魔人・アシュタロスの造反から百年。
英雄・横島忠夫は美神令子と結婚し幸せに暮らしていた。
しかし、横島は人間をやめていた。
ただし、他のSSみたいに魔族になった〜〜とか、神様になった〜〜とか、人でも魔族でもない人魔になった〜〜とかいうものでは無い。
ただ単に、『不・老・不・死』の文珠に『永/続』の陰陽文珠を使っただけだ。
別に深い理由がある訳では無い。
ただ、ルシオラが救ったこの世界を知りたかっただけだ。
そして、彼は知った。
人の醜さ・美しさ・悲しみ・喜び。
妖の思い・気持ち・考え・心。
神と魔族の偉大さ・ちっぽけさ・清らかさ・強欲さ。
彼は理解した。
この世界に救う価値はあったんだ、と。
彼は安堵した。
この世界には救われる価値があったんだ、と。
彼は死ぬつもりだった。
別におかしいことでは無い筈だ。
元の寿命はとっくに終わっている。
ならば早く逝こうと思ってたが・・・。
彼は見つけてしまった。
一枚の紙を・・・。
それを見た途端、彼はもう少しこの世にいる事にした。
そう、紙に書いてあった事、これがホントかどうか確かめるために・・・。
否、ホントは理解していた。
ここに書いてある事を、そして意味も・・・。
つまり・・・・・・。
美神令子の隠し財宝の地図だと・・・・。
金に興味がある訳では無い。
ただ、あの令子の事だ。
色んな意味で面白いだろう。
彼の心に、好奇心という名の火が灯った。
しかし、と彼は考えた。
相手はこの世にいないとはいえ、美神令子だ。
あれからかなりの事を経験した今の自分でも一人ではきついだろう。
ならば助っ人を、と思い考える事数瞬。
・・・いねぇ・・・。
あの令子を相手に人間で勝てそうな奴なんていないだろう。
てか、いない!(←断言)
あ、そっか、人間のみで考える必要なんて無いな。
神・魔族も視野に入れて考える・・・。
・・・あの二柱しかいないかな・・・。
そして、横島はその二柱に会えるであろう場所に行った。
神族と魔族の最高指導者の部屋に・・・。
「と、いう訳だ。
いい暇潰しになると思うけど来るか?
キーやん、サッちゃん。」
「ん〜〜、確かに魅力的なお誘いではあるのですが・・・。」
「ワイらが人間界なんぞに行きよったら三界全てがパニックになるだろうしな。」
「そこんとこは文珠で何とかするよ。」
「ですが・・・。」
「頼むよ、以前無料で依頼を受けただろう?
それの依頼料ってことで、ひとつ。」
「そう・・ですね。
普段、横島さんには迷惑もかけてしまってますし・・・。」
「まっ、特例って事で行っとくか。」
「おぉ、キーやん・サッちゃん、サンキュー。」
富士の樹海
「・・・やられたな・・・。」
「・・・やられましたね・・・。」
「・・・やられてもうたな・・・。」
どうやら、横島達は見事に罠に嵌ったらしい。
「まさかここにある罠全てがここに移動させるための罠だったとは・・・。」
「ご丁寧に『隠』の文珠で文珠を隠しておくとは・・・。」
「しかも少しだけ穴のあけた結界に偽の宝箱置いておくとは・・・。」
「「「流石、令子(美神さん)(ミカっち)だな。(ですね)(やな〜〜)」
「さて、文珠に込められている文字は。」
「なんでしょうかね?」
「え〜っと、『時・間・逆・行』?」
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「「「なに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」」
そして彼らはこの世界から消えた。
END
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