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「横島さん家のホムンクルス!8話(GS)」

ワイ (2007-08-09 22:56)
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横島さん家のホムンクルス! 8話


あの後、俺は何とか冷静さを取り戻し、今後の事を考えていた。

今は、修行者用の宿泊施設にある部屋に
紅白メイドさんと美神除霊事務所の面々が居る。
俺は積み上げられた布団の上に、ちょこんと座っていた。

そして俺は取り合えず、やらねばならない事を大まかに挙げて見る。

まずは…この修行を何とか終わらせる事。…これは別に重要では無いな。
次に…体に慣れる事。…これ大事、間違いなく大事。
更に…弾けた魂の回収。ものすっごく最優先事項だ。
後は…

俺は気になって、しょうがない事があった。もちろん其れは…

美神さんの謎に迫る事!

スリーサイズはもちろんの事! 下着の数や…もとい!
『ひのめ』なる、美神さんそっくりなこの人の事や隊長は如何してるか?
『美神令子』はこの世界に存在しているか!?

…う〜む。やる事が、もり沢山だな。

暫くはマッタリとした、穏やかな時間が流れて行った…

各々に、明日どのような修行があるのか考えているのか無言だったが
それでも緊張というか、ピリピリした空気にならないのは
栞さんが引っ切り無しに、とぼけた事を言って響子さんに
突っ込みを入れられる事を繰り返し、場を和ませているからだろう。

俺も暫し考えるのを止め、煮えくり返った頭を休ませる事にした。


何分経ったか分からないが、銀ちゃんが寄って来のに気付く。
頭にタオルを乗っけている所を見ると、風呂にでも行ってたのだろう。
ぼ〜…としていて、居なくなっている事に気付かなかった。
銀ちゃんは、俺の髪の毛を手に取り珍しそうに見ている。

「しかし…ルージュちゃん変わった髪の色してるね。
 赤い目は極稀に居るらしいけど、其の髪の色はまず居ないだろ?」

どうやら髪の色が気になっていたらしい。
無理も無い、と言うか普通じゃ絶対ありえない色だしなぁ…

「うにゅ?」

取り合えず、首を傾げて誤魔化しておく。
別に説明しても良いんだが、すると理解させるのに一週間かかるだろう。
片言しか話せないのでは、何れにせよ限界がある。

…ああ、体だけでなく会話も練習せなあかんな〜

思わず関西弁で愚痴る。

「それにしても…」

と、おキヌちゃん。

「るーじゅちゃんって、喋り方が何と言うか…子供っぽいですね?」

と、疑問に思った事をストレートに言って来た。
俺とて、こんな喋り方をしたくは無い。
普通に会話がしたいが、したくても出来ないのが現状なんだ。
それでも、何とか其れを否定しようと、頑張って喋ってみる事にした。

「る〜じゅ、こども…じゃ、ないもぅん」

…おお! この体になって、最長会話記録樹立っ!
頑張った! 俺!!

…でも、喋り方は子供そのものだった。
OK、認めよう。これ以上は如何にもならん。

「はいはい、判りましたよ〜」

と、言いつつ俺の頭を撫でるおキヌちゃん。
何故かとてもキラキラした笑顔だった。

なでなでなで…

触り心地が良いのか撫で続ける。
別に俺も悪い気はしないので、させるがままにしていた。

「いいな、いいな〜。ねぇ、響子〜私も、なでなでしたい〜」

「自重しろ」

「いけず〜〜〜」

少し離れた所で、紅白メイドさんが漫才を披露している。
何やら栞さんが恨めしそうに此方を眺めていたが、気にしたら負けだと思う。

「ほらほら、おキヌちゃん。ルージュちゃんの髪が乱れちゃうわよ?」

と、美神…ひのめさんが、俺の頭を撫でまくるおキヌちゃんを嗜める。
未だ物足りなさそうな顔をしつつも、素直に止めるおキヌちゃん。
が、何故かおキヌちゃん栞さんにアイコンタクト。
すかさず

「はいは〜い、其処で私の登場よんw」

と、栞さんが櫛で俺の頭を梳かし始めた。
余程恨めしかったのか、通常の五割り増しで髪を丁寧に梳く。
響子さんを見ると、申し訳ありませんとペコリと頭を下げたので
此方も、気にせんでもええよ、と頭を振っておく。

「ああん、動いちゃ駄目よ〜? ル〜ジュちゃんw」

すっかりご機嫌な栞さんであった。


「見ろ、セバスチャン。流石は瑠兎樹だ。もう人心を掴んで離さないで居る」

「左様でございますな」

!?

ババッ! と全員身構える。
其処には何処から湧いたのか、くそ親父事…
横島大樹と其の執事セバスチャンが居た。

「いっ…何時の間に!? 貴方達、何者っ!!?」

と、ひのめさんがおキヌちゃんと、銀ちゃんを守る形で前に出る。
うーむ、ひのめさんって実は凄く良い人かも…

美神さんなら確実に、俺を盾にしながら後ろで会話だもんなぁ。
そんな『ひのめ』と『令子』の違いを早速発見した俺。
などと、考えている間にも話は続く訳で…

「ふっ…俺の名は、横島大樹! 瑠兎樹のパパでぁ〜〜〜る!!」

どっぱ〜〜〜〜〜〜〜ん!

何故か親父の後ろに荒波が写って見えた。

…と思ったらセバスチャンが
それだけの為にスクリーンを用意して荒波を写していた。

「大樹様、ご連絡は確か先程…五分前だった筈」

「そうよね〜、いくらなんでも早すぎよねぇ?」

紅白メイドさんですら、この現象には戸惑っているようだ。
最早、美神除霊事務所の面々では付いてはこれまい。

「そうだな、では説明しよう。そうあれは……」

と、親父の説明が始まった。


五分程前…

「大樹様、古鉄響子より連絡が入りました」

「なんと?」

「はい、ルージュ様は霊に対抗する手段を得る為、自ら妙神山にて
 一ヶ月修行を行う…との事でございます」

「セバスチャン」

「準備は整ってございます」

……

「という訳だ!」

と、言って豪快に笑う親父。

つーか! 分からん!! 何だ、其の説明は!?
そもそも、説明ですら無いじゃね〜〜〜〜かっ!!?

流石に脱力する紅白メイド。
美神一行も、既に理解する事を放棄している模様だ。

「さて、瑠兎樹の顔も見たし。帰るぞセバスチャン!」

「かしこまりました大樹様」

うぉい!? 其れだけの為に、わざわざ来たのか!!?

「ちょ、其れだけの為に来たんスかっ!?」

銀ちゃんが突っ込みたい部分を突っ込んでくれた。
銀ちゃん…やはり君とは、良い友人になれそうだよ。

「其の通りだ、一日でも瑠兎樹を見なかったら、俺は地球を滅ぼすだろう」

無茶苦茶だ。何と言う親馬鹿っぷりなんだ。
俺は恥ずかしさの余り顔を手で隠す。

「瑠兎樹、修行は辛いだろうが確りやるんだぞ?」

と、優しく頭を撫でて来たのでしょうがなく

「うん」

と言っておく。

それに反応した親父が「ぬふぅ」とか言って悶えていた。

其れを見ていた、ひのめさんの顔が見えた。
少し寂しそうな顔をしていたが…如何したんだろう?

「それではルージュ様、ご無理をなさらずに。
 二人ともよろしく頼みますよ?」

セバスチャンの言葉に頷く紅白メイドさん。

「それではごきげんよう、皆様」

と、言い残し親父を抱えて、窓から飛び出す無茶な執事。
親父も無茶苦茶だが、セバスチャンも大概無茶が好きそうだ。


「ふあぁ…」

欠伸。
まだ八時なのだが、やたら眠い。俺は既に、うとうとしていた
頭を使いすぎて疲れただろうか?
まあ良いや、と俺は意識を手放した。

…………
………
……

『…れを、…くし……』

なんだ?

目が覚める。
…いや、この感覚は…夢、か?
見渡す限り深遠の闇のみ。別世界の俺が出て来る時と同じだ。

『…れ…、……し……』

何か聞こえる。女の声だ。…何処かで聞いた声だ。

…何を言っているんだ?

『これ…、た………す』

なにを、伝えたいんだ?
耳を澄まし声を聞き取ろうとするが、途切れ途切れで分からない。

『じか…が、もう…これを…あ…たに…』

暗闇から女の手が伸びてくる。
白く綺麗な手だった。
しかし、この手…何処かで見た気がする。どこだったか?

其の手には一匹の蛇が乗っていた。

ドクン!

なんだ!? この感覚!? 俺は…この蛇を知っている!?

『そ…は、さい…のき…う。けっし…てば……ないで…』

女の声が苦しそうになっていく。
良く見ると、女の手からは血が滴っていた。

俺は恐る恐る、蛇を受け取る。

『あと…は、たの…みま…す』

そういい残すと、其の声の主と腕の主は消えてしまった。

俺は呆然としながら、手に持った蛇を見つめていた。
すると蛇は、俺を昔から知っているが如く、俺に甘えてきた。
そして『貴方は必ずお守りします』とはっきりと喋り
俺の胸へ、消えるように入っていった。

ドクン!

…まただ! 俺は『この感覚』を知っている!
何故!? 何処で!? ありえない!
俺が男の体で居た時は、決して感じなかった『この感覚』!!

俺は謎の感覚に、知るはずの無い感覚を感じながら
意識が再び遠のくのを…

…………
………
……

ちゅん、ちゅん、ちちちちちち…

「あさ…」

俺は目が覚めた。

「ゆめ…」

そう、俺は夢をしっかり憶えていた。
何だったのだろうか? 今でも鮮明に思い出せる。
何かを伝えようと、苦しげに話す女の声。
そして『貴方は必ずお守りします』と言い残し、俺の中に入って行った蛇。

一体なんだったのだろうか?
俺は体に変化は無いか調べてみる。

…うん! いたって絶不調だっ!!

相変わらず、魂と体の相性は悪い。
動きも遅い…ちゃんと喋れない、と昨日と同じ状態だ。
では…唯の夢だったのか?

答えは否。

俺は『この感覚』を間違いなく覚えている。

ヴァァァァァァァァァァァァァァァッ!!
やる事、また増えたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!

魂の雄叫び。
何か知らんが更に謎が増えた事で、もう何が何やら分からなくなって来た。
頼むから、これ以上厄介事を追加しないでくれっ!

…と切実に思った、爽やかな朝だった。


続く


レス返しです

・天☆猫さん
 令子さんは…オーソドックスにいきます。
 ええ、其れはもう予想道理に。(にやり)

・御剣澄和さん
 ひのめちゃんは、最強GSの一人としてバリバリ活躍してもらう予定です。
 今後をご期待くださいw

・wataさん
 令子はもう暫く後の話で登場予定ですよ〜

・緑茶さん
 体に慣れると…ピンクになります。まあ、其処まで到達するには後…
 2397億4957万5638の煩悩経験値が必要です。(ぇー)

・ブラボさん
 限りなく近く果てしなく遠い世界です。
 設定としては横島忠夫のみが、唯一存在していない世界です。

・DOMさん
 魂が混ざっても力を使わない限り分からない設定です。
 銀ちゃんが活躍し始めれば…(にやり)

・人形遣いさん
 これからも先が読めないお話を作って行きたいです。
 良い意味でっ

・パチモンさん
 OKです。 忠夫は永遠に不滅です!

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