横島が本当の願いを叶えるため、強くなる事を決心して数日が経ったある日の連休。
あれ以来シロの散歩や自主トレをし始めたもののそれは肉体的な修行でしかなく。
霊力の修行の仕方が分からないのが現状であった。
一応師匠の美神に話したところ、「書類仕事が忙しいのよ!」と言われて追い出されてしまい。
おキヌに美神宛の手紙を預け、もう一人(と一匹)の師匠の下に向かう事にした。
幸せの道標 第二話
「あ~、やっと着いた。」
そう、ここは妙神山修行所。
横島が霊能力の目覚めるきっかけを作った竜神様が居たり、妹の様な蝶が居たり。
そして、かなり特殊な文珠という能力引き出してくれた(ついでにゲームの先生でもある)猿神師匠が居る。
「よう、久しぶりだな鬼門達。」
「なんじゃ、横島ではないか。」
「久しぶりじゃな。」
門に付いてる鬼の顔と喋りだした横島。
そして三人は気付いてないが、ここに向かって何やら地を揺らして向かってきている。
「実は小竜姫さまに用事があっ「ヨ~~~コ~~~」?」
誰かに呼ばれた様な気がして辺りを見るが居たのは自分と鬼門達だけだった。
「なあ、俺の事呼んだか?」
「いや、なあ「シ~~~」」
鬼門のセリフを遮り、再び聞こえて来る横島を呼ぶ声。
さっきより近く大きくなったため鬼門達も気付いた様だ。
そしてゴゴゴゴゴ・・・。と聞こえる地鳴りも大きくなり、今度は三人で辺りを見る横島達にバン!!と門が開いてミサイルが突進して来た。
「マ~~~♪」
「げふ!!」
ミサイルの正体、それは横島の妹の様な存在、パピリオだった。
「会いたかったでちゅよヨコシマ~♪」
衝撃を受けてぶっ倒れた横島に頬ずりして喜ぶパピリオ。
しかし横島は倒れて動かない、それもそのはず魔族の捨て身タックルを受けたのだ。
常人なら肋骨が折れて肺を強打し、即入院が決定するからだ。
さすがの横島も・・・、
「あ~、死ぬかと思った。」
・・・何とも無かった。
「久しぶりだなパピリオ、ずいぶん大きくなったじゃないか。」
上半身を起こしパピリオの頭を撫でてやる横島。
パピリオは「エヘへ~。」と笑っている。
ちなみにパピリオが大きくなったのは本当である。
前は小学生の低学年クラスの身長やら何やらが高学年クラスにまでなっていた。
言葉使いは今だ変わってないが・・・。
「あ、そうだパピリオ。」
「なんでちゅか?」
「小竜姫さまは居るか?」
「居まちゅよ、あと猿が『横島が来たら連れて来い。』って言ってたでちゅよ。」
「!? 老師が?
まあ、いいやだったら連れてってくれパピリオ。」
「はいでちゅ。」
そう言って横島はパピリオの手を繋いで修行所の奥に向かいだした。
その姿は本物の兄妹の様だった。
猿神のもとに向う途中でパピリオと横島はいっぱい喋った。
やれ、小竜姫が鬼だの。
やれ、猿にゲームで一回も勝てないだの。
横島やベスパに会えなくて寂しいだの・・・。
そしてその途中、ジークと出会った。
「久しぶりだね横島くん。」
「ジーク! 久しぶりだな。」
「そうですね、そうそう師匠どのは“猿魔ノ間”でお待ちしております。」
「そうか、・・・そう言えば老師は俺が来る事が分かってたのか?」
「そうでちゅよ、『もう今日ぐらいに来るだろう』って言ってまちた。」
「ふ~ん、まあいいや。 じゃあなジーク。」
「あっ、待ってください。」
猿神のもとへ向おうとする横島をジークが引き止めた。
「何だ?」
「その・・・、後でお話があるのですが時間はいいでしょうか?」
「あー、今日は小竜姫さまの許可さえ出たら泊まって行こうと思ってるからいいぜ。」
「分かりました、ではまた後で。」
そう言いジークは去って行った。
「ヨコシマ本当に泊まっててくれるんでちゅか?」
「許可さえ出ればな。」
「きっと大丈夫でちゅよ。
だから早く行くでちゅよ。」
パピリオに手を引かれ、“猿魔ノ間”の前にたどり着いた。
「横島忠夫入ります。」
戸の前で声を出し、とうとう強くなるための扉を開く。
あとがき
社会人のため休日でやっと更新できました。
待っていただいた方申し訳ありません。
えっ、誰も待っていないそうですか・・・。
ガイギスさん感想ありがとうございます。
GOSは某所でずっと読んでまして憧れの作家さんなのでとても嬉しいです。
シンさんとたぬきちさんも初めからに続いての感想ありがとうございます。