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「魔神の後継者 第二十六話(GS)」

アイク (2007-06-07 23:00/2007-06-07 23:02)
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―第二十六話 修行再開(?) ―

睨み合う小竜姫、ワルキューレ、パピリオの3人。
睨み合いも佳境に入り、殺気、威圧感、嫉妬その他もろもろが形を成していく。
小竜姫の背には怒り狂い、暴れ狂い、煉獄の焔を思わせる吐息を吐く龍が。
ワルキューレの背には9人の女性を模った。鎧を着、突撃槍を構える戦乙女達だ。
パピリオが背負うのは蝶の様な仮面をし、体にフィットする胸から股間にかけて大きく開いた、
黒いレオタードの様な服をを着、股間部を強調したポーズを素敵にキメル男・・・

「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」

「・・・?っ!?」

パピリオの具現化した特殊な物体に目が点となり、何も言えなくなるパピリオ以外。
パピリオはその様子に不審に思い、罠かもしれないと心の中で少しだけ感じるも気になり振り返ってしまう。
そして絶句し、涙目になってしまった。自分が具現化した物体Xに。
けして目の前、約3cmに彼の股間が有り、強調されるある部分に恐怖を感じたわけではない。
小竜姫の背負っていた龍はやってられるか!と言わんばかりに一升瓶に入った酒をラッパ飲みし、
ワルキューレの背負っていた彼女達は怯えた様な顔で物体Xのある部分を見ていた。

ピクッ

「「「「ひぃっ」」」」

「って!待てやああぁぁあぁあっ!!!」

パアァンッ!

物体Xが強調していたある一部を更に強調させる兆候・・・その一部が脈動した瞬間、
女性陣が小さな悲鳴をあげた瞬間、横島は動いた。
このあんまりな不条理的なツッコミ所満載すぎる存在に関西人の血で我に返った為だろうか?
それとも、彼女達の小さな悲鳴に反応した為だろうか?
横島は鎖を指に発動させた強力な霊波の刃で切り裂き、
切り裂くと同時に使い慣れた剣状にし、大きく振りかぶり、それに叩き込む。
それは気持ちの良い破裂音と共に、まるで幻かの様に塵となり、消えていった。

「うぇ・・・うぇぇぇぇぇええええん!ヨ〜コ〜チ〜マ〜〜〜〜〜!

「アレは夢だ。夢なんだ・・・安心しろ・・・・・・・・・」

彼の存在が消え、安心したのか、本当に怖かったのか、泣きながら横島の胸に飛び込んだ。
大泣きし、横島にしがみつくパピリオに、横島はまるで父や兄の様に優しく抱きながら頭を撫でてやる。
そっと、優しくそう呟く。

「くすん・・・」

「こほん。さて小僧。ワシの本題に入るが良いかのう?」

「ああ」

パピリオが泣き止み、猿神がそう切り出した。
まだ、泣きそうな程目を潤ませたパピリオをその手に抱きながら横島は答える。

「本題、ですか?」

「うむ。小僧の成長具合を確認するためじゃったのじゃ」

小竜姫が真面目な顔でそう問い、猿神は答える。
先程、あれ程場を乱す発言を連発し、好々爺の様な笑みを見せていた者と同じには見えない。

「小竜姫よ。お主は小僧を殺す気で攻撃できておらん。無意識に手加減をしておる」

「・・・(私は・・・好きな人を殺そうと出来るほど私は・・・)」

猿神の一言は小竜姫の心に突き刺さる。
自らの恋心を理解した以上、何故無意識に手加減をしていたのかハッキリと分かる。
そして小竜姫は思う。そんな事ができる程自分の心は強くなく、横島を失うのが怖いと・・・

「ワシとパピリオが長い間奥におったのは知っておろう?考えていたのじゃよ。
 小僧が本気で殺されそうになり戦える・・・本気で殺し合える事ができる相手をのう。
 小僧は本気で小竜姫達を殺す気では戦えんと思っていたのじゃが・・・正にそのその通りじゃったな」

(俺は小竜姫様も、ワルキューレも、パピリオも・・・
 勿論ヒャクメや美神さん、おキヌちゃん、ジーク、ピートや神父・・・
 言っていたらキリが無いが・・・仲間だと、大切だと思っている。そんな奴等を殺す気になれるかよ)

(はあ・・・無自覚程怖いものはないのね〜)

猿神は、嬉しそうな声色で忠告する。暗に甘いと言っているのだ。横島は猿神の言った事にそう心の中で呟いた。
心を覗く事が出来るヒャクメは内心溜め息をつきながらそう思う。
無自覚に女を口説く横島に呆れ半分にその他色々思うが、仕方が無い事だ。
もし、横島が心の中で言った一言を口にすれば、小竜姫達はステキに顔を紅葉の如く紅く染めるだろう。

「で?完成したのか?どんな奴なんだ?」

「うむ。全部で五体じゃ。強襲、全域攻撃系が一体ずつ。残りの三体は格闘系じゃ。
 擬似的な魔族化で魔力を武器とするお主の戦術の参考や鍛錬等に良いと思うぞい。
 ついでで言えば、お主の使う技を強化した様なモノも有る為調度良いじゃろう」

猿神は自信満々、喜色満載な笑顔でそう言う。
その笑顔に横島は何か嫌な予感がした。具体的には猿神が喜色満載でご機嫌な所に。

「ま、まさか・・・思いっきり趣味に走ったのか?」

「?何を言っているんだ横島。いくら斉天大聖老師がゲーム好きだといえそんな事はないだろう」

「そ、そうですよ。ワルキューレの言う通りそんな事は無いですよね?老師?」

横島は小さな望みを賭け、そう聞いた。ワルキューレは予想はついたが、否定する。
小竜姫も横島同様とてつもなく不安な為に横島同様問う。

「何を当たり前な事を言っておるのじゃ?」

(やっぱりかよ・・・・・・・・・)

(やっぱりですか・・・・・・・・・)

猿神の答えはある意味予測の範囲内の答えだった。最悪の。

「というワケじゃ。パピリオ」

(何のだよ!)

「・・・分かったでちゅ。ヨコチマ、頑張るでちゅよ」

(・・・ははは。もう駄目なんだな)

猿神は横島の胸で静かになっていたパピリオにそう告げる。
パピリオは猿神の声に残念と思いながらもそう言いながら降り、横島に少し心配そうな顔を見せた。
その表情に、横島は覚る・・・逃げられない。逝くしかないと・・・・・・横島は背に哀愁の色を背負う。

「って、老師!待って下さい!いきなりそんな事を・・・」

「何をグダグダと言っておるのじゃ小竜姫!因みに抗議の時間は無いわあ!」

ドゴッ
ピキ ピキガシャァァアアァアアアンッ!

小竜姫が意見を出そうとしたが、猿神は小竜姫の言葉に聞く耳を持たんと言わんばかりに、
そう大声で言いながら如意棒を出し、床に叩きつけた。
空間にヒビが入り、そして、ガラス同士をぶつけて割った様な音と共に世界は変わる。
最初の荒野の様な光景へと、その空間は姿を変えたのだった。

「これは・・・」

「ここは、ワシが用意したリングじゃ。主が存分に戦える・・・殺しあえる為ののう」

その余りにも寂しく、荒れた光景に横島は辺りを見渡した。そして、背後から猿神の声がする。
猿神はドーム状の結界を張り、皆そこにいた。
猿神は魔猿の名をほしいままにした頃の様な邪で獰猛な笑みを横島に見せながらそう言う。

「それじゃあ最低限のルールを説明するでちゅ」

「「「ルール?」」」

「そんなモノが有るのか?」

説明しようとするパピリオに、小竜姫、ワルキューレ、ヒャクメは不思議そうな顔と声音でパピリオを見る。
横島は不思議そうが半分、呆れが半分という顔をした。

「そうでちゅ」

「殺し合いにルールもへったくれも無いんじゃあないのか?」

「それは・・・」

横島の口にした事は、横島にとってごく当たり前な事だった。だが、その言い様はある意味危険な事だ。
ルールが無い。言い方を変えれば人質を取る。騙し討ち。そういった類の事を平然と行うという事。
その解釈した小竜姫は不安そうな顔をし、何をどう口にするか、迷うように言いかけて止める。

「確かに横島の言う通りだ。だが、戦争は指揮を執る人物や実際に戦う戦士達が、
 立派なモラルを持っていたら多少は違うだろう?少なくとも私はそう思う」

「ワルキューレ。それは、相手や自分の心構えによってその時のルールは構成されるという事ですか?」

「そうなるな」

ワルキューレはそう自らの答えを口にする。
横島の言分を肯定しようとも、魔族であろうともその様に言いきった。
元々は、神族の部類に数えられていたのが、今となってもその部分を変わってなかったのだ。
ワルキューレは小竜姫が確認に言った事を肯定する。

「ワルキューレの言う様に、誇りとモラルが有れば自然と戦場にルールは出来るじゃろう・・・
 じゃが・・・100人に100人がその様なモノでは無いという事も、残念じゃが知っておろう。
 人は完全なる善でもなく、悪でもない。
 そして、それは全ての種族に言える事じゃ。神族にも、魔族にものう・・・」


長き時を生き、三蔵法師達と共に人を見てきた猿神は静かにそう語る。
その顔は昔を懐かしんでいるかどうかは分からないが、何処か遠い所を見ている様な印象を見る者に感じさせた。

「あの頃はワシも若かったのう〜
 三蔵師匠や沙悟浄、猪八戒等と徹夜で麻雀をしたり酒を飲み、女を抱き・・・良かったのう〜」

「っておい!」

「「老師!?」」

(・・・天竺への旅は欲にまみれた旅だったのか?)

(?何でちょう?まあ良いでちゅ。パピには関係ないでちゅから)

猿神が言った一言は大暴露的な発言だった。
横島は思わず突っ込み、小竜姫とヒャクメは信じられないといった顔をし、
ワルキューレは冷静に考え、パピリオは意外と薄情にそう思っていた。

「三蔵法師って坊さんだろ!?それが女を抱いたり酒を飲んだりとかって・・・とにかく、いいのか!?」

「分からんわい。師匠は坊さんと言っても破戒僧じゃからの〜
 いや〜ワシも本当に若かった!女を抱くのは至福の時じゃ。酒を飲み、女を抱いて眠る。
 沙悟浄が処女を散らしおったのも、そういう感じの夜じゃったな〜」

横島の言い様に猿神は普通にそう答えた。爆弾発言を連発しながら。
この発言により、小竜姫とヒャクメの頭はフリーズ。ワルキューレはメモを取りながら聞き、
パピリオはワルキューレの使っているメモが何故うさぎの絵柄なのか聞くか聞くまいかで迷う。

「さらに待てや!沙悟浄って女だったのか!?」

「普段は男装しとったからのう。物語じゃあ男となっておるが、立派な女じゃったぞ♪」

横島の驚愕続く。猿神が実に楽しそうに言った時・・・まさか!とある光景が脳裏をよぎる。
大きく屈強な大猿が、美女に襲い掛かるシーンが・・・

「ま、まさか老師・・・無理矢理ヤッたのか?」

「泣き叫び、許しを請う姿は色っぽかったのう。
 かわようて、かわようて・・・ついつい自制が効かんで次の日の夜までイジメぬいてヤッたわ」

間違いであってくれ。その思いをたっぷりと込めた一言は無残にも散った。
今は懐かしむ老猿だが、言っている事は鬼畜そのもの。思い出したのか、ニヤリと口元を歪ませる。
その顔は正に魔猿そのものだ。

「・・・泣き叫んで許しを請う姿ってのはそんなに色っぽいのか?」

「気の強く、潔癖症気味なのは特にじゃ。胸の大きさなんぞ問題無いくらいに良いモノじゃった」

横島はそう猿神に聞いてしまった。黒い好奇心に負けたのだろうか。
そして、その答えに横島は小竜姫を見る。足下から角の先までじっくりと。舐めまわす様に、じっくりと。
猿神の言う条件はワルキューレも当てはまるかもしれないが、
猿神の『胸の大きさなんぞ問題無い』の言葉に反応したのかと思われる。

ゴクッ

ついつい生唾を飲み込んでしまう。

ゾクゾク

「ひゃぃいっ!?」

「!?俺は・・・(ヤバイ。マジでヤバイ。そんな鬼畜な発想を・・・・・・・・・)」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

その時、フリーズしていた小竜姫は背に奔った今までに感じた事の無い悪寒に身を震わせ、自分の肩を抱いた。
その悪寒はまるでうなじから尻にかけて氷柱をなぞった様なモノだ。
横島は小竜姫の怯えた表情に更に感じるモノが有ったのか、再び自己嫌悪におちいる。
まだ暴走していなかっただけマシだろう。
もし暴走していれば、小竜姫の純潔は・・・無残に散らされていただろう。無理矢理に。
そこで面白く無いのが、ワルキューレとパピリオだ。横島を静かにじ・・・っと見てやる。
ヒャクメは我知らずを通す気なのか、見ていない。

「・・・あ〜老師。その後はどうしたんだ?」

「聞きたいのかのう?」

「いや、別にいい・・・」

ふと自己嫌悪から立ち直りそう問う横島だったが、猿神のまがまがしい笑顔に聞くのを止めた。
答えを聞くのが怖くなった為だ。
もし、先と同じような鬼畜な内容ならば間違いなく自分は暴走すると感じ取った為だ。
この魔猿。なぜ神族に部類さるのだろうか?実に謎でしかない。

「なんじゃ。つまらん・・・まあ良い。
 ルールはいたって簡単じゃ。戦闘を5回連続にやる事。魔創の導きの使用してかまわん。
 因みに、一体倒す毎にヒーリングをかけ、肉体的ダメージは消してやるわい」

(使い所が難しいな・・・魔創の導きの使用を一歩間違えば終わる。危ない賭け・・・か・・・・・・)

猿神は横島が聞く事を拒否したのが微妙に気に入らなかったが、話を本題に戻す。
ルールの内容は何をやったら反則というモノではなく、忠告や説明の様なモノだった。
横島はその説明に、考える。危険だと。

「生か死か・・・この修行に生き抜き、生を勝ち獲れい!」

猿神の威圧感を持った激励の言葉が始まりの音だと、この時、その場にいる皆は思った。


―後書き―
パピ○ンを出してしまった・・・そして、猿神を鬼畜にし、三蔵法師を破戒僧にし、沙悟浄を女に!
俺は何を・・・疲れてんのかな?
とにかく、次回から戦闘です。
相手は・・・お楽しみに!

第一話改訂完了(既にコレを書く前に修正済み。知っている人はいるかな?)第二話も改訂する事にします。
適当に時間が空いたらします。どうせ、2時間以内に終わりますから。

時間が無く、忙しいと眠れなくなり、4時間睡眠でも頑張れるんですね・・・
出来れば知りたくなかった・・・・・・・・・・・・(泣)

〜レス返し〜
・ブラボ様
 こちらこそはじめまして。励ましの言葉、ありがとうございます。

・アミーゴ様
 励ましの言葉等、いつもありがとうございます。
 さて・・・
 スレンダーですか・・・良いですね(ニヤリ)私も好きです。
 挟めなくても(ナニはナニしかないでしょう)その貧ny・・・そのバランスのとれた肢体は最高です!

・February様
 性欲魔神?いえいえ・・・最終的には真・絶倫鬼畜魔神に・・・ってあまり変わってません・・・
 ・・・変わっているかな?

 何時も誤字の指摘、ありがとうございます。実に助かってます。
 因みに・・・私も年齢=彼女いない暦です。
 初恋はかなわないとは本当だった・・・振られたのに未だに好きだなんて・・・我ながら女々しい・・・

・狭間の王様
 確かにその言葉で全てが説明されます。

・木花之佐久夜毘売様
 こちらこそはじめまして。おもしろかったという感想は私のエネル源。頑張ろうと思う為の源です。
 あと、計算は合ってますよ。まさか、計算してくる人がいるとは思っていなかったので、
 正直、驚きました。
 ちなみに、91.214・・・となっていますが、面倒だったので91で計算しました。

・趙孤某様
 女ったらしは無自覚天然物と思われる厄介なものを適用、
 真の女ったらしにクラスチェンジする日は・・・何時になるやら・・・

 試験がなんだ!ゼミがなんだ!我々受験生の作者はそんなモノに負けるわけにはいかないんだ!
 と自分に言い聞かせながら、頑張っています。私からも言います。お互いに頑張りましょう!

・DOM様
 外道?パピリオに手を出すのは外道ですか?犯罪とは思いますが・・・当人が気にしなければ問題なし!
 と私は思います。
 真・絶倫鬼畜魔神。この名を得る日は来るのだろうか・・・

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