隣にいた。

 「さて、二つ目の謎解きです。あなたが幻術と言ったあたしやシロさん、このゴーレムにかけられている術の正体。何のことは無い、結界札ですよ? 実験、そう、この場全ての出来事は実験なのですが…新型の結界札でですな。少量ですが市場にも流しております自信作です。妖狐の鼻でも看破出来ないとなれば、もう少し値段を上げても売れそうですな」

 またも、饒舌にくどくどと伝馬は嬉しそうに語った。ゴーレムの肩の上に器用にも車椅子で乗り、歯軋りするタマモを見下ろしている。

 「そんな札…ミカミだって持ってなかったわよ」

 「そりゃあそうです。素材から製法、販売ルートに至るまであたしが全て管理しておりますからな。厄珍さ…っと、もういいか。厄珍でも仕入れは不可能、国内で手に入れるには、幸運にもあたしと取引できた人間だけです」

 シロの呻き声が途絶えた。俯いて震えていた体を立ち上げ、霊波刀を展開しながらタマモを見る。さっきまでの熱に浮かされていたような表情から、今度は感情の波が消え去っていた。
 ただ、尋常ではない量の汗が全身に浮いている。明らかに異常だ。

 「シロさんの制御も概ね済んだようですな。さて、他にも聞きたいことはありますかな? ああ、このゴーレムについてもお話しておきましょうか。あなた方が適度に霊力を注いでくれたお陰で、良いコンディションを保てています。これも御礼を言っておかないとね」

 「何………?」

 「まあ、簡単な話ですよ。要は、あなた達よりも『先』に、あたしがここに目を付けていたってだけです。いやはや、僅差でしたよ? あなた達が訪れる一月も前じゃありません。地下のゴーレムを解凍処理して施設にも最低限の電力を供給し、コマンド入力のみを残す半待機状態で置いていったのですが」

 お二人がゴーレム同士を戦わせて遊んでいるのを見た時は、肝が冷えましたよ。
 伝馬はそう続けて、肩を竦めた。

 「私達は…あんたの手の上で踊ってたって言うわけ…?」

 「理解が早い。陳腐な言い回しですがその通りです。誰が維持管理をしていたと?」

 「何のためによ!」

 「そりゃあ、お仕事のためです。…おおう、これはいけません。次の大仕事の準備をしに来たのですよ、今日は。あなたが素直にあたしのくどい言い回しに付き合ってくれたお陰で、物資の搬出も綺麗に終わりそうですし」

 「え…」

 「とはいっても、このままあなたを放置しておくのは危険ですな。あたしも時間稼ぎと暇潰しで少し喋りすぎましたし。ここは一つ、シロさんにお願いしましょう」

 伝馬の細い目がシロへ向けられると、僅かに頷いたシロがタマモの前へ立ち塞がった。霊波刀を正眼に構え、虚ろな瞳を倒すべき敵…タマモから動かさない。

 「産月の長石の効果が貴女にも出ていれば、こんな真似はせずに済んだのですが…九尾の妖狐、是非手に入れたかったですよ。せめてお友達の手で楽に、なんてね」

 「シロ……! ちょっと本気…?」

 「あはは…多少てこずりましたが、彼女の意志はあたしの支配下にありますよ? 本気も何もありません」

 生気に欠けた表情とは裏腹に、確かな殺意がシロの霊波刀からは漂ってくる。一旦刀を抜いた武士が腹に据える決意の力。それが、漲っている。
 タマモは伝馬を睨みつけたかったが、今のシロから眼を離すと致命的な隙を生んでしまう。この距離なら、一閃で決着は着くだろう。
 修行の成果もあって、シロの太刀筋には更に磨きがかかっている。ある程度の距離があるならばともかく、既に霊波刀の制空圏内に取り込まれている現状で、タマモには為す術が無い。

 「では、おさらばです。やりなさい、シロ」

 「…!」


 土を蹴る、シロの踏音。致命的な間合いへと入り込む、足音。


 霊波刀の煌めきは、どうしようもないほどに苛烈で美しくて。


 タマモはその輝きの先にいるシロへ、ほんの刹那だが目線を移した。


 「――――――!」


 シロの目尻から流れる、一筋の涙。


 (…全く……ほんとに馬鹿犬なんだから…)


 タマモはその涙を見た刹那…覚悟を決めた。


 霊波刀の切っ先が地面から空へと、三日月の軌道を描いて振り抜かれる。


 その、青白い閃光の軌跡を追うようにして。


 真っ赤な血液が夜空へ舞い上がり、タマモは変化を解きながら地面へと…軽い音と共に転がった。


 仔狐の周囲に、広がっていく…血溜まり。


 「あ・ああ・ああああああ・ああああああああああああああ!!!!!!!」


 月光に意志を蝕まれているはずのシロの口から、様々な感情を内包した悲鳴のような絶叫が、放たれる。


 何度も。


 何度も。


 「黙れ」


 「あああ・ああああ………」


 夜気を貫くシロの悲鳴は、伝馬の命令によって強制的に閉じられる。綴じられ、抑え込まれ…全てを飲み込んで、渦巻いて留まる。

 「全く…やかましいですよ。割れ鐘でもなし、汚い音を出すな」

 「あ・あ・あ・あ……」

 伝馬は鬱陶しげに眉を顰めると、魔石をシロへ翳して一振りする。
 音叉を叩いたような低音が響く。シロの体は音波に触れると同時に弛緩して、タマモの血が染み込んだ地面へと倒れこんだ。

 「さて、思わぬ拾い物でしたが…ふむ、神族の牽制にでも使いますか。妙神山の竜神様が降りてくると何かと面倒ですし。人狼の里を手札に使えば拒めないでしょうしね」

 無造作に、倒れたシロの体をゴーレムに拾わせる。まるで物のように。人形のように。

 「さあさあさあさあ……回帰の時ですよ。今一度、あの至福へと帰らん!」

 ゴーレムの肩の上、伝馬は満面の笑みを浮かべて少しだけ欠けた丸い月を見上げる。
 歩き出したろなるど一号を追うようにして、周囲の暗闇から新たな機影が湧き出していく。あの地下に存在した全てのゴーレムが、今や伝馬の僕へと成り下がっていた。

 「遠足前の夜の気分ですなあ…ああ、月が美しい!」

 無機質なゴーレム軍団を従えて、伝馬はその場から離れていった。耳障りな笑い声を上げながら。


 (……………知ら、せ、なきゃ)


 完全に伝馬とゴーレムの気配の消えた頃を見計らって、仔狐が震えながら起き上がった。人型に化ける体力は、血と共に流れてしまっている。

 代謝機能を極限まで抑え、敵に死を錯覚させる『擬死』。

 以前、オカルトGメンの心霊捜査に協力した際にシロも使った、獣ならではの荒業だ。
 だが、死んだフリとはいえ…実際に大怪我を負った状態で代謝を落とすのは危険な賭けだった。


 (家に……帰って………ミカ…ミに……)


 血を流しすぎたせいで、タマモの意識は朦朧としていた。ふらふらとよろけながら、塒への道を引き返していく。


 (う、ちに……うちに…かえって………)


 事務所へ帰り、シロが攫われたことを美神に伝えねば。

 美神ならきっと、何とかしてくれる。あの賑やかで暖かな家の支配者である、彼女なら。

 塒へと辿り着く。胸の傷は燃えるように熱い。まるで自らの狐火に焼かれているように。
 荷物を置いてあるのは、例の応接スペースの奥だ。
 シロが伝馬のために均しておいた道が、今のタマモには幸いした。もう、障害物を乗り越えて進む体力は残っていない。


 (…………まち、に…おりて……くるま…とめ、て……これ…で…)


 タマモの探していたものは、おキヌにプレゼントされた小さなポーチの中にある。
 絶対似合うから! と半ば強引に押し付けられたその小物入れの中には、迷子になったときのために、と…美神の名刺が財布と一緒に入れてあった。
 その時は、子供じゃないんだから、とおキヌの過保護っぷりに苦笑したものだ。


 (…………だから、だい、じょう、ぶ……)


 道に迷ったら、タクシーを止めてこの名刺を見せればいいよ、とおキヌは言った。そうしたら家に帰れるから…と。
 既にタマモは、自分が獣形態であることも忘れているようだった。


 (これ、で……)


 感覚の麻痺してきた前足でポーチを開け、中を探り…小さな紙片を見つけ出すと、それを銜えてまた塒の外へとふらふらと歩き出す。
 もう、ほとんど意識は消えかかっていた。


 (…ぜった、い……たす、けに………)


 意識が閉ざされる瞬間。タマモは暗転していく視界の先に、泣いているシロの姿が見えた気がした。


 「だから、なきやみな、さい、よ……」


 小さな、掠れた声。それを最後に、タマモは完全に気を失った。地面に倒れ、銜えていた名刺はその勢いで小さく翻り、微かに上下するお腹の上に舞い降りる。


 …タマモが覚えているのは、ここまでだった。


 そして現在。

 少女の腕の中、たゆたう意識の中でタマモは再度決意する。

 あの、馬鹿で単純で落ち着きが無くて、からかい甲斐があって。

 いつの間にか隣にいるのが当たり前になっていた、あの人狼族の少女を…必ず、助け出すと。

 自分一人では無理でも、自分の『家族』が…

 絶対にあんたを見つけて連れ戻すと。

 らしくないかな、とも頭の片隅で思いつつ。

 『らしさ』を失った相棒のために、タマモは怪我を癒す深い眠りへと、再び埋没していくのだった。


 つづく


 後書き

 ご無沙汰しております、竜の庵です。
 タマモ回想編はこれで終わり。次回からはまた現在の事件がぐるぐると動き出します。
 久しく出していないGC側の人々にも、スポットを当てたいところです。


 ではレス返しを。


 February様
 伝馬翁と獣っ娘コンビの間に何があったのか、もう少しすっきり書ければ良かったかなと思います。晩餐とかいって、食事シーンすら碌に無いくせに冗長だ!
 色んな繋がりがあると面白いのですが、今回の化け猫&双子三組の繋がりは些か強引だったかも。おいおい理由も書いていきますので。


 内海一弘様
 ガルーダ? 何のことでせう…?(よそみ
 タマモに電波が舞い降りたのだと思ってください。70年代の電波が。
 コンビ間で敵味方に分かれて…っていう王道ストーリーですが、今後にご期待頂ければ幸いです。


 うーん・・・・様
 夢小説って一体。
 でも、陳腐さは自覚しておるのです。表現に幅が無いのは偏に作者の力量不足なので、現状でどうしようもないのですが…精進しますとしか。ご指摘有難うございました。


 柳野雫様
 近年稀に見る良作、でしょうか。例のアレは。
 シロは最初から術中にあったんだ! な、なんだってーー!? という感じにしたかったのですが、どうも表現力の壁にぶち当たって砕け散ってまして…一皮剥けたいところです。
 意地でも本編で明言するまではとぼけてやる…! ガルーダなんてどこに出ましたっけー? あれれー? ケイの出番は大分先になるでしょうが、多分あります。多分。


 以上、レス返しでした。皆様有難うございました。


 さて次回、徐々に対魔填楼包囲網が狭まってきます。遭難者一名除く。

 ではこの辺で。最後までお読み頂き本当に有難うございました!


 あ、この物語はフィクションですから実際の地名とか国とは無関係ですよね!(誰に聞いている

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