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「想い託す可能性へ 〜 じゅういち 〜」

月夜 (2007-05-19 16:20)
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 ※すみません。十話後編から十一話にリンクが繋がっていなかったので修正しました。ですので新着ではありません。ご迷惑をお掛けしました。


 想い託す可能性へ 〜 じゅういち 〜


 令子がシロを背負っておキヌちゃん達と合流しようと歩いていると、目指す先で巨大な火の玉が上空から彼女達の近くに降り注ぐのが目に入った。

 「なっ! タマモ!? あんなのを至近で喰らったら、ただじゃ済まないわ!」

 おキヌちゃんが心配になった令子は、シロを背負い直すと、なけなしの霊力をかき集めて身体強化にまわして走り出した!

 (あんな威力の炎の玉が敵に直撃なんてしたら、この日本が吹っ飛ぶじゃない! わたしは嫌よっ。宿六と会えず、スリルとビッグマネーが得られない生活なんって!!)

 令子は走りながら、タマモが行った攻撃の威力の高さに心配する……今後の生活を。不意に嫌な予感が膨れ上がるのを感じて、走る速度を更に上げた。

 お金が先にこないで、横島の事が先にきているのが融合した結果だろうか。

 (それにしても姑息な事をしてくれるじゃない。せっかく自分の欠点に気付いたシロの克己心を除くなんて……。まさかわたしも…ああだったのかしら?)

 シロがいきなり豹変したような感じで少し前の彼女に戻ってしまったのを見て、令子はそう推測した。そこから、以前の自分はシロの様になっていたのではないかと類推する。

 (なんにしても酷く厄介な相手よね。時空の狭間というのかしら? こちらからは相手が見えないのに、向こうからは容易に干渉してくるなんて……。そんな相手をどうやって防げというのよ)

 霊力を使って走る事に六割の意識を割き、残り四割で真の敵について考える令子。

 (それに、ルシオラに固執しているとしたら、またおキヌちゃんを狙ってくるはずよね。その時、さっきみたいな幸運はそうそう無いはず。どうにかして対策を立てないと、次は……無いわね)

 令子は妙神山でおキヌちゃんが言っていた、自分にルシオラが宿っているという事を思い出しながら今後を考える。

 “狂った除くモノ”に対しての有効な手立てが思いつかないまま、令子は前方におキヌちゃん達が集まっているのを確認して彼女達が無事な事にホッとする。その時、前方のおキヌちゃんより凄まじい神気が立ち昇って周囲を覆う瘴気を一瞬で浄化していき、そこここから土地に宿る霊力が甦るのを感じて思わず立ち止まった。

 ハァ ハァ ハァ ンクッ ハァ ハァ……

(こ…これほどの浄化を行う術なんて、見た事も聞いた事もないわ。もしかして今のおキヌちゃんって、土地の浄化とか浄霊なんかじゃ最強? っと、見とれている場合じゃなかったわ。急がないと……)

 おキヌちゃんが行った浄化の術に令子は戦慄(おののき)を覚えるが、すぐに我にかえるとまた走り出す。

 令子が見据えている先でタマモが上空から墜落する様に落ちて、すぐ後に二人ほど人影が飛び立って行った。

 (あれは…女華姫様と小竜姫? こっからじゃ見えないけど、敵がさっきの爆撃とおキヌちゃんの浄化の術で弱ったのかしら? まぁ、それもあそこに着けば判ることか)

 令子は更に走る速度を上げる。体力的にも霊力的にもかなりきつかったが、女華姫達が飛び立った直後から嫌な予感が膨れ上がる一方で速度を落とせなかった。

 (ここからじゃ間に合わないわね。頼むから間に合ってよ、小竜姫! もう、おキヌちゃんを泣かせたくないんだからっ。それにしても、随分と飛ばされていたものね。もう文珠は絶対に使えないし、ぃやになるわね!)

 シロが吹っ飛ばされた距離に悪態を吐きながらも走る令子。ほどなくして令子はおキヌちゃんの許にたどり着いた。

 「おキヌちゃん! タマモは無事!?」

 「!! 令子さん! シロちゃんは無事ですか!?」

 荒い息を吐きながら呼び掛けてきた令子の声に気がついたおキヌちゃんは、令子に力無く背負われているシロを気遣う。

 「ハァ ハァ ハァ ハァ ち…ちょ…ちょっと待って……。走り詰めで喉がね……。落ち着くまで……待って……ハァ ハァ ハァ ハァ…………」

 おキヌちゃんの呼び掛けに、つっかえつっかえ答える令子。背中に背負ったシロをタマモの横に寝かせたあと、四つんばいで喘いでいる。

 「大いなる気の中を漂う水の子らよ 集い集まりて、ひとときの潤いをこの手に……

 令子の様子に、おキヌちゃんは両の手のひらを合わせ、お椀状にして小声で呪文を紡ぐ。すると、彼女の手の中に水が湧き出してくるではないか。

 「すみません、令子さん。コップが無いので手掬いですけど、水です」

 「あ…ありがと、おキヌちゃん」

 おキヌちゃんに差し出された手から、令子は礼を言いながら水を飲んで息を整える。令子が水を飲んでいる間、おキヌちゃんの手の中から水が無くならないのが不思議な光景だった。

 「ふぅ…やっと落ち着いたわ。ホントにありがと、おキヌちゃん。でも、便利ねその術。水筒があれば水源探す必要ないし、何よりも重い水を運ぶ面倒が無くなるのが良いわね」

 「水の子らよ、ありがとう。 ん〜っと、そんなに大量の水は出せないんですよ。空気中に含まれる水分を集めているだけなので、乾燥している地域では今のようなのはちょっと難しいですね。それに、日本国内だから精霊さん達もお願いを聞いてくれますけど、外国だと試した事が無いから出来るかどうかも分かりません」

 「なるほどね。野外での泊りがけの除霊とかに役に立つかと思ったけど、そうそう便利というわけじゃないのね」

 令子はおキヌちゃんの術に感心して除霊時の水の確保が容易になると喜んだが、おキヌちゃんが水の精霊に感謝した後の言葉に軽く落胆する。

 「あれ? ちょっと待ってよ? 今のおキヌちゃんってコノハナノサクヤヒメとしての存在でもあるのよね?」

 「そうですけど…それがどうしたんです?」

 令子の問いに戸惑いながらも答えるおキヌちゃん。彼女の問う意味を図りかねて、小首を傾げる。

 「さっきの水って、おキヌちゃんが自ら作った水なのよね?」

 「ええ…そうですけど。まぁ、水の精霊さんに手伝ってもらいましたが……。いったいどうしたんですか、令子さん?」

 おキヌちゃんは再び訊いてきた令子の問いに、さっぱり訳が分かりませんと困惑顔で答えて、こちらから問い返した。

 「いえね、神性を帯びた存在が作った水って聖水になるのよね。しかもおキヌちゃんは、高位の神格を有しているんだから、その効果も大きいわ! で、さっきの面倒な儀式を行わずに出来る聖水……これは売れるわ!

 「「だぁあ〜〜」」

 「うきゃぁ〜」

 「うぐぐぐ…う〜ん……」

 令子の説明に、その場に居たヒャクメとおキヌちゃんは座ったままコケた。その拍子に、おキヌちゃんに膝枕されていたタマモはシロの上に弾かれてのっかかり、シロはダメージを受けてうなされている。

 「アイタタ(こういう所はあまり変わらないのかなー?)多少は協力しますけど、多分売るほどの量は出来ませんよ? それに、お金儲けばかりに走ると、今度こそ取り返しがつかない事態になるかもしれませんよ?

 何とか起き上がったおキヌちゃんは聖水を作ることは承諾するが、令子に釘を刺しながら諌める。言葉は疑問系だが、有無を言わさぬ迫力が彼女から立ち昇っていた。

 「う゛…。わ…分ったわよ。直接売るのは諦めるわ(顧客にアフターケアの一環として、オプション付けする事もできるし)」

 おキヌちゃんの迫力に及び腰になって、卸売(おろしう)ることは諦める。でも、それで終わらないのが令子であった。

 「でも、除霊で顧客から求められた時や唐巣神父には作ってあげてね」

 「ええ、それならば喜んで作りますよ。でも、お金は取りませんからね?」

 「判ってるわよ。何も神父からお金を払ってもらうって訳じゃないし」

 ((この人なら神父(さま)からも、お金を取りそう(なのね)……))

 おキヌちゃんとヒャクメは唐巣神父を引き合いに出された為に、令子の本心に気付く事は無かった。ヒャクメも四六時中、他人の心を読んでいるわけではないので気付けなかったようだ。

 「ところで、さっき走ってる時に小竜姫達が飛んでいったのを見たけど、その後はどうなった?」

 「お姉ちゃんと小竜姫様は、まだ戻ってきていません。さっき、もの凄い不安が押し寄せて来たんですけど、タマモちゃんのヒーリングをしないといけなくて、動けなかったんです」

 「私も小竜姫から警戒するように言われているから、この周辺は大丈夫なのは確認してるのね。向こうは…って、噂をすれば何とやら、戻ってきたのね」

 令子が話題を変える為に小竜姫達の事を訊くと、おキヌちゃんが不安そうに答えた。ヒャクメもおキヌちゃんの答えに補足する様に答えようとした時に、当の本人達がこちらへ飛んでくるのが見えて令子達に知らせる。

 「あ、ホントだ。良かった、無事だったみたいですね」

 おキヌちゃんは、女華姫や小竜姫がこちらへと人形を担いで飛んでくるのを確認すると、ホッとした様子で胸を撫で下ろす。さっきの不安感で最悪の事態を予想していただけに、彼女達の無事を喜ぶのも一入だった。

 「何とか、タマモの爆撃に人形も耐えたようね。ったく、普段は小憎らしいほど冷静なのに、一旦熱くなると手が付けられなくなるんだからねー、この狐娘(きつねっこ)は」

 令子は懸念だった人形の破壊が無かったのにホッとして、タマモをからかう。小竜姫達の無事に安堵してはいても、態度や表情に出さないのが彼女の悪い癖かもしれない。

 「うっさいわね、美神。結果オーライなのは、分ってるわよ。イタタタ……」

 からかわれたタマモは身を起こして反駁するが、身体が痛むらしく、すぐにおキヌちゃんのフトモモに頭を乗せて寝転がる。

 タマモの様子に苦笑を浮かべて、おキヌちゃんはヒーリングの続きを彼女に行っていく。タマモは結構な無理をしたらしく、サクヤヒメとして覚醒したおキヌちゃんの癒しの術でも治りが遅かった。

 「美神さん、無事でしたか。こちらも、敵は滅ぼしましたよ」

 小竜姫がほどなくして空中から降りてきて合流し、全員に声を掛けた。続いて降りてきた女華姫がおキヌちゃんに近づく。

 「封印の人形が度重なる衝撃で壊れかかっておる。今は妾の封印術で保っている状態だ。キヌよ、サクヤの許に戻って封印の人形を新しく作らねばならん。手伝ってくれぬか?」

 「ええ、それは構いませんけど……。お姉ちゃん、何かありました? 凄く顔色が悪いようですが?」

 「う゛…うむ。いや…その、なんだ。敵を倒す時にちょっとした事があってな。なに、キヌが心配する様な事は何も起こっておらぬよ。だからそう心配そうな顔をするな。妾は大丈夫だ」

 小竜姫は肩に担いだ人形をみんなに見せた後に戦いが終わった事を告げて令子達の無事を喜び、女華姫はまだ女の危機のショックから抜け出せていないのか、少し顔色を青くしながらおキヌちゃんに人形の作成の手伝いを頼む。

 おキヌちゃんは女華姫の様子がおかしい事に気付いて問うが、彼女の返答は曖昧で要領を得なかった。その事で更に心配になり、おキヌちゃんの表情は更に曇る。

 「おキヌさん、今はそっとしてあげて下さい。それよりも、今はサクヤヒメ様の所に戻りましょう。結果を心待ちにしておられる筈です」

 女華姫の心情を察して小竜姫がおキヌちゃんに言い添え、全員に向かって浅間大社へ向かうよう薦める。

 「そうね。でも、移動手段はどうするの? ここからじゃ、浅間大社まで結構距離があるわよ?」

 「小竜姫の転移術を私が制御して、おキヌちゃんが霊力を供給してくれれば大丈夫と思うのね」

 令子の質問にヒャクメが答える。もう、トランクを虚空から取り出してもいた。

 「今回のヒャクメって、ホントに大活躍ね。 どうしたのよ、いったい? もしかして偽者?」

 「本物です! ひどいわ、美神さんっ。 私だって役に立っているのね。世間が正当な評価をしてくれないだけなのね!」

 「いや、だって肝心な時に限って役に立たない事は結構あったわよ? 平安京に時空移動した時とか、ママがべスパの眷属の妖毒にやられた時だってそうじゃなかった?」

 「あ…あれは……。うぅ〜、事実なだけに反論できない〜」

 「あ、もしかして連載中はボケが専門だったからじゃ……」

 ハンカチを噛み締めて、涙を流しながらキィーっと奇声を上げるヒャクメを見ながら、令子が危険な発言をかます。

 「あのー、それくらいにして、早く戻りませんか? もう深夜ですし、皆さんの体力も限界そうですし、一度休まれた方が良いですよ?」

 小竜姫が見かねて場を宥める。人形の容貌が横島に似ていて気恥ずかしくもあって、いい加減人形をどうにかしたいのだ。意思を持って動く事は無いと判ってはいても、なんかこー意識してしまう彼女だった。

 「何を顔を赤くしているのよ、小竜姫? まぁ、良いわ。あんたの言う通りだし。実を言うと、体力も霊力も限界なのよ。刻水鏡の盾って、結構制御がシビアで気を使うのよね。無目標で制御したものだから、疲れちゃって疲れちゃって」

 小竜姫が何を照れて顔色を赤くしているのか解らない令子だったが、すぐにそんな事はどうでも良いとばかりに自分の現状を吐露する。

 「うぅ…ぐすっ……私って不憫なのねー。…………小竜姫、転移の準備をして。おキヌちゃん、小竜姫と手を繋いで彼女に霊力を供給してね……ぐすっ

 嗚咽を漏らしながらも、ヒャクメはタカタカとキーボードで小竜姫の転移術を制御するべく、作業をこなしながら指示を出していく。

 「わかりました」

 「あ、はい」

 指示された小竜姫は、人形を担いだまま自然体でいつでも転移が行えるように用意し、おキヌちゃんはタマモとシロに行っていたヒーリングを彼女達の容態を確かめてから止めて、小竜姫と手を繋いだ。

 「小竜姫、ちょっと貴女に干渉するわね。……これでヨシ」

 吸盤が先に付いたケーブルをトランクから出して、小竜姫の額にキュポンと貼り付けたヒャクメはタンタンタンッと、キーボードで残りの諸設定をやり終える。

 すると小竜姫を中心にして、彼女達の周囲に光の魔法陣がヒャクメのトランクから投影された。空中にモニタを投影する技術を応用したようだった。

 「準備は良い?」

 「いつでもどうぞ」

 「いつでもよい」

 「大丈夫です」

 「さっさとやっちゃって。もう結構限界……」

 「…………」

 ヒャクメの呼び掛けに小竜姫と女華姫は自然に答え、おキヌちゃんはちょっと緊張気味に答えた。それに対して令子は本当に限界に近いのか、今にも倒れこみそうなほどにフラフラしだした。さっきまでヒャクメとじゃれていたのは、ギャグ補正が効いていたらしい。タマモはもう喋るのも億劫な様子だし、シロに至っては気絶から回復すらしていない。

 今回の戦いで前面に出ていたのは小竜姫と女華姫であったが、終わってみれば後衛の者達が負傷し、前衛にはさしたる被害が無かった。急造のパーティ構成ではあったが、後衛の消耗が激しかったのが気になって、令子は今後の戦い方を再検討する必要があるなと、意識が朦朧とする中考える。

 「じゃ、戻るのね。ポチっとな」

 意識がある全員の了解を確認し、タンッとキーボードのエンターキーを叩くヒャクメ。

 すると、トランクから投影されていた魔法陣が輝きを増しながら回転しだした。

 「転移術の魔法陣って、皆似た様な動きをするんですね」

 小竜姫に霊力を送りながら、周りの魔法陣の動きにおキヌちゃんがそう感想を漏らした時、魔法陣が一際輝いてその場に居る全員を飲み込んで消えた。 

 後には清浄な空気に混じる桜の香りが残るだけだった。


 またまた時系列は戻って、こちらは浅間大社本殿。

 そこではサクヤヒメが、美智恵を送り出した後からずっと正座して祈りを奉げていた。祈りを邪魔されないように、拝殿から本殿にかけて結界を張り、ただひたすらに新しく出来た家族やその仲間達の無事を祈っていた。

 祈りを奉げている最中に、彼の地で瘴気に侵されていた土地の精霊達が回復していくのを感じて、彼女は顔を綻ばせる。

 (キヌは、この本宮で今も私が定期的に行っている浄化術を使ったようですね。確かに彼の地を甦らせるには、この術が最適ですね。富士の妖穴を封じる為だけに構成した術でしたけど、なるほどあのような使い方も出来るのですね)

 おキヌちゃんが為した浄化の術にサクヤヒメは感心する。ただ封じる為だけに作った術を彼女は応用し、広域浄化の術へと昇華させた事に我が事のように喜ぶ。

 サクヤヒメが封じている富士の妖穴とは、永い火山活動の果てに富士山が作った所謂ガス抜き穴だった。ただ、このガス抜き穴の厄介な所は、地球上の霊脈内で生じた瘴気を吐き出し続けている事にある。

 地球を縦横に走る霊脈にはいくつかの噴き溜まる場所があって、そこでは様々な怪奇現象が発生する。異常に成長が促進されてしまったり、逆に全く生物や植物が育たないなどの怪奇現象が。

 これらは黄泉比良坂(よもつひらさか)に代表されるような根の国への入り口とは異なるが、日本では同じ様に昔から人々に悪影響を及ぼすとして恐れられていた。

 なかでも富士山の妖穴は最悪で、火山活動によって出現したとたんに周りの生命活動を止めまくる物だった。

 被害が増大し、時の政府である大和朝廷が無視できないほどになると、垂仁(すいにん)天皇によって代々祖神として、また生命の母神として祀られていたサクヤヒメに彼の地の封印を願い奉った。

 サクヤヒメはその時天界にいたが、天皇より齎(もたら)された富士周辺の現状を見て、このまま放置しておけば日ノ本の民の被害が大きくなると憂い、天皇の願いを聞届けた。

 以来彼女は、地上で封印を続けている。

 (私がここで妖穴を封じ続けてかなりの年月が経ちましたが、根本的には何の解決も出来なかった。キヌと合一を行えば、たちどころに消すことは出来るでしょうがそれはしたくはありませんし……。現状では、ニニギ様の再降臨を望むほかありませんね。幸いにも今世で転生を果たされている様ですし、協力をお願いしてみましょうか。でも…本当にキヌが羨ましい……)

 妖穴を封じ続けてきた幾年月を思い返し、サクヤヒメは嘆息する。その一方で可能性の世界樹から知る事が出来たニニギが転生している事を喜び、おキヌちゃんの良人として居る事を羨むという複雑な感情を抱いていた。

 不意に、正座をして祈りを奉げていたサクヤヒメの身体がビクッと震える。それは小竜姫が漠然とした不安を感じだした時間よりも幾分早かった。

 (な…なんでしょう、今の悪寒は……? もしや姉さま達に何かあったのでは!?)

 サクヤヒメは、戦いに赴いている姉やおキヌちゃんとその仲間達の安否を憂い、一緒に行けぬ我が身をもどかしく思う。

 サクヤヒメは可能性の世界樹にアクセスする事は可能ではある。しかし、知りたい事を簡単にとはいかなかった。

 その理由は、知りたい事を念頭に置き一週間ほどをかけて、世界に定義された自らの意味を利用して半ば可能性の世界樹と一体となるように儀式を行うからだ。その為に、リアルタイムでの情報取得はまず不可能だった。

 (姉さま、キヌ。そして仲間の方々。無事でいてください)

 サクヤヒメは、彼女達の無事を一心に祈る。おキヌちゃんの人生を経験した彼女は、無意識の内に人間の感覚で祈っていた。

 サクヤヒメのその祈りは、人間が祈り願う事とはわけが違う。世界を支える柱たる女神が祈るという事は、世界に対して少なからぬ干渉が起こるという事だ。その願いは、思わぬ形で影響を与えていた。

 そう、小竜姫が感じていた不安とは、実はサクヤヒメの願いによる影響によって彼女の感覚が、おキヌちゃんをアンテナとして行われた広域浄化の範囲内限定で高められた結果だった。あの時点で最も周囲に気を配っていた小竜姫が、サクヤヒメの祈りの影響を最も強く受けていた。


 サクヤヒメが一心に祈りを奉げて暫く経つと、自らが張っていた拝殿の結界に、見知らぬ転移術によって見知った者達の気配が触れた事に彼女は気付いた。

 (キヌ達が戻ってきたみたいですね)

 サクヤヒメは、すぐに拝殿へと転移して術を使って灯りを燈す。そこで彼女が目にしたものは、三人の人影と思われる物が折り重なる様に倒れており、一番下になっている者が呻いているのを一人が助けようとしていて、ほかの者達は呆気に取られるという光景だった。

 「あの…? どうされたんですか?」

 わけの分からない光景に戸惑いながら、サクヤヒメはその場の全員に問いかける。

 「それがそのー、転移直後に何だか見えない壁に当たった様になって、三人ともが折り重なる様に着地? してしまったんです」

 「いえ、その…問いかけで答えられても、私には何が何やらサッパリなんですが?」

 「ご安心下さい。私達もさっぱり訳が分からないのです」

 サクヤヒメの問いかけに、小竜姫も戸惑いの表情でそう答えるが、答えになっていない。というより、何だか上の空という感じで、しきりに自分の後ろを気にしているようだ?

 それに何を安心しろというのだろう? 自分達もサクヤヒメが感じている事を同様に感じているからとでも言いたいのだろうか?

 「令子さんしっかりして下さいっ。今引っ張りますから!」

 「うぅ〜、重い〜。早く上のをどかしてー。潰れる〜。イタイイタイ、イタタタ腕引っ張らないで〜」

 シロとタマモの下敷きになった令子が呻くのを聞いたおキヌちゃんは、彼女の腕を一生懸命引っ張り助け出そうとしている。

 「キヌ、それでは助けられぬわ。先に上に乗っておる娘達を退かさないと」

 おキヌちゃんの天然さにため息を吐いて、女華姫がシロを担いで床に下ろす。その後に続いて、サクヤヒメがタマモを令子の上から退かせて床に寝かせる。

 二人分の重量から解放された令子は、すぐにおキヌちゃんからヒーリングを受ける。

 「もう、なんなのよぅ。やっと敵を倒して戻ってこれたと思ったら、見えない壁に阻まれて着地失敗するし、お尻痛いし、シロタマは乗っかってくるし……。霊力もないし、体力も底をついたし。もう、寝たい〜〜」

 何かタガが外れたのか、それとも精神が幼児化してしまったのか、令子はぐったりしながらブツブツと悪態を吐いていた。

 令子の様子に、やれやれと溜め息を吐く小竜姫とヒャクメにおキヌちゃん。サクヤヒメはというと……冷や汗をかいている所が見られるので、令子の言葉で彼女達が折り重なったのは自分が原因と覚ったらしい。無言で全員分の寝床を虚空から呼び出していた。

 でもまぁ、結界張ってる所に転移してきてぶち当たるというのも間抜けな話である。小竜姫達が無事だったのは、微妙に転移して出た位置がズレていただけだったりする。

 「姉さま。皆さんの寝床を用意しましたので、狼さんや狐さんをそちらに寝かせてあげてください」

 戦いに赴く前にタマモに作ってあげていた寝床と同じものを人数分用意して、サクヤヒメは女華姫に床に寝かせているシロタマを運ぶように願った。

 「たくっ……。だいたいの経緯(いきさつ)は読めた。後でこの者達にちゃんと謝っておけよ? サクヤ」

 「はい……」

 女華姫は嘆息すると、サクヤヒメに一言いってから、シロタマを寝床に移す。言われたサクヤヒメはシュンとして、小さい声で答えるのみだ。

 小竜姫は女華姫がシロタマを寝床に移すのを見て、自分も手伝う為に肩に担いだ封印の人形を出されたままだった最初のタマモの寝床に即行で寝かせた後、おキヌちゃんのヒーリングを受けて眠ってしまった令子を寝床にそっと寝かせる。

 おキヌちゃんは小竜姫に令子を任せた時、彼女の頬や耳から首筋までがはっきりと判るほどに赤くなっているのを見つけて首を傾げた。

 (首筋まで真っ赤になってるけど、小竜姫様に何かあったのかなぁ? 何だか恥ずかしいのを凄く堪えている様に見えるんだけれど……。ん〜っと、ここに戻ってきて小竜姫様がやった事って、お姉ちゃんとの受け答えと封印の人形を置いてきた事よね? 何か恥ずかしがる様な事ってあったかな?)

 (あ…あれは人形。あれは人形なんですっ。人形の手が私のお尻に当たってたのは、揺れてたからですっ。き…気になんかしませんっ! 寝床に寝かせた時に顔が近くなって、く…唇が気になったりしてませんっ。横島さんじゃないんですっ!!)

 おキヌちゃんの疑問をよそに、小竜姫はかなりテンパってるご様子です。

 「サクヤ、少し良いか?」

 「はい?」

 「ニニギの神格を封印した人形が、度重なる戦闘によってもう限界なのだ。もう一度人形を創るしかないが、手伝ってくれぬか?」

 「……キヌだけでは駄目ですか?」

 「キヌだけでも出来るとは思う。だがサクヤが手伝えば、より永き時を経る事が出来る人形が出来よう。しかしサクヤよ、なぜ拒むのだ?」

 「私達がこの豊芦原の中津国を去った後、数百年経ってからこの富士山に巨大な妖穴が出来てしまったのです。その封印の為に、私は再び天界よりこの地に戻ってまいりました。一度だけ、天界に戻らなくてはならない時があったのですが封印を解く訳にもいかず、その時に出来うる封印を施したのです。その時は充分に対策を取っていたと思っていたのです。しかし、今まで封じ続けていた反動が出たのか、数々の封印が弾け飛んで天保の大噴火が起こってしまいました。それから後は、私はここから離れる事が出来ず。また、大きな神威を起す事も出来なくなったのです」

 自業自得な事ですが。と、サクヤヒメは言うが、後悔をしているわけではない。ただ、人形創りを手伝う事が出来ないのを残念に思うだけだった。

 「むぅ〜、そうか。しかし、それは困ったな。キヌだけでは、あまり永く保つ人形は出来ぬぞ?」

 「それは……先の事としてはどうでしょう? それに、もしかするとキヌの良人が引き受けてくれるやもしれません」

 「ふぅむ……。妾は直接会った事はないが、キヌから聞く限りではニニギと同じと見てよいと思うぞ?」

 「(クスッ)そうでしたね。転生されたら表層意識はほぼ別人になってしまうと思っていましたのに、キヌの人生を経験した時にはあまりに似ているので吃驚しました」

 頬を薄く紅に染めて、サクヤヒメは女華姫の言葉を認める。どうやら、おキヌちゃんと横島の夜の営みをも一緒に思い出したようだ。

 「…………仕方が無い。サクヤの言う妖穴も放っておくわけにはいかぬし、キヌと妾でやるとしよう」

 「すみません」

 サクヤヒメの表情になんとも言えない感情が浮いて、彼女は女華姫に謝った。

 「よい。厄介な物を残す事にした妾とニニギの責だ。後の事は、また今度考えよう」

 女華姫は問題を棚上げにするようだ。でも、その表情には少し苦味が窺える。サクヤヒメが自由に動けない事が気掛かりのようだ。

 「キヌ。そして、ご協力いただいた皆さん。本当にありがとうございました。今宵は満足とは呼べない寝床ではございますが、お休みくださいますよう。また、後日にお礼をさせていただきます」

 サクヤヒメはおキヌちゃんや小竜姫とヒャクメに深々とお辞儀をして労い、すでに寝かされている令子やタマモとシロに対してもお辞儀をした。

 「いえ、我々も任務でしたのでお気になさらないで下さい。とはいえ今夜はもう遅いので、ご好意に甘えさせていただきます」

 「はぁ〜疲れたのね〜。サクヤ様、お話は今度ゆっくりと時間が取れた時にお伺いしますね」

 「あ、はい。お待ちしていますよ」

 小竜姫とヒャクメは浅くお辞儀をして答え、サクヤヒメはヒャクメの言葉に微笑んで返した。

 「キヌ。封印の人形は、万全の態勢で望みたい。今は休んで回復につとめてくれ。今夜は本当にご苦労であった」

 「はい、わかりました女華姫様。でも、ホントはもうちょっとくだけた調子で話したいんですよ? お姉ちゃんは、私達の長女なんですから」

 女華姫の労いの言葉に、おキヌちゃんはちょっと唇を尖らせて拗ねる。

 江戸時代の幼い時から心の友達であった彼女が、今では魂の姉妹である事におキヌちゃん自身は凄く嬉しいのに、当の本人が何か壁を作るように接してくるのが不満だった。

 「むぅ……。すまぬな、キヌ。努力はするが、直ぐにはどうにも出来ぬ」

 おキヌちゃんの様子に、女華姫が焦りながら言葉を紡ぐ。そこへスッと、サクヤヒメが会話に入ってくる。

 「仕方ありませんね。昔から姉さまはこの様な感じですし。姉さまの世界に対しての在り様は、神名が表している通り“不偏”であり“不変”なのですから。でも、姉さま? いくら不変とはいえ、岩は水や風に長い年月を曝されると、その形は変わります。その事は忘れなきように願いますね?」

 「解っておる。二人して苛めるでない。妾とて、家族が出来るのは嬉しい。ただ…その……」

 「「ただ?」」

 サクヤヒメとおキヌちゃんの言葉が重なって、女華姫に問う。。

 「永い事一人でおったでな。気恥ずかしいのだっ!

 「ふぅ〜、この辺で許しましょうか」

 「そうですね。お姉ちゃんの可愛い反応も見れましたし、あんまり苛めると昔みたいに拗ねてしまいますし」

 女華姫が真っ赤になって勢い込んで答えたというのに、サクヤヒメとおキヌちゃんは二柱して顔を見合わせて微笑みあい、彼女の言葉を流してしまう。 

 「お…おぬしら……

 一柱の時でも持て余していたのに、今は二柱になってからかいに来る妹達に、女華姫はブルブルと身体を震わせて怒りを耐える。

 「あらら、これは早めに休まないと」

 「あわわ……。じ…じゃあ私も休ませてもらいますね」

 女華姫の怒りが噴火しないうちにと、サクヤヒメとおキヌちゃんはそそくさとその場を離れる。

 (ふー、本気で怒るわけがなかろう。妾とて、サクヤやキヌと話すのが楽しいのだから。だが、口達者ではない己がもどかしい……)

 怒るポーズだけをしていた女華姫は、内心で二柱に対して溜め息を吐くと己の口下手を憂う。少し思案していた彼女は、一つ頷くとおキヌちゃん達に続いて、自分の寝床へと向かった。

 ヒャクメと小竜姫は、既に寝床に入って休んでいた。彼女達も戦闘でかなり霊力を消耗していたようだ。特に今回は、大技はないが敵を引っ掻き回したヒャクメの役割はかなり大きく、それだけ消耗も激しかったようだ。二柱共に、シーツに包まるとすぐに寝入ってしまった。

 全員が寝静まり、拝殿内に静寂が満たされた。


             続く


 こんにちは、月夜です。想い託す可能性へ 〜 じゅういち 〜 をここに投稿です。
 すみません、予告していたこの事件のエピローグまで行きませんでした。どうしてもこの場面を入れたかったのです。サクヤヒメが何故本宮から動かないのかとか説明が必要と感じましたので。
 誤字・脱字、表現がおかしいと感じられる所があればご指摘願います。

 では、レス返しです。

 〜冬8さま〜
 いつもレスをありがとうございます。遅筆でホントに申し訳ないんですが、何とか頑張って半月で一話分が書けました。楽しんで頂ければ幸いです。
>アレってやっぱり力を……
 力を吸い取る……設定に無かったけど入れておけばお話が膨らんだかも、ちょっと心引かれる設定ですね。小竜姫さまのMVPの要因が今回明らかにされてます。
>男としては思わず……
 敵の末路として真っ先に思い浮かんだのがこの場面でした。でも、冬8さまのレスを見るまで、この倒し方では盛り上がりに欠けるなぁって思っていました。やっぱり色んな見方があると、レスを頂くと本当に参考になります。女華姫の真の姿での触手攻め、思い浮かんでいたのですが話の流れ的に無視でした>< 入れてたら間違いなく彼女達のダメージは深刻でした。
>なんかDBのゴ●ウ的な……
 意図していたわけではなかったんですが、そういえばそうですね^^ 横島が居ない間に、おキヌちゃん達と令子さんの和解を書こうとしてアクセントとしての表現だったんですけどね^^ヾ

 〜アミーゴさま〜
 レスをありがとうございます。楽しみに思っていただけている様で嬉しい限りです。何とか半月で一話分を書く事が出来ました。楽しんで頂けたら幸いです。
>これで前哨戦なら……
 まだまだ先の話ですけど、盛り上げて行きたいですね。老師とか入れて(ボソ
>最後の足掻きで……
 最低な敵への屈辱的な倒し方で真っ先に思い浮かんだのが、この場面でした。どうしてもコレ以外思い浮かばなかった……_| ̄|○ あっさりと倒したって評価ではなくて、何だかホッとしております^^ヾ

 〜読石さま〜
 毎回のレス、本当にありがとうございます。何とか間を空けずに投稿したいとは思っていますが、なにぶんにも遅筆で恐縮です。後編も楽しんで頂けたようで嬉しい限りです。
>運勢大凶な感じですし……
 狂っているがゆえに執着にこだわってしまっています。ただ、冷めた狂い方なので、微妙にやる事がズレてしまうのが欠点なようです(爆 でも、こういう敵って、ふと歯車が噛み合っちゃうと……怖いですよね。
>一矢報いてますし……
 唯一あの場で真の敵に一撃を与えられる可能性があったのが令子さんだったので、見せ場を作る事が出来て満足してます^^ 文珠の使い方に違和感が無い様にと考えましたが、受け入れられたようでホッとしています。表意文字としての文珠の使い方は良く見られるけど、表音文字としての漢字を使った文珠ってSSでは見た事が無かったので、漢字を勉強していて良かったって思ってます♪
>大殊勲の小竜姫様
 彼女が上げた大殊勲の要因の一つは今回のお話にありますけど、それでもやはり武神である小竜姫さまがあの場面では頼りでした。戦い以外では、すっごくズレているんですけどね(笑)


 このGWを使っていくらかお話を進めたいけど、GW中に上げるのは難しいです。多分次の投稿は5月の月末になると思います。早めに上げたいとは思いますけど……。
 では、次の投稿まで失礼します。


 以下は、私のミスの為に十話後編から十一話へのリンクが繋がっていない為に直した際の、十一話に頂いた方々の感想です。皆さん、ありがとうございます。


1.
更新お疲れ様です。
今回のサクヤヒメが動けない理由が納得でした。

後、今回の赤くなる女華姫の姿を思い浮かべ、素で可愛いなぁと思ってしまいました。
何下に真の姿に戻らなくてもって言うか、今のほうが可愛いと本気で思い始めてしまった末期の自分が・・・誇らしいです!

{読石(2007-04-29 19:06)}
2.
更新お疲れさま&これからも頑張ってくださいまし。
今回は前回のエピローグというだけあって、現時点での謎の解明に留まってますね。
>「今回のヒャクメって、ホントに大活躍ね。 どうしたのよ、いったい? もしかして偽者?」
う〜ん、美神さんは相変わらず何気に酷いなw
でもヒャクメ=ボケ担当な私の頭の中では妙に納得できたり。
>(あ…あれは人形。あれは人形なんですっ。人形の手が私のお尻に当たってたのは、揺れてたからですっ。き…気になんかしませんっ!寝床に寝かせた時に顔が近くなって、く…唇が気になったりしてませんっ。横島さんじゃないんですっ!!)
むぅ……シロにほんわかと癒され、タマモに頬を緩ませた次は小竜姫様で攻める気かっ!
そんな見えすいた罠にこの俺が釣られるとでもクマーッ!
ヤヴァイ。小竜姫様がめちゃめちゃかわゆい。
今まで小隆起とか小乳姫とか虐めてごめんよ、と言いたくなりました。

{アミーゴ(2007-04-29 22:29)}
3.
更新お疲れ様っす
なんとか一息ついて一安心って感じですね
しかし、ヒャクメ偽者疑惑!
嗚呼、所詮ヒャクメ・・・・・・(笑
しかし、人形に欲情(?)してしまう小竜姫さまがぁぁぁ
なんていうかある意味変態!?なプレイに目覚めつつあるんだろーか!?
なんて邪推しちまいましたよ
最近賓乳好きになりつつある自分が怖い・・
そしてメガさまが口達者だとある意味怖いと思ってしまうっすね
「ふしゅるるる〜〜今からお茶でもどーだい!!(キラーン)」
ってなんか違!!!???
ていうかなんだこれ!?的な脳内劇場が・・・・
漢前だからなぁ・・・・
てことで次回を楽しみにしとります

{冬8(2007-05-03 11:55)}
4.
毒蜘蛛事件の未来横島を軸に2つの平行世界の融合という今までにない話でとても楽しく読ませてもらいました。
10話前編から次話へのリンクが10話後編と11話の2つあり、10話後編から11話へのリンクがなく、
11話の前話へのリンクが10話前編になっています。次回更新時にそこも修正をお願いします。
それでは、次話を楽しみにしています。

{灰原水無月(2007-05-06 20:32)}

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