インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始▼レス末

「GS見習い。横島!?−4−(GS)」

キミ (2007-07-10 00:43/2007-07-10 01:24)
BACK< >NEXT

「ごちそうさま〜」
「はい! ありがとうございます。えっと…五千八百円になります。…二百円のお返しです。…またお越しくださいね」
 最後の客が店を出たあと、店内の掃除をホウキ(仮名)に任せ、Closedの札をドアに掛けてから、レジの締めを行う。


「ふぅ。疲れたぁ…」
 トントン、と、肩を叩きながら疲労の言葉を漏らす。
「お疲れ様。メドちゃんが来てくれてから、売り上げも上がってるし、お料理に集中出来るから助かるわ。」
 厨房から出て来てメドを労う魔鈴。
「そう言ってくれると有り難いね。で? この後はなんかあるのかい?」
 除霊に行きたいオーラを振り撒きながら魔鈴に問い掛ける。
「明日の仕込みをした後、除霊にいくわよ」
「本当に! それじゃ早く仕込みをしようよ!」
 疲れきっていたはずのメドは、除霊の話しを聞いた途端に生き生きとし、厨房に駆け込む。
「うふふっ。そんなに急いでも幽霊は逃げないわよ。…本当に嬉しそうね。さてと、メドちゃんの機嫌が悪くならないうちに仕込んじゃお。」
 喜び勇んで駆けるメドを見て、手のかかる妹を見守る姉ってこんな気持ちかしら? 魔鈴はそんな風に思いながら、メドの後を追って厨房に向かった。

 


GS見習い。横島!?−4−

 


 とある廃屋。その一室に二人の女性がいた。
「この私を、ナメんじゃないよ!!」
 そんな叫びを上げながら、振り向き様に悪霊目掛けて愛用のフライパンを振るう。フライパンの直撃を受けた悪霊は、フライパンの何とも言えない音と供に消えていった。
フライパンで叩いた後の音とそのエコーが、魔鈴のやる気を奪っていく。
「動きは良いんだけど…。凄いんだか、凄く無いんだか…」
 部屋の入口でメドを見ていた魔鈴の台詞である。
しかし、二人の金髪魔女さんルックの女性(メドは魔法料理魔鈴のネーム入りエプロン装備)が、フライパン&ホーキで除霊…。およそGSの除霊現場には見えない。
「GS見習いの横島メドが、アンタを料理してやるよ!!」
 メドは、部屋の端にいた悪霊にフライパンを投げる。
投げられたフライパンが命中した悪霊は、『死ニタクナイィィ』と叫びながら消えていった。
「ふぅ…終わりかな?」
 周りの悪霊をフライパンで除霊したメドは、魔鈴に向かって笑顔でそう言った。
「…油断は禁物! ですよ? メドちゃん。」
 魔鈴も笑顔で、メドの後ろに視線を向けたまま言う。
「え?」
 そこには一体の霊。おそらくここのボスなのだろう。他の霊とは、霊圧が違った。
やられる!! フライパンを投げてしまい、無力になったメドは、そう思った瞬間、メドの横を魔鈴が駆け抜ける。
「アナタみたいないけないコは…おそうじしちゃいますっ!!」
 その言葉とともに振るわれる魔鈴のホーキ。その一撃で悪霊は消滅する。
「………」
魔鈴がいなければ危なかった。メドは、自分の未熟さを痛感しながら、無言で魔鈴を見ていた。
「最後まで気を抜いちゃ駄目よ? 目に見える霊に惑わされたら駄目。いつでも目に見えない霊を感じてなきゃ…。」
 優しい笑顔でメドに言う魔鈴。でも言ってることはジークンドーの達人の引用だ。
「うん…。次からは気をつけるよ。でもさ…フライパンを振ってるとさ、胸が邪魔だね…」
「………それじゃ、次行きましょ?」
「ふぇ? 次? これで終わりじゃ…」
「気が変わったから、今日はもう一件行くわよ」
「マジ?」
「マジよ。さっ、逝きましょ」
「ちょ、まっ、字が違っ…魔鈴?」
有無を言わさずメドを引っ張って行く魔鈴。その様は、先程までの彼女とは明らかに違うのだが、メドには何があったのか分からなかった。
「ウフフッ…あんなに立派な胸が邪魔だなんて…別に私は小さい訳じゃないのよ。でも、女としてはやっぱり大きな方が…。」
 魔鈴の急変はどうやら嫉妬のようだが、その呟きはメドには聞こえなかった。
「…何だかよく分かんないけど、まっ、いっか。それにしても…フライパンを投げた後はどうするかねぇ…?」
 フライパンを投げた後の対処方を考えながら魔鈴に引っ張られていくメド。それにしても、何時も冷静な魔鈴をここまで変えてしまうメドの胸。聞いてたのが某修業場の管理人じゃなくてよかった。恐らく壊れるだけじゃすまなかっただろう。
ウフフッと笑う魔鈴の異様な雰囲気に、声をかけれずただ震えているメドだった。


「…はっ! 私は何を…?」
 妖しい電波を受信していたらしい魔鈴は、やっと元に戻ったようで、頭を振り少し考えた後、廃屋を出て行った。

 
 その後、魔鈴に連れて行かれた場所で除霊をこなし、ヘトヘトになって帰って来たメド。自分の部屋に入り、服を脱ぎ散らかしベットに寝転ぶと、そのまま死んだように寝いってしまった。
 この時東京で地震があったのだが、メドは気がつかなかった。

 
 翌朝、魔鈴がメドを起こしに来た時に、パジャマのボタンが外れ、胸をあらわにして寝ていたメドを見て、しっとレディへと変貌を遂げた魔鈴が、大きな声では言えない事をしていたようだが、作者の文章力の関係上ここでは割合させていただく。
目を覚ましたメドは、いつもの魔女さんルックの制服に着替えてお店の手伝いをしていた。
「ありがとうございました! …ふぅ、なんだか身体が重いね…」
 お昼のピークも過ぎ客がいなくなった時に、昨夜の除霊の疲れと本人は知らないが今朝の魔鈴の悪戯による身体の不調をメドは呟いた。
「それにしても、フライパンを投げちゃ丸腰になるんだねぇ…。どうにかしないと…」
 魔鈴から「普通に手に霊力を篭めたら?」と言われたメドだが、フライパン程霊力が高まらない。どうやらメドは美神の様に何かに霊力を篭める事に向いているようだ。しかも家事道具限定で、それ以外の神通棍等の道具は霊力伝達率が悪く、メドが使用するには向いていない。
 何かないかな? 等と思いながら厨房に入るメド。その時、ある物が視界に入った。
「………」
 その調理道具を手に取り、ブンッ! ブンッ! と振り回す。やけに手に馴染むようで、メドはご満悦だ。
「キャア!! ちょっと、メドちゃん!? 何やってるの! 危ないじゃない…。もう…」
 小さな鍋で何か妖しい紫色の液体を掻き混ぜていた魔鈴が悲鳴を上げる。
「めぐみ…? これ、貰っても良いかい?」
 メドが手にしていた物は、『鉄製のお玉』だった。
「予備のお玉があるから良いわよ。…何と無く分かるけど何に使うつもり?」
 何に使うのか予想は出来た魔鈴は額に縦線を浮かべてメドに聞く。
「フライパンを何枚も持ち歩くのは重いから嫌だけど、お玉なら軽いし扱いやすいと思ってね!」
 お玉を握りしめ、魔鈴に話すメド。
魔鈴の予想が正しかった。魔鈴の予想は『金髪でお玉とフライパンを持った妹キャラ』
このままだと、お玉で時空剣士と張り合う某最強の寝坊助の妹になってしまうぞ。
「メドちゃん。お玉も良いけど、私のホーキ…と言っても前に使ってたのだけど、それをあげるからソッチを使ったら?」
 そんな提案してみる魔鈴。なぜだか必死だ。
「そう? …めぐみがそう言うならホーキを使ってみる。あっ! お玉も頂戴ね。攻撃手段が多いに越したことはないでしょ?」
 魔鈴の努力も虚しく、メドはお玉を気に入ったようで、腰の所にぶら下げている。
脱力する魔鈴は、もういいや…なんでも…。と思いながら倉庫にホーキを取りに行った。
「どうしたんだろ? めぐみ…。元気なかったね」
 自分の選んだ物が、魔鈴を虚脱の極みに落としているのだが、メドの知る所ではなかった。
「はい。ホーキ。しばらく休憩してて良いわよ。でも、ほどほどにね…」
 ホーキやお玉を振るってみたいのだろう。そわそわしてるメドを休憩に行かせる魔鈴。
しかし、魔鈴も休憩にいけば身体を動かすんだろう。と思っていたため、ほどほどに! と、釘を打つ。
「ワ、ワカッテルサ。キノウノツカレモアルシネ」
 何故か片言で返し、奥に消えていくメドだった。
「はぁ、今日も一人か…」
どうやら、たびたびあるようで、ため息をつきながら再び鍋を混ぜ始めた。
「めぐみ、お客さんだよ!」
今まで台詞の無かった黒猫が、客が来たことを告げる。
「はいはい…。いらっしゃいませ! お好きな席にどうぞ! って唐巣神父!? 珍しいですね。ここにいらっしゃるのは」
 突然現れた神父に驚きながらも、席へと案内する。
「営業中に悪いね。昨日の地震の事で話しがあってね。」
「お仕事の話しですね。急ぎですか?」
「あぁ、これからオカルトGメンで会議があるんだ。それに参加して貰いたくてね。西条君が意見を聞きたいそうだ」
「わかりました。お店を閉めて、準備して来るのでちょっと待ってて下さい」
「ああ、わかった」
 いそいそと店を閉め、奥へ消える魔鈴。
「メドちゃん! 仕事よ! 準備して…ってほどほどにねって言ったでしょ! まったく…」
 そこには、ボロボロになったメドと妖しい生物がいた。
「ちっ、運がよかったね。勝負はお預けだよ。ってめぐみ? 仕事って…。お店は?」
 悪役のような台詞をはき、メドは魔鈴に向き直り尋ねる。頭の上には『?』が浮かんでいた。
「いいから着替えていらっしゃい」
「はーい」
 魔鈴に言われて家に入って行くメド。その後を追う様に魔鈴も家へと消える。そして、そこにはボロボロの妖しい生物だけが残された。


 

 
おまけ


休憩中のメドは、練習相手と対峙していた。
「なんでだろう…ホーキって結構使いやすいね。もしかしたら、こんなのを使ってた事があるのかもね」
 異界で妖しい生物(ペットのセバスチャン、牡、6才)と戦いながらそんな事を漏らす。
記憶のない時の事を想像しながらホーキを奮うメドだったが、その様は『サスマタ』を奮うメドーサそのものだった。

 

 

 
後書き


 戦闘方法にお玉とホーキが増えました。お玉とフライパンはエプロンの腰紐に、ホーキは背中に…。


次回から、スリーピングビューティに突入です。と言っても大半が飛ばされる予定ですが。
多分最後ぐらいかと…。美神、横島、おキヌの絡みは変えるつもりはありませんしね。


レス返しです。


February様

誰もギャルメドを知りません。美神や小竜姫様辺りなら気付くかも知れません。横島なら身体的特長(主に乳)で気付く可能性がw

日本の女性ベスト10は高橋〇美子作品の女性が上位をしめています。中でも家庭的な人が人気です。(作者の独断


のび様

初めまして。キミといいます。今後ともよろしく。
悪霊を調理ですか!? 魔鈴なら出来るかも知れませんが…。
現時点ではメドには無理ですな。


七死様

メドの武器にフライパンを選んだ時点で魔鈴が師匠に決定です。


アミーゴ様

西条は今後もあんな役割です。
興味があったのは、あくまで『魔法料理』ですw
決して魔鈴を出すために無理矢理出した訳ではありません(マテ
魔鈴がメドを雇った事に関しては確かに無用心ですが、GSの世界なので、多少の事には目をつぶって下さい。
深く考えるといけません! 作者がそうですから(マテ


それではまた次回。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭


名 前
メール
レ ス
※3KBまで
感想を記入される際には、この注意事項をよく読んでから記入して下さい
疑似タグが使えます、詳しくはこちらの一覧へ
画像投稿する(チェックを入れて送信を押すと画像投稿用のフォーム付きで記事が呼び出されます、投稿にはなりませんので注意)
文字色が選べます   パスワード必須!
     
  cookieを許可(名前、メール、パスワード:30日有効)

記事機能メニュー

記事の修正・削除および続編の投稿ができます
対象記事番号(記事番号0で親記事対象になります、続編投稿の場合不要)
 パスワード
    

e[NECir Yahoo yV LINEf[^[z500~`I
z[y[W NWbgJ[h COiq@COsI COze