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▽レス始

「闇に染まる 第十六話(GS)」

アイク (2007-04-05 15:53/2007-04-06 07:47)
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―第十六話  横島はこうも変わった  ―

横島の体は蛍光色に輝く液体が詰まったカプセルに入れられていた。
横島はまるで母体の中の胎児の如く丸まっている。

コポ・・・

そんな中横島の口から気泡が洩れ横島は目をゆっくりと開ける。
自分が何かの液体の中に居るのは分かったが、カプセルの外の方に目を向ける。

(ココは・・・・・・・・・?まあいい。さっきのアレは夢なのか?)

まるで霞がかかったかの様に朦朧とする頭で横島はそう考える。
だが、ゆっくりとだが確実に意識がハッキリとしていく。
そして自分の右手に感じるモノ。文珠を握っている様な感覚に横島は右手のモノを見辛いが見る。

蒼の文珠、横島はそれが何か直ぐに理解出来た。

(コレはルシオラの・・・っ!
 アシュタロスは自分で考えろって言っていたよな?まさか、これがヒントで復活の要なのか・・・?
 じゃあルシオラは・・・・・・・・・・・)

横島はニィと口を端を吊り上げ笑う。
それと同時に横島から魔力と霊力が一緒に放出され、カプセルを震わせる。

ピシッ  ピシィイッ!

(ルシオラが生き返られる可能性が有る・・・・・・・・・
 ルシオラの笑顔をもう一度、見る事が出来る可能性が有る・・・・・・・・・)

カプセルに幾筋のヒビが奔る。
横島の心は歓喜が駆け巡った。失った者を取り戻せる可能性が本当に小さいとはいえ、見えたのだ。

(ルシオラと一緒に夕日をっ!!!)

パリィィィィイイン!!!

WARNING!WARNING!WARNING!

横島が放つ霊気と魔力にカプセルは耐えきれず、ガラスが割れる様な音をたて、粉々に吹き飛んだ。

緊急を知らせる警報音が鳴り響く。


「一体なんなんだい!?」

激務から解放されたてだったのだろうか、目の下のクマが酷いベスパは大いに苛立ちを込めそう叫んだ。
周りの魔族達も大急ぎで装備を身につけ、立体映像で基地の中が表され、警報の原因たる場所を知らせる。
現場を確認した魔族達は急ぎ向かう。

「ベスパ少尉!」

「ワルキューレ!ジーク!」

「任務中は大尉をつけんか!っとそれより急ぐぞ!あそこには救助された横島がいる!」

そんな中、ワルキューレとジークはベスパの姿を確認し、一緒に行こうとする。
だが、ベスパはワルキューレの一言でワケが分からないという顔をする。

「救出された?ポチに一体何が有ったんだい?」

「今は行くぞ!話は走りながらだ!」

「?・・・で、何が有ったんだい?」

走り出した3柱、通路はそれ程広くない為走った方が速いのだ。そして直ぐに、ベスパはそう問う。

「詳細は不明だが横島くんとおキヌさんが何者かに拉致され、拘束されていた。
 それを僕と姉上、小竜姫どのにヒャクメさんと極秘で救出したんだ」

「ワケが分からないね・・・っと、何やってんだろうね?」

「ふむ・・・分からんな。なぜ入らないんだ!?」

通路に多くの武装した魔族が立っているが、その部屋に入らず立っている。
ベスパはジークに簡単な経緯を説明してもらうも、情報が整理しきれておらず頭を捻る。

そして、目的地に着いたにもかかわらず、立っている彼等にベスパは余計に首を捻った。
ワルキューレは立っている同僚達に問う。

「ワルキューレ大尉。アレを見れば分かる」

「ん?・・・っ!?」

そんな中、竜の頭をした恐らく男性型の魔族が扉の方を指差した。
ワルキューレは指差された扉を見、絶句し唖然とする。

「姉上、どうしたんです・・・か・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・アシュ様。なんで魔界最高指導者様はこんなに軽いんですか?」

ジークはワルキューレ同様唖然とし、ベスパはもういない肉親であり好きだったアシュタロスに問う。
分かりにくいがベスパは俗に言う現実逃避をしていた。

扉には張り紙がされていた。
『目覚まし代わりに警報を使こうてすまなんだな〜。いや〜コレ書いてん、今ものごっつー眠いんやわ。
 ワイも激務で疲れとるみたいやわ〜
 そうそう、ワルキューレも来とると思うさかい、中ん奴を色々と準備して連れてきてくれんか?
 ジークと、まあベスパも入ってええぞ〜

 それ以外のモンは入ったらアカンで!入ったら死なすからな〜♪

                                   魔界最高指導者 サッちゃん』

「あ〜・・・まあ何時もの事だし・・・・・・・・・
 ワルキューレ、今度はおまえの番だったんだな・・・まあ頑張れ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ゾロゾロと持ち場へ帰っていく魔族達。
張り紙を見るように言った竜頭の魔族は気の毒そうにワルキューレの肩をポンポンと叩くと、
同情の意を込めそう言い残し、彼も持ち場に帰っていく。

帰っていく魔族達が口々に「またか・・・」「でも久しぶりなのかね〜?2、3年ぶりだし」
と言っている事から、彼等からしてけして珍しい事では無さそうだ。

残されたワルキューレ、ジーク、ベスパの3柱だけだった。
ぴゅー・・・と屋内なのに冷たい風が吹いたのは気のせいであって欲しい。

「・・・・・・・・・入るぞ?横島くん」

一足先に我に返ったのはジークだった。
ジークは、まだ唖然とするワルキューレと現実逃避気味のベスパを置いときそう言って扉を開いた。

「!?って・・・ジークか。久しぶりだな」

「・・・傷は癒えた様だな」

突然開けられた扉にそちらの方を見た横島は相手がジークと分かると安心したかの様に笑った。
ジークからしても、横島の傷口が塞がっているのを見ると安心した。

「とっ・・・横島、大丈・・・夫・・・・・・・・・」

「どうしたんだい?ワル、キュー・・・・・・レ・・・?」

「「あ・・・」」

我に返ったワルキューレは扉の中を覗いた。
そしてワルキューレは動きを止め、そんなワルキューレを不思議に思いベスパも中を覗き動きを止めた。

液体を満たすタイプの治療カプセルは原則衣服の着用は禁止されています。    by魔界正規軍医療部
というワケで横島の姿はただ一つ。

答え:裸です。

ワルキューレとベスパは横島の立派なに釘付けになった。
具体的にドコを凝視していたのかは・・・伏せて頂きます。

「「きっ・・・きやぁああああぁああああぁああ!!!」」

バン!バン!バン!バン!パァーン!

「うおっお!?」

「あ、姉上!?」

赤面したワルキューレとベスパ。2柱は所持していたハンドガンの銃口を横島に向け撃つ。
突然の二人の行動に横島は持ち前の反射神経で避け、ジークは姉と同僚の当然の凶行に姉の名を叫んだ。

「お、おい!落ち着けよ!ワルキューレ!ベスパ!!」

「そ、そうです!姉上!」

「「きゃぁ〜〜!きゃぁああ〜〜!きゃぁあ〜〜!!!」」

ドゥン! ドン!ドン!

「弾がなくなったら霊波砲か!?」

赤面する2柱は暴走し続けている。
銃弾が全て使い終わると次は霊波砲で攻撃、横島とジークの言葉が届かない。
暴走する姉を取り押さえようとするジークも霊波砲の雨の前に近づけない。

「ちっ・・・!仕方が無いか」

ヒュッ

「「「!!?」」」

横島は霊波砲の雨を避け続けていたが、そう呟くと【速】の文珠で自分を加速させ、2柱に急接近する。
風を切る音を残し横島は一気に近づいた。

横島の動きは人間が出来るモノでは無い程速かった。速いとは言え、3柱には見えていたが。
横島は左手に文珠を2つ出し、【冷静】と込めた文珠をワルキューレとベスパに使った。

「・・・落ち着いたか?」

「「あ、ああ」」

「すまないね。横島くん・・・」

冷静さを取り戻したワルキューレとベスパは顔をトマトよりも真っ赤にしたままでそう言った。
小声で横島に謝るジークを視界に収めた横島はジークに苦笑いを向けた。

「しっかし・・・ベスパもワルキューレも軍人なんだから簡単に動転するなよ」

「「うっ・・・・・・・・・」」

「まっ、可愛いから問題無いか」

ボン!!!

暴走者2名に苦笑い気味に言った事に痛いところを突かれた2柱はヘコみ、
続けて言った余計な一言に更に顔を真っ赤にし、床にへたりこみ俯いてしまった。

「???どうしたんだ?2人とも?」

(可愛い?誰が?私が?本当に?何で私はこんなに鼓動が激しいんだ!?落ち着くんだワルキューレ大尉!)

(ど、どうしたんだベスパ!あんたが好きなのはアシュ様だろ!何でポチになんかに・・・・・・
 でももうアシュ様はいない。姉さんもいないから私が後釜に・・・って私は何を考えているんだ!?)

そんな2柱を心配した横島はしゃがみ、声をかけた。
2柱が正気というか何と言うか分かり辛いモノを保とうと必死に葛藤しているとは知らずに。
横島がしゃがんだ事を感じた2柱はつい反射的に横島の方を見てしまった。

先程まで凝視していたある一部分を。

(で、でかい・・・わ、私はそういう任務はした事は無いから大人のコレを見るのは、お、お父様以外のは、
 は、初めてで・・・って、そうじゃない!私は誰に言い訳しているんだ!)

(な、何なんだ?コレは・・・ア、アシュ様〜〜!!助けて〜〜〜〜!!喰われる〜〜〜!?)

2柱は相当パニックになっている様だ。特にベスパは酷い。目をぐるぐると回している。
そんな様子なのに、視線をある部分に固定したままだ。
頭から湯気が出始めている。

「あー・・・横島くん?取りあえずコレを着てくれ」

「・・・まさかだとは思うが、二人がこんなになったのは俺が裸だからか?
 魔族がこんなに初心でいいのかよ・・・・・・」

「ははは・・・まあベスパは生まれてから大体1年半で経験不足だし、
 姉上は名前が名前だけに、言霊で縛られているから仕方が無いと思う」

「ふ〜ん・・・言霊?」

横島はジークから服・・・魔界正規軍の仕官服を受け取るとジークと会話しながら着る。
この仕官服は普段ジーク達が着ている戦闘服みたいなモノでは無く、式典用の礼服みたいなモノだ。
黒色なのは、魔族のイメージカラーだからだろうか?

横島の呆れているのか疲れたかの様な口調にジークは苦笑いするしかない。
着終わった横島が靴や手袋等を身につけながらそう問う。ちなみにワルキューレとベスパは硬直したままだ。

「姉上の名はワルキューレ・・・・・・つまり“戦乙女”。戦う“乙女”なんだよ」

「・・・・・・・・・駄洒落かよ」

聞き終わる頃に着替え終わった横島はそう疲れ気味にそう言った。
横島は軽い頭痛を感じた様で右手親指と人差し指で米神あたりを軽くマッサージしている。

「はぁ・・・お〜い。ワルキューレ?ベスパ?」

「「ひゃ、ひゃい!」」

横島は諦めた様に溜め息するとワルキューレとベスパの肩をポンっと軽く叩いた。
2柱はとても驚いたようで聞く者が聞けば、少し間抜けな声をあげて直立姿勢をとる。

「ふふ。可愛いぞ♪」

「か、からかうな!」

「そ、そうだぞ!ポチ!」

「顔を真っ赤にして、説得力が無いぞ?」

横島は軽く笑いながら2柱をからかい始めた。焦った様に言ったワルキューレに弁上したベスパだったが、
横島は上を行った。

「「ううぅぅぅ・・・・・・」」

(本当に可愛いな・・・普段とのギャップがまた良い)

すぐに反論された2柱は自分では気付いてないが涙目で横島で見る。
少し悔しそうで、上目使い気味なのがポイントだ。
そんな中ジークはどうしていたかと言うと・・・

「掃除しとかないとな。給料に響いたら困る」

横島の壊したカプセルの残骸を鼻歌を歌いながら整理していたりする。

「・・・っとこうしている場合じゃない!
 横島!最高指導者様の所に連れて行けと言われているんだ!行くぞ!?」

「まあ別に良いが・・・顔がまだ真っ赤だぞ」

「う、煩い!行くぞ!」

(横島くんも変わったな・・・それにしても、魔族化がプラスに働くなんて珍しいな)

ワルキューレはそう言いながら、顔を真っ赤にしながら横島の手を掴み引っ張りながら出て行った。
部屋に残されたのはジークとベスパの2柱のみ。ベスパは急な展開について行けずフリーズしている。
そんなベスパにジークは誰にも知られない様に溜め息を付いた。


―後書き―
風邪引きでやる事が無く頑張って回らない頭を回して頑張るアイクです。
ベスパとワルキューレのキャラが何か微妙に壊れた?
・・・・・・・・・・風邪が・・・風邪が悪いんや〜!!!
萌えに挑戦しろと何かがワイに囁いたんや〜〜〜〜〜〜〜〜!

あ〜・・・タマモどうすっかな〜?
タマモを出さなかったらシロも出す気は失せるし・・・困ったもんだ。


〜レス返し〜
・アミーゴ様
 暇だと、風邪で頭が回らなくとも無理すれば考えられるモノです。
 そして言いたい!私のメモよ!どこ行った〜〜〜〜!!!
         俺はタマモを出すか出さないかどう考えたんだ〜〜〜〜〜〜!!!

 すいません。錯乱(?)気味なんです。

・Dr.J様
 かもしれませんね〜

・DOM様
 ええそうです。姿はかわりまよ。(開き直り)
 どう変わるかは秘密ですがね〜。

・February様
 誤字修正、さっさとやらせて頂きました。
 見つけたら遠慮なく書いて下さい。お願いします。

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