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「想い託す可能性へ 〜 じゅう 〜後編(GS)」

月夜 (2007-04-14 02:23)
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 ※今回のお話には、一部に性的表現が含まれます。男女の絡み等ではありませんが、不愉快に感じられる方がおられるやもしれませんので十五禁としています。


    想い託す可能性へ   〜 じゅう 〜 (後編)


 “狂った除くモノ”は苛立っていた。獲物をその身に宿す存在を排除する為に選んだ駒が、余りに不甲斐なくやられていたからだ。このままだと、獲物を喰う事が出来ない。だが、あまり干渉するとこの枝世界に認識されてしまい自由に動く事が適わなくなる。

 戦の推移を焦りながらも見ていた“狂った除くモノ”は、駒が為そうとしている策に気付いて嘆息する。それだけでは成功するハズが無いではないかと……。

 強大な力を持っていても、それを使い切れずに翻弄される駒のじれったい動きに“狂った除くモノ”は一度だけこの戦いに介入する事にした。それ以上のこの戦での介入は、この枝世界に己を認識させてしまい取り込まれてしまう恐れがある。

 駒が標的としている存在達の中で介入しやすい闇を持つ者を見つけて、ほんの少しだけその闇を抑える抑制心を除いてやる。全てを除くと不自然に介入した存在が枝世界から消えてしまい、その反動がこちらにも及んできて同じく消されてしまうので慎重にせねばならない。

 しかし、標的とした存在に幾度か干渉するも、小賢しい事に干渉を阻む護るモノがあって上手くいかない。数度試して次第に焦った“狂った除くモノ”は力加減を間違えて、想定していた以上に抑制心を除いてしまった。

 干渉した存在が消えてしまったかと冷や汗をかいたが、許容量だったらしく安堵した。しかも駒が行う策にタイミング的にも申し分なかった為に“狂った除くモノ”はほくそ笑む。

 “狂った除くモノ”の標的となったのは、己の未熟を自覚して前に進もうとしているシロであり、彼女を護るモノとはサクヤヒメの木札であった。


 「うー、拙者も小竜姫殿と一緒に、前線に出たいでござるよ!」

 突然、子供が我侭を言い出し駄々をこねる様な大声で言い出すシロ。おかげでタマモの幻術による目晦ましも、彼女だけ役に立たなくなってしまった。

 (なにをいきなり気が抜けたような事をいうのよ、シロっ。わたしに啖呵切った勢いはどうしたの!? って、まさかっ!)

 (何か変ね。今のシロがあんな事言う筈が無いわ)

 先ほどまで辺りに気を配り、拝殿で令子に誓った事を実践していた彼女の突然の変わりように、令子やちょうどシロのすぐ上を飛んでいたタマモは疑問を持った。

 「シロちゃん、ダメ! 逃げて!!」

 突然、シロに向かって逃げるように叫ぶおキヌちゃん。彼女には、はっきりと感じられたのだ。目には映らないが、害意を持ってシロに近づく何かを。だが、とっさに叫んでしまったが為に、浄化の祝詞を最初から唱え直さないとならなくなった。

 「え、あ? 何が…(ビクッ)…ギャンッ!」

 戦闘の最中だというのにいきなり周りの喧騒が止んだ様に感じられたシロは戸惑い、おキヌちゃんの警告に問い返そうとした所で、地面から突然伸びてきた尖った石槍状の物に左腕を貫かれた。

 おキヌちゃんに問い返そうとした時にいきなり激しい悪寒がシロの背中を駆け抜けなければ、彼女は真下から串刺しにされる所だっただろう。無意識の内に生存本能に突き動かされて、身を捩ったのが彼女の命を取りあえず救った。

 だが、事態は更に拙い方向へと動く。彼女は左腕を串刺しにされたまま振り回されて飛ばされてしまったのだ。飛ばされた先の落下地点には、長さ一メートル程が突き出た尖った岩が……。

 「なっ! どうして!? どうして、サクヤ様の護符が効かないの!?」

 ヒャクメはシロを襲った攻撃に、サクヤヒメの木札が反応しなかった事に動揺する。

 「そんな事言ってる場合じゃないでしょ! タマモはっ? くっ、距離があり過ぎるっ。(お願いっ、力を貸して!!)」

 令子はヒャクメに叱咤しながらも、上空のタマモを探す。しかし見つけたのは、必死の表情でシロを救おうと反転した直後のタマモの姿で、二匹の距離は絶望的なまでに開いていた。

 (虫が良いのは解ってる! でも、もう失くすのはイヤ!!)

 タマモが間に合わないと覚ると、躊躇(ためら)いも無く残り少ない文珠にシロが助かる一連の行動をイメージして篭め、令子は彼女目掛けて真っ直ぐに駆け出す。文珠に浮かび上がる文字は<瞬>。文珠が発動した直後、瞬(まばた)きのあいだにシロと岩の間に令子は身体を飛び込ませて、彼女をキャッチする事に成功した。

 なぜ漢字一文字で瞬間移動のような事が出来たか? 令子が行ったのはこうだ。まず駆けながら自分が行う一連の行動を漢字一文字にイメージとして篭める。この時の漢字は表意文字としての<瞬>『まばたき』だ。

 同時に表音文字としての意味で、目的地までの移動音と一連の動きの行動音を示す<瞬>『しゅん』としても使い現実に反映させる。表意と表音という、漢字の特性を余す所無く発揮させた技術だった。もちろん、イメージ力を普段から鍛えておかないと、こういう使い方が出来ないのは当たり前の話である。

 令子が一連の動きとしてイメージしたのは、刻水鏡の盾を背中に回しながら体ごと後ろを向くという事だけ。そして同時に表音としてのイメージで目的地に到着するというものだ。

 この文珠の使い方の欠点は、目に見えている範囲でしか目的地を設定出来ない事と瞬(まばた)き一回の間に出来る行動に制限される事。更に途中の過程をすっ飛ばしている為に、走っていた速度の減速等が全く出来ない事だった。

 具体的にどういう事になるかというと、令子が百メートル十秒で走る速度+シロが振り回されて加速した速度+シロの自由落下速度でもって、彼女達は減速せずに背中から岩に突っ込む事となる。

 更には、刻水鏡の盾の機能を使って尖った岩の先端を盾に飲み込ませても、その岩の根元はエネルギー体ではないので完全には飲み込めない。結局は二人もろとも岩に叩きつけられる事になる…………のを防いだのはタマモだった。

 (くっ、届かない! シロぉー!! タダオ、力貸して!!)

 タマモはシロ目掛けて急行するも距離と速度差があり過ぎて届かないと悟ると、すぐさま彼女はこの場に居ない男の力の象徴をポケットから取り出して、シロを助ける力をと願い篭める。浮かぶ文字は<縮>と<間>。

 (絶望的な間があるのなら、その間を縮める! それも自分を基点にして!)

 タマモは自分自身に急制動を掛けながら文珠を発動させる。シロとタマモの間にあった空間が、タマモを基準にして急激に縮められる。

 だが、タマモ自身の存在量と、ちょうど岩に背中が接触した令子と抱えられているシロを含む周囲の存在量とではあまりにも差があり過ぎて、文珠は直ぐにパキっと音を立てて割れてしまった。

 「(く、これじゃシロの運動エネルギーを相殺させただけじゃないっ)え? 美神?」

 目の前で起こった文珠の奇跡に歯噛みをするタマモだったが、シロだけしか認識していなかった脳が、彼女の後ろに令子を認識してあまりの光景に呆けた様に呟く。

 なぜならタマモが見ている先で、シロを抱きかかえた令子が背中を岩に張り付かせていたからだ。尖った岩の先は令子を突き抜けてシロをも突き破っている筈なのに、見えている光景はそれを否定する。

 (二人とも痛みに表情を歪めているけど、生きて…いるわよね? なら、あの岩の尖端はどこに?)

 タマモが疑問に思ったその瞬間、ここではない何処か。しかし凄く身近に感じる何処かで、何か形容し難い苦痛にのたうちまわる絶叫を聞いた気がした。

 「気のせい……よね? ううん、今はそんな事はどうでも良いのよ。シロ! それに美神、生きてるの!?」

 周りを見渡しても絶叫を上げる存在を確認出来なかったタマモは、疑問に感じながらもまずは二人の安否を確認するべく彼女達に呼び掛けながら彼女達の近くに降り立つ。

 「(何とか一矢報い得たようね。でも、今はこれが精一杯か……)痛たた…あのねタマモ、わたしをオマケみたいに言わないでくれる? でも、まぁ助かったわ。飛び込んだは良いけど、減速考えていなかったからどうなるかとゾッとしたわ。シロ……は、気絶しているみたいね」

 今の一連の原因が何にあるのか気付いた令子は、その原因に向かって背中の岩の尖端を突き立てるイメージで己の盾を制御した。その結果が先ほど聞こえた形容し難い絶叫だろうと確信を持って、タマモの質問に悪態と感謝を言いながら答えた。

 「シロ…良かった……。これは早くおキヌちゃんに見せないといけないわね。ところで…美神? さっき、その…何か聞こえなかった? ああ、いいや、やっぱ何でもない。今のは忘れて」

 シロの容態を見て命に別状は無い事にホッとするも、左腕の傷に予断を許さない物を感じたタマモはおキヌちゃんに診せる事を決めて、自分の袖を引き千切ってシロに止血を施す。止血をしながら、ふと先ほど聞いた絶叫の様な何かを思い出して令子に訊くも、すぐにバカにされそうと思って否定したが……

 「ああ、タマモも聞こえたのね」

 「え? えぇええ!!」

 令子が肯定した事で、必要以上に驚いてしまう。

 「何を驚いているのよ? ここではない何処か、でもすごく身近に感じる何処かで絶叫を聞いたんでしょう? それが私達の真の敵よ。貴女達や、わ…たしの忠夫を奪ったね」

 「なっ!! ……くっ」

 タマモは衝撃を受けた。令子が横島の事を『わたしの』と言ったことに気付かなかったほどに。

 今まで見聞きしてきた一連の状況でハッキリと今、敵の存在を実感させられたのだ。しかもあの声の感じからすると、容易に手を出せる様な敵ではないらしい事を聡明な彼女は覚ってしまう。

 だが、泣き寝入りなどこの妖狐の娘がする訳が無い。敵の存在をはっきりと認識した今となったら尚更だ。

 「美神、私達のタダオを奪った敵に復讐するのはどうやるの? さっきの声の様子からして攻撃する手段はあるんでしょう?

 瞳は黒瞳から金色へと変わり、眦(まなじり)は細く薄められてつりあがって、口の端はつりあがり笑みの形を為す。美しくも怖ろしい凄絶な笑みを浮かべてタマモは令子に尋ねる。

 「(やっと本気になったようね)有効な手立ては、今のところ不明よ。今のだって偶然が重なっただけかもしれない。でも、今はシロの手当てが先だし、おキヌちゃんの問題を早く解決させないとね。検証は後よ。私達が抜けておキヌちゃんの守りが心配だし、急いで戻らないとね」

 タマモの壮絶な笑顔に令子は心胆寒からしめるも、表情には一切出さずに彼女に優先順位を思い出させる。

 「解ったわ。あんな奴、ちゃっちゃっと片付けてしまいましょう

 言葉使いが微妙に変わっているところをみると、タマモの人格に前世が少し覗いているらしい。それほどまでに今のタマモは力を欲していた。

 「わたしの盾でも癒せるんだけど、今はさっきの一撃で霊力が激減して無理だわ。何とか攻撃態勢を立て直さないと……」

 目標も定まらない、敵の姿も脳裏に浮かんでいない状態で、ただただシロに害を及ぼした存在を討つ事だけを念じて刻水鏡の盾を制御した令子は、かなりの霊力を消耗させていた。

 「まだるっこしいわ。敵をその場に縫い止めれば良いだけでしょうっ? 美神はシロをおキヌちゃんの所に連れて行って。私は小竜姫達と合流して片を付けてくるわ!

 タマモはそう言うと、腕をまた翼に変化させて令子に何も言わさずに飛び去ってしまった。頭に血が上っていても妖狐の姿にならないあたり、少しは理性を残しているようだ。

 「たくっ…、意識を失った身体って想像以上に重いっていうのに、一人でどうしろっていうのよ」

 そう言いながらもシロの腕の傷を再度きつく縛って止血しなおして背負うと、言葉とは裏腹にしっかりとした歩調でおキヌちゃん達の所へと歩き出す。

 

 
 時を少し遡り、令子がシロを救いに飛び出した直後。

 シロと令子による守りが無くなったのを好機と見たのか、敵の触手がおキヌちゃんを目掛けて四方八方から襲い掛かってきた!

 (こっちを優先させてきた!? もう浄化の祝詞を中断させるわけにはいかないし、どうしたら……八柄の剣! あの時は確か……)

 浄化の祝詞を中断させる訳にはいかなくておキヌちゃんは他の方法を探し、姉から渡されていた八柄の剣に思い至って更に使い方も思い出そうとする。

 (そう…確かこう、言葉に出さずに唱えたハズっ。我へと向かう悪意に満ちる意思よ! 剣に秘されし護りの刃にその意思を散らしめよ!!)

 おキヌちゃんの意志に八柄の剣が反応し、彼女を中心とした直径五メートルの円を描く様に剣気が満ちて、周囲の瘴気や侵された土が弾かれていき土の色が戻っていった。

 (これで少しは保つはず。この間に小竜姫様とお姉ちゃんに連絡を取らないと……ヒャクメ様!)

 チラリと傍らで周囲の様子に怯えていたヒャクメを見て、呼びかけるおキヌちゃん。その間にも彼女の口からは朗々と祝詞が紡がれていく。

 「何、おキヌちゃん?」

 攻撃がこちらに集中した時にヒャクメは怯えたが、おキヌちゃんの強い意志によって何かの護りの力が発動して攻撃が防がれるのを見てホッとしたところで、彼女から呼び掛けられたのを感じて答える。

 おキヌちゃんは念話を使ってはいない。その余裕も無いが。その代わりに心を読む事に関してはエキスパートのヒャクメがいるので、意思疎通に何も問題は無い。

 (私の守りが無くなった事を、小竜姫様とお姉ちゃんに伝えて下さい。それと、シロちゃんと令子さんがどうなったかを教えて下さい!)

 「分かったのねー。(小竜姫っ、細かく説明する余裕が無いから今すぐイワナガヒメ様と一緒に戻ってきて!!) 美神さん達は……シロちゃんは重傷だけど、命に別状は無いみたい。美神さん、何とか間に合ったようよ」

 小竜姫に一方的に念話を送った後に、令子達の様子を見てホッとしたヒャクメは見たままをおキヌちゃんに伝えた。

 ヒャクメの言葉に頷くだけで返したが、おキヌちゃんは心から安堵して祝詞に集中する。


 「美神さん達はどうしたのです、ヒャクメ!?」

 程なくして念話を聞きつけた小竜姫が女華姫と一緒に戻ってきたが、おキヌちゃん達の周りを見て令子達が居ない事に気付いてヒャクメに焦った様子で訊く。

 その時、その場にいる全員に、何か形容し難い絶叫が聞こえた気がした。

 「なんなのね、今のは? どこかで聞いた様な聞かないような声の絶叫が聞こえた気が……」

 小竜姫の問いに答えようとしたヒャクメは突然聞こえた気がした絶叫に戸惑い、皆に聞こえたかと訊いてみた。

 「ええ、私も聞こえました。ヒャクメも聞いたとなると、私の錯覚でも無さそうですね。しかし、さっきのはいったい……?」

 小竜姫はヒャクメの問いに困惑顔で答える。

 「キヌ? もしやあれが?」 ふしゅる〜

 女華姫は何かを確かめる様におキヌちゃんに訊く。彼女は、サクヤヒメから話を聴いていたある存在の事を思い浮かべていた。

 (うん、アレが私達の旦那様を奪った存在“狂った除くモノ”です。でも…くっ…今は悔しいけど、何も出来ないんです。だから目の前の問題を先に解決しましょう)

 祝詞を上げながら八柄の剣を制御し、女華姫の問いに頷くおキヌちゃん。途中で敵からの攻撃で結界が綻びかけたが、何とか持ち直してヒャクメ経由で答える。ただ、複数の事を同時にこなしている為に結界維持に必要な集中力を少し欠いたようだった。

 「判りました。その存在については、この戦いを終えた後に話し合いましょう。今は、目の前の敵を……な! なんですかこの妖気は!!」

 おキヌちゃんの答えをヒャクメ経由で聞いた小竜姫は、仕切り直そうと皆に呼び掛けようとして突如沸き起こった巨大な妖気に驚く。

 「これはタマモちゃん……? うわっ、どんどん妖気が大きくなっていくのね!!」

 巨大な妖気が突如として沸き起こった場所を見て、ヒャクメは小竜姫同様に驚く。なまじ良く判るだけに彼女はより実感を伴っていた。

 「さすがは九尾の狐と言ったところか。これほどの妖気を内包しているとはの。っと、無駄話をしている間に、物騒な物を引っさげてこちらに来おったわ」 ふしゅるるる〜〜〜

 女華姫は巨大な妖気に感心している内に、タマモが上空を飛翔してきたのを見つけて冷や汗を垂らす。なぜなら彼女が見ているその先で、タマモが幾つも巨大な火の玉を作り出し伴って来たからだ。


 四柱が話し合っている内にも、周りから忌御霊(いみみたま)による触手の攻撃は続いていた。だが、おキヌちゃんが集中を乱した時の一度だけをのぞいて全てを防がれていた。

 おキヌちゃんが展開する結界がどうしても突破できない忌御霊が歯噛みをしているその時、タマモが伴ってきた巨大な火の玉を上空から敵に向けて発射した。

 発射された火の玉の幾つかは、おキヌちゃん達の近くにも着弾して夥しい爆炎と衝撃波が発生し、辺り一面に蠢く触手を悉く燃やし薙ぎ払う。

 大半の衝撃波や爆炎は八柄の剣による剣気によって防がれるが、吹き飛ばされてきた瓦礫は小竜姫と女華姫が必死で霊波砲や神剣、槍を使って防ぐ。細かい瓦礫は、彼女達が発する闘気によって、阻まれた。

 忌御霊の周囲にも数発が着弾し、爆炎が瘴気の鎧を焼き衝撃波と舞い上がった瓦礫が、人形を打擲して翻弄していく。

 瘴気の鎧が無かったら、人形は粉々になっていたかもしれない。それほどの威力がある偽メ○オスト○イクだった。

 辺り一面の破壊が治まった頃には尻を突き出して倒れている人形が見られ、それに憑依している忌御霊がピクピクと痙攣していた。

 あまりの出来事にヒャクメはあんぐりと口を空けて言葉も出ず、女華姫と小竜姫は肩で息をしていて言葉を発する事が出来ない。ただ一柱だけ、みんなを信頼し祝詞を中断せずに唱えるおキヌちゃんだけが敵をキッと見据えた。

 「この地に充つる数多の精霊に願い奉るっ 日ノ本に集う霊脈の要たる富士の鎮守コノハナノサクヤヒメの名において願い奉る! 侵されしその身共(みども)を霊脈を用いて癒し 邪なる存在を退け給えぇぇ!!

 おキヌちゃんは、この機を逃さず祝詞の最後の言葉を力強く奏上する。

 おキヌちゃんをアンテナにして、富士山に集まる日本全国の霊脈の力がこの地に集まって精霊達を癒していく。辺り一面を覆っていた瘴気が、癒されたこの地の精霊達の力とおキヌちゃんから発せられる浄化の神気とが合わさる事によって、みるみると浄化されていく。

 土は元の色を取り戻し、木々は若芽を芽吹かす。天に昇る事を阻まれて悲鳴を上げていた悲しき魂達は、浄化によって悪意の鎖を断ち切られて歓喜の声を上げながら天に昇っていく。

 数多の魂達が天に昇っていく幻想的な空から、羽ばたきの音と共にタマモがおキヌちゃんの隣に降りようとして失速した。感情に任せて無理やりに大きな術を使った反動だったのだろう。半ば墜落する様な感じでタマモは空から降りてきて喘いでいる。

 「何をしているのっ。おキヌちゃんの浄化の術によって敵の鎧は消滅しているじゃない! 人形から敵を剥ぎ取るのは今がチャンスでしょ!! ……カフッ

 広大な森諸共全てを癒し浄化する術の最中を降りてきたタマモは、広大な森を一気に浄化したおキヌちゃんに呆気に取られている女華姫や小竜姫を一喝すると、いきなり吐血して崩折れる。

 「そ…そうであるな。では、行って参る」 ふしゅるる〜〜

 タマモのあまりの剣幕に、女華姫は我に返って敵へと向かって飛び上がる。

 「念の為に私も援護に行きます。おキヌさん、タマモさんの手当てをお願いしますね。ヒャクメ、周囲の警戒を厳しくお願いします。まだ何かあるやもしれませんから」

 小竜姫はタマモの容態を心配するも、女華姫だけでは万が一があってはならぬと思い、ヒャクメに周りを警戒する事を念押しして飛んでいった。

 「やれやれなのね。タマモちゃん無茶するんだから。よっぽど頭に来ていたの?」

 読まずとも漏れてきたタマモの感情に、ヒャクメはワザと軽い調子で彼女に訊く。悲壮な調子の安っぽい同情など、今のタマモにはありがた迷惑だろう。

 「敵の存在を自分でハッキリと認識できたからね。美神やおキヌちゃんから聞いていても、頭では理解出来ていたけど、どこか心では拒否していたんだと思うわ。多分その反動だったのよ。そうしておいて

 おキヌちゃんからヒーリングを受けながら、顔を伏せてタマモはヒャクメの問いに答える。

 その表情は見えないが、泣いている様にも見えるタマモだった。その横でヒーリングを続けながら、おキヌちゃんも表情に翳(かげり)を落とす。

 ヒャクメは彼女達に掛ける言葉が見つからず、無言のまま辺りを警戒する。あの大浄化の術を敵が乗り越えたとは思えないが、それでも小竜姫が感じていた嫌な予感がヒャクメにも伝わっていて、気を抜く事が出来ないのだ。

 (何事も無ければ良いのね。この戦いは多分、これから続く長い戦いの前哨戦なのだから……)

 ヒャクメの目の一つである未来視の瞳が、漠然とした不安を伴う未来を一瞬だけ映すのを見て、彼女はそう思う。

 未来視の目だけは、神族である彼女であっても思い通りにはならない。全ての可能性を見通すには、彼女は修行をサボり過ぎていた。


 一方こちらは忌御霊。

 四方八方からの大爆撃による神気を伴う衝撃波によって、忌御霊自身は深く傷ついていた。更にすぐさま続いた大浄化の術による浄化の嵐によって追い討ちを掛けられてもいた。

 ただし、人形の方は瘴気の鎧が衝撃を吸収しきっていたので、右腕以外は目に見える損傷は無かった。

 タマモによる爆撃に神気が伴っていたのは、激情によって一瞬だけ神仙の域に自らを高めたからに他ならなかった。彼女自身は、世界を担う神になどに縛り付けられるのは真っ平御免だったから、成れると解っていても敢えてならなかったのだが、その事すらも忘れるほどの激情に流されたようだ。

 (ぅおのれぇ〜、サクヤの護衛を振り飛ばした時にはサクヤを手に入れたも同然であったものを〜。どこで策が狂いおったかっ。これでは…これでは依り代を失ったあの時と同じではないかっ。あのサクヤの過ちを知った時の! このままではすまさんっ、すまさんぞぅ!)

 人形に憑依する力もほとんど残っておらず、力の象徴たる人形にしがみ付くだけの存在と成り果てた忌御霊。狂気を帯びた妄執のみが、まだ彼を人形に留まらせていた。

 そこへズシャッと音を立てて、女華姫が空中より降りてきた。尻を突き出すようにして前のめりに倒れている彼女が見た人形のサマは、かつてのニニギノミコトが女華姫によってお仕置きされた時の姿にそっくりだった。

 (ふっ、昔日の光景が甦るようなサマを見せてくれるのう。ニニギがバカをやって、妾が諌めてサクヤが取り成す。遥か永き時に過ぎ去りし在りし日々を。…………思うにあ奴は、妾をちゃんと身内として扱ってくれていたのだな。サクヤの姉として、また自分を諌める者として……。あの頃の妾は、それがちゃんと解っていなかった。それが、コヤツを始めとした腐れ外道達に付け込まれる隙となったのであろうな)

 昔日の過ちに想いを巡らせながら、人形に近づく女華姫。それは明らかに油断だった。見かけは厳つくとも戦神ではない彼女は、目の前の人形のサマに緊張が緩んでしまっていた。

 (イワナガヒメ! おのれ、我を滅ぼしに来たか!! ……くっ、人形を動かす事は最早叶わぬか。ならば…今まで煮え湯を飲まされ続けた恨みだけでも晴らしてくれる! そうだ…もっと近づいて来い!! 下から串刺しにしてやるからなぁ!!)

 一歩一歩近づいてくる女華姫に気付かれないように、人形にとり憑いていた己の身体を、尖端を鈍く尖らせて所々に尖った疣(いぼ)を浮き上がらせた棒状にして実体化させていく忌御霊。そのまま地中に潜り込み、下から女華姫を突き破る時を虎視眈々と狙った。

 「さて、こやつが気絶している内に、さっさと済ませてしまおうか。妾の姿を見られぬなら、それに越したことはないしの」 ふしゅるるる〜〜〜

 そう言って女華姫は、本来の姿に戻って神通力の準備に入った。

 女華姫の真の姿に驚いて、忌御霊は彼女に突っ込む事も忘れて見惚れてしまっていた。

 彼にとって、今までに汚(けが)しぬきたいと願って止まない最高峰は、清廉にして可憐。儚くとも折れにくいサクヤヒメであった。それが今正に、別の美の極致を目の当たりにして、思考停止していた。

 その身裡から溢れ出す命の輝きに、何者にも屈服しない意志が覗く切れ長の瞳。その面差しは磨きぬかれた白大理石の様に、艶やかで滑らかな色気を醸し出す。それに加えて、ピッタリとした忍び装束によって強調されるメリハリの利いた肢体に、より淫靡な印象がもたらされていた。

 (く…くくく。気にも留めていなかったイワナガヒメが、まさかこれほどのモノだったとはっ。一笑に付しておった『求婚者が後を絶たなかった』などという噂がでておったが……なるほど、この容姿なら納得がいくわい。この身は滅ぶ事は必定となってしまったが、くくくく…最期に極上を味わうのも一興よ!)

 思考停止から抜け出た忌御霊は、地中から女華姫の身体に狙いを付ける。目指すは彼女の穢れを知らぬと思われるホト。時間の限られた身体で最高を味わうには、これしかない。

 地中から狙われているとは知らず、また人形から敵がほとんどが抜け出ているとも知らずに女華姫は、神通力を揮う為に肩幅よりやや広めに両足を開いて構えた。

 (今だっ!)

 地中から飛び出し女華姫のホトを目指す忌御霊! 彼はこれから思うままに味わう感触を夢想する。


 ズシュ!!


 水分を含む肉の塊を貫くような音が辺りに響いた。


 女華姫が人形から妖怪を剥ぐべく神通力を行使しようとしたその瞬間、彼女の真下から凶悪な形をした棒状の何かが伸びてきた!

 女華姫が気付いて跳び退こうとしても、貫かれるのは必定なタイミングだった。彼女に出来たのは、股間に入ってこようとする棒を押さえつける為に反射的に両手を下ろす事だけであった。

 女華姫の両手をすり抜けて、凶悪な形の棒が今まさに彼女の女陰(ホト)に潜り込もうとしたその瞬間、女華姫にとっては時が止まったように感じた。


 本当に時が止まっていた。いや、実際にはひっじょ〜〜にゆっくりとした早さで時が流れている。小竜姫を除いた周りでは。彼女の奥義の一つである超加速が発動していた。

 時系列は少し戻る。

 女華姫の後に続いていた小竜姫は、嫌な予感が敵に近づくにつれて膨れ上がっていくのを否応無しに感じていた。

 (なんでしょうか、この嫌な感じは……。何かを失いそうな、そんな不安がずっと続いて、しかも大きくなっていく。これは油断できませんね。どんな事にも対処できるように、いつでも超加速に入れるように準備をしておきましょう)

 膨れ上がる不安に小竜姫は油断無く辺りを警戒しながら、前を飛んでいく女華姫に追いつこうと超加速の準備をしながらスピードを上げる。

 女華姫が敵の近くに降り立ち近付くのを見て、小竜姫はおや? と、首を傾げた。

 (変ですね? あの人形からじゃなくて、イワナガヒメ様の所から邪気を感じます。何故でしょうか? …………!!!!)

 違和感の理由を考えていたその時、小竜姫に最大級の悪寒が駆け抜けた!

 小竜姫が人形の周りの異変に気付いて駆け抜けた悪寒に従い超加速を発動した時、忌御霊は女華姫の忍者装束の股間にあと一ミリという所まで迫っていた。

 文字通り全てが止まった様に見える超加速の世界で、小竜姫は肝を冷やす。本当に危ない所だった。命の危機は勿論の事、女としてもこれは本当に危ない所だった。

 卑劣な敵の手に、小竜姫の怒りが怒髪天を突く。手に握った神剣の柄を握り潰さんばかりに握って、最大加速で敵を横から突き刺し、剣を介して敵の身裡に破邪竜気を破裂せよとばかりに流し込んだ!

 小竜姫の周りの時間が通常の流れに戻る。

 女華姫は硬直したまま後ろに倒れて、M字開脚のまま尻餅をついて呆けている。いくら気丈な彼女とて、乙女の危機には平常心ではいられない。

 程なくして地面の下が爆裂した。小竜姫が流し込む破邪竜気に耐え切れずに、敵が爆散したらしい。下から飛んでくる土砂は、サクヤヒメより貰った木札が防いでくれて小竜姫と女華姫は何の痛痒も受けなかった。

 末期の言葉さえ無く滅ぼされた忌御霊。一つの美の極致を穢す夢想を抱いたまま、この枝世界より強制退場させられた。

 「イワナガヒメ様、お気を確かにっ。敵は討ち滅ぼしましたよ。イワナガヒメ様!

 確実に敵を滅ぼした手応えを感じて残心を解くと、小竜姫は呆けている女華姫を正気付かせる為に呼び掛ける。

 「イワナガヒメ様!

 「……うん? ぉ…おお……小竜姫殿か。わ…妾は助かったの……か? や…奴はどうなった!?」

 虚ろだった瞳に光が戻り、あのタイミングで助かった我が身がまだ信じられなった女華姫だったが、小竜姫の様子から自身が助かった実感が湧いてきた。それと共にすぐに敵の事が気に掛かるとは、やはり剛の者である。

 シューー

 「私の奥義を使い、敵に神剣を突き刺し竜気に破邪属性を持たせて流し込み滅ぼしました。辺りに邪悪な意志を持つモノは感じられません。いまだ続くおキヌさんの浄化の術により浄化されたのでしょう。あとはとり憑かれていた人形を回収するだけです」

 女華姫の問いに丁寧に答える小竜姫。彼女の様子からもう大丈夫と判断した小竜姫は、この後の行動を示唆する。

 シューーーー

 「そうか……。一連の厄介事に我が手で引導が渡せなかったのは残念であるが、まずは感謝を。そなたが居なかったら、妾は逆に陵辱の限りを尽くされ、果てには滅ぼされていたであろう。真に感謝に堪えぬ」

 小竜姫の言葉に女華姫は一抹の無念が過(よぎ)るが、それは詮無き事として彼女に感謝の言葉を贈り頭を下げた。

 シューーーーーー

 「いえ、当然の事をしたまでです。さぁ、戦いは終わりました。皆さんの所へ戻りましょう」

 女華姫の感謝を受け、小竜姫は面映いものを感じながら彼女に手を差し出す。

 「そうだな。では、参るか。……っと、先ほどより何かが漏れ出ているような音がするのだが……?」

 小竜姫の手を取って立ち上がりながら女華姫は答える。

 「そういえばそうですね? …………あのぅ、イワナガヒメ様? この人形から物凄い神気が出ている様に思えるのですけど……」

 辺りを見渡す小竜姫。程なくしてその原因が判明し、微妙に強張った表情で女華姫に訊く。

 「うぉっ! ま…まずい!! ニニギの神格が漏れておる!! 綻びし封じの印っ 我イワナガヒメの名において綴じ直す! 人の型に秘めし神の魄よ、今一度昏き深奥に沈み眠りたもう!!

 傍らで尻を突き出したまま、前のめりに倒れている人形から蒸気の様な物が噴出しているのを見た女華姫は、見た目にそぐわぬ驚きの声を上げると慌てて人形に封印を掛けていく。

 小竜姫は緊張し、青い顔をしたまま女華姫の封印術を見守る。

 (なぜ…なぜこれほどの神気に、すぐ気付く事ができなかったの……?)

 漏れ出ていた神気の量は結構なものだったが、なぜすぐに気付くことが出来なかったのか悩む小竜姫。

 漏れ出ている神気は、そこいらから発せられる土や大気・草々と同質の気配を放ち、ともすると紛れてしまう事に彼女は程なくして気付き、更に顔色を白くしてしまう。

 「お…終わったぁ。危ない所であった。封印が解けておったら日ノ本が無くなっておったやもしれん。一応の封印は出来ておるが、人形を作り直して再封印する必要があるな。キヌやサクヤに手伝わせるとするか」

 取りあえず再封印をし終えた女華姫は、額に浮き出ていた汗を拭いながら心底から安堵して一人ごちる。

 「あのぅ、イワナガヒメ様? ニニギノミコト様の神格とはもしかして…………ですか?」

 間違いだったら良いなー、思い違いだったら良いなーと思いながら、小竜姫は肝心な部分を声に出さずに口パクだけで尋ねる。

 「うん? ああ、気付いてしまわれたか。小竜姫殿、他言無用に願うぞ。知っていると他の神々に知れただけで、そなたも狙われるやも知れぬ。誠にアマテラス殿もとんだ者を遣わしてくれたものよ」

 「言いません。いえ、言えませんともっ」

 でも、女華姫の答えは小竜姫の言葉を肯定するもので、がっくりと彼女は肩を落としてブルブルと首を振りながら言う。

 「それが良い。では、キヌ達の許へ戻ろうか」

 「そう…ですね」

 女華姫と青い顔をした小竜姫は、もう動かない封印の人形を回収すると、おキヌちゃん達の許へと飛び立っていく。

 後には緑芽吹く土と浄化されて清浄な空気を孕む大気だけが残され、ニニギノミコトの神気など最初から無かったが如く何処にも感じられなかった。


 横島忠夫が戻ってくるまであと八時間。こうしておキヌちゃんをめぐる一連の騒動は、誰一人欠ける事無く無事にとは言い難いが終息した。ただ一つだけ、彼女達にとって大きな問題が残っているのに気付いているのは、誰もいなかった。当事者である彼女が忘れている為に。


           続く


 こんばんわ月夜です。想い託す可能性へ 〜 じゅう 〜(後編)をここに投稿です。
 私の書く物語を読んで楽しんでいただければ幸いです。
 誤字・脱字、表現等でおかしい所があればご指摘下さい。
 では、レス返しです。

 〜読石さま〜
 毎回、感想を頂きありがとうございます。レスが頂けると、頬が緩む私が居ます。
>ヒャクメに様付けしたくなりました
 ギャグ要員な位置付けが多いヒャクメ。私が書く物語では、なぜか真面目っぽくなってしまいます。有能なんですけど、抜けてて親しみ易い。そんな彼女を表現したいです。でも、今回、ちょっとだけダメダメな部分がありますけど(汗
>人類に対してのお怒りは……
 どうなんでしょう? 人の営みとして許容している部分はあるとは思いますが……。忌御霊に関しては、元からある嫌悪感に通常な手段では回復不能な事をしでかしたので、かなりご立腹でした。
>セクハラしてオシオキのエンドレスしてそう……
 そうですね。原作の二人の関係は多分その通りだと思います。でもそうすると、令子さんの可愛い所が書けない! 横島との甘い雰囲気に流されて快感責めに恥らう彼女がっ(ドズッ)  カフッ 腹に神通棍が〜(ゴロゴロ)
>忌御霊本人が行動を説明するみたいに
 すみません。ヒャクメが分析していた事と忌御霊がやっていた事が微妙に違う事を表現したかったのですが、くどくなってしまったのかもしれません。表現力の至らなさです。
>ふしゅるるる〜な姿の……
 私は彼女が横島と似ていると感じるのです。彼女を知れば知るほど離れ難くなる。そして恋愛感情に発展するかは……男の甲斐性です! ビバっ道士殿!(敬礼)

 〜アミーゴさま〜
 いつも感想をありがとうございます。感想を貰えると、書く元気が湧いてきます。
>寧ろもっとやれ!な感じ。
 良かった。どこまで表現して良いのか手探り状態なので、かなり控えめにしていたのですが、背中を押して頂けると嬉しいです。
>忌御霊の憎たらしいことといったら
 今回、最後の足掻きで女華姫に襲い掛かりましたが、小竜姫さまに速攻で滅ぼされました。最低な奴の最期にふさわしい描写が思い浮かばなかった私の敗北です>< 本当は全員でタコ殴りにしたかったのに……
>週末が楽しみだ
 後編も楽しんで頂けたら嬉しいです。

 〜冬8さま〜
 いつも感想を頂きありがとうございます。本当に励みになっています。
>視姦は横島の専売特許なのかぁぁぁ
 視姦? 隠れて×××した事でしょうか? あまり詳しく言うと、令子さんからシバかれますので言えないのが辛い。でも、いつか書いちゃる
>「ふしゅるるるっぅぅぅぅぅ〜」はないっすよ!(笑
 彼女が本当の姿になると、男が群がってきてしまい収拾がつかなくなってしまうのです。でも、彼女とラブラブになれば、二人きりの時は……ご想像にお任せしますよ(笑)
>竜族が淫乱
 語弊が出てしまいました。もうちょっと詳しく描写しなければなりませんでした。竜が多淫と言うのは、どんな種族とも子をなす伝承から来ています。んで、品の無い無知な輩は、その部分だけをあげつらい嫉妬も篭めて侮蔑するのです。竜はけっして同意無しでは、臨みません。心が通じ合わないと、子がなせない事を知っていますから。乱れるかどうかは、竜それぞれみたいですよ^^
>美神も肖像権とか
 これはまぁ、敵の攻撃手段が判明していなかったのも原因ですけど、レプリカの神鏡を使ったので仕方の無い事だったのです。って、ああ! 囮の事を令子さんに伝える描写が無かった_| ̄|○ だから、訴えようとしているのか。どこに訴えるかは謎ですが(笑)
>HNの変更理由
 なるほど、そういう理由がありましたか。でも、語呂が良くて良い感じのHNと思います。


 次はこの事件のエピローグです。次回の投稿は、また一ヵ月後になると思います。では、次の投稿まで失礼します。

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