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▽レス始

「闇に染まる第四話(GS)」

アイク (2006-12-16 19:50)
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―第四話  転機  ―


横島とおキヌが攫われ一年の時が流れた。二人の救助はただ遅れていた
美神が持っていた文珠は底を尽き、横島の連絡待ちになった
と言っても、横島は定期的に美神に連絡を入れていた

一年で分かった事は数多く有った
ハマード・レイノスが元軍人、そして山岡晴樹は南部グループ所属
更に心霊兵器開発に関わり、外されたマッドという事

美神達はその事から南部グループを中心に調べたが、証拠が無く
後一歩の所で踏み込めないでいた。
ヒャクメに協力して貰ったが二人の居場所は分からなかった
二人が攫われ約一ヶ月、霊気の残り香は残っておらず
どの辺りに捕らわれているのかすら分からない
どうでも良いが、その時ヒャクメは美神に役立たずと言われた

南部グループは恐らく″黒″だ。さらに、ガルーダといった
前科まである。強制捜査に踏み入れば証拠は見つかるかもしれない
だが見つからなければ拙い事になる。行動するにはリスクが大きすぎた
″黒に近いが黒ではない″それが今の南部グループへの見解だ
あまりにも情報が少なすぎる

また、横島の両親は忠夫が音信不通になり、クロサキに調べさせた所
息子の部屋が最低でも半年使われていない事を知り、美神に問うた
そして、忠夫が誘拐された事を知った。又、同時に生きている事も
横島捜索に二人が加わった瞬間でもあった

そんなこんが、美神達の一年だった

横島は美神に【伝達】の文珠で連絡する時気を配っていた
横島は山岡のマッドぶりをその身で味わっていたからだ
山岡はまず横島に全ての文珠の提出を命じた
横島はその時山岡に己の作る文珠の欠点としてこう言った

「一つ作るのに3週間、しかも自分の手から離れると不安定になって
 文字を込めないとすぐに自然消滅する」

横島は山岡におキヌの安全を保障させた
余裕の有る人間は傲慢だ。山岡は何も考えず己が用意した
エンゲージの宿る紙にサインした。内容を確認せずに
山岡はその日より横島に実験を始めた
横島が言った事が事実だろうと無かろうと山岡には関係ない
山岡は己の知的好奇心を満たす研究をするのが目的だった
山岡は薬物を横島に大量に投与し、麻酔なしでを裂く
上からの命令も有るのだろう、解剖はしない
モノを調べられなければ、作り出す方を調べる
至極単純で明解な答えだ

横島が山岡に提出する文珠は似ているだけのモノだ
山岡は偽物と判断できないだろう
何せ手から離れるとすぐに消えるのだ

横島はそんな中、生きていた
山岡や研究員達の自分をモノとして見る目にも慣れた
文珠をストックした状態で使える様になり
【捜索】や【把握】の文珠で施設内部を把握し
【分身】でおキヌを必死に探すも見つからない
山岡の実験で死に掛けるが横島はただ生きていた

それが横島の一年だった

横島は一年で変わりに変わった
数々の人体実験で体はボロボロ、心も磨り減る
自力では立てないと思われる程痩せ細り、髪は伸び放題
肩下まで伸びている
患者服の様な服を着、目を瞑り
ベットに横になっている横島は何も知らない人が見れば
十人中十人が死んでいると思うほど生気は無い
横島を支えているのは″おキヌちゃんを助ける″という思いのみ

「山岡さんも勿体ないよな〜」

「ああ。あんに良い女なのによ」

「ああゆうのを大和撫子って言うんだろうな」

ある日、廊下からそんな会話が聞こえる。声からして男が三人
横島は何故か気になり目を開き三人の会話を聴く

「そうだよな〜名前何だっけ?」

「確か…氷室キヌだ」

その一言で横島は動いた。体に黒い何かと歓喜が稲妻の様に疾る
文珠【偽】を使い、監視の目を誤魔化し部屋から出た
その体のドコにそんな力があるのか、その動きは野生の猛禽を思わせる
三人を瞬時に部屋に蹴り飛ばす
だがそれは、霊力で強化した体には雑作も無い事だ

ゴキャッ グキャアァアッ!

一人の首を蹴り砕きもう一人の頭を踏み潰す
砕ける音と潰される音が、体外に洩れる音では無いのに響いた
床が赤く染まる
横島は残った一人を見た

「ひぃい!」

彼に横島はどう見えたのかは彼にしか分からない
横島は彼の頭を掴み上げた

ギシギシ、ギギギギギギギギギッ

「ひぎぃいいっ」

横島のアイアンクローに彼に骨の軋む音と激痛が襲い
彼は豚の様な悲鳴を上げた。いや、豚に対して失礼か
横島は先程人を二人殺したのに何の罪悪感を感じない
この男の苦痛の声に、心の黒い何かが疼く事に表情に出さずとも
不思議に感じていながらも
それ以上におキヌの手がかりを見つけた事に、心を喜びが支配する

「俺をお前の言う氷室キヌの所に案内しろ。 
 しなければ、あの二人と同じ所に送ってやる」

久しぶりに出した声は生彩の欠けるものだった
口ではそう言いながら【伝】を発動させ情報を男の頭から読み取る
そして同時に【真】を男に使う

男が横島を案内した一室には様々な呪縛や結界が張られていた
横島の手は男の首の後ろに掛けられていた
横島は【回復】の文珠を使た為肉付きは多少マシになっている
痩せ気味といった所か

(…文珠やヒャクメじゃ見つからないはずだ。
 破調を合わせたのが数点…
 アシュタロスの技術を流用してやがんのか…)

横島は【解析】と【理解】を使った。その間約数秒
少し目を逸らした程度だ
【理解】の文珠でアシュタロスの技術が使われていると分かったのは
かつて模した為だ
アシュタロスの知識は横島の霊気構造に刻まれてしまっている

「ここだ」

ゴキィッ

男が扉の前でそう言った瞬間、両手で男の頭を掴み
無慈悲に首を折る
横島は文珠、【開】を発動した
扉は自動ドアの様に開き、横島は中へと入った

おキヌの姿は変わっていなかった。ただ患者服らしきものを着ているが
軟禁程度で客人に近い扱いを受けていたのか
その元気そうな姿に横島は涙が出そうになる
一方おキヌは驚いていた。いきなり人が何も言わず入って来たのだ
おキヌには彼が横島と分からなかった

「おキヌちゃん」

「!?横島さんなんですか…?」

声を発した時、おキヌは目の前の人物が横島と分かった
が、おキヌが分からなくても仕方が無い
今の横島におちゃらけた雰囲気は無く、手負いの獣の様な目をしている
更に髪が伸び、顔の大半を隠れている為だ

「本当に横島さんなんですか?」

「ああ。それより早く逃げるよ」

おキヌは目に涙を溜め、搾り出す様な声で震えながら言った
横島はそんなおキヌの手をとり、目を瞑り集中し
ストックした文珠に【転移東京】と込めた
そして文珠を発動させようとした時

バン!

「あっ…」

乾いた音と、おキヌの声がした
目を開けた横島が見たのは
胸に紅の花を咲かせたおキヌの姿だった


―後書き―
やっと更新出来ました。
あ〜…やっちまった。としか言い様がねえ
今回は少し打ち方を変えてみました。量的には大差無い筈なんですけど
何故か少ない気がする
【 】は文珠の字です。中に二文字以上あろうが
一つに一文字なんでそこはよろしく

気になったんですが、コレ、バイオレンス指定になりますか?
まぁ、時間が有れば見て下さい
それと感想も一つお願いします。あつかましいですが失礼します。

〜レス返し〜
・ZEROS様
 己の持つ技術に傲慢になったためです。要するに、ただ馬鹿です
 あと文章が見づらいのは…どう改善すればいいでしょう
 こっちの方が見やすいとおもって打ったんですが…
 どうしよう

・素浪人様
 撹乱は情報です。多ければどれが正しいのか分かりづらくなる
 そう思って、こうしたんですが…ダメですかね?
 あと、話があまり進んでいないのは、単に自分の技術不足です

・RJ様
 ありがとうございます。牛歩並みに遅いですが頑張ります。

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