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「最強の二人・さらにもっと後(GS)」

ラッフィン (2007-06-04 01:16/2007-06-04 20:48)
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――冥子高校3年、忠夫中学3年――

ピンポンパンポ〜ン

『迷子のお知らせです・・・じゃなかった。3年C組の六道冥子さん、同じくC組の美神令子さん、至急理事長室まで来て下さい。繰り返します・・・』

昼休みになりいつも通り二人で友達を誘って昼食を食べようとしていたときである。放送で呼び出された冥子と令子。成績優秀者である二人は何か問題を起こした覚えもないので呼び出された理由に見当がつかない。お互いに見つめ首を捻るも呼び出されたからには行かねばなるまい。そこに行けば理由もわかることだし。

コンコン
「そうぞ〜」
「「失礼します(〜)」」

二人は理事長室へと入る。部屋の中には豪華なイスに座って微笑んでいる冥奈しかいない。二人が席を勧められ、腰かけると冥奈が話しを切り出した。

「あなた達を呼んだ理由だけど〜、わかるかしら〜?」
「全然わからないわ〜」
「私もです」

二人は本当に検討もつかなかい。成績は問題ない。生活態度だって問題はずだ。令子の場合は中学の最初の頃ならいざ知らず、今は友達も出来たしつっぱっているわけでもないため問題ないはずである。では、他に何があるんだろうか?と考えたが結局何もわからないまま答えは出ない。

「わからないわ〜」
「私もわかりません・・・」

素直に降参する二人。その二人に冥奈は表情を変えずに坦々と(本人はそのつもり、他人が聞くとのほほんと)話す。だが、内容はものすごいものであった。

「実はね〜、成績が特に優秀なあなた達二人に今年のGS試験を受ける許可を出そうと思ってるのよ〜」
「「ええ〜!!」」

冥奈の発言は二人が予想していないものであった。GS試験の受験、普通なら学院を卒業したら受けることにするようなものである。そのため二人は予想できなかったのだ。だが、この二人は成績が飛びぬけてよかったために(冥子の課題であった霊気を練ることもこの2年で大分改善されてきていた)教師達も満場一致で受験を許可してくれていた。それを伝えるために呼び出したのだ。

「日時とかは全部このプリントに書いてあるから読んでおいてね〜。今日からGS試験に向けての訓練を始めるからそのつもりでね〜。話はそれだけよ〜、二人とも頑張ってきなさいね〜」
「「はい!!」」

冥奈に二人は元気一杯に返事を返したのだった。
理事長室から出た二人は教室に戻る。その途中で令子はずっとニヤついていた。普段は嬉しくても決してそれを表に出すことをしない令子も今回ばかりは堪えることが出来ないようだ。それも当然だろう。自分の実力が高く評価されたのだから。

「うふふ・・・来るわよ!GS美神令子の時代が!!」

いつもでは考えられないほどはしゃいでいる令子。一方、冥子のほうはいつも通りぽややんとしている。GS試験の受験許可を貰ったことは確かに嬉しいのだが、令子のように堪えきれないほどではないからだ。
冥子にとって大切なのは友達と一緒にいられることなのだから。

「令子ちゃ〜ん、次は移動教室だから早く行きましょ〜」
「えへへ〜・・・って待ちなさい!冥子!!」

冥子の言葉に令子も正気に戻る。二人は急いで教室に戻るのだった。


――GS試験当日――

試験会場はGSになろうとする人で溢れかえっている。毎年1000人を越える人が受験するが、その中で資格が取れるのはほんの一握りの人間だけという狭き難関である。
GS試験が始まる前から戦いは始まっているといわんばかりに受験者はピリピリしていて、睨み合っていたり乱闘寸前までいったりとアドレナリンが全開であった。その中で異彩を放っている人物が3人ばかりいる。

「うわ〜、なんでこんなに人がいるんだよ」
「迷子になるから〜、手を離しちゃ駄目よ〜」
「とっとと手続き済ませて離れましょ。こんな暑苦しい空間にいるのは苦痛だわ」

人ごみに入る前に3人は離れ離れにならないように手を繋ぐ。忠夫が中心なのはデフォです。冥子は手を繋ぐどころか腕を組んでいるのだが。
令子は慣れてないので、手を繋いでいる間は終始顔が赤かった。手を繋ぐことに慣れてしまった(麻痺したともいう)忠夫が心配して声をかけるも大丈夫だと返す(というかそれしか返しようがない)。まさか、恥ずかしいのよ!とは間違っても言えないだろう。

「美神令子選手、六道冥子選手。でよろしいですね?」
「「はい」」
「では、こちらが受験番号とGS試験のプログラムになります。ご健闘をお祈りしています」

手続きを済ませると令子達は試合会場へと足を運んだ。ただし、観客席のほうではあるが。
2階席から試合会場を見下ろす。観客席は自分が闘うわけではないために受験者のようにピリピリとした緊張感はない。3人は自分の名前が呼ばれるまではここにいることにした。
どこか適当な席に座ろうと席を探しているときだ。敵意むき出しの声が背中からかけられる。

「ちょっと、オタクら!!オタクらよ!そこの3人で手を繋いでいるバカップルども!!」
「誰がバカップルですってぇ!」
「俺達は別付き合ってるわけじゃ・・・」
「カップルなんて〜///」

令子は反論し、忠夫は冷静につっこみ、冥子は照れてイヤンイヤンと三者三様の反応を返す。声のほうに振り返ってみれば、そこには褐色肌でスタイルバツグン、黒髪ロングヘアの美女がいた。美女といっても令子達と同年代に見えるも、彼女の発している雰囲気が大人びているために年上のように感じるだけである。
そんな彼女は今、怒りのオーラを発し冥子達を睨んでいる。

「はん!これから大事な試験だっていうのに男とお手々繋いでデート気分でいるアンタらをバカップルっていうのは当然でしょうが!!」
「!?」

その言葉に令子はずっと手を繋いでいたことを思い出し慌てて離す。顔は真っ赤だ。忠夫のほうも顔が若干赤くなっている。冥子は忠夫の顔を見てイヤンイヤンし、
またチラっとみてイヤンイヤンするというのを繰り返している。

「私はこれから大事な試験のために集中したいの!アンタらみたいな半端な気持ちできてる奴らがいると気が散るワケ。とっとと帰ってくれないかしら?」

反論許さぬ正論で言ってのけた褐色の女性。だが、言われるばかりで終らないのが美神という女だ。

「あら、それはごめんなさいね。私も少し緊張して周りが見えなくなってたみたいだわ。まさか他人が気になって集中できないような未熟者が受けにくるとは思っていませんでしたから。まぁ、そんな未熟者が合格できるとは思えないけど、頑張ってくださいね」
「なんですって!!」
「GSたるもの、どんな状況に陥るかわからないものですから、いつでもどんな状況でも集中できるようにするものですよね?それができないのは未熟という証拠でしょう?」

痛烈に皮肉を返す令子。褐色の女性は物凄い勢いで令子を睨みつける。その視線を不敵に笑って返す令子。そんな一触即発な空気だったが、次に入って来た第三者のおかげで霧散する。

「試験以外での決闘はご法度よ〜」
「冥奈さん」
「お母様〜」

冥子の母親、六道冥奈さんでした。彼女は六道家当主として、またGS協会の幹部であるために審査員としてGS試験に参加しているのだ。審査員席に向かおうとしていたところ、偶然通りかかっただけだったみたいである。そんな彼女の登場で冥子もこっちに戻って来たようだ。

「嫌ですわ。おば様。決闘なんて」
「そうですわ。おほほほほ」
「ならいいんだけど〜」

さすがにGS試験で問題を起こして資格を取得できなかったなんて真似はしたくはない。二人とも慌てて取り繕い苦笑い。
冥奈も深く追求するつもりはなかったので話を打ち切ると冥子、令子にエールを送る。

「試験が始まったら〜、私は試験官だからひいきはできないわ〜。だから今のうちに言っておくわね〜。頑張りなさい〜。あなた達なら合格できるわ〜」
「「ありがとうございます(〜)」」

「・・・・」

冥子達を激励すると審査員席へと向かう冥奈。冥奈の言葉にさらに気合が入った令子と冥子。そんな二人を褐色の女性が羨望の眼差しで見つめていたことに忠夫だけが気付いていた。

『200番から250番の選手、第一次試験を開始しますので集合してください』

「私達の番みたいね」
「じゃあ、いってくるわね〜」
「うん、頑張ってね」
「うん〜」
「ま、軽くやってくるわね」

試験に向かう二人を笑顔で送り出す忠夫。そんな忠夫に自信に満ちた表情で返す令子といつも通りのぽややんスマイルを返す冥子。そんな気負った様子もない二人に頼もしい印象を抱く忠夫であった。
とここで、令子と冥子が試験でいなくなってしまったので残っているのは褐色の女性と忠夫だけになる。女性は去っていった二人の方角を睨んでいて話かけられる雰囲気ではなかったが、忠夫は意を決して話かけてみた。

「あの、すいません。少しいいですか?」

褐色の女性は不機嫌な様子で忠夫を見るが、去ろうとしないので話は聞くようである。話しを聞いてくれる様子にホッする忠夫だが、何を話そうかでまた悩んでしまう。さきほどの悲しい目のことを聞きたいのだが、いきなりそんなことを言ってもおかしなことを言っているとしか思われないだろうということで却下。考え抜いてさきほどの会話のことを話すことに決めた。

「さっきはすいません、確かに無神経でした。姉さん達は普通とは少しズレているところがあるから」
「本当、いい迷惑なワケ」
「でも、姉さん達を舐めないほうがいいですよ。ああ見えても二人ともすごい修行して真剣にGSになろうとしてますから」
「ふん、どうだか」

暖簾に腕押し、馬耳東風。忠夫の言葉は全く信じてもらえず、右から左へと聞き流されてしまう。まぁ、初対面があれだったので仕方ないと言えば仕方ないのだが。ところが、次の忠夫の一言は聞き捨てならなかった。

「このまま姉さん達を舐めていると負けますよ」

この一言だけは無視できなかった。自分はこの日のために訓練に訓練を重ねて来たのだ。元々自分は対人戦闘では不利になってしまうから。それでも負けないように資格を取れるようにと訓練を重ねて来たのだ。その自分があんなチャランポランなやつに負けるなどありえない。
女性は今までの涼しい顔を一変させ忠夫につっかかる。

「あんたこそ私を舐めるんじゃないわよ!あんな奴らに私が負けるわけない!」
「確かにあなたからはすごい霊気を感じますけど、姉さん達も負けてない」
「霊気の量だけで勝敗が決まるワケじゃないわよ!」
「それはわかってますよ。でも、姉さん達はいつも通りリラックスしてますが油断はしてません。対してあなたは人を見下している節がある。そんな状態で冷静な判断が出来ますか?」
「ふん、速攻で片付けてやるワケ」

『250番から300番の選手は第一次試験を開始しますので会場へ集まってください』

「私の出番だわ」

口論が熱くなっていたところに連絡のアナウンスが入る。どうやら、その女性の番が来たらしい。興が削がれた女性は一度ため息を吐きクールダウンをすると会場に向かって歩き出す。一度だけ忠夫に振り返ると。

「見てなさい。私があんたの自慢の姉を叩き潰してあげるワケ」

と言い残し試験に向かっていった。ただ、その眼には寂しさが映っていてひどくそれが気になる忠夫であった。

「あ、忠夫様。ここにおられたのですね」
「フミさん」

その寂しい眼が気になっていた忠夫の元に褐色の女性と入れ違いの形で六道家でメイドをしているフミが現れる。
冥子と令子の第一次試験が終ったので昼食をとるために忠夫を探していたらしい。

「姉さん達はどうなったんです?」
「お二人とも無事合格されましたよ」
「そっか、よかった〜」

姉の合格を聞いてホッ安堵した忠夫。合格を信じていたが、実際に合格の報を聞くと嬉しいものである。そんな忠夫を見て微笑むフミ。二人は今、腕を組んだ状態で令子達と合流すべく待ち合わせ場所に向かっている。何故この状態でいるかというと。

「迷子になったら困ります!」

というフミの頑なな態度のためである。周りからの視線が痛いと感じる忠夫。
それもそのはず、フミは冥子より少し年上なだけの女性で美人であるから。そんな女性がまだガキである忠夫と幸せそうに腕を組んで歩いているのだ。殺意を覚えても仕方ないだろう。
そんな野郎どもの視線を全身に受けて耐え続け、ようやく令子達が見えたときである。

『300番から350番の選手。第一次試験を始めますので会場に集合してください』

「忠夫く〜ん!」
「あ、冥子姉さあああああああああああああああああ!!」

手を振って忠夫を呼ぶ冥子に、同じく手を振って返そうとした忠夫をアナウンスを聞いて会場に集合する受験者の群れが呑み込んだのだ。それも嫉妬を感じていた連中が忠夫とフミの間に強引に入ってきたせいもあり、二人は引き離されはぐれてしまう。
六道家のメイドとしてそれなりの訓練を受け、普通の人よりは力強いフミもGS試験を受けにきた受験者が数人もいれば敵わない。

「わあああああああああああああ」
「忠夫様〜〜〜!!!」

まるで家庭の事情で引き離されてしまう恋人達のようなシチュエーションのようにフミは叫ぶ。
やがて会場の扉が閉まってしまい忠夫を探しに行くことができなくなってしまった。
そこに令子と冥子がフミの元へとやってくる。

「大丈夫〜?フミさ〜ん」
「ええ、でも忠夫様が・・・」
「まぁ、あいつも男なんだし大丈夫よ。試験が終われば出てくるでしょうし、待ちましょう」
「「はい」」

令子の言葉に心配はしつつも頷き待つことにする二人。これもまるで戦場へ向かう男の無事を祈る女のようなシチュエーションみたいだから不思議である。


「なんでこうなるんだ?」
「君、ぶつぶつ言ってないで霊気を練りなさい」

忠夫の呟きに試験官の叱咤が飛んだ。ここは第一次試験の会場で、人ごみに巻き込まれて流れ着いた忠夫はわけもわからず試験官に促されるままに場所につき、第一次試験である霊力審査を受けるはめになっているのだ。
すでに試験は始まっていて皆思い思いに霊力を練っている。その中で忠夫は霊気を練る素振りすら見せてなかったために注意されてしまった。仕方ないので忠夫も霊気を練り始めるも、未だに一人では上手く霊気を練れない忠夫はなかなか霊気が上がらない。試験官は「不合格だな」と判断しようとした。
周りが余計なことを言わなければ。

「たいしたことねぇじゃねぇか」
「六道の一人娘と仲良く歩いてたとこを見たんだがな」
「そういや。六道の他にもう一人いい女もいたな」
「それとは違う美女とさっき歩いてたぞ」
「見る目がない女どもだ」
「案外、あいつらもたいしたことないんだろ」
「まぁ一人娘と家族同然の付き合いの娘だしな、コネがあるんだろうよ」

ブチッ・・・

元々GS試験を受ける気がなかった忠夫は不合格でも良かった。そのため躍起になって霊力を練ろうとはしなかったのだが、周りにいた受験者達の嫉妬からの悪口
(それも自分の家族に向けての)を聞き堪忍袋の尾が切れた。彼女達はちゃんと努力して合格した。それを何も知らない輩からコネとか言われては我慢できない。
その直後、忠夫から強大な霊力が噴出する。

「お前ら、さっきの台詞をもう一回言えるか?姉さん達がなんだって?」

ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

「「「「「「ひぃいい!!」」」」」」

そのあまりに大きな霊力に恐怖し情けない声をあげる受験者達、その剣呑な雰囲気に気付いた試験官が慌てて仲裁に入る。

「こら!君、落ち着きなさい!!」
「先に喧嘩を売って来たのはこいつらッスよ?」

怒気を孕んだ視線を試験官に向ける忠夫。一瞬、その強大な霊力が試験官にも向けられ、その試験官は恐怖を感じるも仲裁を続けた。それでも、忠夫の怒りが収まるはずが無い。

「忠夫く〜ん、落ち着いてくれるかしら〜?」
「冥奈さん!冥奈さんが言うなら仕方ないですね・・・」

試験官が止めにはいっても忠夫の怒りは収まらなかったが、後から冥奈が仲裁に入ってくると怒りを落ち着かせる。それによりこの場に平穏が戻って来た。
気を取り直して試験官は第一次試験の合格者を発表していくが、ここでまたも問題が発生してしまう。

「君は文句なく合格・・・って君は受験番号はどうしたんだい?」
「えっと、実は人に流されてきちゃっただけで手続きをしてないんですよ」
「そうなのか。じゃあ、残念だが合格はなしってことになってしまうんだが・・・」
「あ、別にいいで「それはないんじゃないかしら〜?」って冥奈さん!!」

忠夫は別にGS試験を受ける気はなかったのだから合格を取り消されてもよかったのだが、冥奈が忠夫の言葉を遮り抗議をし始める。

「あの霊力は今まででもトップクラスよ〜。そんな逸材を不合格にするのはどうかと思うのよ〜」
「し、しかしですね。手続きを行っていない以上、受験資格はないんですよ?」
「GSにとって霊力は才能でしかないのよ〜」
「それはそうですが、GSも客商売です。しっかりと規則を守れないようでは商売が成り立たないでしょう?GS全体のイメージダウンにもなりますから」

冥奈は才能あるものがGSになるのは当然と主張し、試験官は客商売であるGSなのだから、手続きしてないものに受験資格はないと主張する。どちらも一歩も引かない。
その口論に終焉をもたらしたのは当事者である忠夫であった。

「いいんですよ、冥奈さん。手続きをしてない俺が悪いんですから。それに今回は始めから受ける気はなかったですから不合格でも気にしないです」
「あら〜?そう〜?」
「はい、それより姉さん達が心配してると思いますんで失礼しますね」
「わかったわ〜」

そう言うと忠夫は会場を後にした。冥奈は試験官に謝り和解する。冥奈にしてはやけにあっさりとしていると思うのは気のせいだろうか?

「(うふふふふふ。さっきの忠夫君の霊力はすごかったわね〜。一瞬だけど令子ちゃんを大きく越えてたわ〜。それにあの謙虚な姿勢もいいわね〜。能力、性格とも合格よ〜。やっぱり彼は冥子の相手に申し分ないわね〜・・・グットよ〜、百合子ちゃ〜ん。ナイスだわ〜!!)」

どうやら、先ほどの試験官への反論も忠夫の性格を見るための計算された言動だったらしい。

「それはおいといて〜。あんた達〜」

「「「「「「ビクッ!」」」」」」

笑顔で、あくまでも笑顔で語りかける冥奈。その体からは黒い黒いオーラが湧き上がっているのを受験者達は感じ取る、というかはっきりと見えた。

「さっきふざけた言葉を言ってたわね〜。おばさん、詳しくじっくり聞きたいの〜。聞かせてもらえるかしら〜?」

パチン!

冥奈が指を鳴らすとどこからか黒服の男達が現れ、さきほど冥子達の悪口を言っていた奴らを引っ立てる。そして、そのままどこかに連れられて行った。
その後、彼らは汚い言葉を吐くことはなくなったらしい。いや、吐くことができなくなったのだ。汚い言葉を考えるだけで体がひきつけを起こしてしまうのだ。
一体、彼らの身に何が起こったのだろうか?それは当人達と黒服の男達と冥奈だけしか知らない機密事項である。


そのころ、会場の外にいる3人は。

「何?この霊気は!?」
「すごい大きいわね〜」
「これは・・・忠夫様!!」

忠夫が受験者にキレて霊気を噴出させたことを感知した令子達。フミさんは霊能力者ではないものの、その大きな怒気を感じ取る。さらにその気配から忠夫が出しているものであると看破までして見せた。

「ちょっとコレって忠夫が出してるの?」
「忠夫君ってこんな霊気強かったっけ〜?」
「私は霊気についてはわかりませんが、これは忠夫様だというのは間違いありません!私が忠夫様を間違うことはありませんから!!」

そのフミの言葉に中で何が起きているのかと心配になってしまう姉二人。だが、そんな二人よりも先にメイドの人が暴走を始めてしまった。

「ああ、忠夫様の身に何が起こったのですか?!今、あなたのフミが参ります〜!!!」
「ちょっと待ちなさい!!」

今にも扉の向こうに行きそうなフミを破戒締めで引き止める。片方が暴走してしまうともう片方は冷静になってしまうものだ。

「待ってフミさん、中には試験官や冥奈さんもいるから乱闘になっても大丈夫よ」
「そうよ〜、落ち着いて〜」
「忠夫様!忠夫様〜〜〜〜!!!!」

冥子までもがフミをとめる側に回ってしまうほど取り乱すフミ。周りには他の受験者や応援に来た人もいて、その騒いでいる3人に注目するも、当事者達は必死でそれに気付くことはなかった。
やがて、扉が開き忠夫が出てくると、やっと周りの視線に気がついて逃げるように去っていく。

「あいつら・・・舐めるんじゃないわよ」

先ほど会った褐色の女性が殺気を含んだ視線を送っていたのも気付かずに。


「あ〜、恥ずかしかったわよ」
「そう〜?私は楽しかったわ〜」
「申し訳ありません・・・」

先ほどの騒動のことを思い出し言葉をこぼした。フミは冷静に戻ったらしくひたすらに腰が低くなっている。唯一楽しそうなのは冥子だけである。
「俺が一番恥ずかしかったよ」と思いながらも黙っている忠夫。誰も好き好んで怪我はしたくない。
フミを含めて4人は会場近くの芝生の上にシートをひいてお弁当を広げた。このお弁当はフミの手作りでGS試験のことを計算されて作られている。
量は抑え目であり、食べた後の運動に支障が出ないように配慮され、栄養は満点。さらに味付けはそれぞれの好みに合わせてある。忠夫の弁当だけがやたらと豪華に見えるのは気のせいだと思いたい。一度そのことをつっこむと?

「あの〜、フミさん。俺のだけやたらと豪勢な感じを受けるんだけど・・・」
「そんなことありません!忠夫様は成長期なんですから、それがちょうどいいんです!」

と言い返されてしまう。事実、量に対してカロリーや栄養の一日に必要なエネルギー量は忠夫の年齢層の平均値より少し多いくらいに作られている。それは忠夫は普通の子供よりも多い運動量があるためにちょうどいいくらいであった。

「この後は、第二次試験だよね?どんな審査なの?」
「そうよ。第二次試験は霊能バトルで組合せはラプラス盤で決められるの。トーナメント方式で2回戦を勝てば晴れてGS資格を取得できるの」
「へぇ〜、頑張ってね。姉さん」
「もっちろんよ。首席合格してくるわ」
「頑張って〜資格を取得してくるわ〜」

とここまでは微笑ましい光景であった。
話が一段落したので喉を潤そうと飲み物に手を伸ばすと横からコップが差し出される。まさに絶妙のタイミングだ。

「どうぞ、忠夫様」
「ありがとう。フミさん」

フミからの差し入れに笑顔で感謝の言葉を紡ぎ、忠夫はそれを飲む。実はそのコップはフミが使ったコップであった。

「(やった♪間接キス♥)」

内心でガッツポーズをとるフミ。令子と冥子はすぐにその事情に気がついてフミにくってかかり、再び周りからの注目の的になってしまう。忠夫はため息をこぼさずにはいられなかった。
その騒動で試合に遅刻しそうになったのは秘密。令子達は危なげなく一回戦を突破したそうな。


あとがき

なんか中途半端だったような・・・。どうもラッフィンです。

フミさんを上手く動かすことができなくて悔しいな〜。
GS試験は詳しくはわからなかったので私の想像半分です。間違ってたらごめんなさい。

この話、内容が気に入らなくてというかぐだぐだになってわけがわからなくなったので書き直した経緯があります。唐巣を出したのですが、話がまとまらず。忠夫が「こいつ、どこのジェントルメンだよ!」ってなくらいに壊れまして・・・。なかなか時間がかかりましたが、ようやく書き上げました。

次回はGS試験の後半です!エミの出番もありあす!フミさんは無理やり出しましょう!では、次回にお会いしましょうw


レス返しです


アミーゴ様

>お前ら何ヤッテンダw
彼女らは自分達の娘、息子を増やそうと努力しているんですよw
彼女らの計画はまだ始まったばかりですけどw


内海一弘様

現場では無理ですね〜・・・女子高ですから!
今回は計画については全く関係ありません。ただ、これは大事なことだったんで書きました。


のび斗

何せ最強の二人ですからね。何をやっても不思議じゃないw


え〜に様

霊能力のほうは冥子は改善されてきてますが、忠夫は相変わらずですw

>馬鹿親二人には一度はぎゃふんといってもらいたいですね
私にその場面が想像できないのですが(汗)


単三様

褐色の肌の人は出しましたが、敵対しています!カミに見放されている神父は出そうとして失敗しましたw


PonPon様

>六女の制服(スカート)では無理ではないでしょうか?
確かにそうですね。ちょっと失敗した〜・・・


運命で正義の味方様

ふふふwでも、その計画が進むにはもうちょっと時間がかかるのですよ。まずはGS試験の話でお楽しみください。


鹿苑寺様

眼が虚ろだ・・・。これは危険な状態ですね。

輸血の準備、輸血の準備。


シシン様

彼女達は完璧主義者なのですw
何もしないでもくっつくとはわかっていても、せずにはいられないw


鳳仙花様

私には白い、冥奈さんと百合子さんが想像できません(マテ


趙孤某様

あらら。黒いイメージが強いのも考え物ですねw


HEY2様

内堀?埋めすぎて山になってますがw

違和感が感じられないのは「それはGMだから」という理由で納得できるはずですw


秋桜様

>一夫多妻の国に出奔すべきではないでしょうか・・・
それは百合子が許さないかとwこのSSではありませんが、原作では大樹の浮気に容赦がなかったですからね・・・


ZEROS様

旦那さんは加わってません。六道家の場合は仕事を冥奈の分までやらされてます。なので冥奈は好き勝手に動けるのです。大樹は百合子が全てやってしまうのでやることがないのです。
それに夫が反対しても意味はない・・・むしろ、無理やり手伝いをさせられるのがオチでしょう。


SS様

やばい!砂糖と血液パックもって来ましたから補給してください!!


DOM様

すでにGMに目をつけられた次点で未来はがんじがらめに決められています・・・


チョーやん様

萌えてもらえたようで何より!
しかし、彼女らの黒い印象が強かったみたいですね〜。私的には足りないような気がするのですが・・・


拓哉様

頭の中には忠夫と冥子の幸せな家庭を築いているところしかないはずですw

二人乗り・・・羨ましい!私とかわ(ry


カシス・ユウ・シンクレア様

次からは糖分を補給してからお読みすることをオススメします。

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