横島たちは美智恵が手配したタクシーに乗ってオカルトGメンのオフィスに向かっていた。
カリンは席数の都合で横島の中に戻っている。シロは小竜姫の膝の上でヒーリングをかけてもらっていた。
(くくっ、ガキの分際で小竜姫さまのひざまくらだと!? 邪魔しに来やがった犬っころのクセにーーー!)
その反対側、運転手の後ろの席に座っている横島が心の中で苦悶の叫びをあげる。恋人の隣だから声に出すようなヘマはしなかったけれど。
シロのことが気にさわるという点は同意してくれるだろうが、その理由が全然違うのだから。
助手席に乗っているのは雪之丞である。犬飼との戦いで疲れたのか、目を閉じて仮眠していた。
そして無事到着したGメンオフィスの扉をくぐった横島たちであったが、小竜姫に続いて入った彼の顔に、とつぜん銀色の棒のようなものが振り下ろされてきた。
「このバカ横島ーーーッ!!」
「ぶげらっ!?」
さすがの横島も回避できず、張り倒されて床に倒れた。何事が起こったのかと顔を上に向けると、元雇い主がなぜか憤怒の表情で彼を見下ろしているではないか。
「み、美神さん!? って、今日のパンツは紫っスか。美神さんが穿くと何か高貴な味わいうわちっ!?」
ハイヒールのかかとが口の中に突き刺さって来たのを反射的に転がって避ける横島。しかしこんな状況でも彼のスケベ根性は健在のようだ。
あわてて体を起こして暴力行為の理由を問い質す。
「い、いきなり何するんスか美神さん!?」
当然の疑問であったが、令子にとってはそれこそが不埒な行為だったらしく、いよいよ怒気を高めて怒鳴りつけた。
「やかましい! こちとらあんたのせいで面倒な妖怪2匹同時に探すハメになったんだから、せめておとなしくシバかれて責任取れっ!」
犬飼が昨晩戦った吸血鬼のことはすでにピートから車の中で聞いていた。しかし犬飼が吸血鬼を殺したかどうかは不明なので、オカGのチームはそちらの捜索もしなければならなくなったというわけである。
危険度でいえば吸血鬼は辻斬りよりずっと上だ。辻斬りはその場で1人を斬り殺して終わりだが、吸血鬼はネズミ算式に仲間を増やすことが出来るのだから。
この機会に犬飼を仕留めることができれば残りは吸血鬼だけになったというのに、横島が下手を打って逃がしてしまったから令子は腹を立てているのだ。何しろ辻斬りと吸血鬼を退治するまでは他の仕事を受けられないので、実質的にはオカG所属が続いているようなものなのだから。
「俺のせいじゃねえっスーーー!」
横島渾身の叫びだったが、こういう時に彼の言い分が聞き入れられることが無いのはもはや運命のようなものである。
「つーかあんた、丁稚のくせに二股デートとか依頼料半分寄こせとか、よくも好き放題してくれたわね。2度とバカなこと考えないよう、DNAの髄までしつけ直してあげるわ!!」
「だから俺じゃねえっスーーー!!」
横島は二股デートなんて美味しいことをした覚えはない。令子はいつかのデジャヴーランドでのことを言っているのだが、横島にとってカリンは自分の一部なので、二股という認識にはならないのだった。
ただその理屈でいくとカリンの言動はすべて彼が責任を取らねばならないし、社会的にもそのように扱われるのだが、横島忠夫という男にそんな首尾一貫した立派な考え方ができるわけがない。
それはともかく、今の令子に言い訳は全く通じなさそうだ。横島は背中を向けて逃げ出した。
「逃げるか、このーー!」
令子はその背中に神通棍を力いっぱい振り下ろしたが、横島の逃走力も業界随一なだけに届かず空を切った、と思いきや。そのとき令子の神通棍は鞭のように伸びて、元丁稚の背中をばちーん!と打ち叩いたのだった。
「へぶしっ!?」
横島がカエルのような姿勢で床に這ったが、令子は追撃しなかった。
長く伸び曲がった神通棍を目を丸くして見つめている。どうやら彼女が意図してやった事ではないようだ。
「壊れたわけじゃない、ただしなってるだけ……? 私の念に負けて変形したんだわ」
令子が驚くのも無理はなかった。いかに一流GSでも、こんな事が簡単にできるわけがない。単に霊力と念の強さだけではなく、神通棍というアイテムとの相性とか、ある種のセンスのようなものも必要とされるはずだ。
ある時系列では長期の精神的修養のあと生死の境に立たされたときに偶発的に会得したのだが、ここでは積もりに積もった金銭的ストレスと元丁稚への怒りが一時に噴出するという形で達成されたらしい。どれほどの鬱屈をためこんでいたのであろうか?
「何にしても思わぬ拾い物だわ……これならいくら横島クンが素早くても逃げ切れないだろうし」
しゅびっ!と神通棍ならぬ神通鞭をしごきながら令子が酷薄な笑みを浮かべる。得物が得物だけに、Sな女王様にしか見えない。
(……助けた方がいいのかしら?)
冥子や小竜姫たちはあまりの展開にあっけに取られて呆然としていたが、タマモはさすがに恋人のことだから頭をちゃんと働かせていた。
もちろん助けたいと思っているのだが、うかつには動けなかった。令子の恐ろしさは常々聞かされていたから、ここで割って入るのが果たして本当に横島のためになることなのかどうか分からないのだ。自分も睨まれるだろうし。
しかしさいわい、タマモが手を出す必要はなかった。この世で唯一令子が頭が上がらない人物が、その後ろから羽交い絞めにして取り押さえたのだ。
「令子、その辺にしときなさい。それに今は仕事中よ」
元従業員ということで気安さがあるのだろうが、国際公務員の目の前で傷害事件を起こされても困る。横島も令子の下着を覗いたようだが、それも令子が先に殴ったからだし、この辺りで手打ちにしておくべきだろう。
「は、離してママー! 今日こそはあと11回くらいシバかないと気が済まないのよー!!」
いやに細かい懲罰計画を明らかにした令子だが、我に返ったピートや小竜姫にまでなだめられてはこれ以上強行できない。しぶしぶ諦めて神通棍をしまう。
「……あー、ありがとうございます。おかげで助かりました」
九死に一生を拾った横島がそう礼を述べると、美智恵は渋面をつくって、
「いいのよ、これも親の務めだから。
でも横島クン、あなたもたいがい懲りないわねぇ」
令子が怒っているのは知っていたはずなのに、なんでわざわざ余計なことをやって火に油を注ぐのか。
横島も彼女の言いたいことは分かる。バツ悪げに頭をかいた。
「いえ、頭では分かってたんスけど、つい本能的に目と声が」
「……」
美智恵が内心で両肩をがっくり落とす。令子も令子だが横島も横島だとあきれたのだ。彼が辻斬りを撃退して武器も奪ったと聞いて、かなり評価を改めていたのだけれど……。
しかし口に出しては何も言わなかった。そんなことよりさっさと辻斬り対策会議を始めなければ。
ただその前に。美智恵は冥子にシロの手当てを頼もうとしたが、人狼の子どもは骨にヒビでも入っているのかまだつらそうな顔をしながらもそれを辞退した。
「いや、さきほどは拙者のせいで犬飼を取り逃がしたのでござるから、せめて事情の説明だけでも先にさせてほしいでござる。人狼族の体は頑丈にできておるゆえ、これしきのケガは平気でござるから」
シロはとても平気そうには見えないし、言葉遣いが古風なのも少し気になったが、彼の言い分は美智恵にとってありがたいことである。望み通り話をさせてやることにした。
シロはまず犬神族の犬塚シロと自己紹介したあと、自分のミスで辻斬り犯を逃がしたことを謝罪した。わりと礼節にこだわるタイプのようである。
「彼奴の名は犬飼ポチといって、拙者の父の仇でござる。父上は犬飼が八房を盗んで里を出ようとしたのを止めようとして、逆に斬られてしまったのでござる」
「それであなたも父親の仇を追って里を出てきた、というわけね?」
「はい。街中の飯屋に入ったところで絵が動いてしゃべる箱を見まして、それで犬飼はこの辺りにいると思って探していたのでござる」
シロは犬飼の行き先など皆目見当がつかなかったのだが、昼食をとるために入った大衆食堂のTVで偶然辻斬りのニュースを見て、アナウンサーが言った地名からここにたどり着いたのだ。
「そう……それは大変だったわね。で、その八房というのは?」
「大昔に人狼族の天才鍛冶師が1本だけ造りあげた無敵の剣でござる。これは斬った相手の霊力を自分の体に吸収することができるのでござるが、奴はその力で無敵の『狼王』になって人間に復讐するつもりなんでござる。
さいわい先ほどの戦いでこちらの方が奪い取ってくれたので、取り返されさえしなければ大丈夫でござるが」
とシロはそこまで一気にしゃべってから、大事なことを言い忘れていたことに気がついた。
「あ、いや。人狼はあんな奴ばかりではござらん。里のみんなは勇敢で優しい者ばかりでござる。ただ人間が森を切り拓くようになった後、人狼は住むところが減ってしまったので、その復讐をもくろむ者もいるんでござる」
これだけは人狼族の名誉のためにもぜひ弁じておかねばならなかった。敬愛する父や長老たちが犬飼ごとき辻斬り野郎と同列に見られてはたまらない。
美智恵も別にそれを否定する気はなかった。人間にもいろんな者がいるのだから、人狼族にも個々で考え方の違いがあるのはむしろ当然のことである。
だから人狼族そのものを敵視する気はない。むろん犬飼は逮捕してしかるべき処置をするが。
「それで、その狼王というのは何なの?」
「拙者もくわしくは知りませぬが、長老たちは『巫怨吏竜(フェンリル)』とか言っておりました」
「フェンリルですって!?」
その単語の意味を理解できた全員の血の気が引いた。
フェンリルとは北欧神話に登場する異端の神ロキの息子で、主神オーディンさえ食ってしまった巨大な狼である。もちろん犬飼が化けるのはまがい物だろうが、それでも恐るべき怪物になるのは間違いあるまい。
人が住んでいない山奥とかに出現したなら精霊石弾ミサイルを撃てるし自衛隊も出動するだろうが、東京23区内では手の打ちようもない。死津喪比女のときは敵本体が動かない球根だったから電撃で倒せたが、暴れ回るフェンリルにそういう手は使えないだろう。
そう考えれば、八房を取り上げた横島の功績は絶大である。まあ、Gメンから出せるのは感謝状くらいのものなのだけれど……。
「……1つ確認させて。その八房は『1本だけ』なのね?」
「はい。里の秘宝として奉納されていたのは1本だけでござるし、言い伝えもそうなっておりますから、それは間違いござらん」
「そう……それは良かったわ」
シロの返事に美智恵は深く安堵の息をついた。もし犬飼が同じ物をもう1本持っているなら、危険度も対応策も大幅に変わってくるのだ。
そしてシロは状況の説明を終えたと判断したのか、いよいよ本題に入った。
「しかし犬飼があれで諦めるとは思えませぬ。傷が癒えしだい、八房を取り返しにくるはずでござる。
ですので拙者にもぜひ協力させて下さい。戦いの役には立たぬことは先ほど思い知らされましたが、奴の臭いはしっかり覚えているでござる。どこに隠れていようと必ず探し出してみせますので。
……その代わりと言っては何でござるが、犬飼をみごと成敗したあかつきには、八房を里に持ち帰らせてほしいのでござるが……」
女狐に罵倒されたくらいで諦めるわけにはいかない。確かに彼女の言い分には一理あったが、犬飼を倒した後なら問題なかろう。
「そうねぇ……」
美智恵もここは思案のしどころである。
人狼をフェンリルに化けさせるための道具など、今ここでコナゴナにしてしまいたいのだが、それをやったらシロは捜査に協力してくれなくなるだろう。タマモが同等の嗅覚を持ってはいるが、彼女は学生だからフルタイムで手伝ってもらうわけにはいかないし。
それにシロが加わることにはある種政治的な意味があった。辻斬り事件のことはすでにマスコミ沙汰になっているし捜査本部までできているくらいだから、いずれ犬飼の正体と目的は公表しなければならない。そのときシロが捜査に協力していたという事になれば、人狼族そのものに対する社会的な敵視はいくぶん和らぐだろう。
八房を破壊しないとなれば、犬飼が取り返しに来るのを待って罠にはめるという手も使える。それまでの間彼を放置することになってしまうが、こちらから探し回るより安全で確実だ。犬飼も愛刀の臭いは覚えているだろうし、八房がなければ狼王になることはできないのだから、来ないはずがない。
(まあ、警察がそういうやり方を認めてくれればの話だけど……)
そもそも八房は殺人事件の証拠品なので、応援を頼まれた立場である美智恵が勝手に壊したりエサに使ったりする事はできないのだ。犬飼への対応策も含めて、警察と協議する必要があった。
普通の警官の装備で人狼の剣士に立ち向かうのは無謀だから、八房はおそらくGメンで預かることになるだろう。ただ辻斬り犯をあえて追わないという方針を警察が承知するかどうかは自信がなかった。
まあそれは明日協議した上でのこととして、
「分かったわ、あなたの参加をオカルトGメンとして歓迎します。
八房については必ず返すとは言えないけど、ここにいる者が私物化するような事はしないと約束するわ」
「じゃ、どうするんスか?」
八房を奪った功労者である横島としては、その扱いは当然気になるところである。自分の物にはならない、と言い切られたわけだし。
誰かが舌打ちする音が聞こえたような気がしたが、たぶん空耳であろう。
美智恵もむろん彼に対しては説明責任を果たす必要があった。
「八房は殺人事件で使われた凶器だから、少なくとも事件が解決するまでは警察かGメンで証拠品として保管することになるわ。その後は本来の持ち主に返すのが当然……なんだけど、今回は物が物だから素直に返すかどうか、私の一存じゃ決められないのよ」
「なるほど……返した後でまた犬飼みたいな奴が出て来たらたまりませんもんね」
「ええ、もしそうなったら今度こそ人狼族は人類の敵として認識されるでしょうし。
だからせっかく取り上げてくれた横島クンには悪いんだけど、八房はGメンに預けてもらえるかしら?」
「ええ、それはかまいませんけれど」
「……」
シロはそのやりとりに口をはさめなかった。
美智恵が言ったようなことは今まで考えた事もなかったが、言われてみればまったくその通りなのだ。
もともと長老は犬飼を追うなと言っていた。だからもし八房を持ち帰ったあとで美智恵と横島の言う通りになったら、それはすべてシロの責任ということになる。
「―――シロさんもそれでいいかしら?」
「はい。拙者、まだ子どもゆえ考えが足りぬようでござった。八房のことは犬飼を討ち果たした後、長老たちの意見を聞いた上であらためて相談させてもらうでござる」
だからシロは八房のことはいったん棚上げにすることにした。どうするのが正しいのか、自分の頭では判断がつかないのだ。
美智恵はシロが納得してくれたことにほっとしつつ、次の話題に移った。
「ええ、それじゃよろしく頼むわね。
……さて、話が前後しましたが。小山さん、犬飼との戦いの経過を話してもらえますか?」
犬飼を撃退したのは横島だが、話は所長である小竜姫から聞くのが礼儀だろう。彼女の方が客観的に説明してくれるだろうし。
「はい。実際に戦ったのは短時間でしたが、犬飼はやはり人狼だけあって、非常に素早くて力のある動きをしていました。八房を失ったとはいえ、武道の心得のない人が戦うのは危険でしょう」
と前置きしてから、小竜姫は戦いの推移を話した。
小竜姫は現役の武人なので、弟子(師匠?)の必殺技の詳細についてはぼかしたが、美智恵は武道家ではないのでその辺りは気に留めなかった。逆にシロは人間の身で犬飼と八房に勝った力と技に多大な敬意と関心を持ったのだが、先ほどの失敗に鑑みて横からの口出しは自粛していた。
ちなみに雪之丞はかなり長時間犬飼と戦っていたのだが、面倒なのか必要を感じなかったのか、話を補足する気はないようだ。
この時のシロの行動にカリンは多少の疑念をいだいたのだが、美智恵はシロの現物を見ながら話をしているからか、別に不審だとは思わなかった。
「そうですか、それならいくら人狼でも数日はおとなしくしているでしょうね。
……では犬飼のことは明日私が警察と協議してからということにして、吸血鬼対策の方に移りましょうか」
吸血鬼の被害はまだ報告されていないし、警察の装備ではまったく手に負えないので、ここにいるメンバーから何人かを割いて捜索隊を組むしかないのだ。
まず彼の臭いが分かるタマモと、吸血鬼を咬んで制圧することができるピートは当然こちら側である。
となると横島もこっちに回さざるを得ない。彼がいれば犬飼を圧倒できるのだが、妖狐とはいえ女の子に保護者と別々で吸血鬼を探してやり合えというのも酷な話である。
唐巣が回復したらこちら側のリーダーを務めてもらえばちょうどいい。聖なる力は吸血鬼に効果が高いし、横島とタマモの元雇い主でもあるからチームワークもいいはずだ。
逆に剣士である小竜姫と、犬飼と長時間戦った経験がある雪之丞は八房守備チームだ。鞭使いにクラスチェンジした令子と、彼女に懐いている冥子もこちら側だろう。
美智恵自身とキヌは本部で指揮や連絡・事務などに当たり、必要に応じて応援に行くという役回りだ。つまり立ち位置的には八房守備チーム側だから、残った魔鈴は人数が少ない吸血鬼捜索チームに回ってもらうべきである。
「……という所でどうでしょうか?」
その提案に異論は出なかった。能力的にもチームワーク的も妥当なところで、(久しぶりに横島さんと一緒に仕事できると思ったんだけどな)というごく一部の心の声を除けば、誰にも文句はなかったのだ。
ただ行動に移る前に確認しなければいけないこともあった。
「じゃ、うちにも仕事を依頼するってことになるんスね?」
「ええ。話がまた前後しちゃったし、本来はGS協会を通す必要があるんだけど、今回はこんな状況だからここで直接依頼させていただくわ。
報酬はあまりたくさんは出せないんだけど……」
横島の問いに美智恵ははっきりそう答えた。人狼の剣士を打ち負かすという実績を示してくれた以上、もう遠慮しなくていいのだ。といっても相場並みの依頼料は出せないから、あまり大きくは出られないのだが……。
横島が小竜姫の顔を見ると、彼の雇い主はこっくりと頷いた。修業のためにGSをしているのだから、不当に値切られてるとか扱いが悪いとかでなければ、条件面で文句を言う気はないのだ。
「分かりました。ではうちも仕事を受けるということで」
「ありがとう。細かい条件はGメンに契約書のひな型があるから、後で渡すわ。
明日までに対吸血鬼用の道具を用意しておくから、具体的な話はその時にしましょう」
吸血鬼にはメジャーな弱点が多くあるから、そこを突かない手はない。ニンニクや十字架、それに銀の武器や捕縛ロープも持っていくべきだろう。それを用意している間に契約条件を読んでおいてもらえば無用のトラブルも避けられる。
「分かりました。学校が終わってからでいいっスか?」
「そうね。こちらは昼間の方が圧倒的に有利なんだけど、そのぶん向こうは見つからないよう慎重に隠れているはずだわ。学校休んで探してもらっても無駄足になるだけでしょうし」
吸血鬼の根城を襲うときはむろん昼間を選ぶつもりだが、それを発見するまで毎日学校を休ませるというわけにもいかない。不本意ではあるがやむを得ない選択だった。というかいいかげん正規の部下が欲しいのだが……。
それはともかく。これで美智恵は今日の議題をひと通り話し終えたことになるが、シロの治療と万が一の警戒をかねて、冥子とついでに令子にはここに泊まってもらうことにした。
そして次の日の朝。彼女は驚くべき光景を目撃したのである。
―――つづく。
今回は何だか固い話になってしまいました。しかし省くわけにもいきませんので。
ではレス返しを。
○シクルさん
シロも犬飼戦に参加しますので、期してお待ち下さいです。
○KOS-MOSさん
小竜姫さまは犬飼と剣で勝負するシーンとか書きたいですねぇ。問題は筆者の技量ですが(死)。
シロは弟子入りフラグは立ちましたけど、仕事の担当が別になりましたから先行きは不透明であります。
○whiteangelさん
>バトルジャンキー
ママが天国でどう思ってるかは分かりませんが(ぉ
○菅根さん
>シロ
まあ原作でもフェンリル倒した後は里に戻っていましたけど、戦闘以外でも役に立つことはありますから。
○逃亡者さん
>八房、ぶらどーパパ
深い因縁を持ったシロとピートの活躍がカギを握ってる……かも知れません<マテ
>超回復なしのチビッ子状態
いかに横島君でも幼児シロに欲情はしないかと(笑)。
>魔鈴さん
当初はヒロイン候補だったというのに○(_ _○)
一応フェンリル編の次のエピソードには出演予定なんですが……。
○ミアフさん
>いらない師弟
なんて哀れな(涙)。
○通りすがりのヘタレさん
ついにロリコン野郎に制裁が下りましたが、ちょっとぬるかったかも知れませんねぇ(ぉ
犬飼とブラドーは妙な絡み方をする予定であります。
神父に金運がないのは仕様です<マテ
シロはいるだけでも意味があるのですよー。
○ばーばろさん
筆者も愛ママチャリのカゴにたまもん入れて走りたいです(ぉ
シロはああいう性格ですし、まだ子どもですからねぇ。
でも今回少し成長したのですよー。横島やカリンの弟子になるとタマモと面白いことになりそうですが(^^;
○内海一弘さん
横島は軽傷で済んじゃいました。残念です<マテ
シロは汚名返上の機会を何とかつくりたい所ですねぃ。
>それにしても横島カリンコンビって想像以上に強いですね
あの横島君が「多少の霊力差はくつがえす自信はある」なんて思うくらいですから、武器を使う相手には非常に有効な技なのですー。
○博仏さん
シロは仇討ちが最優先事項でしたから、周りが見えなくなってしまうこともあるかと思うのですよ。
まじめに修業するなら小竜姫さまにつくのが1番なんですが、当人がどう考えるかはまだ秘密ですー。
>正直、邪道に弱い現状の小竜姫様より使えるような
まあ、小竜姫さまはそちらの修業のために来たわけですし。
○遊鬼さん
シロの身の振り方については今後をお待ち下さいー。
犬飼はもちろんこのまま尻尾巻くような根性なしではありませんですよ。
>いやいや、横島君、何気に大活躍(w
やー、そう言ってくれる方がいて嬉しいです(ぉ
○読石さん
は、神父は地味ですが実は偉大な方なのですよー。クセ者揃いの弟子5人がみんな敬意をいだくほどに。
シロは当人も反省しておりますから、仇討ち達成のためにも頑張るはずですー。
○casaさん
美智恵先生が全権を持てば犬飼逮捕も容易かと思われますが、そう簡単に終わっては面白くないですよねぃ<マテ
シロは直情径行・猪突猛進が持ち味なんですが、慎重さも学んでほしい所ですねぇ。
○HALさん
は、犬飼は小竜姫さまはともかく横島・カリンには文字通り死ぬほど相性悪かったんですよねぇ、不幸なことに。彼が八房を守ることになってたら手も足も出ない所でしたが、ちょっとは運が向いて来たかも知れません。
ブラドーと講和するかどうかは……うーん、2人とも変にプライド高いですからねー(笑)。
シロは現状でも捜索の役には立てますけど、横島をペドに転ばせるのは難しいような気が致しますw
>いかに犬神族の秘宝とはいえはるかに高位の存在である竜神の霊気を奪ったりできますかね?
小竜姫さま本来のパワーなら軽くはねのけちゃうでしょうけど、今は100マイトしかありませんから、斬られたらやっぱり奪われると思われます。
>タマモン in the Basket
絵になりますよねぇ、実に。
○TA phoenixさん
は、さすがにシロを出さないとか犬飼を1回戦で沈めるとかいうわけには行きませんから(^^;
犬飼は当然八房奪回に動きますですよー。そうしないと狼王になれませんし。
神父は……オカGからの報酬で教会直るのかなぁ(^^;;
>GSトップクラスでさえ手を焼いた敵を無傷で撃退した小山事務所は目を付けられるのは必至かと思います
1番怖いヒトにさっそくつけられました(^^;;;
○Pさん
シロの行く末はこの先をお待ち下さいー。
○とろもろさん
シロの言動は子どもらしい一途さという所もあったわけですが、やはりマズかったですねー。
女狐呼ばわりはデフォです。タマモも先制で駄犬と言ってますし(ぉ
まあ悪い子ではないので、いずれ誤解(?)も解けることでしょう。
>GS小山除霊事務所は美神美知恵の目に止まるようになるんでしょうね
なりました(笑)。
霊能剣士と妖狐までいますし、他の一流どころと同格に見るでしょうねぇ。
○kouさん
>実際にゲリラ的に攻められたら恐ろしく厄介ですが
まあ八房がないのにゲリラやっても無意味なので、まずは八房奪回を第1目標に据えることでしょう。
ブラドーさんがどう動くかは重要機密ですー。
>それにしてもここの横島は後衛系ですね
は、おっしゃる通り彼の性格からしても妥当な位置ではないかと(笑)。
コンビネーション攻撃は武闘系には極悪なほど効きますし。
>八房ぶっ壊した場合問題ってないのでしょうか?
人狼族は面白くないでしょうけど、辻斬りすると分かってた犬飼を追うどころか人間に報せてさえいなかったので、あまり強く出られないと思われます。
長老は人狼の数が減るのを嫌ってましたから、これだけのことで人間そのものにケンカを売るようなことはしないかと。
ただもし横島が八房を折ってたら、彼個人に仕返ししようとする者は現れたかも知れませんね(ぉ
ではまた。