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▽レス始

「ヒーロー真正!! エピソード八(GS+平成ライダー+色々)」

煌鬼 (2007-02-28 23:46/2007-03-01 00:12)
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「そんじゃ、次は俺が行ってくるぜ」


ルシオラの戦いが終わると、雪之丞が指をゴキゴキ鳴らしながら立ち上がる。


「雪之丞、気をつけろよ」
「なんか、予想以上に強いメンツですジャ。気を引き締めていくですケンノー」
「おう」


そう言って、舞台に上がる雪之丞。そんな時、ふと視線を感じ振り返ると、そこには心配そうな表情のべスパがいた。


「・・・・待ってな」


雪之丞は親指を立ててべスパの思いに答えた。それにより、べスパの表情から不安が消える。そして、そのまま雪之丞は相手と向かい合うのだった・・・・そんな青春な光景とは別の場所で・・・。


「冥瑠おばさま・・・・・・・質が落ちてるなんて嘘ですわね・・・♯」
「おほほほほ〜〜〜〜♪」


美神と冥瑠の腹の探りあいが起きていた(笑)。


エピソード八 学園での戦い(後編)


「第六試合!!伊達雪之丞選手対弓かおり選手!!試合開始!!」


審判の言葉が発せられた瞬間、弓は薙刀を構えながら雪之丞に向かって走り出した。


「実戦派GSなら、後手にまわっては不利。先手必勝ですわ!!」


そのまま、雪之丞の肩めがけて薙刀が振り下ろされる。しかし、そんな安易な攻撃でやられる雪之丞ではない。


「なめんな!!」


雪之丞は地面を蹴ると、横に軽く避けた。そして、そのまま両手だけに魔装術を展開させる。


「喰らい・・・・・やがれ!!」


雪之丞の魔装拳(魔装術の腕Ver)が、弓に向かって放たれる。その攻撃が予想外だったのか、薙刀を盾代わりにしてそれを防ぐ。


≪ビシビシ・・・・・・バキーン≫


雪之丞の拳に耐え切れず、薙刀が砕け散る。しかし、その間に弓は間合いを取っていた。


「な、なんて破壊力ですの!?デタラメですわ!!」


弓は驚愕しながらも、なんとか自分を落ち着かせようとする。しかし、そんなやすやすと待ってくれる雪之丞ではない。


「オラオラ!ついてこれるか!!」


両手の魔装拳をあわせ、霊波砲を放つ。弓も霊波砲で反撃するが、起動を逸らすので精一杯だ。


「仕方ありません・・・・・弓式除霊術最終奥義!!」


弓は首にかけていた水晶の数珠を手に取った。その瞬間、弓の身体を
水晶で出来た鎧が覆う。更に、水晶で出来た四本の腕まで出現した。


「な、何!?」
「喰らいなさい!!六式霊波砲!!」


弓の六本の手から、雪之丞の霊波砲を逸らす出力の霊波砲が放たれる。雪之丞がとっさに防御に入ろうとするが間に合わず・・・。


≪ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン≫


その場に大爆発が起きた。


「ゆ、雪之丞ーーーーーーーーー!!」
「雪之丞ザーーーーーーーーーン!!」


横島とタイガーが叫び、べスパの顔が曇る。会場がざわざわとする中、次第に煙が晴れていく。そこには・・・。


「やれやれ、こんなとこで魔装術使うハメになるとはな」


魔装術【陰】を発動させ、くいくいと挑発する雪之丞が立っていた。


「な、なんでですの!?私の六式が何故!?」
「確かにちっとはやばかったぜ。だがな、俺の方が修羅場潜ってんだ。土壇場での戦い方の切り替えってのを知ってるんだよ」
「そ、そんな・・・」
「んじゃ、今度は俺が死線を潜った果ての力見せてやんよ」


そう言うと、雪之丞は右手に霊力を集め始めた。すると、まるで十文字の槍の形状へと変化し、彼の手に収まる。


「あ、あれって・・・」
「横島サンの霊波刀みたいですジャ」


そう、それは横島の救世の手の霊波刀を槍に変えた・・・・いや、更に収束させているような形だった。


「行くぜ・・・」


雪之丞は静かに、深く身体を沈める。まるで、百獣の王が得物を捕らえる前のように、静かな戦意となる。


「ま、負けませんわ!!弓家に・・・・負けはありません!!」


その雰囲気に焦ったのか、弓は再び雪之丞に六式霊波砲を放つ。しかし、それは過ちの行為だ。静かな戦意に飲まれた事による焦りは、敗北への一歩と化す。


「喰らい・・・やがれ!!!!」


雪之丞が死線を越えた果てに手に入れた一つの必殺技。獣の如く駆け、振るわれる槍は相手の力を一瞬にして打ち砕く、まさに獣の牙と言える力。そしてその結果・・・。


≪バキーーーーーーーーーーーーーーン≫


弓の水晶観音を、完膚なきまでに噛み砕いたのだった・・・。


「見事ですジャ雪之丞サン」
「いや、まだまだだな。あの女には魔装術を使わないようにしようと決めてたんだ」
「んでも、まさかあんな技覚えてるとは恐れ入ったわ」
「まぁな。俺もパワーアップしたんだ、必殺技の一つくらい持ってねえと、格好がつかねえしよ」


そう言って陣地に戻ってきた雪之丞を、横島とタイガーが迎える。


「さて、次はワッシが行くですジャ」
「おう」
「がんばれよ、タイガー」


二人の激励を受け、舞台へと上がろうとする。しかし、突然服の裾を掴まれ、止められてしまった。タイガーが振り返ると、そこには不安そうな琉朱菜がいた。


「琉朱菜サン・・・」
「信じてますから・・・・がんばってください」
「大丈夫ですジャ。琉朱菜サンが後ろに居てくれるだけで、ワッシは頑張れるですケンノー」


気丈に振舞うタイガー。しかし、その身体は僅かに震えていた。琉朱菜という存在で慣れたとはいえ、女性恐怖症は完全には直っていないのだ。そんな恐怖に震えるタイガーに・・・。


≪・・・チュ≫


琉朱菜は口付けを行った。それにより、タイガーはぽかーんとなり、横島たちは固まってしまった(女性陣は顔赤くして悶えているw)。


「タイガーさん・・・・私の想い、力に変えてくださいね」


そう言って、琉朱菜は下がっていく。それを受け、タイガーは頬を両手でパシンと叩くと、顔を引き締めて舞台に上がる。そして目の前には・・・。


「へぇ・・・・・・見せ付けてくれるんじゃねえか♯」


かなり怖い顔になり、頬をピクピクさせて仁王立ちする一文字魔理がいた。


「・・・・・・・がぉ」


思わず猫のような弱弱モードになってしまった(笑)。


「第七試合!!タイガー寅吉選手対一文字魔理選手!!試合開始!!」


審判の声と共に、魔理が持っていた木刀を軽く振るい、霊力を纏わせる。そしてそのまま、タイガー目掛けて突っ込んできた。


「うらーーーーーー!!」
「あ、危ないですジャ〜〜〜!!」


完全に相手に飲まれているタイガー。それを見たのか、更に攻撃性を上げる魔理。


「ち、避けるんじゃねえよ!!」
「そんな殺気全開じゃ逃げたくなるですジャ〜〜〜〜!!」


そんなタイガーの姿を見て、これがGSかという感じの六道生徒たち。それを見て雪之丞が切れそうになるが、琉朱菜がそれを止める。


「・・・なんで止める?お前の彼氏をけなした奴らだぞ」
「タイガーさんを知らない人たちには、そう思わせておけばいいんです。それに、まだタイガーさんが負けると決まった訳じゃありませんから」


そう言って、自慢の笑顔を見せる琉朱菜。それを見て、雪之丞や皆の表情も何故か笑顔になってしまう。


「こんのぉ!!」
「ギャーーーーーーーー!!」


そんな皆の事も知らず、相変わらず逃げまくるタイガー。しかし、その内ではやっと自身の霊力・戦術・能力のギアが回転し始めていた。


(女性は怖いですジャ・・・ジャが・・・ジャが・・・)


そして、ギアが全回転した瞬間・・・。


「琉朱菜サンが見ている前で、負ける訳にはいかんのジャーーーーーーーーーーーー!!」


虎は咆哮を上げた。


「な、なんだよこの霊力!?」


突然の事に驚く魔理。そんな事はおかまいなしに、タイガーは戦闘態勢に入った。


「幻影投射!!フルバースト!!」


タイガーは頭の中にイメージを流し込む。それは、幻想させるモノを創造させるために必要な工程。そして、彼が選んだイメージ・・・・それは・・・。


「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」


あの“デミアン”に手傷を負わせた、四聖獣の一角【白虎】。タイガーにとっての切り札。


「な!?そんなのアリかよ!?」
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


驚く魔理に向けて、白虎が疾走する。魔理が二・三度なんとか避けるが、四度目の攻撃で木刀を弾き飛ばされてしまった。


「だ、ダメか!!」


魔理はもう駄目かと思い目を瞑った。しかし、予想した攻撃は来なかった。魔理が目を開けると、そこには膝をつき、涙を流すタイガーの姿があった。


「やっぱり・・・・・やっぱりワッシには駄目ですジャ・・・・・・ワシは・・・女子には手を出せないですジャ・・・・」


そう言って俯くタイガー。それを見て、思わず魔理は笑みをこぼす。こんなやばい力を持っていながら、自分を傷つけなかったタイガーの心に。魔理はタイガーに近づくと、タイガーに向けて手を差し出した。


「ほら」
「・・・・あ」
「まったく、そんなんは何時までももたないぞ」
「・・・う」
「まぁ・・・・・ありがとよ」


そう言って、タイガーを引っ張り上げる。


「ま、その強さ・・・・・・大事にしろよ」


この日、タイガーはもう一人のパートナーとなる女性と出会った。名は【一文字魔理】。無論、舞台からおりたタイガーの頬を笑顔で抓る琉朱菜が恋人なのだが(汗)。


「それじゃ、次私行ってきます」
「頑張って、おキヌちゃん」
「大丈夫よ。おキヌちゃんならここの生徒・・・・・多分全部つぶせるから(青ざめ)」
「そ・・・・そうでござるよ。おキヌ殿に勝てる奴など・・・・(青ざめ)」


笑顔で応援する横島と違い、何故かタマモとシロの表情は青ざめていた。ついでに言えば、解説側にいる美神もまた青ざめていたが。


「?・・・・それじゃ、行ってきます」


疑問を感じつつ、おキヌは舞台へと上がり、中央へと進んでいった。おキヌが行った後で、シロタマがガクガクと震えだす。


「お、おい。どうしたんだ二人とも?」
「ヨコシマは知らないのよね・・・・・おキヌちゃんが取得した力を」
「あ・・・・そういや、猿神のじいさんとの戦いのダメージが大きくて、ずっと寝てたんだよな。確か、その間に試練を受けたっていうけど」
「ええ・・・・・・でもね、おキヌちゃんの能力だけは・・・まずいわ」
「え?」
「見てれば・・・分かるでござるよ」


二人が震える中、戦いは始まった。


「第八試合!!美神キヌ選手対黒影忍(くろかげしのぶ)選手!!試合開始!!」


審判の声と共に、おキヌは横島に作ってもらった笛を取り出した。この笛は、横島の救いたいという想いから出来た笛。つまり、ある意味ネクロマンサーの笛みたいな物である。


≪ピリリリリリリリリリリリリリリリリ≫


おキヌの笛が、忍の霊的触覚目掛けて放たれる。しかし、忍はかろうじてそれを引っ込め、霊的格闘に切り替えた。


「中々やりますね。しかし、私の格闘術を防げますか!!」


そう言って、彼女はおキヌに向けて蹴りを放った。おキヌはなんとかそれを避ける。しかし、蹴りの勢いを利用した旋風脚が、おキヌの頬を掠める。


「きゃ!!」
「まだまだ行きます!!」


更に攻撃を続けるおキヌ。隙がないため、おキヌは笛を吹こうにも吹く動作を作れない。


「や、やばいぞ!!おキヌちゃんが!!」
「大丈夫よ・・・おキヌちゃんの切り札が出たら決まるから」
「切り札?」


相変わらずタマモが青ざめる中、ついに忍の攻撃がヒットした。それにより、おキヌはコートギリギリまで弾き飛ばされる。


「さぁ、ギブアップしたらどうです?」


余裕な笑みを浮かべる忍。そんな中、ゆっくりとおキヌが立ち上がる。


「やっぱり私は格闘が苦手・・・・・・なら、“変わります”!!」


そう言うと、おキヌは転がっていた笛を拾い上げた。そして、先ほどとは違う音色を奏でる。


≪ピリリリーピーリリリリーピリリリーピーリリリー≫


その音色を奏でた瞬間、おキヌの身体にどこからともなく現れた赤い霊体が入り込んだ。そして次の瞬間、おキヌの髪が・・・・・燃える紅のように赤く染まる。


「・・・な!?」
「やっぱり・・・」
「使っちゃうでござるか・・・」
「なぁタマモ、一体何が起きてるんだよ?」
「おキヌちゃんの真髄って言える能力って分かる?」
「え・・・・・ヒーリングとかか?」
「まぁ近いわね。でも、おキヌちゃんは霊であった頃があるでしょ?」
「あ・・・・ああ」
「どうやら、おキヌちゃんは自分の他に“違う霊体”を入れて、その霊体の力を引き出す事が出来るのよ」
「な、なんじゃそりゃ!?」


横島が驚く中、バッとおキヌが顔を上げる。そこには、眼が赤く染まっているおキヌの姿があった。


「な・・・・なんですの!?」


忍が驚きの声を上げる中、おキヌ・・・・・・いや、おキヌの中にいる奴が、目覚める。


「時空(とき)を越えて!!俺、参上!!」


今ここに、白キヌを越え、黒キヌと対等に渡り合える存在・・・・・・桃キヌ(またか赤キヌ)が誕生した。


あとがき
やってもうた・・・・ついに、新キヌを作ってしまった(汗)。
後悔はしてません。やってみたかったんです(爆)。
次回が学園バトル最終編になります。どうか、おキヌちゃんの戦い、見届けてやって下さい。
では、次回までさらばです。

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