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「スランプ・オーバーズ!20(GS+オリジナル)」

竜の庵 (2007-02-22 19:26)
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 「サンチラ、出ませい!」

 この日もまた、小竜姫の力強い掛け声が高らかに響き渡る。
 妙神山修行16日目、式神再契約の儀式は七体目に突入していた。
 巳の式神サンチラは、電撃を放つ式神だ。電撃だけではなく、しなる鞭のような尾撃にも破壊力があるし、しなやかな体に巻き取られれば全身の骨を砕く膂力も持つ。
 冥子はソーサーをまず展開し、舞台でサンチラと向き合っていた。
 舞台の修復は、小竜姫曰く、『剛錬武が一晩でやってくれました』とか。鬼。

 「冥子ちゃん、捕まったら終わりだからね。感電死ってとっても痛いわよ?」

 「朝からイヤな事言わないで〜…」

 ほんの一瞬ころめに気を取られた隙を、サンチラは見逃さなかった。雷光を纏い、数条の電撃を冥子へ放つ。
 霊波砲なら見てから避ける事も出来るが、電撃はそうはいかない。擬似的とはいえ、光速がデフォルトなのだから。
 冥子はソーサーで体の前面を覆い、電撃を受け止める。否、偶然当たったとも。

 「危なかった〜」

 「ソーサー出しといて正解だったでしょ?」

 初撃を凌いだ冥子に、電撃の雨が浴びせかけられる。サンチラの体が光った、と認識する頃には着弾しているため、迂闊にソーサーを離せない。反撃するより先に電撃が突き刺さるだろう。
 ただ、衝撃は軽い。高密度の冥子ちっくそーさーなら、押し切れる。

 「冥子ちゃん!」

 「うん〜!」

 ゆらゆらと鎌首を擡げて電撃を放つサンチラへ、冥子はソーサーを盾に突進していく。
 基本の戦法は対アジラ戦を踏襲した。素早さに大差のない二鬼だし、昨日のアジラ戦と違って今回は体力も霊力も十分。余裕をもって対処出来る。
 サンチラは冥子の突進を認めると、こちらも距離を詰めるように前に出た。サンチラの全長なら、展開したソーサーごと締め付けられる。そこに電撃を通せば終わりだ。

 「来るわよ!」

 「ころめちゃん、準備を〜!」

 始めにころめが警告したように、サンチラに接近されれば勝機はほとんど無い。が、冥子には秘策というか、思いついたことがあった。霊力操作に慣れてきた今だからこそ、やれそうな事が。
 サンチラと冥子の距離が詰まる。電撃を放ちつつ体躯をしならせたサンチラが、瞬く間に冥子を身の内へと囲い込む。冥子が待っていた瞬間は、正にその時だった。


 「冥子ちっくふぃ〜るどっ! (当然…命名・ころめ)


 体を絞られれば終わり、という刹那の瞬間、冥子のソーサーは形を変え全身を覆う半球状のドームへと変わる。
 サンチラの体が結界に阻まれ、青白い火花を放って弾かれる。苦悶の声に、冥子の胸が痛んだ。何度聞いたって、家族の悲鳴には慣れない。
 が、冥子は追撃のための霊力を練る。編み込む。一刻も早く彼らを取り戻し、癒すために。
 冥子の思いついたことは、フィールドだけではない。ピンポイントでは狙い難い細長いサンチラに、効果的にダメージを与えられる攻撃。
 親友の技をヒントに、冥子は更なる集中力を発揮する。

 「んんん…!」

 イメージ的には…そう、卵の殻。


 「ふぃ〜るどぶれいく! &なんちゃって霊体撃滅波〜! (当然…以下略)


 ぱかっ、と。
 半球状の結界の真ん中…丁度冥子の胸元、ころめの眼の高さに結界が『割れた』。まるで卵を割ったかのように。
 そして、水平360度に開けた射線から、冥子の紡いだ霊力波が一気に放たれる。威力は分散し、射程も短いけれど、至近距離から全身に喰らったサンチラへのダメージは甚大だ。
 痛々しい鳴き声を上げて、解けたロープのように地面へ伸びてしまう。

 「ごめんね〜…ゆっくり休んでサンチラちゃん…」

 結界を解いた冥子は、横たわるサンチラに労いの言葉と微笑を向けると、式神を己が影の中へと引き込んだ。

 「結界を分割するとは…専門の結界術士でも難しいことを、こうも易々と…」

 ダメージの反動をおくびにも表情に出さず、小竜姫は呟いた。心眼の補助を受けての技とはいえ、冥子の霊的センスは、下手をすると美神以上のものがある。
 小竜姫は腕に鳥肌が立つのを抑えきれない。完全に仕上がった彼女と…戦ってみたいという野心が、武神としての疼きが、ぞくぞくと湧き上がってくる。
 美神とも戦いたいと思ったが、冥子に感じる強さはその比ではない。
 最初から霊能的に完成の域にあった美神と、自分の目の前で急成長していく冥子とでは…期待の幅が違いすぎる。冥子の完成形は恐らく想像を絶する強さだ。
 水を、栄養を注げば注ぐほど伸びる若い苗木が、一体どれほどの巨樹となるのか…喉がごくりと鳴る。

 「次の子、お願いします〜!」

 「…はい。では」

 まったく、修行場管理人冥利に尽きるというものだ。小竜姫は宝珠の原石を磨ける幸運に口角を上げながら、次なる式神インダラを影から呼び出した。


                スランプ・オーバーズ! 20

                     「宣戦」


 渋鯖人工幽霊一号は、基本的に静寂を好む。故に自分も無口だ。
 魂を精製した渋鯖男爵の性格に由来するのか、後天的に培われた嗜好なのか、それは本人にも判別のつかない事なのだが。

 『…どうにも、いけませんね』

 事務所を支配している沈黙の空気は、彼の好む静寂とは異なる苦さと重さを持っていた。
 愚痴も零れようというもの。

 「…お疲れ様っす、美神さん」

 「…ん。荷物片付けたら、帰っていいわよ」

 「了解っす」

 「……あ…お、お昼でも食べてく?」

 「…や、今日は小鳩ちゃんも休みでしょ。用意するの面倒でしょうし帰って寝ますわ」

 「え、あ、そう? ま、まあ、徹夜明けだしね」

 仕事上がりのテンションとは思えない、美神と横島のよそよそしい態度。空気がまるで梅雨時のように澱んでいると、人工幽霊一号は感じていた。
 美神のパワーアップによって除霊道具の量を減らせたため、横島の背負う荷物も随分と軽くなった。
 持ち出した道具を片付け、消耗品の在庫や道具の磨耗度などを簡単にチェックし終えると、今の横島には事務所に居残る理由が無くなってしまう。
 以前の彼なら、一仕事終えた疲れをおキヌのお茶や美神のチチシリフトモモで癒すべく、所内でのんべんだらりと過ごすところだが。

 「…美神さん、機嫌悪いからなぁ」

 装備一式を保管してある倉庫代わりの部屋で、横島は壁に背を預けて腕を組む。
 一体どうしたと言うんだろう。
 いつものセクハラも、日常茶飯事のレベルを逸脱してはいないと思う。それに最近はセクハラ自体もなんとなく躊躇う事が多い。言葉だけならまだしも、今のあの美神にボディタッチを交えたセクハラを敢行したら…洒落では済まない予感がする。

 「…はあ。おキヌちゃん達、早く帰ってこねえかなあ…」

 美神の様子が目に見えてぎこちなくなったのは、おキヌ達が旅立ってすぐの事だ。会話は続かず、空気は硬く、横島を意図的に遮断している風ですらある。
 小鳩が同席している時なら比較的柔らかい雰囲気も、仕事先やそこに向かう車内では碌に話もしない。したとしても、事務的な連絡に終始する。

 …横島の苦悩を嘲笑うかのように、腹の虫が鳴った。実は昨晩から何も食べていないので、正直辛い。
 美神から食事に誘ってきたのは、凄く久々だった。でも、どう考えても…あれは社交辞令である。従業員の体調を気遣う、上司目線。
 本当はさっさと一人になって、ひとっ風呂浴びるなり惰眠を貪るなりして、くさくさした気分を癒したい筈だ。

 「んだよなあ…雨雲みたいなオーラ背負ってる美神さんと、楽しくランチタイムってわけにはいかんし。俺なんぞに話して楽になる問題でも無いんだろし。どっちかっつーと俺が相談に乗ってほしいくらいだし…たはは」

 自分がさっさと帰ったほうがいい理由を指折り数えて、横島は力無く笑った。
 …美神に知られれば絶対に激怒するだろう、自分の悩み。雇い主の機嫌が直るまでは、内緒にして誤魔化そうと決意を固めて、倉庫を出た。

 「はあ……帰ってカップラーメンでも食って寝よ。…あ? 何だ?」

 廊下に出て、体内の澱を吐き出すようなため息を吐いた横島は、突き当たりの窓の外をちらつく何かに気付いて目を細めた。
 それは純白の、ひとひらの雪にも似たものだった。
 窓ガラスに何度もぶつかっては体勢を崩し、でも諦めることなく舞い続ける…一頭の、蝶。
 横島は訝しげに目を細めたまま窓へと近づき、懸命に羽ばたく蝶の姿を確認して一言、ぽつりと呟いた。


 「…………蛾?」


 『誰が蛾でちゅかああああああああっ!!』


 横島の脳が何事!? と聞き覚えのあるその大声に反応すると同時に、タイミング良く開いた窓の外から、一頭の白い蝶と…無数の黄色い蝶が廊下へと雪崩れ込んできた。
 横島の悲鳴は乱舞に呑み込まれる寸前、辛うじて発する事に成功したのだった。


 『…ふむ。これで少しは、状況が改善されれば良いのですが』

 結界と窓を開放し、蝶を屋内へと招き入れた張本人は、横島の悲鳴に気付いて、慌てて所長室から飛び出していった美神を見送って…

 『……静か過ぎるよりは、今までのように賑やかであってほしいものですねぇ』

 自分の嗜好が、いつも賑やかで楽しげな住人達に感化されてきているのを、決して不愉快に思う事無く認めていた。


 「次で最後ですね。ピカラ、出ませい!!」

 冥子は肩で息をしながら、小竜姫の影から飛び出したずんぐりとした姿の式神、ピカラに意識を集中させた。
 亥の式神ピカラは怪力で敵を粉砕する、極めてシンプルな式神だ。
 式神の腕力は霊力の強さに依存する。ピカラは他の式神のような特殊性を持たない分、タフで強靭な肉体を有していた。

 「冥子ちゃん! ピカラには小細工が通用しないわ。残った霊力全部使って、真正面から叩くわよ! いい?」

 「……わ、分かった〜。じゃあソーサーも無しね〜…」

 再契約も残るは一鬼。
 冥子の霊力はインダラやシンダラといった速度特化の式神を相手にしたこともあって、かなり削られている。霊波砲の乱射誤射による損失は如何ともし難い蓄積ダメージとなって、彼女の体を蝕んでいた。
 相手は剛力自慢のピカラである。お互いに攻撃方法が限られている分、取れる戦術の幅は少ない。加えて体力的にもいっぱいいっぱいの冥子には、小細工を弄する余裕は最初から無かった。

 「では初め!」

 小竜姫の号令が、ピカラを突進させる。ギリギリと牙を鳴らしながら…文字通りの猪突猛進だ。

 「真っ向勝負よ!」

 「うん〜!」

 対する冥子はバックステップで間合いを取り、両手をピカラに向けた。残った霊力を掻き集め、ころめもその霊力を少しでも威力へ還元出来るよう、繊細に制御していく。
 くわわっ、と開いた心眼が少し充血して見えた。

 「霊波砲の正面連打で仕留める気ですか…ふふ、そういうのは嫌いではありませんよ。全力でやりなさい、冥子さん」

 小竜姫は冥子ところめが選んだ戦術に、心の中で及第点を与えた。最大火力による短期決戦しか、現状でピカラを突破する方法は無い。

 …何より、アツいし!

 「生半可な威力では、このピカラは止まりませんよ!!」

 思わず叫んでしまった声の端から覗くのは…歓喜か。血が滾るシチュエーションに、心も躍る。熱血体育系の面目躍如である。
 彼我の距離の差は、十メートル。

 「たああああっ!!」

 一発目の霊波砲が、ピカラに炸裂した。爆炎が上がり、手応えも十分だが…止まらない。
 八メートル。二発目。止まらない。
 六メートル。三発目。止まらない。

 「うああああああああああああああっ!!」

 四メートル。四発目。まだ、止まらない。勢いが、衰えない!


 「あああああああああああああああああああああああああっ!!」


 渾身の、乾坤一擲の最後の一撃が、冥子の手から一直線に間近まで迫ったピカラの鼻先へ炸裂した。ピカラの悲鳴と爆音、爆炎と衝撃波が一緒になって冥子の体を吹き飛ばす。

 「冥子ちゃん!? 生きてる!?」

 受身も取れずに背中を痛打した冥子は、息を詰まらせて返事が出来ない。酸欠と耳鳴りのせいで、金属音のような異音が頭の中に木霊していた。

 『グオオ……ァアッ!!』

 黒煙の中から、ピカラが姿を現した。突進の勢いは失っていたが、仰向けに倒れた冥子へと傷だらけの体を引き摺るようにして接近していく。
 全身のダメージは小竜姫の目算で五分。
 勝利の分かれ目となるのは、精神力の強さ。心を支える柱の太さで決まる。

 (でも、それなら)

 小竜姫の額に伝う汗が、ピカラが受けたダメージの強さを物語っている。まともに喰らったためフィードバックも相応の強さだった。

 …冥子が、上半身を震えながらも起こす。必死に呼吸を整え、体内に残る霊力量を確認する。ころめも全身の霊絡を隈なく調べ上げ、こそげ取るようにして霊絡へと送る。
 ピカラが最後の咆哮を上げて、冥子に圧し掛かってきた。巨体の影が、いまだ立ち上がれない冥子の頭上から覆い被さる。

 「これで、全部っ!」

 ころめの叫びに呼応して、冥子の右腕が光った。ぎゅっと握られた拳が薄っすらと霊気を纏って発光する。


 「――――――――――――――っ!!」


 声を出すほどの余裕はもう無かった。

 けれど、真っ直ぐに突き出した冥子の霊波拳は、圧し掛かるピカラの腹部に突き刺さり、その自重とカウンター気味の打撃の相乗効果でもって、式神の体を弛緩させた。

 「ふっ……ふっふ…これぞ…奥の手…『冥子ちゃん・はじめてのぐーぱんち』よ…」

 ゆっくりと、冥子の体を避けるように崩れ落ちたピカラへ、冥子もまた上半身を凭れかけて頬を寄せた。ころめの疲れきった声も、聞こえてはいなかった。

 「勝負あり、ですね。おめでとうございます、冥子さん。十二神将全員との再契約…ここに叶いましたよ。頑張りましたね」

 勝負を分ける、精神力の強さ。
 妙神山へ来て、冥子の心を支える柱は一回りも二回りも太く逞しくなった。些細なことで泣いていた脆さは消え、前を見据える確かな眼を手に入れた。

 「式神との絆以上に、貴女は大切な強さを手に入れましたね。これなら次の試練にも、きっと立ち向かえます。………乗り越えられる、と信じています」

 ピカラを影に入れる体力も尽きた冥子は、昨日と同じく眠り込んでいる。今回はころめも精根尽き果てたようで、心眼は閉じていた。ブローチの表面も大分汚れてくすみが目立つ。

 「…でも、それはまた明日にしましょう。さて、パピリオの準備は整っているでしょうか…おキヌさんも呼ばないと」

 優しく冥子の頭を撫でた小竜姫は、傷ついたピカラをひとまず己の影に仕舞い、冥子をそっと抱き上げてくすりと笑うのだった。


 …それから二時間ほどして。
 おキヌと冥子は小竜姫に呼ばれて、いつも食事を摂っている部屋へと集合していた。

 「何でしょうね、小竜姫様。修行を切り上げて集まれだなんて…」

 地蔵押しの捗らないおキヌは、珍しく不満めいた台詞を暗い表情で呟く。
 仮眠を取って多少は回復したものの、寝起きのぽやっとした空気を引き摺る冥子は瞼が半分下がっている。

 「あ〜……ほらほら〜…ちょうちょが見える〜…」

 「冥子ちゃん、寝ぼけてるし…ふああ…でも、私もまだ眠いわぁ…」

 「こんなことやってる場合じゃないんだけどな…って、ほんとに蝶がいますよ」

 二人の視線の先、かなり型の古い小さなテレビから伸びている銀色のアンテナの先で、白い蝶が羽を休めていた。
 このテレビが画像を映しているのを、おキヌは見たことがない。食事中はマナーとして消しているし、食事が済めば大抵自室へ戻ってしまうので。くたくたに疲れている体を推してまで、見たい番組もない。

 「でもこの蝶ってパピリオちゃんの…」

 白い蝶の正体におキヌが首を傾げていると、襖が開いて小竜姫が現れた。

 「揃っていますね。では、始めましょうか。パピリオ! 聞こえますか?」

 二人を一瞥した小竜姫は、白い蝶に顔を寄せて大声で呼びかけた。おキヌの予想通り、パピリオの眷属らしい。

 「…あれえ? あ、そうでした。てれびじょんのスイッチを…」

 スイッチのつまみを引いて、電源を投入する…昭和の香りのするテレビである。家電製品三種の神器等と呼ばれていた頃の代物だろうか。軽く半世紀は経っていそうだった。
 小竜姫がスイッチを入れると、徐々に画面に砂嵐が流れ始める。

 「これで良し、と。…いいんですよね? では改めて…パピリオ! パピリオ!」

 一体何が始まるのか、テレビの側面をぱしぱし叩きながら弟子の名を呼ぶ小竜姫を見ても、皆目見当が付かない。

 『……姉? ……竜お姉! …んまり叩いたら駄目でちゅ! 電波が乱れる!』

 と、砂嵐を映している画面から、パピリオのノイズ混じりの音声が聞こえてきた。慌てて小竜姫が叩くのをやめると、砂嵐も落ち着いてくる。同時に音声もクリアになってきた。

 「あのー、小竜姫様? これから何が…」

 堪りかねたおキヌの問いかけに、小竜姫はにっこりと微笑んで答える。答えになっていないが、まあ見ていろとそういう事らしい。おキヌは唇を尖らせて黙った。

 『ん、むむ…ふうふう…ああもう、東京の空はスモッグが厚いでちゅね! 魔力が上手いこと…む…』

 何やら作業中のパピリオの愚痴が、謎を深める。冥子は既に、おキヌの肩に頭を載せてすぴすぴと眠っていた。起こすのは、事が落ち着いたらでいいだろう…おキヌは苦笑しながら思う。
 どうやらパピリオは、このテレビを映すために奮闘中のようだ。徐々に砂嵐がどこかの風景を映し出そうとしている。

 「まだですか、パピリオ? ほらほら、日頃の修行の成果を見せなさい」

 『簡単に言うでちゅね!? …っと、人を中継基地代わりにしといて…っよ、ほりゃ、そおいっ……』

 「…へえ、なるほど。パピリオちゃんの眷属を媒介にした魔力通信なのね」

 ころめが心眼を細めて言った。アンテナに止まった眷属から、外へ魔力が伸びていくのが分かる。電話線代わりに眷属を連ねて、目的地まで飛ばしているのだろう。
 どこまで眷属ネットが伸びているのか分からないが、途中でパピリオがブースター役を努めることによって、魔力の途絶を防いでいるようだ。以前ならまだしも、大幅に力の減じた今のパピリオでは、簡単な作業ではないらしい。

 『ふー、やっと安定した…小竜お姉、映像届けまちゅから受信の補助をよろしくでちゅ』

 「はいはい。…さて、おキヌさん、冥子さん。お二人がここへ修行に訪れて二週間以上が経ちました。両人とも一定の成果は上がったと思われます。そこで、中間報告をしましょう。お二人が真っ先に成果を伝えたい筈の………こちらの方々に」

 穏やかな口調でテレビの横へ回った小竜姫は、笑顔で。

 ごすり、とテレビの右ナナメ45度付近に竜神チョップを喰らわせた。

 …良く分からないが、これが『受信の補助』という奴だったらしい。どこで仕入れた知識だ。
 果たして、テレビは一瞬ノイズを走らせた後に…おキヌと冥子も良く知る光景をカラーで映し出す。


 『お、映っとる映っとる。おーい、おキヌちゃん! 元気でやってるかー?』

 『大掛かりなことするわねぇ…冥子も元気? 暴走してない? 修行場壊してない?』


 そこに現れたのは、たった二週間前まで自分のいた…美神除霊事務所の居間の光景だった。
 そして、こちらに笑顔で手を振る横島と…無表情を装いつつ、でも心配しているのがばればれの美神の二人である。
 ソファから身を乗り出している横島と、深く座る美神の対比が、なんとなくそれらしくて…おキヌの頬も自然と緩む。

 「美神さん、横島さん……! あはは、な、何だか気恥ずかしいですねこういうの」

 『いやー、パピリオの眷属が大群で押し寄せてきたときは、思わず殺虫剤撒くとこだったぞ。説明が遅いんだよあいつ』

 『パピの美しい眷属達を蛾呼ばわりしたのが悪いんでちゅ』

 『だってよ、てっきり家ん中の電気に誘われたもんだと思って。蛾の習性で』

 『また蛾って言ったー!?』

 「こーら、パピリオ。貴女が話してどうするんですか。大人しく通話の安定に努めなさい。終わったら、約束通りお休みをあげますから」

 『うー…約束でちゅからね!』

 パピリオの声が消えたと同時に、画像の粗が少し補正された。真面目に仕事をしているようだ。

 「横島さん…あの、ちゃんとご飯食べてますか? カップラーメンばっかりになってませんか?」

 『あ、大丈夫大丈夫。バイトあるときは小鳩ちゃんが作ってくれるから。今さ、おキヌちゃんの代わりに家事してもらってんだよ』

 「花戸さんが?」

 『掃除してくれる人がおらんと、仕事にならんからさ。いやー、おキヌちゃんの存在は色んな意味で死活問題だったんやなー』

 『うっさいわね! どうせ掃除も出来ない女よっ! 半日で物が溢れたわよ!』

 頬を赤らめて喚く美神を、横島がなはは、と横目に笑う。画面の向こうとはいえ、その懐かしい空気はおキヌの胸にも伝わってきた。

 『で、そっちはどう? 冥子、ちゃんとやってる? …なんか眠ってるみたいだけど』

 「あ、ほら、冥子さん! 美神さんとお話できますよ!」

 冥子の肩を揺さぶると、がくんと頭がずり落ちて…卓袱台にそのまま激突した。
 一瞬、テレビの向こうが凍りつく。暴走の二文字が脳裏を過ぎる。

 「……あう。あれ〜…令子ちゃんだ〜。いつこっちに来たの〜?」

 額を押さえて起き上がった冥子は、まだ寝ぼけていた。その様子に、美神の目がそれまでとは違う意味で細められる。

 『…冥子、ちょっと変わった?』

 「え〜? 別に身長も伸びてないし〜…あ、少し痩せたかも〜…ほえ、令子ちゃん、いつからテレビタレントになったの〜?」

 額への痛打も意に介せず、冥子は二の腕の辺りを触ったり、修行着の胸元を覗き込んだりと美神の言うところの『変化』を探す。

 『あー…いいや、もう。おキヌちゃんはどう? ショウチリの面倒も見ながらだと大変かもだけどさ』

 おキヌに視線を移した美神は、頬を掻きながら尋ねてきた。
 本音を言えば、おキヌを冥子の妙神山修行に同行させたのは、暴走に対する抑止力を見込んでの部分が大きかった。龍笛による鎮静効果と、ショウというおもちゃ(酷)を与えることによる暴走トリガーのロック。
 痛いのも辛いのも嫌いな甘えん坊の冥子が、痛くて辛いのがデフォの妙神山で、泣き出さない筈が無い、と。
 暴走したら事務所から追い出す、十二神将は護符化して離しておく、いざと言うときにはミチガエールを無理やり飲ませる…幾つもセーフティは用意したが、何せ冥子だ。用心に越したことは無い。

 「……一生懸命やってるつもりなんですけど、ね。あははは…」

 『元気無いわね? …大方アレでしょ。自分が何のために一生懸命なのか見失った、とか』

 「…! どうして…」

 『この美神令子を舐めないでくれる? 何年付き合ってると思ってんのよ。おキヌちゃんの考えそうなことなんて、全部まるっとお見通しよ!』

 ほーっほっほ! とやや大仰に手の甲を口許に寄せて笑う美神。

 (ほんとはパピリオから悩んでるって聞いたんだけどね!)

 内心では真実を吐露しつつ、美神は目を丸くしているおキヌを見やる。
 彼女の性格なら、どんな悩みを抱えていたとしても、まずは一人で解決しようと考えるに決まっていた。しかも他人に…特に身近な人間にはばれる事のないよう、ひた隠しにして。

 『私が察するに…おキヌちゃんは贅沢なのよ』

 「贅沢…?」

 思ってもいなかった美神の台詞に、おキヌは絶句する。
 確かに自分の環境が恵まれているのは自覚していた。良い仲間や友人に囲まれ、余人には持ち得ない特別な力もあり、それを生かした天職のような仕事をしていて。
 それが、贅沢…

 『はっきり言って、貴女が妙神山でこれ以上成長する理由なんて…無いわ。ネクロマンサー能力に絶対浄化結界・神域…十代の若さでそれだけの霊的素質を開花させた貴女が、今更妙神山で何を学ぼうっての?』

 美神の口調に、ふざけたり嘲る様子は皆無。淡々と、言葉を紡いでいく。

 『間違っちゃいけないのは、そこはあくまで霊能修行場だってことよ。おキヌちゃんが抱えているどろっとしたものを処理するお悩み相談処でもなければ、小竜姫様はお昼の番組で思い切った電話を受ける名物司会でもないの』

 おキヌは器用な人間ではない。
 一度抱えてしまったものをそのままに、何食わぬ顔で日々を過ごす事なんか出来ない。本人は隠しているつもりでも、表情や雰囲気に出過ぎるくらい出てしまう。
 辛辣に聞こえる上司の言葉に俯いたおキヌは、正座した膝を強く握った。

 『分かる? 私が贅沢だって言った意味。おキヌちゃんはね、自分の悩み全てを修行で解決出来ると思ってる。地獄の獄卒も血の涙を流してのたうつような妙神山で…』

 「美神さん!? 人の家を針山や血の池みたいに言わないで下さい!! 誤解を招きますから!」

 『話の腰を折らない!! 命懸けの修行が当然なんて環境、ほとんど地獄でしょうが!』

 あまりの言われように訂正を求めた小竜姫の弁を、ずばり斬って捨てる美神。小竜姫自身、失敗すれば死にますよー、とか軽ーく言ってしまうので黙るしかなかった。
 命の尊さを説く仏道の守護者として、もしや自分は失格なのではと衝撃を受けて固まる竜神を、一同すかっと無視して話は続く。

 『体を動かしたって、流れてくれるのは汗くらいなもんよ。血反吐吐いたって同じ。これは本来…私が聞く筋合いでもないんだけど』

 美神はこほん、と一つ咳払いをして居住まいを正し、真っ直ぐに、顔を上げたおキヌを見て言った。彼女の瞳が揺れているのを確認しながら。

 『氷室キヌは、将来何になりたいの?』

 「え……」

 曖昧な未来を願う自分なら、その問いにすぐ答えられる。
 『いつまでも皆一緒に仲良く過ごしたい。想いを寄せる横島忠夫の側で笑い合いたい』…と。
 でも美神の欲する答えは、そんなものではないだろう。小学生がアイドルやパイロットを目指す、と作文に書くのと同じレベルだ。

 『うちの事務所で一緒に働きたい? 誰かを好きになって結婚して、幸せな家庭を築きたい? 大金持ちになってウハウハな豪遊生活を送りたい?』

 美神と横島、この二人と並んで過ごす時間はかけがえのないもの。失いたくないもの。いつまでも続いてほしいもの。

 『いい? 貴女が贅沢だって言った理由にはもう一つある。おキヌちゃんの理想にはきっと、誰も不幸にしたくないという優しさが根底に存在する。自分がどんな未来を選んでも、誰もが祝福してくれる…そんな甘さがある』

 自分はそこまでお気楽極楽な性格ではない、と反論したかった。自分がどんなに嫉妬深く、他人の不幸に鈍感であるのかを叫んでしまいたくなった。
 なのに、声には出なかった。
 美神の話は続く。

 『はっきり言って、贅沢よ。ぶっちゃけ、横島君が水着美女で一杯のプールにタキシード姿で飛び込みたいって思ってるのと同レベルね。妄想よ妄想』

 『ちょ、美神さん…俺が言うのもなんですけど、それは言い過ぎっぽい気がするよーな…っつか人の夢をゴミみたいにポイ捨てすんなあああっ!』

 鮮明な画像に、血涙の紅は綺麗に映えた。美神は鬱陶しげに縋り付こうとする横島を蹴り剥がすと、気を取り直して続ける。

 『おキヌちゃんの理想は綺麗過ぎる。他人のことを想い過ぎる。だから、自身を省みたときに…道が見えなくなるの。もっと我侭を言いなさい、おキヌちゃん』

 「わがまま…でも」

 『いやいや、おキヌちゃんはさ、もっとこの人を見習っていいんだよ。我侭と私欲とプライドで出来た美神さんをさ。この人は見た目派手で遊んでてミスバブル経済みたいな格好だけど、根っこは善人だし』

 『……貶されてんだか褒められてんだか…取りあえず後で八割殺しね。全殺しじゃないだけ感謝しなさい』

 『何その微妙な手加減!?』

 美神と横島の掛け合いは、おキヌも良く知る二人の姿。でも、なんだか…ほっとして見える。画面の向こうの二人の雰囲気が、柔らかい…温かさを感じる。

 「………私…こうだったらいいな、っていう理想像はあるんです。美神さんや横島さんと一緒にご飯を食べて、GSの仕事で救われない霊達を笛の音で成仏させてあげて…終わったらまた、事務所でお茶を飲んだりして」

 皆の輪の中に、自分もいる。幸せを共有する仲間がいる喜びと、得られた喜びに共感してくれる親友と、親友と共に笑う自分が大きな輪に。

 「でも…そっかあ。私、贅沢者だったんだ…周りをあったかく出来れば、自分も幸せになれるって勘違いしてたんですね…」

 おキヌは妙神山の麓で決意した。強くなる、と。
 冥子と二人で温泉に漬かり、星空を見上げながら…誓った。神様にではなく、今、目の前でおキヌを心配そうに見つめている青年に。

 夢と理想を叶えるための、目標…

 氷室キヌの目指すべき将来。

 全ては、彼と同じものを見るために。感じるために。共に在るために。


 そのために必要なのは…!


 「…やっと分かった気がします。全部、目の前にあったんです。夢も理想も目標も」

 おキヌは穏やかにそう言うと、横島からすっと美神へ視線を移動させた。美神はおキヌの表情から何かを察したのか…不敵な微笑を浮かべる。

 『…言ってみなさい? その夢と理想と目標って奴を』

 「はい。全部一緒なんですよ、それって。ふふふ…」

 おキヌは一旦深呼吸して気持ちを整理すると、晴れやかに、真っ直ぐに、正直に…彼女らしさを全開にして言った。


 「私、美神除霊事務所の看板をもらっちゃいます。それで堂々と、横島さんも頂いていきます! 美神さんを超えるGSになって!」


 『ぶはあああおおおおあああぁあぁぁあぁあっ!?』


 もんどりうって倒れた横島の顔面から、謎の汁が飛び散った。人類からは分泌されない色の液体…仮に『驚嘆(びっくり)汁・Y』と名づけようか。

 『…本気で言ってるのね? おキヌちゃん』

 「もちろんですよ、美神さん。お傍でいろんなもの全部、盗ませてもらいますから覚悟して下さいね?」

 『…上等じゃない。私を超えるってことは、世界最高のGSを目指すのと同じよ。小娘に出来るかしら?』

 「うふふー…大丈夫ですよー。いろんな人に助けてもらいますから。横島さんを筆頭に! あ、シロちゃんとタマモちゃんも私がもらおうかな」

 『……あははははは! おキヌちゃん最高! そうよ! 私の下で働いてるんだもの、それくらいの欲を出して当然ね! 美神流のやり方、身に付いてんじゃない!』

 「はい。美神さんがびっくりするくらい成長して戻ってきますから、期待していて下さいね。だから…もう少し、待ってて下さい。ちゃんとご飯食べて、お掃除も花戸さんに任せきりにしないで、お布団も干して、あとは…」

 『分かってるって。こっちの心配はしないで、修行に専念しなさい。学校の方は六道のおばさまに言って、出席扱いにしてあるから。日本最高の霊能修行場に行ってんだもの、文句は言わせないわ』

 霊能科相手にしか通じない方法だが、美神の機転でそういうことになっていた。冥子の件もあるので、六道女史相手の交渉も楽に済むし。連絡を受けたクラスメイトの弓かおりや一文字魔理が、妙神山と聞いて驚愕していたが。

 「令子ちゃ〜ん…私とはお話してくれないの〜?」

 美神対おキヌの会話が一段落したのを見て、ずいっと冥子が卓袱台から身を乗り出す。今まで我慢していたらしい。

 『ああ、はいはい…あんたのことはもう、全然心配ないのが分かったからさ』

 「頑張ったのよ〜これでも〜。あ、ほらほら〜ころめちゃんよ〜」

 「…ども、ころめでーす。お久しぶり」

 『ころめ…って、心眼のこと? 心格の分離、上手くいったのね。いいパートナーでしょ?』

 「うん〜! 大切なお友達になったわ〜!」

 「ころめって名前は正直どうかと思ったけど、ね。慣れって怖いわー」

 「それでね〜……」

 「ぬああああっ! 何じゃ何じゃ!? 令子がテレビに映っておるっ!?」

 「…横島様、原色の液体に塗れて倒れてますけど。新しい芸のご披露でも?」


 ショウチリも乱入して…テレビ画面を通した両者の対話は、妙神山で定められた夕飯の時刻になっても続いた。ぶつぶつと仏道について考え込む小竜姫が、そのことに気付かなかったせいもあるが。

 こうして、小竜姫の計らいによる報告とは名ばかりの一同の団欒は終了した。

 通信の維持に魔力を費やし、へとへとにくたびれたパピリオはそのまま美神除霊事務所へと飛んでいき、約束のお休みを地上で謳歌することとなったが…それは別の話。

 そして翌日…これまでにない力強さでもって、おキヌはようやく地蔵押しに成功するのだった。


 つづく


 後書き

 竜の庵です。
 20話到達記念、増量キャンペーン中という嘘を思いつきました。何だこの量。
 冥子は十二神将を取り返し、おキヌも吹っ切れて…冥子編も佳境が近づいて参りました。うん、冥子編なんですよ確か。
 おキヌの色々なカミングアウトは、売り言葉に買い言葉っぽいですね。それと、あれは横島への告白ではありません。副題通り、美神への宣戦布告・決意表明ですね。驚嘆汁を噴いてぶっ倒れてましたし、本人。


 ではレス返しです。


 内海一弘様
 うーむ…どうやっても冥子が強くなりすぎますね。どこかでバランスを取らないと、下山してから困りそうです。
 おキヌの悩みはあんな感じの解決に。端折った感はありますが、場と相手さえきちんと設けてやれば解決出来るものでした。自分で考え結論を出せる娘ですよね、おキヌは。
 梓と健二はもっと早期に退場する予定だったのが、なんとなくだらだらと滞在させてしまって。健二が気付かなければ、最後まで付き合う羽目になっていたかも知れません。神父のところで修行、というアイディアは梓を再登場させた時に考えました。そうか、体調管理とか経営面の強化に繋がるなぁ…適材適所。
 コンサート、いいですな。そうなると、賛美歌歌える人とか欲しいですねー。


 木藤様
 パピリオのお使いは、地上への通信のための、中継ぎでした。悪巧みだなんて人聞きの悪いっ。小竜姫は単に人使いが荒いだけですよ? 
 老師は初回特典好き。といっても、プレミア性に惹かれるだけで中身にはあんまり興味はない、と思われます。フィギュアやなんかは未開封のままで堆く積まれていたり。ポスターも貼りません。古き良きゲームオタク、のような。の割には3種類のゲームを並列起動してるな…やはり廃神かも。
 小竜姫に策謀は似合いませんね。暫くぶりに事務所連中と話させようかー、程度の目論見でした。上手く行った、のでしょうかね。
 めこりんちょだとGS世界最終兵器ですな! あ、ギャグキャラだからダメージ無いのか!


 スケベビッチ・オンナスキー様
 これからは戦士長・六道と呼んでください。
 おキヌの悩みは遠くを見過ぎて近くのものにピントが合わなくなったのが、問題かと。やりたいこともそのために必要なことも分かっているけど、手段が見えない。美神との対話で、ぼけていたピントも合って超えるべき対象も見つけて、彼女の修行はこれから始まるのです。冥子編ですけどね!  横島の悩みも少しずつ顕在化させて、来るべき横島編ではすっきり解決させたいものです。
 ボンバイエは良い事言うなー…試合なんて見たことないけど。まだ政治家やってましたっけね。
 人格者を他に探すとー…ど、どぐらとか。
 コンサートは目に浮かびますね。なんとなく冬のイメージ。
 乙女か、と問われれば…本人は否定する、でしょう。たぶん。深読みすると間違いなく乙女ですが、深く考えないで下さいませ。アレです、精神的には大人なのです。


 カシム様
 地蔵押し、二週間ちょっとでおキヌもクリアとなりました。一ヶ月かからずに済みましたねー。今後の修行予定が白紙だっ…考えないと。
 美神の思惑は大したことありません。あくまで冥子メインで考えていましたから。今回の会話で、おキヌに対する姿勢も多少変化が出るでしょう。明確なスタンス、もおキヌの中で具体化して修行に精が出るはず。
 今更ながら気付いたのですが…横島主役の二次創作作品ってのは多いんですねえ。やっぱり魅力のあるキャラだから、なのでしょうか。本作はシリーズ毎にメインキャラが変わるので、活躍の場は少ないですね。オリキャラも多いしなあ…


 以上、レス返しでした。皆様有難うございました。


 次回、冥子の修行が本格化してきます。今回文字数の問題で丸々削除した未登場キャラの顔出しもあるかと。ヒントは片割れ。

 ではこの辺で。最後までお読みいただき、有難うございました!

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