望みをかなえるため。
今度こそ守り貫くため。
強くなるため。
扉を開く。
幸せの道標 第三話
自分を待っていると言う師匠(達)の待つ猿魔ノ間の戸を開けた。
そこでは・・・、
『極限流奥義! オラオラオラオラオラーーー!』
「どうした、小竜姫?」
「くっ! まだ終わってはいません。」
どう控えめに見ても人を待ってるとは思えない状況が繰り広げられていた。
「・・・あの~~~。」
呆気に取られていた横島も何とか声を出してみる。
『飛燕疾風脚!』
『このままでは終わらんぞー!』
「あ~、また勝てませんでした。」
「まだまだじゃのう。
!! おお! 待っとたぞ横島!」
「ウソつけーーー!!!」
断末魔砲もびっくりの大声で叫ぶ横島。
隣に居たパピリオがくらくらする程だ。
ゲーム機も片付け、猿神に向かい合う。
小竜姫は猿神の隣に、パピリオは横島の隣にそれぞれ陣取っている。
「ふむ、用件は一応知っとるが・・・。
やはりお主の口から聞かせてもらおうか。」
そう言って横島に返事を促す猿神。
小竜姫とパピリオは「何の事です(でちゅ)?」といった顔で横島と猿神を交互に見ている。
しばしの沈黙があって横島が口を開いた。
「ルシオラを蘇らせるための力を授けに貰いに来ました。」
「えっ!!」
「ルシオラちゃんを!!」
「・・・やはりな。」
驚く小竜姫とパピリオ、猿神は思った通りと静かに呟いた。
「ど、どういう事です老師!?」
「どういう事でちゅヨコシマ!?」
小竜姫は猿神に、パピリオは横島にくって掛かった。
もっとも横島はパピリオが服の襟を閉めているため顔が赤くなってるが・・・。
「老師!!」
「あ~~~、落ち着け小竜姫。」
「ヨコシマ!!」
「パピ・・・苦し・・・。」
遂に頭を前後にガクガクとシェイクされ横島の顔は赤から青に変わってきた。
あっ、白目になって口から泡も出だした。
数分が経過した。
「大丈夫か横島?」
「な、何とか・・・。」
「ダメじゃないですかパピリオ。」
「む~~~、ゴメンでちゅ。
それよりルシオラちゃんが生き返るってどういう事でちゅか!?」
「実は少し前に・・・・・」
そして夢で宇宙意志と名乗る者と出会いルシオラ復活の可能性を話した。
小竜姫さまとパピリオは驚いた顔で静かに話しを聞いてくれている。
もっとも老師は何か答え合わせをしている様な仕草をしながら聞いている。
そう言えば何で俺が来ることや用件が解ってたんだろう?
「知りたいか小僧?」
「!! (心を読まれた!?)」
「阿呆! 途中から声に出してただけじゃ。」
精神的には成長してない横島。
凹んでのの字を書き出した。
「実はワシもその宇宙意志と夢で出合ったんじゃ。
先の大戦で死んだ蛍の娘を蘇らせるためにお前が尋ねて来たら鍛えてやってくれとな・・・。
じゃから首を長くして待っとたのじゃ。」
今度は学習してか
「(ゲームして待ってただけじゃねぇか!)」
口には出さずに毒づいた。
「そう言えば復活の方法は聞いて無いのか?」
「えっ! いや・・・聞いて無いっス。」
「ふむ、・・・ではワシが聞いた範囲で教えてやろう。
お前が壊された霊気構造、それを詳しく言うと〝魄(ハク)〟じゃ。」
「〝魄〟ですか?」
「うむ、俗に言う魂(タマシイ)とは魂魄の事。
〝魂(コン)〟は自我や感情、そして〝魄〟は人間が生きるために必要なエネルギー。
お前はその魄が破壊され蛍の娘はそれを補った。
ここまでは解るか?」
「な・・・何とか。」
横島の頭からはシューと音がしながら煙が出ている。
「そこでお前は魄を吸収しながら蛍の娘の魂を分離するのじゃ。」
「そんな事できるんでちゅか!?」
「そこは文珠で《魄》を作り、《霊》《体》《分》《離》で蛍の娘を自分の魂から離す。
元が自分の作った文珠なら再び取り込む事も修行次第で出来る様になるが・・・。
詳しいことはまた今度じゃ。」
「え~! ここまで言ったんだから最後まで言うでちゅ。」
「・・・いや、だってあれ。」
そう言いながら猿神はある方向に指をさした。
小竜姫とパピリオがその先を追うと何やらブツブツ言いながら煙だけでなくパチパチと何かがショートしている横島が居た。
「わーーー!! ヨ、ヨコシマーーー!!!」
「パ、パピリオすぐに水を持ってきてください。」
「はー、やれやれじゃ・・・。」
あとがき
やっと書けた。
そんなこんなでもうすぐ修行編ですがその前にジークの相談とは何か。
妙神山での話しはもう少し続きます。
では、また・・・。