横島姫が勇者(ある意味魔王)ルシオラにお姫様抱っこされて帰るよりも数時間前、日本の二箇所で不穏な空気が流れていた。そして二つの影が中国から日本に向かっていた。
蛍と眼とあなたと・・・
第6話 女性陣の嫉妬会議・三姉妹の再開×2そしてオチはあの御方
美神助霊事務所にとてつもない不穏な空気が流れている。原因は横島の寿退社である・・・
この日、美神は非常に不機嫌であり、おキヌは学校を「除霊」があるので休む事になっている。タマモは関係ないといわんばかりにテレビを見ている。シロは固まっている。目の前の事を見ながら・・・
「横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに、横島のクセに・・・」
呪詛のようにぶつぶつ呟く美神。今、一般人が近づけば確実にその瘴気にあてられて死ぬであろう。
「フフフッ、横島さんいけない人ですね、フフフッ・・・・」
おキヌはそう言いながらシメサバ丸を研いでいる。バックでは女華姫がシャドーボクシングを始めている・・・
シロは目の前の事実に耐え切れず叫ぶ。
「そんな不気味な事をしないで先生が戻ってくるようになにかすればいいでござろうっ!」
しかし、その叫びに二人は怒らず、むしろ・・・
「そうねこの美神令子がこのまま引き下がるわけにはいかないわっ!」
「そうです、もう一度横島さんと過ごすために横島さんが戻ってくるようにがんばればよかったんです。」
二人は一気に色々と策を講じあう。そして出た案は・・・給料のアップ・・・ではなく弁才天の召喚であった。
「あの弁才天が協力してくれれば、あの二人の破局は確実・・・(そうなったらあの馬鹿には二度と私に逆らえないように『調教』しなくちゃね・・・)」
「ええそうすれば横島さんも事務所に戻ってきますね・・・(そのときに傷心の横島さんを慰めてそのまま、フフフフフッ・・・)」
二人から出される瘴気が増大されシロはもう泣き出しそうである・・・そしてタマモは、
「(給料を上げて再交渉すればいいのに。ま、私は私で動くかしら)こんな部屋にいたら疲れるからちょっと外できつねうどん食べてくるわ。」
美神とおキヌはタマモがそういって出て行っても大して気にせず弁才天を召喚するために準備していた。
実際この後きつねうどんを食べ少しぶらぶらしてから横島の所に向かうが、彼女の運命の歯車は今日突然動くのであった。
美神助霊事務所に不穏な空気が流れていたほぼ同時刻、日本に二人の大妖が向かっていた。普通なら妙神山のメンバーが気づくものなのだがそんなこと今の妙神山に関係なかった。
「ん、ワルキューレ戻ってきたのか。実は軍に関して話したい事があr・・」
ワルキューレに用があり妙神山に来ていたベスパがワルキューレに話しかけるが、すごい殺気が彼女たちから発せられており、途中から話せなくなってしまった。
ベスパは自分の妹であるパピリオにも恐怖しつつ尋ねた。
「パピリオ、何が有ったんだい?」
「・・・ルシオラちゃんが復活したでちゅ・・・」
「・・・・・はぁ!?ちょっと待て、じゃあ何でそんな不機嫌なのさ?もっと喜ぶべきだろっ!とにかく私は姉さんに会いに行ってくる!」
そういってベスパは飛び出そうとするが、パピリオの一言で固まる。
「ルシオラちゃんの胸がワルキューレのを超えていたでちゅ・・・」
「・・・・・偽者なんじゃないのか?」
そういった瞬間ベスパは背後から殺気を感じ後ろを振り向くが何もいない・・・
「本物とか偽者とかどうでもいいのです・・・問題は横島さんをどう略奪するかなのです!この際手段なんかどうでもいいのです!!!」
「そうだ我々は横島さえ手に入れれば方法や過程などどうでもよいのだ!!!」
「えーと、私は関係なさそうだから仕事に戻るのね~。」
この場から逃げるためにヒャクメは仕事に戻ろうとするが、
「ヒャクメ私たち友人ですよね?親友ですよね?いやむしろ心の友と書いて心友ですよね?そして心友ならもちろん手伝ってくれますよね?」
ヒャクメは逃げるのに失敗した・・・そのうちいいこともあるさ。きっと、多分・・・
この後ベスパも強制的に会議に参加させられ顔がどんどん青ざめていく・・・
会議が始まって数時間もするとベスパの顔は青から土気色になっていた。
「ん、どうしたベスパ?この程度の会議でそんな疲労するとは魔界正規軍の軍人として恥ずかしいぞ。もっと鍛えておけ。」
ベスパの名誉のためにいっておくが、会議時間のせいではなく立ち込める瘴気で彼女は疲労しているのである。その瘴気の濃さは魔界の10倍。普通なら神族はその場にいられる濃さではないのだがなぜか小竜姫は平気である。このまま堕天しないことを祈るばかりだ。
「・・・気分悪いから外に行ってくる・・・」
そういいながらベスパは外に出て行く。
「わたちもつまらないから外に行くでちゅ。」
それに便乗してパピリオも外に出て行く。
「ふぅ、あんな空気の状態で参加しろだなんて、普通無理だろ・・・」
ベスパはため息混じりに愚痴る。
「ベスパちゃんはこらえ性がないでちゅね。あの程度の瘴気は小竜姫からよく出るでちゅよ。」
「なんで神族からよく出るのさ?」
「胸の話になるとよくああなるでちゅ。」
ベスパはその言葉を聞かなかった事にし、パピリオに提案する。
「姉さんのことを確認しに行こうと思うんだけど、パピリオはどうする?」
「そうでちゅね、暇だし行くでちゅ。(ここでルシオラちゃんとベスパちゃんが喧嘩してくれればその隙を縫ってヨコシマに近づく事が出来るでちゅ。)」
パピリオ・・・恐ろしい子!
ボロボロになった横島を布団に寝かせ一息つくルシオラとテレサ。
「・・・あのさ『再調整』はしないよね?」
びくつきながらも尋ねるテレサ。まぁ自分の人格をいじられるかもしれないのだから非常に重要な問題である。
「あら、してほしいなら「遠慮しとく」そう?ま、人格の再構築とかは難しいからあんまやりたくなかったのよね。」
「つまり逆らわなければ『再調整』はされないのね?」
「ええ、『再調整』はしないわよ。でも機能面ではメンテナンス含めて色々と調整するから。ああいまから考えただけで興奮するわ。どんな改造しようかしら?」
テレサはドリルだけは勘弁して欲しいなと思ったが言ったらつけかねないので黙っていた。
そんな風にルシオラが妄想していると外から人の気配がした。
「えーと、・・・姉さんいる?」
声の主はベスパだ。
「いるわよ。鍵は開いているからどうぞ。」
その言葉が終わると同時にベスパが入ってきた。後ろからはパピリオとタマモがいた。
「・・・パピリオは分かるけど、なんでその子もいるの?」
「ん、ああ途中であった。・・・姐さん本当に復活したんだね。・・・そのおめでとう、それとごめん・・・」
「べつに謝る必要なんてないわよ。ベスパはアシュ様に私はヨコシマに命を賭けただけ。ただそれだけよ。」
「姉さん・・・ありがとう。」
べスパはその言葉を聞いて憑き物が落ちたように笑顔になった。
「でもベスパ一つだけ聞かせて。」
「ん、何を?」
「ヨコシマにすこーし色目つかったでしょ?どうなの?」
ルシオラは笑顔で尋問する。もしここでルシオラの機嫌を損ねれば「微笑み三年返し」を受けるだろう。
「え、いや、その、あの・・・ごめんなさい、少しつかったと思います。」
「・・・まぁ正直にあやまったからこれ以上は不問にしとくわ。それとあなた、呼び方はタマモちゃんでいいかしら?聞きたい事があるんだけど。」
「?いいわよ。それでなに?」
ルシオラの質問に身構えるタマモ。自分も横島について聞かれると思っていた。
(ま、どんな妨害されようと横島を諦める気なんて無いけどね。)
「外の二人はあなたの知り合いかしら?」
ルシオラの質問に?なタマモ。
「気づいていたか・・・やるな女。」
そういうと外から二人の女が玄関に入ってきた。
「えっと、どちら様?本気で分からないけど。」
タマモはその来訪者に心当たりがない。しかしどこか懐かしい気もする。
「そんな姉さま!私たちがわからないのですか!?」
「まさか姉さま、一度死んで転生したのか?」
タマモの反応に驚く二人。
「1000年ほど前に死んじゃって最近転生し終わったんだよね。で、誰?」
事実に驚愕しながらも自己紹介を始める二人。
「まさか姉さまに自己紹介する日が来るとは・・・私の名前は妲己親衛隊隊長、胡喜媚です。」
「あたいはその副隊長の王貴人。聞いて少しは思い出してくれた、姉さま?」
「うーん、最近読んだ漫画しか思い出せないわ。」
「・・・ゆっくり思い出してください。」
「まぁ最初からゆっくり思い出す予定だしね。」
タマモはあまり自分の過去にこだわりがないらしい。
「つうかなんできたの?」
「そりゃ姉さま、今度こそあたいたち妖魔の世界を作るために決まっているじゃないか。」
どっかのボケ吸血鬼と同じ事を言う王貴人。
「そうです姉さま。そしてそのためにも姉さまには協力してもらわなければならないのです。」
「あー、それは無理じゃないかしら。」
「何故ですか姉さま!?私たち三姉妹が力をあわせれば脆弱な人間どもなど簡単に淘汰できます。他の妖魔や魔族にも声をかければ神族を制することもできます。躊躇する必要など、どこにもないのですよ!?」
もっともらしい事を言う胡喜媚。
「そうだよ姉さま。私は戦いたくてうずうずしているんだよ。分かってくれよ。」
某バトルジャンキーと気が合いそうなセリフを言う王貴人
「・・・貴方たちさ、もしかして最近まで封印されていた?」
ルシオラが尋ねる。
「う、まぁその女禍様に最近まで封印されていたよ。それが何だって言うんだい!?言っとくけど力なら全然、落ちちゃいないからね!」
その言葉に一同ため息をつき、ルシオラが口を開く。
「はぁ、いい二人とも最近起きた事件なんだけどね・・・」
ルシオラは自分の創造主が起こした事件を話した。二人はその話を聞き愕然とした。なにせ規模が違う。そのでかすぎる野望と自分たちのやろうとした事を比べるとすごく負けた気分になる。しかも最近の人間たちはかなり力をつけてきているので自分達でも勝てる見込みが少ないという事実まで突きつけられたらもうやる気など起こるはずもない。
「せっかく太上老君のところから大極図パチって来たのに・・・」
その言葉に一同驚く。
「それ見せてくれないかしら?」
ルシオラはそういいながら王貴人から大極図を取り上げてまじまじと見る。
「すごいわこれ。これがあればヨコシマの身体を早めに治すための陣やヨコシマのための武器を作れるわ。フフッ、腕が鳴るわね。」
「このアマ返しや「(ギロリ)なにかしら?)・・・イヤ、ナンデモアリマセン。」
流石の王貴人でも今のルシオラを押し通すほどの力はない。
ところで今この部屋には事情はどうあれ五人の美女と二人の美少女がいる。横島の部屋に・・・
もしあの御方が来たら、横島の命は今日この日潰える。そして・・・
「忠夫生きているかい?たずねに着てやったよ。・・・・・だれだいあんたたち?」
あきらかに最後の言葉には怒気が混ざっていたGMこと横島百合子。
・・・横島よ、アリーデヴェ・デルチ!
あとがき
なかなか修行に移れません。そして横島君一度も言葉を発せませんでした。いや次こそ修行に入りたいんですよね。でもまだ美神たちの妨害かいてないしなぁ。まぁ気長に見てください。とりあえず横島の武器フラグは立たせたしこれで大丈夫かな?
レス返し
February様
愛子は青春のためなら命も賭けます。テレサは強く生きていくためにはルシオラを怒らせないしかありません。
加茂様
>川原泉先生の作品ですか?うむ、あれはいいものだ。
おお、分かってくれる人がいた。ええ本当にいいですよね。
ちなみに調べ終わったからってルシオラは最後につぶすような事はしません。
内海一弘様
一度爆破されてその後コスモプロフェッサーで修理されている最中でコスモプロフェッサーが壊されてからずっと放置です。
アミーゴ様
そんなにときめくと後ろから貫かれてまさにアッーでヌフゥな展開になりますぞ。
ひでよし様
というわけでご指摘まことにありがとうございました。
hi様
>服の下にエプロンですか?
普通にミスです、ごめんなさい。そして次回もお楽しみに。