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「光と影のカプリス 第78話(GS)」

クロト (2007-06-18 19:18)
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 蛟の本体がマムシだったということで、それに咬まれたビカラと、そのフィードバックを受けた冥子には妖毒の感染が心配されたが、小竜姫の診断でそれはないとわかった。
 ……実は妖毒については過剰な警戒心を持っているタダスケが、こっそり1人と1体に文珠《治》を使ったからなのだが、おかげで残りの文珠はたったの4つ、彼が元の世界に戻る日は本当にいつになることやら……。
 その次はカリンがカマイタチを倒した方法とか蛟に使ったモーニングスターのこととかについて質問が集中したが、栄光の手はともかく煩悩全開(小竜姫Ver)や超加速のことをうかつに話すわけにはいかない。あのとき超加速を使ったのは、人外のパワーをあまり人目にさらさないためという理由もあったのだ。

「……悪いが、それはちょっと言えないんだ。めったに使えない方法だし、企業秘密ということにしておいてくれ。
 蛟に使った技はこれだ。昨日までは使えなかったのだが、戦いの中で会得したということかな」

 と霊波刀を出して見せる。こちらはすでに見せているし、隠さねばならぬようなものでもない。
 一瞬でカマイタチ3匹を倒すところを間近で見せつけられた、いや見ることもできなかった雪之丞はまだ納得しがたい様子だったが、この業界でむやみに能力を公表するのはあまり賢い行為でないことくらいは知っているので、そう強くせまることはできなかった。
 むろん小竜姫には知る権利があるのだが、カリンがこう言っているものをわざわざ人前で聞く気はない。彼女の霊気の質が少し変わっていることも含めて、後で確認しようと思っていた。

「それじゃあ〜〜〜、お母さまたちも待ってるし〜〜〜、そろそろ帰りましょう〜〜〜」

 という冥子の締めの台詞で、9人は生徒たちのところに戻るのだった。


 ホテルに帰って昼食を済ませたら、最後のまとめとして講評を行う。生徒たちの実習はちょっと中途半端に終わったが、かわりに一流GSのビッグバトルを見学できたのだから差し引きマイナスにはなるまい。
 恐くなってGSを諦めた者も何人かいたが、それはそれで1つの選択であろう。除霊以外にも霊能を役立てる道はあるし、霊能があるからといってその方面に進まねばならぬわけでもない。
 台の上に立った冥那はまず各クラスの除霊内容の評価をしたあと、

「それでは〜〜〜、せっかくの機会ですので〜〜〜〜、現役GSのみなさんがたに〜〜〜何か聞きたいことでもあれば〜〜〜、遠慮なく〜〜〜手を挙げて下さい〜〜〜」

 といきなり質疑応答に入った。GS組の戦闘について解説しなかったのは、彼らも一応は自営業者なので、大勢の前で批評がましいことを言うのは避けたのである。

「はいっ!」

 先頭を切ってしゅたっと手を挙げたのはB組の一文字だ。気合ならぶっちぎりで学年トップの彼女だけに、こういう場でも物怖じするようなことはない。

「えっと、横島さんとカリンさんにお伺いしたいんですが、カマイタチをやっつけたのってどーゆー技だったんですか? それとその後しばらくいなくなってたのは、何かワケでもあったんですか?」

 元不良だけにややぞんざいな話し方ではあったが、彼女としては礼儀正しく質問したつもりである。

「やれやれ、やっぱり聞かれたか……」

 とカリンが横島の後ろで苦笑していると、鬼道がマイクを持ってきた。受け取ったのは横島だが、実は彼はまだ詳しい経過を聞いていなかったので、そのままカリンに回してしまう。

「……あれは横島と私の必殺技なんだが、少々いわくつきのものなのでな。すまないが説明は控えさせてくれ。
 カマイタチを倒した後でいなくなってたのは、単にちょっとケガしたから隠れて休んでいただけだ。しかし蛟が前進してきたとなればそうも言ってられんから、最後は前に出ることになったが。
 ……こんなところでいいか?」
「あ、はい。ありがとうございました」

 すでに予想していた質問だから、カリンの回答によどみはない。それだけに一文字は逆に物足りない感じも受けたが、突っ込むスキはなかったので、おとなしく礼を言って引き下がるしかなかった。

(いわくつきの必殺技に、形が変わる武器か……。私、本当に手加減されてたんだな)

 昨晩試合を挑んだ峯としてはそう思わざるを得ない。両方とも人間相手には使えない威力だが、それだけに彼らにとってはずいぶんなハンディキャップマッチだったのだ。

(うーん……惚れたっ!?)

 普通にやっても十分すぎる実力に、超絶の秘技。顔立ちはきれいで性格もしっかりしていて、スタイルや服装も実に素晴らしいものがある。
 ただ種族の差(?)はあるし本体がちょっと邪魔だが、とりあえず友人としてお近づきになる分には問題あるまい。

(たしか小山事務所だったわね……ふ、調べることなら本職よ!)

 ……などと峯が内心で怪しい気炎を上げていると、今度は隣で峰が手を挙げた。

「えーと、さしつかえなければ教えていただきたいんですけど、伊達さんはどうやって飛んでるんですか? 私やB組の弓さんも見た目は似たような技を使うんですけど、空を飛ぶなんて考えたこともないですから」

 その指名でマイクを渡された雪之丞は、席から立つと「フッ」とカッコつけたような笑みを浮かべてみせた。自己アピールでもするつもりなのだろうか。

「あんたの技は受け持ちが違ったから見てないが、俺のは霊波で体を覆って鎧にする技だ。で、空を飛ぶ方法だが……知らん!!」

 そのあまりにも漢らしい回答に、生徒たちはみんなそろってずっこけた。

「たぶん霊力を推進力にしてるんだと思うが、難しい理屈は考えたことねえ。同じ術使っても飛べねえ奴もいるし、術使わずに飛ぶ奴もいるからな。向き不向きってやつがあるのかも知れん。
 霊能力は理屈じゃねえからな。考えるんじゃない、感じるんだ! ……って、何でみんなコケてるんだ?」

 そこまで力説して、雪之丞はようやく生徒たちがKO状態になっていることに気がついた。ちなみに1番ダメージが大きかったのは、立っていた峰と名前を出された弓である。

「うう、何ておバカな方ですの……ご自分の術の原理も知らないだなんて」

 まあ水晶観音とは明らかに別物と分かったのは、めでたい事ではあるけれど。
 ただそんなヤツにちょっとでも感心したのは面白くない。今度会うときがあったらとっちめてやろう……と、弓も峯の3分の1ほどではあるが内心で決意を固めるのだった。

 まあそんなこんなで危険なフラグやら微笑ましいフラグやらを残しつつ―――六道女学院1年生の林間学校は何とか無事終了したのであった。


 東京に帰った横島たちは、唐巣たちと別れた後いったん小山事務所に寄っていた。いや、タマモのいない所でタダスケと話ができるよう、横島が頼んで来てもらったのである。

「で、わざわざ何の用なんだ?」

 タダスケがカリンが淹れてくれたお茶をすすりながらそう訊ねた。唐巣たちはともかく恋人のタマモにさえ聞かせられないとは、どんな深刻な話なのか。
 カリンは電車の中では横島の中に戻っていたから、用件は彼の記憶でだいたい想像がついていたが、今は横島の「タマモの恋人」としての立場を尊重して必要以上の口出しは控えていた。

「ああ、ちょっと見てほしいものがあって。これなんだけど」

 と横島がリュックから例の自衛ジョーを出してタダスケの前に置く。タダスケはそれを手に取ってしげしげと眺めながら、

「自衛ジョーのフィギュアだな……これがどうかしたのか?」
「ああ。それ、蛟がいた廟の中に落ちてたんだ。
 で、タダスケさんならもう気づいているだろーけど、それには蛟の妖気とは違う霊気がこもってる。
 それでちょっとひらめいたんだ。前にタマモを追いかけてた奴らが『人形の兵士』を使ってたそうだから、もしかして犯人は同じなんじゃないかって。
 鬼道たちにゃこんなこと言えんけど、タダスケさんならもしかして見覚えあるんじゃないかって思ったんだが……」

 横島はそれを知ったからどうこうするというつもりは無かったが、知っておいて損はあるまい。タダスケなら余計なことを口外はしないだろうから、ダメ元で訊ねてみたのである。
 ……さすがに今のタダスケに文珠でサイコメトリーしてもらおうなんて鬼畜なことは考えてない……はずだ。
 そして横島が一気にそこまで説明すると、タダスケもさっと顔色を変えて自衛ジョーを持った手に力をこめた。

「ああ、なるほど。そりゃあんなとこじゃ言えんわな。
 俺も思い出したよ。もう10年も前のことだけど、確かに自衛ジョーの生き人形を開発してた連中とやり合ったことがある」
「え、マジで!?」

 横島は思わず身を乗り出したが、そこでなぜかタダスケが急に嘆いてみたり脱力してみたり苦虫を噛み潰してみたりと妙な百面相を始めたので、とりあえず座り直して彼が落ち着くのを待つことにした。
 たっぷり10秒ほども経ってから、

「あー、えーと……もういいか?」

 と声をかけてやると、タダスケもようやく気を取り直したのか、ハンカチで顔の汗を拭いてふうっと息をついた。

「すまんな、ちょっと苦い思い出がフラッシュバックしてきたもんでな。
 で、自衛ジョーの話だったな。俺のいた世界じゃ、南武グループってとこがそれを作ってた」
「南武グループって……リゾートとかデパートとかやってる会社の?」
「ああ。だがあのグループには兵器産業も入ってて、心霊兵器を作ってたんだよ。
 むしろその自衛ジョーなんて1番チャチなやつだな。ゴーレムだの呪法で括(くく)ったグーラー(食人鬼女)だの、極めつけは人造魔族まで開発してやがったからな」
「人造魔族ですって!?」

 その単語を聞きとがめた小竜姫が、さっきの横島と同じくらいの勢いでがばっと身を乗り出す。タダスケは驚いたが、そう言えば彼女は神族なのだから当然だなと思い直して説明を続けた。

「ええ、茂流田と須狩ってやつが責任者だったんですけど、そいつらがガルーダっていう魔族の霊体片をメドーサから提供してもらって培養してたんですよ」
「メ、メドーサ!? あの外道、そんなことまでしてたなんて……。
 しかしその茂流田と須狩という人たちもずいぶんひどいですね。考えも足りなさすぎです」

 たとえば式神使いなら、式神が受けたダメージは術者にもフィードバックしてくるからそうそう粗末な扱いはしない。しかし呪法で括られた妖怪や培養された魔物などは、使い捨ての「兵器」としてしか扱われないだろう。生命を何だと思っているのか。
 そしてそれ以上に問題なのは、人造魔族をつくれるなら人造神族もつくれるということで、いわば南武グループは神魔族全体にケンカを売っているようなものなのだ。

「そうだな、人間だって魔族が人間のクローンをつくってモルモットにしていたら怒るだろうし。
 しかし小山殿、南武グループといえば大企業だ。私たちが直接どうこうできる相手じゃないぞ」

 小竜姫がかなり腹を立てていると見たカリンが先手を打ってそう諌めるが、小竜姫もさすがにそこまでする気はないようだった。

「ええ、わかってます。そもそもこの世界の南武グループが人造魔族を開発してると決まったわけでもないですし。
 事実関係の確認だけならヒャクメに頼めばすぐできるのですが……」

 そこで小竜姫が言い淀んだところを見ると、この件で彼女が行動を起こすには何らかの物証が必要らしい。まあ確かに、ヒャクメの証言だけで「神罰」を下すのはいささか問題があるが……。

「ヒャクメは念写とかできないんですか? どっかのメイ○ガイみたいに」
「……ヒャクメですから」

 横島が何げなく聞いてみた言葉に、小竜姫はそう答えて小さく肩を落とした。つまり彼女にそんな能力はないという事なのだろう。

「それで、もしかしてタマモさんは今も誰かに襲われていたりするのですか?」
「いえ、それはまったくないです。タマモは連中には死んだと思わせたそうですから」

 具体的には、木の葉でつくった偽物に崖の上から飛び降りさせたのだ。自分を捕まえようとしている敵に「死体」を渡したら、いずれ術が解けた時にそれが偽物だとバレてしまうと気がついたからなのだが、そうでなければもしかしたら南武グループは今もタマモの捜索を続けていたかも知れない。

「そうですか、なら今すぐどうこうする必要はなさそうですね。……横島さんもタダスケさんも、このことは他言無用でお願いします」
「「はい、わかりました」」

 と横島とタダスケが異口同音に頷くと、小竜姫はようやく眉間のしわをゆるめた。

「……それにしても、横島さんには感謝しないといけませんね。いつも得がたい体験をさせてもらってる上に、偶然とはいえこんな重大な情報まで持ってきてくれるなんて。
 本当にありがとうございます」

 その透き通った笑顔はまるで後光でも差しているかのようで、横島は喜ぶよりも一瞬たじろいでしまった。しょせんは邪なので、聖なる属性には弱いのである。
 だがここでおとなしく謙遜して済ませるようでは、煩悩魔人の名が泣くというものだ。

「お、俺が所長にここまで感謝されるとは……これはもー愛の告白と思うしかー!」

 と横島が跳躍したのは、本当にそう思ったからというより、一種の自我防衛からであろうか。撃墜されるのは織り込み済みの行動だったが、今回はなぜかそれがなく、あっさり小竜姫をソファの上に組み敷いてしまっていた。

「え、あれ……?」

 横島の顔の前、わずか15センチほどのところで小竜姫が頬を桜色に染めている。そのびっくり顔は初々しくて可愛くて、自分を見つめている赤い瞳は宝石のようにきれいだった。
 その輝きに魅了されてしまったのか、横島が夢遊病者のような手つきで右手をそっと小竜姫の頬に当てる。耳の辺りを撫でながら、頭の後ろを抱きあげた。

「よ、横島さん……?」

 小竜姫がうわずった声をあげるが、なぜか横島の手を振りほどこうとはしない。横島は左手も小竜姫の頬にそえて、そのまま―――


「「何をやってるかこの痴れ者ーーー!!」」


 カリンとタダスケのツープラトンキックで悶絶した。

「「おまえにはタマモ(殿)という立派な彼女がいるだろうが! 人前で堂々と浮気してるんじゃない!!」」

 これまた見事なハーモニーで煩悩おバカを責め立てるが、当人にはもう聞こえてないようだ。
 ちなみにカリンが横島を蹴ったのはタマモの立場を考えてのことだが、タダスケは単なるやっかみからである。この辺りに両者の人格の差が見て取れた。
 カリンが今度は小竜姫の顔をじろりと睨んで、

「小山殿も小山殿だ。いつまでも動顛してないで、さっさとはねのければよかったのに」
「……そうですね。今日はいろいろあったのでつい」

 正気に返った小竜姫がそう言って肩をすくめる。さっきのこととか煩悩全開(小竜姫Ver)の件とかでガードが甘くなってしまっていたようだ。
 しかしこの話が続くと恥ずかしいことになりそうなので、別の話題を持ち出すことにした。

「ところでカリンさん。私は見ていなかったのですが、カマイタチを倒したのはどうやったのですか?」
「ん? ああ、そういえばまだ言ってなかったな、超加速を使ったんだ。加速率、いや減速率というのが正しいのかな。20倍くらいしか出せなかったが、普通の敵ならそれで十分だからな」
「……なるほど、誰にも見えなかったわけですね。しかし低出力とはいえ装具なしで超加速をやってのけるなんて、教えた甲斐がありました」

 カリンの回答はある程度予想していたことだから小竜姫はさして驚かなかったが、しかし続けて「ついでにこんな事もできるようになった」と口から火を吹かれた時は度肝を抜かれて絶句した。

(も、もしかしてこのひと、本格的に竜神に近づいてるんじゃ……)

 霊気の質はより自分に近いものになっているし、霊波刀に至ってはオール竜気仕立てだ。日々小竜気を扱っていることの積み重ねが、煩悩全開(小竜姫Ver)を契機にして一気に表に出たのだろう。いつかの慰安旅行の時みたいに。
 ……ところでカリン(と横島)がこの先も同じように成長していくとして、霊体が完全に竜気になった者を人間と呼べるだろうか?
 肉体ではなく魂や霊体こそが生命の本質だと考えるなら、彼はもはや人間ではなく、竜神が受肉した存在と見るべきだろう。

(そうなったら、父上たちにも胸を張って紹介できますねえ……)

 以前気にした寿命の問題も修行次第で解決できるだろうし、それほどの霊能者なら身分の差も問われまい。

(……って、私ってば何を考えてるんですか。横島さんはまだ高校生……ってそういうことじゃなくて!!)
「「……?」」

 赤くなったりしかめっ面をしてみたりしてわたわたしている小竜姫を、カリンとタダスケが不思議そうに眺めていた。


 横島とカリンが小山事務所を辞してタダスケとも別れた帰り道、横島が前を向いたままぽつりと呟いた。

「何かきなくさい話になったよなー。どーなるんだろ」

 むろんさっきの南武グループの件である。小竜姫は相当怒っていたように見えたが、具体的にはどうするつもりなのだろうか。
 グループの兵器開発部門が潰れればタマモを狙う者はいなくなるから、横島としてはそうなるのが望ましいのだが……。

「……さあな。しかしまあ、私たちが直接関わりを持つことはあるまい。
 それより除霊実習の感想でも聞きたいな。予想外のことがいろいろとあったことだし」

 カリンはこの件に興味がない、というより横島には関わらせたくない様子だった。腕をからめて引っ張って、露骨に話題を変える。
 横島にとっても南武グループの件はあまり楽しい話ではなかったので、特に疑問もなくそれに乗った。

「……ん? ああ、そーだな。ちょっと痛い目にも遭ったけど、元はもー十分に取れたな! 峯さんのパンツとかブルマとかおまえの大開脚とか」
「こ、このバカ者! おまえはそういう事しか考えてないのか!?」

 とカリンが真っ赤になって横島の駄弁をさえぎる。パンチラくらいならまだしも横島に愛撫されて我を忘れてしまったなどと、思い出すだけでも恥ずかしいのに具体的な描写なんかされたらたまったものじゃない。

「……って、痛い痛い痛い! わかった、マジメに話すから小指ねじるのやめろー!!」

 人外の回復力を持つ横島への折檻には、一瞬で終わる打撃技より持続的な痛みを与える関節技の方が向いているかも知れない。横島はあっさり泣きを入れて、足りない頭で一応はまじめに考え始める。
 ふっとカリンの方に顔を向けると、

「んー、まあ、何つーか。ありがとな、カリン」
「……!?」

 意外な回答に少女は一瞬目をぱちくりさせたが、やがてその意味を理解するとひどくうれしそうに破顔した。

「ん♪ それじゃ今日はこのまま腕を組んで帰ろうか」

 と独り者の男子が見たら嫉妬で沸騰しそうなまぶしい笑顔のまま、横島の腕を引っ張っていくのだった。


 ―――つづく。

 林間学校編終了ですー。長かった……。
 峯さんについては寛大なるご配慮をお願いしますorz
 あと雪之丞の台詞に「同じ術使っても飛べねえ奴もいるし、術使わずに飛ぶ奴もいる」というのがありますが、前者は陰念、後者は勘九郎のことであります。勘九郎さんGS試験編の最後で魔装術使わずに飛んでましたから。どうやってたんでしょ(^^;
 小竜姫さまが「身分の差」を心配してますが、原作での天龍童子とのやり取りや服装から、王族クラスの高貴な身分だと推測しました。彼女が西遊記に登場する「玉龍三太子」の娘だという説がありますが、これだと小竜姫さまは西海白竜王の孫ですからねぇ。
 ではレス返しを。

○内海一弘さん
>タダスケ
 今後は仕事受けないかも知れませんな。
 ルシの霊基もらって修羅場って……彼にこれ以上不幸になれと(笑)。
>南武グループ
 ついに名前を出しましたー。果たして茂流田と須狩は小竜姫さまのお怒りから生き延びることができるのか!?

○アミーゴさん
>こういうところに気が回るのに、デリカシーは一般人のそれより低いというのはこれ如何にw
 本当はあるのだけれど煩悩が強すぎて表に出て来ないのだという仮説を立ててみたり。
>凄い擬音だな。一体如何ほどのダメージを与えたのやら
 いっそあれで即死してた方が幸せだったかも知れませぬ。
>そうは言ってもそれ以外に表現の仕様がないから困る
 タダスケさん結構オヤジっぽいとこありますしねぇ。

○通りすがりのヘタレさん
>南武グループ
 原作でもゾンビに幽霊にゴーレムにetcと手当たり次第でしたからねぇ。ここでも見境ないです。
>その威力はカリンのかわいさとのギャップで更に凶悪に見えたに違いない
 うーん、確かに無骨な男が使うのとは違った怖さをかもし出しそうではありますな(^^;
>霊波刀斬○刀
 おお、そう言えば原作でシロがやってましたねぃ。ゴーレム辺りに使ってみようかな(ぉ
>タダスケの出番とか横島の出番とか
 タダスケさんはこの世界にいる限り花道は歩けないのかも知れません。横島は……本人は戦闘シーンでの出番なんか欲しくないでしょうな、きっと(笑)。
>さし当たっては、禁欲生活で追い詰められないことを祈ります
 女の子がいっぱいいる酒場とかで発散しそうな気も致しますが(笑)。

○読石さん
>て、本気であれを必殺技にしたんですか小竜姫さん!
 メドさんに使ってマントで破られるところをぜひ書いてみたいと思ってます<超マテ
>タダスケさん早期帰還のメドが立ったぽいですね
 そうですねぇ、エネルギー源さえあれば文珠量産できることが分かったわけですし。
 しかし奥さんがその苦労に報いてくれるかどうかは……うーん(笑)。
>それから、チャイナ服で火を噴いてお仕置きするカリンの姿を想像して思った事が一つ。怪しげな中国雑伎団の人ぽい!?
 ああ、どこまでいってもやっぱり横島君は芸人なのかw

○Tシローさん
 はじめまして、よろしくお願いします。
 自衛ジョーは南武グループ製……かどうかはまだ確定はしておりませんが、確率99%というところでしょうか。
 彼らの運命は風前の灯火っぽいですが(^^;
>そうか、タマモのコトがあるから報告できなかったんですな
 さすがに横島君も恋人にはちゃんと配慮をしているようです。

○ぐだぐださん
 タダスケさん……何かで報われる日があればいいのですが。
>ところで、自分は原作タダスケはアシュタロスと戦わなかったんじゃないかと思ってるんですが〜〜〜
 そうですねぇ。筆者も含めて、そう考えてる方は多いようです。
 ちなみにここのタダスケもアシュ編は経験してません。「仁義なき戦い」直前辺りで分岐したと設定してます。

○KOS-MOSさん
 や、煩マークシステムを気に入ってくれてる方がいるとは嬉しいです。
>小竜姫さまのとどめはなんとなくオーバーキルっぽかったですが
 とどめの必殺技ですからお約束なのですよー(ぇ
>タダスケ
 もともと低いLUCK値をさらに減らされてはどうしようもありませんです(酷)。
>蛟のクローン
 出て来たらむちゃくちゃ大変そうですが、その辺は先をお待ち下さいー。

○遊鬼さん
>いやいや、タダスケは文珠の大盤振る舞いですね
 連載終了までには帰れるでしょう、きっと。たぶん。めいびー。
>ヒーローベルトみたいでカッコいい(笑)
 ありがとうございますww
>黒幕の影
 本格登場の前に仏罰で退場なんてハメにならなきゃいいのですが<マテ

○ばーばろさん
>早速宣言どおりにヨコシマを燃やすカリンたん。律儀ですねぃ
 横島君はむしろお仕置きされたがってるとしか思えませんw
>さすがタダスケ。病気が治ったら、ヤるだけヤってルシオラを宿す事になるんでしょうねぇ
 まあここのタダスケはアシュ編通ってないという設定ですが、ひょっとしたら宇宙意志の悪戯で何か宿しちゃうかも知れませんなぁ(酷!)。
>「煩」のマークがくるくる回る、このアクションは好きです。。。
 やー、結構好評でしたのですね。残しておいてよかったー。
「脱力」は横島君の標準機能です(ぉ
>断固仏罰剣・・・久々に出ましたが、ホントはヨコシマにぶつけたかったんだろうなぁ、小竜姫さま
 そうですねぇ、きっと蛟を横島君だと思ってぶっ叩いたんでしょうな。
>77話にして、さらにエピソードの追加ですか。このペースだと、150話前後?もっとか(w
 しかも朧&神無とかおキヌちゃんと愛子の話とか、前振りだけしてあって消化してない分がまだ残ってるんですよねぇ。
 本当に最長記録しちゃうかも(^^;
>前回のコメントであげた4人全部という事ではありませぬ
 なるほど、そういうことでしたか。勘違いしてしまってすいません。
 でも結局ハーレムなんじゃないかと(笑)。
>「竜神界に伝わる至高のお揚げを食べたくありませんか?」
 うわぁ、鬼ですな小竜姫さま~(°°;)))(((;°°)~
 愛を取るかお揚げを取るか、苦悶するタマモンが目に浮かぶようです。

○whiteangelさん
>【まじめ】な横島ってどの次元も居ないのだろうか?
 いるわけないじゃありませんかー(酷!)。

○HALさん
>自衛ジョー(゜∀゜)キター!!
 しかし第8話で張った伏線を今ごろ回収始めるなんて、考えてみたら異様に長い線ですな。しかも時系列的に、直接登場はさらに先になるという(^^;
>この辺の調査は六道が一番強そうなんですけどねえ
 でも冥子ママとの付き合いはまだ薄いですからねぇ。秘密を明かしていい相手かどうか分からないですから。
 まあ、ここの横島君には身近にもっと強力な情報源があるわけですがー(笑)。
>千年ハレム
 最近は順調に進みすぎなので、1度シバいておく必要がありそうな気がしてます(ぉ
>でも、この依頼でお金入ったら、ちょっと風俗なお店に行けばそれなりに煩悩貯めて文珠作れるんじゃないでしょーか
 むしろ文珠と関係なしに行きそうな気が致しますな。
 文珠のことは令子にバレた時のための大義名分に過ぎないというか(笑)。
>使うのがカリンの場合はやっぱり100tハンマーとかですかね
 どこかのもっこりハンターのパートナーを思い出しました(笑)。
>モーニングスター
 ほほう、そうだったのですか。ウンチクが1つ増えましたですよー。
 カリンのはもちろんトゲ付きでした。トゲなしの鉄球なんて迫力が激減ですからー。
>だってぬれた下着そのまま穿いてたら透け(仏罰)
 だがそれがい(神罰)。

○鋼鉄の騎士さん
>読者の期待を裏切らない男横島、さすがだwww
 彼はお仕置きされてナンボの芸人ですから!
>今回これに美神かかわるのかな?
 うーん、令子さん最近全然出番ないですからねぇ。たまには活躍を……できるのかな?(ぉ
>タダスケ
 まあ一応メンツは守れてお金ももらえることですし、後は文珠をためて帰るだけ……で済めばいいのですが??

○Februaryさん
>タダスケ
 そろそろこの不幸世界から解放してやるか、それとも徹底的にいじくるか……悩ましいところであります。
>南武グループ
 原作でも極悪でしたからねぇ。きっと小竜姫さまの激しい仏罰が下ることでしょう。
>文珠が使えようが使えまいが、10年たっても横島は横島なんですね〜
 なぜ未来令子さんが彼と結婚したのか、実に不可解であります(ぉ
>そこにタマモも加わって、いざ、女だらけの桃源郷へ!!
 うわぁ、まさに鼻血ものの超世界ですな。
 しかし小竜姫さまにそんな趣味がおありだったとは!<マテ

○UEPONさん
>元がデザイアブリンガーだからハンズ・オブ・デザイア?
 直訳すると「欲望の手」?
 あまりにもストレートすぎるのでは(笑)。
>カリンちゃんの装備は全部ぱっと見は軽装に見えますね
 そうですねぇ。令子や勘九郎の影法師はごついんですが、やはり横島君の願望が反映してるんでしょうな。恐るべき煩悩パワーであります。
>変形機能が付いてたのは元からだし投げられなくなった分弱体化して見えます
 はい、確かに弱くなった面はあります。
 しかしデザイアブリンガーは戦闘中に変形できるものではなかったですし、栄光の手が投擲可能となると強すぎるので、あえて接近戦に特化したということでご理解いただけると嬉しいです。
>オシオキ用の道具が増えましたね〜〜〜
 やっぱりお仕置きといえば100tハンマーなんでしょうかw
 しかし「ダーリン浮気は許さないっちゃ」って、いくらサンデーつながりだからってww
>一発ギャグじゃなかったのかぱーとつー
 一発ギャグと思わせてPart2でありました(ぉぃ
>なんて不憫な……やっぱり最終回が(ry
 希望さえ捨てなきゃいつかいいこともあるさ、きっと(T-T)
>殺生石の近く→封印石→石つながり→タマモ→南○グループと連想してたのがぴったり当たりました
 むう、やっぱり。
 かなり分かりやすい前振りも置いてましたが、これで実はまったく違う連中だったというオチは作れませんでした(^^;
>「****から**したら***が***なってた」
 いくら何でもそれじゃ全くわかりませんがな(^^;
 まあ私の書く話で欝とかダークとかはありませんのでご安心下さいー。

   ではまた。

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