インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

!警告!ダーク、バイオレンス有り

「闇に染まる第八話(GS)」

アイク (2007-03-01 00:16)
BACK< >NEXT

―第八話― 魔の断片 ―

ある一室は慌てふためいていた。
それもそうだろう。彼等のいる部屋へ向かう彼の存在の為だ。

「所長!間に合いません!」

「だからバックアップは取っておけと言っただろう!急ぐんだ!」

彼等のいる第二研究室は正に火の車、荒れていた。
山岡の隣の部下の泣き言を聞く気は無いと叫ぶ。
横島が行動を始め約1時間半、山岡がそれに気づいたのは、
横島が虐殺と言える戦闘を始めた時だった。
そして、部下達の職務怠慢と己が傲慢は刃となり自らに振りかかる。

彼等が監視カメラで見た横島の戦闘力は山岡の推測の斜め上を行く、
正に予想外と言える高さだった。

横島の作り出す惨状は正に悪夢。

そして、作り出した横島は彼等には悪魔に見えた。
幻と分かっている。
だが彼等に、監視カメラに映る横島に一対の黒い羽が生えている様に見えた。

彼等にとって横島はただのサンプル・・・モルモット同然だった。
しかし、横島の作り出す惨状に、彼等はとんでもない化け物を、
身の内に置いていたかを知る。

“死”“殺戮”“破壊”を具現化した様な化け物。悪魔。死神。
それが彼等の今の横島に対する評価だった。

自分達に怨みを持つ“化け物”が向かってくるのだ。
一刻も早く逃げたい。
だが、ある程度のデータは必要な為すぐには逃げられない。
逃げられたとしても、データが無ければ命の保障は無い。

かと言って、すぐに逃げなければ命は無い。

この状況は、彼等の辞書に有る余裕という文字を抹消する。

「何をしているんだ!そこは…」

ズドオオオオオオオオオォオオオン!!!

「「「「「うわぁああ!」」」」」

「「「「「きゃぁああ!」」」」」

山岡が隣にいた所員の間違いをしようとした時、
扉に凄まじい爆炎と衝撃が襲い破壊する。
その威力は扉を破壊するだけでは収まらず、扉付近にいた所員を吹き飛ばす。

カラッ

「う、うぅう・・・」

「一体何が・・・」

扉があった所は瓦礫の山となり、煙がたちこめる。
先程の爆発で、扉付近にいた所員はほぼ全滅。
かろうじて生きていた一人の所員の呻き声とコンクリートの壁が一部崩れ、
音をたて、山岡は状況を把握しようとそう呟く。
山岡の一言は、生き残った所員の心の代弁だ。

「ひぃっ」

グチャ

だがそれはすぐに分かる事となった。
呻き声をあげていた所員が小さな悲鳴をあげたとたんに聞こえた、
何か、中身が有る何かが潰される生々しい音。

何があったのか理解するも、否定したい。
それが彼等の心情だ。

「え?・・・あぁあああっ!」

一人の女性所員は煙がたちこめる中、そっと立ち上がる。
恐怖に耐えられなくなり、逃げようと考え、行動したのだ。
だが、突然感じた何で貫かれる感覚に腹部を見ると、痛みが鮮明になり、
甲高い悲鳴をあげた。
皆が皆悲鳴がした方を反射的に見たが、煙で何も見えない。

「痛い!痛いぃい!」

煙がはれていき、彼等が目にしたのは腹部から剣を生やした女性所員の姿。
そして彼女を貫いた犯人、横島は悠然と貫いた姿勢のままでいる。
その姿は見せている感じがするモノだ。

「さぁ・・・どうやって死にたい?」

「嫌!いやああぁぁあ!死にたくないぃいぃ!」

「首を砕かれるか、斬られるか・・・
 それともこのままで失血死か・・・どうする?」

「いやあぁあああ!」

「くくく・・・」

横島は女の耳元で優しい声音で呟いた。
そして女の言葉が聞こえていない様に問う。
女の悲鳴に横島は小さく口の端を少し吊り上げた様に笑った。

その姿は、腹部から生える剣さえ無ければ彼女をいじめる彼氏に見える。

「お願い!私の体を好きにしていいから!」

ドシュッ

「あっ!あぁぁ・・・」

ドサッ

横島は女の哀願に一度剣を抜き、すぐさま心臓を貫く。
そして女は抜ける様にもらした声を最期に床へ倒れた。

「くくく・・・この演出はどうだ?次は、どれにしようか…」

「「「「「う、うわああああああ!!!」」」」」

「「「「「化け物!悪魔!!!」」」」」

「「「「「ひいいぃいいいい!!!」」」

横島は獲物をどれにするか彼等を見渡す。
横島の目を見た彼等は背に氷を入れられた様な感じがし、
各々叫びながら山岡を筆頭に奥の扉の奥へ入ろうとする。

「あぁあ!」

「ひぐぅあ!」

「ごあっ!」

ドシュ ドシュ ゴキャ ベキッ

横島は剣を一閃に投げて一人を串刺しにし、奥の扉付近へ縫いつけ、
霊波で刃と化した手で肉を裂き、骨を砕く。

命を狩る獣となった横島は逃げ惑う彼等を老若男女区別無く殺す。

今の横島の頭には善悪の区別は無い。
“敵”と認識したモノを殺す。
それが大半を占めている。

ドシュッ

「あがぁあ!」

ドサッ

「・・・あとは中へ逃げ込んだか」

部屋にいた逃げ遅れた者達を殺し尽くし、
人体を貫いている右手をその体から抜き、扉の奥で走る姿を見、
静かにそう呟いた。
人を壁に縫い付けていた剣を抜き、奥へ行く。

「あ、あうっ」

「や、やめてくれぇええええ!」

中からすぐさま人の断末魔があがった。

中は異様だった。
扉の奥には大きな空間が有り、数多くの2m〜3m程のカプセルが、
規則正しく並んでいる。カプセルの中身は異様だ。
あるものは頭だけ、またあるものはその逆で頭が無い。
腕や脚が無いものもあれば、性別が女のものも有る。
そして、これ等には共通点が有った。
それは・・・顔があるものは全て横島に似ていた。

「ちっ・・・山岡の奴、俺のクローンを作ってやがったのか。
 俺を解剖をしないと思ったらこんなマネを・・・
 まぁ、確かに一体でも成功すれば文珠製造機の完成だがな・・・」

次々に狩りながら見たソレ等に対し舌打ちし、狩る速度が自然と速くなる。

(なんで俺はコレがクローンだって分かったんだ?)

だが分かった事に横島は不思議に思った。
横島にはソレ等がクローンだと分かる知識は無かったのだ。
それなのに分かった。
直感的にでは無く、前から知っている様な感覚でだ。

(俺はこんなに平静でいられる人間じゃ無かった。
 自分で言うのはアレだが、情けない人間だったよな…さっきやった演出…
 それに第一、この高揚感は何なんだ?)
「俺に一体何が起こっている?」

横島は不安に感じ始めた。
以前の自分ではまったく出来ない事を平然とやる自分。
そんな事を考えながらも狩る手を止めはしない自分。
そして何より、殺す事を楽しみ始めた自分。

だが横島は考えるのを止める。

なぜなら、何かの機械をいじる山岡と女性所員を見つけたからだ。
カプセルは金属製の4m大なが一つ山岡の近くにあり、
横島のクローンらしきモノの入ったカプセルは無く、
床も壁も天井も全て唯の鉄板。

ズシャッ

「あうっ!」

横島は女性所員を背後から大きく斬り裂いた。
女性所員の声に山岡は急いで振り返る。

「あとはおまえ一人だ」

横島は静かに山岡を見、言う。
けして大きな声では無いのだが、その一言は重く山岡にのしかかる。
ゆっくりと山岡へ向かう横島。
無言だが、
その顔は冷い感じのする笑顔、口の端を少し吊り上げた様な笑顔だ。
緋色に染まった左眼は見えていないというのに、
妖しく冷たい光が込められ、鋭く山岡を射抜く。

「う、うわあああぁああ!」

バキッ
ぷしゅうぅううぅ    ウイイイイイン

山岡は迫り来る死の恐怖に負け、発狂したかの様に叫び、
操作していたパネルをおもいっきり殴りつけた。

山岡の近くにあったカプセルから蒸気が噴き出し、
モータ音と共に開かれた。

中に居たのは一体の異形。


それは目覚めた。


―後書き―
久しぶりにレスを書いてくれた人が4人を越えた。嬉しいね〜
レスが少ないと、むっちゃ自信って無くなるもんだな〜
自信を無くして、すぐ終わる様にしてしまいそうになったよ。
我ながら情けない・・・

出来れば感想を書いて下さい。エネルギー源になる感想を!

それでは失礼〜

〜レス返し〜
・闇の皇子様
 ええ。放送されたみたいですね〜
 魔界送りに対してはノーコメントで…(そんなに分かりやすいか?(汗)

・はざま様
 こちらこそはじめまして。あと、アドバイスありがとうございます。
 そう言ってくれてうれしいもんです。

 君の知っている横島忠夫は死んだっていうセリフは元々言わせるつもり。
 けど服装までは考えてなかったんですがね。

・アミーゴ様
 アドバイス有難うごさいます。
 まぁ、死んだりするのは確かにそうなんですがね〜
 なかなか上手い事いかんもんです。

 >一話ごとの内容が思い割りに短く感じてしまうんですよね
 未熟者ですいません。まぁ、今はストーリー的にこんなんですが、
 十何話位になると、バンバン出すつもりなんで。

 あと投稿に関しては、時間が有る時に書いているもんで、
 早い時も有れば遅い時も有るんですよ。難しいもんです。

・皇 翠輝様
 ぶっちゃけ魔族霊基の影響やらで魔族寄りにてのはあってます。
 魔剣や超回復とかに関しては、後に分かります。
 ちなみに、霊基構造等に関しては何話になるか微妙ですが書きますんで。

・DOM様
 >無自覚に底なしの優しさとか無意識に女を落とすとか。(笑)
 激しく同意します(笑)
 横島について行く少女に関しては後々分かります。
 何時になるかは分かりませんがね。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

yVoC[UNLIMIT1~] ECir|C Yahoo yV LINEf[^[z500~`I


z[y[W NWbgJ[h COiq O~yz COsI COze