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「TIME JUMPER  第三話(GS+仮面ライダーカブト)」

ICE DRY (2007-01-27 15:19)
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 俺は今、ボロボロの廃屋に来ている。
 新月の夜だから視界はほぼ見えない。
『ココハ俺ノ場所ダァァァァァァァァァァ!!』
 悪霊が俺に向かって地面に落ちている刃物を飛ばしてくる。
 俺は右手に霊力を集中し、サイキックソーサーを展開して、刃物を弾く。
 そしてそのままソーサーを投げつける。
 悪霊は床に溶け込むように消える。
 こういう場合、決まって出てくるのは相手の足元だ。
 俺はその場から後ろに飛ぶと、栄光の手を発動させ、霊波刀を構える。
『GURYAAAAAAAAAAA!!』
 思った通り、奴は俺の足元から大きく口を開けて現れた。
「単調だな、もう少し頭を使え!」
 俺は構えていた霊波刀を真横に振るう。
『ゲシャァァァァァァァ!!』
 悪霊が断末魔を上げて消える。
 俺は辺りに注意しながら霊波刀をしまう。


 俺がこの世界に来てから一ヶ月近くが経とうとしていた。
 初めは美神さんの家でヒモみたいな生活をしていたが、自分の生活費ぐらいは稼ごうと、ゴーストスイーパーの仕事を始めた。
 もちろん、俺の資格はこの世界では通じないから違法だ。
 ま、とりたくても戸籍など無いので試験を受けることだって出来ない。
 初仕事で手に入れた金を美神さんにもっていったら、
「襲ったのは銀行?それともコンビニ?はやく自首したほうがいいわよ?」
 なんていわれた。
 そりゃ当然だろうな。
 ついでにいえば、仕事をしたといっても合法的な仕事じゃないから、汚い金だ。


 俺はジャケットの内ポケットからウォークマンを取り出し、イヤホンを耳に押し込みながら、タバコを咥え火をつける。
 タバコの煙を肺いっぱいに吸い込み、イヤホンから流れてくる曲を静かに聴く。
 何も手に出来なかった。
 何一つ残っていない。
 俺は抜け殻。
 何も無い。
 そんな歌詞に自分を重ね合わせる。
 それにしても、さっきから誰かに見られている。
 薄暗い闇の中から、俺を監視している。
「隠れていないで出て来いよ。もうかくれんぼして喜ぶ歳でもないだろ?」
 俺の言葉に物陰からガタイのいい二人組みが現れる。
 二人とも、僧侶のような格好だ。
「何の用かな?俺は男に囲まれて喜ぶ趣味はないんだ」
 俺はタバコの煙を吐きながらいう。
「我が名は阿京」
「我が名は云京」
「「我ら六道配下の者なり!汝が行いしGSの違法行為に対し、我らが制裁をあたえん!!」」
 阿京と云京と名乗る二人組みが、腕を組み、声をそろえていう。
 俺の動きが六道家に知れたか。
 ちょいと派手にやっていたから当然といえば当然か。
 それにしても、まさか六道家が無免許GSの取締りをやっていたとは驚きだ。
 二人は式神を召喚し始めた。
 阿京と名乗った奴の前には、三メートル近い筋骨隆々のまさに鬼という感じの式神。
 云京という奴の前には、鎧を纏った同じく三メートルほどの鬼が。
 ……厄介だな……。
「行くぞ云京!」
「心得た阿京!」
 二人の式神が襲い掛かる。
「ハンズ・オブ・グローリー!!」
 俺は栄光の手を構え、阿京の鬼に飛び掛る。
 だが、その前に云京の鬼が立ちはだかり、俺の霊波刀が鎧に弾かれる。
「我が式神『鎧(ガイ)』に阻めぬものなし!!」
 間合いを取った俺に、阿京の鬼の拳が振り下ろされる。
「我が式神『豪(ゴウ)』の拳に砕けぬものなし!!」
 コンクリートで出来た床に大穴が開く。
 攻撃特化に防御特化かよ!こりゃ骨が折れるな……。
 俺はサイキックソーサーを投げつけるが、鎧の鎧に阻まれる。
 ……変身するしかない。
 だが、一瞬でも隙を見せれば二人の連携にやられちまう。
 豪が攻めて、鎧が守る。それは絶妙なコンビネーションだ。
二体の式神は常に俺を挟むように動く。同士討ちを狙ってみても、二人はことごとく避ける。
「なら、隙を作ってやるまでだ……」
 俺は両手に霊力を集中させる。
「何度やっても無駄なり!我が鎧の前では、いかなる攻撃も無駄なり!!」
 豪が下がり、鎧が前に出てくる。
「そうだな、直接攻撃はな!!」
 俺は霊力を集中させた両手を二人の前で叩く。
「サイキック猫騙し!!」
「なんとっ!!」
「ぬぐっ!!」
 手を叩いた瞬間に、まばゆい閃光が走る。
 俺が編み出した逃走用の技だ。姑息だが、相手の隙を作るのには最適だ。
「グラスホッパー!!」
 俺の声に反応して、闇の中からグラスホッパーが現れる。
「変身っ!」
『HENSIN』
 俺の体がバッタを模したバトルスーツに包まれる。
『CHANGE GRASSHOPPER』
 俺はすぐさまファイティングポーズをとる。
「油断してしもうた阿京」
「うむ!それにしても面妖な技よのぉ云京」
 二人の式神の霊力が上がるのを感じる。
「だが、どのような敵だろうと砕くのみ!くらえぇいっ!!」
 豪の腕が振り下ろされる。
「俺は砕けない!!」
 俺は振り下ろされる豪の腕を両手で受け止める。
 衝撃で両足が足首までめり込む。
「ぬぅ!豪の攻撃を受け止めるとは!」
「まかせぇい!行けぃ!!」
 鎧が俺のがら空きになったボディめがけ、拳を繰り出してくる。
「……なめるなよ!!」
 俺は豪の腕を跳ね上げ、グラスホッパーの脚部を押し下げる。
 それと同時に、左足のアンカーが縮み、霊力が圧縮される。
「ライダーダッシュ!」
『RIDER DASH』
 電子音声と共に、グラスホッパーの脚部が跳ね上がり、同時に左足のアンカーが一気に伸びて、圧縮された霊力が開放され、俺を前へ押し出す。
「言った筈!鎧の前では、いかなる攻撃も無力!!」
 云京が自信たっぷりにいう。
「なら、その自身ごと打ち貫く!!」
 俺はグラスホッパーの脚部を元に戻す。
「ライダーパンチ!!」
『RIDER PUNCH』
 右腕のアンカーが縮み、火花を散らしながら霊力が圧縮されていく。
「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
 俺は鎧の鳩尾めがけて、右拳を突き出す。
 俺の拳と鎧の装甲がぶつかる。それと同時にアンカーが伸び、圧縮された霊力が一気に打ち出される!
 ガキィィィィィィィン!!!
 当たりに金属がぶつかり合う音が響く。
 一瞬の静寂。
 そして、鎧の装甲に無数のひびが入り、砕け散る。
「……見事…なり」
 云京が崩れ落ちるように倒れる。
「云京!おのれぇぇぇぇ!!」
 阿京の豪が大振りの攻撃を連続で仕掛けてくる。
 大振りだが、一発でも当たればいくらマスクドライダーシステムを身に着けているといっても、ただではすまないだろう。
 俺の背に壁が迫る。
「安心せぇい!殺しはせん!!どっせぇぇぇぇぇぇい!!」
 豪の拳が突き出される。
 俺は攻撃を避けるため後ろへ飛ぶ。
 それと同時に、グラスホッパーの脚部を押し下げる。
 左足のアンカーが縮み、霊力が集まっていく。
「ライダージャンプ」
『RIDER JUMP』
 俺は着地と共に、そう呟く。
 電子音声が流れると、アンカーが一気に伸び、俺は廃屋の屋根を突き破り夜空へ舞い上がる。
 俺はグラスホッパーの脚部を元に戻し、左足を突き出す。
「ライダーキック!!」
『RIDER KICK』
 俺は豪の顔に狙いを定め、一気に降下する。
 アンカーが縮み、霊力が圧縮されていく。
「我をなめる出ない!その程度の蹴り、豪の拳で粉砕してくれる!!」
 豪の右腕が突き出され、俺のキックと豪の拳が激突する。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
 叫びと共に、アンカーが伸び、圧縮された霊力が一気に開放される。
 開放された霊力は光の杭のように放たれ、豪の腕から頭部を消し飛ばす。
「馬鹿な…我らが敗れるとは……」
 豪を倒された阿京は云京と同じく、床に崩れ落ちる。
 さてと、どうするかな。
 このまま無免許でGSの仕事をしていたら、またこいつらみたいなのに襲われるだろう。
 そのたびに戦っていたり、逃げていたりしてはまずい。恐らくブラックリストみたいのに載ってしまうだろう。
 何より裏家業をずっと続けているわけにもいかんし。
「六道家に頼んで戸籍を作ってもらい、資格試験を受けるか」
 六道家に借りはあまり作りたくないが、コネはあったほうがいい。
 俺はそう判断すると、変身を解除して二人を担ぐと六道家を目指す。


「仕事をまわしてもらってすみませんでした」
 少し髪の毛が後退した神父が私に頭を下げたわ〜。
「いいのよ〜、困ったときはお互いさまだもの〜。そうでしょう唐巣君〜?」
「はは、おかげで今月はまともなものが食べられそうですよ」
 唐巣君が苦笑いを浮かべたわ〜。
 この人、困っている人を見るとお金も取らずに、除霊してしまうときがあるから困るのよね〜。
 そのとき部屋にノックが響いたの〜。
「どうぞ〜」
「失礼いたします」
 部屋に入ってきたのは、六道家のメイド長である澪さん〜。
 武術の免許皆伝をいくつも持ち、GSの資格を持っている上に、調理師、電気工事師、土木施工管理技師、建築士、自動車整備士、税理士、保育士、看護師などの資格も持つパーフェクトメイドさんなのよ〜。
 見掛けは二十代そこそこにしか見えないのに、えらいわよね〜。
 それにしても、彼女って何歳なのかしら〜。私が子供の頃から働いているのに〜。
「お館様、阿京殿と云京殿がやられました」
 私の隣まで来た澪さんが、耳元で呟いたわ〜。
 阿京君と云京君には〜、最近このあたりで仕事をしている無免許GSを取り締まって欲しいってお願いしていたのよね〜。
 まさか彼らを倒せる人がいるなんてね〜。鉄壁の守りの鎧と〜、完全粉砕の豪が負けるなんて〜。
「邪魔するぞ」
 皆が部屋の入り口を振り返ると〜、そこには袖の無いロングコートを纏った若い男の人がいたわ〜。
 それも両肩に阿京君と云京君を担いでいるわ〜。あの大柄の二人を担ぐなんて、見かけによらず力持ちさんね〜。
 澪さんと唐巣君が、彼と私をさえぎるように立ちはだかるわ〜。


 俺がリビングと思われる部屋に二人を担いで入ると、そこには一人のメイドと和服の小柄な女性、そして神父姿の男がいた。
 神父……唐巣神父か。
 神魔との戦いで、小さな子供を守るため自分が信じる神の使いに殺された男。
 そして、その奥にいる和服の女性がこの六道の当主、六道冥。
 神父とメイドが俺と彼女を遮る様に立つ。
 俺は戦う気なんてないんだが、まぁこんな殴りこみ見たいな事をしていれば当然だが。
「こいつらを届けにきた。ついでに頼みごとがある」
 俺はそういうと、阿京と云京を床に転がすと近くのソファに腰掛ける。
 さて、本題にはいるか。
「俺はグラスホッパーという。実は俺には戸籍が無い。それを作って欲しい。交換条件として、俺はあんたのいうことを聞こう」


 このグラスホッパーとかいう人〜、結構度胸があるわね〜。
 いきなり入ってきて、戸籍を作ってくれなんて〜。しかも、私のいうことを聞いてくれるなんてね〜。
「お館様、このような何者か分からない者の言うことなど聞くまでもありません」
「そうです。何を考えているかわかりません」
 澪さんと唐巣君が〜、霊力を高めながら私に注意を呼びかけるわ〜。
 それに伴って、グラスホッパー君も霊力を高めたわ〜。う〜ん、中々の霊力ね〜。
 使えるものは〜、なんでも使わないと損よね〜。
「いいわよ〜。ただし〜、唐巣君と勝負して頂戴ね〜」
「ちょ、ちょっと!!」
「……かまわない」
 唐巣君が〜、慌てながら私を見るわ〜。それに対して、グラスホッパー君は落ち着いたものね〜。もしかして、予想していたのかしら〜。
「それじゃ〜、場所は外でしましょう〜」
 私は外の特殊結界で覆われた〜、訓練所へ向かい歩き出したわ〜。
「よろしいのですか、お館様?」
「使えるものは〜なんでも使わないとね〜。そのためには〜本当に使えるか確かめないと〜」
 私の言葉に、澪さんが困った顔をしていたわ〜。


 俺達は冥さんの案内で訓練所へとついた。
 俺は結界の中に入ると、準備運動を始める。
 少し遅れて、神父が入ってくる。
「グラスホッパー君といったね」
 神父が俺に声を掛ける。
「私は無免許のGSにあまり良い感情は持ってはいないんだ。私は、この目で無免許GSに酷い目に合わされた人たちを見てきたからね」
 神父はそういって、霊力を高める。
「少々本気で行かせてもらうよ」
「かまわない。俺も本気で行く」
 俺は右手に霊力を集中し、栄光の手を発動させる。
「それでは〜始め〜」
 合図とともに、俺は栄光の手を篭手から霊波刀に変え神父めがけて走り出す。


 私は彼の霊波刀を見て驚く。
 人狼族にしか使えないといわれている霊波刀を、このグラスホッパーと名乗る男は発動させた。
 恐らく接近戦がメインだな。ならば近寄らせなければいいだけだ!
「草よ、木よ、花よ、虫よ、我が友なる精霊達よ!我に力を!アーメン!!」
 私は右手を突き出し、自然の力を集め、それを霊波砲に変え、発射する。
 私は、彼が霊波砲に包まれると思っていた。
「サイキックソーサー!!」
 彼は一瞬で霊波刀を解除し、小さな霊波の盾を作る。そして、その盾で私の霊波砲を弾くとそのまま投げつけてくる。
 私はすばやく右へ飛ぶ。
 投げられた盾が地面に当たり爆発する。そこには大きな穴が開いてた。
 どうやら、彼は霊力の制御と集中に長けているようだ。
 ただ一点に集中させる分、攻撃力、防御力は高くなる。その反面、集中しているところ以外は紙に等しいが。
 接近戦メインかと思っていたが、中距離も出来るとはね。


 さすが神父だ。
 霊波砲を誘い、撃って来た所をサイキックソーサーのカウンターで倒そうかと思ったが、そう簡単にはいかないか。
 さて、次の手はどうしたもんかな。
 俺は栄光の手を構える。
「こないのなら、こちらから行くよ?」
 神父の右手に霊力が集中していく。
 そして、連射的に霊波砲が放たれる。俺はそれを全て回避する。
 だが、どれも紙一重だ。的確に俺の逃げ場をふさぐような形で撃って来ている。
 神父は自然の力を集めて撃って来る。この世界全てが味方といってもいい。
 それに比べて、こっちは自分自身の力のみ。持久戦になったら、ヤバイな。
 そのとき、グラスホッパーが現れる。
 変身しろってか……。
 確かにこのままじゃらちがあかないな。
 俺の目の前に霊波砲が迫る。
「変身!」
『HENSIN』
 俺が変身するのと、霊波砲に包まれるのは同時だった。


 私は彼に霊波砲が当たったと思っていた。
 だが、彼は立っていた。
 それもバッタのような姿で。まさか、彼も同じなのか!
 私の目の前をメカニカルなトンボ―ドレイク―が横切る。
 私はドレイクグリップを取り出す。
「変身」
『HENSIN』
 私はスカイブルーの鎧に身を包み、ドレイクを構え、連続で引き金を引く。
『CLOCK UP』
 電子音声が響いた次の瞬間、私は地面に倒れていた。
 クロックアップを使ったのか、ならば……。
「キャストオフ!」
『CAST OFF. CHANGE DRAGONFLY』
 私は外装を捨て、マスクドフォームからライダーフォームへと変わる。
 彼がベルトの右側のボタンに手を添える。
 私もバックル部分のアクセサリーに手を添える。
「「クロックアップ」」
『『CLOCK UP』』
 私達は高速の世界へ突入した。


 まさか、グラスホッパー以外のマスクドライダーシステムが存在しているとは……。
 変身した神父が、引き金を引く。
 俺はそれをかわしながら、神父へ接近し、拳を放つ。
 神父は俺が放つパンチをかわすと、俺の腕を掴み、銃口を胸に押し付ける。
 次の瞬間、引き金が引かれる。
「ぐはっ!」
 俺は胸を押さえ、距離をとる。
「私は近距離は苦手だが、中距離、遠距離なら負けないよ」
 神父が霊力の弾丸を放つ。
 それは、俺の右腕、左足に命中する。
「くっ!」
 スーツのおかげで怪我はしていないが、痺れが取れない。
 向こうが引き金を引くより早く、ダッシュで一気に間合いを詰め、ライダーパンチで一気に決めにかかるか……。
 俺はグラスホッパーの脚部を押し下げる。
「ライダーダッシュ」
『RIDER DASH』
 グラスホッパーの脚部が跳ね上がり、圧縮された霊力が開放され、俺を一気に加速させる。
「ライダーシューティング」
『RIDER SHOOTING』
 神父の銃口に霊力が集中していく。
 引き金が引かれ、圧縮された霊力の弾丸が発射される。
 ライダーダッシュは直線的な動きしか出来ない。このままではまともに食らってしまう。
 ならば……弾くのみ!
 俺はグラスホッパーの脚部を元に戻す。
 一か八か試してやる。
「ライダーパンチ!!」
『RIDER PUNCH』
 俺は加速したまま、右腕を構える。
 俺は発射された弾丸にタイミングを合わせ、目の前の霊力の塊に拳をぶつける。
 右腕のアンカーの伸び、圧縮された霊力が、弾丸を打ち消す!
 まだだ!!
 俺は脚部をもう一度押し下げる。
『RIDER DASH』
 俺はもう一度加速し、右肩を前にして突っ込んでいく。
「ライダークラッシュ!!」
『RIDER CRASH』
 俺が脚部を元に戻すと同時に、右のショルダーアーマーに霊力が圧縮されていく。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 まさか、ライダーシューティングが掻き消されるとは!
 彼はさらに加速し、右肩を前に突撃してくる。
 回避する時間が無い!
「プットオン!!」
『PUT ON』
 電子音声と共に飛び散った外装が私を覆う。
 それと同時に凄まじい衝撃が私を襲う。
 私は結界を突き破り、壁に叩きつけられたところで記憶を失った。


『CLOCK OVER』
 そんな電子音声が聞こえると同時に〜、変身した唐巣君が壁に叩きつけられていたわ〜。
「大丈夫だ、気を失っているだけだ」
 そういって、グラスホッパー君は変身を解いて〜、唐巣君を抱え上げたわ〜。
「それで、戸籍の件は?」
「いいわよ〜。数日中には、あなたの戸籍ができるから〜。そしたら、まずはGS資格を取ってもらえるかしら〜?そうしたら、色々手伝ってもらいたいことがあるから〜」
「わかった、すまないな。神父を寝室か医務室まで運ぶ。案内してくれないか」
「こちらです」
 グラスホッパー君と澪さんが屋敷の中へと消えていったの〜。
 ふふふ……。これからは彼にもがんばってもらわなくちゃ〜。


 数日後、俺に戸籍が出来た。
 草野飛翔。
 それがこの時代の俺の名前だ。
 何でこんな名前になったのか、聞いてみたら『GRASS=草』『HOPPER=飛ぶ者』だから草野飛翔になったそうだ。
 美神さんに
「何かアニメや漫画に出てきそうな名前よねぇ」
 なんていわれた。
 ま、何にせよ、これでGS試験が受けられる。
 ……どんなことをさせられるか心配だが……。


 第三話完成です。
 未来横島VS唐巣神父!射撃のドレイク、格闘のグラスホッパーの戦い、いかがだったでしょうか?
 普通に考えると、グラスホッパーじゃドレイクに勝てないような気がします。
 ちなみに、グラスホッパーの技はほとんど派生技です。
 ライダーダッシュ⇒ライダーパンチorライダークラッシュ、ライダージャンプ⇒ライダーキックとなります。
 何か格ゲーみたいですね。(爆
 これからは技のグラスホッパーになってもらおうかと思っています。
 次回はGS資格編(だと思う)ですので、よろしくです。

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