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「リスタート 第八話 ちらしのうら (GS)」

(´ω`) (2007-05-14 00:04)
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4月6日 PM15:20

――唐巣教会


「横島君、美神君。入学おめでとう。修行同様に学業も頑張ってくれたまえ」

「「ありがとうございます」」

年度も改まり、横島と令子はそれぞれ中学と高校に進学した。
横島は真新しい詰襟に身を包み、"少しだけ"大人びた印象になり、令子は六道学園の
中等部から高等部へ進学して、其れまでのセーラー服からブレザーに装いを改めた。

「セーラー服は惜しいっ!しかしっ!高等部のブレザーも捨てがたいっ!
ああっ!今日この節目の日を俺は喜ぶべきか悲しむべきなのかっ!?
発展途上のその青い果実の中で僕に答えを教えて下さいみがぶべらっ!!」

「発展途上で悪かったわねっ!!!!!」

"あの"美神令子を髣髴とさせるコークスクリューを叩き込む令子の顔は
怒りの形相ながら僅かに朱に染まっていた

「あーそうそう美神君、ルシオラ君から入学祝を預かってるよ」

最近の恒例行事に成りつつあったので唐巣は軽く流して美神に
ラッピングされた小さな箱を手渡した

「入学祝ですか?……これは…指輪?」

丁寧にラッピングを解いて箱を開けてみるとそこには
一見何の変哲もない幅の広めな飾り気のないシルバーリングだった

「あーそれ、美神さん用にルシオラが作ってた指輪っす」

いつの間にか復活していた横島が横から説明する

「私用に?……じゃこれが…」

「俺のバンダナと同じッす。仕掛けも効果も同じっすよ」

シルバークレイにルシオラの魔力を付与し、銀本来の力を
増幅して指輪の裏側に霊力抑制の結界魔法陣を刻印した逸品である

「ほう…これは見事だ…これもルシオラ君が?」

「そうっす。あ、俺も少し手伝ったっす」

横島の手伝いとは美神の人差し指のサイズを目測で計った事である
……それは機械で計ったように正確無比であった

「そう…ありがとう横島君」

笑顔で礼を言う美神に横島のハートが少しだけズキュンと鳴った

「はははっ美神さんの為ならお安い事っす」

照れ隠しにそう笑う横島だった

「そういえばルシオラさんは?キチンとお礼を言わないと…
今日は来てないんですか?神父」

「ああ、ルシオラ君は今日は一人で除霊に行ったよ。
自分だけで除霊を行うのも判断力を養うための修行だからね」


――リスタート――
   第八話

同時刻
――都内駅前の某パチンコ店前


――キュピーンッ!

「ん…?…何故か無性にヨコシマに"お仕置き"したくなったわ…」

今日の除霊――パチンコ屋に現れた悪霊を精神感応で大当たりの幻影を
見せて成仏させた――を終えて帰ろうとしていたルシオラは、横島が
正に美神のコークスクリューで宙を舞った瞬間、横島にガゼルパンチを
お見舞いせねばという衝動に駆られた。

「……まあいいわ」

V−MAXのエンジンを掛ける

――キュピーンッ!!

「……戻ったら絶対"お仕置き"しなきゃ…ふふっ…ヨコシマったら…
美神さんも流石ね、チャンスは逃さないって所かしら…?」

黒い"ナニカ"を纏わせたルシオラが小さく"哂う"
……表情は見えなかった

美神の笑顔にハート(心)をヒットされた横島はまさかこの時、次は
ルシオラに自分のハート(心臓)をヒットされるとは思わなかったであろう……

「そうね…ヨコシマにも"入学祝"をあげないとね……ふふふっ…
そう思いますよね?


――美智恵さん?」


振り向かずに後ろに向かって声を掛けた背後には
トレンチコートを羽織った妙齢の美女

――美神美智恵がそこにいた


「……気配は消してたつもりだったけど、意味は無かったみたいね?
ルシオラ=蛍=芦さん?」

「いいえ、この距離になるまで悟らせないなんて流石"美神"さんが
目標にするだけのことはありますわ、"美智恵"さん。…ここ数日
私達を観察してたみたいですけど、どういった心境の変化ですか?」

少し油断してたかしら?まさかここで接触してくるなんて…
どうやってやり過ごそうかしら…?

「なんだ、やっぱりバレてたんじゃない…もう年かしら?…


――近くにケーキの美味しいお店があるの。寄って行かない?」


ルシオラは素直にその申し出を受けた


PM03:30

――都内駅前の某喫茶店


タイプも年齢も違う二人の美女の前に
紅茶とケーキが運ばれてきた

「…それで今日はどういったご用件でしょうか美智恵さん?
まさかこんなところで"先日"の意趣返しとは思えませんが?」

穏行結界を展開して用件を切り出すルシオラ
これで周りから彼女達は認識されない。無論会話の内容も

店内の人間は皆一般のお客であることは間違いない。
紅茶とケーキにも何か仕込まれてるという風でもない
――最も自分に毒物など無意味だが

ルシオラは美智恵の意図を量りかねていた


「あら、そんな"昔"の事を愚痴る程、私は自分を安売りしないわよ?
ルシオラさん?」

――ピクリ

カップを持つルシオラの手が止まる

"昔"――
今この人はたしかにそう言った。"昔"?10日かそこら前の出来事を?
――まさか


「その様子だと、どうやら私の事は知っているみたいね…」

「一つ確認しておきますわ…貴女が私と六道家で会ったのは"何日前"かしら?
――"貴女の時間"で」

「そうね…もう"5年"も前になるかしら?」

――そういう事か

「――"どうなったか"は聞きません。でも一つだけ質問を宜しいですか?
……"隊長さん"」

「……なにかしら?"魔王の娘"さん?」

「なぜ"全てが終わった"貴女"が今この時間の私の前に姿を現したのですか?」

そう、全てが終わったならここに現れる必要はない

「貴女と二人きりで話がしたかった…という理由じゃダメかしら?」

「会話の中身次第ですわ」

「……私の中には二つの未来と過去の記憶がある」

カップから立ち上る香気を堪能しながら今日の天気の事を話すかのような
口調で美智恵はルシオラに小石を投げかけた

「一つは恐らく貴女にとって私を"隊長さん"と読んだ方の"過去"でしょうね…
――其れとは別の私が"体験した"貴女が知らない"過去"が今の私…の筈なんだけどね」

投げられた小石はルシオラの思考に波紋を作り…
――波紋は一つの回答の岸辺にたどり着いた

「…貴女を"隊長さん"と呼んだ"未来"にはもう行かないわ。私が"ここ"にいる時点でそれは
もう平行世界の話なんだから」

「ご理解頂けた、という事でよろしいのかしら?」

「"美智恵さん"がここにいる理由ですか?それとも私と話がしたい、と言っていた方かしら?」

「貴女本当に頭がいいのね」

降参、とでも言うように美智恵は嘆息を付いて背中をソファーに預けた

「私が知っている方の"過去"は徐々に美智恵さんの記憶から消えていくでしょう。
今はいわば上書きされていく過程の段階の筈ですから」

「ええ、だからこそ私は貴女に会いたかった…この"未来"の記憶があるうちに、ね」

「何故?」

「お礼とお詫び…いいえ違うわね…自分自身の免罪の為、と言ったら貴女は怒るかしら?」

「……」

何も言わずに紅茶を口にするルシオラ。その表情は美智恵には量りかねた

「"これから"の事は言わないわ。必要ないし貴女も望まないだろうから。
でもね、これだけは言わせて頂戴


――ありがとう。そしてご「"あれ"は私自身がヨコシマに望んだ結果です」…」


「あれはヨコシマが、ヨコシマの中で"私"を"世界と等価"だと
私に証明してくれた大切な"過去"です。お気持ちはありがたいですが


――それ以上は"私とヨコシマ"に対する侮辱です


……"それだけ"は許さない」


そう、"それだけ"は――

「…貴女に会いに来て良かった」

許してくれた、許された
そんな卑しい事を考えてた自分が恥ずかしくなってくる

美智恵は傾けたカップの中に感じた微かな塩気を噛み締めた


ルシオラはそんな美智恵の顔を見ない振りをしてあげた


自分も同じような顔をしてたから


――PM05:50


「すっかり時間を取らせてしまったわね」

「いいえ、ケーキ、ご馳走様でした」

喫茶店から出るとそろそろ太陽が西に傾きかけていた

「これからどうなさるんですか?」

「南米にいる夫の所でゆっくりと過ごすわ…
――令子に妹か弟をプレゼントしてあげたいの」

美智恵の顔が赤いのは多分夕日のせい、ではない

「――素敵ですね」

「ルシオラさん」

「はい?」

「娘を…令子をよろしくお願いします」

「……はいっ!」


頭を下げる美智恵が令子に
――プライドよりも母に近づくことを優先させた
あの時の令子が重なって見えた

将来の最大の恋敵の事だがルシオラは快く返事をした


「ありがとう…
――でも貴女苦労するわよ


……横島君のことで」


――ピシリ


「美智恵さん


――その話"ゆっくり"と聞かせてもらえないかしら?」

顔に影が掛かり表情が見えないルシオラが
美智恵の肩を"優しく"掴んだ

「え?あ、ああ未来の事は聞かないんじゃなかったかしら?」

「気が変わりました…


じっくりとご教授願いますわ」

「え、えーとほ、ほら飛行機の時間もあるしぃ♪
ま、また今度ねー♪」

美智恵はそそくさと捕まえたタクシーに乗り込んで
運転手に早く出てと催促する

「あ、ちょ、一寸待ちなさいっ!どうなの!?
私とヨコシマの輝かしい愛に満ちた未来はどうなったのよぉぉぉぉぉ!?」


「愛は掴み取るものなのよルシオラさん…
――まぁ敵が強大で多いほうが燃えるでしょ?」


ルシオラの絶叫が夕暮れの駅前に木霊した


   続く


作者注 リスタート本編とは"余り"関係ございません(゜∀゜)


草木も眠る丑三つ時

1日の"修行"を終えた横島は安らかな寝息を立てて眠りに付いていた

その隣でルシオラは熱心に"敵"の"戦力分析"と"対策"を練っていた

「敵を知り己を知らば百戦危うからずよ…
見てなさいっ!絶対に負けないんだからっ!!!」

敵の情報を分析しつつルシオラは
窓の向こうに浮かぶ"まだ見ぬ敵達"に向かって吼えた


――リスタート――
 ちらしのうら


「るしのーと♪みたら実験するわよ♪」

ヨコシマはモテる
本人は気付いてないけどその気になれば"選りどりみどり"なのは
私は"見ていた"から知っている

冗談じゃないわっ!!!!

今度こそ、今度こそ私はヨコシマと愛に満ちた未来にレッツゴー!なのよ!
その為にはこの際"多少"の浮気は仕方ないわ…
でもそれは私の掌の上での事なんだという事を
"敵"に思い知らせてやらないとっ!!

え?その前にヨコシマをなんとかすればいいって?


――ふう……


想像してみなさい

――セクハラをしないヨコシマ
 ――美人を見て飛び掛らないヨコシマ
――海やプールでナンパをしないヨコシマ
 ――覗きをしないヨコシマ
――下着を盗まないヨコシマ


想像できたかしら?


そんなものはウソよっ!!!!


大体何かの手違いでヨコシマが"そんなの"になったら

それはもうヨコシマじゃないわっ!ニセモノよっ!!

大体DNAがDNAなんだからそんな事自体ありえないのよ

なら私の目の届く範囲でヨコシマを遊ばせれば良いだけの話だわ

それには私は魔族よ?一夫多妻が当たり前なんだから♪

いよいよ最後の手段を使わなきゃいけなくなれば

私が正妻なんだと周りに認めさせれば良いだけの話よっ!

いいえむしろその方が現実的だわっ!!


とゆーワケで敵の分析を始めましょ♪

え?それは敗北主義じゃないのかって?


――実験するわよ?


人界編


美神令子 人間

間違いなく最強の敵だわ
たとえ他の女10人を諦めてもヨコシマがこの人を
諦めるとは思えない。共存は覚悟しなきゃいけないわね…
でも正妻の座はぜ・っ・た・い・に!譲らないわ!!!!

危険度 SSSSS ダメ、絶対


氷室キヌ 人間(幽霊?)

うーん…おキヌちゃんか…
この子はヨコシマもお世話になったしなぁ…
それを差し引いても生き返らせてあげたいわ
ヨコシマの泣き顔は見たくないしね…
まぁこの子なら"話し合えば"折り合いも付くでしょ

危険度 A+ 話し合いましょ♪


犬塚シロ 人狼

シロちゃんはヨコシマの弟子なのよね
師弟愛が男女のそれに変わるのなんて簡単だわ
でも私はヨコシマの師匠なんだからシロちゃんから
すれば大先生なワケだからその辺から道理を説けば良いわね♪

危険度 B- 大先生の言いつけは守りましょう

タマモ 妖狐

この子は大丈夫ね
たしか人間の男の子…真友君だっけ?
その子と良い雰囲気っぽかったし
ヨコシマに向く事はないでしょう

危険度 E- 安全牌


愛子 九十九神

愛子さんか…
この子は共存できるわね
お互いに人間じゃないし、その辺も暗黙の了解ってやつ
で解ってくれる筈……よね?

危険度 A- お互い人間じゃないし、ね?


ピエトロ・ド・ヴラドー バンパイアハーフ

…………………………………………
…………………………………………
…………………………………………
私疲れてるのかしら?

危険度 論外 一寸疲れてるのね…


小笠原エミ 人間

ありえないわね
ヨコシマの事美神さんの玩具程度にしか
思ってなかったっぽいし
ピートさんにさっさと引き取ってもらいましょ
なんなら手伝ってあげても良いわよ?

危険度 F- ピートさんとお幸せに


六道冥子 人間

この子の場合本人よりも
あのお母さんが問題ね。まぁこの前の事で
"解ってくれた"と思うから大丈夫…かな?

危険度 D+ 問題はお母さん


魔鈴めぐみ 人間

この人はちょっと解らないわね…
母性本能くすぐるタイプに弱そうだし
できれば西条さんとくっ付いてほしいけど…
うーん…保留!

危険度 C+? 現在保留中


花戸小鳩 人間

この子は危険だわ…
例えるなら胸のあるおキヌちゃんよっ!!
一時的とはいえヨコシマと結婚もしたって話だし…
う、うらやましい…要注意ね!

危険度 S ダークホース


神魔族編


小竜姫 竜神族

ふふふっ…私の目はごまかせないわよ?
神族とか魔族って基本的にほぼ無限の寿命を持つから
恋愛なんかも結構ゆっくりとしたペースで進むのよね
バンダナ越しとはいえヨコシマにキスしたって事は…
本人的にはかなりヨコシマを意識してるって考えても
いいわ…褒められてまんざらでもないって顔してた
みたいだし…しかも彼女の事ヨコシマは美神さんとは別の
次元で特別だっていう意識もあるしね
もしかしたら彼女が一番危険かも…
早いうちにわ・た・し・がっ!正妻だって事をキッチリ
教えておかないとね♪
まぁ仲良くしましょうね♪

危険度 S+ 正妻は・わ・た・し♪


ワルキューレ 魔族

この人は特にヨコシマに恋愛感情もってたって
感じじゃないわね。共に戦った戦友って感じかしら?
でもそういうのが何かの拍子で恋愛感情に発展するとも
限らないワケよね…その辺に注意ってトコロかな?
まぁそうなったらそうなったで話せば解りそうな
タイプの人だし共存は可能ね。魔族同士だし。
ある意味では安全かしら?

危険度 B+ 魔族同士仲良くしましょ♪


ヒャクメ 神族

まぁ……この人は大丈夫ね
ヒャクメさんだし影薄いし。
この人に私とヨコシマの中を
覗かせない事の方がよっぽど重要な問題だわ
何か対策考えておかないと

危険度 E- 覗き対策の方が問題


「……ふう」


ノートを閉じて私はため息を付いた
やっぱヨコシマってモテるわ…
この他にもアンドロイドやら化け猫やら食人鬼やら乙姫様etc…
恋人としては鼻が高いのやら心配の種なのやら…
唯一救いなのは本人が気付いてないって事よね

…でもヨコシマを好きになる人って個性的な人が多いわね
そういうタイプの人を惹きつけるフェロモンでもあるのかしら?
知的好奇心をそそられるわね…
カイボーしちゃおうかしら♪

「…ん……」

ヨコシマが寝返りを打って布団を蹴飛ばす

「あらあら…」

布団を掛け直してあげて頬に軽くキスをする

「…かわいい寝顔♪」

もう暫くは私が独り占めしていいのよね♪
そんなことを考えて私も目を閉じる


ヨコシマの隣に来るつもりならいつでも来なさい
私がヨコシマの一番なんだって事を理解した上で、ね♪

今はまだいない"恋敵"達にそう宣戦布告して眠りに付いた


おやすみなさいヨコシマ♪


  おしまい


みなさまこんばんわ
(´ω`)でございます

第八話+ちらしのうらをお届けします


第八話ですが今までの話で一番の難産でした
あまりの難産に頭の中に○ードマスター○マトが
思い浮かんでそのまま突っ走ろうかとまで追い詰められました

タイムパラドックスに整合性を持たせるというのは
不可能じゃないのかと思い知らされました

なので今回の話は矛盾だらけになっていると思います

これは中の人の力量不足の露呈に他なりません
いつも読んでいただいてる皆様誠に申し訳ございません

矛盾だらけで情けない事ですがこれが(´ω`)の限界なのだなぁと
ご理解を頂ければありがたい事この上ありません

矛盾だらけの中でも少しでも皆様に楽しんでいただけるような
展開に持って行きたいと思いますので何卒お見捨てなきようにお願い申し上げます

かなり脳みそが限界ですのでご感想を頂いた皆様には誠に申し訳なく、かつ
恐縮でございますが今回のレス返しはレスを頂いた皆様全てにこの場で
厚く御礼申し上げる事で代えさせて頂きます

いつも温かい御指摘ご感想に預かり誠に感謝に絶えません
皆様のレスが毎日更新を支える原動力でございます
今後も御指摘ご感想をどしどしお寄せ下さいます様心よりお願い申し上げます

レスを頂いた皆様本当にありがとうございました

ではまた次回のあとがきでお会いいたしましょう

おやすみなさいませ


…明日までに次話書き上げられるかなぁ…

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