GSもしも話 ケース2
もしも妙神山で美神の修行中に・・・・・・
『グオオオオオッ!!!!』
『「ひーーーーーっ!!??」』
「わーーーーーっ!!??」
「きゃーーーーーっ!!??」
巨大な竜と化した小竜姫に追い掛け回されている美神、横島(&シャドウ)、おキヌの三人(四人?)。
いったい何があったのかというと原作の四巻(ドラゴンへの道!!)を参照にしてくれ。
美神が、なぜか消えていなかったシャドウを使って食い止めようとするが、足止めすら出来ない。
「元はといえば、あんたが逆鱗なんて触るのが悪いのよ!!」
「そんなの知るかーーーー!!」
美神は、小竜姫から逃げながら、横島をドツキまわす。
横島も、美神にドツカレながら、逃げ回る。
なんとも器用な二人である。
「いややーーー!!!まだ死にたくないーーーーー!!!!」
横島はマジ泣きしながら、思いっきり叫びまくる。
そのとき、奇跡は起きた!!
『な、なんや!?』
横島のシャドウが、戸惑う声を上げ、横島に戻っていく。
すると、横島からいきなり桁外れの霊気が噴出し、右手に集まっていく。
「な、なんやこれーー!!??」
「いったいなんなの!!??」
さすがの美神も、いきなり横島が霊力を発揮したのには戸惑っているようだ。
横島の霊力が収まったとき、その手にはビー玉サイズの玉が五個握られていた。
「なんや、これ?」
いぶかしむ横島の横で、美神が驚愕の表情になる。
「こ・・・これって、もしかして文珠じゃない!!??」
「文珠って何すか?」
いきなり興奮しだした美神に、若干引きつつも質問する。
「文珠ってのはね、霊力で凝縮した珠にキーワードを込めて解凍することで、あらゆる事象を起こすことが出来るって言われている、万能なオカルトアイテムのことよ!!
書物によっては、神具とさえ言われているのよ!!
何でそんなものを、横島君(丁稚)ごときが持っているのよーーーー!!??
むしろ私にこそふさわしいでしょ!!それ!!よこしなさい!!!!」
「俺も知らないわーーーー!!!!
ていうか、いきなり恐喝すなーーーー!!!!」
横島の首をガックンガックン揺らしながら大声を上げる美神。何気に文珠を横島から奪う気満々だ。
『横島さん、すごーい』
おキヌは、普通に感心していたりする。
何がすごいのか分かっていないようだが。
『アンギャアアアアーーーーー!!!!(無視スンジャネーーー!!!!)』
三人に無視されていた小竜姫が、凶暴性を1,25倍位(当社比)に上げ襲い掛かる。無視されて、少し拗ねているようだ。
「とりあえず、まずは小竜姫さまをどうにかしなくちゃ。
なにはともあれ、文珠があるならなんとかなるわ」
美神が、さっきまでの焦りっぷりが嘘かのように落ち着いた表情で言う。
「え?で、でも、これの使い方知らないっすよ」
「念を込めるのよ。文珠にどういう現象を起こさせたいかイメージするの」
「イメージッすね!!ようし!!」
イメージ(妄想)は、自分の十八番だ。
文珠に何をさせたいか、どういう事象を起こさせたいか・・・・・・
頭の中に、その事象を起こすための文字が浮かび上がる。
文珠が光り輝く。
そして―――――――――
「俺に裸のねーちゃん(美人)をーーーーー!!!!!」
「あほかおのれはーーーーー!!!!!」
横島の叫びに、シャドウで突っ込みを入れる美神。
『横島さん、フケツです。わたしじゃだめなんですか?』
と、どこかずれた感想を言うおキヌ。
ちなみに、文珠には、
『裸』『美』『人』『姉』
と刻まれていたが、間一髪発動することはなかった。
この文珠が発動したら、どういうことが起きるのか(漢として)非常に気になる所ではあるが。
しかし、文珠の同時制御って数が増えるほど難しくなるって言うのに、いきなり四文字制御を行おうとしたこの横島は、ある意味すごいと言えよう。
閑話休題。
「この!!」
文珠を一つ横島から奪った美神は、念を込めて小竜姫に投げつける。
『爆』
文珠が発動し、巨大な爆炎が小竜姫を包み込む。
「やったっすか!?」
「すごい威力ね。やっぱ横島君にはもったいないわ」
文珠のすさまじい威力にあきれた表情をする美神。
心の中で、
(横島君が文珠を作れるなんてむかつくけど、経費が浮いてぼろ儲けできそうだわ。ふふふふ・・・・・・すばらしいわ!!)
などと思っているのは秘密だ。
「(ゾクッ!)うわ!?なんか急に寒気が・・・・・・」
横島は、いきなり襲ってきた寒気に?マークを浮かべている。
なにはともあれ、自分が出したアイテムがとんでもなく強力だと知ると、気が大きくなる横島忠夫(17)。
「ふふふふふ・・・・・・
こんなすごいアイテムを俺が出したなんて・・・・・・
すごいぞ俺!!さすが俺!!
ついに、ついに俺の時代がやってきたのかーーー!!??
今日はGS横島の記念すべき目覚めの火ジャーーーーーーー!!!???」
調子に乗って騒いでいた横島に、小竜姫から放たれた炎が命中した。
『爆』の文珠によって、さらに怒りに火がついたようだ。
「げ、アレでも倒せないわけ!!??」
美神たちは焦りながら、結界の綻びを見つけ、修行場の空間から脱出する。
小竜姫は、それを追いかけながら炎を連発する。
なぜか横島に全弾命中しているが。
「なんでじゃーーー!!??アッチーーーーっ!!!!」
世の中は、不思議なことだらけである。
「と、とりあえず、小竜姫さまを止めてくれーーー!!」
文珠に念を込め、小竜姫に投げつける。
込めた文字は『止』。
小竜姫の動きが止まる。
動こうと足掻いているが、ほとんど効果ない。
「やった!成功だ!!」
自分で文珠を発動できたのが嬉しいのか、はしゃいだ声を出す横島。
「でも、あんまり時間がなさそうね」
美神は、冷静に小竜姫を見ている。
確かに動きは止まっているが、徐々に動きが大きくなっていっている。
文珠の効果を打ち破るのも時間の問題だろう。
「さて、どうするか・・・・・・」
美神が、小竜姫をどうやって止めようか頭を回している横で、横島は残りの文珠を、じっと見ていた。
残りの文珠は三つ・・・・・・
ならば、アレができるかもしれない!!
もしアレができるなら、確実に小竜姫さまを倒せる!!
「美神さん、俺が何とかしてみます」
「へ、?いったいなにを・・・・・・」
「上手くいくかわからないっすけど、たぶん大丈夫です」
「(ドキッ! )そ、そう・・・じゃあ任せたわ。お願いね、横島君(今の横島君って、なんかかっこいいかも・・・・・・)
珍しく(というか、本来の時間軸だと今の時点ではありえない)凛々しい顔をした横島に、顔を真っ赤に染めながら美神は横島の後ろに下がる。
『横島さん・・・なんかかっこいいです・・・・・・(ポ〜〜ッ)』
美神だけでなく、おキヌも凛々しい横島に墜とされたらしい。
動こうと必死に暴れる小竜姫の前に横島は立った。
目を閉じて、イメージする。
文珠が光り輝き、イメージした文字を刻み込む。
イメージするのは、ある一つの魔法。
圧倒的な破壊力を秘め、その一撃は山をも砕き、最強の種である竜でさえも滅ぼす。
ドラゴンをも滅ぼすという意味を持つ魔法の名前。
正に最強の攻撃魔法。
それすなわち――――――――――
『竜』『破』『斬』
「ドラグ・スレーーーー・・・」
「『このドアホーーーーーー!!!!』」
美神が、横島に天翔○閃をぶちかまし(抜刀術ではないのに、なぜか超神速)、宙を舞った横島が落下したところを、おキヌがキン○ドライバーで地面に叩き落す。
地面に首を埋め、なんかヤバげな感じで痙攣を起こす横島を尻目に、美神とおキヌは笑顔でハイタッチをする。
小竜姫も、その鮮やかなコンビネーションに賞賛を送っていた(まだ竜の姿のまま)。
だが、今回は後一歩遅かった。
文珠は、あの魔法と違い『力ある言葉』、つまり、魔法の名前を言わなくても発動可能なのである。
横島の手からこぼれた文珠は、そのまま霊力を開放し、刻まれた文字通りの事象を引き起こす。
「ん?」
『へっ?』
『グア?』
「・・・・・・」(ピクッピクッ)
カッッ!!!!
ズオオオオオオオオッ!!!!
あたり一面が昼よりも尚明るく輝き、妙神山を飲み込んでいく。
そのときの光を離れた所から見ると、黄昏より昏く血の色より朱く見えたであろう。
光が収まった後には瓦礫すら残らず、妙神山という山は、地図から消え去ることとなった。
その後、奇跡的というか、何で生き延びることが出来たのか永遠の謎を作りながらも無事だった三人。
美神は、最後のパワーアップが出来なかったことに対して怒り、横島をぼこぼこにした。
さらに、小竜姫を止めるなら、『正』『気』にすれば良かったのではないかとおキヌに言われ、横島はますますぼこぼこにされた。
さて、なんだかんだで最高の能力を得ることが出来た横島君だが、基本的に根性なしなのは変わりなく、美神に、“文珠製造器”として一生涯こき使われることになるのは、すでに確定した未来の話であるが、あんま関係のない話でもある。
あと小竜姫は、妙神山を消滅させたことによって、斉天大聖及び、竜神族の偉い人たちに、こっぴどく怒られていたりするが、これも関係ない話である。
「え〜〜〜ん!!私がいったい何をやったって言うんですか〜〜!!(泣)」by小竜姫
おわれ
あとがきっぽいもの
さらに電波を受信して、連日投稿のシマンチュです。
今回は、ただ「竜・破・斬」を文殊でやりたかったからです。
相手はドラゴン(小竜姫)だし、この話がベストかなと思いました。
というか、原作見てたら、この話が浮かんできた。
近いうち、壊れSS作家の必需品(?)の、固有結界・「無限の電波」を展開できるかなと思います。
・・・この話も電波です。
これで人としていいのか疑問に思いつつ。また今度!!