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▽レス始

「マウチュ! 天使と悪魔な女の子『参』(GS)」

缶コーヒーのボスの手下 (2006-12-23 17:58)
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赤を混ぜた光が降り注ぐ時間帯、ベッドの上で安らかな眠りについているマウスの周りで、一人の女性と一人の青年が椅子に座り話をしている。
いや、話している者はそれだけでない。むしろ、三人目こそが最も言葉を発していた。その三人目に作られた女性は、マウスの様子を伺っている。

(それで今は、こうしてこの子の中で生き長らえている。と、そういうことじゃ)

「……驚いたわね」

眠っている少女マウスに変わって会話を行っているのは、マウスの体内に宿るカオスその人である。
話の内容は今に至るまでの経路を主としたもので、丁度今一区切りついたようだ。話を聞く女性、美神令子はその内容に驚きを隠せないらしい。

「ヨーロッパの魔王だなんて呼ばれてるドクター・カオスが突然消息をたったって言う話は聞いてたけど、まさか魔族の女の子と同化してたなんて……」

(そのな、あまり魔族という事は気にせんでいて欲しい。日本に渡ってきたのもそれが主たる理由でな。マウスはひどく悩んでいる)

どこの国でも、魔族が歓迎されることはない。それでも必死で六年はイギリスでの生活を送っていたマウス達だったが、それにも限界が来たのだ。

「でもだったら何で日本なのよ? 此処じゃあむしろ、イギリスよりもずっと苦労するはずだわ」

(それには目的があってな。マウスには、日本に来てやりたい事があるんじゃよ)

「この子……魔族だったんやな。そうか! 年齢不相応のバストもそれが原因か! ゲブフッ!」

場に不相応な言葉を発する青年に、美神の強烈な裏拳が飛ぶ。それは恐ろい無表情から繰り出された一撃だ。

(やりたい事というのがな……マウスはGSになりたいのじゃよ)

「! それはまたとんでもない夢を持ったものね。ハーフならまだしも、その子純粋な魔族じゃない」

(そうなのじゃがな、不可能……というわけでもないじゃろう。例えばそう、美神令子の後ろ盾があれば、とかじゃな)

「……その子、オカルトアイテムの開発には長けているの?」

(もちろんだとも。それもこのドクター・カオスのお墨付きじゃ。マウスの作る物は実用性が高くコストも少ないからのぉ)

それを聞いて、美神は考える素振りをする。雇うか、雇わないか、その決定に彼女は悩んだ。
戦力としても十分で、何より強力なオカルトアイテムを格安で得られる大きなメリットがある。
また胸のことも含めて容姿に恵まれたマウスは宣伝性も高いだろう。魔族であることさえカモフラージュできれば、是が日にでも欲しい人材ではあった。

「魔族ってこんなに人間そっくりなんだな……。あ、でも良く見たら尻尾生えてるし……」

(小僧! 一体どこを良く見ている! ワシにも見せろ!)

布団を持ち上げて少女の下半身を見回す変態と、それを見せろと唸る変態。マウスが魔族でなければ即刻警察のお世話になる必要があるだろう。
その数瞬後、美神令子によって青年、横島忠夫は吹き飛ばされ、床へ叩きつけられる。

「たく、こいつとうとうロリにまで手を出し始めたのね。雇いたいのは山々だけど、セクハラは免れないわよ?」

(それは安心してくれていいぞい。何せマウスはそこらのGSより遥かに強いからのぉ)

「ま、そりゃあ魔族だもんね。見て分かる要素だけでも、ポテンシャルの高さが人間とは比べ物にならないわ」

下級魔族の内でも強い部類に入るマウスが人界で発揮できる魔力は推定300マイト前後。その時点で、70マイトの美神の四倍以上にもなる。
それにマウスは、魔族としてはまだ生まれたばかりだ。この後も成長を続ければ、場合によっては上級魔族にも手が届くであろう。だが、

(それがじゃな……実は)

「実は、何?」

(おそらく何者かによって手が加えられたんじゃろうが、マウスは、魔力を体外で操る術を失っておるんじゃよ)

「……誰の仕業なのかはわからないの?」

(残念じゃが……)

しばし、沈黙の時が流れる。それを破ったのはまたしても、横島だった。

「そっか……。だからこの子は、オカルトアイテムを作るんだな」

今度は先程のようなおちゃらけた台詞でなく、ただマウスを思いやる気持ちがこもった深いもの。

(マウスが使っている銃、マウスブラスターと言うんじゃが、その銃にはマウスが魔力を操ろうとする際に補助を行う機能がついているのじゃ。
 しかしそれも、弾を生成する場合にのみしか働かん。他にもマウスは、魔族が持っているはずのものをいくつも失っている。
 でもだからこそ、マウスはGSになりたいのじゃろう。魔族もどきではなく、せめて人間として輝きたいのじゃよ)

「うぅ……わかる! わかるぞぉその気持ち!」

少女の生き方に胸を打たれた横島が、両手に握りこぶしを作って震わせた。

(とはいっても、ただGSの稼ぎが良いというのが大きいのじゃがな)

「わかる! わかりますその気持ち!」

(因みにワシは、絶世の美少女GSの活躍を見てみたいから全面的に協力しておる)

「うおおぉ! 俺にはその全てを理解し共感できるぅ!」

シリアスな空気を漂わせていたのも束の間、場はアホな方向へと加速する。
それにイラつき眉間に皺を寄せながらも、GS美神令子は口を開いて言い放った。

「わかったわ。私がその子を雇ってあげる。そうねぇ……時給1000円でどう?」

(1000円!? 何じゃその鬼のような安さは! せめて3000円じゃ!)

「じゃあ間をとって2000円ね。いい買い物をしたわぁ」
「そうか……この子は俺の八倍貰えるのか……俺って一体何なんだろうなぁ」

そんなこんなで過ぎていく時の中、夕日も沈みきった頃にマウスは目覚めた。
最初に入ったのは共に逃げて戦った青年と、自分の育ての親の姿。だからか、マウスは無垢な笑顔を二人に向けた。


半年後……。


GSアシスタント横島忠夫は、常に未知を求めて旅する冒険野郎である。
例え目の前に高い壁が立ちはだかろうと、奈落のそこに突き落とされようと、彼の探究心は休むことなく、冒険を続けていた。
外壁の僅かな手すりに手をかけて、横島はひたすら上を目指していく。全てはその先にある秘境に辿り着くためだ。
上るのが非常に困難に思われる地点は、修行の末に編み出した光の腕を駆使して突破し、そして遂に彼は秘境の入り口となる窓を開く!

「…………」
「…………」

(こっそり)開いた窓の向こう、湯船に使っている人物と目が合う。

「……何ちてるんでちゅか?」
「さ……さぁ? ベランダの掃除が終わったからそれの報告に来たってとこ……だな」

少々日本語のおかしい横島。湯船につかるマウスは、どこぞのGSに伝授(?)されたジト目で横島を見ている。

「ひとまず……」
「ひとまず?」

続きを促しながらも、何を言われるのかは大体予想がついてしまっている横島だが、後悔はしていない。
何故なら……

「ドアの向こうで美神ちゃんが待ってまちゅから、そのまま行くといいでちゅ」

半年の間に彼が追い始めた秘境の一部を垣間見ることが出来たからである。

(試合には負けたが勝負には勝った……)

あらゆる秘境を追い求めてきた横島忠夫は遂に、ロリ属性の体得にまで至ったのだ。
……その後、この世のものとは思えない折檻に身を滅ぼしたのは言うまでもない。


     新!? GS美神 極楽大作戦
            マウチュ! 天使と悪魔な女の子 プロローグ……完!


☆次回予告っぽい後書きコーナー  byマウス&肉片


「ちゃてちゃて、遂に次回から本編がスタートでちゅね! ヨコチマ、準備はいいでちゅか?」

(楽しい次回予告なのに血も涙もない……)

「……美神ちゃん、相当厳しく叱って下ちゃったみたいでちゅ。想像するのも恐ろしいでちゅ」

(肉片になったのによく生きてるなぁ俺も)

「それはそうでちゅよ! ゴキブリだってグチャグチャになっても動くじゃないでちゅか!」

(俺の生命力ゴキブリ並み!? 何そのどこぞのお巡りさんみたいな設定!)

「と、そんなことはどうでもいいんでちた。
 このコーナーでは主にマウチュとヨコチマの二人で、次回の予告や戯言、読んでくだちゃった皆様へのご返答を行いまちゅ。
 とはいっても作者いわく試験的なものだちょうで、評判が悪かったり苦情がきたりしたら即打ち切りみたいでちゅ」

(肉片になったどころが存在まで抹消されるってことか……)

「なので、できる限り長く続けるべく応援よろちくお願いいたちまちゅ。(ペコリ)」

(キターーーー!! マウスペコリキターーーーーー!!!)

「ではでは、レスのご返答コーナーに入らせていただきまちゅ」


☆レスのご返答コーナー   byマウス&肉片改&ゲスト


DOMちゃま(ちゃま=さまをマウスが発音したものです)

「いつもいつも嬉しいご感想ありがとうございまちゅ。特別ゲストが来ておりまちゅので一緒にご返答させて頂きまちゅ」

「呼ばれて、来ました。マリアです。いつも、ありがとうございます」

(さて、前回ヨコチマロリコン化計画について熱く語って下さったのが幸いして、今回晴れてロリコンになりました。肉片改こと横島忠夫です。
 この後シロやタマモも出てきて……俺の未来は天国です。いやマジで、本当にありがとうございました!)

「作者が言うには、次回から少しだけ、タマモさんが、ご登場になられるそうです」

「もちかちたら次回の後書きコーナーにも出てくるかもでちゅ! チャンスはお早めに、でちゅ!」

(……レスを催促してるようにしか見えん)


ZEROSちゃま

「いつも、いつも、ご感想ありがとうございます。ゲストのマリア、です」

(肉片改の、横島、です)

「ちゃてちゃて、前回の敵の強さが曖昧だという件でちゅが、ロープというのは一本のロープのように並んだ霊の例えで、挟まれたのはただの偶然でちゅ。もっと解りやすく描写すべきだったと反省しておりまちゅ。すいまちぇんでちた」

(ちなみに俺は、折檻されそうになったところをカオスに助けられて事なきを得ました。あのときの美神さんの目は悪魔だったとしか言いようがありません。普通の人は、あの目を見たら一週間後に死ぬと考えていんじゃないでしょうか?)

「でも結局肉変改になっちゃいまちたね」

(はい。なっちゃいまちた)

「入浴中のマウスを、覗くのは、非常に罪深いこと、です。よってあなたには、仏罰が下りますよ?」

(ちょ、ダメ! マリア、その台詞パクっちゃダメ!)

「そうでちゅママ! その台詞取っちゃったらむしろママに仏罰が下っちゃいまちゅよ!」

「冗談、です」

「……ではでは、今回のご返答コーナーは此処までにしておきまちゅ。本当にありがとうございまちた。(ペコリ)」


☆次回予告   byマウス&フルアーマー肉片改

「ちゃてちゃて、次回は半年間の間に変わったマウチュ達の生活をご覧に頂きまちゅでちゅ。ギャグっぽい雰囲気、ほんのりシリアスな雰囲気が連続するドタバタ劇でちゅ。でもまだ、おキヌちゃんは登場しまちぇんでちゅので、おキヌちゃんファンの方は今しばらくお待ちくだちゃい」

(何だかどこぞの金髪サングラスが乗ってそうな名前になったなぁ)

「お風呂なんて覗くのがいけないんでちゅ! スナイプ!」

(フ……当たらなければどうという事はない)

「ガトリンググレネード!」

(ギャー! やめてーー! ボロアーマーになっちゃうぅーー!)

「もうなってまちゅ」


以上!


最後に戯言

いや、一度でいいからやってみたかったんですこういうの。本当にすいません。苦情がきたら即刻削除します。でも出来ればこの後もやっていけたらいいなぁと思っております。

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