*注*今回の話はオリキャラが活躍してます。それが嫌いな方は見ないほうがよろしいかと思います。
「ぬおーーー!!遅刻だーーーーーっ!!」
などと叫びながら走る一人の少年、横島。時刻は現在8時30分。六道の校門が閉まるのは8時40分である。なのであと10分しかない。バスという手段もあるが生憎渋滞が激しく遅れていた。
「ちくしょー!昨日ビデオなんか見てないで早く寝ればよかったーーっ!!」
ビデオ?一体何のビデオだろうか?まあ大方予想はつくが・・・・
「お、横島じゃねえか」
「ん?」
後ろから呼ばれたので横島は振り向いた。
「もうすぐで遅刻すんぞ?間に合うのか?」
「須藤!お前何バイク通学してんだ!」
其処にいたのは須藤、そんでもってバイクに跨っている。ちなみにノーヘルだ。
「別にいいだろ?特に何も書いてなかったし」
「そりゃそうだけど・・・・だいたいお前免許持ってないって言ってたろ?」
横島はそう言うと須藤は財布を取り出した。
「ふっふっふ・・・・俺の誕生日は5月1なのでな・・・・もう16なのだ!!」
「なんだって!?」
そう言って須藤は財布から運転免許証を出し横島の目の前に持っていった。
「どうだ!?これで堂々と運転できるぜ!!しかもバイクなら渋滞もなんのその!スイスイ通れる!!」
「ぐっ!」
横島は悔しそうにうめいた。
そして須藤は免許証をしまうと右腕にはめた腕時計を覗き込む。
「あと7分か・・・・ギリギリかな?」
「なに!?」
横島には絶望的な時間だが須藤にはまだ間に合う時間だ。
「・・・・乗せてってやろうか?」
「本当か!?・・・・いや・・・・やっぱイイや・・・・」
「大丈夫だよ、兄貴のバイク二人乗り大丈夫だから」
「いや・・・・そうじゃなくて・・・・」
乗るぶんにはまだいいが相手が男だとちょっと・・・・
「ふーん・・・・じゃいいや。がんばれよ〜」
「えっ!?お、おいっ!!」
そう言うと須藤はブオン!!とふかしてからさっさと行ってしまった。
「おいこら!!ここは一緒に遅刻しようとかそう言う台詞が出るとこじゃないのか!?」
横島の叫びはもうすでに遠くに行ってしまった須藤には届かず、ただただ虚しく響いた・・・・
ちなみに横島はギリギリ間に合ったと言っておく。
横島&雪之丞 極楽大作戦!!第八話
作、拓哉
「じゃあ教科書18ページを開いて」
現在1−Bでは妖怪学の授業が行われている。
妖怪学とは霊能科のみの必須授業である。彼ら霊能科の生徒は将来GSを志す者が数多くいるが、中には横島のようにここ最近霊能に目覚めた者もいる。元々霊に関係がある家ならある程度、妖怪や霊について学んでいるだろうが彼らは最近まで一般人であり、妖怪や霊について何も知らない者もいる。そのため、どのような妖怪、亜人間がいるか学びその対処法や霊の種類について学ぶ。
「そこで下向いてなにかやってる奴・・・・須藤。これが何か答えてみろ」
「え?」
そう言うと先生は黒板に何かの写真を貼った。それは三匹のサメのような姿をしていて鰓のような部分のそばに腕が生えた姿をしている。
対する須藤は
「えーと・・・・鎌鼬(かまいたち)ですね。三匹で一組の妖怪で、先頭が人を転ばせ次が切りつける、最後が傷口から霊力を吸い取り血を止める。またG県の山間部では三人の神だと考えられていたようです。またN県のY山とK山の間にあるC坂の鎌鼬は凶暴で、そこで転んだ人間に襲い掛かると言われたので当時の人は転ばないように注意していたそうです」
なんか音という音が消えた。
「・・・・よろしい・・・・」
先生は須藤のこの答えに一瞬呆然となったが、すぐに我に返り須藤を座らせた。どうやら須藤は妖怪についてかなり勉強してきたらしい。
「須藤の答えたとうりでこれは鎌鼬と呼ばれる妖怪だ。時に須藤、その知識はどこから仕入れた?」
「なんか家にあった妖怪の本読んでたら覚えました」
「そうか・・・・」
先生は普段まともに授業を受けない須藤が、ここまでの知識を持っていることを以外そうにしていた。
「ちなみに対処法はなんだ?」
「鎌鼬は風に沿ってしか動けませんから、風の通り道に罠を仕掛ければ退治できると思います」
スラスラと答える須藤。すると先生は、
「なんか先生が教えるもん無くなっちゃったな・・・・」
と言った。
周りからは、
「もしかしてあいつ頭いいのか?」
とか
「でもこないだの英語の小テスト100点中10点だったぞ?」
とか
「あのやろー!!これで女子の心をガッチリ掴もうって腹だなっ!!」
とかヒソヒソ?話が聞こえてきた。
最後は絶対違うと思うけど・・・・だれが言ったかはまる判りの台詞だ。
そういえばさっき何やってたんだろう?先生は須藤の答えにビックリして忘れてるっぽい。
須藤は机の下で小さくガッツポーズをとっていた。・・・・以外と策士なのね・・・・
学校からの帰り道、横雪コンビ+須藤の三人は神父の教会に向かっていた。ちなみに須藤はバイクを押しながら歩いている。
「そういやさ、さっきの妖怪学の時なにやってたんだ?」
横島が思い出したように須藤に尋ねた。
「ん?ああ、コレを見てたんだよ」
すると須藤は鞄から雑誌を取り出した。
「えーと・・・・バイク雑誌か?」
「そゆこと。せっかく免許取ったんだから、自分のバイク買いたいなあって思ってね」
「そういやソレ、兄貴のって言ってたな」
雪之丞はバイクをチラっと見ながら言った。
「だからさ、なんか仕事ないか?」
「うーん・・・・たしか報酬が200万位のがあったな・・・・」
「その内報酬30万だけでいいから手伝わせてくれないか?」
「ん?なんか報酬高くないか?」
横島が不思議そうに雪之丞に聞いた。いつもは精々50万〜100万ぐらいなのだが?
「ああ、今回はちょっとランクアップってことで難しいのを受けたんだ。だからお前か須藤に手伝って貰おうと思ってたから好都合だな」
「へーそいつはちょうどいいや。いいよな?」
「へ〜がんばってこいよ〜」
横島は関係ないってかんじに話を聞いていたが、
「何言ってんだ?お前も来るんだよ」
「へ?」
雪之丞の一言で固まった。
「何でさ!?」
「神父が横島も連れてけって言ってたからさ。というわけでLet's go!!」
「ちょ、ちょっとまてーーーー!!」
横島の叫びは雪之丞に聞き入れられることなく虚しく響いた・・・・
「ふーん・・・・ここか・・・・」
「なんか出そうだなあ・・・・」
「いや出るんだから俺らがきたんだろ・・・・」
「・・・・大丈夫かな・・・・?」
依頼のビルを見て個々に感想を言う。因みにボケたこと言ってるのは須藤。突っ込んでんのは横島。でもって心配そうにしてるのは依頼人。まあ、どう見ても子供にしか見えない上に漫才やってれば不安になる。
『くそっ!!あいつのせいで何もかもが狂った!!くそっ!!くそっ!!』
「わかった!わかったから!!」
「・・・・うぜえ・・・・」
「ひいいいいっ!!」
横島達は、机の裏に隠れている。
悪霊にまだ自我はある様だが興奮しているのか暴れまわっている。この悪霊はとある仕事で部下がヘマをし、責任を取らされ遂にはクビになったらしい。そのためここで自殺したが成仏できず暴れているらしい。
『あいつさえいなければ!!』
悪霊は叫びながら霊波を噴射し部屋をボロボロにしていく。
「攻撃はあまり強力じゃないがこうも数が多いと・・・・!!」
「なんかムカつくな・・・・アレ・・・・」
「そんなこと言ってる場合かーー!!」
雪之丞は近づけないし、須藤はなんかムカつくとか言ってるし横島は錯乱してる。はっきし言って手が出せない状態だ。
ちなみに彼らの格好は制服姿だ。霊能科の制服は霊衣としても機能しているためそのままでも除霊ができる。といっても本格的な物に比べればかなり格が低いが、この程度の仕事ならば問題はまずない。なんせあの六道の制服ですからね。武器は須藤は肩の袋に入った木刀、横島は神通棍、雪之丞は必要なし。
ちなみに横島は前より手に霊波が集めることができるようになっている。
『なにもかもアイツがいけないんだ!!あいつがいなきゃ俺は自殺なんかしなくてもよかったんだっ!!』
ブチィッ!!
「・・・・さっきから聞いてりゃーアホなことばっか言いやがって・・・・!!」
「あのー・・・・須藤サン?」
悪霊が『自殺なんかしなくてもよかったんだっ!!』と言ったところで須藤の纏う空気が変わった。
『なんだ?お前は!!』
「あぁ?さっきっから何言ってやがんだてめえ?!」
「お、おい須藤?」
須藤は隠れていた机から身を出すと悪霊と対峙した。
「さっきっからグダグダと・・・・!!ウゼエんだよこのチキン野郎が!!」
『なんだと!?だれがチキン野郎だ!!』
須藤の言葉に悪霊は激昂した。
「違うってのか!?じゃあなんで自殺したんだ?!」
『あいつがヘマして俺がクビになったからだ!!』
「それがチキンだっつーんだよっ!!それはただ単に逃げただけだろうが!!」
『なにぃ!!だれが逃げた!!あいつさへいなけれ「さっきっからあいつあいつうるせんだよ!!それが逃げてるっつうんだ!!」・・・・ッ!!』
悪霊の言葉を遮り言い返す須藤。
「だってそうだろう?!お前は自殺の原因をあいつの所為にしてるだけだ!!」
『ち、違う!!俺は・・・・!!』
「お前は現実から逃げ出したんだ!!仕事がクビになったてゆう現実からなっ!!」
『・・・・ッ!!』
「お前はもう死んだ!!それを受け入れろ!!」
『・・・・俺は・・・・逃げた・・・・逃げたさ・・・・現実から逃げて死を選んだ・・・・』
悪霊はうなだれ霊波の放出もやんだ。
「・・・・ようやく判ったか?お前はもう死んでるんだ、自殺したことは変わらない。どんなに後悔してもそれは変わらないんだ」
『俺はまだ生きたかった・・・・でも・・・・でももう手遅れなのか・・・・?』
「手遅れだ。もう生き返るなんて事はない」
『そうか・・・・なんだかスッキリしたな・・・・モヤモヤした物が消えた感じがする・・・・』
悪霊はさっきまでの険しい顔からどこか清々しい顔をしている。そして悪霊の周りに光が差し込んできた。
『俺はもう逃げない、死を受け入れることにするよ』
「そうか・・・・」
『お前・・・・名前は?』
「須藤、須藤 拓哉だ」
『そうか・・・・須藤君・・・・ありがとう』
そう言い悪霊は成仏していった。
「よし!これで依頼完了だ!!さっさと依頼人の所にいこうぜ!」
「お、おう!」
「わ、わかった」
ボーゼンと須藤と悪霊のやり取りを見ていた横島達は、須藤の呼びかけで現実に戻ってきた。そして横島達は依頼人の下に向かった。
なお、須藤が「200万じゃ割に合わん」とかいって報酬を500万に値上げしようと1時間交渉したのは完璧なる余談である。結局300万でけりがついたが・・・・
これにより一人70万の報酬(残りは生活費として神父に渡した)が手に入ったが、横島と雪之丞は神父から貯金するように言われた。二人も大して使う機会がないので言われたとうりにした。
須藤は70万をバイクを買うのに使ったが、彼の欲しかったバイクは30万程度だったので余った40万をバイクの整備やらガソリン代やら改造などに使うので貯金した。しかしそれが親にばれ、長々と説教をくらい余った40万の内35万を「子供が持つのは危ない」の名目の下徴収されたのはどうでもいい話である。
〜続く〜
〜おまけってか、もしもワールド〜
「・・・・ようやく判ったか?お前はもう死んでるんだ、自殺したことは変わらない。どんなに後悔してもそれは変わらないんだ」
『俺はまだ生きたかった・・・・でも・・・・でももう手遅れなのか・・・・?』
「手遅れだ。もう生き返るなんて事はない・・・・ってことで・・・・」
『へ?』
須藤は肩にかけていた袋から木刀を取り出した。そして・・・・
「とっとと成仏せいやこのアホンダラーッ!!」
『ええーーっ!!今までのいい雰囲気ぶち壊しっスかーっ!?』
悪霊に飛び掛りボコボコにノした。・・・・なんというか・・・・何もかもぶち壊しだ・・・・
後日、これが学校中に広まり須藤を怒らせる=死が定着したのは心底どーでもいい話である。
〜あとがき〜
どうも拓哉です。
なんか横雪影うすっ!!須藤影濃すぎっ!!てな感じでお送りしました八話です。
いや〜ぶっちゃけますとオリキャラって書きやすいですね〜なんかもうダメダメですね〜次回こそ横雪コンビの影を濃くしたいですね〜・・・・えーと・・・・なんかもう・・・・すいませんでしたっ!!(土下座)
鎌鼬の話ですが、文献を参考にして書きました。機会があればほかの妖怪も須藤に説明させたいと思ってます。
今回の須藤と悪霊が言い争うところ、なんかむっちゃ非難がきそうで怖いです・・・・
あと〜おまけってか、もしもワールド〜も・・・・これはネタと気力さえあればまたやりたいな〜と思います。
須藤君がどんなバイクを買ったかは決まっています。1〜3話の間には言うつもりですけど展開によっては判りません。
あと須藤君は妖怪学、国語、社会が得意で、英語、数学、が苦手です。特に英語は破滅的ですw
妖怪学ですがやっぱりGS目指すんですからこういう教科もいるかな?と思い出してみました。
てか今思ってんですが・・・・六道共学にしたらオリキャラのオンパレードじゃん!!対抗試合とかどないしょ(汗)
ではまたお会いできましたら・・・・