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▽レス始

「妖との仲介人 22件目(GS)」

ラッフィン (2007-01-07 01:57)
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「同期合体!」

横島の両手に持っていた最後の文珠が輝き、横島と雪之丞を包み込む。やがて光が収まった先にいたのは、背が横島ほどになり、両肩がクリスタルのようになって魔装術のような服を着ている雪之丞がたっていた。頭には何もない。つまり、鎧だけはあるが、兜はない状態だ。

「おお、すげぇな。力が漲るぜ」
『雪之丞、この状態は5分が限界だ』
「ああ、了解だ。すぐに終らせる」
『よし、やれ』

お互いに霊力を消耗していたということもあり、同期時間は短いようだ。戦闘は雪之丞に任せ、横島は文珠の制御に回る。横島の意思を受けた雪之丞は吼え、鵺に向かって戦闘をしかけた。

「おおおおおおおおおおおおおおおお」

ズゴ!!

雪之丞が鵺に拳をめり込ませる。先ほどまで圧倒的な霊力を高め雷撃を放とうとしていた鵺は苦悶の声をあげのたうちまわる。拳の衝撃のおかげか高まっていた霊力が霧散し、空の雨雲は消えていく。それでも、雪之丞は手を休めずに攻撃を繰り返した。

「おらおらおらおらおらおらおらおらおら」

ドドドドドドドドドドド・・・

顔、首、心臓、腹筋、鳩尾、上腕と狙いを定めずにただただ拳を振るい続ける雪之丞。しかし、雪之丞はわかっている。これでも、鵺を倒すには至らないと。
次の瞬間、その予感通りになる。

シャアアァアアアアアア

鵺の尾である蛇の背後からの攻撃である。それを察知し咄嗟に横にとび回避するも、邪魔者が消えたことにより素早く体勢を整えた鵺が立ち上がり様に前足を一閃。
雪之丞はその勢いに逆らわずに流すと前足の上を伝って再び鵺の顔に迫る。

「おらぁあああああああああああ」

そのまま顔に跳び膝蹴りを繰り出すも、鵺も顔を上にそらせることで回避した。鵺はその顔をそらせた勢いを利用し後ろ足2本で立ち上がってみせる。そして、体重と重力を乗せた前足の振り下ろしをし、雪之丞を押しつぶそうとのしかかる。
とび膝蹴りにより空中にいるために自由に移動が出来ない。が、鵺の足が雪之丞を捉える寸前に霊波砲をぶつけた勢いを利用し、ピンチを切り抜ける。鵺の攻撃はそれで終わりではなかった。前足を回避された鵺はそのままの勢いで今度は頭から向かってきたのだ。いわゆる頭突きである。それも、きれいに受け流し雪之丞は跳び箱をとんでいるように鵺の頭を飛び越え、背中へと着地をした。

「おらぁあああああああああああ」

背中へと着地をした雪之丞は両手を合わせ、その背中にハンマーのように両手を叩きつける・・・前に鵺の尾である蛇にまたしても邪魔をされてしまう。

シャアアアアアアアアアアア

「くそがぁ、邪魔だぁ!!」

雪之丞は蛇を迎撃するために拳を振るうも、蛇は素早くそれをかわした上に反撃してくる。それは鎧に覆われていない顔を目掛けてくるも、首を曲げることにより回避に成功する。攻撃した際にできたその隙をついて蛇を撃破しようとした雪之丞だが、本体の鵺が体を激しく振ったために振り落とされてしまう。
ただで振り落とされてたまるかと、雪之丞は霊波砲を放ち、鵺にぶち当てるとともにその衝撃を利用し、距離をとった。

「ああ、ちくしょう。あの蛇が邪魔だ。戦いにくくてしょうがねぇ。どっかの誰かを思い出すぜ」
『おい、雪之丞。後、4分だぞ』
「わかってるよ。黙ってみてろ!」

愚痴をこぼしていた雪之丞に残り時間を伝える横島。蛇のことで気が立っている雪之丞には火に油で、さらに不機嫌になった。
そこで、再び霊気を高めて落雷を放とうとしている鵺に気がつき悩む暇もなく接近戦を余儀なくされてしまう。

「くらえやぁあああああああああ」

雪之丞の拳は鵺を捕らえることはなかった。先ほどの不意打ちで学習したのか、横に避けると、避け様に爪を一閃してくる。勢いよく突っ込んでいった雪之丞は避けることもできないままに爪の餌食になってしまった。

ドシュ!!

「ぐぁあああああ」

爪が腹に食い込む。鵺はそのまま雪之丞を地面に叩きつけ足で踏み潰した。

「くっそ、重いんだよ。少しはダイエットしやがれ」

ヒョオオオオオオオオオ

「ぐぅううううう」

雪之丞の言葉に反応したわけではないだとうが、言葉の後に踏みつける力が上がったのは事実だ。さすがに自分の何倍の体格の相手に踏みつけられれば苦悶の表情を浮かべてもしかたないことであろう。

「ぐぁあああああ」
『雪之丞!大きな石は落ちてないか?』
「ぐぁああ、んなの・・・どう・・・すんだよ?」
『そいつを化け物の小指にぶつけてやるんだよ。タンスの角に足の小指をぶつけると痛いだろ?それと一緒だ』
「ぐぐぐ、やってみるか・・・ぐおおおおおおおお」

ちょうど近くに埋まっていた石を力一杯に引き抜くと鵺の小指に叩きつける。

ガゴ!

ヒョオオオオオオオオオオオオオオオオ

作戦は成功したようで、石を当てたほうの足をあげて鳴き声をあげる鵺。その隙に雪之丞は脱出する。

『後3分だ』
「ああ、わかった。いくぜ!!」

再び鵺に向かっていく雪之丞だが、今回は飛ばない。鵺は雪之丞を踏み潰そうと両方の前足を使ってくる。それを巧みに避けながら進む。
ちょうど鵺の腹下まで進めた雪之丞はそこから真上に向かって跳び、鵺の腹を突き上げた。

「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ズドン!

鵺の体を浮き上がらすほど重い拳を撃ち付けることに成功するも、すかさず反撃される。

ヒョオオオオオオオオオオオ

2本足で立ち上がり両前足で爪を一閃、二閃、三閃と振るう。それらを受け流しつつ接近し、先ほどと同じところに拳を撃つ、撃つ、撃つ。
雪之丞は一点集中攻撃作戦をするつもりだ。

ズドン!ドン!ドン!

先ほどと同様に重い一撃を3発。衝撃で2本足でたっていたこともありひっくり返る鵺。雪之丞は鵺の上でマウントポジションを取った。

「はあああああああああああ」

ズドン!ズドン!ズドンズドンドンドンドンドドドド!!

腹の一点を殴る、殴る、殴る。さすがの鵺も苦しいのか口から唾液を吐き出していた。雪之丞が殴っていた腹も紫色に変色しているので、効いているのだろう。
だが、ここでまたもや邪魔をしてくる奴がいる。あの蛇である。

シャアアアアアアアアア

「また、てめぇか!」

またも背後からの攻撃。まぁ、鵺の尻尾であるから当然なのだが。横っ飛びで回避する雪之丞。しかし今度は回避するだけでなく蛇の顔のすぐ下(人間で言う首の部分)を片手でだが掴む。首の部分を掴んでいるので噛み付かれることはない。振り払われる前に両手でがっちりとホールドをする。チョークスリーパーの形で。

シャ、アアアアアアアア!

「へへ、やっと捕まえたぜ。まずはてめぇからだ!」
ギリギリギリギリギリ

シャ・・・・ァァァァァァアア

雪之丞の腕が蛇の首に食い込んでいき、蛇の口から泡が吹き出てくる。尾である蛇のピンチに気がついた鵺だが、そこまで攻撃が届かないので、必死に尻尾を振る。

ブンブンブン

「おおおお、こりゃ遊園地のジェットコースターなんかより迫力あるぜ。でも、んなことで離すかぁあああ」
メリメリメリ

雪之丞はこれに耐え、腕をさらにめり込ませる。蛇のほうは白目を向いてグロッキーだ。鵺はこれでは埒があかないと今度は尻尾を地面に叩きつけ始める。

ガツッガツッガツッ

「まだまだぁああああ」
メギメギメギ

叩きつけられながらも蛇の首を絞める力をさらに強めていく雪之丞。同期合体による霊力上昇のおかげでいつも以上に防御力が上がっているのだ。それ故に叩きつけられる衝撃にも耐えられるようになっていた。

ヒョオオオオオオオオオオオ

鵺は最終手段に出る、霊力を高め落雷を放とうとしているのだ。これにはさすがに焦る雪之丞。鵺は雷を吸収し自分の力にできるが、雪之丞が食らえば致命傷になりかねないから当然だ。
咄嗟に蛇の首に足をかけ、両手で頭をつかみ、頚動脈を足で絞める。腕がないのでなんとも言えないが、三角締めであろう。足は腕の3倍の力があるというように先ほどより強烈に締め上げる。そこに落雷が放たれた。

ガガーーーーーーーーーー!!

三角締めを極めたことにより片方の腕に余裕ができた雪之丞はその落雷を霊波砲を放つことで直撃を免れる。

「はぁああああああ」

それでも、落雷をとめることはできず、方向を逸らすことでダメージを受けることを避ける。

シャアア・・・アア・ア・・・ア

とうとう締め付けに耐えられなくなった蛇がおちる。すると今まで叩きつけていた尻尾の力が抜けだらりと垂れ下がった。

「今だ!」

ドガァアアアアアン

抵抗力をなくした蛇の首にゼロ距離から強烈な霊波砲をぶちあて、その衝撃で蛇の頭が吹き飛んだ。

ニョオオオオオオオオオオオオオオオオオ

尻尾を吹き飛ばされた痛みか鵺が大きく鳴く。が、雪之丞の攻撃はまだ終っていない。掴んでいた尻尾を綱引きをするように抱えると力いっぱいに振り回す。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

グォオオオン

グォオオオオン

グォオオオオン

1回、2回、3回と鵺の巨体が回される姿は圧巻だ。ジャイアントスイングの如くぶん回す雪之丞。

「うらぁあああああああああああああああああ」

最後は横に回転していた軌道を縦回転に変え、地面に思いっきり叩きつける。遠心力の乗った強烈な衝撃が鵺の背中を襲う。
そこで、横島が雪之丞に残りの時間を言ってきた。もう時間がないようである。

『残り一分だ。ここで決めろ!』
「おう!」

雪之丞は鵺の体を駆け抜け紫色の変色した腹の部分に到達する。
そして・・・

「極楽にいけぇええええ!」

その変色した腹の一点を殴り続けた。

ドドドドドドドドドドド

鵺のはき続ける唾液に赤いものが混じる。

ドドドドドドドドドドド

『残り30秒だ』

時間も迫っている。

ドドドドドドドドドドド

だんだんと雪之丞の体にブレが生じて来た。ありったけの霊力を両拳に乗せ、殴り続けた。

ドドドドドドドドドドド

ついに腹から鵺が大量出血をし出す。

『残り10秒』

カウントも残り10を切る。

「とどめだ!」

鵺を掴み上に持ち上げ、軽く上に放り投げた。狙うは鵺の腹、雪之丞は両手を広げ体全体で霊波砲を放った。まるで、某戦闘民族の王子様の最後の光みたいな技になってしまったが、気のせいであろう。その霊波砲は狙い違わず鵺の腹を直撃し、腹をたやすく貫通した。

ヒョオオオオ・・・オオオ・・・オオ・・・・オ

腹に大穴の開いた鵺はそのまま地面に落ち、身動き一つとらなかった。それを見届けると同時に雪之丞の同期合体が切れ、横島とその場にへたりこむ。

「勝ったのか?」
「みたいだな」

「「しんどかった・・・」」

「勝ったの?」
「倒したよな?」
「よ、横島さん?」

おキヌ達の声を聞き、横島はガバっと跳ね起き駆け寄った。雪蛍のことを思い出し座り込んでいる場合じゃないと気合できたのだ。雪之丞も弓のことが気になっていたので遅れながら合流する。だが、ここで相手が戦闘不能であるか確かめなかったことを後に後悔することになる。

「おい、弓達は平気か?」
「ええ、少し霊力を吸い取られてフラフラしますけど、問題ないですわ」
「魔理シャンはどうですかいノー?」
「私も弓と同じだよ。大丈夫だ」
「おキヌちゃんは?それと雪蛍を見ててくれてありがとうね」
「いえ、私は何も。それと私も大丈夫ですよ」

怪我はないか確認していると、鬼道が話しかけてくる。

「横島君、雪之丞君。お疲れ」
「ああ、そっちもな」
「あいつらの処分は僕がやっていいのかな?」
「待て、俺らも制裁しないと気が済まないぜ」
「わかっとる。後でそれはやらせるさかい、今はわいに預けてくれんか?」
「そういうことなら頼む」
「OKや」

鬼道は会話を終えると二人を引きずりながら電話をかけ始めた。これから、他の教員をたたき起こして倒れている生徒達に対応するようだ。雪之丞とタイガーは弓、魔理と一緒に倒れている生徒の介抱の手伝いを行いに向かった。
横島は鬼道との会話には参加せずに雪蛍との会話をしていた。おキヌも残っている。

「雪蛍!!」
「お、お兄ちゃん。あ・・・あいつは?」
「大丈夫だ。俺達が倒したからな」
「そっか、よかった」
「さ、帰って手当てしないとな」
「うん・・・・!!」

横島の差し出した手を握ろうとしたとき、何かに雪蛍は気がついた。

「お兄ちゃん!!」
「え?」

ドン!!

雪蛍は咄嗟に横島を突き飛ばす。突然のことに呆然としている横島の前を閃光が通り抜け、雪蛍に直撃した。

「雪蛍ーーーーーーーーー!!」

雪蛍が何かの閃光にやられたと理解すると、すぐに駆け寄る。
こちらに顔を向けている瀕死状態の鵺の姿が目に入った。口の中から僅かに煙を吐いていて、先ほどよりも体が一回り小さくなっていて霊力も減少している。そして、今さっき雪蛍を襲った閃光。これらをあわせると、鵺が口から雷を放ち雪蛍がそれに当たったということだ。

ヒョオオオオオ・・・

そう鳴くと霞のように鵺は消えていった。最後の表情はしてやったりというニヤリと表現するのがぴったりな顔だったが、それを見たものはいない。横島とおキヌは雪蛍のことで見ていなかった。

「お、にいちゃ・・・無事?」
「ああ、お前のおかげだ。助かったよ」
「よか、った」
「もういい。しゃべると体力が減る。すぐに治してやるから黙ってな」
「もう、いいの」
「なんで!」
「わたし・・・もう、もたないから。いいの」
「そんなこと言うなよ!俺が絶対に治してやるから、待ってろ!」

横島は霊力を凝縮し文珠を作ろうとするが、一向に文珠が出ない。鵺との戦いでほとんどの霊力を使ってしまい、文珠を作るまでの霊力が残っていないのだ。
雪蛍はそのことに気がついていた。

「ほら、ね?」
「俺を舐めるなよ?こんなの煩悩を集めればどってこと・・・」
「それも無理だよ。お兄ちゃん」

雪蛍の言葉通りに煩悩で霊力を回復させようとするも、煩悩が高まらないために霊力も変わらずにいる。今の横島は魔族本能と煩悩の鬩ぎ合いにより煩悩による爆発力が失われていた。
もはや、なす術がない。横島の顔は今にも泣きそうである。

「くそ!なんで文珠が出ない!出ろ、出ろよ!」
「お兄ちゃん。私、幸せだったよ」
「ふざけんな!お前はこれからも幸せに暮らすんだよ!」
「それは、無理だよ。私・・・もう、長くないから」
「なんで、お前も、愛子も同じこと言うんだよ!」

横島の言葉に雪蛍の顔はムッしたが、すぐに優しげな表情になる。
もう、諦めたような顔で。
横島はその顔を見たとき、ルシオラとさっきの愛子の顔がフラッシュバックする。

「まだだ。まだ諦めない!今度は絶対に死なせない!」
「そうです!生きてください!」

横島は諦めずに文珠を作ろうと霊力を練る。おキヌも残り少ない霊力ながらも懸命にヒーリングをして雪蛍を助けようと力を振り絞る。
そこに転移してくる影が二つ。

「横島!雪蛍!」
「横島さん!雪蛍さん!」

小鳩を送っていったタマモと何故か家に送られるはずだった小鳩が転移してきたのだ。

「どうして小鳩ちゃんがここに?」
「どうしても付いて来るってきかなくって・・・」
「雪蛍さんのことがどうしても気になってしまって。すいません」
「それより雪蛍はどうなったのよ!」

タマモは横島の腕に抱きかかえられているボロボロの雪蛍を見て愕然とした。
彼女にはわかってしまったのだ。雪蛍の霊核がボロボロになっていてもう助からないということが。

「タマモ。雪蛍は助かるよな?な?」

横島の必死の言葉に返す言葉がないタマモは唇をかみ締めただ俯くばかり。小鳩も雪蛍の状態を見て今にも涙がこぼれそうである。目の前で二人の友人が消えそうになっているのだ。今ほど自分の無力さを痛感したことはないだろう。
横島は文珠を作り出そうと必死に霊力を高め、おキヌは少しでも回復させようとヒーリングをかけ続けている。

「もう、いいの」
「いいとか言うな!まだ、諦めるなよ!」
「自分の、体は自分が一番よくわかるよ・・・私はもう助からない。タマモちゃんもわかってるみたいだしね」
「・・・」

雪蛍の言葉にタマモは沈黙を貫く、だがそれは肯定していると同義であった。死を間際にした雪蛍の顔は笑顔であった。自分の短い人生に悔いはなかったと死を受け入れている表情である。それがますますルシオラの姿と重なってみえてしまう。
雪蛍の体は次第に色素がなくなるように透明になってきて、姿もブレてきている。あまり時間はないようだ。最後に挨拶をするように一人一人に声をかけていった。

「おキヌちゃん」
「雪蛍ちゃん、頑張って生きて下さい!諦めちゃ駄目です」

今も諦めずヒーリングを続けているおキヌ。だが、おキヌの努力とは裏腹にどんどんと雪蛍の姿は薄れていく。

「お料理のレシピ教えてくれてありがとうね」
「お安い御用ですよ」
「お兄ちゃんのことよろしくね。無茶するから、そのときは殴ってでもとめて」
「いいんですか?私はライバルなんですよ?」
「お兄ちゃんの心は私のものだもん」
「それも奪って見せますよ」

そういうおキヌの目から涙がとまらなくなっている。必死に笑顔を作ろうとしているが、引き攣ってしまって笑顔になっているか微妙であった。

「小鳩ちゃん、ごめんね。巻き込んじゃって」
「雪蛍さんのせいじゃないですよ」
「お兄ちゃんのことよろしく」
「それっておキヌさんにもいいましたよ?」
「お兄ちゃんは一人じゃ止められっこないよ。だから小鳩ちゃんにも頼むの」
「わかりました。身も心も貰いますね」

できるものならね。と挑発的な言葉を残し笑顔を見せる雪蛍。小鳩もおキヌ同様、涙がとまらない。

「タマモちゃん」
「何?」
「お兄ちゃんとなかよくね?」
「当たり前よ。私には横島が必要だもん」
「最後にお姉ちゃんって呼んでくれないかな?」
「そうね、死なないんだったら言ってあげるわ」

いじわる。と若干口を尖らせながら言う。タマモは相変わらず顔を俯かせ目を隠している。たぶん、涙を一杯にためて必死に耐えているのだろう。

「お兄ちゃん・・・」
「なんだ?雪蛍?」
「今までありがとう。私、幸せだった。私が死んでもお兄ちゃんはお兄ちゃんでいて。タマモちゃん達を泣かさないようにね?泣かしたら許さないんだから!」
「ああ、わかったよ。タマモ達は泣かさない。だから、お前も生きてくれ!」
「最後の言葉は聞けないよ〜。私もお兄ちゃんとやりたいことたくさんあったんだけどね」
「全部聞いてやる。やりたいことあるなら付き合ってやるから!死ぬな!!」

すでに雪蛍の体は向こう側が透けて見えているくらいに薄くなっている。雪蛍の顔にもついに涙が流れていた。でも、笑顔を絶やすことはない。

「みんなありがとう。私がいなくなっても元気でいてね?幸せになってね?」


「さようなら」


そういうと雪蛍の体は消えうせ、変わりに雪の塊がその場に崩れ落ちたのだった。その場にいたみんなはただただ泣いている。横島は崩れ落ちた雪に手をつき叫んだ。

「雪蛍ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

その叫びはルシオラが死んだとき以上だった。


あとがき

どうでしょうか?ラッフィンです。

今回は多くは書きません。とりあえず、次回を待て!ということでw

次回にお会いしましょうw


レス返しですぅ。


寝羊様

どうしても雪之丞と横島の同期合体のときに某竜玉の野菜の王子と老師と同名のフ○ージョンのイメージが消えませんでしたw
先入観って怖いですね?


通りすがり様

初めまして。感想ありがとうございます。

確かに耐久力が強いかな〜?とか思ったのですが、横島もいつも美神にシバかれているし、素人時代から囮とかをやっていたのでいいかな?っておもってしまって・・・
もう少し考えるべきでしたね。ご意見ありがとうございます。


皇 翠輝様

そのサッカーネタを使いたいがためにワンパターンになってしまったのです・・・ごめんなさい。
自分の力不足でした。


ncro様

横島が一番怒りを抱いているのが、GSで。気持ちが先走っている状態です。・・・上手くかけませんでしたね・・・反省。


somosomo様

まぁ、よんでみてください。ネタバレしたらつまらないですから。
元からつまらないものですがねw


内海一弘様

タイガーも直接攻撃技があればもっと活躍話をかけるのですが、難しいんですおね〜。
カカ○ット〜〜〜!!!!!


アイク様

>活躍しているタイガーなんてタイガーじゃない
(ひどいんジャー!!)
あれ?幻聴が聞こえた・・・気のせいかな?


whiteangel様

>雪乃丞(マザコン)+横島(煩悩)=???
近親そ・・・・ゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴスゴス・・・バタ
何者かの襲撃によりコメント不能・・・


蝦蟇口咬平様

>なんか、同期合体がフージョンみたいに思えてきた
私も同じです


麒山悠青様

美神家なら雷を霊力に変換という技も可能ですよねw
私は思いつきませんでした・・・


青空ハル様

カ○ロット〜〜〜〜!!!!ってそれじゃ、ここに投稿できなくなりますよ〜〜〜!!!(笑)


零式様

最初にキャラにどんな技を当てはめようかと考えて真っ先に浮かんだのが横島=顔面ブロックでしたw次がユッキー=虎シュート。本当なら名前通りタイガーがよかったんですが、性格がね〜・・・


DOM様

こんなんなりました・・・。
もうシリアスは疲れたよ。パトラッシュ・・・


太一様

主導権はすっきりと。
シリアスは苦手ですぅ・・・はやく、私の萌えあがったパトスを開放したいのですが。
どうなるでしょうかね・・・


秋桜様

高いところから打ち下ろすんです。上は人間にとって死角ですから。
と私は想像しているんですが。そのへんは技を考えた漫画の作者に聞かないとわかりません。


夢幻様

初めまして。
感想ありがとうございます。
完結まで頑張りますので、もうしばらくお付き合いください。

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