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「栗色の髪の少女 横島! 第七話(GS)」

秋なすび (2007-05-11 19:52)
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──本作品にはTS要素が含まれています、注意してください──


「ぷっ…!くくく…きゃはははははっ!」


人々は寝静まり、どこからとなく微かに聞こえる猫の鳴き声。そんな静寂に包まれた深夜、煌々と明かりの点った、煉瓦造りの少しアンティークな事務所の屋根裏部屋に甲高い少女の笑い声が響き渡る。


「タマモ〜〜〜!お前もか〜〜〜〜〜!!」


その笑い声を全身に受け、激高に身体を震わせる、白と黒のツートンカラーの優雅な服装を身に纏った栗色の髪の少女が、足下まですっぽりと覆い隠すスカートを少し持ち上げながら、顔を真っ赤に染め上げ怒鳴る。


「くくく…いや、似合いそうだとは思ってたけど、実際に着てみると本気で似合ってるわね、ヨコシマ。でも、せっかくヘッドドレスも入れておいたのに着けてほしかったわ」
「〜〜!お前にも着せたろか〜〜〜!!」


俺は、この歩きにくさと恥ずかしさ満点なゴスロリ姿で、美神さんと共に命がけで妙神山から事務所に帰り、この仕打ちの真犯人がタマモだということが判明すると、復讐のためにタマモの眠る屋根裏部屋を襲撃していたのだ。
しかし、目を覚ましたタマモは俺の某第3ドールのコスプレ姿を見るなり爆笑し始めた。クールな少女が台無しだ。ていうか、お前がやらせたんだろうが!笑ってんじゃねぇよ!!


「ま、確かに似合ってるわねぇ」
「そ、そうですね…なんか、可愛いですね…」


そんな俺たち二人の様子を見ながら美神さんが何やら感慨深そうに言うと、おキヌちゃんも同意してしまった。
く…おキヌちゃんまで…恨むぞ?


「ぷくく…でも、ホントに似合ってるわよ?これからはそれで過ごせば?私は大歓迎よ?なんならもっと衣装増やす?」
「こんなんで歓迎されても全然嬉しくないわ!ていうか、またやらせる気か!!」


むき〜〜〜!言い合ってても埒があかん!!
俺はロングなスカートを持ち上げると、左足を上げ、厚底ブーツのヒールを未だに小刻みに身体を震わせ笑うタマモの頬に押しつけた。


「俺の受けた恥辱の数々!お前も味わうがいいわ!!」
ぐりぐり
「いひゃい!いひゃい!!(痛い!痛い!!)ひじょくひゃんけいにゃい!!!(恥辱関係ない!!!)」


痛がりながらも顔をにやつかせ、どこか楽しそうに反論するタマモ。
むっき〜〜〜〜!


「もう、こんな服、破り捨ててやる!!」


俺は癇癪をおこしたように怒鳴ると、自分の着ているブラウスの胸元に手をかけ、破ろうとした。


「あ〜〜!まった!まった〜!!」


すると、慌ててタマモが俺の手を掴み、止めにかかった。


「それ高かったのよ?せっかくおキヌちゃんのお金で買ったのに、破っちゃもったいないでしょ!」
「お前…おキヌちゃんに金使わせてこれ買ったのか!」
「は…ははは…そういえば、何故かお金が減ってるなって思ったら…」
「そんなことまでしてたのね…」
「だって、私お金あんまり持ってないし」


悪びれもせずにのたまうタマモ。どうやら美神さんに渡されたお金では全然足りなかったらしい。おキヌちゃんは笑顔の口の端をひくつかせている。
タマモ…お前、相当なワルだな!


「よし!おキヌちゃん!これからしばらくタマモにはお揚げ抜きだ!!きつねうどんきつね抜きだ!!いいな!?」
「きつねうどんきつね抜き!?うどんの唯一の存在意義が!!そ、それだけはいや〜〜!!!」


どうやら本気で嫌なのであろう、さっきの様子とは一変、涙目になって縋ってきた。
やはり、うどんはきつねしか認めないか。ちなみに俺はかき揚げが好きだ!


「あ…でも別にそこまでしなくても…」
「い〜や、だめだ!これから俺が居るときは、うどんを食べるタマモの前で俺が代わりにお揚げを食ってやる!」
「い、いや〜〜〜〜〜〜!!!」


想像したのだろうか、タマモは頭を抱え、この世の終わりでも来たかのような悲鳴をあげた。
いや…そこまで嫌か…?


「でも…「い〜い〜な!?」は、はい!」
「そ、そんな!ご無体な〜〜〜!!」


ふ…成敗…!
パジャマ姿で床にしなだれ崩れ落ちるタマモ、豪華なドレス姿で腕を組み胸を反り勝ち誇る俺。
と、端から見れば灰被りと意地悪な義姉(ん?見た目は義妹?喧しいわ!)を彷彿とさせるようなシーンを演出していると、今まで、まるで反応がなかった白い影がタマモの隣のベッドで蠢いた。


「んあ〜〜…うるさいでござる〜〜…」


シロが目をこすりながら、いかにも眠たいですよといった科白を吐きながら目を覚ましてきたのだ。


「あ…シロちゃん、ごめんね…」
「あんだけ騒いでたのに、よく今まで寝てたわよねぇ…」


おキヌちゃんが騒がしいわけじゃないんだし、おキヌちゃんは気にしなくてもいいだろう。
美神さんは、シロの神経の図太さに呆れているようだ。
確かに、お前ホントに犬神か?


「ん〜?せんせ〜…?」


シロは俺に気づいたらしい、半開きの目をこちらに向けてきた。
しかし、こいつ本当に目を覚ましてんのか?
寝崩したタンクトップにホットパンツという姿のシロ。寝起きゆえのゆったりとした、しなっと身体をくねらせる動作に少しドキッとする…
はっ!お…俺はロリコンじゃない!こんなガキ相手に…あ、でも俺も似たようなモノになったんだっけ?ってことはロリコンとか関係ないのか?今は女同士なんだし…って、それじゃもっとだめじゃん!…ん?そういえば、俺って女なのか?男なのか?──どっちなんだ…?う〜ん…


記憶の中の俺は間違いなく男だった。しかし、今の自分が男であるということを証明できるものが思い当たらない。
鏡を見れば、そこには栗色の髪の少女の姿があった。それは、まぎれもなく女で、どう見ても男には見えなかった。
写真はどうだろう…。俺が男だった頃の写真には黒髪の少年が写っているが、それを見て、今のこの姿を連想出来るのは、おそらく事実を知っているか、あるいは、そういう趣味の人(例えば作者のような…な、なにをするきさまらー!…ゲフッ!)だけだろう。つまり、写真も男であったことを証明することにはならないと思う。そして、他人の記憶の中の自分もまた然り、だろう。
でも、だからといって女だと言い切ることもできないと思う。それは意識が認めない、というより認めたくない。理由はよくわからないけど、もしかしたら自分の中で、男らしさ、女らしさという定義でもあって、今まで男だったのだから、これからも男らしくあって然るべきと無意識のうちに感じているのかもしれない。それに、何よりカマはいやだしなぁ…
結局、性別を決めるのは身体なのだろうか?それとも、心なのだろうか?いずれにしても、今のところ内面は男だと信じている訳だし、やっぱ男…?いや、でも身体は…いかん、堂々巡りだ。
とりあえず、男のつもりで女を満喫、一粒で二度美味しい?なんか違う気がする…


──いや…むしろ、俺は本当に“横島忠夫”なのだろうか…?
俺は以前と変わったつもりはない。俺は俺であり、故に俺なのだ。しかし、他人にはどう映っているだろうか?最初はみんな俺のことがわからなかったわけだし、やはり、栗色の髪の少女は栗色の髪の少女であって、“横島忠夫”ではないだろう。
霊波でも少しはアイデンティティを見分けられるらしいが、人工幽霊一号によれば、俺の霊波は以前の俺のものとよく似ているらしい。名前を言うと中へ入れてくれたくらいだからそれほど似ていたのだと思う。しかし、似ている=違う、つまり、別人だということではないのだろうか…
別人…?まさか、人間でなくなったと同時に“横島忠夫”という存在も消滅してしまったのではないのか…!?


そう考えると少しだけ背筋をゾクッとするものが走った…


外見上の共通点が全くない今、たとえ、どれだけ自分が“横島忠夫”だと言い張ったところで、誰もそれを認めなければ意味がない。しかし、どんなに他人が認めなかろうとも、俺は俺であることに変わりはない、変わってたまるか!──でも…
そう言えば、事務所のメンバーはどう思っているのだろうか?美神さんは小竜姫様の前で俺のことを“横島クン”だと言ってくれたし、他のメンバーも一応栗色の髪の少女=“横島忠夫”だと認識してくれているようだ。でも、本当に同一人物として見てくれているのだろうか…?もちろん、みんなを 信じないわけじゃない!しかし、実はもし俺のことを“内面がよく似ている別人”などと思っているとしたら…?もしそうだとすると、俺は…俺は…


──俺は一体何者なんだ?──


「せんせ〜」
「!?」


柄にもなく内なる葛藤と格闘していると、いつの間に近づいたのか、シロが突然俺にしなだれかかってきた。


「お〜い、シロ?ちゃんと起きてるか?」
「せんせ〜、いつの間にこんなに可愛くなったでござるか〜…?」


シロは、夢見心地といった様子で囁きかけてくる。
そうか、こいつは防護服着てからの姿しか見てなかったんだっけ。って、じゃあなんで…


「なんで俺のこと解ったんだ?」
「ん〜〜…?せんせ〜の匂いがするでござる〜」


あぁ…匂いか。
シロの言葉に、少しだけ安堵感に包まれた。


「そうか…お前は、俺が解るんだな…」
「ん〜〜?」


俺にもまだ“横島忠夫”だと証明できるものがあるんだ…
すり寄ってくるシロを軽く抱き返し、以前なら下にあるはずの、今は真横にある彼女の頭を撫でてやる。シロは、それに応えるようにくすぐったそうに首を竦め「く〜〜ん…」と小さく唸り声を上げた。
しかし、寝惚けてるよなぁこいつ…。実は、単に寝惚けてただけなんて言ったら泣くぞ?責任取って貰うからね!


「シロ、起きるか寝るかどっちかにしろ。っていうか、そろそろ離せ!」
「ん〜〜嫌でござる〜〜『どさっ!』「!!」」


気がつくと視界に薄暗く高い、中心へ向かい狭まる天井が映っていた。
絡められたシロの腕を取り、引き剥がそうとすると、シロは覆い被さるようにもたれかかり、俺は押し倒されてしまっていたのだ。
またいつものことか…
美神さんとおキヌちゃんの様子は見えないが、多分同じ事を考えているだろう。タマモはというと…未だに床に両手をつき何やら不機嫌そうな顔をこちらに向けている。お揚げ抜きの効果覿面といったところだろうか?うん、いいことだ。
しかし、シロも飽きないよな…
俺は、この先来るであろう、いつものシロの行動を想像し、目を閉じ溜め息をついた。
──しかし、それがいけなかった。


ちゅっ
「「「「!!!」」」」


ちゅっ??
訪れた感触は、いつもの頬を撫でまわすものではなく、何かが俺の唇にピンポイントで押しつけられたものだった。
その感触に、はっとし、目を見開くと視界一杯に目をつむったシロの顔が度アップで飛び込んできた。


「ん〜〜!!??」


な…な、な、なにしてるんですか??シロさん???
声を上げようにも、口がふさがれてしまい声が出ない。


「ん〜〜…」


呆気にとられ動けないでいると、シロが微かに声を漏らしながら顔の角度を変える。唇からシロの熱い吐息が伝わってくる。
キ…キス??しかも、なにこのちょっとだけディープなのは???
舌こそ入れてこないが、完全に唇がふさがれてしまっている。


「ん〜〜!!ん〜〜〜〜!!!」


暫く固まっていた思考が漸く回復したところで、俺がじたばたともがくと、シロはやっと唇を解放してくれた。


「ぷはぁ!な、何すんだシロ!!」
「せんせ〜!ごちそ〜さまでござる!!」
「なっ!?」


シロは少しだけ悪戯っぽい笑顔でさらっとのたまった。
だ…ダマされた…!?俺、シロにダマされたのか!?この単純バカに??何故に???
しかし…うぅ…シロに…シロに転生後のファースト奪われた…。しかも騙し討ち…


「先生、可愛いでござる…」
「は…はぁ?まさか、お前テンプテーションにでもかかってんのか…??」
「テンプテーション?なんでござるか??」


あ、こいつは、俺の能力のことを知らないのか?
自分の右腕に目を向けると、確かにそこには淡く金色に輝く遮霊環がはまっている。ということは能力は封印できているはずだ。
つまり、シロは素ってことか…?でも、前までこんなことされたことないし、まさか、シロってその気が…!?


「せんせ〜!そんなことより遊ぶでござるよ〜!!」
「へ、変なとこ!変なとこ触るな〜〜!何の遊びだ!?」
「良いではござらんか、減るもんじゃなし!」
あ〜!そこはだめ〜〜!!
「ひあっ!!…お、お前はおっさんか〜!やめんか!!」
「だめでござるよ〜」
いや〜〜!!
「ひっ!!…し、しかも…しかも、こんな大勢の前で、大胆すぎ〜〜!!」
「大勢?」


必死な俺の言葉に回りを見渡すシロ。
シロは美神さんやおキヌちゃん、そしてタマモの存在に気づいていなかったようだ。まさか本当に寝惚けていたのか?どっちなんだよ!?
ともかく、シロのお触り攻撃が止まったことに安堵し、ちらっとタマモを見やると、今度は体育座りで、床にのの字を書いている傾国の美女の姿が見えた。クールな少女が見る影もない。とてもレアな光景を見たような気がするぞ!う〜ん、お揚げ抜きがそこまでショックだったのか…?
そんなタマモが、ちょっとばかり可哀想に思えてきたところに、ふと、まだ俺の上に跨ったままのシロが前方を凝視したまま固まってしまっていることに気づいた。


「シロ、どうした?」


シロの視線を追い、仰向きのまま顎を上げ、後ろに視線を向けた。そこには…


ひゅご〜〜〜〜!
「ひっ!」


そこには、真っ赤なオーラを纏い、微笑みを湛えた二人の修羅が立っていた。
そのオーラは殺気と怒気を孕んでいることを、ありありと示すかのように燃えさかる炎の如く激しく揺らめいている。
ふ、二人とも?何を怒っているんだ!?今回はむしろ俺が被害者!!


みし…みし…
普段なら人が歩く程度では鳴ることのない床が、二人の歩みに悲鳴を上げる。


「み、美神さん!?おキヌちゃん!?誤解だ!ぼ、ボクは何も!!むしろ、された方で…!!いや〜〜〜!俺はロリコンじゃないんや〜〜〜!!」


みし…みし…


こ…こえぇ…
満面の笑顔で真っ赤に燃えさかるオーラを纏い、ゆらゆらと近づいてくる二人に、頭を抱え怯えていると、不意に腹の上あたりでぶるぶると震えていた重みが消えた。


「??」
「シロちゃん?ちょ〜っと聞きたいことがあるの…」
「顔貸してもらえるかしら〜?」
「ひえ〜〜っ!」


見ると、両脇を美神さんとおキヌちゃんに抱えられ、ずるずると引き摺られていくシロの姿があった。黒ずくめに連行されるグレイさながらといった風情だ。
あれ?俺に怒ってたんじゃなかったのか?た…助かった…けど、なぜ??


「横島クンも後でちょっと話があるからね…?」
「ひっ!」


シロを引き摺りながら呟く美神さん。
や…やっぱり、俺にも怒ってらっしゃる!?


「せ、せんせ〜〜!後生でござる!!お助けを〜〜〜!!!」


引き摺られていくシロが、足をばたつかせながら懇願の声を上げる。
シロ、すまん!それだけは…それだけは不可能だ!!
俺は、己の無力さに涙を呑み、二人の仁王と一匹の子犬の後ろ姿を見送ることしかできなかった。


ず〜る……ず〜る……ぱたん……


『きゃい〜〜〜ん!!』


その夜、事務所に子犬の鳴き声が響き渡った。(ぐすん…オオカミでござる…)


「お〜い、タマモ〜そこまで落ち込むことないだろ?」


二人の嵐が一匹の子犬を攫っていった後、取り残された俺とタマモ。タマモの落ち込み具合が見るに堪えないものに思え、仕方なく慰めてみることにした。もちろん、お揚げ抜きをやめるつもりはないがな。


「だいたい、自業自得だろ。俺だってこの格好で死にかけたんだぞ?ちょっとは反省しろっての」
「……」


未だに着ているコスプレ服の、大きく開いた袖口を弄りながら説教じみたことを言ってみる。
しかし、今度は落ち込むどころか、何やらこちらを不機嫌そうに睨んでくるタマモ。
反省してねぇなぁ…


「全く、ホント災難だわ。シロにはファーストキス奪われるし…はぁ…。まぁ、ホントのファーストは、あの蛇女だったけどなぁ…」


メドーサのあのキスはディープだったなぁ、思いっきり舌入れやがって。シロのキスも、あれほどではないけど、なかなかディープだった…


「それにしてもシロってその気でもあったのか?ていうか、なんで俺なんだ?そういうことなら、お前とかいるのに…。ま、どうせ悪戯だろうけど、みんな女になった俺で遊びやがって…」
「…鈍感」
「?なんのことだよ」


タマモの呟きに問い返すも、呆れたような溜め息で答えられた。
そして、またムスッと口を閉ざし俺を睨むタマモ。な…なんか文句でもあるのか…?お揚げなら抜きだぞ!?


「私にだって…」
「ん?」


しばらく経って、タマモがようやく口を開いたかと思うと、俺をさらにきつく睨み


「私にだって、わかったわよ!」
「は?何が??」
「ふん!」


それだけ言うと、タマモは自分のベッドに潜り込んでしまった。


な…何なの、一体…?


落ち込んでいたかと思うと、どういうわけか拗ねて狸寝入りしてしまった一匹の子狐。結局一人取り残されてしまった俺。着替えようにも替えもないし、それに…


──後でちょっと話があるからね…?──


あぁ…俺の一生はこれまでなのかなぁ…?転生してたったの三日で死去っスか?い…いやや〜!逃げようかなぁ…でも、後が怖いなぁ…どないしよぉ…。あぁ…神よ…
いずれにしても明日の夕陽は拝めまいと覚悟を決めた頃


ぱた
「横島クン?」
「ひっ!」


屋根裏部屋の床の入り口からひょっこりと現れた美神さんの顔に、俺はずささっ!と部屋の隅まで後ずさり、ぶるぶると震えだした。


「いやや〜〜!やっぱ、まだ死にと〜ない!!誰か助けて〜〜!!」
「な…何言ってんのよ…人の顔見るなり…。あんた、私のこと鬼かなんかだとでも思ってんの!?」


さっき修羅だと思いましたとも、えぇ!


「え…?あれ?怒ってるんじゃなかったんですか…?」
「何のことよ?何?怒って欲しいわけ?」
「いえ!!決してそんなことはないっス!!」


引き千切れんばかりに首を左右に振りまくり否定の合図。
どういう訳かはわからんが、今生きていることを天に感謝しよう!


「…まぁいいわ、横島クン、付いて来なさい」
「な、何かするんスか?」
「とりあえず来なさい、向こうで説明するわ」


美神さんに促され、下の階へ下りていく。
暗い廊下、途中の部屋、扉の向こうから『シクシク…お肉怖い…おキヌ殿怖い…』などと呪怨の如く繰り返される声が微かに漏れてきたのに気づき、俺は足を止めてしまった。
シ…シロ…?


「あ、あの…美神さん?シロは、どうなったんスか…?」
「…安心しなさい。シロなら明日にはおとなしくなってるわよ」


微笑を湛え、そう言う美神さんの横顔はドス黒く輝いて見えた。
シロ…一体何されたんだ…?すまん…救ってやれなくて…。こんな不甲斐ない師匠を許してくれ!
見えない夜空にうっすらと映る満面の笑顔のシロを眺め、頬に一筋の涙を伝わせていると


「ここよ」


目的地らしき事務所の一室の扉の前に辿り着いた。


「入りなさい」
「はぁ…」


扉が開かれ、入り口から漏れる部屋の明かりが俺を包むと、その部屋の様子が目に入ってきた。
その部屋の床には結界が描かれていた。それは直径1mほどあるだろうか、中心に何かの図形の描かれた、白と黒のモノクロカラーに彩られる妖しげな文字や記号を羅列した、幾重もの円からなる、一見して美神さんが良く使うものだ。
しかし、部屋に足を踏み入れると、その様子が明らかにおかしいことに気づいた


「あれ…?天井にも?」


その部屋には、床のものと同じ模様が天井にも描かれていたのだ。このようなものは初めて見る。普通、結界は床だけに描かれているものだと思っていたのだけど…


「この結界は霊気を遮るものよ。修行するにも霊気が漏れると困るでしょ?何があるかわかんないし。かといって、遮霊環を付けたままじゃ修行にならないし、だから、この中で修行するのよ。」
「なるほど…でも、なんで上にも描いてあるんですか?」
「確かに、結界っていうのは下に描くのがセオリーなんだけど、この結界は通過しようとする霊気を上へ向けて逃がすっていう性質があるから、それだけだと結局上から霊気が漏れちゃうのよね、それで、妙神山から帰る途中で考えたんだけど、こうしたら、中で霊気をとどめることができるはずよ」


さすが美神さん、こんなことに頭が良く回る。


「それに、今のあんたは霊気が集まりにくいんでしょ?これだと、放出してしまった霊気がすぐに霧散してしまうのも防ぐことができるはずだから、少しは手助けになるはずよ」


ホントによく考えてらっしゃる。でも、それにしても


「良くこんなに正確に同じ模様を上に描けましたね?どうやったんスか?」


この上下の模様は、見る限り寸分違わずに描かれているように見える。


「あぁ…それなんだけど、悪いけど一つ使わせて貰ったわ」
「え?」


そう言うと、美神さんはテーブルの上にある、お札の張られた小さな金庫を開けた。その中には…


「!こ…これって…!!」
「そ、文珠よ」


そう、そこには見慣れた透明なビー玉状の珠がいくつか入っていた。間違いなく文珠だ!


「今まで預かっていたものよ。ちょっとだけ使わせて貰ったけど、まだ六つあるわ」
「全部使っちゃったんじゃなかったんですね…」
「そんなわけないでしょ?もったいない」


文珠…俺の最大の武器…


ぎりっ…


「…横島クン、手を出しなさい」
「?」


美神さんに言われるように手を差し出すと、美神さんはその小さな掌に文珠を全部載せた。


「これはあんたのものよ、返すわ」
「!!」


美神さんが…文珠を返してくれた!あの美神さんが!?


ずささっ!!
「!?」


俺は何かを察知し、即座に部屋の角まで後ずさった。


「あんた、ホンマに美神さんか!?偽者だな!? 本物が俺にこんな物を返すはずがない!!あんた、美神さんをどこへやった!?」
「な!?失礼ね!あんた私のことなんだと思ってんのよ!?」
「え?極悪強欲しゅせん…」


本物でした…
やっぱり、美神さんは修羅だった。危うくあの世へ連れて行かれるところだった。


「はぁ…あんた見てたら、まじめにやってるのが馬鹿馬鹿しく思えてくるわ…」
「──すんません…」
「とにかく、それは護身用よ。滅多なことに使わないこと。ここぞと言うときにだけ使いなさい」
「これで元に戻ろうとか…「考えないことね。もし出来たとしても、まず効果が続かないだろうから無駄よ」そうっスよねぇ…」


やっぱ無理だよなぁ…。いくら文珠が万能ったって、できないものはできないんだよなぁ…
記憶も、二文字以上のコントロールが自力でできないし、回復は望めないよなぁ…。それに、記憶は忘れるより思い出す方が難しい。だって、どういう記憶かわからないから忘れてるわけだから、イメージのしようがない。名前くらいなら思い出せるかもしれないけど…


「その文珠は、今のあんたの生命線なんだからね、よく考えて使いなさい」
「はい…」


生命線か…。今の俺って、そんなに危機的状況なのかな?確かにこのままじゃGSとしてはまずいだろうけど、だからといって、今すぐ危険が襲ってくるわけじゃないよな。
──でも…


「とりあえず、用はこれだけよ。今日はもう遅いし、歩きっぱなしで疲れてるでしょ?修行は明日から始めれば「やります!今すぐ!!」え!?そ、そう…いいわ、それじゃ結界の中に入って遮霊環を外しなさい」


でも、何故か解らないけど、急がなくてはならない!そんな気がする!
俺は、結界の中央に立ち、深呼吸を一つ。そして右腕にはめられた遮霊環に左手を当て、はず…はず…あれ…?


「あの〜…美神さん、これ外れないんスけど…」
「え?外れない?どうして?前、自分で外してたじゃない」
「どうして?って言われても…」


前は簡単に外れたのに、今度はどういうわけか腕に吸い付き、びくともしない。
ちっ、せっかくの意気込みに水を差しやがって…


「ちゃんと、外そうと思いなさい、それは自分の意志でしか外れないのよ?」
「ん〜〜…はずれろ〜はずれろ〜…」


びくっ!
「「……」」


遮霊環は“びくっ”とした
なんでやねん!!


「なんで外れへんねん!このクソ輪っか!!」
「なんか、相性でも悪いのかしら?あんた、もしかして言霊とか下手なのかもね、文珠使いのくせに」


力一杯無理矢理外そうとするが、全然外れる様子がない。くぅ…!言霊なんて考えたこともないぞ!!


「くそ〜〜!外れんかい!!」
から〜ん
「「!!」」


やけくそで叫ぶと、今度は触れてもいないのに外れてしまった。一回りほど大きくなり、床でからんからんと回る遮霊環…


「どうなってんねん!このクソ輪っかは〜〜!!」
「何か、言霊の籠もった引っ掛かるフレーズでもあったのかもねぇ…。ま、とにかく修行始めるわよ!」


う〜む…外れたからいいものの、なんか納得いかん…
それにしても、遮霊環って付けてる時は何も感じなかったけど、外してみると開放感がすごいなぁ…。外した瞬間、身体が浮き上がるような気分だった。
っと、そういえば返して貰った文珠を潜在意識に戻しておかねば。危うく忘れるところだった。
俺は文珠を握っていた右手に意識を集中させた。すると、六つの珠はスッ…と姿を消し、己の意識の中に吸い込まれていく。


──お帰り…──


久々に感じる感覚に、胸が温かくなったような気分がした…
ふぅ…まぁ、とにかく修行を始めなくては。あ、でもこの格好で?


「あ、美神さん、何か服ないっスか?いい加減、着替えたいんスけど…」
「あんたにあった服なんて無いわよ。ぐずぐず言ってないで修行するんでしょ!?」
「そ…そうっスね…」
「あ!ちょっと待って!」


俺が右手に霊力を込めようとすると、美神さんが慌てて近寄り、俺の背後に回ると何かを背中に張った。


「?なんスか?」
「よし、これでいいわ!とにかく霊気を一点に集中することだけを考えなさい。栄光の手とかサイキックソーサーとかじゃなくて、拳くらいの大きさの石をイメージしなさい。いいわね?」
「は、はぁ…」


背中に何を張ったのか気になる。修行のための何かだろうか?ん〜…見えない…。まぁ、とにかく石か…


「はぁぁ…」


背中を少し気にしながらも、広げた掌の腹の辺りに意識を集中させていく。
石といえば、初めておキヌちゃんと出会った時…


──『お願いします!!お願いします!!しかたないんです!私のために死んでっ!!』──
──がすがすがす──


いや、あれは石というより岩だな…
ちょっとだけ懐かしい思い出に浸っていると、結界内で霊気が渦巻き始めていることに気づいた。
スカートが大きく波打ち、栗色の髪は激しく乱れ輝いている。
なるほど…これなら霊圧が上がってることもわかるな。俺は、こういうことにあまり敏感ではないのでありがたい。
とにかく石だ!


「ん〜〜〜っ!」


気を取り直して意識を集中し、霊圧を上げていく。しかし、霊気はイメージ通りに集まらず、周りの霊圧がだんだん上がっていくのがわかるだけだ。


く…全然集まらない…!


絶望と焦燥に駆られ、さらに霊圧を上げようとする。しかし…

バチ…!バチバチ…!


霊気が荒れ狂う中、細かく歪な閃光があちこちで走り、何かが弾けるような耳障りな音が辺りを埋め尽くしていくのに気づいた。
なんだ…?静電気か…??
その閃光は徐々に数を増し、太く収束していく。そして…


ブゥゥゥゥン…バリバリバリ…
「え!?え!!?」
バシィッ!!
「ひぎゃっ!!??」


轟音一閃!突如として俺に一撃を喰らわしてきた!
俺は、強烈な雷撃を身体に受け、一瞬だけ気を失うと、地べたにひれ伏してしまった。指先まで痺れ身動きが取れない。


プスプス…
「ぐ…美神さん…これは一体…って、あれ…?」


地べたに這ったまま美神さんの方を見やるが、さっきまで居たところに美神さんが見あたらない。どこへ行ったんだ!?


「あ〜やっぱそうなるのね〜」
「へ?」


声がする方を向くと、部屋の入り口の向こうからひょっこりと覗く顔が見えた。
あの〜…何、自分だけ待避してるんですか?美神さん?


「や…やっぱって…?美神さん、もしかしてこうなること解ってたんじゃ!?」
「いや、もしかしたら、こうなるんじゃないかとは思っていたんだけど、ホントになるとはね〜…」


頭を指先で掻き部屋に入りながらのたまう美神さん。


「積乱雲の中で雷がどうやって発生するか知ってる?あの中では上昇気流と下降気流が同時に起こってるんだけど、そこで雨水とか氷晶とかがぶつかり合って静電気が生まれるの。で、それが貯まって雷になるんだけど…」


つまり、それと同じ事がこの結界の中で起こっていた…と?結界が下だけにあるなら上に向かって霊気が流れていくだけだけど、この結界は上にもある。ということは、下に向かって流れる霊気も発生するってことだな。さしずめ、気流が霊波で、雨水や氷晶が霊気ってところか?

み…美神さん…あんたって人は…


「やっぱり、最初から解ってたんスね!?」
「う〜ん…ちょっと、どうなるか見てみたかったのよね〜…。でもほら、ちゃんと耐熱符付けてあげたじゃない!」


あの背中に張ってたのは、それだったのか!おかげで焼け死にはしなかったけど、し…痺れるんですが…?
よく部屋を見渡すと、あちこちに“火傷注意”と書かれた符が貼ってあるのが見える。
ホントに最初から実験台のつもりだったんだな!やけに協力的だと思ったら、それが目的か!!


「ちゃんと霊気を収束させられたら大丈夫なはずだから。それに、霊気集中の修行にはそんなに霊圧を上げる必要はないからね?というより収束させることに精神を集中させた方がうまくいくわ。だから、今度から霊圧をコントロールしながらやってね!」
「そういうことは、最初に言わんか〜〜!!」


なんか…なんか、納得いかん…!世の中理不尽だ!!
まぁ、美神さんが理不尽なのは今に始まったことではないが…
はぁ…ここ最近いろんな事が起こる。いきなり何かわからない妖怪に転生してしまうわ、勝手に男を卒業してしまうわ、そうかと思うと男共には襲われるわ、霊力が使えなくなるわ、ゴスロリコスプレさせられるわ、シロにはファーストキス奪われるわ、タマモは拗ねるわ、おまけにおキヌちゃんはなんかちょっと黒いわ…
全く、俺が何したっていうんだ?今までも理不尽なことは多かったけど、でも、今回はちょっと酷くはないか!?はぁ…ルシオラ…。ん?なんだこの匂い…何か焦げ臭いような…あっ!
鼻をつくその匂いを追って目を向けると、床に乱れた栗色の髪の先端が黒ずみ縮れているではないか!
こ…焦げてる…!自慢の…自慢の髪がぁ…!!
いつの間に自慢になったのか自分でもよく解らないが、しかし、とても大事なものには間違いなかった。
なんで…?なんでこんなことに…?はうぅ…
言いしれぬ衝動に襲われ、自分の中で何かが崩れ落ちるのを感じた。


「ふ…ふぇ…」
「え?横島クン?」


俺は両手を床に付き、痺れる身体を起こすと


「ふえ〜〜〜〜〜〜ん!!」
「!!」


大声を上げ泣き始めた。


「よ、横島クン!?どうし「びえ〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」〜〜〜っ!!」


それはもう、泣きまくった。冥子ちゃんもびっくりなほど泣いた。
こんなに号泣したのはいつ以来だろうか?なんにしても、こんなガキっぽい泣き方をしたのは記憶にない。俺ってこんな一面もあったんかなぁ…?
自分の冷静な部分が自身を解析するが、その意識も徐々に薄れていき…


混濁とした世界へと吸い込まれていった…


その頃、とある一室にて


ぴくっ
「む!これは、横島先生の泣き声!!」


シロが、事務所に響き渡る少女の泣き声を聞き取り反応していた。


「どうしたでござるか!?今行くでござる!『ばちぃ!』きゃいん!!」


シロは、部屋の中央の床に白線で描かれた円を跨ごうとすると、何かに弾かれたような音とともに悲鳴を上げ、お尻を抱えて蹲ってしまった。


「くぅ…美神殿…おキヌ殿…罠とは卑怯でござるぅ…」


よく見ると、シロの背中にも何かの札が貼られているのがわかる。それは…


「この線を跨ごうとすると、注射なんて酷いでござる〜!」


正確には、跳ねることを許さず、線を跨ごうとすると今までに味わった最もきつい痛みを味わうという言霊を込められた札なのだが、どうやらシロの場合、その痛みとは予防接種の注射のようだ。ついでに、シロは自分ではその札を剥がすことができないよう暗示もかけられている。
この円の中でシロはおキヌに説教されていたのである。


「美神殿にはお肉の幻覚を見せられるし、おキヌ殿には説教されるし、あまつさえ先生の泣き声の幻聴までも聞かせるとは…卑劣でござる!…ん?いや、この声は本物でござるか!?」


そこはさすが犬神、最初は幻に反応するものの、ある程度神経を尖らせば看破できるものらしい。しかし、惜しいかな、彼女には学習能力がないらしい、幻には必ず引っ掛かっている。


「あぁ…先生が泣いているでござる…」


微かに聞こえてくる少女の泣き声に、シロは、、口惜しそうに唇を噛みしめ鋭い犬歯をむき出しにし、白線を睨み付ける。


「先生…どんな顔で泣いているのでござろうか…。見たい!きっと可愛い泣き顔をしているでござる!!あ〜そんでもって、抱きしめて、あんなことやこんなことをゴニョゴニョと…!!」


シロは、両腕で一杯に自身を抱きしめると、にやけ顔でくねくねと身体をくねらせ始めた。
シロ…?なんか間違った方向に走ってないか…?


ともかく、事務所は概ね平和であった


あとがき


GS横島(♀)ローゼン大作戦!
というわけで、や〜っと7話とイラストアップです。
シロが…シロが〜!(笑
しかし、随分と間が開いてしまいました。ある程度先まで頭の中で妄想しているにもかかわらず、書き起こすまで行けないというのは結構いらいらするものですね。頭の中では最後が見えているというのに…。これからはもうちょっと早めにアップできるようにしたいです。
しかし、忙しくなることはわかっていましたけど、まさかここまでかかるとは。
え?イラスト描いていたせいで1ヶ月近くずれ込んだって?だ…誰がそんなことを!?キノセイデスヨ、ハハハ…
正直な話、小説は他に何かしていても頭の中で、ある程度書き上げられますけど、絵はそうはいきません。ちなみに、イラストを描き上げた頃になってやっとシロのしっぽを描き忘れていることに気がつきました。失敗ですねぇ。
それにしても、今回初めてこういった服装を描きましたが、無いセンスと知識と技術を振り絞ってなんとか描き上げました。まだまだ修行が足りません。


今更レス返し

>彗星帝国さん
一応ローゼンねたですが、最初はプリプリから来てました(笑
最初からタマモの復讐ねたは予定通りだったんですけど、イラスト描いてるときにいろいろと思うところがあってプリプリからローゼンに切り替えました。
パピリオにはちゃんと見せてますよ?書いてあったはずですけど…(汗


>Februaryさん
あれはただの名前ですから、あまり気にしないでください。
つまり、伝説の“運命のジーパン”です。(笑


>内海一弘さん
サイズはどっちが勝ってるんでしょうね〜いずれわかるかも?
タマモはそういうのが趣味みたいです(笑


>鹿苑寺さん
犯人はタマモ
私はゴスロリでアニメだとローゼンよりプリプリなんですけどね(笑


>アミーゴさん
初めまして。
ホントに馬鹿話になってしまいましたねぇ。
まぁ、妄想している話の八割以上は馬鹿話ですけどね(笑


>アイギスさん
初めまして〜ありがとうございます。
横島クンのジーパンはすごすぎです。ジャケットは何度か破けてるんですけどねぇ…


>トトロさん
なるほど、パピリオの反応はそれだったのか(笑
しかし、そうきましたか。私も修行が足りませんね(笑


>ペレ伊豆さん
一体どうなるんでしょうねぇ。
確かにどうなるにせよ、横島クンにとっては災難になるのは目に見えてはいますが。


>嵐さん
う…文章の肝心な部分がわからないです…(汗
まぁ、小竜姫様はいろいろと天然ですから。


>ラキさん
とりあえずイラスト描いてみました。
今回もいろいろと荒くて申し訳ないですが…

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