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▽レス始

「心の声が よそぢあまりよっつ目(GS)」

寿 (2006-11-15 00:15)
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「救護班!!」

「は〜〜〜い!!」

審判が救護班の冥子ちゃんを呼び、魔物と化した陰念に式神を使ってヒーリングを施し始めた。

「・・・」

俺はそれを見ながら先ほどの光景を思い出す。

自分の仲間に一切の躊躇も無く攻撃をする大男。

俺はその表情に背筋の凍るのを感じた。

なぜそんなことが出来る?お前達は仲間じゃないのか?

「駄目だわ〜〜。ダメージが大きすぎるし〜〜、人間に戻すには何ヶ月もかかりそうよ〜〜。」

冥子ちゃんの言葉に俺は思考を止め、再び陰念に視線を向ける。

完璧に魔物と化した人間。

これが魔装術の副作用か・・・

なぜここまでして力を求める?そんな力になんの意味がある?

俺にはわからない。この試合で俺は怒りに任せ、陰念と同じように力を振るった。

試合を早く終わらせようと思えば出来たかもしれない。

もし俺が最初からハリセンなど使わず、覇璃扇を使っていれば最初の一撃でケリがついていたかもしれない・・・

それはあくまでも可能性。でもゼロではなかった可能性。

俺はその可能性を切り捨てた。そしてその結果がこれ。

人ではなくなった者と、俺の心にあるなんとも言えない不快感。

これが怒りに身を任せた結果か?

俺はその怒りがどんな感情かも知っていたのに・・・

俺は感情に任せるあまり、一人の人間を魔に突き落としてしまった・・・

俺は手のひらを強く握った。

その瞬間、審判は俺の手を取り、上げながら・・・

「陰念選手試合続行不可能につき、横島選手の勝ち!!」

ようやく試合の終わりを告げた。


試合場では冥子ちゃんが式神を使ってヒーリングを施している。

あの陰念とか言う奴は魔装術を使いこなすほどの実力は無かったのだろう。

おそらくメドーサは知っていて陰念に魔装術をさずけたのだろう。

その結果、陰念は魔に落ちた。

くそっ!!白龍GSとメドーサが繋がってるのはほぼ間違いないのに証拠が無い!

せめて陰念からなにか情報が引き出せればよかったのだがそれはもう無理そうだ。

残りの白龍GSの選手は二人。そしてそのうちの一人はピートさんの次の相手だ。

おそらくこの二人は陰念より上と見て間違いないだろう。

先ほどの霊波砲、あれはかなりの威力があった。横島さんでも単発なら防げるだろうが、連発されたら・・・

そうだ!!横島さんは!?

わたしは自分の思考から脱し、試合場に目を向ける。

横島さんは特に動かず、陰念の治療風景を見ている。

あれはかなり気にしているな・・・

わたしはそれを確認するとすぐさま横島さんのもとへ向かうべく行動を起こそうとした。

(!?)

しかしその寸前、わたしの能力がある人物を発見した。

それは決して忘れることの出来ない奴。

天龍殿下の命を狙い、横島さんを死なせかけた奴。

その長い髪、その目、その顔、全てをわたしの能力が記憶している。

ついに姿を見せたのね〜、メドーサ!!

くそ!!あいつは横島さんのことを知っている。もしここで襲われたら打つ手が無い!!

どうする!?横島さんに知らせてこの場から逃げるか?いや、逃げ場なんて無い。

あいつが本気になったらここにいるGSなど物の数ではない。

小竜姫は何してるのね〜!?

わたしが心の中で叫ぶとメドーサのいる客席に小竜姫と唐巣神父が姿を見せた。

おお、まさしく天の助け!!

これでメドーサも動けないはず。さすがに小竜姫もこんなに人のいるところでは自分から攻撃はしないだろう。

つまりはにらみ合い。一瞬即発の状態ではあるが・・・

まぁわたしに何が出来るわけでも無し。とりあえずは・・・

(おキヌちゃん、横島さんのところに行くのね〜。)

「は〜い。」

横島さんのところに行くのが最優先事項なのね〜。


「横島さーん!!凄いじゃないですかっ!!資格取った上に勝ち進むなんて・・・!!」

おキヌちゃんのその声で俺は思考の海から現実へと引き戻された。

見るとおキヌちゃんはうっすら目に涙を浮かべながらこちらに向かってきていた。

「うわっ!?」

おキヌちゃんはその勢いのまま俺に抱きついてきた。

「お、おキヌちゃん!?」

「へへへ・・・」

俺はあわてておキヌちゃんに声を掛けるが、おキヌちゃんは幸せそうに微笑みを浮かべるだけだった。

(なに鼻の下伸ばしてるのね〜?)

「なっ!?だ、誰がだ!?お、おキヌちゃんとりあえず離れて・・・」

「む〜、わかりました。」

おキヌちゃんはしぶしぶながら俺から離れてくれた。

「あっそうだ。ヒャクメ様をお返ししますね。」

「あ、ああ。ありがと。」

おキヌちゃんはそういいながら俺にバンダナを手渡した。

俺はそれをいつものように頭に巻いた。

(ふ〜、ようやくこの場所に戻ってきたのね〜。)

「はは、わがまま言って悪かったな。」

(ううん、それは別にいいのね〜。)

ヒャクメはいつもの調子でそう返事をしてくれた。

(それで、「横島く〜〜ん。行きましょう〜〜。」ってなんなのね〜?)

ヒャクメが言葉を続けようとすると誰かの声がそれを遮った。

「め、冥子ちゃん・・・」

言葉の主は冥子ちゃんだった。

「ほらほら〜〜。早く〜〜。」

冥子ちゃんは相変わらずのんびりした口調で俺の左手を引いていこうとする。

「ちょ、ちょっと待ってよ冥子ちゃん。いったいどこに行くの?」

「え〜〜?救護室よ〜〜。横島君怪我したみたいだし〜〜わたしが治してあげる〜〜。」

そういいながら俺の右手を見る。

確かにさっきの試合で多少怪我はしたが・・・

「いや、これくらい大丈夫だよ。」

(駄目なのね〜!!横島さんは次の試合もあるんだし、治療は必要なのね〜!!)

それまで黙っていたヒャクメが強い口調でそういった。

見るとおキヌちゃんも目で俺に治療を受けるよう訴えている。

「それじゃ〜〜、いきましょ〜〜。」

「はい・・・」

俺は負けを認め、冥子ちゃんに引きずられる形で救護室へと向かった。


救護室で俺は冥子ちゃんの式神のショウトラに傷を舐められている。

「はい。お終い〜〜。」

冥子ちゃんがそういうとショウトラが舐めるのをやめた。

俺は右手を上下に振ってみる。

ん。痛くない。

「ありがとう冥子ちゃん。」

「えへへ〜〜。」

冥子ちゃんは俺のお礼の言葉を聞くと笑顔を浮かべ、他の負傷した選手の治療に向かった。

(それで横島さん、どうしたのね〜?)

「ん?なにがだ?」

ヒャクメの問いかけの言葉に俺は出来る限る平静をよそおって答える。

(なにがだ?じゃないのね〜。試合の後ずいぶん思いつめた顔してたのね〜。)

「そ、そうか?」

(そうなのね〜。大体想像は付くけど、おおかた相手があんなふうになったのを気にしてるのね〜?)

「!!」

俺はヒャクメの言葉にドキリとした。

図星だ。

(やっぱりなのね〜。)

「・・・」

俺は返事を返さない。いや、返せない。

(・・・ねぇ、・・・横島さん?)

ヒャクメは少し間をおいて言葉を続けた。

(さっきのは相手に魔装術を使いこなす力が無かったのが原因なのね〜。って言っても・・・)

俺は黙ってヒャクメの言葉を聞く。

(横島さんは納得しないのはわかってるのね〜。横島さん、あなたは小竜姫にどんな力を教わったのね〜?)

「・・・護る力。」

(そうなのね〜。横島さんはそれを得るために一生懸命修行したのね〜。でもそれは力の使い方で、力そのものじゃないのね〜。)

「?」

(力には善も悪もないのね〜。力は力でしかないのね〜。それをどう使うかは使い手しだいなのね〜。)

ヒャクメは真剣な口調で続けた。

(陰念の力の使い方が正しいのか間違ってるのかはわたしにはわからないのね〜。でも、横島さんの力が間違ってるとは絶対に思わないのね〜。)

「・・・」

(陰念は確かにあんなふうになっちゃったけど、治療を受ければ元の姿に戻れるのね〜。その時今日の試合のことをどう思うかはわからないけど・・・)

俺は返事をするのも忘れ、いつの間にか真剣にヒャクメの言葉に聞き入っている。

(少なくとも、力の使い方を間違えたことはわかったはずなのね〜。だって、わたしの信じている横島さんと戦って負けたんだもの。)

最後の言葉は真剣な口調ではなく、いつものヒャクメの明るい口調だった。

「・・・俺はそう相手が思える試合をしたのかな?」

(私から見ればそうなのね〜。)

「そっか・・・・ありがとな、ヒャクメ。」

(ふふ、どういたしましてなのね〜。)

俺はヒャクメに感謝の言葉を言った。

思えば落ち込むたびにこいつには励まされてるな。

(それで横島さん、話は変わるんだけど・・・)

俺が心の中で感謝をしているとヒャクメがそう切り出した。

「ん?なんだ?」

(メドーサが・・・来たのね〜。)

「!!」

どうやらのんびりしていられる状態じゃないらしい。


あとがき
時間が・・・話がまとまらない〜〜〜〜!!うう、本気で今回は時間が掛かりました。この次の話の考えが浮かぶのはいいんですがその前にこれをどうにかしなければ・・・うう、私の頭の構造がにくい!!次はピートVSユッキーです。たぶん・・・がんばろう・・・

おまけ

こんなことばっかり考え付くから話がまとまらないんじゃーー!!(心の叫び)
今回の話を書いていてなんとなく浮かんだネタです。

今回の話でヒャクメがおキヌちゃんに横島君のところに向かうように言うシーン。

(ま○え・・・じゃなかったおキヌちゃん!!横島君のところにいくのね〜!!)

「は、はぁ。それはいいんですが・・・」

(なんなのね〜?)

「なんで眼鏡かけてポッキーをたべてる映像を一緒に送るんですか?」

(そのへんは気にしちゃ駄目なのね〜!!良いから横島さんをトレース、じゃ無かった、横島さんのところに向かうのね〜!!最優先事項なのね〜!!)

「は、はい!!了解しました!!み○ほ先生!!」


・・・駄目ですね。脳が死んでます。


レス返し

始めにご意見、ご感想を寄せいていただいた皆様に感謝を・・・

アイク様
私の中で魔物陰念は下級魔族の子供と考えています。ある意味、生まれたてですからね。原作ではどの程度の強さだったのか興味はありますが・・・結界破るぐらいですから結構強いのかな?

内海一弘様
ヒャクメの参戦はまだ未定です。たぶん参戦させるかな?その前に原作とは違う結果にするかもしれません。横島君とヒャクメペアで・・・とりあえずお楽しみに〜。

夢識様
暗器系のソーサー・・・面白そうですが私の知識が問題です。陰念は原作と変わらず大して良いところも無く退場です。やはり小者の宿命ですかね。私も人のこと言えませんが・・・

スケベビッチ・オンナスキー様
誤字のご指摘ありがとうごさいます。訂正させていただきます。覇璃扇の元ネタは大正解です。大好きなんですよねあれ。ゲームも小説も。うう、ゲームを買う為に電車で片道二時間揺られたのは懐かしい思い出です。・・・田舎物?

への様
鉄扇を小さく出せなかったのはハリセンのイメージが強すぎたためと、鉄扇を正確にイメージできなかったため小さくすると普通の扇子ぐらいの強度しか出せなかったためと考えています。主な原因は前者ですけどね。この横島君は骨の髄までツッコミなんで。

reki様
ギルティギアはあんまりやらないんですよね。ワンダースワンのちびキャラのやつはやったんですが・・・うう、勉強不足だ。

casa様
おお、元ネタ正解ですね。ちなみにピコハンはギャグでは使うかもしれませんが流石に実戦では・・・もちっとわかりにくい元ネタで悠○幻想曲3のルー○ィーハンマーが候補に挙がっていたのは秘密です。

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