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「横島さん家のホムンクルス!3話(GS)」

ワイ (2007-07-29 00:13)
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横島さん家のホムンクルス! 3話


…何処からか聞き覚えのある声がする。

『…起きてください…おーい?』

…うるさいなぁ…気持ちよく寝てるんだから邪魔するなよ。
ってこの声は…俺の声だ!? って事は…

俺はがばっと起き上がる。
周りは真っ暗だ。まだ夜なのかと言えばそうではない。
辺りに物は何も無く、ただ真っ黒に染まった空間が其処にあるだけだ。
其処に俺は居た。もう一人の、別世界の横島忠夫と名乗る者と…

『やっと起きましたね? 随分と呼びかけていたんですよ?』

と、相も変わらずボンヤリと輝いている姿で言った別世界の俺。

うを!? 何処だ此処!?

当然此処が何処だか俺が知る由も無い。
だが、答えは直ぐに返ってきた。

『此処は貴方の精神の中…まあ夢の中に私がお邪魔しているようなものです』

夢…? 何で、そんな事する必要があるんだ?
普通に出て来たら良いんじゃないか?

『そんな事をしたら宇宙意思に感付かれる恐れが有るじゃないですか?』

そっか。…そう言えばあの時も何かこっちに
向かって来てた未確認物体があったな? あれが宇宙意思なのか?

『ええ、ですがアレはその断片です。それでも十分私達を消去できるだけの
 力は有るので侮るわけには行きません』

そうなのか…って、そんな力があったらアシュタロスも自分でどうにか
できたんじゃないのか!? 俺無駄死になのか!?
ドチクショーーーーーーーーーーー!!

『いえ、断片が能力を発揮するには条件が必要なんですよ』

…それは?

『それは私の様な…その世界にとって異物な存在による世界干渉。
 要するにイレギュラーな存在を消す為の抗体がアレです』

…むむ。 つまり元々その世界に居るアシュタロスが宇宙改竄しても
断片は何も出来ないと?

『そう言う事ですね。嫌がらせ程度はしてきますが、それ以上は
 プロテクトが発動して機能が停止するみたいです』

それで、アシュタロスに良い様にやられていた訳か。
その分…俺達みたいな存在には強いって事か?

『はい。捕まったら最期だと思って良いですね』

こえー…絶対に捕まりたくねーな。

『ところで話が変わりますが、上手く体を手に入れましたね?』

ああ、けど男の体じゃなくて女の体なんだよなー

俺は自分の体を見る。
…あれ? しかし其処には見慣れた男の体があった。

『ああ〜今はお互い魂の状態で会話しているので
 此処で手に入れた肉体の姿にはなっていませんよ?』

ほう? つまり魂の状態なら俺は男でいられるんだな?

『ええ、まあ器の方は先ほど確認しておきました。
 とても可愛らしい器ですね』

…別に嬉しくも何とも無いけどな。どうせなら男が良かった。
この体じゃ、ねーちゃんに触っても嬉しさ半減だぞ?

『はは…そうですね』

あー、其れよりもだ…この体ちっとも言う事聞かないんだが
何でか分からないか? これじゃ何も出来ないぞ?

『ふむ、ちょっと見てみましょう…』

そう言うと俺の方をじっと見つめだす。

いやーはずかしーみないでー!

『ちょっと静かにしてくださいよ』

怒られた。

『分かりました。どうやらこの器と相性が良くないみたいですね』

…マジか?

『ええ、それと… 貴方、魂が欠けてますが如何したんですか?』

!? ああ!! 思い出した! この体に吸い込まれた時
破裂音と一緒に俺の魂弾け飛んだんだった!!

『ちょ!? 何でそんな大事な事忘れてるんですか!?
 そんな状態で居たら消滅してしまいますよ!?』

なんやてーーーーーーーーーーーー!!?
嫌やーーーーー!! 死んでるけど、死ぬのは嫌やーーーーー!!

パニくる俺。
流石に消滅するのは嫌だ。

『落ち着いてください。今応急処置しますから…』

そう言うと、俺の体(魂)に手を突っ込みゴソゴソしだす。
凄くこそばゆい。

『はい、これで一応大丈夫なはずです…ですが
 あくまでこれは、応急処置なので貴方は弾け飛んだ魂を探して
 元の魂の状態に戻さないといけませんよ?』

…くそぅ。蘇る前に、やる事が増えてしまったのか。

『で、器の方ですが取り合えず動ける様にしておきました。
 ただ、先程言った様に相性が悪いので行動にある程度制限が付きます』

制限?

『はい、主に表情や会話に制限が出てきます。
 そうですね…会話なら貴方が思っている事が片言でしか喋れないとか
 表情は…無表情な状態が続くかと思われます』

んー表情はともかく会話が片言なのが痛いな。

『ですが、器に慣れていけば表情も会話もスムーズに行く様に
 なるはずですので安心してください』

わかった。

『あと…これは重要なので忘れないで下さい』

お、おう? なんだ?

『貴方の失った魂は主に霊能力を制御していた部分です
 よって今の貴方は一切の霊能力を使えません』

なっ!? マジかっ!?

『はい、器自体にはとても強力な霊気が宿っていますが
 それを引き出す能力を失っているので今は唯のか弱い女の子と言う
 事になります。』

むむぅ、つまり早く魂を見つけないと色々危ないぞって事か?

『そう言う事になります。逆に魂さえ見つければ元々持っている
 貴方の霊力に器の霊力が加わり凄まじい霊力を手に入れる事が出来ます』

おお!? そんなに凄いのか…この体?

『ええ…そろそろ時間ですね、貴方が目覚める頃です』

もう、そんなに時間が過ぎたのか?

『はい、では又。何か進展が有ったら合いに来ます。
 今は兎に角…失った魂の回収に全力を注いでください』

わかった。

そう言うと別世界の俺は闇に溶ける様に消えていく。

…そういえば、あの時は気が動転していて本当に別世界の俺なのか
確認できなかったがコイツは本当に横島忠夫なのか?
聞いてみよう。

…なあ、一つ聞いて良いか?

『何でしょう?』

お前、本当に別世界の俺なのか?

『もちろんです。…まあ、信じる信じないは貴方の自由ですが。
 しかし、私の正体が如何であろうと仮に私が横島忠夫でなかろうと
 …もう賽は投げられたんです。…それだけは憶えていて下さい』

そう言い残して別世界の俺は消えていった。

………
……

ちゅん、ちゅん…

小鳥の鳴く声が聞こえる。どうやら目が覚めたらしい。
俺はボーっとする頭で別世界の俺とのやり取りを思い出そうとしていた。
取り合えず体がちゃんと機能するか確認する事にする。

まずは喋れるか確認。

「あさ…」

!? 声が出せてる! OKOK!

初めて聞いたその声は酷く幼い声だったが…まあ気にしない事にした。
次は体だ。俺はいつの間にか寝かされていたベットの上で
起き上がろうと試みる。

体にかけられていた毛布がファサっと流れ落ちる。
動く! 動くぞ!!
唯起き上がる其れだけの事なのに酷く興奮した。
その後も手、指に始まり体の動く所を全て動かした。
流石に反応が遅いが、これならば昨日みたいな悲惨な事から
逃れられる事ができる…かも(汗)

次に俺はベットから降りて歩こうとした。

…べしゃ。

「あう」

立てなかった。
なんでじゃー!? 体が動くのに何で立てんのじゃー!?

「うーうー」

焦った俺はそう言おうとしたのだが口から出た言葉は
意味不明な呻き声だけだった。

くっ! 制限が付くと言う事はこういう事か!

焦ると体の制御が出来なくなる。
思った行動と逆の行動をとったり意味不明な事しか言えなくなった。

「…たてない」

うーうーと呻きながらも何とか立ち上がろうと試みるが無理だった。
筋力が立ち上がれるほど付いて無いのだろうか?

「うに」

俺は閃いた。
ハイハイなら行けるのでは!?
早速実行に移る。

「あーうー」

謎の掛声と共にハイハイを決行する俺。
試みは成功し四つん這いで移動する事が出来た。
…正直、情けないが贅沢は言ってられない。

コンコン

ドアのノックする音。
いかん、誰か来た!? この情けない姿を見られる訳にはっ!
ハイハイモードを解除しようと焦っている間に
無常にもドアは開けられてしまった。

「我、娘よー! パパがおはようのチューをしにき…」

くそ親父の言葉が途中で止まる。
恐らく俺が起き上がって動いている姿に驚いたのだろう。

「め…女豹のポーズっ!!!?」

ぶしゅーーー! と勢い良く鼻血を撒き散らすクソ親父。
どうやらハイハイモードの俺の姿を別のポーズと勘違いしたらしい。

「パッ…パパはお前をそんなイケナイ娘に育てた覚えは無いぞっ」

ってか、生まれて1日なんだが!?
此処は一つ文句を言ってやろう、折角喋れる様になったんだしな。

「めー」

…むぅ、朝から鼻血だしてんじゃねぇよと言ったつもりなのに
口から出た言葉は「めー」だけだった。何てもどかしいんだ…

「ふおぉぉぉお!? 喋った! 娘がしゃべったァァァぁぁァァあっ!!?」

興奮しすぎだ。落ち着け親父…
こういう時に表情を変えれないのはある意味不満だな。

自分の表情が変わってないのを感じ取っていた俺は
不自由な体に文句を言い、これからしなくてはならない事を考えていた。


続く


レス返しです

・ソロモンの指輪さん
 女なのは体のみですw 魂は男なので幽体離脱すると…

・人形遣いさん
 有難うございます。 頑張りますね〜

・クルスさん
 大樹パパに狙われますよ?w

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