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▽レス始

「リスタート 第十話 (GS)」

(´ω`) (2007-05-16 00:42)
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5月3日 PM09:00


妙神山――


「老師、横島さんとルシオラさんをお連れしました」

「入れ」

修行場居住区の居間

そこに人民服を来た猿――斉天大聖孫悟空はいた

「2人ともよう来た。まあ座るがよい。小竜姫、茶を持て」

「はい」

小竜姫は下がり、部屋には猿神、横島、ルシオラだけになった

――因みにヒャクメは報告の為、天界に戻っていった

「さて…まずそこの嬢ちゃんは初めてじゃの。この妙神山修行場の主、
ハヌマンじゃ。他にもまぁ色々呼び名はあるが嬢ちゃんの好きに呼ぶがええ…
……そしてお主は久しぶり、でいいのかの?横島?」

「……お久しぶりです老師」

「まあそう構えるでない。別にお主等を如何こうする為
に此処に呼んだ訳でないからの」

「…始めまして斉天大聖老師。ルシオラ=蛍=芦と申します」

「おお、其方の嬢ちゃんは落ちついとるのう…

――流石魔神の娘という処かの?」

ハヌマンの瞳に探るような光が宿ったがそれも一瞬であった

「…ご随意に」

「…まあ楽にするとええ。小竜姫が戻ってから話をするとしよう…


――じっくりのう」


――リスタート――
  第十話


突如横島の部屋に現れた2柱は挨拶を済ますと、
横島とルシオラに妙神山で猿神が待っている、と告げた
ルシオラは突如現れた予期せぬ客に当初警戒したが
横島が行こうと言うのでとりあえず従った


「さて…今日此処にお主等を招いた理由じゃが…
"心当たり"がついとるとでも言いたげな顔じゃの?」

小竜姫が淹れた茶を一服して猿神はそう切り出した

「…いつ俺達のことを?」

「おぬしがこの時間軸…いや、もうお主等にとっては
平行世界じゃな――流れ着いてきてすぐの事じゃ
小竜姫にの、未来の記憶が飛び込んできた――
そうじゃの?小竜姫?」

「はい、2ヶ月ほど前、突如私の中に"知らないはず"の
私の映像が流れ込んできました」

「小竜姫様に!?」

「ええ、その中の記憶は主に横島さん、貴方に関する
物が多く有りました。その記憶の中で私は…その…
横島さんに竜気を授けていました…」

GS試験に自分の配下を潜入させたメドーサの企みを
暴くため、横島もGS試験に臨むことになった"あの事件"
――あれこそが横島の転機とも言えるだろう出来事
そしてその時、小竜姫は自分のバンダナに竜気を授けてくれた


――その唇で


「まさか…でもあの後心眼は…」

雪乃丞との戦いの最中、自分を庇って消えた
最初の師匠とも言える存在
――横島の胸に僅かな痛みと悼みが去来した

「確かには私はあの映像の中でバンダナ越しに…りゅ、竜気を
授けました。しかし厳密に言うと、バンダナ越しに貴方の"体内"に
竜気を吹き込んだのです。吹き込まれた竜気は横島さんに眠る
霊気を呼び覚ます触媒となり、吹き込んだバンダナに残った
僅かな竜気が横島さんの霊気と呼応して"心眼"という存在が
生まれたのです」

「じゃあもしかして俺の体内には?」

「何の影響も為さない極僅かな量ですが…私の竜気が眠って
いたのです。そしてその竜気が私に"還って"きました…
――横島さんの記憶と共に」


記憶と共に
ルシオラはその言葉の意味をどう取れば良いのか量りかねた

額面通り捉えるべきかあるいは…

「…何故私たちの事が解ったのかは今のお話でよく解りました。
――私達を"お招き頂いた理由"も教えていただけませんか?」


ルシオラは自分で質問しておいて可笑しくなった

そんな事は解りきっている
横島の記憶を知ったという事はあの戦い
――将来必ず起こるであろう、自らの創造主が巻き起こす"反乱"
自らの"存在意義"に耐えられなくなった哀しき魔神がこの世界の
"理”に昂然と反旗を翻したあの戦いに関係しているのは明白だった


――だが


「理由、か…そうじゃの…"自分が教えを授けた弟子"が
"こちら"に来て何を考え、成そうというのかを知りたかった。
…という理由ではいかんかの?」

「「は?」」

「おそらく嬢ちゃんはあの戦いの事が"理由"である、と
思うておるであろうが…それは"ワシの"中では一番小さな
理由――建前と言ってもいいの…その程度のモノよ。
――ワシはこう見えても仏道に帰依した仏の弟子じゃ。
…余り出来はよくないがの。
――仏の教えの中にはのう、一切有理・一切供為という
言葉がある。この世界で起こる全ての事象には例え
どんな瑣末な事でも理由があり、その一切が仏のお導き…
お主等が"此方"に流れて来たのも必ず何か理由があり、
仏の導きであるという事よ。

――その証左に"あの方々"も、主等の事は「お構いなし」
という通達が来た。つい昨日の事よ」

「「っ!!」」

予想外、といえば予想外である。"あの方々"というのは
おそらく最高指導者達の事だろう。事態の大きさを
考えればそこまで報告が上がるのも無理は無い。
しかし「お構いなし」とは…

「あの…神魔双方の最高指導者は…アシュさ……
…アシュタロスの"反乱"に何か対策を考えているのですか?」

「さあ…"あの方々"のお考え等ワシでは思いもよらぬ…
だがお主等に関しては一切掣肘を加える必要は無いとの
お達しが来た。あちらではあちらの考えがあるのだろうて…
我らがあれこれ思考を巡らしても詮無い事よ」

確かに猿神の言う通りである。最高指導者達の考えなど
自分達では想像するだけ無駄である。
――そして自分達がどのように行動しようとも…
ならば自分達は"汝らの思う処を為せ"の言葉に従うまでだ


それぞれの自らの"思う処"を模索し、室内に沈黙が降りる


「さて…小僧、ちと此方に来い。お主と話があるのでな
…蛍の嬢ちゃん、ちと小僧を借りるぞ。
――小竜姫と娘同士の"積もる話"でもしておってくれ」

猿神が"意味深"な言葉を残し、横島を連れて自室に
戻ると室内にはルシオラと小竜姫の2人だけになった


――形容しがたい沈黙を破ったのは小竜姫だった

「ルシオラさんは――」

「え?」

「ルシオラさんは…横島さんへの"想い"と
自分の"存在"を秤にかけて…
――後悔は無かったのですか…?」

我ながら馬鹿な質問だと思う
――だが聞かずにはいられなかった

「後悔…ですか……そうですね…あの時は後悔は
無かった。でも…」

「でも?」

「もし今もう一度"あの状況"になって…自分の思いの
ままになっていたら…後悔したと思います」

「…何故?」

「――ヨコシマが悲しむから」

そう、もし"もう一度"あの状況になって添い遂げたら
――横島は必ず慟哭の涙を流すだろう。
それはルシオラにとって絶対にやってはいけない事
――既に自分は彼を慟哭させているのだから

「だからもっと別の方法を考えます。
私もヨコシマも幸せになれる方法を」


ああ

――そうだったのか


そういって微笑むルシオラの顔を見て小竜姫は自分の
勘違いに気付いた。

私は"傍観"してたんじゃない
"気付かない振り"をしてただけ


"逃げていた"だけだった


――自分の"存在の在り方"と"立場"を理由にして
自分の気持ちにすら素直に向き合えなかった臆病者


勝てなくて当然、いや

――最初から"勝負にすら"なってはいないではないか


「…泣いているの?」

「え?」

自分が泣いて、涙を流している事すら気付かなかった

何故泣いているのか?
その"理由"からすらも逃げようとしている自分が
情けなくて悔しくて

――搾り出すような声で言えなかったモノを吐き出した


「私はっ!私は自分がこんなに情けなくて臆病な存在だった
なんて考えもしなかったっ!最初から逃げていただけのクセ
に"あの人"の心を掴み取った貴女に嫉妬してっ!それすらも
なんでもないような顔をして"自分自身"をごまかしていたっ!
あの人の心に永遠に住み着く事を許された貴女に逆恨みの様な
嫉妬を抱いてっ!自分で逃げていたのにその資格を失った事を
貴女のせいにしてっ!なんで貴女なの?何故私じゃダメなの?
そんな事を考えて貴女を妬んでっ!憎んでっ!羨ましがってっ!
そのクセ自分では何もしようとしなかったっ!いつか心の傷が
癒えた"あの人"は私を見てくれるっ!いつか貴女を思い出にして
私の許に来てくれるっ!そんな都合のいい、自分勝手な事ばかり
考えていたっ!自分の在り方と立場を言い訳にしてっ!そんな
浅ましい事ばかり考えていたっ!」


"あの時"あの記憶を見たときに"私が"自覚したどろどろとした澱み

その全てを本来向けてはいけない、向けられる謂れの無い人に
向かって全て吐き出した

情けない

これが神族か

これが武神か

私はふと、堕天したかつての同胞を思い浮かべた
もしかしたら彼女も今の私と同じような思いを抱いて
自らの存在を貶めたのかもしれない
そんな事を考えてしまった

「…私もね」

――?

「私も前に今の小竜姫さんと同じような事を
ヨコシマにぶつけたの……なんだか私たち、似た者同士ね」

何故?貴女がこんな醜い感情を持つ必要は無い筈…

「私は美神さんに嫉妬して…逆恨みしたわ
――ヨコシマに最も近くて最も強い縁で結ばれてたあの人に」

――!!

「小竜姫さん」

「…はい」

「ヨコシマの事、好き?」

「――はい」

ああ

やっと私は自分の気持ちに素直に口にする事が出来た
もう大丈夫
これだけで充分「私、負けないわよ?」――?

この人は何を言っているの?
私は本当にわからなかった

「今日から貴女は私の"恋敵"よ?
あーあ…美神さんに続いて2人目だわ…嫌になっちゃう」

「ルシオラ…さん?」

「――本当はね、すっごく悔しいけど貴女の事"恋敵”と
認めるわ。フェアにいきましょ♪勿論今のところ私が
ぶっちぎりでリードしてるけどね♪」

何故この人はこんなに嬉しそうな、優しそうな顔で
こんな事が言えるの?

「……私今すごく幸せなんです。ヨコシマが傍にいて
ヨコシマが隣でバカなことして、私に笑いかけてくれて
――私を愛してくれて」

「ヨコシマの事好きな人がいても許せちゃうくらい私は今
――幸せなんです」

「だから正々堂々と戦いましょ?」

そう言って握手を求めてきた

「――いいのですか?余裕綽綽にしていると足元を
掬われますよ?」

差し出された手を強く握る

「あら?私は世界に反旗を翻した魔神の娘ですわよ?
望む処ですわ。そちらこそ油断していると他の子に
追い抜かれてしまうかもしれませんわよ?」

にっこりと笑って握り返してくる

「私は誇り高き竜神族の武神、小竜姫です。往かせも
引かせもさせません」


そう

私は神族で武神の小竜姫

そして好きな殿方を恋敵と競い合うただの小竜姫

自らの名前に懸けて"恋敵"に背など向けるものですか

覚悟してくださいね?


竜は情が深いのですから


――横島さん


「で、何時なんじゃ!?いつこのゲームステーションとやらは
発売されるのじゃ!?」

「まだ何年も先の話っすよ!」

「ぬうう待ち遠しいのう…横島、お主の文珠で何とかならぬか!?」

「無茶言わんで下さいっ!!」


横島が高校入学頃までの我慢です。闘戦勝仏様


こんばんわ
(´ω`)でございます

リスタート第十話をお送りいたします

今回はもう見ての通りです
予想通りの方もいらっしゃると思いますが
パターンというのはやはり話の構成する上での大事な
ファクターだと思いますので偶にはいいですよね?


では以下レス返しです

ケイチャン様
ご声援ありがとうございます
これからもよろしくお願いします

アト様
この後は一部除いて原作準拠で行こうかと考えております

アミーゴ様
ルッシーを泣かせる事などあり得ません
お怒りに触れる事は(ry

パチモン様
楽しく拝見させていただきました
続きを楽しみにしております

万々。様
タイガーは話を構成するのが難しそうですねぇ…

金平糖様
優しい美神さんというより
ツン分が減ってデレ分が増量した美神さんですね。コレ最強。

鳳仙花様
だってヒャクメですから

寿様
(´ω`)は一緒に入ってる菊の花が好きです

鹿苑寺様
黒化というより「うらめん」ですね

ナオト様
お初でございます
これから暫く三つ巴…ですかねぇ

ラーメン大王様
もうしばらく中学生編?をお楽しみ下さいませ

nanasi様
アシュの今後の行動については…
Zzz…

春風様
ヒャクメはエピソードが少ないので
扱いがなんとも…

亀豚様
続きをお楽しみ頂ければ幸いです

蒼様
極僅かな差で小竜姫が勝利か?
いや何の事かわかりませんggggggggggg

もげ様
人ソレを抱き合わせ販売t(検閲により削除されました

内海一弘様
記憶に関してはこんな所で納得していただければ幸いです

俊様
今後は記憶を持ったキャラというのは基本的に
出てこない…と思います

wata様
2ヶ月空いたのは上からの回答を待ってたという事で
解釈していただければ幸いです

チョーやん様
お帰りなさいませ
そしておやすみなさいませ

レンジ様
ルシオラはカッコかわいいという路線もあり・・・かも

エセ様
百合子の遺伝子ですか
確かに勝っても良いと思うんですけどねぇ…何故でしょう?

Grenade様
期待に添える展開だと思いますが
いかがでしょうか?

趙孤某様
趙孤某様の続編もwktkして待っています
頑張ってください

yuju様
刺身だけ食べる主義ですので(ry

ワック様
GMですか…うーん…
難しいですねぇ


いつも沢山のご意見ご感想誠にありがとうございます

ではまた次回のあとがきでお会いいたしましょう

おやすみなさいませ

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