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▽レス始

「リスタート 第十一話 (GS)」

(´ω`) (2007-05-17 00:23)
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6月15日 AM10:15


――イタリア・ローマ空港


「こちらです先生っ!」

空港に降り立った私と神父をピートさんが迎えに来てくれた


ピエトロ・ド・ブラドーさん
唐巣神父のお弟子さんで一応?私の兄弟子になるのかしら?


「やあピート君、元気そうじゃないか」

「先生もお変わりないようで…そちらが?」

「ああ、紹介しよう。ルシオラ君、こちらはピート君といってね、
私がイギリスで修行時代に知り合った友人だよ。」

「初めまして、ルシオラ=蛍=芦です。よろしくね」

本当は初めましてじゃないけど、ね

「初めましてミス・ルシオラ。僕はピエトロ・ド・ブラドーと申します。
貴女と同じで先生の弟子になります。ピートで結構ですよ」

「私もルシオラでいいわよ、ピートさん」

差し出された手を握る。あら?気付いたかな?

「貴女は……」

「私は先祖帰りなのよ。お仲間になるのかしら?
バンパイア・ハーフさん?」

本当は正真正銘の魔族だけどね♪

「僕の事に気付いたのですか…」

「もしかして気を悪くさせてしまった?」

「いえ、とんでもない…初対面で見破られるとは
思わなかったので…少し驚きました」

「お互い様でしょ?」

私が笑いながら返すとピートさんもつられて相好を崩した

「こんなところでは何だし、移動しながら話をしようじゃないか」

「ええ、今日中に依頼の場所に着きたいので移動しましょうか
――ブラドー島へ」


――リスタート――
  第十一話 前編


6月13日 PM03:20


――唐巣教会


「98!…99!……ひゃくぅ!」

「はい、お疲れ様、ヨコシマ♪」

ヨコシマは素振りが終わるとその場にへたり込んじゃった

「その棒切れってそんなに重いの?何時見てもただの小汚い木刀にしか
見えないけど」

隣で見学していた美神さんが苦笑いしながら聞いてみる

「どういう原理かしらないっすけど…霊気を流し込むと滅茶苦茶重くなるん
ですよこの木刀」

ヨコシマが振っていた木刀
それは斉天大聖老師が帰り際にヨコシマに持たせてくれた神剣の一種
………なんだけど


「横島、コレをもっていけ」

老師はヨコシマにボロ布に包まれた長い何かを放った

「なんすかコレ?」

「中を見てみい」

言われるままに包みを解くと中には黒い煤塗れの汚い棒が入っていた

「…老師?」

胡乱げな目で老師を見るヨコシマ。ダメよヨコシマ、一応神様が
くれたものなんだから

「なんじゃいその顔は?こう見えてもソレは神剣の一つなんじゃぞ
もうちっと在り難がらんか」

「これがですか?どーみても…なぁ?」

私に同意も求められても困るわ、ヨコシマ…
……私も同意見だし

「霊気を込めてみよ」

「はあ…よっと…お?おおぉぉぉぉ?」

ズズンっ!

「ヨコシマ!?」

煤塗れのソレを構えたヨコシマがまるで釣られるかのように
前向きにつんのめった

「お、重い…?」

「それは霊気を込めるとな、所有者の体重の半分の重量になるんじゃ。
慣れてくると段々重くなるがの。それを使って、そうじゃの…
これから毎日百回素振りをせい」

「こ、こんな重いもんで百回も!?」

「そうじゃ。毎日百回、しかと申し付けたぞ?蛍の嬢ちゃん、しっかりと
監視を頼むぞ」

「はい、解りました♪…でもこれ神剣というからには武器としても
当然使えるんですよね?」

まぁ老師程の方がくれたものだから、威力は期待できそうよね?

「ふむ…どうじゃったかの?小竜姫」

「ええ、重くなる以外はただの木刀となんら変わりはありませんよ?
やたら頑丈ですけど」

………空耳かしら?

「な、なんすかそれはっ!?こーゆーのはフツー、使いこなせるように
なれば隠された力か何かが、目覚めるのがお約束じゃないすか!?」

「バカモン、そんな都合のいいモンがホイホイとある訳なかろうが」

煙管から煙をたゆらせながら老師はそっぽを向いた。
……老師?

「こ、このゲーム猿!根に持ってやがるなっ!?仏道に帰依したとか
なんとか言っときながらちゃっかり根にもってるじゃねーかっ!」

「…何の事やらサッパリじゃのう…小竜姫、夜も遅いから早く2人を
家に戻してやれ……さて、一杯引っ掛けて寝るとするかの…」

そう言い残して老師はさっさと中に戻っていった
老師?何かヨコシマが失礼な事でも?

「あ!待てこの猿!……あっ!ま、待ってください小竜姫様っ!
せめてあの猿に一撃天の裁きをーっ!」


ヨコシマ?天に向かって唾を吐くって諺知ってる?


――以上回想おしまい


「どこで見つけてきたか知らないけど体力作りには
丁度良いんじゃないの?私はそんな汚いモノ振り回すのゴメンだけど」

「うう…好きでこんなもん振り回しとんのと違うのに…」

へたり込んだままヨコシマは恨み言を言っている

「そういう事いわないの!修行には丁度良いんだから!」

「こんな愛の無い修行はいややー!どうせ汗かくならもっと
綺麗なねーちゃんとイエナンデモアリマセンデス

一睨みするとヨコシマはとっても素直になってくれたわ♪
そうよヨコシマ、これも愛の鞭なのよ♪

「郵便でーす」

郵便配達の人がポストに何かを入れていった

「あら?神父にかしら?…ご苦労様……エアメール?」


PM03:50


「ルシオラ君、済まないが私と一緒にイタリアに
同行してもらえないだろうか?」

「仕事の依頼ですか?」

手紙を読み終えた神父がやや深刻な面持ちでそう聞いてきたので
ヨコシマと美神さんもカップをもったまま神父を見ている

「ああ、私の弟子が少し厄介な相談事を持ちかけてきたのでね
……私一人では手に余るかもしれない」

弟子という言葉を聞いてヨコシマが眉を寄せた。何か心当たりでも
あるの?

「どうしたの?ヨコシマ?」

「え?あ、ああ…相談事ってやっぱ除霊か何かだろ?それで神父の
手に余るって聞いたからちょっと驚いただけだよ」

ヨコシマ?

「確かに神父一人で手に余るっていうのは想像できないわね…神父って
ママと同じくらい強いんでしょ?古代の悪魔の封印でも解けたとか?」

「ははは…そんな事態になったら私個人ではどうしようもないよ。
それこそオカルトGメンが動き出すさ。ルシオラ君に同行を
頼むのはあくまでも用心の為で、もしかしたら取りこし苦労で済む
かも知れないしね。それならそれでお土産を期待してくれたまえ」

「お土産って俺達は留守番っすか?」

「君たちは学校があるんだから、学業を優先しないといけないよ
何、1週間位で戻ってこれるから心配はいらないさ」

「そうよヨコシマ、学校サボッてイタリア行くなんて百合子さんが
許すわけないでしょう?」

そんな事言い出したら間違いなく折檻がまっているわよ?
――昨日の大樹さんみたいに

「ま、神父とルシオラさんなら大抵の事は心配要らないでしょ。
お土産期待して待ってるわ」

美神さんはそういってカップを傾ける。
でもヨコシマ?何故そんな深刻な顔をしているの?


PM08:00 

――横島家

「弟子ってのは多分ピートの事だろうな……
でもこの時期に何があったのか解らない…」

ヨコシマは部屋に戻ってからも深刻な顔をしていた
……ちょっと新鮮かも

「ピートさんってヨコシマの友達だったバンパイアハーフの
人でしょ?」

「ああ…あいつの親父が復活するのは俺が高校になってからの
筈だから他に何かあっただけかもしれないけど、かなり俺達の
いた時間軸とズレ始めてるから正直あてにならんし」

「ピートさんのお父さんってそんなに強いの?」

「魔力は滅茶苦茶強いらしいけど俺達のときは只の時代錯誤の
ボケ親父だったな。中世の地図の前で世界征服宣言してたし」

ちゅ、中世の地図?時代錯誤ってレベルじゃない気がするわ…

「そ、それなら万が一そのピートさんのお父さんが復活したんだと
しても大丈夫なんじゃないかしら?いざとなれば私も本気出すし
ヨコシマが心配する「何が心配なんですか?横島さん?」……
あら、誰かと思えば小竜姫様じゃありませんか…よろしいんですの?
妙神山の管理人さんがこう毎日下界をうろついて?職務怠慢じゃ
ありませんこと?」

いきなり部屋に現れた小竜姫さん。くっ…私としたことが
会話に夢中になってしまって警戒を怠ってしまったわ…

あれ以来小竜姫さんは毎日のようにヨコシマの部屋に遊びに
くるようになった。それも私と二人の時ならまだしも、
ヨコシマが一人の時を狙っている感じが多いのよね…
フェアにいこうって言っておいたのに油断も隙もないわっ!

「あら?老師の許可は頂いていますから心配には及びませんよ?
それに下界に降りるのも情報収集の一環で仕事の一つですから
……こんばんわ横島さん。また遊びにきちゃいました♪」

やっぱり遊びに来てるんじゃないの!!

「こんばんわ小竜姫さまっ!相変わらず今夜の月のようにお美しいっ!」

「あら♪ありがとうございます♪」

ああ…さっきまでのシリアスな顔が一瞬でいつもの顔に戻っちゃったわ…

――小竜姫さん…一度じっくり話し合う必要があるみたいね?

「ところで何かあったのですか?何か深刻なお話のようでしたけど?」

……そうね、小竜姫さんも一応神様だし相談してみようかしら
ここは正妻らしく余裕のある態度を見せ付けるのよルシオラっ!

「ええ…実は…」


「……なるほど。元いた世界との歴史のズレが大きくなっているのでは
ないか、ということですか」

「ええ、その辺の処はどうなんでしょうか?」

事情を説明した小竜姫さんは少し考えるようなそぶりをしてる
こういうところはやっぱり真面目な人なのよね…

「結論からいいますとルシオラさんと横島さんの懸念は当たっています。
ですが、この件に限って言えば然程大きな問題ではありません」

「どういう事っすか?」

「歴史や時間には修正力というものが働きます。大きな事件や歴史上
重大な意味を持つ出来事は、幹となる世界から派生した時間軸では必ず
起こりますし、それを防いだとしても別の同じような事件が起こり
歴史の大まかな流れに変わりは無いようになっています。ですから
逆に言えば小さな事件や歴史上あまり大きな意味を持たない出来事は
多少の時間がズレて発生しても何の問題もありません。それこそ
数年単位のズレでさえも、歴史の流れからみれば極僅かな差でしか
ないのですから」

「つまり今回の事件は然程大きな問題ではないと考えていいのですか?」

「ええ、そう考えて差し支えありません」

そう断言する小竜姫様を見てヨコシマは安心したように
ベッドに寄りかかった。

「なんだ…あれこれ心配して損した」

「安心してくれたみたいですね…所でルシオラさん


――その「いたりあ」という処にはどの位滞在する予定なのですか?」


……何を期待しているのかしら?小竜姫さん?


「ええ…大した事件でもないようですのですぐに帰ってくる予定ですよ?
――それがなにか?小竜姫さん?」

「ええ…もし何でしたらその間は横島さんの修行は私が見て差し上げようと
思いまして……いかがですか?横島さん?」

「マジっすか?是非ともよろしギラリいえ小竜姫様のお手を煩わせる
のは心苦しい限りですので

「あらそんな遠慮は無用ですよ?…お忘れですか?私も横島さんの
師匠なんですから弟子の修行を見るのは当然のことです」

「いえいえ妙神山の修行場の管理もお忙しいでしょうからヨコシマの
事は私におまかせくださいな…管理人さん

油断も隙も無いとはこの事ね…
そんな見え透いた手がこの私に通じるとでも思っているのかしら?

「妙神山のことなら心配ありませんよ?此処10年修行者の影も
形も見当たりませんからご心配には及びません。横島さん一人位
私がまんつーまんで面倒を見させてもらいます。ルシオラさんは
心置きなくいたりあでお仕事頑張ってください」


――ふ、ふふふふふ…どうやら私たちは言葉では分かり合えない
哀しい宿命を背負っているみたいね……


――いいわ


ならば別の方法で語り合いましょう小竜姫さん


主に拳でね


「――小竜姫さん、一寸お話がありますので場所を
変えませんこと?」

「ええ、私もルシオラさんにお話したい事がありますので
構いませんよ。

……そうですね

――修行場の異空間などいかがでしょうか?

邪魔も入りませんし


「ええ、結構ですわ…ヨコシマ、一寸小竜姫さんとお話してくるから
先にお風呂に入ってまっててね♪」

「ハイイッテラッシャイマセ」

とっても素直に機械のようにお返事してくれたわ♪

「……永いお話になるかも知れませんね?」


あらあら、こんな所で剣を抜いちゃだめですよ小竜姫さん?


――時間はたっぷりあるんですから慌てることはありませんことよ


   続く


はい皆様こんばんわ

(´ω`)でございます

リスタート第十一話をお送りいたします

前回のあとがきで申し上げました通りピート氏の登場です
先に申し上げておきますとピートとブラドー伯爵はかなり
かっこよくシリアスに描きます(予定)のでこの話に限っては
原作をかなり改変し逸脱してしまうかもしれません
小笠原エミさんとピートの絡みの関係上どうしても
必要な処置とご理解いただきますようお願い申し上げます

以下レス返しです


Grenade様
しょっぱなから紳士協定を
仏血義理ですがあくまで演出ですのでご安心くださいませ

EFF様
危険度S+に恥じない活躍を小竜姫様にご期待くださいませ

BLESS様
あくまでも建前です。ええあくまでも。

アルマ様
お初でございます
ちょっと小竜姫様とルシオラの絡みがシリアスに
なりすぎたので猿神さまに頑張ってもらいました

wata様
早速の小竜姫様VSルシオラ様の戦いを
お楽しみ頂けたようなら幸いです

パチモン様
仏教の教えでは欲を戒めはしてますが否定はしていませんのでと言い訳してみる
パチモン様も連載頑張ってください。楽しみにしています

鳳仙花様
そういわれると何かもうそんな昔なんだなぁと
時代を感じてしまいます

万々様
やはり原作が秀逸ですから此処まで愛されるんですよね
(´ω`)もGSは全巻揃えています

冥様
次回はもしかしたらギャグ落ちにならないかもしれません

梨紅様
読まれてましたかorz
良い意味で期待を裏切るというのは難しいです

レンジ様
今回の話書くのにwikiが大活躍でした

寿様
たしかド○ゴン○ールのED…でしたよね?

俊様
そういえばメドさまは横島から生まれ変わったんですよね
うーん…どう話につなげましょうかねぇ

ぽと様
次回のオチはもしかしたら期待できない…かも

BULAVO様
NT様は沢山のすばらしいSSがありますので
じっくりとお楽しみくださいませ

ナオト様
ヒャクメは暫くの間放置するかもしれません
ちょっと話のどの部分に組み込むか模索中です

葉っぱの河流れ様
猿神様は前回オチ担当でしたが
もちろん見せ場も考えておりますのでご期待ください

名称詐称主義様
横島は現在まだ中学生なのでじっくりと地力を作る期間にあてる時期と
解釈してますのであまり新能力というのは思いつきませんでしたね

内海一弘様
このSSでは神父の砂漠化は余り深刻化させないように
したいと考えていますが恐らく不可能…かな

イニシャルSS様
小竜姫様は早速動いてますので
ルシオラにも頑張ってもらいました

ラーメン大王様
もう二つか三つ話を考えていますのでそれが
終わってから原作の年代に行くと思います

kichi様
ご期待に添えたようで何よりです

箒柄様
御指摘ありがとうございます
今回それを踏まえて書き上げてみましたが如何でしょうか?

アイク様
あまり安易なハーレム展開にならないように注意したいですが
今後の展開次第ではもしかしたらもしかするかもしれません

趙孤某様
ブッちゃんだって実h(宇宙意思により内容が削除されました

クレイドル様
どうぞお体をご自愛して復調してから
お楽しみ下さいませ
ご声援ありがとうございます

アミーゴ様
このSSはルシオラーの皆様の期待を裏切らないように
お話を進めていきますので足元すくわれることは無い…と思います

十六夜様
はんにんは小りゅ(へんじがないただのしかばねのようだ

月夜様
月夜様の作品も楽しみにしておりますので頑張ってください
夜の修行ですかうーん…難しいですねぇ
いや何のことかさっぱりですg


いつも沢山のご意見ご感想誠にありがとうございます

皆様のご声援を糧に遂に10話の大台を超える事ができました
今後ももう暫くのお付き合いを頂けたら幸いです

ではまた次回のあとがきでお会いいたしましょう

おやすみなさいませ

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