「ここは・・・一体・・・
どこなんだ~~~~~!!!!!」
見事に美神令子の罠に嵌り、時間逆行をさせられた横島は、万感の思いを込めて轟き叫んだ・・・。
道化師の時間逆行・・・第一話、時間逆行!? 目覚めたら・・・。
「ひでぶ!?」
いきなり飛んできた白いボールに反応出来ず、顔面で受け止めた横島は意味の分からない奇声を上げながら緩やかな曲線を描きながら飛ばされた。
「横っち、アウト~~。」
どこからか懐かしい声が聞こえ、そちらを向いた横島お視線の先には自分の親友が笑みを浮かべながら立っているのを見つけた。
「ぎ・銀ちゃん?」
横島はビックリして思わず声に出してしまった。
「?
なに当たり前の事いっとんのや、横っち。」
こいつ、大丈夫か?
みたいな顔で銀ちゃんがそう言った。
「どうしたんや、横っち?
今の衝撃で頭おかしくなったん?」
もう一つ、今度はかなり高い声で聞こえてきた。
「な、夏子?」
「・・・ほんまに大丈夫か、横っち?」
今度はかなり心配した感じの声で、銀ちゃんが聞いてきた。
「あ、あぁ、問題無いで。」
思わず自身も懐かしき関西弁になってしまった。
「ほな、続きいくで~~~。」
夏子がそう言うと、持っていたバレーボールを投げた。
・・・横島目掛けて・・・。
「ぐはぁ!!」
「「あっ・・・。」」
今度はリカバーが間に合わなかったらしい。
完全に沈黙し・・・・
「なにすんや、夏子~~~!!!」
なかった。
流石、横島。
子供の頃から化け物じみている・・・。
「お~~~、今日はえらい回復早いな~~~。」
「流石やな、横っち。
その役回りだけは俺にも無理やな・・・。」
「復讐しちゃる。
夏子、覚悟せい~~~。」
横島はそう言うとボールを掴み、投げた。
・・・銀一目掛けて・・・・。
「がはぁ!!」
その後は・・・まぁ、皆様の逞しい想像力に一任します。
え、だめ?
気にしない気にしない。
オレンジの光が空を焼く中、横島達は喋りながら帰路についていた。
しかし、横島は夕焼けを見ていて、お喋りには参加していなかった。
「どうしたんや、横っち。
いつもなら体張ってオイシイ所持っていく癖して。」
「そやで、いつもの切れがないで横っち。」
「好き勝手言うなぁ~~、ワイやって好きでやってんじゃないで?」
「じゃあ、一体どうしたん?」
「いや、夕焼けがキレイだなって。」
「それだけ?」
「それだけ。」
横島はそう言うと、再び夕焼けに顔を向けた。
その顔は悲しそうでありながら、幸せそうでもあった。
続く