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「横島&雪之丞 極楽大作戦!!第九話(GS+オリキャラ有)」

拓哉 (2007-08-28 02:41)
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      横島&雪之丞 極楽大作戦!!第九話


                      作、拓哉


「あ〜〜・・・・やっと終わった・・・・」

と言いながら須藤は伸びをした。

「ったくよー、英語さァ、いくら解んねえからって寝んなよなー」
「と、言われてもな〜意味解んねえし・・・・お前はどうなんだよ?」
「俺?まあ、ある程度は解るけど・・・・」

そんな会話している雪之丞、横島、須藤の三人の背後に近づくものがあった。

「ミスター、須藤ちょっといいかしら?」
「ん?先生、なんですか?」

英語教師、桜井先生が須藤に話しかけてきた。あの事件で桜井先生がニューハーフだとばれたが人気は大して落ちたりはしなかった。皆、薄々気がついていたのもあるが、いい先生なのだ。桜井先生は。だからばれた後も皆、今までどうり普通に接している。
で声をかけられた須藤は、

(俺なんかやったっけ?・・・・心当りがありすぎるな・・・・)

て考えてた。いつもなにやてるんだろ?

「今度、英語の小テストがあるのは知っていますね?」
「はい、知ってますよ(やばっ!忘れてた!!)」

どうやら忘れていたらしい、いいのかそれで?

「これが前回のテストです」

と先生は紙を須藤に渡した。点数は・・・・

「・・・・五点・・・・」
「おい・・・・」
「これは・・・・まずくないか?」

因みにこのテスト、10点満点などではない。100点満点だ。後ろから須藤の持つテストを覗き込んだ横雪コンビは、呆れたように呟いた。因みに横島が70点、雪之丞が60点ほど。

「だからあなた。補習に来なさい」
「え?ちょっとそれは・・・・」

いい先生だ、たしかにいい先生だ。こんなマトモに授業を受けているかすら怪しい生徒も気にかけてくれている。だけど・・・・補習に呼ばれそうなのは須藤以外に一文字ぐらいしかいない、だから下手すると桜井先生と二人っきりになるかもしれない。うん、まあ・・・・あれだ!あれ!!兎に角、須藤は桜井先生と二人になりたくない。理由は聞くなっ!!

「じゃあ今度のテスト、最下位から抜け出したら補習は勘弁してあげます」
「はい、がんばってみます・・・・」
「じゃ、がんばってくださいね」

といって先生は教室から出て行った。

「・・・・英語、教えてくれないか?」
「・・・・解った」


どうやら神父の教会にて勉強会が開かれることになったようだ。


「ユッキー、これなんてーの?」
「なんだよ、そのユッキーって・・・・」
「イイジャンかよ別に、お前のあだ名なんかこれで、それよりこれ教えてくれ」
「別にいいけどさ、ええと・・・・っておい・・・・お前Weも解らんのか?」
「な、なんだよ?」
「・・・・いや、呆れてものも言えないってこういう事なんだなァって思ってサ・・・・」

なんてーか・・・・高校生だよな?こいつ?

「ははは・・・・大変だね須藤君」
「もう笑うしかないですよ・・・・」
「入院レベルだな」

神父が須藤の状態を見て苦笑した。まあそうするしかないだろうけど・・・・

「うぅぅ・・・・泣きたい・・・・」
「自業自得だろ?」
「言うなよ・・・・」


プルルルルル・・・・


「ん?電話だ」
「私が出よう」

と言い神父は電話を取りに行った。

「はい、唐巣です。はい・・・・はい・・・・分かりました。すぐに向かいます」
「どうしたんですか?」
「仕事が入った。私はこれから現場に向かうが君らはどうするんだい?」
「どんな仕事なんですか?」

神父は電話を置くと仕事の準備を始め、横島の質問に答えた。

「○○高校で生徒が机に取り込まれたらしいんだ。」
「なるほど・・・・俺らも行っていいですか?」
「え?須藤君は勉強があるんじゃないのかね?」

須藤が神父に行ってもいいかと聞いた。「俺ら」のところで横島が嫌な予感を感じ取っていたがどうでもいい。

「やり過ぎても逆効果ですから・・・・まあ息抜きみたいなもんですよ」
「本当は勉強やりたくないだけだろ?」

須藤の言い訳に横島がすかさずつっこむ。一応、命に係わるGSの仕事が息抜きになるとは思えない。

「うっ・・・・!!イイジャンべつに!」
「つったってまだ30分もやってねーぞ?」
「ほら!実践は訓練よりも良いって言うじゃん!?」
「英語って実技だっけ?」
「ぐっ・・・・!!」

須藤の言い訳も横雪コンビのつっこみの前にあえなく撃沈。
すると神父は、

「わかったよ須藤君。一緒に行こう」

と言った。このまま論議していても埒が明かないとでも思ったのだろう。須藤が仕事に行くことを認めた。

「さすが唐巣神父!!」
「先生がそういうならいいですけど・・・・じゃあ俺も行こう。勿論横島も来るよな?」
「なんで俺まで行かなきゃなんねーんだ?」

横島は行く気が無いのか他人事のように振舞っている。まあ実際他人事だが・・・・
すると雪之丞は、

「分かってねえなあ横島。高校には野郎だけじゃなく女子もいるんだぞ?」

ピクッ!!
横島は雪之丞の台詞の「女子」の部分に反応した。分かりやすい奴である。

「もしもお前がその学校で机に取り込まれた生徒を助けてみろ、ヒーローだぜ?あとその取り込まれた生徒が女子だったら?そう「よし!!すぐ行こう!!すぐ!!」じゃあ行きましょう先生!!」

さすが中学からの腐れ縁なだけはある。横島の扱いがよく分かっているようで・・・・


「ここですか?」
「はい、この教室です」

神父達は現場の学校に来て、教員の案内でその机のある教室に向かっていた。途中やっぱり横島達を見て不思議そうにしていたのは仕方が無い。なにせ自分達の教え子と同年代なのだ。不安になるなと言う方が無理がある。
また廊下にはまだ沢山の生徒がいるが、やはり横島達を見てヒソヒソと話していた。こちらにいたっては自分達と同い年、または年下なのだから仕方が無い。
因みに横島がナンパしようとして須藤&雪之丞に蹴りを入れられたのはどうでも良い話。


「じゃあ開けますね」

ガラガラガラ・・・・

「あれ?机が消えている?」

扉が開いた其処には問題の机の姿はなかった。

「どう言うことですか?」
「さっきまで在った机が無くなっているんです!」
「なんだって!?」

そう言い神父達は教室に入った・・・・が、瞬間天井から舌のようなものが伸びてきて横島と雪之丞を捕まえてしまった。

「「なっ!!」」
「横島君!?雪之丞君!?」

見ると其処には机が天井からぶら下がり、横島と雪之丞机の中に引きずり込んでいた。すると今度は須藤にその舌を伸ばしてきた。

「やばっ!!(間に合わない!!)」
「須藤君!!」

須藤は迎撃しようと袋に手を伸ばし、木刀を取り出そうとするが間に合わない。そこに神父が割り込んできて須藤の変わりに神父が捕まってしまった。神父は抵抗するが全く意味が無い。

「神父さん!?」
「須藤君!!誰か応援を・・・・!!」

そう言い神父まで飲み込まれてしまった。しかし神父が抵抗したショックで机が天井から落ちてきてひっくり返ってしまった。

「(チャンス!!)縛!!」

須藤は懐から「縛」の文字が入ったお札を取り出すと机に貼り付けた。すると机は動かなくなった。

「ふー・・・・学校のお札持ってきといてよかった・・・・ん?」

一安心した須藤だが机が少しだけ動いているのが見えた。

「やっぱ学校から持って来た(盗ったとも言う)やつじゃあまり持たないな・・・・お札はあと9枚・・・・持ってくれよ・・・・」

そう呟いたあと須藤はとりあえず応援えを頼もうとしたが・・・・

「そういえば応援ったって電話番号わかんねえや」

どうしようといった感じに悩みだした須藤だった。


「うーん・・・・ここは・・・・?」
「おう、起きたか横島」

横島が気がつくと目の前に雪之丞が立っていた。

「雪之丞か・・・・ここどこだ?」
「異界空間・・・・妖怪の腹の中ってことかな?」

そう言い雪之丞は窓の外を指差した。

「なんだこりゃ!?」

窓の外を見た横島は思わず大声を出した。そこには少なくとも日本ではない景色が広がっていたからだ。

「その通り。あの机は妖怪が変化したものだったのよ。もう外へは出られないわ」
「誰だっ!!」

廊下から声が聞こえたので振り返ってみれば其処にはセーラー服を着た長い黒髪の美少女がいた。いつもの横島なら即ナンパに走るだろうが、この状況にいささか混乱しているらしく普通にしていた。

「私は愛子、貴方達と同じようにこの机に取り込まれたの。さっきも一人きたわ」
「貴方達と同じように?ってことはさっき取り込まれた人以外にもいるのか?」
「そう言う事だよ」
「ん?」

また廊下を見てみると今度は学ランをきた男子が立っていた。

「僕は高松って言うんだよろしく」
「ああ、俺は伊達 雪之丞だ」
「俺は横島 忠夫」
「伊達クンに横島クンか、来たまえ、仲間に紹介しよう!」

と案内された其処には、

「おおっ!!新入生だね!?」
「仲良くしよーなーっ!!」
「歓迎するわっ!!」

約二十人ほどの男女がいた。彼らの着る制服は区々でブレザーも居れば学ラン、セーラー服などでまるで統一感がない。因みに横雪コンビは六道の制服でブレザータイプだ。

「そういやさっき取り込まれた人ってだれ?」
「俺だけど?」

横島は思い出したように聞いたところ一人の男子生徒が答えた。

「男かよ・・・・」

取り込まれたのが男とわかって項垂れる横島。人生そう上手くいくわけないジャン。

「はいはい、仲良くなるのはいいけど先にHR(ホームルーム)をはじめるわよ」
「「HR?」」

横雪コンビがそろって疑問の言葉を口にする。そのあと愛子にせかされ生徒達は席についた。


「それでは第11025回HRを始めます!!議題は【新入生の歓迎および自己紹介と、よりよい学園を目指して】ですっ!」
「またんかいっ!!お前らそんなことしてるヒマあったら外に出よーとか思わんのかっ!?」
「つーか11205回もホームルームやってんの!?」
「意見のある人は手を挙げるよーにっ!」

横島と雪之丞のツッコミもスルー。

「外に出る方法なんか、あればとっくにそーしてるわ。私たちが何年ここにいると思うの?」
「此処では時間の概念はあまり意味はないが、この愛子君が一番の古株でね、すでに此処に閉じ込められて32年になるんだよ」
「「さ・・・・さんぢうにねんっ!?」」

高松の言葉に驚き半分固まる横雪コンビ。そりゃあ目の前の少女が自分らよりもかなりの年上だと言われても、すぐには納得できないだろう。

「そう言う事だから諦めた方がいいわ、じゃあ今週の目標!【掃除をさぼらない】!」

と、言いHRを進める愛子。するとそこに、

「呼んでくあいたっ!!」

何もない空中から神父が出てきた。神父はいきなりのことで受身が取れず腰から落ちた・・・・大丈夫だろうか?

「あいたたたた・・・・ここは?」
「せ、先生!?先生も飲み込まれたんですか!?」
「「「「「先生だって!?(ですって!?)」」」」」

雪之丞が神父に近づこうとしたが、周りの生徒がなぜか【先生】の単語に反応し神父に詰め寄った。

「先生だーっ!!この学校にも遂に先生がっ!!」
「な、なんなんだね君達は!?」

その凄まじい剣幕に神父も腰が引いている。しかしそんなことはお構い無しに話はドンドン進んでいく。

「これで授業ができますわっ!!学級委員長としてクラスを代表して歓迎しますっ!!この学園に幽閉されて以来、私たち生活を充実させようと努めてきました!しかし学生ばかりでは学園生活は送れない!!しかたなくHRを続けてきましたが・・・・私たちはいつの日か教師が現れるのを待ち望んでいたのです!!」

愛子は目をむちゃくちゃキラキラさせながらこの台詞を言い切った。

「な、なにがなんでなんなんだね!?」

神父はこの状況に混乱しているのか、なにを言っているのか分からない。

「先生!!とりあえず此処から逃げる手段を考えましょう!?」
「そうだね・・・・扉が開かない!?」

神父が扉に手をかけるが扉はビクともせず全く開かない。

「え?逃げる?先生のクセに登校拒否ですか!?」
「ちょっと待ちたまえ!私は先生で・・・・はっ!?」

神父は反論しようとしたが後ろから感じる嫌な気配に思わず振り返った。

「せ、先生じゃない・・・・?」
「じゅ、授業をしない・・・・?」

すると其処にはものスゴイ負のオーラを背負った生徒達がいた。

(こ、これは!彼らは何かに取り付かれているのか!?ここで下手に刺激したらマズイな・・・・)

「じゃあ皆席についてくれ!」
「わーい!授業だーっ!!」

神父が席に着けと言うと皆嬉々として席に着いた。

「し、神父!?ちょっと待ってくださいよ!!」
「そうですよ先生!!」
「待ちたまえ横島君に雪之丞君、私に考えがあるんだ。ちょっと耳を貸してくれ」

そういい神父は横雪コンビの耳元で何かを囁いた。


「では教科書5ページを開いてくれ」

神父がそう言うと皆教科書を広げた。この教科書は神父が教科書が無いといったらいきなり空中から出てきた物だ。因みにいまは数学の授業を行っている。


そんなこんなで十分後・・・・


「あいたたたた・・・・」
「どうしたんだね、横島君?」
「先生なんだか急に腹が痛くなってきたんスよ」

急に蹲った横島を神父がどこかワザとらしく声をかける。神父の作戦はいたってシンプルだ。


1、まず横島が腹が痛いと言う。

2、そしてその付き添いとして雪之丞と神父が教室から出る。

3、出口を探す。


とまあこんな感じ。
え?なんでこんなことをするのかって?それは教室を合法的に出るためだ。さっきはただ単に出ようとしただけだが今回は違う、横島という病人?がいるのだ。学校で腹痛を起こしたなら保健室に行くのは当たり前、ソレを狙って外に出ようというのだ。

「それは大変だっ!雪之丞君一緒に来てくれたまえ!じゃあ皆、教科書五ページから7ページまでの問題を各自でノートにやっていてくれ。愛子君、私と雪之丞君は横島君を保健室に連れて行くからあとはたのんだよっ!」
「はいっ!!分かりました先生っ!!」

神父の言葉に嬉々として言葉を返す愛子。嬉々として送り出していいものではないよな?そんなに先生が来たことが嬉しいのだろうか?


「じゃあたのんだよ!!」


ガラガラガラピシャンッ!!


「上手くいったスね神父!!」
「ああ、だけど早く下に下りよう!!」


そのころ教室では・・・・


カリカリカリカリ・・・・


「はっ!?逃げたっ!?」

愛子が立ち上がりこう叫んだ。それと同時に・・・・


「な、なんじゃこりゃ!?」
「先生!!」

神父たちの目の前になんだがグチョグチョしたものが現れ、行く手を遮った。

「気づかれたようだね・・・・!とりあえず階段を目指そう!」
「はいっ!!」
「ひいっ!この中いくんスかっ!?」

そう言い神父たちはグチョグチョしたものを霊波砲などでどかしていき階段を下りていった。しかし横島よ・・・・いい加減なれろ・・・・


「せっかく先生が来て学校らしくなったのに・・・・!!なんとしても戻っていただかなければっ!!きちんと説得すれば先生もわかってくれる!!真正面からぶつかるんだっ!!」

彼らは高松、愛子を筆頭に廊下を一丸となって走っていた。彼らの頭の中には80年代の学園ドラマのワンシーンが駆け巡っていた。そういやさっき廊下は走らないって言ってたような・・・・

「・・・・ってあああっ!!考えただけで超燃える!!」
「青春ねっ!!もろ青春って感じよっ!!」

なにも青春は学校の中だけではないだろうに・・・・


「このあたりでいいか・・・・」
「何をするんですか?」
「まあ見ていたまえ・・・・」

神父たちは理科室に入っていた。

「せ、先生いったいなにを!?」
「や、止めて下さい!!神父!!」
「止めないでくれ!!横島君に雪之丞君!!こうすれば・・・・」
「せ、先生ー!!」


「先生!!そこにいらしたんですね!!」
「ふっふっふ。もー逃がしませんよー!!」

なにやらちょっとアブナイ目をした生徒達が神父たちの居る理科室の扉を開けた。

「ああ、キミ達これから実験をするんだ、妖怪の正体を暴く実験をね・・・・」

神父の口調はどことなく魂が抜けた様な・・・・なんだかとっても・・・・なんだろう?この感覚は・・・・?後ろの方では横雪コンビが「せ、先生・・・・そんなにしてまで・・・・!!」「神父・・・・!!俺たちのことを・・・・」なんて言っていた。何のことだろうか?

ばたばたばたっ!!

生徒達が教室になだれ込んできたその時!


バチッ!!


「!!」

愛子が教室に入った瞬間愛子の足元が光った。
そして神父はどこか悲しい表情を浮べこういった。

「かかったね!そこには・・・・!!そこには・・・・!!霊波を流し込んだ私の髪の毛がはってあるんだっ!!」

それを言った神父の目になんだか水があるとかさっきより気持ち額が広いとか思ってはいけない!!いけないったらいけないんだ!!

「先生の残り少ない髪が・・・・」
「ううっ・・・・俺らが無力なばかりに・・・・」

横雪コンビが後ろでなんか言ってるが、神父はできるだけ無視しようとしているかのように言葉を発した。

「この結界は妖怪にだけ反応するんだ!」
『ちぃっ!!』

そう言うと愛子は飛び上がり天井と同化し始めた。

『私はただ楽しい学校を作ろうとしただけなのに・・・・!!邪魔するなんて許せない!!』

愛子はそう言い残して完全に同化した。

「あれ?ここはどこですか先生!?」
「先生じゃないんだが・・・・」

どうやら生徒達の暗示が解けたようだ。そして、

『ここは私の学校よーっ!!』
「うわあっ!!」

地面から口のついたバスケットゴール(愛子)が出てきて神父に襲い掛かろうとしたが・・・・

「いい加減にしなさいっ!!」

ビクッ!!

神父の凄まじい迫力にバスケットゴール(愛子)が動きを止めた。

「これのどこが楽しい学校なのかね!?君は無理やり彼らを、君の言う学校とやらに縛り付けているだけじゃないか!!学校という物は皆が心から楽しく学び、友達を作ったり時にはケンカしたり・・・・それが本当の楽しい学校なのではないのかね!!」

神父は有無を言わせない口調で言った。けっして髪が薄くなったことへのやるせなさを愛子にぶつけているんじゃないはずだ。たぶん・・・・

「し、神父?ちょっと言い過ぎなんじゃ・・・・」
「大丈夫だよ横島君、この手の子はね・・・・」

横島が心配そうに神父に言うが大丈夫だという。この自信はどこからくるのだろうか?すると・・・・

「先生〜〜〜っ!!私・・・・私・・・・本当は叱って欲しかったんです!!」
「ほらね?大丈夫だと言ったろう?」
「「だあっ!!」」

愛子の台詞におもいっきりずっこける横雪コンビ。もしかして神父ってこーゆーの好きなのか?

「私、机が変化した妖怪で・・・・学校にあこがれていたんですう〜。ただ・・・・ただちょっと青春を味わってみたくて・・・・ごめんなさい〜!!しょせん妖怪がそんなもの味わえるわけないのに・・・・!!」
「愛子クン、君は考え違いをしているよ」

と泣きながら謝る愛子に高松が声をかけた。ちなみに愛子以上の涙を流している。・・・・つーかドボドボと凄い音してるよ?どんだけながしてんのさ?

「君が今味わっているもの――――それが青春なのさ」
「え・・・・」
「青春とは、夢を追い、夢に傷つき、そして終わったとき、それが夢だったと気づくもの・・・・その涙が青春の証さ」
「高松クン・・・・」

いつの時代の学園ドラマだよ?

「操られていたとはいえ、君との学園生活は楽しかったよ」
「皆・・・・!?皆私を許してくれるの・・・・!?」

高松だけでなく周りの生徒達は皆涙を流している。・・・・実はまだ暗示解けてないんじゃないか?

「皆クラスメートじゃないか!!」
「あ・・・・あ・・・・ごめんなさい・・・・!!ごめんなさい・・・・!!私・・・・私・・・・」

高松の言葉に感極まったのか愛子はさっき以上の涙を流しだした。

「先生、これでいいんですよねっ!?僕達間違ってませんよねっ!?」

高松が神父に同意を求める。さぞかし呆れているだろう・・・・と思ったら・・・・

「そうだよっ!!君達は間違っていないっ!!確かに青春は間違いの連続だけど、その失敗を乗り越えて人は成長していくんだ!!」

愛子たち以上の涙を流していた・・・・それを見て横雪コンビは・・・・

「なあユッキー・・・・神父ってこうゆうの好きなのか?」
「お前もかよ・・・・」

どうやらさっきの須藤との会話を聞いていたらしい。これはもう雪之丞のあだ名はユッキーで定着しそうだ。

「で、どうなんだ?」
「ああ、確かこんな感じのビデオがどっかにあったな・・・・」
「あっそ・・・・」

ちょっと呆れながら傍観していた。


キーンコーンカーンコーン・・・・


「!」
「終業のチャイム・・・・!」


シュッ!!


「戻ったっ!!」
「ここはどこだ?」
「お、やっと戻ってきたか?」
「須藤か?ここは・・・・教会じゃんかっ!」

現実の世界に戻ってきた雪之丞達は何故か教会にいた。

「ああ、あそこだとまた暴れだしたとき危ないかな?って思ったからここまで運んできたんだ。」
「?どうやって机の動きとめてたんだ?」
「そうだよ須藤君、どうやったんだい?」

雪之丞は須藤に聞いた。それは神父も同じなのか同じ事を聞いてきた。

「それは、お札を持ってたんでそれ使ったんですよ。で、その人が今回の被害者ですか?」
「そうだよ、じゃあ私は彼を学校に送ってくるついでに仕事の成功を報告してこよう」

と、その時机から女の子が文字どうり生えてきた。それに気がついた須藤が木刀を構えるが、神父に止められた。

「どうしたんですか?神父?」
「彼女はもう大丈夫なんだ。今回のことで懲りたようだから」
「はい、本当にすみませんでした。ほかの皆さんも元いた時代の学校に戻っていただきました」
「ふーん・・・・ならいいけど」


そのあと神父が男子学生を送っている間に、横島達は須藤に机の中で何があったかを話していた。


「へえ、そりゃあ大変だったな」

今、横島達は教会にあるソファに座って話していた。

「本当だよっ!あのグチョグチョした物が襲ってきたときは死ぬかと思ったわっ!」
「ご、ごめんなさい・・・・」
「ああっ!!泣かんといてっ!!まるで俺が悪い見たいやんかっ!」

横島の一見愛子を攻めるような発言に愛子は、また泣き出してしまった。

「あ〜あ〜、泣かしちゃった〜あ〜あ〜」

どこか楽しそうに須藤は横島に対して言った。

「俺が悪いのか!?俺が悪いんかっ!?」
「「お前が悪い!!」」

と横島は言ったのに対し雪之丞と須藤はそろって言った。

「別に愛子を責めてる訳や無いんやー!!許して〜!!」

といい横島は情けない顔をしながら、愛子に対して謝った。対する愛子は俯いたまま震えていた。

「ああっ!!ごめんなさいっ!!俺が悪かったですっ!!」

今度はソファから降りて土下座をする横島・・・・コイツにはプライドとかないんか?まあ今回はコイツが悪いからいいんだけど。

「く・・・・くくく・・・・あははははっ!!」

そして愛子はよりいっそう震えたかと思うと腹を抱えて大声で笑い出した。

「な、なんだよっ!!」
「ご、ごめん・・・・!あ、貴方達のやり取りがおっ・・・・面白くって・・・・くくく・・・・」

愛子はヒィヒィいいながら言葉をつないだ。それで安心したのか横島は立ち上がってソファに座った。


なんてバカ話をしている内に仲良くなっていく四人、これが青春って奴ですか・・・・


そして神父が帰ってきたあと愛子をどうするか話し合うことになった。


「愛子君はこのあとどうしたいのかね?」
「えっと・・・・今度は生徒として本当の学校に行きたいです。贅沢なのは分かってます、・・・・でも・・・・また学校生活がしたいんです!」
「でも仮に学校に行けるとしても何処に入学させるんですか?妖怪を入学させてくれるところなんてありますかね?」
「・・・・」

須藤の現実的な意見に皆黙ってしまった。この沈黙に自分が何かまずいことを言ってしまったのに気がついた須藤はこう言った。

「そ、そうだっ!六道に入学させればいいんだっ!」
「でもよ、あそこはGSを育てる学科があるんだぜ?ダメだろう?」
「それは・・・・!!」

雪之丞の言葉に何も言い返せない須藤。しかし神父は、はっとした顔になった。

「そうだよ須藤君!その手があった!」
「どんな手ですか?」
「なにもすべての妖怪が人間と敵対するわけじゃない、説得すれば愛子君のように分かってくれることもある!それを理事に説明すれば・・・・!!」

理事のところでちょっと嫌な顔をしたような気もしなくはないが、皆だれもそれに触れなかった。なにせ神父の頭からなにか黒く細いものが数本落ちてきたからだ。


そのあと神父は六道理事に連絡を取り愛子のことを説明したところ、あっさりと許可がとれた。因みに最後、電話を切る時に理事が言った「これで借りが一つできたわね〜」の言葉で神父の頭から何かが一気に何本も落ちたような気がするが・・・・過去に一体何があったのだろうか? 


そうして愛子は六道学園に入学することが決定した。


「そうえば、愛子は何処に住むんですか?」
「あっ!そういえば・・・・!」

理事との話の後、雪之丞は神父に聞いた。

「そういえばどうしようかな・・・・」

愛子も考えてなかったのか、考え込んでしまった。

「なら、この教会で住み込みでバイトしながら暮らせばいいんじゃないですか?」
「なるほど・・・・そうだね、今事務員がいないから・・・・愛子君もそれでいいかね?」

須藤の提案に神父も納得して愛子に聞いた。

「はい、よろしくお願いしますっ!!」

愛子は了承の答えを返した。

「ちょっとまてえ!!此処で暮らすということはユッキーと一つ屋根の下で暮らすことになる!!そんなのお父さん許しませんよっ!!此処は一つ俺の家で・・・・!!」

なんて戯言を言う横島、それに対し・・・・

「少し黙れっ!!」
「げふぅっ!!」

須藤の拳が顔面にクリーンヒットッ!!横島は沈んだ。

「だ、大丈夫なの!?」
「大丈夫大丈夫、コイツはこんなんじゃ死なねえよ。愛子も一緒に住むとしたらユッキーと万年発情野郎とどっちがいい?」

須藤は愛子の疑問に答えてこっちからも質問を返した。

「ちょっと待て!だれが万年発情野郎だっ!!」
「お前だよ、ほかに誰が居る?」

横島の叫びを須藤は一言で片付ける。つーか横島復活早っ!!

「チクショー!!否定できん自分が悲しい!!」
「はいはい、少し黙ってようね?今度は木刀で殴られたい?んー?」
「イエッサー!!」

木刀を構えてそんな事を言う須藤、横島はマジでやられかねないので黙ることにした。

「で、愛子はどうするんだ?」
「・・・・え!?えっと・・・・ここでお世話になろうと思います!」

いきなり復活した横島に驚いたのだろうか、愛子は少し呆然としていた。そして結局愛子はここに住むことに決めたようだ。

「じゃあこれで決まりだね?今日からよろしく頼むよ」
「はい!よろしくお願いします!!」

神父の言葉に愛子も返す。


そして愛子はここで住み込みでバイトをすることとなった。


〜続く〜


〜あとがき〜


どうも拓哉です。
今回愛子登場です。なんか途中一部キャラの性格がおかしい気もするけど書きあがりました第九話!
・・・・前回はすいませんでした。あの失敗をばねに頑張って行きたいんで見捨てないで下さるとうれしいです。
そしてなんか今回が一番長かったです・・・・なぜだろう・・・・?

次は学校編かな?愛子の入学騒動でも・・・・まだ分かりませんが・・・・
因みに須藤君の英語、これを書き始めたころの自分が言ったりやってたりしてたことです(汗)
今は流石にWeは解る様になりましたよ・・・・


ではまた会えましたら・・・・

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