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▽レス始

「光と影のカプリス 第41話(GS)」

クロト (2006-11-25 18:39)
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 小山事務所に車やバイクの類はないが、自転車は2台ある。唐巣教会に行くにはこれが1番早かった。
 先を行く小竜姫のママチャリのかごには、仔狐姿のタマモが入っている。人狼相手に横島と小竜姫だけでは五感の面で引けを取るので、自分から立候補してついてきたのだ。

「所長、今日は何でスラックスなんスか? ミニスカートだったら太腿がチラチラ見えて目の保養になるのに」

 小竜姫は反応しなかった。

「ああっ、無視されるのが1番痛い!?」

 横島の方も内心はともかく、態度は普段通りだった。相手は確かに強いがネタが割れているし、小竜姫も一緒だから多少は余裕があるのだろう。
 やがて教会にたどり着いた3人は入り口の脇で自転車を降りた。

「雪之丞さんはまだ無事みたいですね。急ぎましょう」

 小竜姫が木刀袋から愛用の木刀を出して竜気をこめながら、後ろの横島とカリンに声をかける。
 戦いがまだ続いていることは教会の敷地に入った時点で分かった。霊気のほとばしりを感じるし、ときおり打撃音も聞こえる。
 ピートが言っていた霊刀は、かなりの破壊力があるようだ。建物の壁に何ヶ所か亀裂が入っているし、人が通れそうなほど大きな穴まで数ヶ所開いている。

(唐巣神父……)

 横島は熱いものが頬をつたうのを感じた。彼ほどの人格者はそうは居らぬというのに、なぜ主はこうもたて続けに試練をお与えになるのか。死津喪やアンの件で減った髪がさらに薄くなったらどうしてくれるのだ。
 しかし横島が修繕費をカンパするなんて出過ぎたマネをするわけにはいかない。ならばせめて、1秒でも早く破壊行為を止めてやるのが元弟子としての務めであろう。

「よし、行くぞカリン!」
「あ……ああ」

 急にやる気を出した本体にカリンはきょとんとした顔を向けたが、喜ばしいことなので追及はしなかった。
 タマモは扉のわきで待機である。今回彼女が役に立てるのは逃げる時と探す時だけなので、正面から戦っている間は近づかない方が安全だった。

「では、行きますよ」

 小竜姫が先に立って、中の気配に注意しつつそっと礼拝堂の扉を開ける。
 アン・ヘルシング事件の後せっかく新調した机や椅子は、八房の霊波刃のせいで大半が木屑になっていた。犬飼はその中央辺りに陣取って、宙に浮かんだ雪之丞と対峙している。
 雪之丞は地上の犬飼が飛ばす霊波刃から逃げ回りつつも、防戦一方ではかえって押し込まれるのでときどき霊波砲を撃って牽制していた。

「くっ、ちょこまかと逃げ回りおって……!」
「逃げられるおまえがトロいんじゃねーか?」

 と雪之丞が軽口を叩いて挑発する。冷静さを失わせれば攻撃が雑になるし、ここから出て他の所に行こうとも思わなくなるだろう。
 実際犬飼はかなり頭に血が上っていた。それに雪之丞の相手をするのがいいかげん面倒になってきてもいたが、しかし狩りの対象に侮辱されたあげく背中を見せるなど、狼の誇りにかけてもできない。
 犬飼がまたしても八房を振るうが、雪之丞は飛ぶ軌道を曲げて避けた。

「―――見たか、小山殿!?」
「ええ、確かに!」

 カリンと小竜姫が互いに頷きかわす。さっき聞いた八房の性能を、まさにその目で確認できたのだ。
 雪之丞と犬飼もカリンたちの出現に気づいて顔を向けた。
 犬飼は影法師や神族を見たことはないから、2人の正体は分からない。しかしかなり上等な獲物であることは理解できた。

「ちょうどいい、おまえたちも八房のサビとなれっ!!」

 雪之丞に手こずらされていたところだ。憂さ晴らしもかねて全力の一閃を繰り出す。
 しかし小竜姫は神界でも名の知れた達人だし、カリンも一流といっていい使い手だ。危なげなく自分に向かって来た4枚ずつをはじき飛ばした。

「そんなものでこの私は倒せませんよ!?」
「面白い、ではこれならどうだ!」

 女子どもに八房の斬撃を防がれたのは意外だったが、逃げ回ってばかりの雪之丞に比べれば戦いがいのある相手だ。犬飼は薄く笑みを浮かべると、今度は小竜姫だけに8枚全部を振り向ける。
 犬飼にしてみれば受け切れるはずのない必殺の攻撃だったが、その8枚の刃がすべて空中で静止させられようとは。

「……!? な、何だ!?」

 動きを止めた霊波刃を呆然とみつめる犬飼。いったん放たれた刃は自前の推進力を持たないし、犬飼が操ることもできないから、あとは蒸散して消えるのを待つのみである。
 いやそんな事はどうでもいい。八房の刃が空中で止まるなど、見たのは初めてだし聞いたこともない。いったい何が起こったというのか!?
 その解答は、さっき入って来た3人の中で1番年下に見える娘からもたらされた。

「私の術で止めた。たいして重いものじゃなかったからな」

 とカリンが事もなげに言い放つ。
 すでに2回も見たし、普通の霊波弾を止めるのと理屈は一緒だから、技術的にはさほど難しくなかった。何より剣で切り払うより安全である。

「……ッ!?」

 犬飼が絶句するのも無理はなかった。人狼族に伝わる無敵の剣がまさかこんな小娘に破られるなどと、誰が想像し得るというのか。
 しかし犬飼はすぐ考え直した。八房は折られたわけでも封じられたわけでもない。攻撃を続けて一太刀でも入れてしまえば、彼女も霊力を吸われて術を使えなくなるであろうから。
 雪之丞がまだ頭上に浮いているが、彼が撃つ霊波弾にはそれほどの威力はない。しかしこの小娘は霊刀を持っているし、やはり地上の3人を先に仕留めるべきだ。
 ところで八房が飛ばす霊波刃は、実は使い手の霊力をエネルギー源にしている。柄にこめられた霊力を八房がエネルギー吸収能力を持った刃に変換して、剣が振られると同時に射出する仕組みになっているのだ。
 だから1度放つと次の準備ができるまでにどうしても多少の間があいてしまうし、外してばかりいるとしまいには使い手の霊力の方が枯渇してしまうのだが、さいわい昨日吸血鬼の魔力を奪ったからこちらが先にへたばる恐れはなかろう。
 とりあえず右か左に動かないと、まだ残っている霊波刃が邪魔で攻撃ができない。犬飼は素早くサイドステップすると同時に3回目の斬撃を繰り出した。

「かっ!!」

 しかしカリンもスピードがとりえの少女だ。その程度の動きで幻惑されるはずもなく、気合とともに左手の剣印を突きつけて飛んで来る刃を停止させた。
 犬飼は物量作戦で押しつぶすつもりだから別に落胆もせず、また1歩横に動いて剣を振るう。

「なるほど、そういう手で来たか。……横島、そろそろいいか?」

 確かに消耗戦になれば犬飼の方が有利だ。カリンが1人だったらつらい場面になるが、今は後ろに横島がいる。

「ああ、いいぞ。見えてきた」

 という本体の返事を聞いたカリンが軽く足を開いて腰を落とした。どうやら攻撃に移る気になったらしい。
 その動きに気づいた犬飼も八房を振るうのをやめて足を止める。八相に構えてカリンの様子をうかがった。
 カリンの方から攻めてくるのは、犬飼にとっても望むところなのだ。突進してくる所を霊波刃で迎撃すれば、彼女がどれほど術に長けていようと防げまい。
 それであえて攻撃を止めてやったのだが、カリンは逆に動けなかった。犬飼がカリンの意図をさとったように、カリンにも犬飼の思惑は読めていたから。
 が、その膠着はわずか数秒に過ぎなかった。横島がホルダーからありったけの破魔札10枚を取り出して、花吹雪のように放り投げたのだ。これだけの枚数を書くにはずいぶんな手間がかかるのだが、今はそんなこと言っていられない。

「いけーっ!」
「ちっ、破魔札か!」

 犬飼はとっさに霊波刃で撃ち落とそうと思ったが、それは思いとどまった。少年は手元が狂ったのか斜め上の方に投げたからここまで届かないだろうし、それをあえて迎撃すればその隙に前衛の女2人が飛び込んでくるに決まっているのだ。霊波刃4枚をはじいた使い手2人に挟み討ちされては分が悪い。
 ところがその破魔札の群れは、空中でかくんとカーブしてこちらに向かって来た。どうやら彼が操っているようだ。
 だとすると移動して避けるのは意味がない。しかし手元まで引きつけてから普通に斬り落とすのはさすがに無理なので、犬飼はまず1歩下がって間合いを広げてから、八房を振るって霊波刃を飛ばした。
 それで破魔札は全滅したが、元の構えに戻そうとした八房から、さっきまでとは違う妙な重みを感じたため一瞬動きが遅れた。同時に何か恐怖に似た感覚が脳裏をつらぬく。

「―――ッ!?」

 それは人狼の生存本能が発した警報だった。犬飼がはじかれるように剣から手を離して横に跳ねる。
 次の瞬間、自分がもと居た辺りを何かが通りすぎたような気がした、のと同時に脇腹に鋭い痛みを感じて犬飼はよろめいた。


(横島さんにカリンさん……恐ろしい技を編み出しましたね)

 と一部始終を見ていた小竜姫が怖気をふるった。
 カリンはもともとかなりの速さで空を飛ぶことができるが、今回はこのまえ横島が解説してくれた小竜気両足発現で床を蹴ってさらに加速したのである。まっすぐ突進して横薙ぎに斬りつけただけだが、そのスピードは凄まじかった。
 それに合わせて横島が金縛りの術を使っていたというのも大きい。犬飼本人には効かなくても、得物の方は抵抗する意志を持たないから簡単に効くのだ。霊波刃を飛ばした直後の空白を狙っていたし。
 それでも犬飼ならすぐ力ずくで破れるだろうが、あれだけの速さならその一瞬の隙でお釣りが来る。彼が刀を離さずにいれば終わっていたに違いない。
 しかし犬飼にとって八房は命の次に大事な刀だったろうに、よく手から放す決意ができたものだ。いや、おそらく野生の本能で体が勝手に動いたのだろう。

「小山殿!」

 壁を蹴って戻ってきたカリンが、小竜姫に声をかけると同時に宙に浮いたままの八房を剣で叩いてはね飛ばした。これさえ奪えば犬飼の脅威は半減するのだ。
 むろん小竜姫にもその意図はすぐ分かる。転がってきた八房を木刀で止めると、素早く取り替えて自分の得物にしてしまった。
 ただし八房で犬飼を攻撃する気はない。犬飼は人狼だからいいが、今の小竜姫や普通の人間が使った場合、異質な霊力を大量に取り込むことになるから逆に体を壊してしまうのだ。
 横島が拾っていたら考えなしに霊波刃を飛ばしていただろうが、小竜姫はそんな間抜けなことはしない。
 見たところ犬飼の傷はかなり深いようだ。ざっくり斬られた脇腹から血があふれて床まで濡らしている。いくら人狼でもあれでは歩くのがやっとだろう。
 しかし油断はできない。彼は脇差も腰に差しているが、あれがもし八房と同様の霊刀であればまだ十分戦えるのだ。

「カリンさん、まだ気を抜いてはいけませんよ!」
「うむ、分かっている!」

 もちろんカリンもここで敵を甘く見る気はない。横島と小竜姫のことは互いに守り合うのに任せて、剣を構えたまま慎重に間合いを詰めていく。
 その間に雪之丞は小竜姫の後ろ、横島の傍らに降りて来ていた。実は彼も魔装術がそろそろ限界に近かったので、これ幸いと前線から離れたのだ。
 魔装の鎧を解除して横島に話しかける。

「やるじゃねーか、横島。今度勝負しねえか?」
「……。そーゆー話はまた後でな」

 相変わらずのバトルフリークっぷりを見せつけられた横島の額から、ひとすじの脂汗が流れ落ちた。
 まだ犬飼を倒してもいないのに、何て気の早い男だ。倒した後でも勘弁してもらいたいが。

「ぐぐ……おのれ……」

 犬飼が傷口を手で押さえながら、苦痛と死の恐怖に顔をゆがめる。
 まさか八房を奪われるとは。彼女たちはまだ警戒しているようだが、いずれ脇差が普通の刀だとバレてしまえば袋叩きに遭うだろう。いやそれ以前に、もし八房を使われたらそれで終わりだ。
 誇り高き狩人が獲物に逆襲されて敗走するなど屈辱の極みであるが、今は相手が攻めてくる前に脱出しなければならない。

「ちょっと卑怯な手だったが、おまえの刀も反則だったからな。文句はあるまい。いくぞ」
「く……」

 いよいよ追い詰められた犬飼だが、どう知恵をしぼってもこの敵を出し抜く方法は思いつかなかった。もしここが屋外だったら、人狼の脚力で逃げ切れるのに。
 カリンが1歩前に出るたびに、犬飼は1歩引いた。
 このままでは自分に打つ手がない事もすぐさとられてしまうだろう。犬飼はなかば諦めかけたが、そこに突然、割れた窓から何かが飛び込んできた。5人が反射的に目を向ける。
 それは小さな人影のようだった。手に長い棒切れを持っている。

「おまえ……シロか!?」
「犬飼……父の仇! 覚悟ッ!!」

 シロと呼ばれた子どもは犬飼の誰何には答えず、棒を構えて犬飼めがけて突進した。
 シロの言葉からすれば犬飼にとって敵のはずだが、なぜか人狼の剣士は口元を笑みの形に曲げる。
 あまりに突然のことでカリンたちは反応できない。その間に犬飼は棒切れで肩を打たれたが、それには構わず両手でシロの首根っこと腕をつかんだ。そのままカリンめがけて思い切りぶん投げる。

「なっ!?」

 カリンがとっさに身をかがめて避ける。しかし彼女が再び体を起こしたときには、犬飼はすでにシロが入って来た窓から外に身を投げ出していた。

「くっ、逃げるか!」
「カリンさん、深追いは危険です!」

 カリンがあわてて追いかけようとしたが、小竜姫はそれを止めた。犬飼の動きが思ったより速かったので、1人で追うのは危ないと判断したのだ。

「……。そうだな」

 カリンは不本意そうな顔をしたが、それでも我を通そうとするほどヒートアップしてはいなかった。剣をおさめて小竜姫たちのところに引き返す。

「じゃ、とりあえず仕事は終わりっスね。っと、まだあのガキがいたか」

 まさか犬飼が戻ってくることはあるまい。横島はふうっと安堵の息をついたが、ふと先ほどの闖入者のことを思い出して、その子どもが倒れている壁際に歩み寄った。
 見た感じ5〜6歳くらいの男の子のようで、銀と赤の2色という特徴的な髪をしている。壁に叩きつけられたショックのせいか、意識が朦朧としているようだ。
 横島は傷病平癒符を使ってやるべきかどうか少し迷ったが、それよりも彼の目を引いたのは、

「所長、こいつ尻尾が生えてますよ!?」
「尻尾!? そうですか、この子も人狼だったんですね。道理で……」

 彼が入って来たタイミングが良すぎるのが気になっていたが、それなら理解できる。人間の数万倍といわれる嗅覚で霊的戦闘の気配と同族の臭いを感じ取ったのだろう。
 で、現場に来てみれば「父の仇」が敗北寸前まで追い詰められていたので、自分の手でとどめを刺そうとしたに違いない。
 結果は無残なものだったけれど……。

「この子のさっきの言葉を信じるなら、だがな」

 というカリンの口調にはやや棘があった。結果的にはシロのせいで犬飼に逃げられたためか、多少隔意を持っているようだ。
 親の仇に一太刀報いたい、という気持ちはむろん彼女にも分かるのだが、それにしても行動が軽率すぎる。もしかしたら実は犬飼の仲間で、彼を助けるために乱入して来たのかも知れない。

「……。その辺はこの子が起きないと何とも言えませんね。横島さん、ケガしてるみたいなので傷病平癒符を使ってあげて下さい。
 あとこの刀はどうしましょうか?」
「折っちゃえばいいんじゃない?」

 小竜姫の問いかけにタマモがあっさり答える。室内の会話で戦いが終わったことを察して、中に入って来ていたのだ。
 横島も軽い口調でそれに賛同した。

「俺も今のうちに折っといた方がいいと思いますよ。取り返しに来るに決まってますし」

 この場合八房は犯罪に使われた凶器だから警察かオカGが証拠として押収するのが妥当だろうし、霊能アイテムとしても貴重な価値があるのだが、横島やタマモにそんな感覚はなかった。何かの間違いで盗まれでもしたら大変だ、と思うのみである。
 だがそこに弱々しい声ながらも反対意見が入った。

「ま……待って下され。八房は里の秘宝、できればそのまま持ち帰りたいのでござるが……」

 横島の腕の中のシロである。まだ頭がくらくらしていたが、人狼族の秘宝を折る、と聞いて黙っていられなくなったのだ。
 実は彼の父は八房で殺されたのだが、それでも破壊することにはためらいがあるらしい。
 が、今度はタマモがその発言にかみついた。

「いきなり何言い出すのよこの駄犬。もし取り返されたらあんたに責任取れるわけ?」

 どうやら刀の正当な持ち主とかかわりがあるようだが、やはり犬は思慮が足りない。それに辻斬りに使われた凶器をタダで返せというのも虫が良すぎる話である。

「な、何だ……とこの女ぎつ……ね」

 シロの方もタマモの正体に気づいたらしい。さっそく磁石の同極のように反発するが、その声にはまったく力がなかった。
 実際犬飼には手もなくあしらわれたし、自分のせいで逃げられたということも理解していた。つまりタマモの意見に反論する根拠がないのである。

「ま、まあまあ。2人とも落ち着けって」

 横島もタマモの習性は知っているから怒るわけにもいかない。とりあえずなだめて話をそらす、というか先延ばしにした。

「所長、ここじゃ風が入って来て寒いですし、いったん事務所に引き揚げませんか?」
「……そうですね。シロさんの手当ても必要ですし、帰りましょう。
 と、その前にピートさんに連絡しておきませんと」

 禍根を断つなら確かに折るのが正解だが、人様の宝物を勝手に壊してしまうのは気が引ける。やはりくわしい話を聞いてから判断するべきだろう。
 小竜姫は木刀と八房を袋の中にしまって、代わりに携帯電話を取り出した。

「ほんの200年で人界はずいぶん便利になったものですね……便利すぎるのもどうかと思いますが」

 ぶつぶつと呟きながらも意外に手馴れた様子で携帯を操作する小竜姫。やがて電話口に出たピートは、彼女の話を聞くと感謝の言葉を述べたあと、誰かに電話機をゆずった。どうやら車の中にいるようだ。

「オカルトGメンの美神です。人狼の辻斬りを撃退したとのことですが、くわしいお話を伺いたいので、夜分に恐れ入りますがよろしければ今からGメンの事務所に来ていただきたいのですが」

 相手は部外者だが、なにぶん人命がかかっていることなので「もう夜だから明日に」なんて悠長なことは美智恵も言っていられない。
 ピートは美智恵たちと一緒にオカGの公用車でこの教会に向かっている途中だったので、自分より彼女の方が詳しい話を聞く必要があると思って電話を代わったのである。

「はい、かまいませんよ。これからどうしようかと思っていたところですし」
「ありがとうございます。それではすぐタクシーを回しますので」

 こうして小山事務所も辻斬り退治に参加することになったのだった。


 ―――つづく。

 シロ登場の巻であります。
 もちろん本当は女の子ですが、今は男と思われてるので代名詞は「彼」になってます。
 ではレス返しを。

○ミアフさん
>ブラドー
 実に意外な登場でありました。
 かっこよく活躍できるかどうかは未定ですが<マテ

○whiteangelさん
 ブラドーさんはただでさえ消耗してるところへ八房で斬られたので、だいぶ疲れております。
 小竜姫は封印状態では確かにかなり不利なのですが、今回は必要ありませんでした(ぉ

○KOS-MOSさん
 ブラドーさんは真祖のメンツにかけてもこのままでは終わらないはずです。
 小竜姫さまは今回はいらない子でした。果たして次回は必要な子になれるのか!?(ぉ
>神父の髪が切られている様子
 横島君も加害者に憤慨しておりますw

○通りすがりのヘタレさん
 ピートは生きた人間の血が半分入ってますので、アンデッドじゃないかも知れませんねー。
 西条のことは気にしないで下さい(ぇ
 次回いよいよ令子と忠夫が対面しそうです。

○ばーばろさん
 ブラドー登場はみなさん意外だったようで、筆者はガッツポーズを取っております(ぉぃ
 タマモは今回も影薄いです。正面対決だと出にくいですから○(_ _○)
 小竜姫さまはミニスカも持ってますが、今日は動きやすいスラックスでした。たいして動かなかったのでどちらでも同じですが(ぉ

○Pさん
 はじめまして、よろしくお願いします。
 ブラドーさんもスペックは高いと思うのですよー。頭の中身以外は(酷)。

○とろもろさん
>タマモちゃんとカリンちゃんと小竜姫様がやばそうな気がします
 そうですねー、霊力のわりに見た目は強くなさそうですし。
 今回その連中にあっさり撃退されましたが、いずれリベンジに来る……かも知れません。

○遊鬼さん
 教会はまた壊されました。きっと神父はそういう星のもとに生まれたのでしょう(涙)。
 小竜姫さまvs犬飼さんは実現しませんでした(ぉぃ

○内海一弘さん
 犬飼は前回だいぶ強くなりましたが、今回で一気に弱体化しました(^^;
 でもまだ終わったりはしないはずです、きっと。

○博仏さん
 美智恵さんも難敵が次から次に出て来て大変です。娘も逃げちゃいましたし。
 令子vs横島も次回興行されそうです。

○yujuさん
 横島君は犬飼の気をそらしただけでしたが、小竜姫さまも言ってた通りこれはこれで重要な役割なんですよー(^^;

○casaさん
 予想を裏切れてよかったです(ぉ
 まあブラドーさんも地道に普通の人間だけ狙ってれば良かったんですが、世界征服をもくろむくらいですからそんなちまちましたこと嫌いなんでしょうねぇ、きっと。
>コソコソ出てきては何の前触れもなくやられる的な名脇役
 ひどい、ひど過ぎますw
>小竜姫さまの正体
 今回は封印解くどころか戦う必要すらありませんでした(^^;

○ロムさん
>しかし最近以前ほどこれはっ!という驚きが薄れてきてしまっている気がして
 はうっ!(昏倒)
 お言葉を糧にして、さらに精進していきたいと思いますです。

○読石さん
 ブラドーさんは呪縛を破るのに魔力を消費したのも敗因の1つだったりするんですね、これがw
>無辜の民(異国の民だけど)を守るのは貴族の義務だから本望ですよね
 かっては2回もヨーロッパの人口を激減させたらしいので、これでちょっとは償いになったことでしょう<マテ
>霊力の固まりな弱体化小竜姫さまとカリンに八房は天敵っぽいですし
 は、確かにその通りなのですが、実は八房も横島&カリンには非常に相性悪かったりするのでした。
 そろそろ横島君自身にも活躍させてあげたいのですが(^^;

○HALさん
 ブラドーさんは前回魔力を奪われましたが、消臭剤で人狼の鼻をごまかそうとするほどの現代知識を手に入れてますから、まだまだこれからなのです。
 3すくみの先行きは次回以降をお待ち下さいー。

○TA phoenixさん
 ブラドーさんには名誉挽回の場を与えてあげたいんですが、何もないまま遁走するのが似合ってるような気もします(酷)。
 横島君もやる気になってますのでご期待下さい。

   ではまた。

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