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「それ時、最初の歯車、今の縁、先の縁(GS)」

氷砂糖 (2007-05-24 17:36/2007-05-24 17:44)
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それ時、最初の歯車
―今の縁、先の縁―
提供 氷砂糖


 閉ざされた暗い一室の中、顔立ちの整った男が天地式盤を前に式占を行っている。

 カラカラカラカラカラカラカラ、

 天地式盤の中心部分にある円盤が乾いた音を立てて回り、男はその様子を真剣に見つめる。
 ……カラ、……コロ、………カラ、………コロ、……………キシ、

 やがて廻る円盤が速度を落とし、きしんだ音を立て止まる。

 その様子を見ていた男は顔をしかめ出てきた占いの結果に眉をひそめる。

「今日から数日は忌み日が続くのか、しばらくの間は外に出ないほうがいいな」

 男の名を西郷という。

「やれやれ陰陽寮にすら顔を出すのも控えておいたほうがいいな。
ふむそうすると千夜殿とあの馬鹿にもしばらくは会えないのか、そう考えると少し寂しいものがあるな」

 部屋の外に出ながら面白そうに考える。

 考えてみれば数奇なものだ、そもそも普通ならば顔を合わせることはあってもそれこそ今のように腐れ縁と呼べる関係になったりはしない、自分と奴では身分が違う、陰陽師にとって身分の差はそのまま力の差に繋がると言っていい、ゆえに身分が違えば対等な立場に立つどころか話すことすらしない。

 だいたい奴との出会いからして、……いや考えるのはよそう懐かしくはあるがあまり自分にとって愉快なことではない。

 いかんな、私にとって奴と千夜殿に会うことは存外悪く思ってないようだ、
千夜殿はともかく高島の阿呆もか、西郷家当主というものが情けない。

 自虐儀にな思考に入っているが西郷は笑み以外の表情を浮かべることは無かった。

「さて、いつまでもこうしている訳にはいかんな、陰陽寮に出向けない旨を伝えねばな」

 西郷は術者を呼ぶため声を張り上げようと息をすうと、

「西郷、陰陽頭じきじきの仕事だ!しかも式占によると出会いありだぞ、やったぜ!!待ってろよきれーなねーちゃーん!!!」

 ゴトン、

 のりのりな馬鹿と香炉で後ろから馬鹿をぶっ叩いた千夜があらわれた。


 西郷家の一室にて西郷、高島、千夜が向かい合って座り女中に運ばせたお茶を飲んでいた。

「で、どういうことだ?」

「どういうことも何も俺とお前を指名した陰陽頭からの依頼があったから受けただけだが」

 しれっとした顔で言ってのける高島に殺意を抱くが千夜の目の前でもあるので西郷は我慢をするほか無かった。

「私は式占によるとしばらく忌み日になるので外に出るのは控えようと思っているのだが?」

「安心しろ西郷、俺は逆に出かければ女子と縁があると出た」

「兄さんそろそろ真面目になってください、いいですね」

 西郷は思うわずか十四歳で線の細い娘でありながらどうしてこう陰陽師二人をあっとうできる気を出すことができるのだろうか?きっと高島の普段の行動が悪いのだろう、不憫な。

 そんなことを考える西郷であるが彼もたびたび千夜に叱られたりするのである、
おもに女関係の節操の無さとか。

「まあ、そろそろ真面目な話にするか千夜が怖いから」

「そうだな、千夜殿が怖いから真面目な話をしよう」

「もう、兄さんも西郷殿もからかわないでください!」

 一見楽しそうに千夜をからかっている二人だが、一切の混じりけ無く本気だったりする、
気付かないのはからかわれている本人ばかりか。

「依頼の内容だが」

 高島が依頼の話に入ると西郷は襟元をただし聞きの体制に入る、千夜も姿勢をただし高島に視線を注ぐ。

「五日程前のことだ京から南に徒歩で二日かかるところにある農村から助けを求めるものが陰陽寮に来た、何でも妖怪を操るものが現れたらしい」

「今の世珍しいことではないだろう、よくそんな依頼を陰陽寮が受けたものだな、こう言っては何だが京の外のことは大貴族からの依頼以外受けたりはしないじゃないか」

「そこらへんは運だな、依頼に来た農民はたまたまか陰陽頭の屋敷の前で倒れれいたらしい」

「陰陽頭の、つい先日陰陽頭を襲名した今代はできた人との噂だがその様子だと本当のようだな」

 今の時代悪霊や妖怪、呪いといったものを払う陰陽師は用意に権力と結びやすくなってしまっており、義よりも利を優先する陰陽師が数多くおり、陰陽師本来の責を果たすものは数少なくなってしまっていた。

「ああ、それですぐに陰陽頭はその農村に陰陽師を派遣したんだが」

 高島はそこで話をいったん切ると温くなった茶で唇を湿らせると重々しく口を開いた。

「陰陽頭直属が返り討ちにあったそうだ」

「本当か高島!?」

 西郷が高島につかみかかる勢いで立ち上がり、西郷の茶碗転がり中身をこぼす。

「直属といえばそれなりの者が着く筈だ、少なくとも私かお前並みの実力が無ければ勤まらん、それが返り討ちだと!!」

「ああ、そこで陰陽頭は俺たちを派遣することに決めたらしい、他の直属を動かそうにも今は菅原道真候の怨霊のため要所に配置中、まあ所詮要所といっても自業自得どもの屋敷なんだがな。
 いくら陰陽頭といえど農民のために貴族の警護の任を解くことはできんらしい」

「そこで私たちにお鉢が回ってきたと?」

「そのとおりだ」

 めんどくさげに高島は返事をするが西郷は考えをめぐらせる、果たして直属でも手に負えないような相手にたった二人で勝算はあるのだろうか?

 確かに西郷と高島の二人ならたとえ直属が五人相手でも勝てはせずとも負けることは無いだろう、だがもし相手が五人分以上の力を有していたらどうだろう、その場合は決まっている、先の直属と同じ目にあうっだけだ。

「ところで何故千夜殿も連れてきたのだ?このような話なのだ、我らのみで話すのが普通だろうに?」

 あまり救いのなくなってきた思考の渦をとめるため西郷はふとした疑問を高島にぶつけるが、帰ってきた答えは少々どころか想像の外の裏を通り越していた。

「ああ、何故か今回の件を占うとな千夜を連れて行ったほうがうまくいくとしか出んのだ」

 高島は不機嫌を体全体で表すかのようにだらけるが反対に千夜のほおうはどこかうれしそうにしている。

「本当か?」

「ああ、しかも俺はそんなこと占ってない」

 高島の不機嫌具合が増したようだ、もう完全にだらけきっている。

「では誰が式占を?」

 西郷の最もな疑問に高島は喋るのも嫌とけだるげに手を上げて指差す、千夜を、

「は?」

「門前の小僧習わぬ経を読むです」

 西郷のあっけに彩られた視線の先には誇らしげな表情をした千夜がいた。

「しかも後で俺が占っても同じ結果しか出ない、もうやんなる」

 もう床に寝そべるまでに不貞腐れた高島の声は西郷には届いていないようだった。

 西郷はあっけに採られたまま固まり、高島は不貞腐れて寝そべり、千夜は誇らしげにしたまま時は無常に、優しく、平等に三人の間を過ぎていった。


 牛車に乗ること二日、高島たちはくだんの農村を訪れていた。

「どうやら着いたようだな、高島起きろ」

 牛車の簾を少しあけ外の様子を見ていた西郷は着いたことを確認すると寝ていた高島を起こすため声をかけた。

「もう後半刻寝かしてくれ〜」

 なんとも情けない返事が返ってくるが、今度は千夜が声をかける。

「兄さま目を覚ましてください、兄さま」

 千夜は己の膝に頭を置き眠っている高島の肩を揺らす。

 西郷は時々この兄弟がそれこそ恋人のように見えることがある、一度高島にそのことを言ったとき高島はかなり複雑な顔をしていた、その理由は後に高島より語られたため理解しているが、納得はしていない。

「いい加減におきろ、これからこの村の年寄り役の所に顔を出さねばならぬのだ、その折に今回の一件についてお前も聞いておきたいことはあるだろう?」

「仕方ない、起きるか」

 高島はまるで最初から起きていたかの様にすばやく体を起こすと、懐に入れていた呪符の確認を始めた。

「村人の所に顔を出すだけだぞ、確認は一息入れてからでいいのではないか?」

「臆病な性分でね、一応何があってもいいよう準備だけはしておきたいんだよ」

 高島はそういうと確認の終わった呪符を懐に再びしまった。

「そう思うなら牛車での移動中に寝ないでくれ」

「ほれ、それはそれ、これはこれだ」

 西郷はため息をつくがその会話を横で聞いた千夜は可笑しそうに笑う、彼女から見れば兄は西郷に移動中は任せても大丈夫と思い寝ていたのは明らかである、

高島の他人に向ける感情は周りからは丸分かりでも、本人対してのみ分かりづらいのである。

 外は荒れた田畑、この時代にはさして珍しいことではないが見ていて楽しいものではない。

「もし、わしはこの村の年寄り役のものですが、陰陽師の方でしょうか?」

 年老いてはいるが反れ以上に苦労を積んできたことを感じさせる声が背後から聞こえた。

「そのとおりだ、先の陰陽師の代わり我らが陰陽寮より使わされた、此度の件我らが着たからには安心されるがよかろう」


 高島が普段のふざけた様子ではなく、もったいぶった口調を使う。

 高島とて自らが上であると押し付けるような言い方はしたくないのだが、相手になめられてしまうと情報を聞くどころか嘘を流されてしまうこともあるので仕方なくやっている。

「ああ、ありがたやこれでわしらも妖怪どもの恐怖から解放されます、ところでそちらの女人のかたは?」

「今回の一件において特殊な事情であると判断したため特別につれてきたものだ、此度の件に対し役にたつだろう」

 しれっと高島が嘘を吐くが、年寄り役は手を合わせると高島たちを拝む、嘘をついているため高島以外の二人は多少居心地悪げだ。

「それでは此度の一件どういういきさつか詳しく話してもらいましょう」

 西郷が話を進めるため下手をするといつも拝んだままの年寄り役を促す。

「おおそうでした、長い話になりますのでどうぞわしの家にお入りください、何もございませんが薬茶位なら有りますゆえ」

「それはありがたい、われらも着いたばかりゆえついでに一息入れさせてもらおう」

「それではこちらです、どうぞ」

 三人は年寄り役の後についていった。

「始まりはこの村の男が森の奥に踏み入れたことがきっかけでした」

 高島は思う西郷に任せて寝てしまおうか、年寄りの話は長い途中で寝てしまうぐらいなら最初から寝ていたほうが………グウ、

ズン、

「うご」

 年寄り役にばれない角度で千夜の肘が高島のわき腹に食い込む。

「どうかなさいましたか?」

「いえ何でもありません」

 千夜がとても可愛らしい、それはもうカワイラシイ笑顔を浮かべた。

「そ、そうですか」

 年寄り役はふあんげな表情を浮かべるが触れることはしないようだ。

「普段は近づくことすら禁じていますがそのときは特別にわしが命じて生かせたのですじゃ、そして男が二日立とうと戻ってこぬので男衆総出で探しにいったところ見つけたのですじゃ」

「何をでしょう?」

「重症の男とそれに群がる数々の化け物どもをじゃ」

 おどろおどろしく言う年寄り役の表情は怖い、泣く子が黙るどころか恐怖を抑えきれず殴りかかるくらいに。

「で、その男には今合えますか?」

 西郷は無視する、大体こんな顔の魑魅魍魎を普段から相手にしているのだから驚いたりはしない。

「いいえ、男は昨日の夜息を引き取りました」

 年寄り役は首を横に振るが高島はそれをさえぎるように口を開く。

「遺体がまだあるなら見せてもらえるか」

「は、はあ分かりました若い者に案内をさせよう」

 年寄り役との会話はそこで終わった。


 古びた、いや最初からボロボロの家の中に男が寝ている、不衛生な部屋は怪我人を置いておくにはふさわしいとは思えるような場所ではない。

「きったねえな、千夜外で待ってろ」

「はい」

「高島言葉に気をつけろ仏の前だぞ」

 高島は気にせずに男の傷跡の様子を見てから部屋を見回す、汚れた服、大小の食器、その他雑多な物が置いてある。

「この男は一人暮らしか?」

「は、はあそうですが」

 案内してきた男は答えるがどこか不自然だ。

「そうか」

「高島外に出よう、もういいだろ」

「ああ、そうだな」

 二人はそとにでた。

「どうでした?」

「ああ、まあ後で話す」

「分かりました」

 千夜は二人の様子に何か思うところがあるのか深く聞こうとしなかった。

「まあなんだ、めんどくさい事になりそうだ、な」

「ああ、かなり憂鬱になりそうだ」

「そうですか」

 三人は空を見た、そこには嫌になるくらい青い空が広がっていた。


「わし等が見つけたのはこの奥です、そ、それじゃああっしはこれで」

「ああわかった」

 男は怯え逃げるように村のほうに帰っていった。

「何が分かったのです?」

 男の姿が見えなくなると千夜はやる気の無くした高島と渋い顔をした西郷に質問をする。

「年寄り役は嘘を言っている」

「死んだ男の怪我は霊的に直した後があった」

「同じく死んだ男は誰か、おそらく子供と暮らしていたが村ぐるみでそのことを隠している、今はそんな所か」

 高嶋と西郷はお互いがどれだけ状況をつかんでいるか確認していく。

「なぜ子供だと分かるのです?」

 高島は死んだ男は一人暮らしでないと言い切った。ならその根拠はと言うと、

「一まとめにしてあった服の中に小さくて汚れた服が置いてあった、それに食器の中に箸が二組ち小さなさじが一つ、つまりあの男は子供と二人暮らしだったんだろう」

 高嶋の推理に西郷は同意を示す。

「そうだな、問題は何故嘘をつく必要があったかだな」

「男の子供が鍵だろが、その子供がどこに居るのかが問題だな」

 千夜はこれまでの話と村の様子を重ね合わせる、荒れた田畑、近づくことを禁止された森に行った男、そして居る筈の子供。

「まさか子引き」

 高嶋と西郷の顔が驚きに染められすぐさま考え結論に至る。

「それしかないか」

「なら男は森の奥に捨てた子供を迎えに行ったのか」

「今度の件子供の悪霊の仕業によるもの……いや傷が癒されていたことが矛盾するな。いったいどうなってんだ、西郷!」

「囲まれた!」

 高嶋は懐からすばやく呪符を取り出す、西郷も呪符を取り出し千夜をかばうように高嶋と背中をむき合わせる。

 背中をつめたい汗が流れる、十、いや十三、うっそうと茂り光を通さない森の底に何か、何かが居る。

 西郷の頭に警報が鳴り響く、森の中からおぞましいモノが這い寄るようなそんな感覚に声を上げて今にも呪符を投げてしまいたい。

 千夜はそんな二人の様子を見なが、高嶋に渡されたお守りを握り締める。

冷たい沈黙のが降り高嶋も西郷も千夜も身じろぎひとつ出来ない、そんな木々が揺れソレが姿を現した。



     鼠の様な化け物がいる、
                       牛の様な化け物がいる、
     虎の様な化け物がいる、
                       兎の様な化け物がいる、
     龍の様な化け物がいる、
                       蛇の様な化け物がいる、
     馬の様な化け物がいる、
                       羊の様な化け物がいる、
     猿の様な化け物がいる、
                       鳥の様な化け物がいる、
     犬の様な化け物がいる、
                    猪の様な化け物がいる、
     鴉の様な化け物がいる、


「な、……」

「う、あ」

 あまりの異質、あまりの非現実、それらの姿は元の姿を見せるものに理解させながら元の姿から隔絶した異様を見せていた。

 どれほどのにらみ合い、いや一方的な観察が続いたであろう十三の化け物たちは唐突に姿を消していった。

「……いったい、アレは?」

「分からん、分からんがアレが今回の依頼の物件だろ」

 もしアレが今回の物件だとしたなら厄介どころの話ではない、高島と西郷の二人ではあるが戦力の上の相手に勝てる要素があるとすれば気転とコンビネーションしかない。

 だが相手の数は十三、気転はともかくコンビネーションで少しでも下なら果たして勝ち目はあるのだろうか、西郷は思考の渦に入りこみそうになったとき、

スパン

 高島に頭の後ろを張られた。

「高島?」

「西郷悪い癖だぞ、こういう時に難しく考えこむのは」

 高島は先のものなど関係ないことのように不適に笑い飛ばす、千夜はその様子を見て思う、兄は恐れを知らないわけではない、どれだけ悲惨でもそれを笑い飛ばそうとしているだけだ。昔からそうだった。

 千夜がのんきに物思いに浸ってる間に二人は先のことを関して考え込んでいる。

「まず年寄り役のところにいくか?」

「ああ、事の次第をすべて洗いざらい吐かせんとな」

 高島は不適ニヤリと笑った。


「どういうことだ?」

 高島は五行符の火符を年寄り役に突きつける、燃えている符の先が年寄り役の頬をわずかに焦がす、

「ひ、ひい!な、何をなさるのです!?」

 高島の表情が加虐的に歪む、

「ほれほれどうした、隠していることをすべてはかないと、ゴハ!」

 千夜の拳が高島の後頭部に突き刺さった。

「年寄り役、何か隠していることは無いか?その場合我らは陰陽寮に今回の一件報告させてもらう、最悪の場合未来永劫にわたりこの村に何が起ころうと陰陽寮は感知しない、
それでもよろしいか?」

 西郷の低く押す声に年寄り役は慌てる、当たり前だ陰陽寮に見捨てられることは死を意味する。

 ついでに高島は無視する、いつものことだ。

「そ、それはお許しください!それだけはご勘弁を!!」

 年寄り役は西郷にすがりつく、崖ぎわに立たされたように、溺れる者が藁を掴むように、
離してしまえば直にでも死んでしまうかのように。

「では、離してもらえますね」

 年寄り役は体中から力が抜けたように座り込んだ。

「わ、…分かりました」

 年寄り役の話はまとめるとこんなところだった。

 田畑が荒れ村で取れたものは税に差出し残ったものは村の中で公平に分けていた、
だがそれにも限界が来たとき村人の長老会議で子減らしを行うことになった。
 そして選ばれた子供を禁忌とされる森の奥に捨てた、そして捨てた、その後捨てた子の父親が捨てた子をもう一度拾いに行き、夜が明けたときそのことがわかり村人総出で探しにいき数々の獣に囲まれた男を見つけたこと。

「これですべてです」

「そんなことが、では今回の一件捨てられた子が霊となりあの化け物を操っていると」

「……仕方ないとはいえそんな救いの無い」

「違う」

 高島が低く、静かに、呟いた。

「な、何がですじゃ!?」

「まだ話してないことがあるだろ?」

「そ、そんな事はありませんじゃ」

「嘘を付くな、まだ話してないことが」

 先ほどまでのふざけていた態度は一変し、高島が怒りをあらわに年寄り役の襟を掴み無理やり立たせる。

 高島の普段見せない剣幕に西郷と千夜は高島を止めるどころか声すら出せないでいた。

「捨てられた子供が何故選ばれたか、それに子供の父親ほうっておかず傷の手当をしていれば助けれていたろ?」

「あ、ああ」

 高島の剣幕に年寄り役は呻く事しかできない。

「捨てられた子供、鬼子だな?」

 能力者の家系以外に異能を持つことがたまにある、そしてそのような子供を嫌悪と忌避を込めて鬼子と呼ぶ。

「う、ああ」

 もはや呻く事しかできない年寄り役の襟を高島は離した。

「行くぞ」

 高島は西郷と千夜を促す。

「ああ」

「はい」

 二人はそれにおとなしく従った。

「どういうことだ高島?」

「兄さん」

 西郷は複雑そうに、千夜は悲しそうに。

「簡単な話だ、捨てられた子は鬼子でその父親は口減らしのため見捨てられた良くあることだ」

「高島どこに行く?」

「決まってるだろ、子供が霊になってるなら祓うだけだ」

「兄さま………」

 重ねているのだろうか、過去の自分と。

 救われた者と救われなかった者、その境界はひどく曖昧で明確で近くて遠い。

 ならば救われたものはどうするべきか?

 答えは決まっている、少しでもましな結果にするだけだ。

「森を抜ける西郷覚悟を決めろ、千夜はどうする?来るか、留まるかだ、俺としては留まっていてほしいんだが」

「行きます、いまさら置いてきぼりはなしです」

 高島は苦笑いを浮かべた。

「だと思ったよ」

「とる手段は奇襲か囮か、この場合如何する?」

 奇襲ならあの化け物をまともに相手にすることになる、囮なら囮に負担がかかる、
どちらをとってもリスクは同じだが、

「囮だな、期待してるぞ西郷」

「まて高嶋、私がやるのか?」

「ああ、お前にしか任せれん千夜にやらせるわけにはいかんしな」

 まじめに聞こえるが一つ重大なことが抜けている、それは。

「お前がやるという気は無いのか?」

「死にたくないからやだ」

 どんなにかっこよく見える時があったとしても、基本はこんなやつなのである。


 うっそうとした暗い夜の森の中を駆け抜ける、背後から鳥の様な、猪の様な、兎の様な、馬の様な、鼠の様な化け物、虎の様な化け物がせまる。

「だー、はえー!」

高島は背後に向けて何枚かの呪符を投げかける、すぐ背後まで迫りかけていたその内足の速い三匹が呪符を避けたため迫る差が少し開く。

「高島、目的地はこっちでいいのか!?」

「ああ、向かっていた方向から遠ざけようとしてるだろ!」

 走る最中であるため大声で喚く様に会話をする。

「では囮は成功か!?」

「いや、十三匹いたのについてきてるのは六匹だけだ!七匹足りん!!」

「ではどうするんだ!?」

「こうする」

「は?」

 高島が西郷の足をかった。前のめりに成りその後宙に浮く、そして地面と熱烈なランデブー、西郷は字地面に倒れ付した。

「俺は先に行って他のを探してくるから後はよろしくなああああああああああああああ

 高島の姿がこかされた西郷からものすごい勢いで遠ざかっていく。

「たかしまあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 西郷の怒声はむなしく迫り来る化け物の足音に飲み込まれていった。

 話は森に入る前に戻る。

「まあ実際西郷のへたれだけで十三匹相手にできるとは思えん、だから俺と西郷で森の中で暴れるから千夜お前は子供の霊を何とかしてくれ」

「いいのですか?」

「ついてくると自分で決めたんだろ、それに背に腹は変えられん、ほら」

 そう言うと高島は千夜に手持ちの中で最も強力な破魔札と守護符を何枚か手渡した。

「私たちができるだけ派手にやりましょう、千夜殿はその間に頼みます正直長くは持たない」

「分かりました」

 千夜の手が震え呪符を握り締める。

「千夜落ち着け、呪符が折れる」

「あ、す、すみません!!」

 千夜は慌て呪符のしわを伸ばし始めた。

「大丈夫なのか?」

「たぶん何とかんなるだろ」

「しわが、しわが〜〜〜〜」

 これから命がけの事態になるのになんともしまらないことこの上なかった。

 話を元に戻そう。

 千夜は走っていた、背後には羊の様な化け物、蛇の様な化け物、犬の様な化け物、猿の様な化け物、鼠の様な化け物、竜の様な化け物、そして鴉の様な化け物が迫ってきている。

「はあ!はあ!はあ!はあ!」

 息が荒くなる、背後から電撃や火炎が迫るが高島から譲り受けた守護符が退ける。

 だが背後から迫る化け物たちは容赦なく千夜に迫る、一枚、二枚、守護符が削られていく。

 三枚、四枚、そして最後の五枚目が完全に燃え尽きる、

「あ」

「ケェェェェェェェェ!!」

 目の前に白い大きな鴉が迫り爪がせまる、

「伏せろ千夜!」

 反射的にしゃがんだ千夜の頭の上を高島の投じた破魔札が通り過ぎる、

「クワァ!」

鴉は体を捻るように破魔札をかわすと羽ばたき上へ逃れていく、

「千夜今のうちに行け!」

「はい!」

 千夜は起き上がると化け物たちとは違う方向に駆け出す、だがそれを逃すまいと追いかけようと、

「五行相克、火克水!」

 水が化け物の行く手をさえぎった。

 そして千夜は振り返ることなく走り去る。


 千夜は洞窟の中にいた、化け物達の妨害からここに近づけないようにしているように思ったからだ。

「ここにいるのは間違いないはず」

 洞窟のあちこちに化け物がいた後が見え隠れしている。

「いったいどこに?」

 千夜は警戒を緩めずにあたりを見渡すが、霊のかけらも見当たらない。

 そして緊張を強いられている千夜の耳に小さな呻き声が聞こえた。

「み……ん………な…だ………め、お……ね………がい、わた……し……は、だ…い……じょ…うぶ………だ…か…ら、お………ねが…い……」

「まさか」

 千夜の表情が驚きにそまった。


 西郷は走る!走る!!走る!!!

 背後には六匹の化け物、しばらくの間は持ちこたえることができたが今はもう無理だ、ゆえに西郷は走る。後ろから迫る木々を切り倒しながら迫る兎やら、岩を砕きながら迫る猪のような化け物やらから。

「ええい高島め!まだ終わらんのか鈍間な!!」

「誰が鈍間か!!」

 走る西郷に追走する形で高島が横の茂みから突然現れた。

「高島か!?お前がここにいるってことはまさか!!」

「そのまさかだ!!」

 高島が叫んだと瞬間、

ガサァ!!

 残りの七匹が加わった。

「とりあえずこの先で結界を張って足止めだ!」

「分かった!」

 二人は陰陽最速を誇る足で逃げ出した。


 千夜が入っていった洞窟の前に高島と西郷が着いた瞬間振り向き手持ちのほとんどの呪符を放った。

「臨!兵!闘!者!皆!陣!列!在!前」
「五行相克において命ず!相克において界をなせ!」

 二人の結界が二重に張られ十三匹の化け物を封じた。

「高島!今状況はどうなっている!?」

「千夜が中に!それ待ちだ!!」

 二人が怒鳴りあっていたそのとき洞窟の中から千夜が出てきた、少女をかかえ。

「兄さん!西郷さん!この子まだ生きてる!!」


 閑話

 ある少女の話をしよう。

 少女の母親は少女を産んだときに死んでしまった、産後の肥立ちが悪かったのと栄養不足が原因だったのだろう。

だが少女は寂しくは無かった、父親は娘と食べていくために働きずめであったがそれでも少女は寂しくは無かった。

 少女にはヒト以外の仲のいい友達がいたからだ、鳥の様な、蛇の様な、虎の様な、牛の様な、羊の様な、猪の様な、鼠の様な、兎の様な、竜の様な、馬の様な、猿の様な、犬の様な、鴉の様な、いや鴉だけは少し別かもしれない彼だけはいつも遠巻きにしているだけだったから。

 だが少女の友達が災いしたのだろうか、村の者達からは気味悪がられ少女に近づこうとするものはいなかった。

そして村の食料が乏しくなったときが彼女に不幸が訪れる。

村の誰もが最初に口減らしの為に自分の子を差し出すのを嫌がり、そして彼女を生贄に奉げる事に決めた。

少女の父親は最後まで反対したが村の為と言われ泣く泣く少女を森の禁忌とされる場所のそばに捨てに行くことにした。

少女はそのことを聞くと微笑んだという、みんなのためになるならと。

父親はその少女の笑顔が忘れれず何日かして彼女をむかえにいった、だが何が悪かったのだろう禁忌の森は禁忌とされるには理由がある、地脈の関係により雑霊が集まりやすくなっていたからだ。

そして父親は焦っていたのだろう、なかなか見つからない事に不安を覚えあろう事か禁忌とされる場所にまで入り込んでしまった。

この先を語ることはしたくない、最低限のことだけ簡潔に話させてもらう。

少女の父親は雑霊に襲われ怪我を負った、幸い、いや皮肉なことに少女は友達に助けられ何とか生き延びていた、普段とは違う森の様子に少女は森を見回っていた。

そして少女は見つけてしまう雑霊に襲われている父親を、少女は父親を助けるため友達の力を借り父親は死ぬ一歩手前の大怪我をおっていた。

友達の仲には怪我を癒す力を持った者もいたため父親を最低限癒すことができた。

父親を探してか村の者達が来たので少女はその場を去っていった。

後の結果は知るとおりである、いや一つだけ付けたしがある、それは友達の力を借りたことで今度は少女の体に負担がかかったことだ。

そんなどうしようも無いお話。

閑話終わり


「千夜!これを使え」

 高島は結界を維持しながら懐から一枚の符を取り出すと千夜にほうった、符は治療符だった。

 治療符はすぐに効果を表し少女を喋れる程度までに回復させる。

「大丈夫?」

「こ、ここは?」

 目を覚ました少女は千夜に答えずあたりを見回し結界に閉じ込められた化け物たちを見ると、目を見開いた。

「お願いします皆を助けてください!」

 少女は開口一番にそういった。

「どういうことだ、説明をしてくれ」

 西郷が少女に説明を要求する。

「皆に助けてもらったんです!でもそうしたら私の体がおかしくなって、それでそれで皆も一緒におかしく!!」

 支離滅裂な言葉から少女の必死な、一途な気持ちが痛いほど伝わって来る。

「友達なんです!寂しいときも、嬉しいときも、いつも一緒にいてくれたんです!!だから、だから!!!」

 少女の悲痛な叫びが木霊する、木々に、空気に、そして心に、どれだけこの化け物たち、否、彼女の友達が彼女にとってどれほど大切なのだろうか。

 少女は命を懸けるかのように叫ぶ、ああ、治療符である程度は回復したとはいえどこにこれ程の力が少女の中にあるのだろう。

高島は唇をかみ締める、西郷は必死に頭をめぐらせる、

幼い彼女の思いを受け取り自分に何が出来るかを考える、知識を総動員しろ、過去の経験を生かせ、理解しろ今何がどうなっているのかを、決定しろ何をすべきなのかを。

「西郷!どうなっている?」

「おそらくあの化け物たちの式神化だ!力を借りた際不完全な契約がなされ影に入れず娘の霊力を枯渇寸前まで吸い上げていたのだろう、そのせいであのモノたちが足りぬ霊力に狂い霊力の豊富なものを求めて森をうろついていたのだ!!」

 二人が叫ぶように会話をする間にも結界がギシギシと悲鳴を上げる、いかに二重の結界とはいえ十三匹もの力をそう長く受け止めることは出来ない。

「ならこの場合することは」

「式神として完全な契約を結ぶことだ!!」

 結論は出た、ならば後は成すべき事をなすだけだ。

「娘!名前をなんと言う!?」

「メイです!」

「ならばメイ、お前はこれからお前の言う友達を式神にするんだ!!」

「そうすれば助けれるんですか!?」

「そうだ!」

 土気色をしたメイの表情にわずかに赤みが戻る、辛いのだろう顔が時折ゆがむ、苦しいのだろう小さな手が胸を押さえている、だがメイはそれでも抑えきれない歓喜に震える。

 なぜなら友達を助けることが出来るのだから。

「あいつらに名前を着けてやれ、そして宣言してやれどういう存在であるかを」

 高嶋の声はなぜかやさしく聞こえた。

「はい!」

 メイは前を見据える、小さな背中を千夜に支えられ痛みをこらえ、今にも崩れそうな結界の中の友達を凝視し契約を、始めた。

「空を飛ぶもの、名はシンダラ!」              

シンダラがメイの影に入る。

「雷をつかうもの、名はサンチラ!」

 サンチラがメイの影に入る。

「虚空を飛ぶもの、名はメキラ!」

 メキラが影に入る。

「飲み込みしもの、名はバサラ!」

 バサラがメイの影に入る。

「夢に入りしもの、名はハイラ!」

 ハイラがメイの影に入る。

「力を振るうもの、名はピカラ!」

 ピカラがメイの影に入る。

 契約の半分は完了、結界にはひびが入りあと持つのはいく時か、
そんなことは関係ないとメイ持てる力の振り絞るように叫ぶ。

「見通すもの、名はクビラ!」

 クビラがメイの影に入る。

「切り裂くもの、名はアンチラ!」

 アンチラが影に入る。

「石にせしもの、名はアジラ!」

 アジラがメイの影に入る。

 結界のひびがさらに広がりメイの顔色もどんどん悪くなる。

「かける…もの、名…はインダ…ラ」

 インダラがメイの影に入る。

「模す……る…もの、名は……マ…コラ」

マコラがメイの影に入る。

メイの声が弱くなる、それでも叫ぶのを止めようとしない。

倒れこみそうになるメイを千夜が支える、全身で支える、全霊で支える、まるで尊いものを支えるように。

「いや………す………も…の、名……は…シュ……ウ…ト…………ラ」

シュウトラがメイの影に入る。

もともとメイは限界だったのだ、治療符で癒したとはいえ応急処置でしかない、そんな状態で式神との契約無茶以外の何物でもない、それでもメイは友達を助けたかったのだ、大切なものだから、大好きなものだから。

だが幼いメイの体はもう持たなかった、だから、

「メイちゃん!!」

 メイは意識を失った。

「後一匹だというものを!」

 西郷が一瞬、ほんの一瞬結界から意識をそらしたとして誰が攻めれよう。
そして生まれた一瞬の隙を鴉の様な化け物は見逃さなかった。

「ケェェェェェェェェェ!」

 バリン!

「ぐわ」

 結界を破り鴉の様な化け物は西郷を弾き飛ばし、千夜とその腕の中に抱えられたメイに襲い掛かる。

「白き翼を持ちしもの、汝が名は白夜!」

 そして白夜が千夜の影に入っていき、同時に千夜も気を失った。


 朝焼けの中千夜とメイの顔を照らしている。

「西郷生きてるか?」

「生きてる、千夜殿のとメイはどうだった?」

「あっちも無事だ、メイは霊力を使い切って、千夜はいきなり式神を受け入れた反動だな」

「しかし陰陽頭にはなんと報告したものか」

 西郷は憂鬱そうだが高島はそうでもなかった。

「そんなに気にすることないんじゃないか?メイはしばらくお前のところで預かってしばらくしたら式神使いの家系に預ければいい、この年で十二匹もの式神を従えてるんだ大切にはされるだろう」

「そうか」

「西郷、楽しみじゃないか?この子がどんな式神使いになるのか」

「そうだな」

 二人の脳裏にはメイの式神に対する気持ちがどれ程のものか焼きついている、
きっといい式神使いになるに違いない、二人は未来に思いをはせ笑った。

「まあ何にせよ今回の件はこれにて一件落着だ、後は帰って寝るだけだ」

「高島よ何か大事なことを忘れてないか?」

「何をだ?」

「今回の一件で千夜殿が式神を持ってしまったぞ」

「あ」

 山の頂上から顔を出した太陽が四人を照らした。


 この数年後、式神使いとして陰陽寮に認められたメイは同じ式神使いの家系のものとの間に子をもうける。

 その子は母親から受け継いだ十二匹の式神を見事操り新しい家を興しその家の初代となった。

 その家の名は六道という。


 氷砂糖です。
 今回は白夜がどうして高島の家系にいるのかということを……いうことを
……いうことを?
 なぜか六道家誕生秘話になってしまいました〈泣き〉

 今回一つだけ自分に突っ込みたいことがあります、それは
169KBって何やねん!!
いつもの三倍やないか!!
いや書いてるうちにどんどんネタが出てきて出てきて。

 もし歯車で明かしてほしいこと、やってほしいことがありましたらレスに書いてください、気が乗ればやってみようと思います。

次は本編になりますのであっちのほうもよろしくお願いします。


 レス返し

ラーメン大王様
楽しみといっていただけると書く気が沸いてきます、
ありがとう御座います。
血筋にかんして今は内緒です。


 文月様
始めまして氷砂糖は子供の性格は親見て育つと思ってますのでw
千夜の性格ですか私もまだ掴めてません (ぉぃ
とりあえずは本編と歯車では違うようにします。


 アミーゴ様
その通りです特にGS世界は怒らせたらどうなることか、
まあ女に弱いのは横島ですから仕方ないです。


 内海一弘様
はい、血筋はこちらで明らかにします。
応援ありがとう御座います。


 レンジ様
面白い、その言葉が書く気をぐんぐんと、そのせいで今回は三倍にw


 hama様
HAHAHAHAHA何をおっしゃいますか、
手を出したりなんかしませんよ、メフィストが怖いし、それ知った美神も怖そうだし。


 趙孤某様
アシュに殺されるのは申し方がないことです、じゃないと美神いませんし。
鬱展開は何とか回避したいと思います。

 SS様
なんか今回さらに妹キャラの追加が………
今回期待にこたえれたでしょうか?

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