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▽レス始

「リスタート 第六話 前編 (GS)」

(´ω`) (2007-05-11 00:41/2007-05-11 01:01)
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3月15日 PM09:30

唐巣教会

RRRRR・・・

「はい、唐巣教会ですが・・・」

「お久しぶりね〜〜和宏くん〜〜冥菜ですけど〜〜」

「ああ六道夫人、ご無沙汰しております」

「実はね〜〜お願いがあってお電話したの〜〜」

六道家当主の"お願い"――

事実上拒否権など・・・存在しない

「は、はぁ・・・私に出来る事でしたら相談に預かりますが・・・」

「あのね〜〜美智恵ちゃんの娘さんの事なんだけど〜〜四月から〜〜
高校生になるから〜〜本格的に〜〜修行させたいって〜〜美智恵ちゃん
から〜〜お願いされてたんだけど〜〜私も忙しくて〜〜見れそうにないの
〜〜だから和宏くんに〜〜お願いしようかな〜〜ってお電話してみたの〜〜」

「そうですか・・・美智恵君と公彦君の娘さんが・・・もうそんなに大きくなった
のですか・・・」

過ぎし日を懐かしむかのような色が唐巣の瞳に浮かんだが・・・

「ですが私も現在研修中のGSを預かる身でして・・・」

「確かルシオラちゃんって〜〜いったかしら〜〜?でもあの子〜〜
研修なんて〜〜必要なのかしら〜〜?」

「・・・・・・仰っている事の意味が判りかねますが?」

「この前の試験の事は聞いたけど〜〜災難だったわね〜〜あの子なら〜〜
首席も〜〜夢じゃなかったのにね〜〜
・・・・・・本気を出していればの〜〜話だったけどね〜〜」

「・・・いやしかしですね「確か〜〜GS協会の規則が〜〜去年〜〜一部改正〜〜
されたのよね〜〜」・・・・・・」

「悪霊や〜〜妖怪を〜〜100体退治するって〜〜いうのが〜〜
研修先の〜〜GSが〜〜一人前と〜〜認めれば〜〜OKになったん
だったかしら〜〜?」

「・・・・・・・ですが順位はあの通りでしたから、実力は兎も角、
協会が納得しないでしょう」

「その事だったら〜〜私に任せてほしいの〜〜機会を見て〜〜
私のお家に〜〜来るようにしてね〜〜」


――唐巣に拒否権は無かった


――リスタート――
 第六話 前編


3月20日 AM09:00

唐巣教会――


「ルシオラ君。実は今日からウチで修行する子が増えるんだ。
君の後輩になるわけだから色々と面倒を見てあげてくれないかい?」

「まぁそうなんですか?楽しみですね(・・・遂に来たわねっ!)」

「どんな人が来るンすか?(美神さん御対面か・・・)」

「もう来る筈なんだが"ブロロロロ・・・キィ"・・・来たみたいだね」

表から響いて来たエンジン音が教会前で静まった

唐巣達3人が表に出るとそこには黒塗りのリムジンが横付けされ

中から高校生くらいのロングヘアの美少女と――


和服を着た上品そうな中年の女性がこちらに歩いてきた


「なっ!!!」


「どうかしたかい横島君?」

「い、いえ何でもないっす・・・(なんでここであのおばはんが出てくるんだ!?)」

出かかった言葉を横島は危うく飲み込んだ

(ヨコシマ?・・・まさかあの人が?)

(ああ・・・六道家現当主・・・六道冥菜さんだ・・・)

小声でやり取りしているルシオラと横島に気づかないかのように
唐巣が六道夫人に挨拶する

「御無沙汰しております六道夫人。どうもお変わり無いようで」

「和宏くんも〜〜変わりないみたいね〜〜」

「おかげさまで・・・ルシオラ君、横島君、この方は六道冥菜さんといってね、
日本でも有数の霊能の大家、六道家の現当主さんだよ」

「はじめまして〜〜六道冥菜と申します〜〜ルシオラさんと〜〜そっちが
横島君だったかしら〜〜?」

「ルシオラ=蛍=芦です。はじめまして」

「横島忠夫っす。はじめまして六道さん」

なんで俺らの名前知っとんねん!・・・と突っ込みたい衝動を抑えて表面上
にこやかに挨拶した


(へぇ〜〜この娘が報告にあったルシオラちゃんね〜〜それと〜〜あの"村枝の
紅ユリ"の息子の横島君か〜〜霊力抑えてるみたいだけど〜〜おばさんの目は〜〜
ごまかせないわよ〜〜ルシオラちゃんも〜〜本人目の前にしたの初めてだけど〜〜
先祖帰りっていうのも〜〜嘘じゃないみたいね〜〜・・・思わぬ拾い物かも〜〜
うふふふふふふふ〜〜〜)

「まぁ〜〜そんなに畏まらないで〜〜私の事は〜〜おばさんでいいのよ〜〜」

こちらも内心をおくびにも出さずにフレンドリーに対応する冥菜

「それで六道夫人、そちらが美智恵君の?」

「ええ〜〜娘の令子ちゃんよ〜〜」

「初めまして神父、母からお話は伺っていました。美神令子です」

六道学園の制服に身を包んだ令子が丁寧にお辞儀した

「初めまして美神君。いや美智恵君の若い頃に瓜二つだ」

「素質だって〜〜美智恵ちゃんに勝るとも劣らないんだから〜〜」

「そんな・・・ってナニよアンタ?私の顔に何かついてる?」

横島の視線に気づいた令子が不振気に尋ねる

「い、いえ美人だったんでつい、横島忠夫っす。初めまして美神さん」

「ふーん、まぁいいわ。あんたも神父の弟子なの?
なんか霊気のカケラも感じられないんだけど?」

少し小馬鹿にしたような感じで横島に突っかかる。やはりこの辺は将来を
うかがわせる片鱗が見え隠れする

「あ、俺・・・じゃない僕は「ヨコシマは私の弟子よ」」

ルシオラは横島を自分の背中で庇うにして会話に割り込んだ

「何よアンタ?」

「人に名前を尋ねる時は自分から名乗る物だって習わなかったかしら?
・・・まぁいいわ。初めまして美神さん。ヨコシマの師匠のルシオラ=蛍=芦です
今日から"よろしく"ね?」

ピクッ――

ギリギリ"笑顔"といえる表情で挨拶するルシオラだったが
言外の意味に気づいた美神も"挨拶"を返した

「あらごめんなさいね。貴女があの"お情け"でGS資格を"貰った"っていう
ルシオラさんね。初めまして美神令子です。でも弟子を取るにしてももう少し
選んだほうが良いんじゃないかしら?」

――ピシッ
ルシオラの額に僅かに血管が浮いたのを横島は見逃さなかった

「・・・どういう意味かしら?」

二人の美女を中心に低気圧が発生し、にわかに天候が怪しくなってきた

「あらあら〜〜若い人たちは〜〜仲良くなるのが早いわね〜〜」

「き、君達落ち着いてだね」

わかっているのかそうでないのか、六道夫人はのほほんと「親交」を
深め合う二人をニコニコと見守り、唐巣は場を取り成そうとしながらも
何故かあの二人の間に割って入ろうとは思えなかった

唐巣とて人の子である。誰がそれを責められようか・・・

「どういう意味も何もそのままの意味よ?そいつ霊気のれの字も
感じられないじゃない。そんな奴弟子にとっても見込みないんじゃない?
・・・まぁ"お情け"で資格貰った人にはお似合いかもね」

「・・・まぁ私の事は別にどうとでもお好きに。・・・ところで貴女もGSに
なるつもりなのかしら?」

「当たり前じゃない。私を誰の娘だと思ってんのよ」

ハンと馬鹿にした表情でルシオラを見やる令子
――私を誰だと思ってるの?美神美智恵の娘なのよ。あんた達みたいな
何処の馬の骨とも分からないようなボンクラとは違うのよ――

目は口ほどに物を言うとは正にこの事である。
ルシオラは8割方正しく令子の心中を読み取った
だから――

「――そう。お気の毒ね、まだ若いのに」

「――はぁ?」

アンタ何いってんの?
そう令子の顔には書いてあった

「そんな風に才能の上に胡坐かいてる様じゃGSになれても
除霊中に命を落とすのがオチって事よ。
――ああ、その前にGS試験で手違いで相手に殺されちゃうかもね
・・・才能は有るのにもったいない話だわ」

「・・・いってくれるじゃない」

「あら?忠告のつもりだったんだけど?」

心外だわと言いたげにルシオラは微笑んだ

――目は決して笑っていなかったが


「その忠告とやらはアンタの弟子にこそしてあげるべきじゃないの?
そんな奴1次試験だって通るのか怪しいもんだわ。
――ああ、もしかして荷物持ちか何かに使うつもり?それなら私も
弟子にしてあげても良いわよ?使い捨てには丁度良さそうな
アホ面"――ゾクリ"っ!!!」

怖気が奔る――という表現がある。
今、令子が味わっているのが正にそれであるが
当人にそんな事を考えている余裕は無かった


――正確にはその場にいたルシオラと横島以外全員に


「――美神さん、もう一つだけ貴女に忠告しておくわ」

喜怒哀楽すべてが抜け落ちたような声が怖気の発生源――

――ルシオラから聞こえてきた


「な、何よ!?」

虚勢を張れただけでも令子は賞賛に値するだろう

「私の事は別にどうとでも言いなさい。
でもね・・・ヨコシマの事を悪く言いたいなら


――次は貴女の命をかける事ね」


「「「っ!!!!」」」


大声を上げる事も無かった

睨みつける事も無かった

怒りに身を震わせるでもない

静かで透き通るような声

だから皆理解した


――本気だと


「ルシオラ、いいんだ」

誰も言葉を発する等出来るはずがない
だが横島がルシオラにそう声を掛けた時

今この瞬間この場を支配してた筈の怖気が消えた

「ヨコシマ・・・」

「そんな物騒な事言っちゃダメだ
ホラ、美人は仲良くって言うだろ?」

「そうよ〜〜二人とも美人なんだから〜〜笑顔でいないと〜〜
男の子が逃げちゃうわよ〜〜」

「そうだね。折角の美人が台無しになってしまう」


呪縛が解けた唐巣と冥菜が横島に続いてそう取り成した

「じゃあ〜〜令子ちゃん〜〜これから和宏くんのところで
しっかり勉強しましょうね〜〜勿論学校でもね〜〜」

「は、はいおば様・・・」

若干血の気が引いたような顔色で令子はそう応えた

(何なのよ今のはっ!?)

今まで感じた事が無い種類の恐怖を味わい
令子は内心混乱していた

あんな何処の馬の骨とも分からない女に
自分が、この美神令子が恐怖で動けなくなった

(許せない!)

何よりも自分が一番許せない
(私は美神令子よ!しっかりしなさい!
あんなので動けなくなるようでGSに・・・ママみたいに
なれると思っているの!?)

自分にそう発破をかけて無理矢理奮い立たせる
(そうよ!躓いたなら立ち上がれば良い!私はママの娘なんだから!)

そう自分に言い聞かせる令子だった


「ところで〜〜ルシオラさんと横島君〜〜」

「はい?」

「なんスか?」

唐巣が皆を教会内に促そうとしたとき


「少しおばさんのお家でお話しないかしら〜〜?」


唐巣はそそくさと令子と教会内に消えた


  後編に続く


はい皆様こんばんわ
(´ω`)でございます

遂に令子の登場です
思いっきり印象最悪ですが
ここからどう巻き返していくのか・・・

話の都合上令子を六道学園に入学させました
美智恵は・・・後のお楽しみという事で御容赦願います

以下レス返しです

良介様
ありがとうございます
まぁあくまで修行ですのでルシオラ主導の方がいいかなと
言う事でルシオラに頑張ってもらいました

燐様
ありがとうございます
断崖絶壁のクリフをどう上るのか
次回までお待ちくださいませ

レンジ様
ありがとうございます
御予約ありがとうございます
楽しんで頂けた様であれば幸いです

鹿苑寺様
ありがとうございます
中学上がる頃ならば大丈夫かなと
いや何の事かは分かりませんが(´ω`*)

R様
ありがとうございます
過去話の時に乗りつけていたのが美神が乗っていたコブラです
教会立てるための資金の為にお祓いするという設定だった気がします

チョーやん様
ありがとうございます
良いバイクでした
加速に正比例するようにガソリンも消えていきましたが(ノД`)


趙孤某様
ありがとうございます
ピンクはこれからも時々なるかもしれませn

Grenade様
ありがとうございます
中の人も書いてて羨ましくなりました

トトロ様
ありがとうございます
うーんどうでしょう・・・
今後次第・・・かなぁ
何の事かわかりませんが(・∀・)

万々。様
ありがとうございます
糖度は高めに設定してありますので
じっくりとお楽しみ下さい

wata様
ありがとうございます
超回復の設定上どうしてもこうなってしまいました
御理解いただければ幸いです

yuju様
ありがとうございます
ルシオラは一応高校は卒業したという事に
なってますので六道学園に通う事は今のところ考えてないです

内海一弘様
ありがとうございます
いきなりケンカになっちゃいました
次回でフォロー・・・かなぁ?

アイク様
ありがとうございます
あくまで修行ですので
立場逆転は"修行の場"ではない・・・と思います(´・ω・`)


沢山の御感想誠にありがとうございました

ではまた次回のあとがきでお会いしましょう

お休みなさいませ

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