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「スランプ・オーバーズ!11(GS+オリジナル)」

竜の庵 (2006-11-27 23:17)
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 「世界征服してみようと思うんだが。どうだろうアーサー?」

 「不可能です・マスター」


 それは、8世紀以上も前のこと。

 識別番号B−002・個体名アーサーが完成して数日の或る日。


 「素晴らしいぞアーサー。ちょっぴり寂しいくらいあっさりと、創造主たる私の言葉を否定したな。そうでなくてはお前を生み出した価値も意味もない!」

 「世界の広さを入力されたのは・マスター御自身ですが」


 アーサーの最も古い記録。
 誰にも邪魔の出来ない場所がほしい、それだけの理由でカオスが異界への扉を自力で開き、物資を搬入して築いたこの城で。
 カオスチルドレン最初の子は、玉座に座る主と対話を続けていた。


 「ならばどうする? 不老不死を得た私にとって、世界征服とは第二の目標のようなもの…『魔王』の称号を名乗るのなら尚更にな。お前に妙案でもあるのか?」

 「マスターには無限の時間があり・私にも擬似的ですが無限に近い準備期間があります。今しばらくは蓄力に専念し・来るときに動くのが最善かと」

 「はっは! 固い! アーサーよ、お前の思考はまさしく機械そのものだな! もっと柔軟に考えろ、柔軟に。今は乱世と呼んで差し障りのないほどに、世界中が混沌で満ちている。我々異端分子が動くにはうってつけだとは思わないか」


 アーサーは城から出たことがない。その必要も無い。
 必要な情報は世界各地に散っているカオスチルドレンとのリンクによって、常に最新のものが得られるし、城内からでも世界の広さは良く分かる。
 国は滅びと創造を繰り返し、人々は抗うこともままならずに、歴史の流れに翻弄され茶番劇を繰り返し演じている。
 乱世、と一言で片付けるカオスの頭脳には、どんな地図が描かれているのか…アーサーには推し量る術も機能も無かった。


 「しかし、お前の意見は詰まらんが真実だ。アーサーよ! 全くの思いつきだが、お前にはこれより私が創造する全てのモノに対し、強制命令権『コード444』の執行許可を与える! 私と同等の命令権だ、大事に使え!」

 「了解しました・マスター」

 「我が野望を成就するためには、時間が必要だと言ったな。私は世界を回り知識を、力を収集してくる。お前は私とは違った視点から世界を制する術を見つけよ。全ての機能を駆使して自己を高め、情報を収集し、決断を下すがいい! 為したい事に対し、いちいち私の承認を待つ必要はない!」


 玉座から立ち上がったカオスは、彫りの深い顔に笑みを刻み、こちらを見上げるアーサーへ言い放った。
 そしてこれが、アーサーが主より受け取った最初の…唯一の命令。

 カオスが旅立って後、アーサーは言われた通りに自分の出来る事を進めていった。
 製造ライン上の未完成チルドレンを完成させ、万が一の事態を想定して城の要塞化を進め、自らのアップグレードも世紀を経る毎に繰り返し行った。
 世界中の目を通じて具に世界情勢を観察し、最適のタイミングを待った。
 しかし世界は広く、深い。カオスが介入して流れを掌握するには、手段が圧倒的に足りなかった。


 異界での時は、瞬く間に流れていく。
 カオスが帰還したのは、それから200年ほどの年月が経過してからだった。

 …しかも、傍らに無表情の少女を従えて。


 「マリアよ。この別荘でなら、お前の教育に気を使うこともなくて済む。思う存分扉を引きちぎったりテーブルを砕いたりするが良かろう! 内蔵火器の標的にも事欠かん!」

 「イエス・ドクター・カオス」


 当初、アーサーはこの少女を見ても、単にカオスが女性型ヒューマノイドを製作したとしか認識していなかった。これまでもカオスは、似たようなモノを生み出していたから。

 だが、彼女は違った。アーサーとは決定的に根本から何もかもが違っていた。


 「おお? おー……アーサー、だな? 紹介しよう、彼女はマリア。私が創造に成功した人工魂魄によって生きるアンドロイドだ」


 様変わりした内部の様子にも物怖じせず、埃一つ無い玉座に座ったカオスは、アーサーが見つめる中、玉座の右手に佇む少女を紹介した。

 魂魄の創造…アーサーの知らぬ間に、カオスはまた一つ神のみに許されていた領域へと踏み込んでいた。


 「ミスター・アーサー。私の名前は・M−666・マリア・です。242時間・32分・45秒前・ドクター・カオスの・手により・創造されました。以後・よろしく」

 「ははは…まだまだ赤子のようなものでな。丁度いい、アーサー! お前をマリアの教育係に任命する。人工知能と違い、魂魄の成長は時間がかかるものだ…人間と同じくな。お前の知識なら問題あるまい」

 「…了解しました・マスター。先日の命令との優先順位は・如何致しましょう」

 「あん? …あー? …そ、ソレはソレ、コレはコレで両立して進めろ! マリアの教育と平行出来るだけのスペックが、今のお前にはあるだろうからな!」


 アーサーから視線をずらし、ふははは、と乾いた笑いでそれ以上の会話を断ち切るカオス。うっすらと額に滲む汗は、冷たいに違いなかった。


 「あ、あー、そうだ。アーサーよ。マリアにもリンクを造っておく故、教育に役立てるがいい。コード444も適用させておくからな。悪い事をしたら、叱ってやれ」

 「…了解しました・マスター」


 この日から、アーサーはマリアが扉を無理矢理開けようとするのを止めたり、ガラスのコップを何個も握り潰したりするのを窘めるのが日課となった。
 プログラムと魂の両立はカオスの叡智をもってしても、難題であったと見える。

 マリアは城を外界モデルに見立てて一般教養を学び、数日毎に実地研修の名目でその成果を試しに出て行った。世界中、あらゆる地域へ。
 カオスはと言えば、マリアが『はじめてのおつかい』に出掛ける度に、無駄に凄まじい技術を注ぎ込んで作り上げたステルス装備一式を着込んで、尾行に励む有様である。
 …そしてその間、一度もカオスは200年前に自らが語った野望について、口にすることは無かった。
 日に日に以前の鋭さが無くなり、猛禽のような瞳が孫を愛でる好々爺の如き柔らかさを湛えるに至り…アーサーは確信を得た。


 「マスター。一つ確認をしたいのですがよろしいでしょうか?」

 「ん? ちょっと待て。マリアがホレ、とうとう絵日記を描き始めてな? 絵は写実を突き詰めたような精緻さのくせに、文面は『きょうはどくたー・かおすがだいじにしていたきかいを4だいこわしました。もろいです』等と…まるで幼子よ。情操教育も必要だな…」

 「…………」

 「むう…やはり母親役が必要か。男寡では娘の教育もままならん。とりあえずは書物を与えて…」


 アーサーの確信は、あってはならないもの。
 不信へと繋がる、深刻な造反。
 カオスチルドレンの長子…その責と役割を全うするには、バグのように湧いたこの疑問を払拭しなくてはならない。

 一般常識を身につけ、人間社会にも溶け込めるだけの教養を得たマリアを伴って、カオスは再び城を出た。アーサーには一言、『ここの管理は任せた』とだけ言い残して。

 不老不死を得たカオスにとって、200年など瞬きのような時間に違いない、と。アーサーは自身を省みて思う。
 だからこそ、この『たった200年』でのカオスの変節は…彼には理解不能の命題となった。

 確認しなくてはならない。

 カオスが本当に…世界征服の野望を忘れてしまったのか。
 アーサーへの命令を、冷や汗混じりに誤魔化すほどに忘却し切っているのか。

 …次だ。

 次にカオスが帰還した時…アーサーは尋ねようと誓う。

 それは儀式。自分がカオスの子供であることを、再確認するための儀式。

 命令を遂行しよう。カオスの力となるため、世界を見続けよう。マリアとのリンクは幸い繋がったままだ。彼女の…『魂持つもの』から得られる情報も貴重なデータとなる。

 マスターの命令は絶対。マスターの存在もまた、絶対。

 絶対だからこそ、アーサーは自身の内に生まれた疑心を許せない。

 命令を遂行しよう。

 命令を遂行しよう。

 命令を………


 けれど。


 …忘れる、という機能は己にこそ搭載して欲しい。


 機械は悩まない。
 アーサーはそもそもの矛盾にすら、この時点では気付いていなかった。


               スランプ・オーバーズ! 11

                     「魔王」


 玉座に座るカオスの姿は、一国の王と見紛うくらいに様になっていた。
 貫禄や威厳か、と聞かれると答えに詰まるが…この城の纏う雰囲気と、カオスの放つオーラが見事に合致して一種の覇気を放っている。


 「さて……「さてじゃないわよこの耄碌爺っ!!!」ぬわあおうっ!?」


 横薙ぎに払われた天華の鞭は、覇気など無関係に、カオスの首をすぱーんと切り落とす勢いで。

 「な、何をする美神令子!? 重厚な登場シーンが台無しではないか!?」

 「やかましい!! あんたのせいでこっちがどんだけ迷惑受けたか…億単位の賠償じゃ済まないわよ!?」

 亀のように首をすぼめ、ぎりぎりで鞭を避けたカオスの抗議に美神は炎上するオーラと怒声で応え、カオスを黙らせる。

 「れ、令子……ちゃ…ん」

 「冥子!? ちょっと大丈夫なの!?」

 弱々しい冥子の呼び声に、魔神でも射殺せそうな視線をカオスに送っていた美神は、蹲る冥子の体を抱き起こした。軽く細い体躯にどれだけの負荷を与えていたのか…体温は氷のように冷たくなっていた。

 「冥子! まさか血を吐いて…!? 内臓にダメージが!?」

 「なっ、きゅ、救急車ぁーーーーーーーっ!? 電話、電話は何処っ!?」

 「落ち着いてください横島さん!! 応急手当…最初はおっきな声で名前を呼ぶんでしたっけ!? 冥子さーーーん! 目の前の川は渡っちゃ駄目ですとりあえず川辺で石を積んで時間稼ぎをっ!?」

 パニックは伝染するもの。
 美神の発言を皮切りに、横島とおキヌの顔色が変わった。オブジェと化したアーサーの周りを無意味に走り回ったり、あらぬ方向に叫び倒したり。

 「む? 六道冥子ではないか。何故お主らと一緒に行動しておる」

 玉座から降りて美神の側へ歩み寄ったカオスは、蒼白に震える冥子の顔を一瞥して眉を顰めた。

 「んなのどうだっていいでしょ!! 早く病院に運ばないと…!」

 「待て待て。ちょっと診せてみろ…なんじゃ、鼻血ではないか。美神令子、鼻紙はもっとらんか?」

 「へ?」

 「ふむ…? どうやら嬢ちゃんは、強力な霊薬の類を服用しておるようじゃな。特有の薬品臭がぷんぷんするぞい」

 冥子の手をどかせてみると、確かに血は形のいい鼻から流れていた。鼻血だからといって軽く見ていいものでもないのだが…鼻血以外にも体温の低下、霊力の衰弱といった症状が見られる以上、美神には深刻な容態にしか見えなかった。

 「薬って…! カオス! あんたへの追求はこの娘を病院に届けてからじっくりと…」

 「じゃからちょっと待て。この症状はな、薬が切れたことによる一時的な失調症じゃ。心配いらんよ」

 カオスは荒い呼吸を繰り返す冥子の額に手を置き、そう断言してのけた。

 「おいコラ本当だろうな!? あんたの言動ほどアテにならんもんはないんだぞ!?」

 「横島さん落ち着いて!? 図星さしちゃ駄目ですよーっ!?」

 「貴様らな…ワシは一応医学の造詣も深いんじゃぞ!? 錬金術は医学にも通じておるのだからして!!」

 「一時的なって、それは普通副作用って言うんじゃないの! 冥子ったら…何でそんな危ない薬を…」

 冷え切ってしまった冥子の手を握り、美神は冥子の異変を知りながらここへ連れてきた自分の失策を悔いた。
 薬に頼って自分を変えようと思い詰めるまでに、冥子を追いこんだのは自分だ。

 「医務室に連れて行け。おいこら小僧、嬢ちゃんを運んでやれ」

 「お、おう。って、マリアも怪我してるんだ! そっちも…」

 「貴様に言われるまでもない。マリアとアーサーの事はワシに任せろ。美神令子、言いたいことはあるじゃろうが、後にせい」

 カオスは立ち上がると玉座の肘掛け部分を弄り始める。派手な装飾に紛れたボタンやスイッチの類を、慣れた手つきで玉座の主は操った。
 暫しして、冥子を担ぎ上げた横島の前に異空間へ通じるゲートが出現する。

 「医務室へ直結させた門じゃ。アーサーの奴が維持管理をしておったからな、ベッドも清潔、医薬品も揃っておる。嬢ちゃんは安静にして2〜3時間寝かせておけば回復するじゃろう」

 しっしっ、と一同を追いやる仕草で言ったカオスは、アーサーのベヒモスボディを見上げ、次いで倒れたままのマリアを痛ましげな様子で見やり…首を小さく横へ振る。

 「突然現れた癖に…やけに親切ね? 背に腹は変えられないけどさ」

 「息子の不始末を正すのは親の役目じゃろう? さっきお主も叫んでおったではないか」

 「全部見てたのなら、さっさと出てきてこのデカブツ停めなさいよ!! そしたらマリアだって余計な損傷受けずに済んだじゃないの!!」

 「やかましい。こっちにも都合ってもんがあるんじゃ。さっさと行かんか馬鹿者が」

 「美神さん…今は」

 「…ちっ。後で絶対、事情から何から聞かせてもらうわよ。逃げたら承知しないからね!!」

 冥子を背負った横島と美神がゲートを潜り、ショウチリを抱き上げたおキヌが、最後にカオスへ頭を下げて消えていく。律儀な娘だ、とカオスは苦笑したが。


 「…さて。マリア、今しばらく待て。何時も通り…綺麗に修理してやるからな。そして…」

 ゲートが消えるのを見届け、カオスは表情を引き締めた。
 全ての機能を凍結したアーサーの姿が、彼の目には映っている。自分が初めて生み出したアンドロイドで、それ以降全てのアンドロイド製作の雛形となった存在でもある。

 「B−002の凍結を解除。…アーサー。久しぶりじゃな」

 「……イエス・マスター。650年振りになります」

 「そんなになるか…元気だったか?」

 「全機能は正常に・稼働中です」

 「そうか。しかし驚いたな。そのボディ…四精王が一体、ベヒモス。お前が完成させたのか」

 「イエス・マスター。ELボディは全て私が・完成させました」

 一切の感情を濾過したようなアーサーから、先ほどまでの激情は感じられない。コード444の執行が、彼から感情の波すら凍り付かせたのだろうか。

 「…ワシに言いたい事はないか? 8世紀に渡ってお前をないがしろにしてきた、不肖の父に」

 「…私がマスターに造反するなど・未来永劫有り得ません。しかし・時代の推移に伴い・若干ですが命令内容の矛盾・劣化が見受けられます。更新を推奨しますが」

 いまやプログラムの基幹とも言える、カオスの命令。以前ならば武力一辺倒で国を落とし、我が物とする方法がほぼ一択であるのみだったが、現在の国家事情を考慮すると、それは得策ではない。
 国よりも大きな単位で人を支配するシステムが、世界には存在するのだ。
それは経済であったり、政治であったり、もっと深く濃密な因果関係で構築された概念上の支配者達。
 国という器を支配しただけでは、世界を制する意味にはならなくなっていた。

 「ワシの命令って、何じゃったかのう?」

 「うわ分かってましたがやはり完全に忘れてましたねマスター!?」

 あっさりはっきりとアーサーにとっての禁句を口にしたカオスに、思わずアーサーはベヒモスの拳で突っ込みを入れるところだった。

 「…取り乱しました。申し訳ありませんマスター。えーと…」

 「気にするな! ワシが何故今更ここに来たと思っておる?」

 「!? まさかマスター・私の事を思い出して…!?」

 「…………………………………………………………おおう?」

 「うわああああああもういやだこの人完全にボケてるよ痴呆だよ!」

 アーサーは抱えた頭を大広間の壁面にどがっしんどがっしんと打ち付ける。壁はただの石壁ではないのか、その衝撃でも崩れはしなかった。
 崩れたのは、カオスだけである。腰が。

 「止さんかアーサー、444執行するぞ馬鹿もん!! ベヒモスから降りろ!!」

 「…は。再び・取り乱しました。ベヒモス・ボディの機動を停止し・降着します」

 震動によって壇上から転げ落ちたカオスは、腰をさすって胡坐をかいている。ベヒモスの巨体は器用に体育座りをすると、継ぎ目一つ無いと思われた胸部が開き、中から小さな影を吐き出した。

 「ほう。今はそんな姿をしとったかアーサー」

 「…人を捨てた身で・人型を模すのは傲慢というものです・マスター」

 体育座りのベヒモスのつま先に、アーサーは降り立った。本物をそっくり機械に置き換えたような、鳥の姿。
 アーサーの本当の形は、オオタカのものだった。

 「自らを傲慢と蔑むか、アーサー。我が息子にしてはえらく謙虚じゃな。ワシはお前を…ああ、いかんな。育てた記憶なんぞなかったわい」

 「マスターの教えは・この身に焼きついております。今の私があるのは・その教えと命令があったからこそです」

 「ふーむ。随分と成長したもんじゃなぁ…情緒面ではマリアよりも進んでおる。昔のワシ、凄いのうー」

 にこにことカオスは頷いたが、アーサーは猛禽の頭を俯かせカオスの視線から逃げた。

 「…私はマリアのように・魂魄を持たない存在です。経験の蓄積によってアップデートはしますが・人のように成長はしません。精神・と呼ばれるデータも存在しません」

 「ふむ…? …お前、マリアに焼き餅を焼いておったのか。なるほどのう」

 したり顔で顎をさするカオスに、アーサーは翼を広げて抗議を始めた。

 「焼きも…っ!? マスター・それは人の感情です。魂持つモノの。私には該当しません」

 「ふぅ…どうにも、ワシの創造物というのは…アンバランスというか極端というか…何故にこうも頭の固い…」

 こんな異界に閉じこもっていたせいか、カオスから見たアーサーの思考回路は、酷く視野が狭い。己を翼持つ、自由の象徴たる姿へと作り変えたというのにだ。
 羨望があるのだろう。魂への。
 嫉妬もあるのだろう。マリアという存在への。

 「…アーサー、お前は勘違いをしておるな。魂魄というものについて。そして、お前自身についても」

 「勘違い…ですか? しかし…」

 「いいから聞け。確かに、お前には魂がない。マリアにはある。これは事実じゃ。だが、『それがどうした?』じゃよ。お前は『魂』と『心』を同一視しているが、これは別物じゃ」

 カオスは腰痛に顔を顰めながら立ち上がり、玉座へと戻る。すると不思議なもので、玉座から見下ろすアーサーの姿に、古い記憶の一部が刺激された。

 (…そうじゃったなぁ。初めてマリアを連れてきた時も、こいつはきょとんとした目でワシを見上げておったわ)

 650年前の記憶。忘却していたとばかり思っていた、当時の様子をカオスは懐かしく回想していた。アーサーはその頃金髪碧眼の青年の姿をとっていて、マリアの手を取って歩いたり、テーブルマナーを教え込む彼の姿は、まさしく兄そのものだった。

 「…マスター?」

 「っと、すまんすまん。何の話じゃったっけ…おおう、そうそう。魂と心な。いいかアーサーよ。魂とは全ての生物に与えられる証。神に与えられし『生きていくための許可証』みたいなもんじゃ」

 「生きていく・証…」

 「ワシはな、その神の傲慢さが嫌で人工魂魄の研究を始めた。お前を初めとしたアンドロイド、チルドレン達はその過程で生まれた試作品。マリアという完成品を世に出すためのな。じゃが、『それがどうした?』じゃよアーサー」

 神の傲慢を嫌い、神の御業を人の身で体現しようとする。
 その所業は…まさしく『魔王』と呼ぶのにふさわしいのではなかろうか。

 「お前は魂がない。しかし、『心』を…魂なんぞよりも崇高な、己の心を所持しておるではないか! 自慢ではないが、今のワシにも『心』の合成なんぞは出来ぬからな」

 アーサーはカオスの言葉が、マリアの放った言葉に通じていることを理解した。いや、逆か…マリアの言葉が、カオスの思いそのものなのだ。
 マリアは拙いながらも、自分に心があることを説いていた。美神達に翻弄されて激昂するアーサーを笑わず、それこそが心あるものの証明だと言ってくれた。

 (だが・私は…)

 混沌。
 人に宿る混沌を恐れ、我が身に宿る混沌こそが自分を苛立たせる原因なのだと、マリアの言葉を一笑した。
 マリアを人と同じだと言い、嘲ったつもりのアーサーに彼女は礼で答えた。それが更にアーサーには気に障った。

 (意固地になっていた…? 馬鹿な・私は…)

 「迷うておるな? 悩んでおるな? それこそが心ある存在の証。神なんぞに証明されんでも、お前が生きておる立派な証拠じゃ!! 心とは魂に宿るものにあらず! 心とは『存在』にこそ宿るものである!!」

 わっはっはっはっはっは、とカオスは盛大に笑った。
 矮小な自分も、傲慢な神も…魔王はものともしない。

 …そして、自分はこの魔王の息子なのだ。

 「…今、ワシは大いなる研究に着手しておる。事が為されれば、世界が震撼するほどに巨大な研究じゃ。既にスポンサーは得た。無論、真の我が野望は伝えてはおらんが、途中までは思惑が重なる部分があるでな…向こうもそれで納得したようじゃ。アーサーよ。今後はワシの許で我が野望成就のために力を振るえ!」

 アーサーは見た。
 カオスの瞳が、昔の…850年前の色を宿しているのを。
 アーサーは恥じた。
 カオスが変節したと、マリアという娘を得て只の爺馬鹿というか馬鹿爺に成り下がったと、一瞬でも思ってしまった自分を。(一瞬どころじゃなかったが)

 「まずは世界を制するぞアーサー! 我が技術、我が子らの力を総結集して!! わっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」


 ああ。


 ああ………!!


 全く変わっていないではないか。
 過去の命令を忘れようが、己の事を忘れようが…

 『それがどうした?』

 この一言が、全てを物語っている。

 「…命令を……更新・しました…マイ・マスター…!」

 魂無き身でも、感極まる事が出来る。
 これが心か。
 これが…!

 「始めるぞ、アーサー。まずはマリアをラボへ運んで…綺麗にしてやらねばな? 兄妹喧嘩は、今後は程々にせい」

 立ち上がる仕草は、往年のもの。不敵に笑う表情も、纏うオーラも全て何もかもが…アーサーの知るカオスそのものだった。

 「来いアーサー。我が肩に止まり、ワシと同じものを見、聞き、感じよ。そして更に成長するのじゃ。身も心もな!」

 「イエス・マスター!」

 歓喜に打ち震えながら、アーサーはカオスへ向けて飛び立った。喝采を上げる己が心のままに。翼を広げ、650年の苦悩からも解き放たれるように。


 「痛でででででででっ!? 重い痛い肩が外れるっ!? アーサー鉤爪鉤爪!! 爪が喰い込んでおるからして!?」

 「………老いましたねマスター……」

 「………心無い一言じゃなー…………」


 天蓋付きの大きなベッドは、医務室に置くには派手すぎる…
 冥子を真っ白のシーツの上にそっと横たえた横島は、カオスの悪趣味にげんなりしていた。

 「ここ、ほんとに何なんすかねぇ…カオスの野郎の秘密基地か?」

 「あの爺の考えてることなんて、分かるわけないでしょ。今は冥子よ。横島君…」

 「あ、文珠っすね。『癒』でええんかな…病気の治療なんてやったことないんで…」

 「『解』よ」

 「へ?」

 首元まで毛布をかけてやると、冥子の呼吸は少しだけ柔らかくなった。美神はハンカチで彼女の額の汗を拭い、濡らしたティッシュで乾いた鼻血も拭き取っていく。

 「薬効の悪い部分だけを、『解毒』するの。こんな状態になっちゃう薬なんて…毒薬と紙一重のキワモノに決まってるんだから。それとおキヌちゃん、神域もお願い」

 「あ、はい。ほらショウ様、チリちゃん。マリアは大丈夫だから…」

 「む…ほれチリ、合奏の準備をするぞ。泣き止まんか」

 「でもマリア姉様、腕が…」

 「大丈夫じゃ! あの老いぼれは腐ってもマリアの父! 父とは子を守るもの! 大黒柱! 給料マシーンじゃ!」

 最近テレビの見過ぎでどんどん変な知識の増える、ショウである。
 兄なりの不器用な励ましは、200年共にいる妹には良く伝わる。兄が普段から道化を演じるのは、自分がリュウを失ったことで澱んだ心を、なんとか元気付けるためでもあったのだから。大半は地だが。

 「そうよチリちゃん。今までだって、カオスさんはマリアのとっても良いお父さんだったんだから? そうですよね美神さん」

 「…惚れた女の姿形をしてんだから、そりゃ過保護にもなるわよ」

 刺々しい台詞から、美神が相当猛っているのが分かる。カオスへの怒りと、冥子をこんな目に遭わせてしまった自責が半分ずつ…要するに半分しか憂さ晴らしにならないのが、また苛立たしい。
 霊力だけ強くなっても、成長とは言えない。美神は自分に子供っぽい幼稚さがあり、その部分への自覚の足りなさ、至らなさが今回のような事故を招くことを十分に分かっている。
 まだまだ、母のようにはなれない。
 意志も、力も、知識も…
 もっともっと、強靭にならねば。
 美神は苦しげに呻く冥子を見て、決意した。

 「…って、ほらほら横島君? 文珠を…」

 「…………………………………」


 ベッドの足元側に立つ横島は、瞬きもせずに一点を見つめていた。いや、視線の先には何も無い。
 横島は明らかに意識を別のどこかへと、飛ばしていた。


 「? ちょっと! 横島コラ!」

 「……あ、美神さん。すんませんちょっと考え事を…」

 「しっかりしてよもう…冥子苦しんでるでしょうが…ったく」

 自分にも責任があるので、美神もそう強くは言えない。思うように横島をシバけないもどかしさは…まあ戻ってから裁けばいいか。

 「さっさとやんなさい」

 「…ういっす」

 「美神さん、神域の準備もOKですよ」

 「…じゃあ皆よろしくね」

 浄化や治療方面のスキルに乏しい美神は、枕元から一歩引いて後輩達にその場を託すしかない。

 (…天華…こいつで何とか補填できないかしら。少しでいいから治療系の能力もあったら大分違うのに…悔しいわね、ちょっとだけ)

 腰に差した天華を撫で、美神は唇を噛み締める。


 ピュリリリリリリリリリリィ………


 優しく響き渡る龍笛の音に、笙と篳篥の音色が重なって。
 おキヌ自身久々の神域が、異界の古城の一角を浄化していく。
 絶対浄化領域、と称されたこともあるこの霊能力には、ヒーリングも備わっている。今回の冥子のように、霊薬による苦痛の軽減にもその威力を発して余りあるだろう。

 「うっし、『解』! 効果出ろよー!」

 美神の代わりに枕元に来た横島が、『解』の文珠を冥子の胸元に当てる。毛布の上から。ヘンな事を企むようなら千鞭万華の刑だ、とオーラを送っていた美神も拍子抜けするほどに、スムーズに処置は終わった。

 「おキヌちゃん、悪いけどもうちょっと続けてくれる? 私達の霊力もほとんど空っぽなのよね…」

 こくりと頷くおキヌにありがと、とウィンクをして。冥子の寝息が穏やかになっているのを確認してから、美神は全身を襲う疲労感に任せて手近にあった椅子…これも古めかしい装飾が華々しい…へ腰を下ろした。

 「オレ、何か飲み物探してくるっす。食堂…なんて城にあんのかな?」

 「いいわよ、別に。異界の水なんて飲めたもんかも怪しいし。そもそもこの城がアーサーとかっていうロボの根城なら、パンやワインなんて置いてないだろうし」

 「…ヘンな色の水とかヘンな生き物の干物とかならありそうやな…」

 うげ、と横島も想像してしまう。思わず医務室を見回し、戸棚やら机やらの引き出しの中が微妙に気になってしまった。


 「おおう? ほうほう…これが氷室キヌの神域か。…ふむ」


 医務室の扉に限らず、城内の扉は長身のカオスに合わせて設計されているようで、大ぶりな造りをしている。手入れがしっかりされているのか、扉は軋む音一つさせずに主を室内へと招き入れた。
 肩に銀色の鷹を侍らせたカオスは医務室に現れて開口一番、室内を包むおキヌの神域に対し、興味深げに口の端を歪ませて四方へと目を走らせる。

 「…なるほどの。霊気と雅楽による浄音の同期、増幅…死霊使いの能力の発展形というわけか。興味深い」

 「キヌにおかしな目を向けるでない老いぼれっ! マリアはどうしたんじゃマリアは!?」

 笙を奏でながらも、付喪神の特性を生かしてカオスを威嚇するショウ。おキヌさえ神域の維持に集中していれば、この程度のことは可能だ。

 「雅楽器の付喪神か。小僧、ワシを誰だと思うておる? 老いぼれなのは否定せんが、齢1000を超える魔王に対し、大した口を聞くではないか」

 「1000!? 何なんじゃ今の世は! 200歳を超えるオレより年上の者がごろごろしておるとは!?」

 「それより、マリア姉様は…」

 「ほう…マリアを姉と呼ぶのか、お嬢ちゃん。安心せい、末端パーツの破損程度、このワシの手にかかればすぐに直してみせる」

 「そうですか…」

 と、俯いたおかっぱ頭に、カオスの大きな手が置かれた。
 篳篥の音色が少しだけ乱れる。

 「マリアはワシの大事な娘じゃ。そう泣きそうな顔をするでない」

 カオスの手は節ばっていてごつごつしていたが…温かい。チリは頬を赤らめ、無言のまま小さく頭を下げて、その後は篳篥の演奏に集中していった。マリアは大丈夫だと伝えてくるその手を疑う余地は、もうない。

 「六道冥子はどうじゃ? 美神令子」

 「…あんたの言う通り、今はもう落ち着いてるわよ。文珠で解毒もしたしね」

 でも頭を下げる気も、礼を言う気も無い…美神の挑むような視線には色濃く敵対の意志が現れていた。カオスは鼻で笑って、眠る冥子の顔を覗き込む。

 「ワシの見立てが正しければ、こやつが服用した霊薬は…『心格矯正薬』の一種じゃな。簡単に言うと、意図的な人格分裂を誘発させる薬じゃ」

 「おいおい…それってどこが『矯正』だよ。どっちかっちゅうと『強制』じゃねえの?」

 「小僧は黙っとれ。心格という言葉に、聞き覚えはあるかの? 美神令子」

 こちらを見下ろして話すカオスに不愉快になるも、美神はその問いに渋々答える。

 「…人格をそれっぽく言い直したもんでしょ。学者が論文の説明のためにこじつけた造語よ」

 「端折るのー…まあいい。精神心理学についての講釈なんぞ聞きたくなかろうしな。小僧にも分かるよう説明するとだ。心格とは意志力。その者がもっている本来の心の強さ…そんな意味じゃ」

 ばさり、とカオスの肩で鷹が身じろぎをした。心、という言葉に反応したようだ。

 「ちょっとカオス、それもあんたの作品?」

 「む? アーサー、お主…本体ではこやつ等の前に出ておらんのか」

 「はい。…さっきは悪かったな・美神令子」


 「「アーサー!?」」


 美神と横島の声が、期せずして揃った。椅子から飛び退いた美神は冥子を庇うように天華を抜き、横島は神域展開中のおキヌの前で霊波刀を構える。心なしか、神域の音楽にも厳しさが混ざったように感じられた。

 「ワシがここにおる以上、さっきのような間違いはもう起こさんよ。争った経緯はアーサーから聞いたが…お互い無事じゃったんだし。手打ちにしてくれ」

 「ざけんじゃないわよ!? そいつと戦ったお陰で冥子もマリアも倒れたんでしょうが!! 冥子なんて止めも刺そうとした癖に…!」

 「動物園じゃ、マリアを操って美神さん達に銃口向けさせたんだぞ!! なんとも思わないのかよ!!」

 カオスの暢気な物言いには、流石の横島もキレた。霊波刀の鋭さが、集束度が増していく。返答如何によっては…銀色の鷹を一刀両断にするのもやむなし。

 「ふーむ…これは、話し合いをする空気では無くなったのう。しかし、じゃ。お主らは現状をきちんと把握してワシに突っかかっておるのか?」

 柳に風、と強烈な怒気を受け流すカオスに焦りの色は見えない。それどころか、圧倒的強者の目線で自分を取り囲む美神除霊事務所の一同を、ぐるりと見渡した。

 「物騒なもんは仕舞え。出来ぬというなら、強制的に散らすがええかの?」

 そういって黒衣の魔王は、懐に手を入れた。美神の緊張が高まる。雅楽の調べをBGMにするには…あまりに似つかわしくないシチュエーションだった。

 「…オーラジャマー起動。対象者名・美神令子及び横島忠夫」

 懐に入れた手は、外には出なかった。カチリ、とスイッチを押す音がその手元から聞こえ、美神が舌打ちと共に天華の鞭を振り被った瞬間、蚊の羽音のような高周波音が神域内に広がる。
 その効果は迅速に発動した。

 「きゃ?!」

 鞭状に集束していた美神の金色の霊気が、握り潰されたように弾けて消える。

 「うおっ?!」

 横島の霊波刀も、ぐにゃりと刀身を維持出来ずに歪み、鞭同様弾けて消えてしまう。

 「美神さん、横島さん!?」

 思わず龍笛から口を離してしまったおキヌを見て、更にカオスは続ける。

 「追加一名・氷室キヌ」

 「ふええっ!?」

 発せられた自分の名に動揺し、慌てて神域を再構築しようとするも、龍笛からは霊気が発せられない。雅やかな音だけが響くのみである。

 「霊圧のジャミング…!? それって、あの時の…!!」

 愕然とする美神はカオスを睨むよりも先に、自分の丁稚の方を見た。


 横島は文珠を生成しようとして、失敗していた。砕けた欠片が掌を傷つけているにも関わらず、何度も、何度も。


 …何かを思い出して。

 それは無力な自分の姿か。


 無力な自分が生んだ結果か。


 結果、守れなかった誰かの面影か。


 フラッシュバックする。甦る。「ちょっと待てよ…」普段は意識しない、消せない記憶。「待てって…あの時じゃねえんだよ…」消してはいけない記憶。思い出。「全然違うからよ…」姿。声。「おいおい…頼むって」バイザー。笑い声。「こんな、連想すんなってオレ…」唇の感触。告白。「ははは…」笑顔。淡い燐光。「…はは……は」


 夕焼け。


 「横島君しっかりしなさい!!!」

 頬に走った衝撃で、横島は我に返った。何故か物凄い怒りの形相の美神が、目と鼻の先に立っている。彼女の表情は、痛みに耐えているようにも見えた。

 「横島さん!!」

 そして何故か、おキヌが右腕に縋りついていた。指先がじんじんと熱い。ああ、怪我してるのかオレ…とぼんやりと横島は思う。


 「どうじゃ美神令子? これぞワシが開発した霊力発露阻害装置…オーラジャマー(試作型)じゃ。日本の著名なGSのデータはインプット済みで、スイッチ一つで対象者の霊能を封じ込めることが可能となる。大手スポンサーを得たワシに…って、あれ?」


 カオスの思惑では、ここで愕然とする美神達を前に高らかに哄笑を上げ、圧倒的優位な立場で場を支配しようと目論んでいたのだが…


 「…………ワシ、なんか地雷踏んだかの?」

 「悪役が板に付きませんね・マスター…」


 ぽつねんと取り残された魔王とその息子は、介入し難い空気を形成している美神達に声も掛けられず…取り出すタイミングを逃したペンライトのような形のそれを、手持ち無沙汰に弄くるのであった。


 続く


 後書き

 竜の庵です。
 すごいぞ ぼくらの どくたー・かおす! というお話でした。
 ジャマーは第一話でロディマスと春乃が、チェックだグリーンだとやっていた奴です。誰も覚えてない伏線回収が趣味。


 ではレス返しを。


 内海一弘様
 アーサーは一人ぼっちで考えたため、思考が泥沼に陥っているような印象です。いい奴、かな…?
 十二神将を使った戦術バリエーションは、かなり多彩でしょう。冥子編で今の冥子の思いも描けると思います。じ、次回から! 多分!
 作者もかっこいいカオスは好きなので、かなり重要人物として動いております。真意なんかはもう少しお待ち下さい、としか言えませんが。重要なので。


 カシム様
 異界の城を訪れた理由…完全にド忘れしております。用事があって来たのは確かですが、作中でカオスがボケているように、アーサーとの再会が目的ではなさそうです。いいのかそれで。
 流血し易くなってるんではなかろうか…横島は。その辺のリミットが緩んでる気がします。


 木藤様
 録音はあっても録画はしてない魔王様でした。出来過ぎなタイミングは、魔王降臨の重要な部分。ちょっとだけ演出過多気味で、美神に怒られてます。
 マリアもちょっと…兄妹に対してヘンなイメージが植えついているようです。手近な例が極端なもので。


 柳野雫様
 物陰でタイミングを測っていたわけではないんですが…結果、このような登場に。冥子の危機を好機と察して出たんじゃありません。多分。
 エピローグに届いてません…構成が下手糞だなぁ自分。次回でマリア編は決着となるでしょう。
 冥子はぽややんキャラの筆頭ですからねぇ。アクティブな動詞と無縁の娘で、今の冥子は書いていると違和感のあること…こちらは、次回以降の展開で。


 以上レス返しでした。皆様有難うございました。

 次回予告が某跳躍のものくらい無意味になってますが、敢えて続けます。
 マリア編エピローグと冥子編導入…次回こそ。次回こそぉ!


 ではこの辺で。最後までお読み頂き、有難うございました!

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